JP2010051087A - 固定子構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コイル13が挿入されるティース部16a毎に分割された分割固定子ユニット15から構成される固定子構造において、放熱シートを用いたシート状インシュレータ18が、ティース部16aのコイル13との接触面となる側面のうち隣接するティース間に位置する2面となるティース側面16cにそれぞれ配置され、シート状インシュレータ18がティース側面16cに位置決めされた状態で、巻回されたコイル13が装着され、ティース部16aに固定される固定爪20bを有する留め具20が、ティース部16aの頂部側からシート状インシュレータ18が配置されていないティース部16aの側面であるコイルエンド面16dとコイル13の間に挿入されることで、ティース部16aの頂部側から留め具20がコイル13を押さえて固定する。
【選択図】図3
Description
固定子の占積率を向上させるためには、丸線を巻回するよりも平角導体を巻回して形成したコイルを用いた方が有利となる。しかし、平角導体を用いる場合には放熱性の確保が難しくなるという問題が発生する。
コイルに用いるインシュレータは、占積率や熱伝導性を考慮すれば薄いほど良い。しかし、絶縁性や剛性を考えると一定の厚みを確保する必要がある。
従来はこのような平角導体を用いた高出力のモータが少なかったために、インシュレータの放熱性や剛性などについて、あまり検討がなされてこなかった。モータの熱対策や剛性に関しては例えば特許文献1や特許文献2のようなモータに関する技術が挙げられる。
スロットを有さない回転電機の円筒状の固定子鉄心と巻線との間に放熱シートを挿入する技術である。放熱シートとしてガラスクロスあるいはポリエステルメッシュクロス等に補強されたゴム部材を用いており、可撓性を有した上で熱伝導性を有しているシートを、円筒状の鉄心に巻き付けて用いる。そして、その上面にコイルを巻き付けることで、コイルの発熱を放熱シートによって緩和し、固定子の放熱性を大幅に向上させている。
モータ鉄心に設けられたティース部にコイルを巻回した後、溶融樹脂からなる封止剤を用いて固着される。このように、コイルを樹脂製の封止剤でモールドすることでモータ鉄心の剛性を上げることができ、絶縁性も確保することができる。
特許文献1の方法を、スロットを有する固定子に用いることは、組み付け性の観点から考えれば難しい。特許文献1のように円筒状の鉄心に放熱シートをインシュレータとして貼り付けるのであれば、施工は比較的容易である。しかし、スロットを有する固定子構造である場合には、スロット内の壁面に放熱シートを貼り付ける必要がある。自動化を前提に考えれば、このようなスロットを有する構造の固定子のスロット内壁面に放熱シートを貼り付けることは困難である。
さらに、インシュレータには前述した通り、固定子コアにコイルを保持するための剛性あるいは保持機能が求められる。したがって、放熱シートだけではインシュレータとしての用をなさないという問題もある。
したがって、特許文献2の方法では放熱性の確保が難しいという問題がある。
(1)コイルが挿入されるティース毎に分割された固定子コアから構成される固定子構造において、
放熱シートを用いたシート状インシュレータが、前記ティースの前記コイルとの接触面となる側面のうち隣接する前記ティース間に位置する2面にそれぞれ配置され、前記シート状インシュレータが前記ティースに位置決めされた状態で、巻回された前記コイルが装着され、前記ティースに固定される脚部を有する留め具が、前記ティースの頂部側から前記シート状インシュレータが配置されていない前記ティースの側面と前記コイルの間に挿入されることで、前記ティースの頂部側から前記留め具により前記コイルを押さえられ固定されることを特徴とする。
前記シート状インシュレータに可撓性に優れる素材を用いたことを特徴とする。
前記シート状インシュレータのうち片側に隣り合う前記コイルを隔てる相間紙が備えられ、前記コイルが前記ティースに挿入された後に、前記コイルの側面側に前記相間紙を折り返して、固定子ユニットとし、前記固定子ユニットを並べて形成されることを特徴とする。
前記シート状インシュレータは、前記ティース間に位置する2面の長手方向の幅よりも長く形成され、沿面距離が確保されることを特徴とする。
まず、(1)に記載される発明は、コイルが挿入されるティース毎に分割された固定子コアから構成される固定子構造において、放熱シートを用いたシート状インシュレータが、ティースのコイルとの接触面となる側面のうち隣接するティース間に位置する2面にそれぞれ配置され、シート状インシュレータがティースに位置決めされた状態で、巻回されたコイルが装着され、ティースに固定される脚部を有する留め具が、ティースの頂部側からシート状インシュレータが配置されていないティースの側面とコイルの間に挿入されることで、ティースの頂部側から留め具によりコイルを押さえられ固定されるものである。
