JP2016116417A - コイル巻回部品、コイル巻回部品の製造方法、ステータ、及び回転電機 - Google Patents

コイル巻回部品、コイル巻回部品の製造方法、ステータ、及び回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP2016116417A
JP2016116417A JP2014255640A JP2014255640A JP2016116417A JP 2016116417 A JP2016116417 A JP 2016116417A JP 2014255640 A JP2014255640 A JP 2014255640A JP 2014255640 A JP2014255640 A JP 2014255640A JP 2016116417 A JP2016116417 A JP 2016116417A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
resin
core
wall
insulating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2014255640A
Other languages
English (en)
Inventor
慶介 梓沢
Keisuke Azusazawa
慶介 梓沢
大矢 聡義
Akiyoshi Oya
聡義 大矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2014255640A priority Critical patent/JP2016116417A/ja
Publication of JP2016116417A publication Critical patent/JP2016116417A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Abstract

【課題】製造工数の増加を抑制した上で、コアに対する絶縁紙の位置決めを高精度に行い、コイル導線とコアとの間の絶縁を確保できるとともに、占積率の向上を図ることができるコイル巻回部品、コイル巻回部品の製造方法、ステータ、及び回転電機を提供する。【解決手段】インシュレータ10は、樹脂成形部と、樹脂成形部に接続されるとともに、少なくともティース部12の周方向端面の一部を覆うように配置された絶縁紙20と、を有し、樹脂成形部は、ティース部12の積層方向両端面に対向する一対の壁部と、ティース部12の周方向両側において、複数のプレート8を積層方向に跨いで、一対の壁部を接続する積層跨ぎ部と、を有するように、ティース部12及び絶縁紙20に対して一体にモールドされており、一対の壁部の何れかにより樹脂が注入されて、樹脂成形部が形成されていることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、車両駆動や回生発電等に用いられる回転電機のコイル巻回部品、コイル巻回部品の製造方法、ステータ、及び回転電機に関するものである。
車両駆動や回生発電等に用いられる回転電機のステータでは、複数の分割ステータ片が周方向に連結されることで環状を呈して構成されるものがある。この種の分割ステータ片は、コイル巻回部品と、コイル巻回部品に巻回されるコイル導線と、を有している。
ここで用いられるコイル巻回部品は、電磁鋼板等の磁性を有するプレートを軸方向に複数積層して構成されるコアと、コアに固定される絶縁樹脂等からなるインシュレータと、を備えている。コアは、インシュレータを介してコイル導線が巻回されるティース部を有している。インシュレータは、通常、割筒状の複数の分割ブロックによって形成され、コアのティース部の外周に外側から取り付けられる。
ところで、コイル巻回部品においては、回転電機の起磁力を高めるうえでコイル導線の占積率が重要となる。このため、コアに固定されるインシュレータを薄肉化することが有効となるが、インシュレータの全体の肉厚を薄肉にするのには限界がある。
そこで、インシュレータの一部を絶縁フィルムや絶縁紙等の絶縁シートによって形成したコイル巻回部品が案出されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のコイル巻回部品において、インシュレータは、割筒状の一対の分割ブロックによって形成され、コア(ティース部)の外周に外側から取り付けられている。各分割ブロックは、ティース部に対して両側に位置するスロット部に装着される部分が絶縁紙によって形成されるとともに、絶縁紙の両端部(分割ブロック同士が突き合わされる部分)が絶縁樹脂に接合されている。
