JP2019183090A - 2液型硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
架橋性ケイ素基含有有機重合体の架橋性ケイ素基(反応性ケイ素基)は、ケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る基である。架橋性ケイ素基としては、例えば、一般式(1)で示される基が好ましい。
−CH2−C(R3)(COOR4)− ・・・(3)
(式中、R3は水素原子又はメチル基、R4は炭素数が1〜5のアルキル基を示す)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、一般式(4):
−CH2−C(R3)(COOR5)− ・・・(4)
(式中、R3は前記に同じ、R5は炭素数が6以上のアルキル基を示す)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位からなる共重合体に、架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体をブレンドして製造する方法が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、エポキシ基を含有する各種の化合物が挙げられる。具体的に、エポキシ基を含有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ゴム変成エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、グリシジルエステル系化合物、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化SBS(SBSは、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体を示す。)等が挙げられる。
充填材としては、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、及びカーボンブラック等の補強性充填材;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、硬化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、中空バルーン等の充填材;石綿、ガラス繊維、及びフィラメント等の繊維状充填材等を用いることができる。
希釈剤は、A液とB液との混合組成物の注入性を向上させることができる。希釈剤としては、従来公知のものを用いることができるが、例えば、有機溶剤等の非反応性希釈剤や、上記の架橋性ケイ素基含有有機重合体で述べたような架橋性ケイ素基含有有機重合体や、グリシジルエーテル等のエポキシ系反応性希釈剤等の反応性希釈剤が挙げられる。非反応性希釈剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルジグリコールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。A液とB液とを混合して得られる硬化物の性能維持の観点からは、反応性希釈剤を用いることが好ましい。また、反応性希釈剤としては、接着性に優れる点から上記の架橋性ケイ素基含有有機重合体を用いることが好ましい。希釈剤としては、2液型硬化性樹脂組成物の硬化中等に揮発することを抑制する観点から常温(23℃)で沸点が100℃以上である有機化合物を用いることが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1,3−ジアミノイソプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン等のケチミン型シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;ビニルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等の塩素原子含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート含有シラン類;ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等のアルキルシラン類;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のフェニル基含有シラン類等が挙げられる。また、アミノ基含有シラン類とシラン類を含むエポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物とを反応させて、アミノ基を変性した変性アミノ基含有シラン類を用いることもできる。特に、アミノ基含有シラン類や、変性アミノ基含有シラン類は、更に接着性の向上に効果があるため好ましい。
