JP6504043B2 - 回転電機の回転子 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸にロータコア等の部品を圧入により嵌着するタイプの回転電機の回転子に関し、更に詳しくはとりわけ、自動車やトラック等に搭載される車両用交流発電機の回転子において、その回転軸とランデル型ポールコアとの嵌着手段として適用するに好適な嵌合技術に関する。
従来周知のこの種の回転電機、例えば、車両用交流発電機の回転子は、ロータコアとして、回転軸(以下、シャフトとも呼ぶ。)に挿通される軸孔をそれぞれ有し、界磁コイルが巻装された一対のランデル型ポールコア(以下、単に、ポールコアまたはロータコアとも呼ぶ。)を備えており、この一対のポールコアに対して、シャフトをその一軸方向から組付けている。そして、この一対のポールコアとシャフトとの固定のために、ローレットによる圧入嵌合技術が多用されている。
この圧入嵌合技術は、シャフトの外周面にローレットを刻設しておき、一対のポールコアの軸孔の内周面部分が圧入により塑性変形して、シャフトのローレットに食い込むことで、ポールコアをシャフトに相対回動不能に固定する嵌着構造であって、ローレットの具体的構造としては、図2(b)に示すごとき断面形状(三角状の山谷)を有し、軸方向に直線状に延びるすじ状凹凸部12Aが採用されているのが一般的である。
〔従来技術の問題点〕
ところが、上述のごとき嵌着構造においては、ローレットが、軸方向に直線状に延びるすじ状凹凸部として形成されているために、ポールコアに対して比較的小さい圧入力で圧入できる反面、圧入後の引き抜き等に耐える摩擦力を確保することが難しいという、得失を抱えている。
特に、圧入後の摩擦力が小さいと、圧入後の製造工程や回転子としての高速回転駆動時に、シャフトとポールコアとの間に軸方向および周方向の相対的なずれが生じる虞がある。このため、例えば、ローレット領域において、すじ状凹凸部の数を増やしたり、凹凸(山谷)高さを大きくすることによってポールコアの軸孔内周面の食い込み量を増大させる等の対策も検討されている。
しかし、かかる対策は嵌着構造の径方向の大型化を招く上、当該対策を考慮に入れても、比較的大きなロータコアを備え高速回転が要求される回転電機、あるいは小型化が要求される回転電機においては、上述のローレット式嵌着構造での単独採用が敬遠され、コア端面カシメ等の補強手段が併用される傾向にあった。
なお、例えば、電動機の分野においては、回転軸に嵌着する部品として、ロータコア(電機子コア)と整流子との2つの部品を備える場合において、回転軸の外周面に、各部品の配設位置に対応させてそれぞれ2種類のローレット領域を設ける嵌着構造が提案されている(特許文献1参照)。
当該嵌着構造の要点は、各部品に設ける2種類のローレット領域として、前段側の領域と後段側の領域とでローレット構造を異ならせるもので、前段側の領域に比して後段側の領域に設けるローレット構造の密度を大きくする(例えば、すじ状凹凸部の数を多くするとか、凹凸高さを大きくする)ことにより、圧入後の引き抜き等に耐える摩擦力を増強しようとするものである。
しかしながら、上記の嵌着構造は、回転軸に対し2つの部品を異なる方向から圧入する、つまり、一方の部品を軸方向一端側から、他方の部品を反対側の軸方向他端側から、それぞれ圧入するという、所謂両方向組付け方式を原則としているものであり、2つの部品を同一回転軸に対して一軸方向から組付ける、所謂一方向組付け方式を採用する回転子、例えば、上述のごとき車両用交流発電機の回転子には製作面で適用し難い。
とりわけ、近年の車両の急速な発展に伴い、車両用交流発電機のごとく、車両に搭載される回転電機には、ますます高速回転化・小型化が希求されており、かかる回転電機を実現する要の機能要素である回転子に関して、2つの部品と回転軸とを一軸方向から圧入して組付けるという基本組付け構成を踏襲しながら、小型で大なる嵌着強度を発揮可能な嵌合技術が待望されている。
特開2012−257389号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ローレットによる嵌着手段として、2つの部品と回転軸とを一軸方向から圧入して組付けるという基本的な一方向組付け構成を踏襲しながら、小型で大なる嵌着強度を発揮できる嵌合技術を確立し、車両用交流発電機等の高速回転化・小型化が要求される回転電機に好適な回転子を提供することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の発明(回転電機の回転子)は、回転軸に対して圧入により嵌着される軸孔を有する2つの部品を備えている。
そして、回転軸の一軸方向を圧入方向と呼び、上記の2つの部品のうち、圧入方向に対して上流側に配置される一方の部品を上流側部品、下流側に配置される他方の部品を下流側部品とそれぞれ呼ぶとき、回転軸の外周面には、上流側部品に対応する上流側ローレット領域と、下流側部品に対応する下流側ローレット領域との2つの領域を設けるとともに、上流側および下流側の各ローレット領域にはそれぞれ前段側のガイドローレットと後段側の主ローレットとを設けている。