そして、コイル巻回部品は、インシュレータの一対の分割ブロックがコアに装着された状態において、ティース部にインシュレータを介してコイル導線が巻回される。
国際公開第2013/133337号
しかしながら、上述した従来技術にあっては、割筒状の分割ブロックをコアに取り付ける構成であるため、製造工数が多くなるという課題がある。
また、コアに対するインシュレータの組付精度に限界があり、例えばコアに対して絶縁紙が位置ずれした場合には、コイル導線とコアとの間の絶縁性を確保できないおそれがある。さらに、コアとコイル導線との間で絶縁紙が撓んだり、重なり合ったりすることで、スロット部のスペースが減少し、占積率の向上を実現できないおそれもある。
そこで本発明は、製造工数の増加を抑制した上で、コアに対する絶縁紙の位置決めを高精度に行い、コイル導線とコアとの間の絶縁を確保できるとともに、占積率の向上を図ることができるコイル巻回部品、コイル巻回部品の製造方法、ステータ、及び回転電機を提供するものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、磁性を有する複数のプレート(例えば、実施形態におけるプレート8)を積層して構成されるとともに、径方向に沿って延びてコイル導線(例えば、実施形態におけるコイル導線2)が巻回されるティース部(例えば、実施形態におけるティース部12)を有するコア(例えば、実施形態におけるコア9)と、前記コアの前記ティース部に固定され、前記コアと前記コイル導線の間に介在するインシュレータ(例えば、実施形態におけるインシュレータ10)と、を備えたコイル巻回部品(例えば、実施形態におけるコイル巻回部品7)において、前記インシュレータは、樹脂成形部(例えば、実施形態における側壁16a、前壁16b、後壁16c、外側フランジ16d、内側フランジ16e)と、前記樹脂成形部に接続されるとともに、少なくとも前記ティース部の周方向端面の一部を覆うように配置された絶縁シート(例えば、実施形態における絶縁紙20)と、を有し、前記樹脂成形部は、前記ティース部の積層方向両端面に対向する一対の壁部(例えば、実施形態における前壁16b、後壁16c)と、前記ティース部の周方向両側において、前記複数のプレートを積層方向に跨いで、前記一対の壁部を接続する積層跨ぎ部(例えば、実施形態における外側フランジ16d、内側フランジ16e)と、を有するように、前記ティース部及び前記絶縁シートに対して一体にモールドされており、前記一対の壁部の何れかにより樹脂が注入されて、前記樹脂成形部が形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明では、前記壁部において、コイルエンド(例えば、実施形態におけるコイルエンドC)が配置される領域の径方向の中央部から、樹脂が注入されていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明では、前記壁部における、周方向の中央部から樹脂が注入されていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明では、前記絶縁シートは、前記ティース部の積層方向両端面の内の少なくとも一方が開口していることを特徴とする。
請求項5に記載した発明では、前記壁部の表面に対して積層方向の内側に窪む凹部内から、樹脂が注入されていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明では、樹脂内には、繊維状のフィラー(例えば、実施形態におけるフィラーF)が配合され、前記壁部は、前記ティース部のうち、周方向端面と積層方向端面との境界部分において前記絶縁シートに接合され、前記フィラーは、前記壁部における前記絶縁シートとの接合部(例えば、実施形態における接合面33)において、前記接合部の延設方向に対して交差する方向に延在していることを特徴とする。
請求項7に記載した発明では、上記本発明のコイル巻回部品の製造方法において、前記コア及び前記絶縁シートを成形型内にセットした状態で、前記成形型内に樹脂を注入する成形工程を有することを特徴とする。
