JP2006325309A - コイルおよびその成形方法とモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 コイルの形成の際にコイルを損傷させることがなく、コイルの形成に要する時間を短縮できるコイルとその成形方法、および該コイルをステータに装着してなるモータを提供する。
【解決手段】 複数の導線21,21,…が樹脂にて一体化されるとともにスロット12,12,…内に挿入される第一の樹脂モールド体2,2,…と、集中巻きまたは分布巻きに応じて第一の樹脂モールド体2,2,…の各導線21,21,…の端部と接続してコイルエンドを構成する複数の導線3b、3b、…を樹脂にて一体化させ、平面視リング状に成形された第二の樹脂モールド体3,3とからなり、各スロット12,12,…内に挿入された第一の樹脂モールド体2,2,…を構成する複数の導線21,21,…の端部と、ステータ1の両端面に配設される2つの第二の樹脂モールド体3,3を構成する複数の導線の端部3b、3b、…とをそれぞれ繋ぐことによってコイルが形成される。
【選択図】 図4
【解決手段】 複数の導線21,21,…が樹脂にて一体化されるとともにスロット12,12,…内に挿入される第一の樹脂モールド体2,2,…と、集中巻きまたは分布巻きに応じて第一の樹脂モールド体2,2,…の各導線21,21,…の端部と接続してコイルエンドを構成する複数の導線3b、3b、…を樹脂にて一体化させ、平面視リング状に成形された第二の樹脂モールド体3,3とからなり、各スロット12,12,…内に挿入された第一の樹脂モールド体2,2,…を構成する複数の導線21,21,…の端部と、ステータ1の両端面に配設される2つの第二の樹脂モールド体3,3を構成する複数の導線の端部3b、3b、…とをそれぞれ繋ぐことによってコイルが形成される。
【選択図】 図4
Description
本発明は、モータを構成する平面視リング状のステータのティースのまわりに形成されるコイルとその成形方法と該コイルをステータに装着してなるモータに係り、特にコイルの形成の際にコイルを損傷させることがなく、コイルの形成に要する時間を短縮できるコイルとその成形方法、および該コイルをステータに装着してなるモータに関するものである。
従来、モータを構成するティースのまわりに形成されるコイルは、分布巻き方式と集中巻き方式のいずれかによって形成されていた。分布巻き方式とは、複数のティースを跨いだ状態でコイルを形成する方法であり、予め所望の形状に巻き回されたコイルをインサータ等の専用押し込み機を使用して、複数のティースのまわりにコイルを押し込みながら設置するものである。ティースのまわりにコイルが設置された後、コイルエンドがモータ内に収容されるように上下からコイルエンドを押し潰し、レーシング後にワニスを含浸させることでコイルが成形される。一方、集中巻き方式とは、ティースごとに該ティースのまわりにコイルを形成する方法であり、予め分割されたティースまわりにコイルを形成した後に分割ティースを接合することでステータコアが構成される方法である。
上記する分布巻き方式では、コイルを押し込む専用のインサータを用意する必要があり、スロット間の形状や寸法が変更になるたびにコイルの押し込み時に使用される治具を変更する必要があり、コイル成形時に要するコストの問題や製作手間の問題が指摘されていた。
一方、集中巻き方式では、分布巻き方式に比べてコイルエンドが短くなり、モータの小型化に寄与できるものの、分割された各ティースを接合することから工程数が増加し、したがって製造コストが高くなるといった問題があった。また、分割ティースを最終的には接合するといっても分布巻き方式のような一体成形されたステータコアに比べて品質が低下し、モータ性能の低下に繋がっていた。さらには、コイルの占積率を高める目的で比較的高い緊張力をかけて巻き回すため、エナメル等のコイルの絶縁被膜を傷めてしまうといった問題があった。近時、さらなる高性能化や小型化が追求されている車載用モータにおいては、かかる目的を満足するためにコイル、とくにコイルエンドに高圧力のプレス成形がおこなわれるようになっており、かかるコイル成形時におけるコイルの損傷防止が急務の課題となっている。