そして、上記の各ローレットには、軸方向に直線状に延びかつ周方向に環状に配列される複数のすじ状凹凸部構造を採用しているものの、とりわけ、上流側ローレット領域を構成するガイドローレットおよび主ローレットと下流側ローレット領域の前段側のガイドローレットとの3つのローレットについては、周方向の位相を互いに同じくするとともに、残余の下流側ローレット領域における主ローレットとは周方向の位相を異にしていることを特徴とする。
上記構成を有する本発明によれば、ローレットによる嵌着手段として、2つの部品と回転軸とを一軸向から圧入して嵌着するという基本的な一方向組付け構成であって、小型で大なる嵌着強度を発揮できる嵌合技術の実現に資する、次のごとき効果を奏する。
(1)回転軸には、連続して圧入配置される2つの部品のそれぞれのローレット領域に、ガイドローレットと主ローレットとの2種類のローレットを設けているため、前段側のガイドローレットで圧入力を緩和し、後段側の主ローレットで嵌着度を高めて、各部品ごとに強固な嵌着強度を確保することができる。
(2)特に、上流側ローレット領域を構成するガイドローレットおよび主ローレットと下流側ローレット領域の前段側であるガイドローレットとの周方向の位相を同じくしているため、上流側部品に続いて下流側部品を圧入する際に、上流側ローレット領域の後段側の主ローレットから下流側ローレット領域の前段側のガイドローレットへと同位相で円滑に圧入していくことができ、上流側部品と下流側部品とが周方向にずれるという不具合を生じることがない。
しかも、下流側ローレット領域の前段側のガイドローレットは、上流側ローレット領域の痕跡を辿って圧入していくため、圧入力を緩和できる。
(3)さらに、下流側ローレット領域では、前段側のガイドローレットと後段側の主ローレットとの周方向の位相を異ならせているため、下流側部品に対して、ガイドローレットによって同軸上にガイドしながら、下流側部品の軸孔内周に形成された条痕の山部と後段側の主ローレットの山部とが確実に衝当し、位相の異なる主ローレットを下流側部品の軸孔に確実に圧入していくことができる。したがって、一方向組付けでありながら、圧入箇所を周方向に異ならせて大なる嵌着強度を得ることができる。
(4)また、ローレット領域全体の外径を抑制して大なる嵌着強度を確保できるため、嵌着構造の径方向の小型化に貢献できる。
本発明を適用する回転電機の代表例の説明に供するもので、自動車用交流発電機の全体構成を示す上半部分の模式的縦断面図である(実施例)。 上記回転電機における回転子の基本構成の説明に供するもので、(a)は回転子の模式的縦断面図、(b)はそのローレット部分の拡大横断面図である(実施例)。 本発明を適用した回転子の一実施形態の説明に供するもので、回転子の全体構成を示す模式的縦断面図である(実施例1)。 上記回転子の組付け過程の説明に供するもので、(a)、(b)は一対のポールコアの組付け前の形態示す模式的縦断面図である(実施例1)。 上記回転子の組付け過程の説明に供するもので、(a)はシャフト単体の全体構成を示す模式的正面図、(b)はそのローレット領域部分の拡大正面図、(c)は各ローレット領域におけるローレット構造を示す横断面図である(実施例1)。 上記回転子の組付け過程の説明に供するもので、(a)、(b)はポールコアおよびシャフトの圧入工程における前工程段階での模式的工程図である(実施例1)。 上記回転子の組付け過程の説明に供するもので、(a)、(b)はポールコアおよびシャフトの圧入工程における後工程段階での模式的工程図、(c)は(b)のC−C断面図である(実施例1)。 上記回転子の組付け過程の説明に供するもので、ポールコアおよびシャフトの圧入完了時の組付け状態を示す模式的縦断面図である(実施例1)。 本発明の別の実施形態の説明に供するもので、回転子の主要部の模式的縦断面図である(実施例2)。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例(変形例を含む)に従って詳細に説明する。
各実施例は、回転電機の代表例として、自動車のごとき車両に搭載される交流発電機(オルタネータ)を示しており、以下の説明では、まず、この車両用交流発電機の基本構成を概説したのち、本発明の各実施例における特徴点および本発明の基本的機能について順次説明し、最後に本発明の特徴点ごとの作用効果を要約列挙する。
なお、各図において、同一または均等部分には、同一符号を付し、重複説明を省略することとする。
本発明の各実施例に共通する事項について、図1および図2に基づいて説明する。
〔車両用交流発電機Gの基本構成〕
車両用交流発電機Gは、図1に示すように、エンジンからベルト(図示せず)およびプーリPを介して回転駆動される回転子GRと、電機子として働く固定子GSと、この回転子GRおよび固定子GSを支持する一対のフレームF(フロントフレームFaおよびリアフレームFb)を備えている。そして、回転子GRは、本発明の根幹をなすもので、その詳細については後述するが、回転軸(シャフト)A、ロータコアBおよびロータコイル(界磁コイル)Cを有しており、軸受Jを介して一対のフレームFに回転自在に支承されている。また、固定子GSは、円筒状の積層鉄心型ステータコアDに多相巻線のステータコイル(電機子コイル)Eを巻装して構成されており、一対のフレームFに挟持固定されている。
