JPWO2019142263A1 - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

フロント軸受およびリヤ軸受に回転可能に支持された回転軸と、回転軸に固着された界磁鉄心と、回転軸の一端側において、回転軸と一体に回転可能に嵌合されたプーリと、を備える回転電機であって、回転軸の一端側から他端側に向けて、プーリ、フロント軸受、界磁鉄心の順で配置されており、プーリは、回転軸の一端側に形成された雄ネジに取り付けられたナットにより、回転軸に締結され、回転軸は、軸方向におけるフロント軸受と界磁鉄心との間の位置に、径方向外側に突出した鍔部を有する。

Description

本発明は、制御装置が取り付けられた制御装置一体型の回転電機に関する。
回転電機が制御装置と一体となった制御装置一体型の回転電機として、車両用交流発電機が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の車両用交流発電機は、回転軸の一方の自由端であるベルト駆動側において、ナットとともに回転軸に備えられる部品として、反ベルト駆動側から順に、界磁鉄心、スペーサ、軸受部品、プーリを有している。
従来、車両用交流発電機は、エンジン側からベルトを介してプーリに入力トルクが印加され、プーリが回転する。プーリが回転すると、回転軸の一端に切られたネジとこのネジに取付けられたナットとにより、回転軸に取り付けられている部品が回転する。すなわち、プーリが回転すると、プーリとそれ以外の締結部品の接地面との間に発生する摩擦力によって、プーリと他の締結部品が一体となって回転できる構造となっている。
また、界磁鉄心は、回転軸に対して、反ベルト駆動側に移動できない構造となっている。その理由として、以下の2つの構造が挙げられる。回転軸の反ベルト駆動側では、界磁鉄心の反ベルト駆動側の終端面に沿って、回転軸の直径が部分的に太い鍔部を有しているか、あるいは回転軸の外周のうち、界磁鉄心が位置する外周面にローレットを有する回転軸が使用されている。これらの構造により、界磁鉄心と回転軸が固定されることになる。
このような回転軸は、反ベルト駆動側の鍔部をボルト頭とするボルトとして作用するために、ナットと回転軸の鍔部、あるいはナットと回転軸のローレットによって、界磁鉄心、スペーサ、軸受部品、およびプーリが締結されることになる。さらに、界磁鉄心は、磁気特性向上の目的から、炭素含有量の少ない鋼材が使用されることが一般的である。従って、界磁鉄心は、ナットと回転軸の鍔部で締結される部品の中では、強度の弱いものとなっている。
特開2017−112775号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。特許文献1の車両用交流発電機は、プーリに過大な入力トルクが印加された場合には、回転軸とナットとの間の締結部品の接地面に発生する摩擦力が負けてしまい、プーリの摺動、およびナットの連れ回りが発生する。その結果、ナット緩みにつながるため、ナットあるいはプーリの脱落が生じて、事故を引き起こすという問題があった。
従来技術では、回転軸に対してナットにより締結される部品として、界磁鉄心、スペーサ、軸受け部品、およびプーリがある。ここで、界磁鉄心は、炭素含有量が少なく、やわらかい材料が使用されている。このため、界磁鉄心は、他の部品に比べて、降伏応力が比較的小さい。従って、界磁鉄心が降伏、あるいは損傷しないように、使用するナットの締結トルクは、低い範囲に設定されていた。