例えば、特許文献1においては、導線を複数回巻いてモータ用コイルを製造する方法に関する発明が開示されている。これは、導線にフィラーを含有した樹脂からなる充填剤を付着させ、充填剤が付着した導線を巻きコイル状に形成し、充填剤が硬化することによりモータ用コイルが製造される方法である。かかる方法によれば、粘性の高い樹脂がコイルを構成する導線間に十分に浸透することができ、導線間のボイドの発生を抑制して放熱性の高いコイルを製造することができる。また、他の特許文献2においても、樹脂モールドモータの製造方法に関する発明が開示されている。これは、ステータ鉄心にエナメル銅線からなる乱巻コイルを巻装した状態でコイルエンドに不飽和ポリエステル系紫外線硬化ワニスを含浸させ、高圧水銀灯下で紫外線照射処理をおこない、硬化した光硬化接着層によりエナメル線を相互に固着させて剛性の高いコイルエンドを備えたステータを製造するものである。
特許文献1のモータ用コイルの製造する方法によれば、放熱性の高いコイルを製造することができ、特許文献2の樹脂モールドモータの製造方法によれば、強固で耐環境性に優れた樹脂モールドコイルを備えたモータを製造することができる。しかし、双方の製造方法ともに、既述するような従来のコイルの製造方法の域を越えるものではなく、したがって、コイル成形に要する手間からくる製造コストの問題やコイル成形時にコイルを損傷させ得るといった問題の解消には至らない。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、コイルの形成の際にコイルを損傷させることがなく、高い絶縁性を確保することができ、さらには、コイルの形成に要する時間を短縮することによってその製造コストを低減することのできるコイルとその成形方法を提供することを目的とする。また、かかる高品質のコイルを装着することにより、高寿命で信頼性の高いモータを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるコイルは、モータを構成する平面視リング状のステータのティースのまわりに形成されるコイルであって、前記コイルは、複数の導線が樹脂にて一体化されるとともに前記スロット内に挿入される第一の樹脂モールド体と、集中巻きまたは分布巻きに応じて該第一の樹脂モールド体の各導線の端部と接続してコイルエンドを構成する複数の導線を樹脂にて一体化させ、平面視リング状に成形された第二の樹脂モールド体と、からなり、各スロット内に挿入された第一の樹脂モールド体を構成する複数の導線の端部と、ステータの両端面に配設される2つの第二の樹脂モールド体を構成する複数の導線の端部とをそれぞれ繋ぐことによって、適宜の集中巻きまたは分布巻きのコイルが形成されることを特徴とする。
本発明のコイルは、例えば、銅線がエナメル被膜にて覆われて構成された導線を巻き回すことによって形成されるコイルを、ティース間のスロット部に挿入される部分とコイルエンド部分とに分割し、ティースを囲むように双方を配設し、双方の導線の端部同士を繋ぐことによってコイルを形成するものである。ここで、スロット部に挿入される適宜の数量の導線は、絶縁性能を有する適宜の樹脂にて一体化される。ここで、樹脂にて一体化された各導線間には可及的に狭い離隔が確保されており、かかる構成によって、導線間の絶縁性能の確保と高占積率の双方が満足されるようになっている。また、硬化した樹脂モールド体の形状はスロットの内空に応じた形状に成形され、容易にスロット内に挿入できるようになっている。なお、使用される樹脂の材質は特に限定するものではないが、例えば、不飽和ポリエステルや変性ポリエステルなどを使用することができる。
一方、コイルエンドを構成する複数の導線も適宜の樹脂にて一体化される。この樹脂モールド体の形状は、例えば、ステータの平面視形状(リング状)と同一または略同一の平面視形状であって、少なくともコイルエンドを形成する導線を完全に収容できる厚みを備えた形状に成形される。形成しようとするコイルが集中巻きの場合には、分布巻きの場合に比して第二の樹脂モールド体の厚みを薄く成形することが可能となる。
集中巻き方式または分布巻き方式に応じて、第一の樹脂モールド体を構成するそれぞれの導線の端部と、第二の樹脂モールド体を構成するそれぞれの導線の端部同士が接続されるように各導線は樹脂モールド体内に配設されており、適宜のコイルを形成できるようになっている。例えば、U相、V相、W相からなる3相交流モータにおいては、各相のコイルを構成するように複数の導線が第二の樹脂モールド体内に配設されている。
各スロット内に第一の樹脂モールド体を挿入し、ステータの両端面に第二の樹脂モールド体を配設し(コイルが形成されるように第二の樹脂モールド体を配設)、この段階でそれぞれの導線の端部同士がコイルを形成するように当接した状態となっている。この導線の端部同士の接続方法は特に限定するものではないが、例えば、高周波加熱処理などの加熱処理によって端部を溶融させて接続することができる。