請求項8に記載した発明では、前記成形工程では、前記一対の壁部の何れかにより前記成形型内に樹脂を注入することを特徴とする。
請求項9に記載した発明では、前記成形工程では、前記壁部において、コイルエンドが配置される領域の径方向の中央部から前記成形型内に樹脂を注入することを特徴とする。
請求項10に記載した発明では、上記本発明のコイル巻回部品、及び前記コイル巻回部品に巻回された前記コイル導線を有する複数の分割ステータ片(例えば、実施形態における分割ステータ片6)を環状に連結することで形成されていることを特徴とする。
請求項11に記載した発明では、上記本発明のステータ(例えば、実施形態におけるステータ1)と、前記ステータの内側で回転可能に配置されたロータと、を有することを特徴とする。
請求項1,7に記載した構成によれば、インシュレータにおいて、少なくともティース部の周方向端面の一部を覆うように配置された絶縁シートを有しているため、インシュレータのうち、絶縁シートに位置する部分の更なる薄肉化を図ることができる。その結果、コイル導線の占積率を効率良く高めることができる。
特に、インシュレータの樹脂成形部がティース部及び絶縁シートに一体でモールドされているので、従来のように割筒状の分割ブロックをコアに取り付ける構成に比べて製造工数の削減を図ることができる。
また、コア及び絶縁シートに樹脂成形部が一体でモールドされているので、コアに対するインシュレータの組付精度を向上させ、コアをインシュレータにより確実に被覆できる。この場合、例えばコアに対して絶縁シートを高精度に位置決めできるので、コイル導線とコアとの間の絶縁性を確保できる。さらに、インシュレータのモールド時において、コアとコイル導線との間で絶縁シートが撓んだり、重なり合ったりするのを抑制できるので、占積率の低下を抑制できる。
ここで、例えば絶縁シート及び樹脂成形部を予め成形してなるインシュレータをティース部に嵌め込む場合には、インシュレータを、コアの積層方向厚みのばらつきを考慮した上でティース部に挿入可能となる大きさに形成する必要があり、コアとインシュレータとの間に隙間が生じてしまって、コイル巻回部品のサイズが大きくなってしまう、またはコイル導線の占積率が低下してしまうおそれがある。
一方、請求項1に記載した構成によれば、樹脂成形部が、複数のプレートを積層方向に跨いで、一対の壁部を接続する積層跨ぎ部を有するように、ティース部及び絶縁シートに対して一体にモールドされるとともに、その際に一対の壁部の何れか一方の壁部により樹脂が注入されていることにより、コアが複数のプレートを積層して構成されていることに起因してコアの積層方向厚みにばらつきが生じている場合であっても、樹脂成形部がコアに密着するように成形されるため、コアの積層方向厚みのばらつきを樹脂成形部によってキャンセルすることができ、サイズの増大または占積率の低下を抑制することができる。
また、一方の壁部より注入された樹脂は、ティース部の周方向両側において積層跨ぎ部を形成しながら、反対側の壁部(他方の壁部)側に到達することとなり、金型の複雑化を抑制しながら、効率的に樹脂を注入して樹脂成形部を形成することができる。
請求項2に記載した構成によれば、一方の壁部において、コイルエンドが配置される領域の径方向の中央部から、樹脂が注入されているため、成形工程において、ティース部の周方向両端面側に樹脂を均等に注入することができる。さらに、ウェルドラインを他方の壁部側に形成することができる。
その結果、ティース部の周方向両端面において、樹脂成形部のヒケ等の発生を抑制し、絶縁シートと樹脂とを確実に接合できる。
請求項3に記載した構成によれば、他方の壁部側において、注入された樹脂が絶縁シートの存在する端部よりも中央側で合流するようになる。このため、絶縁シートと樹脂の接合部にウェルドラインが生じることがなくなり、コイル巻回部品のモールド時に、絶縁シートとティース部の周方向両端面(スロット片の背部側)との間に樹脂が流れ込みにくくなる。この結果、成形時におけるコアからの絶縁シートの浮きや剥がれをより有効に防止することが可能になる。
例えば絶縁シートが筒状に形成されてティース部の周囲を覆っている場合には、コアの積層方向厚みのばらつきによって、絶縁シートに余長が生じてしまいしわや歪みが発生してしまうおそれがある。