なお、回転子GRのロータコイルCに界磁電流を供給するブラシ等を有する給電装置Kと、固定子GSのステータコイルEに接続されて交流出力を直流出力に変換する整流装置(図示せず)と、出力電圧を制御する電圧制御装置Rとが、付随構成要素としてリアフレームFbの後端面側に配置され、保護カバーHで覆われている。
(回転子GRの基本構成)
回転子GRは、図2(a)にも示すように、主要構成部品として、回転軸Aをなすシャフト1、ロータコアBをなす一対のランデル型ポールコア2、ロータコイルCをなす環状の界磁コイル3、フロント側冷却ファン4およびリア側冷却ファン5を具備している。
シャフト1に嵌着される各ポールコア2は、実質的に同一形態を呈するもので、界磁コイル3が巻回された絶縁部材(ボビン)6が嵌装されるボス部21、このボス部21の軸方向一端部から径方向へ延在するディスク部22、および、このディスク部22から軸方向へ延在する複数個(例えば8個)の爪部23を有している。なお、ボス部21には、径方向中心に位置して軸方向に貫通する軸孔24が設けられている。
そして、一対のポールコア2は、互いの爪部23が界磁コイル3を内包するように噛み合わされて軸方向に対接しており、その背面側にフロント側冷却ファン4およびリア側冷却ファン5がそれぞれ取付けられている。
しかして、一対のポールコア2が、シャフト1に対して一軸方向から圧入により組付けられる2つの部品をなすものである。その一軸方向を圧入方向Xとしたとき、シャフト1に対して、上流側に配置される図示左側の一方のポールコア2aが上流側部品に相当し、下流側に配置される図示右側の他方のポールコア2bが下流側部品に相当する。したがって、一対のポールコア2に関し、両者を区別する必要がある場合には、以下、それぞれを上流側もしくは上流側部品のポールコア2a、下流側もしくは下流側部品のポールコア2bと呼称することとする。
シャフト1の外周面には、ポールコア2の軸孔24への圧入に供するために、ポールコア2の配設位置に対応してローレット領域11が設けられている。この領域11には、図2(b)に例示するごとく、軸方向に直線状に延びる複数のすじ状凹凸部12Aからなるローレット12が刻設されている。
そして、このローレット領域11を軸孔24に圧入することにより、各ポールコア2の軸孔24の内周面が塑性変形しローレット12(複数のすじ状凹凸部12A)に食い込むことで、一対のポールコア2がシャフト1に対して相対回転不能に嵌着される。
なお、シャフト1には、リア側となる一端側に、予め一対のスリップリング13a、13bとこれらスリップリング13a、13bに電気的に接続される2本の接続リード14a、14bとが、例えばモールド成形により一体的に取付けられていて、一対のポールコア2をシャフト1に圧入した後に、界磁コイル3の両端を、上記接続リード14a、14bに結線することで、界磁コイル3の両端と一対のスリップリング13a、13bとの電気的接続を完了する組付け構成である。
かくのごとき組付け構成の関係上、回転子GRにおいては、一対のポールコア2をシャフト1に対してフロント側の一軸方向から圧入組付けすることを余儀なくされている。
したがって、ローレット式の圧入嵌着構造として、軸方向に直線状に延びるすじ状凹凸部12Aのみからなるローレット12を単に採用した場合には、一対のポールコア2を比較的小さい圧入力でシャフト1に圧入できる反面、圧入後の引き抜き等に耐える摩擦力を確保することが難しいという、問題点を抱えることになる。
本発明は、かかる問題点を解消すべく、シャフト1に対して一対のポールコア2を一軸方向から圧入組付けするという基本的な組付け構成でありながら、小型で大なる嵌着強度を発揮することが可能な嵌着手段を提供することにある。
かかる嵌着手段の根幹をなすのが、主として、シャフト1に設けるローレット構造を、一対のポールコア2との関係において独特な構造にすることであって、その代表的な一実施形態を次の実施例1にて説明する。
[実施例1]
本実施例の特徴は、ローレット12を用いて、シャフト1と一対のポールコア2とを一軸方向から圧入組付けする基本構成として、シャフト1側のローレット構造と、一対のポールコア2側の軸孔構造とを工夫している点にあり、以下、図3〜5を参照しながら、その具体的な構成について詳説する。
回転子GRは、図3に示すように、シャフト1と一対のポールコア2とを備えている。一対のポールコア2は、シャフト1に対して圧入方向Xの上流側および下流側にそれぞれ配置される2つの部品を構成するものであり、上流側のポールコア2aが上流側部品をなし、下流側のポールコア2bが下流側部品をなしている。
各ポールコア2a、2bは、例えば軟鉄材を用いて冷鍛加工により製作されるもので、シャフト1に対して圧入に供される軸孔24として、圧入前後で形態の異なる独特な構造を備えている。
軸孔24は、圧入前の状態では図4に示すように、小径孔25aと大径孔25bとからなる段付き孔25として形成されている。小径孔25aの内径d1はシャフト1の圧入側端部の外径(後述するd7)と実質的に同じくされ、大径孔25bの内径d2はシャフト1のローレット領域11の外径(後述する主ローレット15b、16bの外径d4、d6)より小さくされている。
そして、2つのポールコア2a,2bは、大径孔25b側同士で向かい合うようにして組合わされ(対にセットされ)、シャフト1に嵌着される。
