JP2013162565A - 回転電機固定子及び回転電機固定子の製造方法 - Google Patents

回転電機固定子及び回転電機固定子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013162565A
JP2013162565A JP2012020519A JP2012020519A JP2013162565A JP 2013162565 A JP2013162565 A JP 2013162565A JP 2012020519 A JP2012020519 A JP 2012020519A JP 2012020519 A JP2012020519 A JP 2012020519A JP 2013162565 A JP2013162565 A JP 2013162565A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
slot
insulating sheet
stator core
stator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012020519A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ishida
岳志 石田
Takahiro Tsukamoto
貴浩 塚本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012020519A priority Critical patent/JP2013162565A/ja
Publication of JP2013162565A publication Critical patent/JP2013162565A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)

Abstract

【課題】回転電機固定子において、モールドを行わずに、コイルと固定子とコイル保持具とを互いに固定できるようにすることである。
【解決手段】回転電機のステータにおいて、コイル保持具17と絶縁シート70が用いられる。コイル保持具17は、スロット内コイル部14bの内径側側面を覆う内径壁面と、コイルエンド部の径方向側面を覆う端部壁面とを有し、内径壁面に設けられる開口部30にティース部22の先端部が挿入されることでコイルをステータコア12に対して保持する。絶縁シート70は、コイル保持具17の壁部分28a,28bとスロット内コイル部14bとの間の部分70aと、ティース部22の壁面とスロット内コイル部14bとの間の部分70b,70cとを有し、加熱によって膨張した接着絶縁性のシートである。
【選択図】図2

Description

本発明は、コイルを固定子に保持するコイル保持具を用いる回転電機固定子及び回転電機固定子の製造方法に関する。
回転電機において、コイルが巻回される固定子は、コイルの占積率の向上、コイルの放熱性の向上、コイルの固定子に対する位置決めの向上等が望まれる。
例えば、特許文献1には、平角導体を用いたコイルを巻回する固定子構造で、放熱性を確保するため、絶縁性と熱伝導性と可撓性のよいシート状インシュレータを固定子のティース側面に接着剤で止め、その上にコイルを挿入し、ティースの先端側からコイルを押さえつけるように絶縁体の留め具を配置する構成が述べられている。留め具は、コイル内周側と固定子コアの外壁側との間の隙間に挿入できる固定爪を有し、固定爪によってコイルの軸方向の位置決めを行い、また、留め具が固定子に留められる。このようにして、留め具でコイルを保持した状態で全体をワニス樹脂や樹脂でモールドされる。
特開2010−51087号公報
特許文献1の留め具のように、コイルを固定子に保持するコイル保持具を用いると、モールドを行うまでの間、コイルと固定子との間の位置決めを維持することができる。ところで、モールドによって固定子を製造すると、コストが高くなる。モールドを廃止すると、コイル保持具の固定が難しい。コイル保持具を用いずに、例えば、インシュレータの外形を用いてコイルと固定子との間の位置決めを行うことも可能であるが、インシュレータの剛性を高めるためにインシュレータが厚くなる。インシュレータが厚くなるとコイルの占積率が低下する。このように、固定子においてモールドを廃止するには、課題が多い。
本発明の目的は、モールドを行わずに、コイルと固定子とコイル保持具とを互いに固定できる回転電機固定子を提供することである。
本発明に係る回転電機固定子は、内径側に突き出すティース及び隣接するティースの間の空間であるスロットを有する固定子コアと、スロットに収容されるスロット内コイル部、及び固定子コアの軸方向の両端側に突き出すコイルエンド部を有し、環状に巻回され、ティースの外形面に沿って内周側が挿入されるコイルと、スロット内コイル部の内径側側面を覆う内径壁面、及びコイルエンド部の径方向側面を覆う端部壁面を有し、内径壁面に設けられる開口部にティースの先端部が挿入されることでコイルを固定子コアに対して保持するコイル保持具と、スロット内コイル部の内周側とティースの外形側との間と、スロット内コイル部の内径側とコイル保持具との間とにそれぞれ配置され、膨張接着性を有して、コイルをティースに接着させると共に、コイル保持具をコイルに接着させる絶縁シートと、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る回転電機固定子において、コイル保持具は、固定子コアの軸方向に対してコイルを位置決めする位置決め部を有することが好ましい。
また、本発明に係る回転電機固定子において、コイル保持具は、コイルを冷却する冷媒通路を有することが好ましい。