本発明のコイルによれば、スロット内部とコイルエンド部で分割されたコイルがそれぞれ絶縁性能を有する樹脂にてモールドされた姿勢でティースを囲むように接続されるため、コイルエンドのレーシング工程やプレス成形工程、ワニス含浸工程などを省略することができるとともに、コイル成形時にコイルに損傷を与える問題を解消することができ、したがってコイル形成時間の短縮と高い絶縁性および放熱性を備えたコイルを形成することができる。
また、本発明によるコイルの他の実施形態において、前記第一の樹脂モールド体は、その端部から各導線が突出するように成形されており、前記第二の樹脂モールド体は、その端部から各導線の端部が内部に落ち込んでできる凹部を備えて成形されており、第一の樹脂モールド体のそれぞれの導線を第二の樹脂モールド体の適宜の凹部に差し込んで双方の導線の端部同士を繋ぐことにより形成されることを特徴とする。
第二の樹脂モールド体の端部に設けられたそれぞれの凹部に第一の樹脂モールド体の端部から突出した導線を差し込み、双方の導線の端部同士を当接させた姿勢で、既述する加熱処理等によって導線を接続させることにより、導線の接続箇所と双方の樹脂モールドの当接箇所とを異ならせることができるため、導線の接続箇所を樹脂モールド内で保護することができる。
また、本発明によるコイルの他の実施形態は、前記凹部に適宜のコネクタが埋め込まれており、第一の樹脂モールド体の導線の端部が該凹部に差し込まれ、さらに該コネクタと接続されることにより形成されることを特徴とする。
本発明は、第一の樹脂モールド体の導線端部と第二の樹脂モールド体の導線端部との接続をコネクタを介しておこなう実施形態であり、加熱処理等によって導線端部を溶融接合する場合に比して接続精度を高めることができる。
また、本発明によるモータは、前記コイルをティースのまわりに装着してなることを特徴とする。
本発明のモータは、DCモータ(ブラシレスモータを含む)やステッピングモータ、同期モータ、インダクションモータなど、適宜のモータを対象としている。
また、本発明によるコイルの形成方法は、複数の導線を樹脂にて一体成形するとともに、ステータを構成するティースとティースの間のスロット内に挿入可能な形状とした第一の樹脂モールド体を製造する工程と、集中巻きまたは分布巻きに応じて該第一の樹脂モールド体の各導線の端部と接続してコイルエンドを構成する複数の導線を樹脂にて一体化させ、平面視リング状に成形された第二の樹脂モールド体を製造する工程と、2つの第二の樹脂モールド体をステータの両端面に配設することによって、第一の樹脂モールド体の各導線の端部と第二の樹脂モールド体の各導線の端部とを繋ぐことにより、適宜の集中巻きコイルまたは分布巻きコイルを成形する工程と、からなることを特徴とする。
第一の樹脂モールド体の製造工程と第二の樹脂モールド体の製造工程は同時であっても一方が他方に前後するかたちであってもよい。
製造された第一の樹脂モールド体をステータのティース間に形成されたスロット内に一気に挿入し、該ステータの両端面からコイルが形成されるように第二の樹脂モールド体を配設する。既述するように、双方の樹脂モールド体内に埋め込まれた導線の端部をコネクタを介して、または加熱溶融によって接続し、適宜の集中巻きまたは分布巻きコイルを製造することができる。なお、発明者等の試算によれば、ステータにコイルを成形する際のサイクルタイムは、従来の方法(コイルの仮巻き、コイルのインサート、絶縁紙の挿入、コイルの固定、端子の取り付け、ワニスの含浸〜乾燥などからなる方法)に比して、本発明の方法を適用することで、そのサイクルタイムが2割程度にまで短縮できることが分かっている。また、かかるサイクルタイムの大幅な短縮に伴い、その製造コストもおよそ2割程度低減できるという試算結果も出されている。
以上の説明から理解できるように、本発明のコイルおよびその成形方法によれば、ティースまわりに形成されるコイルを構成する導線をスロット部とコイルエンド部で別体に製造するとともに双方を絶縁性能を有する樹脂にてモールド化し、これらをティースを囲むように配設することで導線の端部同士を接続してコイルが形成されるため、コイルの成形時間を格段に短縮することができ、さらにはコイル成形時にコイルに損傷を与えるといった問題を解消することができる。さらに、かかるコイルを備えてなるモータとすることで、コイルの絶縁性能と放熱性能を高めることで、長寿命で信頼性の高いモータを得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明のコイルの成形方法の一工程を示した模式図を、図2は、図1のII−II矢視図をそれぞれ示している。