シャフト1は、一対のポールコア2が圧入される外周面に、図5に示すごとき独特な構造のローレット領域11を備えている。
このローレット領域11は、上流側のポールコア2aに対応する上流側ローレット領域15と、下流側のポールコア2bに対応する下流側ローレット領域16との2つの領域、および、当該両領域区画する環状溝17を備えている。
一方の上流側ローレット領域15は、前段側の第1ガイドローレット15aと、後段側の第1主ローレット15bと、この両ローレット15a、15b間を区画する環状溝15cを有している。
他方の下流側ローレット領域16は、前段側の第2ガイドローレット16aと、後段側の第2主ローレット16bと、この両ローレット16a、16b間を区画する環状溝16cを有している。
なお、上記の各ローレットは、いずれも、軸方向に直線状に延びかつ周方向に環状に配列される複数のすじ状凹凸部12Aで形成されている。その断面形状の一例を示せば、図2(b)、図5(c)に示すように、三角形状の山谷で構成される凹凸部12Aになっている。
しかして、上記した4箇所のローレットは、凹凸部12Aの凹凸(山谷)の高さ(外径<山径>d3〜d6もしくは谷径)や、その位相、軸方向長さ(L1、L2)等が、次のような特別な関係に設定されている{図5(b)参照}。
(1)上流側および下流側の各ローレット領域15、16において、2種のローレットは、前段側である第1、第2のガイドローレット15a、16aに対し、後段側である第1、第2の主ローレット15b、16bの方が凹凸部12Aの凹凸(山谷)の高さを大きく(高く)してある(d4>d3、d6>d5)。そして、下流側ローレット領域16の主ローレット16bの外径が最大となっている(d6>d4)が、同一(d6=d4)であっても良い。
(2)上流側ローレット領域15の後段側ローレット(第1主ローレット15b)と下流側ローレット領域16の前段側ローレット(第2ガイドローレット16a)との関係は、前者の方が凹凸部12の高さを大きくしてある(d4>d5>d3)。
(3)上流側ローレット領域15の2つのローレット(第1ガイドローレット15aと第1主ローレット15b)と下流側ローレット領域16の前段側ローレット(第2ガイドローレット16a)との3つのローレットは、周方向の位相を互いに同じくしてある。
(4)そして、上記3つのローレットに対し、残余のローレット(下流側ローレット領域16の後段側の第2主ローレット16b)は周方向の位相を異にしている(例えば、半ピッチずらしている。
(5)また、下流側ローレット領域16の主ローレット16bは、上流側ローレット領域15の主ローレット15bに比して軸方向長さが長くなっている(L2>L1)。
(6)そして、下流側ローレット領域16のガイドローレット16aは、最終的に両ポールコア2a、2bに跨るような位置に設けられている。
上記構成において、シャフト1とポールコア2との組付け過程を図6〜図8に基づいて説明する。
この組付け過程は、一対のポールコア2に対し一方向からシャフト1を圧入していく圧入工程である。かかる圧入工程を便宜上、シャフト1と上流側部品のポールコア2aとの圧入組付け過程と、シャフト1と下流側部品のポールコア2bとの圧入組付け過程とに区分するとともに、前者の過程を「前工程段階」、後者の過程を「後工程段階」と呼称し、以下に詳説することとする。
○前工程段階
(イ)当該工程では、図4のごとく向かい合わせにセットされているー対のポールコア2(2a、2b)の軸孔24に対し、まず、図6(a)に示すように、下流側部品のポールコア2b側からシャフト1の一端(フロント側端)を挿入していく。このシャフト1の挿入方向が、一軸方向であり、即ち圧入方向Xである。
これにより、シャフト1は、上流側ローレット領域15が、当該下流側のポールコア2bの段付き孔25を貫通した後に、上流側部品のポールコア2aの段付き孔25に挿入される。
(ロ)この挿入時に、上流側ローレット領域15が、上流側部品のポールコア2aに対し、段付き孔25の内周面にローレット12の断面形状を転写しながら孔径を拡径していくため、塑性変形による圧入が開始される。
ここで、上流側ローレット領域15と段付き孔25との寸法関係は、図6(a)にも示すように、前段のガイドローレット15aの外径d3が、段付き孔25の大径孔25bの内径d2より小さく、小径孔25aの内径d1より大なる関係を有している(d1<d3<d2)。
このため、ガイドローレット15aは、大径孔25bを素通りし、小径孔25aのみに圧入される。このように、ガイドローレット15aが圧入される初期段階では、比較的小さな圧入力でシャフト1をポールコア2a内に挿し込むことができる。
(ハ)続いて、後段の主ローレット15bが段付き孔25に圧入される。この段階では、後段の主ローレット15bの外径d4が段付き孔25の小径孔25aの内径d1より大なる関係を有し(d1<d4)、かつ、ガイドローレット15aの外径d3よりも大なる関係を有している(d3<d4)ため、主ローレット15bが段付き孔25の大径孔25bにしっかりと食い込む。これにより、充分な圧入面積を確保し、上流側のポールコア2aとシャフト1とを強固に嵌着できる。
(ニ)かくして、シャフト1と上流側のポールコア2aとの圧入組付けが完了する{図6(b)参照}。