これに対して、請求項4に記載した構成によれば、絶縁シートは、ティース部の積層方向両端面の内の少なくとも一方が開口していることにより、コアの積層方向厚みにばらつきが生じている場合であっても、絶縁シートのしわや歪みを抑制しながらティース部の表面に絶縁シートを密着させてインシュレータを形成することができ、占積率の低下を抑制することができる。
請求項5に記載した構成によれば、一方の壁部に形成された凹部内から樹脂を注入することで、ゲート残りのバリ等が壁部の表面から突出するのを抑制できる。これにより、コイル導線を巻回する際、コイル導線がゲート残りのバリ等に干渉するのを抑制し、コイル導線の損傷を抑制できる。
請求項6に記載した構成によれば、壁部における絶縁シートとの接合部上において、接合部の延設方向に対して交差する方向にフィラーが延在しているため、樹脂成形部のうち、絶縁シートとの接合部での強度を向上させることができる。そのため、コイル導線の巻回時にインシュレータに作用する応力や、インシュレータの熱収縮により発生する応力によって、樹脂成形部が損傷したり、樹脂成形部と絶縁シートとが剥離したりするのを抑制できる。
請求項8に記載した構成によれば、成形工程において、一方の壁部から成形型内に絶縁樹脂を注入するため、ティース部の周方向端面側に樹脂を均等に注入することができる。さらに、ウェルドラインを他方の壁部側に形成することができる。
その結果、ティース部の周方向端面側において、樹脂成形部のヒケ等の発生を抑制し、絶縁シートと絶縁樹脂とを確実に接合できる。
請求項9に記載した構成によれば、一方の壁部において、コイルエンドが配置される領域の径方向の中央部から成形型内に樹脂を注入するため、ティース部の周方向端面側において、径方向の全体に亘って同等のタイミングで絶縁樹脂が流入することになる。これにより、樹脂をより均等に注入することができる。さらに、樹脂が絶縁シートとの境界部分を流通する際、樹脂により絶縁シートをティース部に向けて押さえ込むことができるので、絶縁シートとコアとの間に樹脂が入り込んで絶縁シートが浮き上がるのを抑制できる。その結果、コアに対するインシュレータの組付精度をさらに向上させることができる。
請求項10に記載した構成によれば、信頼性に優れるとともに、高性能なステータを提供できる。
請求項11に記載した構成によれば、信頼性に優れるとともに、高性能な回転電機を提供できる。
実施形態における回転電機に組み込まれるステータを示す平面図である。 分割ステータ片の斜視図である。 分割ステータ片を周方向の一方側から見た側面図である。 コイル巻回部品を径方向の外側から見た斜視図である。 コイル巻回部品を径方向の内側から見た斜視図である。 図4のVI−VI線に相当するコイル巻回部品の断面図である。 コイル巻回部品を周方向の他方側から見た側面図である。 絶縁紙の斜視図である。 図6のIX部拡大図である。 図6のX部拡大図である。 図2のXI−XI線に沿う断面図である。 コイル巻回部品を後側から見た平面図である。 成形型の径方向に沿う断面図である。 成形型の軸方向に沿う断面図である。 成形型を前側から見た斜視図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
[回転電機]
図1は、本実施形態の回転電機に組み込まれるステータ1を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態の回転電機は、電気自動車やハイブリッド車両等の車両駆動や回生発電に用いられる三相交流式の回転電機であり、環状のステータ1の内側に図示しないロータが回転可能に配置されて構成されている。ロータは減速機構等を介して車両の車軸に動力伝達可能に連結されている。なお、以下の説明では、回転電機(ステータ1)の回転軸Oに沿う方向を単に軸方向(図2以降は矢印Axで示す)といい、回転軸Oに直交する方向を径方向(図2以降は矢印Rで示す)とし、回転軸O周りに周回する方向を周方向とする。
ステータ1は、複数のコイル導線2を突極集中巻きで実装した円筒状のステータ本体3と、ステータ本体3が圧入固定される円筒状のホルダ4と、を備えている。U相,V相,W相の各コイル導線2における一端部(給電側の端部)は、ホルダ4に対して径方向Rの外側に引き出された後、それぞれ対応する相の給電端子5U,5V,5Wに接続されている。なお、本実施形態において、コイル導線2は断面形状が長方形の平角線が採用されている。