換言すると、従来技術は、ナットの締め付けトルクを十分に拡大することができなかった。この結果、従来技術は、過大な入力トルクが印加された際のナットの緩み、プーリの不要な摺動などの問題を解決することができなかった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされるもので、界磁鉄心を軸力から開放することによって、ナットの締め付けトルクの拡大及び軸力の拡大が可能となり、その結果として、プーリの摺動に対して規制する力の拡大を図る構造を備えた回転電機を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る回転電機は、フロント軸受およびリヤ軸受に回転可能に支持された回転軸と、回転軸に固着された界磁鉄心と、回転軸の一端側において、回転軸と一体に回転可能に嵌合されたプーリと、を備える回転電機であって、回転軸の一端側から他端側に向けて、プーリ、フロント軸受、界磁鉄心の順で配置されており、プーリは、回転軸の一端側に形成された雄ネジに取り付けられたナットにより、回転軸に締結され、回転軸は、軸方向におけるフロント軸受と界磁鉄心との間の位置に、径方向外側に突出した鍔部を有する。
本発明に係る回転電機によれば、軸受と界磁鉄心との間に、回転軸の直径を大きくした鍔部を有し、ナットの締付力によって発生する軸力の影響が、界磁鉄心に及ばない構造を備えている。これにより、界磁鉄心を軸力から開放することができる。この結果、ナットの締付力のトルク拡大およびねじの軸力により発生する摩擦力の拡大を図ることによって、プーリの摺動に対する規制する力を拡大できる。
本発明の実施の形態1による回転電機の断面図である。 本発明の実施の形態1において回転電機の熱処理を施す回転軸の断面図である。 本発明の実施の形態1において回転電機の熱処理を施すプーリの断面図である。 本発明の実施の形態2による回転電機の回転軸とその周辺部を拡大した断面図である。 本発明の実施の形態3による回転電機の回転軸とその周辺部を拡大した断面図である。 本発明の実施の形態4による回転電機の回転軸とその周辺部を拡大した断面図である。 本発明の実施の形態4の変形例による回転電機の回転軸とその周辺部を拡大した断面図である 本発明の実施の形態5による回転電機の回転軸とその周辺部を拡大した断面図である。 図8Aにおいて、A−A線で切断した断面図である。 本発明の実施の形態6による回転電機の回転軸とその周辺部を拡大した断面図である。 図9Aにおいて、B−B線で切断した断面図である。
以下、本発明の回転電機の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による回転電機の断面図を示す。本実施の形態1に係る回転電機は、制御装置一体型の回転電機であり、車両に搭載され、駆動の補助および発電に用いられる。
制御装置一体型の回転電機1は、回転電機本体1aと制御装置1bとを一体に備えている。回転電機本体1aは、界磁鉄心2、固定子3、フロントブラケット4、リヤブラケット5、フロント軸受7、リヤ軸受8、冷却ファン20、21、および回転軸22を備えて構成されている。
固定子3には、固定子巻線3aが巻装されている。固定子3の内周側には、界磁鉄心2が設けられている。界磁鉄心2は、鉄心2bに界磁巻線2aが巻装されて構成されている。なお、以下の説明では、鉄心2bのことを、界磁鉄心2bと称することもある。固定子3の軸方向の両端部には、フロントブラケット4およびリヤブラケット5が配置されている。フロントブラケット4およびリヤブラケット5は、一対のブラケットとして、固定子3を支持するように設けられている。
フロントブラケット4には、フロント軸受7が固定されている。リヤブラケット5には、リヤ軸受8が固定されている。回転軸22は、フロント軸受7とリヤ軸受8により、回転自在に保持されている。回転軸22は、界磁鉄心2の中心に固定されている。リヤ軸受8は、回転軸22に圧入され、固定されていてもよい。
本実施の形態1に係る回転軸22は、回転軸22の直径が部分的に太く形成された鍔部23を有している。鍔部23に隣接するように、回転軸22の一端側25には、フロント軸受け7が配置されている。一方、鍔部23に隣接するように、回転軸22の他端側26には、界磁鉄心2が配置されている。
回転軸の一端側25には、雄ねじが形成されており、ナット14が取り付けられている。界磁鉄心2の軸方向の両端部には、界磁鉄心2の回転により冷却風を発生させる冷却ファン20および冷却ファン21が設けられている。ナット14は、回転軸22の一端側25を構成する。一方、スリップリング13は、回転軸22の他端側26を構成する。