本発明に係る触媒は、架橋性ケイ素基含有有機重合体の硬化触媒として作用する。硬化触媒としては、従来公知の化合物を用いることができ、特に限定されないが、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の有機錫化合物;カルボン酸錫、カルボン酸ビスマス、カルボン酸鉄等のカルボン酸金属塩;脂肪族アミン類、芳香族アミン類;バーサチック酸等のカルボン酸;ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトセテート)等のチタン化合物、アルミニウム化合物類等のアルコキシ金属;無機酸;三フッ化ホウ素エチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素錯体;アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)等の金属キレート化合物;Si−F結合を有するケイ素化合物等を用いることができる。
3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリターシャリーブチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリ2−エチルヘキシルアミン、メチルジ−2−エチルヘキシルアミン、ジブチル2−エチルヘキシルアミン、トリヘキサデシルアミン、トリベンジルアミン等のモノアミン;テトラメチル1,2−ジアミノエタン、テトラメチル1,3−ジアミノプロパン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン等のポリアミン;トリエチレンジアミン;N−エチルモルフォリン、ビス(モルホリノエチル)エーテル、2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、ビス(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(3,5−ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(3,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテル、4−(3,5−ジメチルモルホリノ)−4’−(3,6−ジメチルモルホリノ)ジエチルエーテル等のモルホリン化合物、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が挙げられる。
本発明に係る2液型硬化性樹脂組成物には、2液型硬化性樹脂組成物の物性等を損なわない範囲で必要に応じ、粘着付与樹脂、A液若しくはB液に含有される充填材とは異なる充填材、A液若しくはB液に含有されるシランカップリング剤とは異なるシランカップリング剤、増量剤、可塑剤、水分吸収剤、硬化触媒、引張特性等を改善する物性調整剤、補強剤、着色剤、難燃剤、タレ防止剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、溶剤、香料、顔料、染料、フィラー、希釈剤等の各種添加剤を加えてもよい。
本発明の2液型硬化性樹脂組成物のA液及びB液は、所定の配合物質を所定量秤量し、配合することで調製できる。調製法に特に限定はなく、例えば上記した成分を配合し、ミキサー、ロール、ニーダー等を用いて混練したり、適した溶剤を少量使用して成分を溶解させ、混合したりする等の通常の方法を用いることができる。
本発明の2液型硬化性樹脂組成物は、少なくとも架橋性ケイ素基含有有機重合体に対するエポキシ樹脂の比率、及び/又はエポキシ樹脂に対する3級アミンの比率を所定の比率にすることで、2液型硬化性樹脂組成物の初期粘度、粘度上昇率、最大引張強さ、破壊時の伸び、接着強さ、及び平面引張強さの少なくとも1つを所定の範囲にすることができ、その結果、硬化物に所定の強度と所定の柔軟性、作業性とを兼ね備えさせることができる。
A液とB液とを混合し、硬化させることで本発明の2液型硬化性樹脂組成物の硬化物が得られる。ここで、A液とB液とを常温(23℃)で混合した時点(混合時)における粘度(初期粘度)は、下限値が10Pa・s以上であることが好ましく、20Pa・s以上であることがより好ましく、上限値が200Pa・s以下であることが好ましく、150Pa・s以下であることがより好ましく、80Pa・s以下であることが更に好ましい。なお、本発明において「混合時」とは、A液とB液とを混合し、全量が実質的に均質になるまでヘラ等で1分間混合した時点をいうものとする。また、本発明において粘度とは、JIS K6833−1に準拠し、BH形粘度計を用いて測定される値である。
A液とB液とを混合後、A液とB液とを均質になるまでヘラ等により1分間混合した時点から30分後の粘度、及び60分後の粘度を初期粘度で除して算出される増粘率(粘度上昇率)はそれぞれ、以下の範囲であることが好ましい。粘度上昇率が以下の範囲であることで、複数の場所へ移動して使用する場合や、混合から使用までの時間が空いた場合など、A液とB液との混合後、直ちに使用しなかった場合であっても良好な現場施工性を保持することができる。
30分後の増粘率:1.0倍以上2.0倍未満
60分後の増粘率:1.0倍以上2.5倍未満
なお、増粘率は下記式より算出できる。但し、x=30、若しくは60である。