なお、特に本実施例では、図6(b)に示すように、上流側ローレット領域15のガイドローレット15aが小径孔25aを貫通せず、壁25cに衝当しており、当該領域15の全体が上流側部品のポールコア2aの段付き孔25内に留まっている。
○後工程段階
(ホ)当該工程では、下流側部品のポールコア2aの軸孔24に対し、シャフト1の下流側ローレット領域16が圧入されるが、当該下流側ローレット領域16は、下流側部品のポールコア2aに対し、上流側ローレット領域15が貫通した後の段付き孔25に挿入され始めることになる。
ここで、下流側ローレット領域16は、前段のガイドローレット16aと後段の主ローレット16bとで構成されており、特に、前段のガイドローレット16aが上流側ローレット領域15と同位相になっている。このため、図7(a)に示すように、まず、前段のガイドローレット16aが上記前工程段階で通過した上流側ローレット領域15の痕跡(ローレット15a、15bの通過孔である条痕)を辿ることになる。
したがって、前段のガイドローレット16aは、上記条痕と完全に噛み合いながら進入していくため、周方向にずれることはない。しかも、外径d5が上流側ローレット領域15の最大径d4より小径であるため、圧入力も小さくて済む。
かくして、下流側部品のポールコア2aを、シャフト1に対して、周方向にずらす(回動させる)ことなく、円滑に圧入開始することができる。
(へ)続いて、シャフト1は、図7(b)に示すように、後段の主ローレット16bが段付き孔25に挿入される。ここで、後段の主ローレット16bは、位相が本実施例では半ピッチ(すじ状凹凸部12Aの周方向幅の半分に相当する)分だけ異なっており、大径孔25bの内径d2より大なる外径d6を有している。このため、後段の主ローレット16bの山部と条痕の山部とが確実に衝当し、当該主ローレット16bが大径孔25bに圧入されていくことになる{図5(c)の右側参照}。
(ト)この圧入時に、シャフト1と下流側部品のポールコア2aとが相対的に周方向にずれる虞がある。
つまり、上述(へ)工程のごとく、後段の主ローレット16bは条痕の山部と干渉しながら圧入されていくために、干渉の初めにおいて、シャフト1と下流側ポールコア2bとが相対的に回転して主ローレット16bの山部が条痕の谷部に収容されてしまい、この状態で圧入が進行し、結果的に周方向にずれるというケースである。このずれにより、当然のことながら、シャフト1のポールコア2bに対する圧入力が不足し、シャフト1とポールコア2bとの間に所期の嵌着度を到底得ることができない。
これに対し、本実施例によれば、その前段の上記(ホ)工程において、ガイドローレット16aが、主ローレット16bに先行して、同相のローレット条痕に沿って挿入され、周方向に同一軸位置に保持している。このため、位相のずれた下流側主ローレット16bが大径孔25bのローレット条痕と干渉しても、ガイドローレット16aによりシャフト1の回動を確実に規制することができる。したがって、主ローレット16bを位相がずれたままの状態で大径孔25bに圧入することができ、シャフト1とポールコア2aとの間に強固な嵌着度を確保できる。
(チ)なお、ここで補説すると、上記工程での周方向規制効果により、シャフト1の軸心が曲がるシャフト振れ現象をも抑制することができる。
つまり、シャフト1はポールコアとの圧入時に発生する摩擦力等の影響を受けて軸心が曲がる現象が生じる虞があるが、下流側ローレット領域16のガイドローレット16aが下流側ポールコア2bの条痕に噛み合うことで、上記現象を抑制できる。特に、ガイドローレット16aの外径d5は上流側のガイドローレット15aの外径d3より大きく設定しており(d5>d3)、ガイドローレット16aが上流側ポールコア2aに跨ってその大径孔25bの条痕にも噛み合うことで、より一層上記現象を抑制できる。
(リ)かくして、シャフト1と下流側部品のポールコア2aとの圧入組付けも完了し、シャフト1と一対のポールコア2との全ての一軸方向組付けが終了し、図8に示すごとき完成品が得られる。
上記組付け構成を採用する本実施例によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)シャフト1には、圧入配置される一対のポールコア2a、2b(2つの部品)のそれぞれのローレット領域15、16に、ガイドローレット15a、16aと主ローレット15b、16bとの2種類のローレットを設けているため、前段側のガイドローレット15a、16aで圧入力を緩和し、後段側の主ローレット15b、16bで嵌着度を高めて、各ポールコア2a、2bごとに強固な嵌着強度を確保することができる。
(2)特に、上流側ローレット領域15を構成するガイドローレット15aおよび主ローレット15bと下流側ローレット領域16の前段側であるガイドローレット16aとの周方向の位相を同じくしているため、上流側部品であるポールコア2aに続いて下流側部品であるポールコア2bを圧入する際に、上流側ローレット領域15の後段側の主ローレット15bから下流側ローレット領域16の前段側のガイドローレット16aへと同位相で円滑に圧入していくことができ、上流側のポールコア2aと下流側のポールコア2bとが周方向にずれるという不具合を生じることがない。
しかも、下流側ローレット領域16の前段側のガイドローレット16aは、上流側ローレット領域15の痕跡(条痕)を辿って圧入していくため、圧入力を緩和できる。