本発明では、このインシュレータに求められる伝熱性をシート状インシュレータに、剛性を留め具にそれぞれ分離した。このことによりそれぞれの性能を高めることが可能となる。
インシュレータの伝熱性はシート状インシュレータに放熱特性の高いシートを用いることで高めることができる。シート状インシュレータは剛性を必要としないため、製造方法や材質の選択の幅が広がる。また、留め具に関しては絶縁性が確保できれば伝熱性を気にする必要は殆どなく、形状の制約が少なくなるために剛性を向上させることが可能となる。
このように、インシュレータの機能を分離することで、よりインシュレータの性能を高めることが可能で、必要な伝熱性を確保可能な固定子構造を提供することができる。
インシュレータとして用いるシート状インシュレータに可撓性を持たせることで、薄いシート状インシュレータを用いてもコイル組み付け時に破損するようなことを防ぐことができる。シート状インシュレータの伝熱性を確保するためには、シート状インシュレータを薄くすることが有効である。しかし薄いシート状インシュレータに剛性がある場合、薄くすることで破損し易くなるため、可撓性を持たせることで組み付け時の破損を低減させることが可能になる。また、可撓性を持たせることでコイルと固定子コアとの密着性を高めることも可能となる。
相間紙を片側に設けて折り返すことで、隣り合うコイルとの間の絶縁を確保することが容易となる。従来は相間紙を差し込むような手法を用いるケースもあったが、インシュレータに相間紙を備えることで、相間紙を差し込む手間を省くことができる。また、相間紙を折り返すように備えることで、コイルと分割コアとの沿面距離を稼ぐことができる。
シート状インシュレータを分割コアが有するティースの長手方向の幅より長くすることで、コイルと分割コアとの沿面距離を稼ぐことが可能となる。これによって、絶縁性を高くすることができる。
(第1実施形態)
図1に、第1実施形態のコイルエンドをモールドしていない状態の固定子10の斜視図を示す。図2に、コイルエンドをモールドした状態の固定子10の斜視図を示す。
固定子10は、18個の分割固定子ユニット15を組み合わせ、その外周にアウターリング12を嵌め込んで形成されている。
固定子10のコイルエンドには図2に示されるように樹脂モールド部11が形成されている。樹脂モールド部11は固定子10の2面に形成され、その片側に端子部14が形成される。
分割固定子ユニット15は、コイル13を固定子コア16が備えるティース部16aに挿入することで形成される。
固定子コア16には固定子10の内周側に台形状態のティース部16aが突出するように形成されている。そして、固定子10のコイルエンド側に位置するコイルエンド面16dと、ティース部16aのティース側面16cを有する。ティース側面16cは分割固定子ユニット15が固定子10として配置された場合に、ティース部16aの間に位置する。
固定子コア16は電磁鋼板をプレス等で積層して形成されており、一部がカシメ加工されることで、一つの塊となっている。
シート状インシュレータ18には相間紙19が接続される。相間紙19には絶縁性の高いフィルムを用い、固定子10の動作時に発生する熱に耐えうるだけの耐熱性も備えている。シート状インシュレータ18に相間紙19を接着テープ等で貼り付けられている。この場合は、絶縁性のある接着テープを用いることが望ましい。なお、シート状インシュレータ18と相間紙19は一体に形成されても良い。
コイル13は平角導体25がエッジワイズ曲げ加工されて巻回形成されたものであり、平角導体25は銅製の平角材の外周に絶縁皮膜が設けられたものである。絶縁皮膜はエナメルやアミドイミド等が考えられる。
留め具20の材質については、絶縁性がありコイル13を押さえつけるだけの剛性と、固定子10の動作時に発生する熱に耐えうるだけの耐熱性を有するものであればよい。
まず、図3に示されるように固定子コア16に備えられるティース部16aのティース側面16cに接着剤17を、シリンジなどを用いて塗布する。接着剤17はシート状インシュレータ18を保持するだけでなく、熱伝導性も確保する必要があるため、ティース側面16cとシート状インシュレータ18の間に均一に広がり密着性を確保できることが望ましい。したがって、ティース側面16cに塗布する際に均一に塗り広げるか、シート状インシュレータ18を貼り付けた後にシート状インシュレータ18全面を押圧するなどすると良い。
なお、この際にシート状インシュレータ18には相間紙19が備え付けられているものとする。相間紙19はシート状インシュレータ18の端部を支点にして回動可能である。
