JP2009089459A - ステータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁紙成形工程として、挿入部41を連結部42を介して複数連結してなる略矩形波状の絶縁紙4を成形する。次いで、絶縁紙配置工程として、ステータコア2に絶縁紙4を配置する。次いで、コイル配置工程として、スロット21内に配置した挿入部41内にコイル3のストレート部を配置する。次いで、絶縁紙切断工程として、絶縁紙4の連結部42を切断する。次いで、絶縁紙被覆工程として、スロット21毎に分離した絶縁紙4によって、スロット21内のコイル3のストレート部の内周側を覆う。その後、固着工程として、コイル3及び絶縁紙4をワニスによってステータコア2に固着する。
【選択図】図6
Description
また、スロットの内壁面に絶縁紙を配置する際には、スロットの数と同じ数の絶縁紙を準備し、この絶縁紙をスロット毎に挿入する。その後、絶縁紙内にコイルを配置し、コイルの内周側をウェッジによって覆っている。
また、スロット内に一つずつ絶縁紙を挿入する必要があり、作業性があまり優れなかった。
上記スロット内に挿入する挿入部を、連結部を介して複数連結してなる絶縁紙を成形する絶縁紙成形工程と、
上記スロット内に上記挿入部を挿入すると共に、上記スロット同士の間のティースに上記連結部を対向させて、上記ステータコアに上記絶縁紙を配置する絶縁紙配置工程と、
上記スロット内に挿入した上記挿入部内に上記コイルのストレート部を配置すると共に、該ストレート部同士を連結するコイルエンド部を上記ステータコアの軸方向端面から突出して配置するコイル配置工程と、
上記絶縁紙の上記連結部を切断する絶縁紙切断工程と、
上記絶縁紙又は他の絶縁部材によって、上記スロット内に配置した上記コイルのストレート部の内周側を覆う絶縁紙被覆工程と、
上記コイル及び上記絶縁紙をワニスによって上記ステータコアに固着する固着工程とを含むことを特徴とするステータの製造方法にある(請求項1)。
具体的には、本発明においては、まず、絶縁紙成形工程として、上記挿入部と上記連結部とを複数連ねた絶縁紙を成形する。この絶縁紙は、略矩形波状に形成することができ、その断面において、挿入部及び連結部の角部がある形状、いずれかに角部があって他方が円弧状に形成された形状、両方が円弧状に形成された形状等の種々の波形状とすることができる。
次いで、絶縁紙配置工程として、ステータコアに絶縁紙を配置する。このとき、絶縁紙の挿入部は、複数のスロット内にまとめて配置することができ、一つずつスロット内に配置する必要がない。そのため、絶縁紙を配置する作業性を向上させることができる。
なお、コイルのストレート部とは、スロット内に挿入配置されるコイルの部分のことをいい、ストレート部同士は、コイルの一部がステータコアの軸方向端面から突出するコイルエンド部によって繋がっている。
上記ステータコアに配置する絶縁紙は、1枚の平紙状素材を略矩形波状に成形したものとすることができる。また、上記ステータコアに配置する絶縁紙は、平紙状素材を略矩形波状に成形した複数の絶縁紙素材を合わせたものとすることもできる。
また、上記絶縁紙は、樹脂によるフィルム素材、紙素材等から構成することができる。また、絶縁紙は、樹脂素材の表面を紙素材によってコーティングしたものとすることができる。
また、上記ワニスは、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から構成することができる。
また、上記ステータは、電動機、発電機、モータジェネレータ等のステータ(固定子)として用いることができる。
この場合には、コイルの内周側を囲うためにウェッジ等の他の絶縁部材を用いる必要がなく、ステータを製造するための部品点数を減らして、容易にステータを製造することができる。
この場合には、各連結部を安定して切断することができ、この切断の作業性を向上させることができる。
なお、上記隙間内への上記切断用治具の配置は、ステータコアに絶縁紙を配置するとき、もしくは配置した後に行うことができ、あるいは、ステータコアに配置した絶縁紙の挿入部内にコイルを配置する前、もしくは配置した後のいずれのタイミングで行うこともできる。
この場合には、ステータコアの軸方向両端面に配置したカフス部によって、絶縁紙がステータコアの軸方向に位置ずれを行ってしまうことを防止することができる。
この場合には、コイルの内周側において、絶縁紙におけるカフス部が4重に重なってしまうことを回避し、折重部同士を安定して重ね合わせて接着することができる。
この場合には、ステータコアの内周側から、挿入部を複数連結してなる絶縁紙を配置することが容易であり、スロット内に配置した絶縁紙の挿入部内にコイルを配置することも容易である。
本例のステータ1の製造方法においては、以下の各工程を行って、図1に示すごとく、ステータコア2における複数のスロット21内に絶縁紙4を介してコイル3を配置し、ワニス含浸によってコイル3及び絶縁紙4の絶縁固着を行ってステータ1を製造する。
本例のステータ1は、ハイブリッドカー又は電気自動車等に使用する3相交流モータに用いるものであり、U相、V相、W相の3相のコイル3をステータコア2に配置してなる。
本例のステータコア2は、その軸方向Lに複数の電磁鋼板(軟磁性材料からなるコアシート)を積層してなる。図6に示すごとく、本例のステータコア2に形成した複数のスロット21は、ステータコア2の周方向Cに位置する互いに平行な一対の内壁面211を、ステータコア2の内周側に開口させてなるオープンスロットである。
本例のステータコア2に配置する絶縁紙4は、1枚の平紙状素材40(図2参照)を略矩形波状に成形したものである。また、本例の絶縁紙4は、樹脂素材の表面を紙素材によってコーティングして形成したものである。