(3)さらに、下流側ローレット領域16では、前段側のガイドローレット16aと後段側の主ローレット16bとの周方向の位相を異ならせているため、下流側のポールコア2bに対して、ガイドローレット16aにより確実に同一軸上にガイドしながら、位相の異なる主ローレット16bを下流側の当該ポールコア2bの軸孔24(段付き孔25)に対して痕跡(条痕)からずれた山部分に確実に圧入していくことができる。したがって、シャフト1と2つのポールコア2a、2bとの間に、一方向組付けでありながら、大なる嵌着強度を得ることができる。
(4)上記の周方向規制効果により、シャフト1の軸心が曲がるシャフト振れ現象をも抑制することができる。
(5)また、上記(3)項のごとく、圧入箇所を周方向に異ならせているため、同位相で設ける場合に比し、下流側の主ローレット16bの外径d6を小さくして、その分ポールコア2bの有効断面積を増大でき、回転子GRの小型化に貢献できる。
(6)また、図6(b)に示すように、上流側ローレット領域15において、ガイドローレット15aが小径孔25aを貫通せず、壁25cに衝当させて当該領域15の全体が上流側のポールコア2aの段付き孔25内に留まらせる(以下、寸止め構造と呼ぶ。)ことにより、シャフト1の圧入後にシャフト1が圧入方向Xに抜けるのを確実に防ぐことができる。
(7)また、下流側ローレット領域16の主ローレット16bの軸方向長L2を上流側ローレット領域15の主ローレット15bの軸方向長L1より長くしているため、上記の寸止め構造により上流側ローレット領域15の有効圧入面積が不足する場合にも、2つのポールコア2a、2bのトータルとしての有効圧入面積を充分確保することができ、反圧入方向Xの抜けに耐える力も充分に確保できる。
(8)シャフト1の外周面には、上流側ローレット領域15と下流側ローレット領域16との間、および、当該各ローレット領域15、16におけるガイドローレット15aと主ローレット15b、16bとの間に、それぞれ環状溝17、および環状溝15c、16cを形成しているため、直前のローレット通過により軸方向に生じる塑性変形分を直後の各環状溝に収容させて、シャフト1の圧入に支障を来たすのを防ぐことができる。
[実施例2]
次に、本発明の適用例の別の実施形態である実施例2について、上記実施例1との相違点を中心に図9に基づいて説明する。
この実施例2における回転子GRの特徴は、(a)上流側ローレット領域15において、ガイドローレット15aが小径孔25aを貫通している点、(b)上流側および下流側の各ローレット領域15、16において、ガイドローレット15a、16aと主ローレット15b、16bとを直結している(環状溝を設けていない)点、(c)下流側ローレット領域16において、ガイドローレット16aが上流側のポールコア2bに跨ることなく下流側のポールコア2bのみに圧入されている点の3点にある。
上記構成によれば、上記相違点ごとに次のような作用効果が奏せられる。
・相違点(a)により、上流側ローレット領域15の主ローレット15bの軸方向長L1をより長くして、上流側ローレット領域15の有効圧入面積を増大することができる。
・相違点(b)により、シャフト1のローレット領域11全体の軸方向長を短縮することができるため、一対のポールコア2の軸方向長が短い小型の回転子GRに有用できる。
・相違点(c)によっても、下流側ローレット領域16のガイドローレット16aを下流側のポールコア2bの条痕に確実に噛み合わせることで、回動規制、心振れ抑制を図ることができる。
〔他の実施形態;変形例〕
以上、本発明を2つの実施例について詳述してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変形することが可能であり、他の実施形態としてその変形例を例示する。
(1)上記の各実施例において、4つのローレット関係は、ガイドローレットと主ローレットとの主従関係、下流側主ローレットのみの位相変位関係を充足する限りにおいては軸方向長・凹凸(山谷)部の断面形状、山谷の数・高さ等を目的に応じて種々変更できる。
なお、下流側主ローレットの位相変位関係についても、半ピッチ(すじ状凹凸部12Aの周方向幅の半分に相当する)に何ら限定されるものではなく、すじ状凹凸部12Aの周方向幅の半分より大もしくは小のピッチ変位を採用しても、同様の効果を期待できることは勿論である。
(2)また、軸孔24は、段付き孔25にしなくても、内径が同一の単なる貫通穴でも良い。ただし、実施例1のごとく、段付き孔25にした場合、内周面の切削加工や端面加工を大径孔25bにした分だけ省略できるため、素材減と相まってコスト低減が図れ、かつ、シャフト1抜け防止の壁25cを簡単に形成することができる。
(3)また、上流側ローレット領域15の後段側ローレット(第1主ローレット15b)と下流側ローレット領域16の前段側ローレット(第2ガイドローレット16a)との関係は、実質的に同一径(d4=d5)であっても同様の効果が得られる。
(4)また、上流側ローレット領域15および下流側ローレット領域16に設けられる4つのローレット15a、15b、16a、16bは、いずれも、凹凸部12Aの凹凸高さを軸方向の全長にわたって一様にしているが、すじ状凹凸部12Aの凹凸高さが上流側から下流側にかけて大きくなる、いわゆるテーパ状を呈する形態を採用することもできる。