また、本発明に係る回転電機固定子の製造方法は、固定子コアの隣接するティースの間の空間であるスロットにおいて、ティースの突き出す壁面に沿って膨張接着性を有する絶縁シートを配置する工程と、スロットに収容されるスロット内コイル部、及び固定子コアの軸方向の両端側に突き出すコイルエンド部を有し、環状に巻回されたコイルをティースに挿入する工程であって、ティースの径方向に延びる壁面とスロット内コイル部の内周面との間に絶縁シートが来るようにコイルをティースに挿入する工程と、絶縁シートの先端部をスロット内コイル部の内径側側面に沿って折り返して絶縁シートによってスロット内コイル部の内径側側面を覆う工程と、コイルを固定子コアに保持するためのコイル保持具を、スロット内コイル部の内径側を覆っている絶縁シートに接触するように配置する工程と、固定子コア、及びコイル、及び絶縁シート、及びコイル保持具の全体を加熱し、絶縁シートを膨張させながらコイルをティースに接着させると共に、コイル保持具をコイルに接着させる工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る回転電機固定子の製造方法は、環状に形成されたコイルについて、固定子コアに配置されるときに、固定子コアの隣接するティースの間の空間であるスロットに収容されるスロット内コイル部を、膨張接着性を有する絶縁シートで覆う工程と、スロット内コイル部が絶縁シートで覆われたコイルの内周側をティースの外形面に沿って挿入する工程と、コイルを固定子コアに保持するためのコイル保持具を、スロット内コイル部の内径側を覆っている絶縁シートに接触するように配置する工程と、固定子コア、及びコイル、及び絶縁シート、及びコイル保持具の全体を加熱し、絶縁シートを膨張させながらコイルをティースに接着させると共に、コイル保持具をコイルに接着させる工程と、を含むことを特徴とする。
上記構成の少なくとも1つにより、回転電機の固定子において、コイル保持具が用いられる。コイル保持具は、スロット内コイル部の内径側側面を覆う内径壁面及びコイルエンド部の径方向側面を覆う端部壁面を有し、内径壁面に設けられる開口部にティースの先端部が挿入されることでコイルを固定子コアに対して保持する。そして、コイルの内周側とティースの外形側との間と、コイルの内径側とコイル保持具との間とにそれぞれ配置され、膨張接着性を有して、コイルをティースに接着させると共に、コイル保持具をコイルに接着させる絶縁シートを用いる。このように、膨張接着性を有する絶縁シートで、コイルをティースに接着させ、コイル保持具をコイルに接着させるので、モールドを行わずに、コイルと固定子とコイル保持具とを互いに固定できる。
また、回転電機固定子において、コイル保持具は、固定子コアの軸方向に対してコイルを位置決めする位置決め部を有するので、固定子コアに対するコイルの位置決めを適切に行うことができる。
また、回転電機固定子において、コイル保持具は、コイルを冷却する冷媒通路を有するので、冷媒通路を有するモールドの場合と同様に、コイルを適切に冷却できる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、回転電機固定子の製造方法は、スロットにおいて、ティースの突き出す壁面に沿って膨張接着性を有する絶縁シートを配置し、コイルをティースに挿入し、絶縁シートの先端部をスロット内コイル部の内径側側面に沿って折り返して絶縁シートによってスロット内コイル部の内径側側面を覆い、コイル保持具をスロット内コイル部の内径側を覆っている絶縁シートに接触するように配置する。そして、全体を加熱し、絶縁シートを膨張させながらコイルをティースに接着させると共に、コイル保持具をコイルに接着させる。このようにすることで、モールドを行わずに、コイルと固定子とコイル保持具とを互いに固定できる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、回転電機固定子の製造方法は、コイルについて、スロットに収容されるスロット内コイル部を、膨張接着性を有する絶縁シートで覆い、このコイルの内周側をティースの外形面に沿って挿入し、コイル保持具をスロット内コイル部の内径側を覆っている絶縁シートに接触するように配置する。そして、全体を加熱し、絶縁シートを膨張させながらコイルをティースに接着させると共に、コイル保持具をコイルに接着させる。このようにすることで、モールドを行わずに、コイルと固定子とコイル保持具とを互いに固定できる。
本発明に係る実施の形態の回転電機固定子を示す図である。 本発明に係る実施の形態の回転電機固定子の一部断面図である。 本発明に係る実施の形態の回転電機固定子において、固定子コアとコイルとコイル保持具の関係を示す図である。 本発明に係る実施の形態の回転電機固定子におけるコイル保持具を示す図である。 図4の一部拡大図である。 図4について側面図として示す図である。 本発明に係る実施の形態の回転電機固定子において、絶縁シートの加熱によって膨張する様子を説明する図である。 本発明に係る実施の形態の回転電機固定子の製造方法において、固定子コアを準備する手順を示す図である。 図8に引き続き、絶縁シートをスロットに配置する手順を示す図である。 図9に引き続きコイルをティースに挿入する手順を示す図である。 図10に引き続き、絶縁シートの先端部を折り曲げる手順を示す図である。 図11に引き続き、コイル保持具を準備する手順を示す図である。 図12に引き続き、コイル保持具を配置する手順を示す図である。 本発明に係る実施の形態の回転電機固定子の別の製造方法において、コイルを準備する手順を示す図である。 図14に引き続き、コイルを絶縁シートで覆う手順を示す図である。 図15に引き続き、固定子コアを準備する手順を示す図である。 図16に引き続き、絶縁シートで覆われたコイルをティースに挿入する手順を示す図である。 図17に引き続き、コイル保持具を準備する手順を示す図である。 図18に引き続き、コイル保持具を配置する手順を示す図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、回転電機固定子として、複数のティースが周方向に沿って配置される一体型固定子を述べるが、円環状の固定子を周方向に沿って分割した分割型固定子であってもよい。また、以下では、コイルの巻線導体を矩形断面を有する角線型として述べるが、これは例示であって、断面が円形の丸線型の導体を用いてもよい。また、以下においては、冷却液が例えばATF(オートマチックトランスミッションフルード(登録商標))等の冷却油であるものとして説明するが、油以外の冷却液(例えば冷却水)が用いられてもよい。
以下で述べる形状、材質、コイルの巻数等は、例示であって、回転電機固定子の仕様に応じ、適宜変更が可能である。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、回転電機用固定子であるステータ10を示す斜視図である。ステータ10を備える回転電機は、例えば車両の動力源として、軸芯が水平方向にほぼ沿った姿勢で搭載されている。そのため、ステータ10の軸芯位置を通る水平方向の中央境界線(または中央境界面)Hが図1に一点鎖線で示されている。以下においては、この中央境界線Hよりも上方にある部分を上部といい、中央境界線Hよりも下方に位置する部分を下部という。