一端側25において、フロントブラケット4から突出した回転軸22には、プーリ12が設けられている。プーリ12は、回転軸22の一端側25に形成された雄ねじと、これに取付けられたナット14とにより、回転軸22に締結されている。従って、回転軸22の一端側25には、プーリ12が、回転軸22と一体に回転可能に嵌着されている。
また、他方のリヤブラケット5から突出した回転軸22には、界磁鉄心2の回転状態を検出する回転位置検出センサ6が設けられている。さらに、回転軸22において、回転位置検出センサ6よりも他端側26には、界磁巻線2aに電流を供給するための一対のスリップリング13が設けられている。そして、リヤブラケット5の外側には、スリップリング13に摺接する一対のブラシ17が設けられている。ブラシ17は、ブラシホルダ16によって保持されている。
次に、制御装置1bについて説明する。制御装置1bは、パワー回路部と界磁回路部と制御回路部とを備えている。ただし、パワー回路部と界磁回路部と制御回路部は、いずれも図1では図示されていない。パワー回路部は、固定子巻線3aに電気的に接続されている。界磁回路部は、界磁巻線2aに電気的に接続されている。制御回路部は、パワー回路部および界磁回路部を制御している。
次に、図1を用いて、制御装置一体型回転電機1の動作について説明する。制御装置一体型回転電機1は、車両の駆動補助としての電動機の機能と、発電のための発電機の機能とを備えている。
先ず、制御装置一体型回転電機1が電動機として機能する場合を説明する。図示しない外部バッテリーからパワー回路部に供給された直流電力は、パワー回路部のON/OFF制御によって3相交流電流に変換されて、固定子巻線3aに供給される。
また、外部バッテリーから供給された直流電力は、界磁回路部で調整されて界磁巻線2aに供給される。この供給によって、界磁巻線2aの周囲に回転磁界が生じ、その結果、界磁鉄心2が回転軸22と共に回転する。
回転軸22の回転は、プーリ12から、図示しない伝動ベルトを介して、エンジンに伝達される。また、制御回路部は、図示しない外部機器および回転位置検出センサ6からの情報に基づいて、パワー回路部と界磁回路部とを制御する。
次に、制御装置一体型回転電機1が、発電機として機能する場合を説明する。エンジンが回転すると、エンジンの回転力が、伝動ベルトおよびプーリ12を介して回転軸22に伝達される。この結果、界磁鉄心2が回転して、固定子巻線3aに3相交流電力が励起される。
そして、制御回路部は、パワー回路部のON/OFFを制御し、固定子巻線3aに励起された3相交流電力を直流電力に変換する。変換された直流電力は、外部バッテリーに供給され、充電される。
本実施の形態1は、回転軸22に鍔部23を有する構造を採用している。これにより、フロント軸受7の側面のうち、プーリ12と反対側に位置する側面の内輪が、鍔部23と接する面が、ナット14の締付によって締結される締結区間の終端面となる。
この結果、ナットの締付けによって締結される部材は、フロント軸受け7とプーリ12とに限定されることになる。このため、フロント軸受け7とプーリ12よりも強度の弱い界磁鉄心2は、ナットの締付けによって発生する軸力から解放される。すなわち、回転軸22に鍔部23を設けた構造を採用することで、ナットの締付力によって発生する軸力の影響を、界磁鉄心に及ばなくすることができる。この結果、ナット締付力を従来よりも拡大することができ、プーリ12の摺動に対する規制力を向上させることができる。
次に、一部の部品に熱処理を施すことで、プーリ12の摺動に対する規制力をさらに向上させることができる点について説明する。図2は、本発明の実施の形態1における、熱処理を施した回転軸22の断面図である。図3は、本発明の実施の形態1における、熱処理を施したプーリ12の断面図である。図2、3において、斜線部分が、熱処理を施した部分に相当する。