これにより、ローレット山が部品軸孔に最初に干渉する領域が小さく、部材同士の衝突による衝撃の影響も小さい領域で済むため、むしれ、バリの発生量を小さくすることができ、以降の圧入においても、テーパ斜面によって徐々に嵌合代が高まり、変形速度が安定するため、同様にバリ等の抑制作用を期待できる。なお、テーパ状の形態を採用するローレットも、4つのローレット15a、15b、16a、16bから適宜選択することができる。
以上の実施形態では、本発明を車両用交流発電機(オルタネータ)に適用した場合について説明したが、車両用以外の交流発電機には勿論のこと、ローレット嵌着方式でありながら2つの部品を回転軸に対して一軸方向から圧入するという、圧入組付け構成を採用するすべての回転電機に適用し、同様の作用効果を奏することができる。
また、特許文献1のごとき、回転軸に嵌着する部品として、ロータコア(電機子コア)と整流子との2つの部品を備える電動機であっても、かかる両部品を回転軸に対し一方向から組付ける嵌合技術として、本発明を有用できる。
以上詳述してきた本発明の特徴点および特記すべき作用効果を、特許請求の範囲において従属項として記載した各手段にしたがって要約列挙すれば、次の通りである。
(特徴点1=請求項2の手段)
請求項1に記載の回転電機(G)の回転子(GR)において、
3つのローレット(15a、15b、16a)と、残余の第2主ローレット(16b)とは、周方向の位相として、すじ状凹凸部(12A)の周方向幅の半分に相当する半ピッチ分だけ異にしていることを特徴とする(実施例1、2参照)。
上記手段によれば、後段の主ローレット(16b)の山部と条痕の山部とが確実に衝当し、当該主ローレット(16b)を大径孔25bに対してしっかりと圧入することができる。
(特徴点2=請求項3の手段)
請求項1または2に記載の回転電機(G)の回転子(GR)において、
上流側、下流側ローレット領域(15、16)における第1、第2ガイドローレット(15a、16a)と第1、第2主ローレット(15b、16b)とは、第1、第2主ローレットの方が、第1、第2ガイドローレットに比して、すじ状凹凸部(12)の凹凸高さが大きい関係にあることを特徴とする(実施例1、2参照)。
上記手段によれば、第1、第2ガイドローレット(15a、16a)で圧入力を軽減しながら第1、第2主ローレット(15b、16b)で2つの部品(2a、2b)と回転軸(1)とを確実かつ強固に嵌着することができる。
(特徴点3=請求項4の手段)
請求項1〜3のいずれか1つに記載の回転電機(G)の回転子(GR)において、
第1主ローレット(15b)と、第2ガイドローレット(16a)とは、後者の第2ガイドローレット(16a)の方が、前者の第1主ローレット(15b)に比して、すじ状凹凸部(12)の凹凸高さが同等以下の関係にあることを特徴とする(実施例1、2、変形例3参照)。
上記手段によれば、下流側部品(2b)に対し、圧入力を高めることなく、円滑に下流側の第2主ローレット(16b)を誘導できる。
(特徴点4=請求項5の手段)
請求項1〜4のいずれか1つに記載の回転電機(G)の回転子(GR)において、
上流側部品(2a)は、軸孔(24)として、下流側部品(2b)とは反対側が小径で第1ガイドローレット(15a)を貫通させない段付孔(25)を有していることを特徴とする(実施例1参照)。
上記手段によれば、段付孔(25)の小径部分をストッパ(壁部25c)として活用でき、回転軸(1)が圧入方向(X)に抜けるのを防ぐことができる。
(特徴点5=請求項6の手段)
請求項4に記載の回転電機(G)の回転子(GR)において、
第2主ローレット(16b)は、第1主ローレット(15b)に比して軸方向長さが長いことを特徴とする(実施例1参照)。
上記手段によれば、第1主ローレット(15b)側の嵌着力を、第2主ローレット(16b)側で補強することができ、回転軸(1)の圧入方向(X)とは反対側への抜け防止を増強できる。
(特徴点6=請求項7の手段)
請求項1〜5のいずれか1つに記載の回転電機(G)の回転子(GR)において、
回転軸(1)の外周面には、上流側ローレット領域(15)と下流側ローレット領域(16)との間、および、各ローレット領域におけるガイドローレット(15a、16a)と主ローレット(15b、16b)との間に、それぞれ環状溝(17、15c、16c)が形成されていることを特徴とする(実施例1参照)。
上記手段によれば、直前のローレット通過により軸方向に生じる塑性変形分を直後の各環状溝に収容させて、回転軸(1)の圧入に支障を来たすのを防ぐことができる。
(特徴点7=請求項8の手段)
請求項1〜6のいずれか1つに記載の回転電機(G)の回転子(GR)において、
下流側ローレット領域(16)は、第2ガイドローレット(16a)が、上流側部品(2a)と下流側部品(2b)との2つの部品に跨って設けられていることを特徴とする(実施例1参照)。
上記手段によれば、回転軸(1)に対する回動規制、心振れ抑制を良好に図ることができる。
(特徴点8=請求項9の手段)
請求項1〜7のいずれか1つに記載の回転電機(G)の回転子(GR)において、