なお、図1には、ステータ10の軸方向としてZ方向が、ステータ10の径方向としてR方向がそれぞれ示されている。Z方向は、後述する三相コイルの各他端部15U,15V,15Wが引き出される方を+Z方向としてある。図1では、紙面の手前側に向かう方向が−Z方向である。R方向は、外径側が+R方向、内径側が−R方向である。以後の各図においても、適宜Z方向とR方向を示した。
図1に示されるステータ10には、上方から冷却油が破線矢印方向に流下されて供給され、コイルを含むステータが冷却される構造になっている。ステータ10は、ステータコア12と、コイル14と、ガイド部材16とを備える。図1では、コイルエンド部を見易くするために、ガイド部材16を構成する分割ガイド要素であるコイル保持具17のうちの2つが省略されている。
ステータコア12は、回転電機の固定子コアで、円環状に打ち抜き加工された電磁鋼板を軸方向に多数枚積層して、かしめ等の固定方法によって一体に連結して構成される筒状の部材である。ステータコア12の外周には、図示しない取付ボルトを挿通するボルト穴が貫通形成された取付部18が軸方向に延伸して膨出形成されている。なお、ステータコア12は、電磁鋼板積層体で構成されるものに限定されず、樹脂コーティングされた磁性粉とバインダーとを混合して加圧成形された圧粉材で構成してもよい。また、ステータコア12は、複数の分割コアを環状に配列して構成されるステータコアであってもよい。
ステータコア12は、周方向に連なるバックヨーク部20と、バックヨーク部20の内周から径方向内側である内径側へ向けて突出した複数のティース部22とを有する。複数のティース部22は、周方向に均等な間隔で配置されている。図1では、15個のティース部22が形成されている例を示す。
ステータコア12において周方向に隣り合うティース部22の間には、それぞれ、スロット24が形成されている。スロット24もまた、ティース部22と同数だけ形成されている。スロット24は、ステータコア12の軸方向両側の端面に開口するとともにステータコア12の内周で軸方向にわたって開口する溝である。
コイル14は、ステータコア12のティース部22の周囲に巻かれて装着されている。図1のステータ10では、各ティース部22の周囲にコイル14がそれぞれ巻装された、いわゆる集中巻の例を示す。ただし、これに限定されるものではなく、コイルが分布巻によってステータコアに巻装されていてもよい。
図2は、ステータ10のティース部22近傍を拡大して示す断面図である。図1,2に示すように、ティース部22に巻装されたコイル14は、ティース部22の端面(すなわちステータコア12の端面)から軸方向外側に突出したコイルエンド部14aと、ティース部22間のスロット24内に位置するスロット内コイル部14bとを含む。図2に示すように、ティース部22は略台形状の断面形状を有して形成されている。
コイル14は、ステータ10の隣接するティース部22の間に形成されるスロット24にコイル導線が配置されて、そのコイル導線がティース部22の周囲を環状に巻回して形成される。コイル14をステータコア12に保持するために後述するコイル保持具17が用いられる。図2では、コイル保持具17のZ方向に延びる軸方向壁部28について、ステータコア12のティース部22を通す開口部30とその両側の壁部分28a、28bが示されている。
図2における絶縁シート70は、コイル保持具17の壁部分28a,28bとスロット内コイル部14bとの間の部分70aと、ティース部22の壁面とスロット内コイル部14bとの間の部分70b,70cとを有する膨張接着性を有するシートである。絶縁シート70の部分70aを介して、コイル14とコイル保持具17が固定され、絶縁シート70の部分70b,70cを介してコイル14とステータコア12が固定される。したがって、絶縁シート70を介して、ステータコア12とコイル14とコイル保持具17が互いに固定されることになる。絶縁シート70の詳細については後述する。
コイル14は、絶縁被覆された矩形断面を有する角線型のコイル導線により形成されている。具体的には、コイル14は、コイル導線の巻始め端部から所定巻き数だけ径方向内側方向へ密着または近接して巻かれた後、径方向および周方向に二重巻きされて同じ巻き数だけ径方向外側方向へ向かって並べて密着または近接して巻かれて巻終わり端部となっている。なお、図面では、二重巻きの部分の図示を省略してある。このように巻かれているコイル14は、巻き型の周囲に巻線機でコイル導線を巻き付けることによって形成されたものを、ステータコア12の内径側からティース部22の周囲に挿入して装着することができる。
ステータ10が三相交流モータに適用される場合、ティース部22の周囲に装着されたコイル14の巻始め端部および巻終わり端部は、周方向に2つ置きごとのコイル14と溶接等によって接続される。これにより、5つのコイル14が直列に電気接続されてU相コイルが形成される。同様にしてV相コイルおよびW相コイルも形成される。そして、三相コイルの各一端部が中性点で共通接続され、各他端部15U,15V,15Wがコイルエンド部14aから軸方向に引き出されて入出力用端子となっている。入出力用端子には、例えばリング状の接続端子が溶接等により連結される。
なお、コイル14は、上記のものに限定されず、種々の形態を採り得る。例えば、コイル14の断面形状は、矩形形状でなくてもよい。また、コイル14は、巻線機から繰り出されるコイル導線をティース部の周囲に直に巻いて形成されてもよい。さらに、コイル14は、略U字状をなす導体セグメントの2つの脚部を周方向に隣り合うか又は離れたスロット24に軸方向一方側から挿入して、軸方向他方側に突出した導体セグメントの脚部を周方向および径方向の少なくとも何れかの方向へ折り曲げて別の導体セグメントの脚部と溶接等で接続していくことにより構成されるものであってもよい。
図1を再び参照すると、ガイド部材16は、ステータコア12の内周部に環状に取り付けられている。ガイド部材16は、周方向に複数に分かれた分割ガイド要素であるコイル保持具17が環状に連続して設置されることにより構成されている。図1では、ステータコア12のティース部22に対応する15個のコイル保持具17によってガイド部材16が構成されている。
図3は、コイル保持具17の全体を示す斜視図である。コイル保持具17は、樹脂成形品によって好適に構成される。コイル保持具17は、径方向に沿って延びる径方向壁部26a,26bを軸方向両端に備えるとともに、径方向壁部26a,26b間を繋いで軸方向に延びる軸方向壁部28を備える。