ステータ本体3は、複数の分割ステータ片6が周方向に連結されてなり、全体で環状を呈している。各分割ステータ片6は、ステータ本体3の軸方向Axから見た正面視で扇状のコイル巻回部品7と、コイル巻回部品7に巻回されたコイル導線2と、を備えている。コイル巻回部品7に巻回された各コイル導線2のうち、一端部は上述したように各相毎にまとめられた後、対応する相の給電端子5U,5V,5Wに接続され、他端部は中点連結部15において相互に接続されている。したがって、本実施形態のステータ1においては、各相のコイル導線2がY字結線で接続されている。
<コイル巻回部品>
図2は分割ステータ片6の斜視図であり、図3は分割ステータ片6を周方向の一方側から見た側面図である。また、図4はコイル巻回部品7を径方向の外側から見た斜視図であり、図5はコイル巻回部品7を径方向の内側から見た斜視図である。
図2〜図5に示すように、コイル巻回部品7は、電磁鋼板等の磁性を有する複数のプレート8が軸方向Axに積層されて構成されたコア9と、コア9に装着されてコア9を電気的に絶縁するインシュレータ10と、を備えている。
図6は図4のVI−VI線に相当するコイル巻回部品7の断面図であり、図7はコイル巻回部品7を周方向の他方側から見た側面図である。
図6、図7に示すように、コア9は、ステータ本体3の外周側の円環領域を構成するバックヨーク部11と、バックヨーク部11から径方向Rの内側に向かって突設されたティース部12と、ティース部12の先端部(径方向Rの内側端部)に連設された磁気入出部13と、を備えている。
図6に示すように、バックヨーク部11は、外周面が軸方向Axから見た平面視でホルダ4の内面形状に倣った円弧状を呈し、各分割ステータ片6が連結された状態で、ホルダ4内に圧入される。バックヨーク部11は、ティース部12に対して周方向の両側に向けて張り出す一対の鍔部11aを有している。なお、バックヨーク部11の外周面には、径方向の内側に向けて窪む位置決め溝48が軸方向Axに沿って延設されている。この位置決め溝48は、後に詳述するように、成形工程においてコア9を成形型25内に位置決めする際等に用いられる。
磁気入出部13は、ティース部12に対して周方向の両側に張り出す一対の鍔部13aを有している。
ティース部12には、インシュレータ10を介してコイル導線2が巻回される。本実施形態では、ティース部12における周方向の両側に位置する部分(ティース部12における周方向の両側に位置する側端面と、各鍔部11a,13aと、で画成された部分)は、スロット部Sを構成している。さらに、ティース部12に対して軸方向Axの両側に位置する部分は、コイルエンドCを構成している。なお、以下では、説明の便宜上、ティース部12の軸方向Axにおける一端側を「前側」、他端側を「後側」という。
図5に示すように、インシュレータ10は、コア9のうち、ティース部12の外周面、及び鍔部11a,13aの一部を覆うコイル巻回部16と、コイル巻回部16に対して前側に連設され、コイル巻回部16に巻回されたコイル導線2の一端側と他端側の引き出し部を案内する導線案内部17と、を備えている。
コイル巻回部16は、ティース部12のうち、側端面(スロット部S)を周方向の両側から覆う一対の側壁16aと、前側のコイルエンドCを覆う前壁(壁部)16bと、後側のコイルエンドCを覆う後壁16cと、バックヨーク部11側の鍔部11aを径方向の内側から覆う外側フランジ16dと、磁気入出部13側の鍔部13aを径方向の外側から覆う内側フランジ16eと、を有している。
各側壁16aは、ティース部12の側端面上に配置され、その前端部が前壁16bにおける周方向の両端部に各別に連設され、後端部が後壁16cにおける周方向の両端部に各別に連設されている。したがって、各側壁16a、前壁16b、及び後壁16cによりティース部12を囲繞している。
外側フランジ16dは、各側壁16a及び後壁16cにおける径方向Rの外側端部に連設されるとともに、ティース部12における径方向の外側端部(バックヨーク部11との境界部分)を囲繞している。外側フランジ16dにおける周方向の長さは、鍔部11aの長さと同等になっている。これにより、ステータ本体3において、隣接する分割ステータ片6間の外側フランジ16d同士が連なるように配置される(図1参照)。