上流側ローレット領域(15)および下流側ローレット領域(16)に設けられる4つのローレット(15a、15b、16a、16b)のうち、少なくとも1つは、すじ状凹凸部(12A)の凹凸高さが上流側から下流側にかけて大きくなるテーパ状を呈していることを特徴とする(変形例4参照)。
上記手段によれば、ローレットの圧入初期における軸孔との干渉を小さくし、テーパ斜面によって徐々に嵌合代を高めることができるため、円滑な圧入を期待できる。
1…シャフト(回転軸)、2…一対のポールコア(2つの部品)、2a…上流側のポールコア(上流側部品)、2b…下流側のポールコア(下流側部品)、11…ローレット領域、12…ローレット、12A…すじ状凹凸部、15…上流側ローレット領域、15a…第1ガイドローレット、15b…第1主ローレット、16…下流側ローレット領域、16a…第2ガイドローレット、16b…第2主ローレット、G…車両用交流発電機(回転電機)、GR…回転子、X…圧入方向。

Claims (9)

  1. 回転軸(1)に対して圧入により嵌着される軸孔(24)を有する2つの部品(2、2a、2b)を備えている回転電機(G)の回転子(GR)であって、
    前記回転軸の一軸方向を圧入方向(X)と呼び、前記2つの部品のうち、前記圧入方向に対して上流側に配置される一方の部品を上流側部品(2a)、下流側に配置される他方の部品を下流側部品(2b)とそれぞれ呼ぶとき、
    前記回転軸の外周面には、前記上流側部品に対応する上流側ローレット領域(11、15)と、前記下流側部品に対応する下流側ローレット領域(11、16)とが設けられており、
    前記上流側ローレット領域は、前段側の第1ガイドローレット(15a)と後段側の第1主ローレット(15b)とを有し、前記下流側ローレット領域は、前段側の第2ガイドローレット(16a)と後段側の第2主ローレット(16b)とを有していて、前記の各ローレットが、軸方向に直線状に延びかつ周方向に環状に配列される複数のすじ状凹凸部(12A)で形成されており、
    前記第1ガイドローレットと前記第1主ローレットと前記第2ガイドローレットとの3つのローレットは、周方向の位相を互いに同じくしているとともに、残余の前記第2主ローレットとは周方向の位相を異にしていることを特徴とする回転電機の回転子。
  2. 請求項1に記載の回転電機の回転子において、
    前記3つのローレットと、残余の前記第2主ローレットとは、前記周方向の位相として、前記すじ状凹凸部の周方向幅の半分に相当する半ピッチ分だけ異にしていることを特徴とする回転電機の回転子。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機の回転子において、
    前記上流側ローレット領域および下流側ローレット領域は、前記第1、第2ガイドローレットと、前記第1、第2主ローレットとの前記すじ状凹凸部の凹凸高さが異なっており、後者の第1、第2主ローレットの方が、前者の第1、第2ガイドローレットに比して、前記すじ状凹凸部の凹凸高さが大きい関係にあることを特徴とする回転電機の回転子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の回転電機の回転子において、
    前記第1主ローレットと、前記第2ガイドローレットとは、後者の第2ガイドローレットの方が、前者の第1主ローレットに比して、前記すじ状凹凸部の凹凸高さが同等以下の関係にあることを特徴とする回転電機の回転子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の回転電機の回転子において、
    前記上流側部品は、前記軸孔として、前記下流側部品とは反対側が小径で前記第1ガイドローレットを貫通させない段付き孔(25)を有していることを特徴とする回転電機の回転子。
  6. 請求項5に記載の回転電機の回転子において、
    前記第2主ローレットは、前記第1主ローレットに比して軸方向長さが長いことを特徴とする回転電機の回転子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の回転電機の回転子において、
    前記回転軸の外周面には、前記上流側ローレット領域と前記下流側ローレット領域との間、および、当該各ローレット領域における前記第1、第2ガイドローレットと前記第1、第2主ローレットとの間に、それぞれ環状溝(17、15c、16c)が形成されていることを特徴とする回転電機の回転子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の回転電機の回転子において、
    前記下流側ローレット領域は、前記第2ガイドローレットが、前記上流側部品と前記下流側部品との2つの部品に跨って設けられていることを特徴とする回転電機の回転子。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の回転電機の回転子において、
    前記上流側ローレット領域および前記下流側ローレット領域に設けられる4つのローレットのうち、少なくとも1つは、前記すじ状凹凸部の凹凸高さが上流側から下流側にかけて大きくなるテーパ状を呈していることを特徴とする回転電機の回転子。
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