図2に示すように、回転軸22および鍔部23に熱処理を施すことにより、ナット14の締付によって、鍔部23に生じる圧縮力に対する耐力、および回転軸22のねじ部に生じる引っ張り力に対する耐力を拡大できる。
また、図3に示すように、締結力が作用するプーリ12の部分に熱処理を施すことにより、ナット14の締付によってプーリ12に生じる圧縮力に対する耐力を拡大できる。
このように、回転軸22およびプーリ12に対して、締結力が作用する場所に部分的に熱処理を施すことで、ナット14の締付力を拡大することができる。この結果、プーリ12の摺動に対する規制力をさらに向上させることができる。なお、図2、図3に示す熱処理の範囲は一例であり、図示した範囲以上で回転軸22およびプーリ12に熱処理を施した場合には、より耐力の効果が得られることになる。
以上のように、実施の形態1によれば、フロント軸受と界磁鉄心との間に、回転軸を部分的に太くした鍔部を有する構造を備えている。これにより、ナットの締付力によって発生する軸力の影響を、界磁鉄心に及ばなくすることができ、ナット締付力を拡大することができる。この結果、プーリの摺動に対する規制力を向上させた回転電機を得ることができる。
また、実施の形態1によれば、回転軸とナットを溶接により固定する構造を採用してもよい。これにより、過大な入力トルクが印加された際に、ナットが緩むことを防止できる。さらに、過大な入力トルクがプーリに印加され、プーリが摺動した場合でも、ナットの共回り・脱落を抑制できる。
実施の形態2.
本実施の形態2では、回転軸22の外径寸法を工夫することで、プーリ12の摺動に対する規制力の向上を図る点について説明する。
図4は、本実施の形態2による回転電機の回転軸とその周辺部を拡大した断面図である。回転軸22において、鍔部23より界磁鉄心2側の外径をD1とする。回転軸22において、鍔部23よりフロント軸受7側の外径をD2とする。回転軸22の外径において、D2は、D1より大きくなるように設けられている。なお、図1の参照符号と同一の符号は、同一又は同様の構成要素であり、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態2に係る回転軸22は、外径において、D2>D1としている。すなわち、本実施の形態2に係る回転軸22は、一端側25で雄ねじが形成される部分の外径を、より大きくしている。この結果、ナット14の締付によって回転軸22に発生する引っ張り力に対する耐力を向上させることができる。さらに、ナット14の締付力を拡大させることにより、プーリ12の摺動に対する規制力を向上させることができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、回転軸22の外径寸法、フロント軸受け7の内輪外径、およびプーリ12のボス部12aの外径寸法を工夫することで、プーリ12の摺動に対する規制力の向上を図る点について説明する。
図5は、本発明の実施の形態3による回転電機の回転軸とその周辺部を拡大した断面図である。回転軸22の鍔部23の外径をD3とする。フロント軸受け7の内輪外径をD4とする。フロント軸受け7と接するプーリ12のボス部12aの外径をD5とする。外径において、D3およびD5は、D4と同等となるように設けられている。なお、図1の参照符号と同一の符号は、同一又は同様の構成要素であり、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態3では、外径寸法であるD3およびD5を、D4と同等とする構造を採用している。このような同一外径を有する構造により、ナットによる締付力が、外径D5を有するプーリ12、および外径D4を有するフロント軸受け7を介して、外径D3を有する鍔部23に伝達されることとなる。
この結果、ナット14の締付によって回転軸22の鍔部23とプーリ12に生じる圧縮力に対する耐力を拡大することができる。さらに、ナット14の締付力を拡大させることにより、プーリ12の摺動に対する規制力を向上させることができる。
実施の形態4.