図3に示すように、径方向壁部26a,26bと軸方向壁部28とが略L字状をなし、後述するように、それぞれコイルエンド部14aの径方向内側および軸方向外側を覆うことができる。ただし、径方向壁部26a,26b、軸方向壁部28は、種々の形状を採り得る。例えば、径方向壁部26a,26bは、必ずしも径方向に沿っていなくてもよく、軸方向に傾斜していてもよいし、あるいは、径方向壁部26a,26bと軸方向壁部28とがテーパ部または湾曲部を介してつながっていてもよい。
軸方向壁部28には、細長い矩形状の開口部30が貫通して形成されている。この開口部30は、コイル保持具17がステータコア12に取り付けられたときにティース部22の径方向内側の先端部23を受入れ可能な大きさおよび形状に形成されている。図3に示すように、コイル保持具17の軸方向壁部28は、開口部30が形成されることによって軸方向にそれぞれ延びる2つの壁部分28a,28bに分かれている。
2つの壁部分28a,28bに挟まれた開口部30の大きさは、図2に示すように、コイル保持具17がステータコア12に取り付けられたときに、2つの壁部分28a,28bとティース部22との間の隙間が少ないように設定される。この隙間は、ティース部22を通すためのものであるが、冷却油の粘度を考慮し、コイル保持具17とステータコア12の先端部との隙間から冷却油がステータ内周側へ漏出しない程度とされる。
そして、各壁部分28a,28bにおいて、絶縁シート70を介してコイル14に向かい合う面となる表面には、溝状の冷却油路34がステータコア12の軸方向全長以上にわたって延伸して形成されている。このような冷却油路34が形成されていることで、図2に示すように軸方向壁部28の壁部分28a,28bと絶縁シート70の部分70aとがぴったりと接触して配置されても、冷却油路34を介して冷却油を軸方向に流してスロット内コイル部14bを効果的に冷却することができる。
図3において、コイル保持具17の軸方向壁部28の両端部分であってステータコア12の端面から外側へ突出する端部38には、係止爪40およびコイル位置決め部42がそれぞれ立設されている。係止爪40およびコイル位置決め部42は、開口部30を挟んで軸方向に対向して配置されている。
図4は、コイル保持具17の軸方向一端側を拡大して示す斜視図である。図4に示すように、係止爪40の先端部には、傾斜面40aを有するフック部40bが形成されている。一方、ステータコア12のティース部22の端面には、係止凹部が形成されている。これにより、コイル保持具17がステータコア12に内周側から組み付けられるとき、傾斜面40aに案内されてフック部40bがティース部22の端面に乗り上げることによって係止爪40が軸方向外側へ弾性変形する。このとき、係止爪40に近接して設けられているコイル位置決め部42は、係止爪40が弾性変形によって過度に変位するのを規制するストッパとして機能する。これにより、係止爪40が過度に変形することによる破損が防止される。
そして、コイル保持具17がステータコア12に対し+R方向である径方向外側へ押し込まれて移動して、係止爪40のフック部40bが係止凹部の位置に到達したとき、係止爪40の弾性復元力によってフック部40bが係止凹部に嵌り込む。このようにティース部22の軸方向両端において係止爪40が係止凹部に係止されることによって、コイル保持具17がステータコア12に対して固定される。このとき、壁部分28a,28bは、ステータコア12のスロット24内に入り込んでコイル14のスロット内コイル部14bをコイル導線のスプリングバック力に抗してバックヨーク部20に向けて押し付けて保持する。
上記のように係止爪40のストッパおよび保護部材として機能するコイル位置決め部42は、略コ字状の横断面形状を有するとともに、軸方向壁部28の端部38で径方向外側へ向いて突設されている。また、コイル位置決め部42は、係止爪40によってステータコア12に固定された状態でティース部22の端面とコイルエンド部14aのコイル導線との間に挿入されてコイル14の軸方向に位置決めする機能も有する。さらに、コイル位置決め部42は、係止爪40とほぼ同じ高さで且つ周囲を囲っていることで、細く延伸する係止爪40を保護する機能も有する。
具体的には、コイル保持具17がステータコア12の内周側から組み付けられるとき、コイル位置決め部42がコイルエンド部14aを構成するコイル導線とティース部22の端面との間に形成される隙間に軸方向の両側においてそれぞれ挿入(または圧入)される。これにより、コイルエンド部14aを含むコイル14の軸方向位置が決められた状態になる。したがって、このコイル位置決め部42の軸方向位置決め作用と、コイル保持具17の軸方向壁部28によるコイル保持作用とによって、コイル14がステータコア12にしっかりと固定される。
なお、コイル位置決め部42の挿入側端部に傾斜面(または湾曲面)を形成してもよい。このようにすれば、コイル位置決め部42をコイルエンド部14aとティース部22の端面との間に挿入する作業をより容易に行えるようになる。また、コイルエンド部14aの軸方向内側の表面に接触することとなるコイル位置決め部42の側面を軸方向内側すなわちステータコア12側へ例えば数度程度傾けて形成してもよい。これにより、コイルエンド部14aとティース端面との間の隙間に多少のばらつきがあってもコイル位置決め部42がしっかりと圧入されることでコイル14の軸方向の位置決めを確実に行うことができる。
冷却油路50の幅は、冷却油の粘性等に応じて適宜に設定可能であるが、冷却油としてATFを用いた場合には例えば0.3〜0.5mm程度に設定されるのが好ましい。このように設定することで、ステータ10の上方から供給される冷却油が少量であっても冷却油路50を介して周方向に円滑に流れて隣接するコイルエンド部14aに供給することができる。加えて、ステータ10の下部においても冷却油路50から冷却油が鉛直下方へ滴下するのを抑制することができ、ステータ10の下部に位置するコイルエンド部14aおよびこれを含むコイル14に対する冷却性能を向上させることができる。
図3に示すように、コイル保持具17において軸方向壁部28の端部38であって径方向壁部26a,26bとコイル位置決め部42との間には、例えば長方形状等の貫通穴52がそれぞれ形成されている。図4には、軸方向他方側にある1つの貫通穴52だけが示されている。貫通穴52の形状は、長方形、正方形等の矩形状に限定されるものではなく、円形、三角形等の他の形状であってもよい。
このような貫通穴52が形成されたコイル保持具17が環状に連なって構成されるガイド部材16は、図1に示すように複数(本実施形態では15個)の貫通穴52が周方向に等間隔で形成されたものになる。