A液とB液とを混合し、硬化させて得られる硬化物の最大引張強さは、1.0MPa以上が好ましく、2.0MPa以上がより好ましい。また、当該硬化物の破断時伸びは、50%以上が好ましく、100%以上がより好ましい。なお、最大引張強さ、及び破断時伸びは、例えば、JIS A6024に準拠して測定できる。
A液とB液とを混合し、硬化させて得られる硬化物のJIS A6024に準拠した接着強さは、硬化物を23℃50%RH条件下にて1週間養生した場合、3.0MPa以上が好ましく、6.0MPa以上がより好ましい。また、硬化物を5℃2週間養生した場合、23℃水中に1日浸漬させたモルタル試験片を用いて23℃85%RHにて1週間養生した場合、及び23℃50%RH条件下にて1日養生後、60℃温水6時間と60℃恒温槽(乾燥)18時間とのサイクルを3日間実施し、その後23℃50%RH条件下にて1日養生した場合の接着強さは、1.5MPa以上が好ましく、3.0MPa以上がより好ましい。
A液とB液とを混合し、硬化させて得られる硬化物のJIS A5557に準拠した平面引張強さは、硬化物を23℃50%RHにて4週間養生した場合、0.6N/mm2以上が好ましい。また、5℃4週間養生した場合、23℃50%RHにて4週間養生した後に60℃の飽和水酸化カルシウム水溶液に7日間浸漬した場合、23℃50%RHにて4週間養生した後に80℃恒温槽にて2週間養生した場合、及び23℃50%RHにて4週間養生した後に気中凍結(−20℃)2時間、水中融解(20℃)1時間を1サイクルとし、200サイクルした場合には、0.4N/mm2以上であることが好ましい。
本発明の2液型硬化性樹脂組成物を、コンクリートの構造物の破損部、例えば、コンクリート表面等に生じているひび割れに、所定の注入器具を用いて注入する。これにより、2液型硬化性樹脂組成物がひび割れの奥まで侵入し、硬化することで、破損部が補修される。また、構造物表面に設けられているモルタルやタイル等の接着体が構造物表面から浮いている場合(浮いている個所を「浮き部」と称する)、浮き部が存在する領域にアンカーピンを構造物の躯体まで打ち込み、本発明の2液型硬化性樹脂組成物を塗布して固定するか、浮き部に2液型硬化性樹脂組成物を注入若しくは塗布して硬化させることで、浮き部が補修される。
本発明に係る2液型硬化性樹脂組成物は、架橋性ケイ素基含有有機重合体に対するエポキシ樹脂の比率、及び/又はエポキシ樹脂に対する3級アミンの比率を所定の比率にしたので、硬化して得られる硬化物に所定の強度、及び所定の柔軟性を発揮させることができる。
変成シリコーン樹脂である分子内に反応性ケイ素基を有するポリオキシプロピレン(数平均分子量16,000、商品名:サイリルEST280(株式会社カネカ社製))100重量部に、表面処理膠質炭酸カルシウム(平均粒径:80nm、商品名:白艶華CCR−S(白石カルシウム株式会社製))100重量部、ビスフェノールA−エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂(商品名:jER828(三菱ケミカル株式会社製))を表1〜表3に示す量を添加して、充分混練りした後、真空攪拌し、実施例1〜8、及び比較例1〜8それぞれの2液型硬化性樹脂組成物のA液を調製した。
分子内に反応性ケイ素基を有するポリオキシプロピレン(数平均分子量5,000、商品名:サイリルSAT115(株式会社カネカ社製))50重量部に、シランカップリング剤であるN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM603(信越化学工業株式会社製))1重量部、錫触媒(商品名:ネオスタンU−700ES(日東化成株式会社))0.5重量部、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(商品名:TMA EH30(築野食品工業株式会社製))を表1〜3に示す量を添加して、A液と同様の方法で実施例1〜8それぞれの2液型硬化性樹脂組成物のB液を得た。ただし、実施例8では、分子内に反応性ケイ素基を有するポリオキシプロピレン(数平均分子量5,000、商品名:サイリルSAT115(株式会社カネカ社製))を25重量部とした。
実施例1〜7、及び比較例1〜4において調製したA液とB液との全量を均質になるまでヘラで1分間混合し、直ちに、JIS K6833−1に準拠し、BH形粘度計(ローターはNo.6)を用いて、23℃の温度条件下、回転数20rpmの粘度を測定し、これを初期粘度とした。更に、実施例1〜7、及び比較例1〜4において調製したA液とB液とを均質になるまでヘラにより1分間混合し、混合後30分後の粘度、及び混合後60分後の粘度を初期粘度と同様の測定方法で測定した。それぞれの時間での粘度を初期粘度で割ることにより増粘率を算出した。その結果を表1に示す。
(混合後30分後)
「◎」:1.0倍以上1.2倍未満
「○」:1.2倍以上1.4倍未満
「△」:1.4倍以上2.0倍未満
「×」:2.0倍以上
(混合後60分後)
「◎」:1.0倍以上1.5倍未満
「○」:1.5倍以上2.0倍未満
「△」:2.0倍以上2.5倍未満
「×」:2.5倍以上