この際に、シート状インシュレータ18には可撓性があるため、コイル13との干渉によっても破損しにくい。また、シート状インシュレータ18とコイル13の密着性を高めることにも貢献することができる。
その後、固定子コア16の内周側から留め具20を、コイル13と固定子コア16の隙間に留め具20に備える固定爪20bが挿入されるように組み付ける。
また、図9に、図8のEE断面を示している。
前述のような手順で分割固定子ユニット15は組み付けられ、図4乃至図8に示されるような形状となる。
留め具20に備えられる固定爪20bは、図7に示されるように固定子コア16のコイルエンド面16dに嵌め込まれることで、留め具20のコイル上面押圧枠20aはコイル13を固定子コア16に対して固定することができる。
また、図8及び図9に示すようにシート状インシュレータ18はティース部16aに比べて長く設定され、ティース部16aの両コイルエンド側にシート状インシュレータ18がそれぞれ所定の長さだけ飛び出すように配置されている。
これは、コイル13から固定子コア16に対しての沿面距離を稼ぐためであり、必要な沿面距離が得られるだけ長くなるようにシート状インシュレータ18の長さは設定されている。
18個の分割固定子ユニット15の外側にアウターリング12が嵌め込まれることで固定される。
その後、図1に示すようにコイル13から突出する第1コイル端部13a及び第2コイル端部13bをU相、V相、W相毎に渡り線を接合し、端子部14を接合した上で樹脂モールド部11を形成する。こうして固定子10が形成される。
まず、第1の効果としてインシュレータの放熱性の改善される点が挙げられる。
第1実施形態の固定子構造は、コイル13が挿入されるティース部16a毎に分割された分割固定子ユニット15から構成される固定子構造において、放熱シートを用いたシート状インシュレータ18が、ティース部16aのコイル13との接触面となる側面のうち隣接するティース間に位置する2面となるティース側面16cにそれぞれ配置され、シート状インシュレータ18がティース側面16cに位置決めされた状態で、巻回されたコイル13が装着され、ティース部16aに固定される固定爪20bを有する留め具20が、ティース部16aの頂部側からシート状インシュレータ18が配置されていないティース部16aの側面であるコイルエンド面16dとコイル13の間に挿入されることで、ティース部16aの頂部側から留め具20がコイル13を押さえて固定するものである。
これまでの固定子10には樹脂成形したインシュレータを用いていた。しかし、一体成形型のインシュレータには、電気的絶縁性、耐熱性、剛性及び熱伝導性を要求される。このため樹脂の中にアルミナ等の無機物フィラーを混入するケースが多い。しかし、樹脂成形するためには無機物フィラーを混入しすぎることは好ましくない。無機物フィラーを混入することで樹脂の流動性が悪化するほか、インシュレータの剛性が低下することになるためである。また、樹脂成形したインシュレータに可撓性を求めることは困難であるため、熱伝導性をあげるためにインシュレータの厚みを薄くすると、破損しやすくなると言う問題もあった。
樹脂成形で形成されたインシュレータの場合、成形性や強度を確保するために放熱性は犠牲になってしまう。現状の樹脂射出成形品の実力値から決まる放熱性は、シート状インシュレータ18にアクリル系熱伝導シートを用いた場合の半分以下となる。シート状インシュレータ18に無機伝熱性フィラーとシリコーン又は非シリコーン材料を素材にした放熱シートを用いる場合には、放熱性に数十倍の差が出る。
また、シート状インシュレータ18は樹脂成形で作る必要がないことも、材料の選択肢を広げることに貢献している。
また、留め具20についても、熱伝導性が求められないために、素材の強度を高くすることができ、かつ薄く作る必要がないため、樹脂成形時の湯流れを気にしなくても良くなるので歩留まりが向上する。さらに無機物フィラーを多量に混入する必要がないためコストダウンを図ることも可能である。
第1実施形態の固定子構造は、シート状インシュレータ18に可撓性に優れる素材を用いている。
シート状インシュレータ18に可撓性に優れ、押圧に対する柔軟性を有することで、固定子コア16のティース部16aにインシュレータであるシート状インシュレータ18を組み付けたり、コイル13を組み付けたりする際に破損しにくく、コイル13を組み付けた後にコイル13の側面に沿って変形しやすいので、放熱性の向上が見込める。
放熱性を阻害する要因はエアギャップであり、コイル13とシート状インシュレータ18の間、シート状インシュレータ18とティース側面16cの間にエアギャップがあることは好ましくない。エアギャップが断熱材の役目を果たして放熱性を阻害するからである。