本実施の形態4では、鍔部23の形状を工夫することで、プーリ12の摺動に対する規制力の向上を図る点について説明する。
図6は、本発明の実施の形態4による回転電機の回転軸とその周辺部を拡大した断面図である。本実施の形態4に係る回転軸22は、鍔部23と界磁鉄心2bが当接する部分の外周面が、段差形状に形成されている。回転軸22の鍔部23より界磁鉄心2b側において、回転軸22の鍔部23と界磁鉄心2bが当接する外周面のうちの段差31部分の回転軸の外径をD6とする。また、回転軸22の鍔部23より界磁鉄心2b側の外径をD1とする。回転軸22の鍔部の外径をD3とする。
回転軸22の外径D1、D3、D6の間には、D1<D6<D3の関係が成り立っている。また、外径D6に相当する部分31は、界磁鉄心2bに埋め込まれるように、形成されている。
図7は、本発明の実施の形態4による回転電機の回転軸の変形例とその周辺部を拡大した断面図であり、図6における回転軸の外径D6の部分の変形例を示している。回転軸22の鍔部23と界磁鉄心2bが当接する部分の外周面のうち、外径D6の部分31は、テーパ形状に形成されている。なお、図1の参照符号と同一の符号は、同一又は同様の構成要素であり、その詳細な説明は省略する。
エンジン側からベルトを介してプーリ12に過大な入力トルクが作用すると、ベルト張力が拡大する。ベルト張力により、回転軸22のうち、界磁鉄心2bと回転軸22の鍔部23との当接面の部分に過大な曲げ応力が生じることになる。従って、回転軸22の外径において、D1<D6<D3とする構成により、当接面に生じる曲げ応力に対する耐力を拡大することができる。また、回転軸22に作用する曲げ荷重に対する疲労寿命を長くすることができる。
さらに、図7に示すように、回転軸22の鍔部23と界磁鉄心2bが当接する部分の外周面のうち、外径D6の部分31を、テーパ形状に形成した場合にも、同様の効果が得られる。従って、当接面に生じる曲げ応力に対する耐力を拡大することができる。さらに、回転軸22に作用する曲げ荷重に対する疲労寿命を長くすることができる。
実施の形態5.
本実施の形態5では、プーリ12と回転軸22との固定方法を工夫することで、プーリ12の摺動に対する規制力の向上を図る点について説明する。
図8Aは、本発明の実施の形態5による回転電機の回転軸とその周辺部を拡大した断面図である。また、図8Bは、図8AにおけるA−A線で切断した断面図である。本実施の形態5に係る回転軸22には、キー溝22bが設けられている。プーリ12には、キー溝12bが設けられている。回転軸22のキー溝22bとプーリ12のキー溝12bに、キー24が嵌め込まれるように、設けられている。
回転軸22において、鍔部23より界磁鉄心2側の外径をD1とする。回転軸22において、鍔部23よりフロント軸受7側の外径をD2とする。回転軸22の外径において、D2は、D1より大きくするように設けられている。
回転軸22のキー溝22bとプーリ12のキー溝12bに、キー24が嵌め込まれた構造を採用することで、回転軸22とプーリ12の締結力を向上させることができ、ねじの軸力により発生する摩擦力を拡大できる。この結果、先の実施の形態1〜4で説明したような、プーリ12の摺動を規制する力を拡大することが可能な構造に対して、その規制する力以上の力が印加された場合でも、プーリ12の不要な摺動およびナット14の緩みの拡大を抑制することができる。
実施の形態6.