実施例1〜7、及び比較例1〜4において調製したA液とB液とを均質になるまでヘラにより1分間混合し、底のある金属製の円柱容器(直径35mm、高さ10mm)に厚みが10mmとなるように充填した。それぞれの養生条件(23℃1日、5℃7日)で養生後、硬化物を容器から取り出し、接着剤の硬化厚みを確認した。
実施例1〜7、及び比較例1〜4において調製したA液とB液とを均質になるまでヘラにより1分間混合し、底のある金属製の円柱容器に充填し、5℃環境下で12時間放置後に表面を指で触って確認した。表面が十分に硬化している場合を「○」とし、表面を指で触った際に接着剤が指に付着する場合や未硬化の場合は「×」と評価した。その結果を表1に示す。
実施例1〜7、及び比較例1〜4において調製した組成物の硬化物についてJIS A6024に準拠して、最大引張強さ、及び破断時の伸び率を測定した。測定方法の詳細は、以下のとおりである。
破断時伸び(%)=((破断時における試験片の長さ)−(試験前の試験片の長さ))/(試験前の試験片の長さ)×100
実施例1〜8、及び比較例5〜6において調製したA液とB液との全量を均質になるまでヘラにより1分間混合し、混合組成物を330mlのカートリッジに充填した。深さ5cm×直径2mmの円柱状の凹部を穿孔したコンクリート基材を用意し、ノズルの経口を2mmとしてカートリッジガンを用いて、カートリッジに充填した混合組成物の凹部への注入性を確認した。評価基準は混合組成物の吐出が容易であり注入施工性が良好な場合を「○」、混合組成物の吐出に抵抗が大きい等、注入施工性に難がある場合を「×」とした。その結果を表2に示す。
実施例1〜7、及び比較例7〜8において調製した組成物の硬化物についてJIS A6024に準拠して、接着強さを測定した。測定方法の詳細は、以下の通りである。
低温養生:5℃2週間養生。
湿潤養生:23℃水中に1日浸漬させたモルタル試験片を使用し、23℃85%RHにて1週間養生。
乾湿繰り返し:23℃50%RH条件下にて1日養生後、60℃温水6時間と60℃恒温槽(乾燥)18時間のサイクルを3日間行い、その後23℃50%RH条件下にて1日養生。
実施例1〜7、及び比較例7〜8において調製した組成物の硬化物についてJIS A5557に準拠して、平面引張強さを測定した。測定方法の詳細は、以下の通りである。
低温養生:5℃4週間養生。
アルカリ温水浸漬:標準養生後、60℃の飽和水酸化カルシウム水溶液に7日間浸漬。
熱劣化:標準養生後、80℃恒温槽にて2週間養生。
凍結融解:標準養生後、気中凍結(−20℃)2時間、水中融解(20℃)1時間を1サイクルとし、200サイクル。
実施例1〜7、及び比較例7〜8において調製したA液、及びB液のそれぞれを空気環境下で別々の金属缶に充填・密封し、2週間後に開封して接着剤表面を確認した。A液、B液の両方とも表面に膜が張っていない場合を「○」、A液、B液の両方、又はどちらか一方の表面に膜が張っている場合を「×」とした。その結果を表3に示す。
Claims (5)
- A液とB液とを混合することで硬化する2液型硬化性樹脂組成物であって、
前記A液が、エポキシ樹脂を含有し、
前記B液が、3級アミンを含有し、
架橋性ケイ素基含有有機重合体、充填材、希釈剤、シランカップリング剤、触媒が前記A液又は前記B液のいずれか、又は両方に含有され、
前記エポキシ樹脂を、前記架橋性ケイ素基含有有機重合体100重量部に対し、10重量部以上100重量部以下含有し、
前記3級アミンを、前記エポキシ樹脂100重量部に対し、0.2重量部以上30重量部以下含有する2液型硬化性樹脂組成物。 - 前記A液と前記B液との混合時における粘度を初期粘度とし、前記初期粘度が10Pa・s以上200Pa・s以下(23℃)であり、混合後60分後の粘度を前記初期粘度で除して算出される増粘率が、2.5倍未満であり、
前記A液と前記B液とを混合後、23℃50%RH条件下で7日間養生後に得られる前記2液型硬化性樹脂組成物の硬化物を試験片とし、23℃50%RH条件下で引張速度20mm/minで測定される最大引張強さが1MPa以上、破断時の伸び率が50%以上であり、
前記試験片を80℃下14日間養生した後の最大引張強さが1MPa以上、破断時の伸び率が50%以上である請求項1に記載の2液型硬化性樹脂組成物。
(ただし、破断時の伸び率は、前記試験片の破断時の長さから、得られた当初の前記試験片の長さを減じて得られた値を、得られた当初の前記試験片の長さで除して算出される。) - 前記希釈剤が、前記架橋性ケイ素基含有有機重合体の数平均分子量より小さい数平均分子量の架橋性ケイ素基含有有機重合体である請求項1又は2に記載の2液型硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の2液型硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の2液型硬化性樹脂組成物を、構造物の破損部、又は構造物表面に設けられている接着体の浮き部に注入若しくは塗布する工程を備える破損個所の補修方法。
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