内側フランジ16eは、各側壁16a、前壁16b、及び後壁16cにおける径方向の内側端部に連設されるとともに、ティース部12における径方向の内側端部(磁気入出部13との境界部分)を全周に亘って囲繞している。内側フランジ16eにおける周方向の長さは、鍔部13aの長さよりも長くなっている。これにより、ステータ本体3の隣接する分割ステータ片6間において、鍔部13a同士が周方向に離間し、内側フランジ16e同士が周方向に近接または当接して配置される(図1参照)。
導線案内部17は、バックヨーク部11の前側端面を覆う支持壁17aと、支持壁17aから前側に向けて突設された案内壁17bと、を有している。
支持壁17aは、上述した外側フランジ16dにおける前端部、及び前壁16bにおける径方向の外側端部の接続部分から径方向の外側に向けて延設されている。なお、案内壁17bは、その径方向の内側において、コイル巻回部16に巻回されたコイル導線2の一端側と他端側の引き出し部を導線案内部17側に引き出すためのガイドとして機能する(図2参照)。
ここで、上述したインシュレータ10は、コア9と一対の絶縁紙(絶縁シート)20を成形型25(図13参照)内に配置した状態で、成形型25内に絶縁樹脂を注入することによってコア9と一体にモールドされている。すなわち、本実施形態のインシュレータ10は、絶縁紙20と、コア9及び各絶縁紙20をインサート成形し、コア9及び絶縁紙20に一体で組み付けられる絶縁樹脂からなる樹脂成形部と、により構成されている。
図8は、絶縁紙20の斜視図である。
図8に示すように、各絶縁紙20は、アラミド絶縁紙等の電気絶縁性と強度に優れた紙素材からなり、軸方向Axから見た平面視で径方向に延びる対称軸に対して線対称形状とされている。具体的に、絶縁紙20は、ティース部12の側端面上に配置される主部20aと、主部20aにおける径方向Rの外側端部に連設された第1屈曲延出部20bと、主部20aにおける径方向Rの内側端部に連設された第2屈曲延出部20cと、を備えている。
図6に示すように、主部20aは、ティース部12の両側端面に各別に密接している。すなわち、主部20aは、コイル巻回部16のうち、両側壁16aの全域を構成している。
図9は図6のIX部拡大図である。
図9に示すように、第1屈曲延出部20bは、主部20aに対して周方向の外側に向けて折り曲げられている。第1屈曲延出部20bは、鍔部11aにおける径方向Rの内側端面に倣って延在し、鍔部11aに径方向で重なり合っている。なお、図示の例において、第1屈曲延出部20bにおける周方向の長さは、鍔部11aの長さよりも短くなっている。
図10は、図6のX部拡大図である。
図10に示すように、第2屈曲延出部20cは、主部20aに対して周方向の外側に向けて折り曲げられている。第2屈曲延出部20cは、鍔部13aにおける径方向Rの外側端面に倣って延在し、鍔部13aに径方向で重なり合っている。なお、図示の例において、第2屈曲延出部20cにおける周方向の長さは、鍔部13aの長さよりも短くなっている。
一方、樹脂成形部は、インシュレータ10のうち、側壁16a以外の部分(前壁16b、後壁16c、外側フランジ16d、内側フランジ16e、及び導線案内部17)を構成している。この場合、本実施形態のインシュレータ10において、外側フランジ16d及び内側フランジ16eを構成する絶縁樹脂のうち、軸方向Axに沿って延びる部分は、コア9を跨ぐとともに、絶縁紙20における径方向Rの両端部(各屈曲延出部20b,20c)にそれぞれ一体に接合されている。本実施形態において、絶縁樹脂のうち、外側フランジ16dと内側フランジ16eが積層跨ぎ部を構成している。
このように、図6に示すように、インシュレータ10のうち、側壁16aは絶縁紙20の主部20a単独で構成され、前壁16b、後壁16c、及び導線案内部17は、絶縁樹脂単独により構成されている。また、図9に示すように、外側フランジ16dは、絶縁紙20の第1屈曲延出部20bが鍔部11aに径方向で重ね合わされた状態において、絶縁樹脂に接合されて構成されている。なお、外側フランジ16dにおいて、絶縁紙20の第1屈曲延出部20bは、鍔部11aと絶縁樹脂との間に挟持されている。
図10に示すように、内側フランジ16eは、絶縁紙20の第2屈曲延出部20cが鍔部13aに径方向で重ね合わされた状態において、絶縁樹脂に接合されて構成されている。なお、内側フランジ16eにおいて、絶縁紙20の第2屈曲延出部20cは、鍔部13aと絶縁樹脂との間に挟持されている。
図11は、図2のXI−XI線に沿う断面図である。