樹脂で形成されるインシュレータの場合は、コイル13との間にどうしても隙間が生じてしまっていたので、その点が改善されるだけでも放熱性の改善が見込めると言うわけである。
(第2実施形態)
第2実施形態は第1実施形態の構成とほぼ同じであるが、留め具20の形状が異なる。以下に異なる部分についての説明を行う。
図10に、第2実施形態の留め具20Aの形状を斜視図に示す。また、図11に留め具20Aの変形例である留め具20Bについての斜視図を示す。
留め具20Aは第1実施形態の留め具20とコイル上面押圧枠20aの形状が異なる。第1実施形態ではコイル13の上面、すなわち固定子10に組み付ける際に内周側に向く面と同じ形状をしていた。しかし、留め具20Aはその両端部分のみの形状となっている。その変形例である留め具20Bについても同様である。
ただし、コイル13のアスペクト比が高くなると、コイル13の端部を押さえるだけではコイル13の中央部分、すなわち固定子10に組み付けられた状態で固定子10のコイルエンドから遠い部分となる辺りが、浮きやすくなると言う問題はある。
したがって、コイル13の形状によって、留め具20、留め具20A、留め具20Bを適宜選択することが望ましい。
また、留め具20A及び留め具20Bはそれぞれ2つずつ用いる必要があるが同じ形状で良いので部品の管理もし易いというメリットがある。
(第3実施形態)
第3実施形態は第1実施形態とシート状インシュレータ18の形状が若干異なる。以下異なる点について説明する。
図12に、第3実施形態の分割固定子ユニット15の斜視図を示す。ただし、コイル13及び留め具20は説明の都合上描かれていない。
固定子コア16のティース側面16cに貼り付けるシート状インシュレータ18は、片側は第1実施形態のシート状インシュレータ18と同じ形状であり、端部に相間紙19が接続されている。
しかし、他方のシート状インシュレータ18Aには折り返し部18aが設けられており、相間紙19は用意されない。
分割固定子ユニット15を組み付ける際には、分割固定子ユニット15の相間紙19はコイル13の側面側に折り曲げられて、隣に分割固定子ユニット15が配置される。したがって、シート状インシュレータ18とシート状インシュレータ18Aが隣り合うように配置されることになる。
なお、シート状インシュレータ18Aに設けられた折り返し部18aは、図示しない組み付けられるコイル13と固定子コア16との沿面距離を稼ぐために設けられている。
分割固定子ユニット15の相間紙19がコイル13の側面に沿うように折り返された後、その隣に分割固定子ユニット15を配置する。
このようにして、分割固定子ユニット15を18個並べた上で、アウターリング12を嵌め、第1コイル端部13a及び第2コイル端部13bに図示しない渡り線を接合し、端子部14を形成して、樹脂モールド部11を形成する。
まず、第1の効果として、相間紙19を削減できる点が挙げられる。
第3実施形態の固定子構造は、シート状インシュレータ18のうち片側に隣り合うコイル13を隔てる相間紙19が備えられ、コイル13がティース部16aに挿入された後に、コイル13の側面側に相間紙19を折り返して、分割固定子ユニット15とし、分割固定子ユニット15を並べて形成されるものである。
相間紙19が分割固定子ユニット15の間に1枚あれば、コイル13の間の絶縁は確保できる。また、シート状インシュレータ18Aに折り返し部18aを備えることで、シート状インシュレータ18Aに相間紙19を備えなくてもコイル13と固定子コア16との沿面距離を稼ぐことが可能となる。
相間紙19を半減できることで、コストメリットがあるほか、組み付け工程を簡略化できるメリットがある。
(第4実施形態)
第4実施形態は第1実施形態とほぼ同じ構成であるが、留め具20の形状及び固定子コア16の形状が異なり、組み付け時の手順も若干異なる。
図14に、第4実施形態の分割固定子ユニット15の組立斜視図を示す。また、図15に、固定子コア16に留め具20を熱カシメしている状況を表した断面図を示す。
第1実施形態の固定子コア16は、矩形の留め穴16bを備えていたが、図14に示すように第4実施形態の固定子コア16は円形の留め穴16bを備えている。また、留め具20の備える固定爪20bの先端にも円形の窪みが設けられている。この窪みは、図15に示すように熱カシメをする際のカシメ治具34が挿入される部分である。
留め具20に備えられる固定爪20bの先端は、第1実施形態の固定爪20bのように切り込みが設けられている必要はないが、挿入しやすいように固定爪20bの先端の外側はテーパが設けられている。これによってコイル13の位置決めに寄与する。
まず、分割固定子ユニット15は第1実施形態で示したような手順で組み付けられた後、固定爪20bと留め穴16bの熱カシメが行われる。