また、図4に示されるように、コイル保持具17における軸方向壁部28の端部38の内周側表面には、貫通穴52に対応する位置で軸方向と直交する方向に延伸するガイド溝54が形成されている。このようなコイル保持具17が環状に連なって構成されるガイド部材16では、図1に示すように周方向に環状に連続したガイド溝54が複数の貫通穴52をつなぐように形成されたものになる。
図5、図6は、コイル位置決め部42と、コイル14と、ティース部22との関係を説明する図である。図5は斜視図で、図6は側面から見た断面図である。これらの図に示されるように、ステータコア12のティース部22にコイル14が挿入され、さらにコイル保持具17がコイル14を覆いながらティース部22に組付けられる。これによって、コイル保持具17の端部壁面となる径方向壁部26a,26bがコイル14のコイルエンド部14aの径方向の外形側面を覆い、また、コイル保持具17の内径壁面となる軸方向壁部28がコイル14のスロット内コイル部14bの内径側側面を覆う。
そして、コイルエンド部14aと径方向壁部26aとの間には冷却油路50が形成される。この冷却油路50は、すべてのコイル保持具17が取り付けられてガイド部材16が環状に組み立てられたときに環状に連なることによって周方向冷却油路となる。ここで、径方向壁部26a,26bは、必ずしもコイルエンド部14aの径方向全幅に亘って延伸していなくてもよく、軸方向視でコイルエンド部14aの外形側部分が覆われていない状態であってもよい。
コイル保持具17のZ方向に沿って+Z側と−Z側に配置される2つのコイル位置決め部42は、コイル14がステータコア12のティース部22の周りに配置されるときに、ティース部22の外形とコイル14の内周との間に入り込めるように、その配置位置が設定される。
図6に、これらのZ方向の寸法の関係を示した。ここでは、ティース部22のZ方向の寸法をZ1、コイル保持具17の開口部30のZ方向の寸法をZ2、コイル保持具17の2つのコイル位置決め部42のそれぞれの外側の間の間隔をZ3、コイル14のコイルエンド部14aの内周のZ方向の寸法をZ4、コイル14のコイルエンド部14aの外周のZ方向の寸法をZ5、コイル保持具17の2つの径方向壁部26a,26bの間の間隔をZ6として示した。
ここで、Z2はZ1よりやや大きめに設定される。コイル保持具17の2つのコイル位置決め部42のそれぞれの外側の間の間隔はZ2と同じか、あるいはZ2よりやや大きめとされる。これによって、ティース部22の先端部23が開口部30の中に挿入できる。
また、Z4はZ3よりやや大きめに設定され、Z6はZ5よりやや大きめに設定される。これによって、2つのコイル位置決め部42は、それぞれ、コイルエンド部14aの内周とティース部22のZ方向の外形との間に入り込むことができる。Z4とZ3の間の寸法差と、Z4とZ3の間の寸法差を適切に設定することで、Z方向についてティース部22とコイル14の間の位置決めを適切なものとできる。
図7は、絶縁シート70の膨張接着性について説明する図である。絶縁シート70は、加熱によって膨張する接着性と絶縁性のあるシートである。既に説明した図2、図5、図6では、いずれも加熱後の絶縁シート70が示されている。加熱前のものを絶縁シート60として、符号で区別すると、図7(a)は、加熱前の絶縁シート60がティース部22とスロット内コイル部14bとの間の隙間25に配置される様子を示す図である。また、図7(b)は、図7(a)の状態から加熱を行ったときに、加熱前の絶縁シート60が加熱によって膨張して加熱後の絶縁シート70となり、隙間25を埋めて、ティース部22とスロット内コイル部14bの双方に接触し、接着を行う様子を示す図である。
通常、コイル14は、ティース部22の外形形状に対応した形状に成型されるが、コイル14の側面形状を、ティース部22の壁面形状に完全に対応させることは不可能である。また、そもそも、コイル14をティース部22に挿入するためには、コイル14とティース部22との間に適度なクリアランスが必要となる。そのため、通常、ティース部22に挿入されたコイル14と、ティース部22の壁面との間には、図7(a)に示すように、ある程度の隙間25が生じざるを得ない。この隙間25をそのまま放置すると、コイル14がスロット24内でがたつき、固定されないという問題を招く。かかるガタツキは、回転電機の駆動振動に伴い、騒音や巻線の損傷といった、さらなる問題を招く。かかる問題を避けるために、従来は、樹脂モールドによるコイル固定を図っていた。本発明では、膨張接着性を有する絶縁シート60を用いることで、樹脂モールドを省略する。
すなわち、図7(a)に示すように、コイル14のスロット内コイル部14bと、ティース部22の壁面との間に絶縁シート60が配置される。この配置は常温下で行なわれ、絶縁シート60の厚さは隙間25に比べ薄いので、スロット内コイル部14bと絶縁シート60との間、絶縁シート60とティース部22の壁面との間には、それぞれ隙間25a,25bが生じている。
その後、ステータ10の全体を加熱すると、加熱膨張性を有する絶縁シート60は、膨張する。そして、図7(b)に示すように、スロット内コイル部14bとティース部22の壁面の間の隙間25の形状に応じて膨張し、その隙間25を埋める。その結果、スロット24内のコイル14のガタツキが規制される。
また、加熱により溶融・接着した後に硬化することで、絶縁シート70がコイル14の周囲において接着されることになる。その結果、絶縁シート70の剥がれ等が確実に防止され、ひいては、コイル14のガタツキも防止される。
ここで、かかる特性を有する絶縁シート60の構成は特に限定されないが、例えば、二層構造のシートを用いることができる。二層構造の絶縁シートは、絶縁性能を有する絶縁層と、接着性能を有する接着層とを備えている。絶縁層は、例えば、イミド変性ポリエステル樹脂などの絶縁性樹脂を基材とし、その内部に、流動性抑止(ベタツキ防止)のための添加剤(例えばタルクなど)や、流動性促進用添加剤(例えば炭酸カルシウムなど)、膨張フィラー(例えばコアシェル型アクリルなど)を含んでいる。ここで、流動性抑止用添加剤を添加するのは、基材となるイミド変性ポリエステル樹脂が、ラジカル重合で架橋するため、触媒が入った段階で液状でAステージ状態であり、Bステージ化が困難なためである。また、同時にコイル14に適度に密着するためには、適度な流動性も得ることが必要となる。そのため、流動性抑止用添加剤に加え、流動性促進用添加剤も添加することが好ましい。
接着層は、加熱された際に、接着性を発揮する層で、基材であるコア接合用樹脂(例えばアミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂)に、膨張フィラー(例えばコアシェル型アクリルなど)を混入したものである。