具体的には、本例においては、まず、絶縁紙成形工程において、図2に示すごとく、長方形状(本例ではステータコア2の周方向Cに対応する辺が長い)の1枚の平紙状素材40において、ステータコア2の軸方向Lに対応する幅方向Wの両端401(平紙状素材40における一対のカフス部43に対応する両端)に、複数のスロット21における周方向Cの両側に位置する一対の内壁面211に対応する部分に切り込みを入れて、複数の切込部431を形成する。
なお、複数の切込部431を形成した平紙状素材40は、切込部431同士の間隔が長い部分がスロット21の外周側部分に配置され、切込部431同士の間隔が短い部分がティース22の内周側部分に配置される(図2、図3参照)。
また、略矩形波状の絶縁紙4は、その断面において、挿入部41及び連結部42の角部がある形状、いずれかに角部があって他方が円弧状に形成された形状、両方が円弧状に形成された形状等の種々の波形状とすることができる。
また、図6に示すごとく、絶縁紙配置工程においてスロット21内に挿入部41を挿入したときには、挿入部41の径方向長さAがスロット21の径方向深さBよりも長くなっていることにより、ステータコア2のティース22と絶縁紙4の連結部42との間には、隙間49が形成される。
なお、隙間49への切断用治具7の挿入配置は、スロット21内に挿入した絶縁紙4の挿入部41内にコイル3を配置する前又は後のいずれのタイミングで行うこともできる。
また、一対の折重部421同士を折り重ねるときには、図13に示すごとく、折重部421同士の間に接着剤44を設け、この接着剤44によって折重部421同士を互いに接着する。これにより、一対の折重部421が開いてしまうことを防止し、一対の折重部421によって、安定してコイル3のストレート部31の内周側を覆うことができる。
2 ステータコア
21 スロット
22 ティース
3 コイル
31 ストレート部
32 コイルエンド部
4 絶縁紙
40 平紙状素材
41 挿入部
42 連結部
421 折重部
43 カフス部
431 切込部
44 接着剤
49 隙間
6 挿入治具
61 可動ブロック部
7 切断用治具
71 切断ガイド
8 刃物搭載治具
81 刃物
L 軸方向
C 周方向
Claims (6)
- ステータコアにおける複数のスロット内に絶縁紙を介してコイルを配置してなるステータの製造方法において、
上記スロット内に挿入する挿入部を、連結部を介して複数連結してなる絶縁紙を成形する絶縁紙成形工程と、
上記スロット内に上記挿入部を挿入すると共に、上記スロット同士の間のティースに上記連結部を対向させて、上記ステータコアに上記絶縁紙を配置する絶縁紙配置工程と、
上記スロット内に挿入した上記挿入部内に上記コイルのストレート部を配置すると共に、該ストレート部同士を連結するコイルエンド部を上記ステータコアの軸方向端面から突出して配置するコイル配置工程と、
上記絶縁紙の上記連結部を切断する絶縁紙切断工程と、
上記絶縁紙又は他の絶縁部材によって、上記スロット内に配置した上記コイルのストレート部の内周側を覆う絶縁紙被覆工程と、
上記コイル及び上記絶縁紙をワニスによって上記ステータコアに固着する固着工程とを含むことを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項1において、上記絶縁紙配置工程において、上記スロット内に上記挿入部を挿入したときには、上記ティースと上記連結部との間に隙間を形成し、
上記絶縁紙切断工程においては、上記挿入部の両端に折重部を形成するよう上記連結部を切断し、
上記絶縁紙被覆工程においては、互いに隣接する上記ティースに対向する上記折重部同士を折り重ねて互いに接着することによって、上記コイルのストレート部の内周側を覆うことを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項2において、上記絶縁紙配置工程又は上記コイル配置工程を行う際には、上記隙間内に切断用治具を配置し、
上記絶縁紙切断工程においては、上記切断用治具に形成された切断ガイドに沿って上記連結部を切断することを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項において、上記絶縁紙成形工程においては、平紙状素材の両端を折り返して、上記複数のスロットの軸方向両端の開口部の近傍に掛止するための一対のカフス部を形成し、該一対のカフス部が並ぶ方向と垂直な方向に上記平紙状素材を複数回折り曲げて、上記挿入部を上記連結部を介して複数連結してなる絶縁紙を成形し、
上記絶縁紙配置工程においては、上記一対のカフス部を上記複数のスロットの軸方向両端の開口部の近傍に掛止することを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項4において、上記絶縁紙成形工程においては、上記平紙状素材における上記一対のカフス部に対応する両端において、上記複数のスロットにおける周方向の両側に位置する一対の内壁面に対応する部分に切り込みを入れて複数の切込部を形成し、
上記絶縁紙被覆工程においては、上記スロットの軸方向両端の開口部の近傍に掛止した上記一対のカフス部の内周側部分を、上記切込部を境界にして開いた後、上記折重部同士を折り重ねて互いに接着することを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項1〜5のいずれか一項において、上記スロットは、上記ステータコアの周方向に位置する互いに平行な一対の内壁面を内周側に開口させてなるオープンスロットであり、
上記コイルは、断面略四角形状を有する複数本の角導体を束ねてなることを特徴とするステータの製造方法。
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