本実施の形態6では、先の実施の形態5とは異なる構造で、プーリ12と回転軸22との固定方法を工夫することで、プーリ12の摺動に対する規制力の向上を図る点について説明する。
図9Aは、本発明の実施の形態6による回転電機の回転軸とその周辺部を拡大した断面図である。また、図9Bは、図9BにおけるB−B線で切断した断面図である。本実施の形態6に係る回転軸22の外周面には、スプライン22cが形成されている。プーリ12の内周面には、スプライン12cが形成されている。回転軸22のスプライン22cとプーリ12のスプライン12cは、噛合させるように設けられている。従って、回転軸22およびプーリ12は、お互いが接触する面に、それぞれスプライン22c、12cを有し、スプライン22cとスプライン12cが噛合している。
回転軸22において、鍔部23より界磁鉄心2側の外径をD1とする。回転軸22において、鍔部23よりフロント軸受7側の外径をD2とする。回転軸22の外径において、D2は、D1より大きくするように設けられている。外径D2を大きくすると、スプラインの歯数を増やすことができる。
回転軸22およびプーリ12のスプライン22c、12cを噛合させた構造を採用することで、回転軸22とプーリ12の締結力を向上させることができ、ねじの軸力により発生する摩擦力を拡大できる。この結果、先の実施の形態1〜4で説明したような、プーリ12の摺動を規制する力を拡大することが可能な構造に対して、その規制する力以上の力が印加された場合でも、プーリ12の不要な摺動およびナット14の緩みの拡大を抑制することができる。
さらに、回転軸の外径をD2>D1とする構成を採用することで、スプラインの歯数を増やすことができる。この結果、スプラインの一枚の歯にかかる負荷が低減し、スプライン寿命を長期化できる。
1 制御装置一体型の回転電機(回転電機)、2、2b 界磁鉄心、7 フロント軸受、12 プーリ、12a プーリのボス部、12b プーリのキー溝、12c プーリのスプライン、14 ナット、22 回転軸、22b 回転軸のキー溝、 22c 回転軸のスプライン、23 回転軸の鍔部、24 キー、25 回転軸の一端側、26 回転軸の他端側、31 回転軸の鍔部と界磁鉄心が当接する外周面のうちの段差部分、D1 回転軸の鍔部より界磁鉄心側の外径、D2 回転軸の鍔部よりフロント軸受側の外径、D3 回転軸の鍔部の外径、D4 フロント軸受の内輪外径、D5 プーリのボス部の外径、

Claims (10)

  1. フロント軸受およびリヤ軸受に回転可能に支持された回転軸と、
    前記回転軸に固着された界磁鉄心と、
    前記回転軸の一端側において、前記回転軸と一体に回転可能に嵌合されたプーリと、
    を備える回転電機であって、
    前記回転軸の前記一端側から他端側に向けて、前記プーリ、前記フロント軸受、前記界磁鉄心の順で配置されており、
    前記プーリは、前記回転軸の一端側に形成された雄ネジと取り付けられるナットにより、前記回転軸に締結され、
    前記回転軸は、軸方向における前記フロント軸受と前記界磁鉄心との間の位置に、径方向外側に突出した鍔部を有する
    回転電機。
  2. 前記回転軸および前記プーリは、それぞれキー溝を備え、それぞれのキー溝にキーが挿入されることで互いに固定されている
    請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記回転軸と前記プーリは、互いが接触するそれぞれの面にスプラインを有し、前記回転軸のスプラインと前記プーリの前記スプラインが噛合することで互いに固定されている
    請求項1記載の回転電機。
  4. 前記ナットは、前記雄ネジに取り付けられた状態で、前記回転軸と溶接により固定されている
    請求項1から3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 前記回転軸および前記鍔部は、少なくとも一部に熱処理が施されている
    請求項1から4のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 前記プーリは、少なくとも一部に熱処理が施されている
    請求項1から5のいずれか1項に記載の回転電機。
  7. 前記回転軸は、前記鍔部より一端側の外径が、前記鍔部より他端側の外径よりも大きくなるように形成されている
    請求項1から6のいずれか1項に記載の回転電機。
  8. 前記鍔部の外径と、前記フロント軸受の内輪の外径と、前記フロント軸受と接する前記プーリのボス部の外径とが、等しくなるように形成されている
    請求項1から7のいずれか1項に記載の回転電機。
  9. 前記鍔部と前記界磁鉄心とが当接する外周面には、段差が設けられている
    請求項1から8のいずれか1項に記載の回転電機。
  10. 前記段差は、テーパ形状を有している
    請求項9に記載の回転電機。
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