絶縁層および接着層の両方に混入された膨張フィラーは、液化炭酸ガスなどの膨張体を含んでおり、加熱により5倍以上に体積膨張する。そして、膨張フィラーは、体積膨張時の誘電率は1.4以下となり、熱硬化後の被覆シートの低誘電率化を促進する。
また、別の形態として、三層構成のシートを絶縁シートに採用することもできる。三層構造の絶縁シートは、上述した絶縁層と接着層の間に、さらに、中間層を有している。この絶縁シートにおける絶縁層および接着層の構成は、二層構造で述べた内容と同じである。一方、中間層は、耐熱性と低誘電率を併せもったフィルム、例えば、耐熱フィルム(例えばポリエーテルニトリル、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマーなど)やアラミド紙、LCP紙などで構成される固体絶縁層である。この中間層は、樹脂流動性が高い場合に必要となる最低限の固体絶縁性能を確保するために設けられる。
なお、ここで説明した構成は一例であり、加熱膨張性と加熱接着性、より望ましくは、さらに絶縁性を備えたシートであれば、ここで例示した構成以外のシートを絶縁シートとして用いることができる。
上記構成のステータの製造方法の手順を図8から図13を用いて説明する。最初にステータコア12を準備する(ステータコア準備工程)。図8は、準備されたステータコア12を示す図である。ここに示されるように、ステータコア12は、内径側に突き出すティース部22と、隣接するティース部22の間の空間であるスロット24とを有する円環状の部材である。
次に、ステータコア12の各スロット24において、ティース部22の突き出す壁面に沿って膨張接着性を有する加熱前の絶縁シート60を配置する(絶縁シート配置工程)。その様子を図9に示す。
加熱前の絶縁シート60は、ティース部22の内壁に沿うように折り曲げられたものが用いられる。あるいは、シート状のものをティース部22の内壁に宛がって折り曲げるものとしてもよい。図9では、折り曲げた部分を区別するため、ティース部22の径方向に沿った壁面に対応する径方向シート部62,66と、バックヨーク部20の壁面に沿った周方向シート部64が示されている。絶縁シート60は、Z方向の寸法がティース部22のZ方向の寸法よりもやや長めに設定される。また、絶縁シート60をティース部22の壁面に沿って配置したときに、径方向シート部62,66がティース部22の先端部23から−R方向に突き出るように、絶縁シート60のZ方向に直交する寸法が設定される。この突き出し寸法は、次にコイル14が挿入されたときに、折り返して、コイル14の内径側側面を覆うことができる大きさとされる。
そして、予め準備されたコイル14が、ティース部22に挿入される(コイル挿入工程)。図10に、コイル14がティース部22に挿入された様子が示される。ここで、コイル14の挿入は、ティース部22の径方向に延びる壁面と、コイル14のスロット内コイル部14bの内周面との間に、絶縁シート60の径方向シート部62,66が来るようにする。
このようにコイル14がティース部22に挿入されると、ティース部22の先端部23から突き出ている絶縁シート60の径方向シート部62,66の先端部を、スロット内コイル部14bの内径側側面に沿って折り返す(絶縁シート折り返し工程)。これによって、絶縁シート60によってスロット内コイル部14bの内径側側面が覆われる。図11に、折り返されてコイル14の内径側側面を覆う絶縁シート60の先端シート部63を示した。
次に、予め準備されたコイル保持具17をステータコア12に取り付ける(コイル保持具取付工程)。図12には、コイル保持具17を1つのティース部22に対し向かい合わせている様子が示される。また、図13には、コイル保持具17がティース部22に取り付けられた様子が示される。この取り付けは、図5、図6で説明したように、コイル位置決め部42をコイル14の内周側とティース部22の外形との間に入り込ませる。そして、コイル保持具17の係止爪40とティース部22の端面に設けられる係止凹部とを用いて、コイル保持具17をティース部22に取り付ける。
これを各ティース部22について行い、全てのティース部22にコイル14が挿入され、コイル保持具17が取り付けられると、ステータコア12の全体が所定の条件で加熱される(加熱工程)。この加熱によって、図7で説明したように、加熱前の絶縁シート60が加熱により膨張する。そして、加熱前の絶縁シート60の先端シート部63に対応する加熱後の絶縁シート70の部分70aを介して、コイル14とコイル保持具17が固定され、加熱前の絶縁シート60の径方向シート部62,66と周方向シート部64に対応する加熱後の絶縁シート70の部分70b,70cを介してコイル14とステータコア12が固定される。このようにして、従来技術のように樹脂モールドを用いることなく、絶縁シート70を介してステータコア12とコイル14とコイル保持具17を互いに固定することができる。
上記ではスロット24に絶縁シート60を配置してからコイル14をティース部22に挿入したが、予め絶縁シート60を巻きつけたコイル14を準備し、これをティース部22に挿入するものとしてもよい。図14から図19は、そのような方法によるステータ10の製造方法の手順を説明する図である。
最初に、環状に成形されたコイル14を準備する(コイル準備工程)。図14には、準備されたコイル14の様子が示される。ここに示されるように、環状に巻回されたコイルは、ステータコア12に配置されたときに、スロット24に収容される部分となるスロット内コイル部14bと、ステータコア12の軸方向の両端側に突き出す部分となるコイルエンド部14aとを有する。
次に、コイル14のスロット内コイル部14bの周囲を、絶縁シート68で覆う(絶縁シート覆い工程)。この絶縁シート68は、図9等で説明した加熱前の絶縁シート60と同じ材質のものである。異なるのは、絶縁シート60がティース部22の壁面に沿って配置されるのに対し、絶縁シート68はコイル14のスロット内コイル部14bの周囲に配置される点である。図15にその様子が示される。絶縁シート60で覆う必要がある部分は2種類ある。1つは、コイル14がティース部22に挿入されたときに、コイル14のスロット内コイル部14bがティース部22の壁面と向かい合う部分である。もう1つは、コイル保持具17がティース部22に取り付けられたときに、コイル14のスロット内コイル部14bがコイル保持具17と向かい合う部分である。