次に、分割固定子ユニット15の固定子コア16下面、すなわち分割固定子ユニット15の外周側が保持治具32によって支えられ、固定子コア16の上面、すなわち分割固定子ユニット15の内周側から留め具20のコイル上面押圧枠20a上面が加圧治具31によって押圧される。
そして、加圧治具31によって加圧されている状態で、遮熱板33をコイル13の下面に挿入し、カシメ治具34を固定爪20bに押し当てて加熱することで、固定爪20bの一部を留め穴16bの内部に突出させて熱カシメを完了する。
固定爪20bの外側に設けられている窪みはカシメ治具34の先端の位置決めを行うためのもので、その窪みと留め穴16bの位置が一致するように位置決めされる必要がある。位置決めに関しては加圧治具31の加圧力で決定する方法で良いと思われるが、必要であればカシメ治具34の先端を留め穴16bよりも小径のものにするなり、固定爪20bに設けられた窪みの位置を検出するセンサーを設けて加圧治具31にフィードバックすることで制御しても良い。
留め具20を固定子コア16に対して熱カシメするため、位置決め性が高まるというメリットがある。
分割固定子ユニット15はコイル13のむき出し部分を最終的に樹脂モールドして固定子10として組み付けるか、固定子10として組み付けた後に樹脂モールド部11を形成することで、結果的には固定される。
しかし、組み付けの際の位置決め性を高めることでコイル13の位置精度を高めることができる。コイル13には第1コイル端部13a及び第2コイル端部13bが備えられており、端部と渡り線等とを接合する必要がある。
また、樹脂モールド部11を形成する際に用いる樹脂は、絶縁性を求められるためにフィラー等を混入するケースが多い。すなわち樹脂自体の流動性が悪いことが考えられるため、コイル13と固定子コア16との間に形成されるような隙間は極力少ないことが望ましい。エアギャップが形成されてしまうと、その部分での熱伝導率が悪化するためである。
したがって、固定子コア16と留め具20を熱カシメすることでコイル13の位置精度を高めることは有益であるといえる。
例えば、第1実施形態乃至第4実施形態で説明する部材のうち材質を示したものがあるが、適宜別の材質に置き換えることを妨げない。例えばコイル13の平角導体25は銅製としているが、熱伝導率の高い他の素材、アルミニウム等に置き換えることを妨げない。また、シート状インシュレータ18の材質や、相間紙19の材質についても変更が可能である。更に、シート状インシュレータ18の形状や留め具20の形状についても、例示しない他の形状とすることを妨げるものではない。
11 樹脂モールド部
12 アウターリング
13 コイル
13a 第1コイル端部
13b 第2コイル端部
14 端子部
15 分割固定子ユニット
16 固定子コア
16a ティース部
16b 留め穴
16c ティース側面
16d コイルエンド面
17 接着剤
18 シート状インシュレータ
18A シート状インシュレータ
18a 折り返し部
19 相間紙
20 留め具
20A 留め具
20B 留め具
20a コイル上面押圧枠
20b 固定爪
25 平角導体
Claims (4)
- コイルが挿入されるティース毎に分割された固定子コアから構成される固定子構造において、
放熱シートを用いたシート状インシュレータが、前記ティースの前記コイルとの接触面となる側面のうち隣接する前記ティース間に位置する2面にそれぞれ配置され、
前記シート状インシュレータが前記ティースに位置決めされた状態で、巻回された前記コイルが装着され、
前記ティースに固定される脚部を有する留め具が、前記ティースの頂部側から前記シート状インシュレータが配置されていない前記ティースの側面と前記コイルの間に挿入されることで、
前記ティースの頂部側から前記留め具により前記コイルを押さえられ固定されることを特徴とする固定子構造。 - 請求項1に記載の固定子構造において、
前記シート状インシュレータに可撓性に優れる素材を用いたことを特徴とする固定子構造。 - 請求項1又は請求項2に記載の固定子構造において、
前記シート状インシュレータのうち片側に隣り合う前記コイルを隔てる相間紙が備えられ、
前記コイルが前記ティースに挿入された後に、前記コイルの側面側に前記相間紙を折り返して、固定子ユニットとし、
前記固定子ユニットを並べて形成されることを特徴とする固定子構造。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の固定子構造において、
前記シート状インシュレータは、前記ティース間に位置する2面の長手方向の幅よりも長く形成され、沿面距離が確保されることを特徴とする固定子構造。
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