図3は、図1に示す工程によって第一の樹脂モールド体がスロット内に挿入された状況を示した模式図を、図4は、図1に続くコイルの成形方法の一工程を示した模式図を、図5は、図4におけるV−V矢視図をそれぞれ示している。図6は、第一の樹脂モールド体の導線と第二の樹脂モールド体の導線を繋ぐ他の実施形態を示した断面図である。図7は、従来のコイル成形方法と本発明のコイル成形方法に関してコイル成形時のサイクルタイムを比較したグラフを、図8は、従来のコイル成形方法によるコイルと本発明のコイル成形方法によるコイルの製造コストを比較したグラフをそれぞれ示している。なお、図示する実施形態におけるコイルは3相交流モータを対象としているが、それ以外の構成のモータに際しては、適宜のコイルが形成できるように第一の樹脂モールド体と第二の樹脂モールド体内の導線の配設がおこなわれる必要があることは勿論のことである。
図1は、電磁鋼板1a,1a,…を所望数積層させ、一体化させてなるステータコア1のティース11,11間に形成されるスロット12内に樹脂モールド体(第一の樹脂モールド体2)を挿入する状況を示した図である。第一の樹脂モールド体2は、所望数の導線21,21,…をそれぞれ間隔を置いた姿勢で硬化樹脂22にて一体化されたものであり、該第一の樹脂モールド体2の外郭形状は、スロット12の内壁形成に適合するように形成されている。なお、第一の樹脂モールド体2(以下の第二の樹脂モールド体も同様)は、不飽和ポリエステルや変性ポリエステルなど、絶縁性能を有する適宜の樹脂にて成形することができる。
図2は、第一の樹脂モールド体2の横断図であり、その外郭形状がスロット12の内壁形状に応じて成形されていることと、各導線21,21の間に、例えば幅tの間隔が設けられた状態でモールド体が形成されていることを示している。なお、この間隔tは可及的に狭い間隔であることが望ましく、より占積率を高めるために、導線の断面形状を図示する円形のみならず、ハニカム形状とするなどの適宜の形状が選定できる。
図3は、ステータコア1の各スロット12,12,…内に、それぞれ第一の樹脂モールド体2,2,…が挿入設置された状態を示している。第一の樹脂モールド体2をスロット12内に配設した状態では、第一の樹脂モールド体2の内部に埋め込まれた導線21,21,…がステータコア1の端面から突出した状態となっている。
次に、図4に示すように、ステータコア1の両端面側にそれぞれ第二の樹脂モールド体3,3を配設する。この第二の樹脂モールド体3は、その形状がステータコア1の平面視形状と同一または略同一のリング状に形成されている。このモールド体の内部には、3相交流コイルを形成するように、U相用導線3b1、V相用導線3b2、W相用導線3b3が適宜埋め込まれており、第二の樹脂モールド体3がステータコア1と当接する面からそれぞれの導線3b1,3b2,3b3が落ち込んだ状態で埋め込まれており、かかる構成によって凹部3a,3a,…が設けられている。図5は、導線3b(3b1,3b2,3b3)が落ち込んだ状態で埋め込まれるとともに、凹部3aが形成されていることを示した断面図である。第二の樹脂モールド体3,3をステータコア1の両端面に配設すると、第一の樹脂モールド体2の導線21,21,…の端部が適宜の凹部3a,3a,…に差し込まれ、第二の樹脂モールド体3の導線3b、3b、…の端部と当接できるように構成されている。なお、図4における上方の第二の樹脂モールド体3においても、図示を省略しているものの導線3b1,3b2,3b3が埋め込まれており、かつ凹部3a,3a,…が設けられていることは勿論のことである。
ステータコア1の両端面に第二の樹脂モールド体3,3を配設し、それぞれの導線の端部同士を3相交流コイルが形成できるように当接させた後は、該当接レベル付近にステータコア外部から高周波加熱などの加熱処理によって端部同士を溶融接続することにより、コイルが形成できる。なお、ステータコア1と第二の樹脂モールド体3を当接させる際には、双方または一方の当接面に予め接着剤を塗布しておくことが望ましい。
図6は、第一の樹脂モールド体2の導線端部と第二の樹脂モールド体3の導線端部の接続形態の他の実施例を示したものである。第一の樹脂モールド体2の導線21,21,…は雄コネクタ4aとして纏められており、第二の樹脂モールド体3には該雄コネクタ4aが挿入可能な雌コネクタ4bがその表面に埋め込まれている。雄コネクタ4aを雌コネクタ4bに差し込むことにより、それぞれの導線21,21,…の端部と導線3b、3b、…の端部同士が自動的に当接できる構成となっている。