コイル14がティース部22に挿入されたときに、そのコイル14が、同じスロット24の中で隣接する他のコイル14のスロット内コイル部14bと向かい合う面については、必ずしも絶縁シート60を巻きつける必要はない。しかし、コイル14のスロット内コイル部14bの周囲に、1枚の絶縁シート60をぐるっと巻きつけることが工程上有利な場合には、スロット内コイル部14bの全周に絶縁シート60を巻きつけることがよい。以下では、スロット内コイル部14bの全周に絶縁シート60を巻きつけるものとして説明を続ける。
次に、ステータコア12を準備する。そして、上記のようにスロット内コイル部14bが絶縁シート60で覆われたコイル14の内周側をティース部22の外形面に沿って挿入する(絶縁シート付コイル挿入工程)。図16には、絶縁シート60付きのコイル14が1つのティース部22に対し向かい合わせている様子が示される。また、図17には、絶縁シート60付きのコイル14がティース部22に挿入される様子が示される。
次に、予め準備されたコイル保持具17をステータコア12に取り付ける(コイル保持具取付工程)。図18には、コイル保持具17を1つのティース部22に対し向かい合わせている様子が示される。また、図19には、コイル保持具17がティース部22に取り付けられた様子が示される。この取り付け方は、図13で説明した内容と同じである。このときに、コイル保持具17の軸方向壁部28の2つの壁部分28a,28bが、コイル14のスロット内コイル部14bの内径側を覆っている絶縁シート60に接触することになる。
これを各ティース部22について行い、全てのティース部22に絶縁シート60付きのコイル14が挿入され、コイル保持具17が取り付けられると、ステータコア12の全体が所定の条件で加熱される(加熱工程)。この加熱によって、絶縁シート60が膨張する。そして、膨張した絶縁シート70の部分70aを介して、コイル14とコイル保持具17が固定され、絶縁シート70の部分70b,70cを介してコイル14とステータコア12が固定される。
本発明に係る回転電機固定子及び回転電機固定子の製造方法は、例えば、車両に搭載される回転電機に利用できる。
10 ステータ、12 ステータコア、14 コイル、14a コイルエンド部、14b スロット内コイル部、15U,15V,15W 他端部、16 ガイド部材、17 コイル保持具、18 取付部、20 バックヨーク部、22 ティース部、23 先端部、24 スロット、25,25a,25b 隙間、26a,26b 径方向壁部、28 軸方向壁部、28a,28b (軸方向壁部の)壁部分、30 開口部、34,50 冷却油路、38 端部、40 係止爪、40a 傾斜面、40b フック部、42 コイル位置決め部、52 貫通穴、54 ガイド溝、60,68 (加熱前の)絶縁シート、62,66 径方向シート部、63 先端シート部、64 周方向シート部、70 (加熱後の)絶縁シート、70a,70b,70c (絶縁シートの)部分。

Claims (5)

  1. 内径側に突き出すティース及び隣接するティースの間の空間であるスロットを有する固定子コアと、
    スロットに収容されるスロット内コイル部、及び固定子コアの軸方向の両端側に突き出すコイルエンド部を有し、環状に巻回され、ティースの外形面に沿って内周側が挿入されるコイルと、
    スロット内コイル部の内径側側面を覆う内径壁面、及びコイルエンド部の径方向側面を覆う端部壁面を有し、内径壁面に設けられる開口部にティースの先端部が挿入されることでコイルを固定子コアに対して保持するコイル保持具と、
    スロット内コイル部の内周側とティースの外形側との間と、スロット内コイル部の内径側とコイル保持具との間とにそれぞれ配置され、膨張接着性を有して、コイルをティースに接着させると共に、コイル保持具をコイルに接着させる絶縁シートと、
    を備えることを特徴とする回転電機固定子。
  2. 請求項1に記載の回転電機固定子において、
    コイル保持具は、
    固定子コアの軸方向に対してコイルを位置決めする位置決め部を有することを特徴とする回転電機固定子。
  3. 請求項2に記載の回転電機固定子において、
    コイル保持具は、
    コイルを冷却する冷媒通路を有することを特徴とする回転電機固定子。
  4. 固定子コアの隣接するティースの間の空間であるスロットにおいて、ティースの突き出す壁面に沿って膨張接着性を有する絶縁シートを配置する工程と、
    スロットに収容されるスロット内コイル部、及び固定子コアの軸方向の両端側に突き出すコイルエンド部を有し、環状に巻回されたコイルをティースに挿入する工程であって、ティースの径方向に延びる壁面とスロット内コイル部の内周面との間に絶縁シートが来るようにコイルをティースに挿入する工程と、
    絶縁シートの先端部をスロット内コイル部の内径側側面に沿って折り返して絶縁シートによってスロット内コイル部の内径側側面を覆う工程と、
    コイルを固定子コアに保持するためのコイル保持具を、スロット内コイル部の内径側を覆っている絶縁シートに接触するように配置する工程と、
    固定子コア、及びコイル、及び絶縁シート、及びコイル保持具の全体を加熱し、絶縁シートを膨張させながらコイルをティースに接着させると共に、コイル保持具をコイルに接着させる工程と、
    を含むことを特徴とする回転電機固定子の製造方法。
  5. 環状に形成されたコイルについて、固定子コアに配置されるときに、固定子コアの隣接するティースの間の空間であるスロットに収容されるスロット内コイル部を、膨張接着性を有する絶縁シートで覆う工程と、
    スロット内コイル部が絶縁シートで覆われたコイルの内周側をティースの外形面に沿って挿入する工程と、
    コイルを固定子コアに保持するためのコイル保持具を、スロット内コイル部の内径側を覆っている絶縁シートに接触するように配置する工程と、
    固定子コア、及びコイル、及び絶縁シート、及びコイル保持具の全体を加熱し、絶縁シートを膨張させながらコイルをティースに接着させると共に、コイル保持具をコイルに接着させる工程と、
    を含むことを特徴とする回転電機固定子の製造方法。
JP2012020519A 2012-02-02 2012-02-02 回転電機固定子及び回転電機固定子の製造方法 Pending JP2013162565A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012020519A JP2013162565A (ja) 2012-02-02 2012-02-02 回転電機固定子及び回転電機固定子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012020519A JP2013162565A (ja) 2012-02-02 2012-02-02 回転電機固定子及び回転電機固定子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013162565A true JP2013162565A (ja) 2013-08-19