図7,8は、発明者等による試算結果をグラフ化したものであり、図7は、コイル成形時のサイクルタイムに関する従来方法との比較を、図8は、かかるサイクルタイムの短縮によってもたらされるコイル製造コストの低減の程度をそれぞれ示したものである。
図7において、グラフXは従来のコイル成形方法を、グラフYは本発明のコイル成形方法を示している。グラフXにおいて、aは導線などをコイル成形ラインへ移動/運搬する工程を、bは導線の仮巻き工程を、cは仮巻きされたコイルのティースへのインサート工程を、dは絶縁紙挿入工程を、eはコイルを固定する工程を、fは各相の端子を取付ける工程を、gはワニスの含浸/乾燥工程をそれぞれ示しており、トータルのサイクルタイムとして3200秒程度を要する。
一方、グラフYにおいて、a工程とf工程は同様であり、その他の工程は全て省略することができ、別途、第二の樹脂モールド体をステータコアへ組付ける工程hが加わることにより、トータルのサイクルタイムは600〜700秒程度となり、従来の2割程度でコイルが形成できることとなる。なお、コイル成形に際して、別途の製造ラインにて、第一の樹脂モールド体と第二の樹脂モールド体を成形しておく必要があることは勿論のことである。
図7に示すように大幅なコイル成形時間の短縮を実現することにより、図8に示すように、コイルの製造に要するコストを18%程度低減できるという試算結果を得ている。
なお、図示を省略したが、既述する絶縁性能が高く、安価なコイルを備えたステータを有するモータとすることで、高寿命で信頼性が高く、さらには安価なモータを得ることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…ステータコア、1a…電磁鋼板、2…第一の樹脂モールド体、21…導線、22…樹脂モールド、3…第二の樹脂モールド体、3a…凹部、3b…導線、3b1…U相用導線、3b2…V相用導線、3b3…W相用導線、4a…雄コネクタ、4b…雌コネクタ
Claims (5)
- モータを構成する平面視リング状のステータのティースのまわりに形成されるコイルであって、
前記コイルは、複数の導線が樹脂にて一体化されるとともに前記スロット内に挿入される第一の樹脂モールド体と、集中巻きまたは分布巻きに応じて該第一の樹脂モールド体の各導線の端部と接続してコイルエンドを構成する複数の導線を樹脂にて一体化させ、平面視リング状に成形された第二の樹脂モールド体と、からなり、各スロット内に挿入された第一の樹脂モールド体を構成する複数の導線の端部と、ステータの両端面に配設される2つの第二の樹脂モールド体を構成する複数の導線の端部とをそれぞれ繋ぐことによって、適宜の集中巻きまたは分布巻きのコイルが形成されることを特徴とするコイル。 - 前記第一の樹脂モールド体は、その端部から各導線が突出するように成形されており、前記第二の樹脂モールド体は、その端部から各導線の端部が内部に落ち込んでできる凹部を備えて成形されており、第一の樹脂モールド体のそれぞれの導線を第二の樹脂モールド体の適宜の凹部に差し込んで双方の導線の端部同士を繋ぐことにより形成されることを特徴とする請求項1に記載のコイル。
- 前記凹部にはコネクタが埋め込まれており、第一の樹脂モールド体の導線の端部が該凹部に差し込まれ、さらに該コネクタと接続されることにより形成されることを特徴とする請求項2に記載のコイル。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のコイルをティースのまわりに装着してなることを特徴とするモータ。
- 複数の導線を樹脂にて一体成形するとともに、ステータを構成するティースとティースの間のスロット内に挿入可能な形状とした第一の樹脂モールド体を製造する工程と、集中巻きまたは分布巻きに応じて該第一の樹脂モールド体の各導線の端部と接続してコイルエンドを構成する複数の導線を樹脂にて一体成形するとともに、平面視リング状に成形された第二の樹脂モールド体を製造する工程と、2つの第二の樹脂モールド体をステータの両端面に配設することによって、第一の樹脂モールド体の各導線の端部と第二の樹脂モールド体の各導線の端部とを繋いで、適宜の集中巻きコイルまたは分布巻きコイルを成形する工程と、からなることを特徴とするコイルの成形方法。
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