Family

ID=49174419

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012020519A Pending JP2013162565A (ja) 2012-02-02 2012-02-02 回転電機固定子及び回転電機固定子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013162565A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015133810A (ja) * 2014-01-10 2015-07-23 三菱電機株式会社 回転電機の固定子
WO2015110892A1 (en) 2014-01-21 2015-07-30 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Rotating electric machine stator
US20180226867A1 (en) * 2014-08-21 2018-08-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Insulator of stator, stator for rotating electric machine using the same, and method for manufacturing stator for rotating electric machine

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015133810A (ja) * 2014-01-10 2015-07-23 三菱電機株式会社 回転電機の固定子
WO2015110892A1 (en) 2014-01-21 2015-07-30 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Rotating electric machine stator
JP2015139243A (ja) * 2014-01-21 2015-07-30 トヨタ自動車株式会社 回転電機ステータ
US10348150B2 (en) 2014-01-21 2019-07-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Rotating electric machine stator
US20180226867A1 (en) * 2014-08-21 2018-08-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Insulator of stator, stator for rotating electric machine using the same, and method for manufacturing stator for rotating electric machine
US10581305B2 (en) * 2014-08-21 2020-03-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Insulator of stator, stator for rotating electric machine using the same, and method for manufacturing stator for rotating electric machine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107959363B (zh) 旋转电机的定子以及旋转电机的定子的制造方法
JP7218320B2 (ja) 絶縁部材、回転電機のステータおよび回転電機
RU2638165C1 (ru) Статор вращающейся электрической машины
EP2182614B1 (en) Wiring component for motor coil
EP2182615B1 (en) Wiring component for motor coil
JP6307876B2 (ja) ステータ、及び、ステータの製造方法
JP6350107B2 (ja) ステータのインシュレータ及びこれを用いた回転電機用ステータ、並びに、回転電機用ステータの製造方法
JP2011120441A (ja) ハイブリッド車両用駆動モータの集中巻コイルの結合構造物
CN113258704A (zh) 线圈骨架、定子铁芯及分布绕组径向间隙型旋转电机
JP4973420B2 (ja) ステータの製造方法
JP5232547B2 (ja) 回転電機
JP6459083B2 (ja) 絶縁部材、回転電機のステータ、回転電機、および回転電機のステータの製造方法
JP2010051087A (ja) 固定子構造
JP2005218255A (ja) 相間絶縁紙およびそれを備えた電動機
JP2008289284A (ja) ステータコアとコイルとを絶縁する絶縁紙
JP2013162565A (ja) 回転電機固定子及び回転電機固定子の製造方法
JP6680199B2 (ja) 回転電機のステータの製造方法
JP2006333685A (ja) モータの集中配電部材
JP7025224B2 (ja) 回転電機のステータ
US10720799B2 (en) Stator of rotary electric machine
JP5901432B2 (ja) 電機子と電機子の製造方法
WO2020067352A1 (ja) ステータの製造方法
JP5991011B2 (ja) モータの固定子構造及びその製作方法
CN112106277A (zh) 旋转电机以及旋转电机的制造方法
JP2015186395A (ja) ステータ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20131108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20131108