図11に示すように、コイル巻回部16のうち、前壁16b(樹脂成形部)における周方向の両端面には、側壁16aを構成する絶縁紙20の前端部が周方向で接合されている。同様に、後壁16c(樹脂成形部)における周方向の両端面には、側壁16aを構成する絶縁紙20の後端部が周方向で接合されている。この場合、前壁16b及び後壁16cにおける周方向の両端面のうち、絶縁紙20との接合面(接合部)33は、径方向R(延設方向)に沿って延びる帯状とされている。
本実施形態において、樹脂成形部を構成する絶縁樹脂には、一方向に沿って延びる繊維状のフィラーFが配合されている。フィラーFは、前壁16b及び後壁16c内において、周方向(絶縁紙20との接合面33に交差する方向)に沿って延在している。
また、前壁16bにおける周方向及び径方向Rの中央部(略中央位置)には、前壁16bの表面に対して軸方向Axの内側に向けて窪む凹部24が形成されている。そして、この凹部24の底面には、成形後の図示しないゲート残りが形成されている。
一方、図12に示すように、後壁16c、外側フランジ16d、及び内側フランジ16eにおける周方向の中央部(ゲート残りに対して軸方向Axで対向する部分)には、ウェルドラインWが形成される。ウェルドラインWは、後壁16cにおいて径方向に沿って延在している。なお、図12はコイル巻回部品7を後側から見た平面図である。
また、図2,図3,図5等に示すように、コイル巻回部16において、前壁16bと一方の側壁16aとの境界部分のうち、径方向Rの外側に位置する部分には、境界部分を跨ぐ巻回ガイド22が形成されている。巻回ガイド22は、絶縁樹脂により構成されるとともに、コイル導線2とほぼ同幅に形成されている。巻回ガイド22は、前壁16bと側壁16aの一般面に対して膨出して形成されている。巻回ガイド22は、インシュレータ10のコイル巻回部16にコイル導線2を斜めにずらしながら巻き始めるときに、コイル導線2のガイドとして機能する。巻回ガイド22の一部22aは、絶縁紙20(主部20a)の表面の一部を押さえ込むように膨出している。
<コイル巻回部品の製造方法>
続いて、上述したコイル巻回部品7の製造方法について説明する。
本実施形態のコイル巻回部品7は、上述したようにコア9及び絶縁紙20が絶縁樹脂にインサート成形されることで、コア9及び絶縁紙20と樹脂成形部とが一体に組み付けられて構成される。
まず、本実施形態の成形工程で用いられる成形型25について説明する。図13、図14は成形型25の断面図である。
図13、図14に示すように、成形型25は、周方向の両側からコア9を押さえ込んでインシュレータ10の側部を造形する一対の側型25A,25Bと、コア9を径方向Rの両側から押さえ込む下型25C及び上型25Dと、インシュレータ10の前部と後部を造形する前型25E及び後型25Fと、を備えている。
図13に示すように、各側型25A,25Bは、周方向の内側に向けて突出するとともに、スロット部Sに対応する凸部26と、インシュレータ10の外側フランジ16dや内側フランジ16eを造形するためのキャビティ溝27,28と、を備えている。
図15は、成形型25を前側から見た斜視図である。
図14、図15に示すように、前型25Eは、インシュレータ10のうち、導線案内部17や、外側フランジ16d、前壁16b、内側フランジ16eを一体に造形するためのキャビティ溝29が形成されている。また、前型25Eにおいて、前側のコイルエンドCに対して周方向及び径方向Rの中央部に対応する部分には、図示しない射出装置から成形型25内に向けて絶縁樹脂を供給するためのゲート31が形成されている。ゲート31は、軸方向Axに沿って延びるとともに、キャビティ溝29内に開口している。なお、ゲート31は、前型25Eにおいて、キャビティ溝29内に向けて突出する突出部32上で開口している。
図14に示すように、後型25Fには、インシュレータ10のうち、外側フランジ16dや、後壁16c、内側フランジ16eを一体に造形するためのキャビティ溝30が形成されている。
図13〜図15に示すように、上述した成形型25を用いてコイル巻回部品7を製造する場合、まずコア9のスロット部S内に絶縁紙20をセットする。このとき、絶縁紙20の各屈曲延出部20b,20cを予め折り曲げておく。そして、絶縁紙20のうち、主部20aをコア9のティース部12の側端面に当接させ、第1屈曲延出部20bを鍔部11aにおける径方向の内側端面に当接させ、かつ第2屈曲延出部20cを鍔部13aにおける径方向Rの外側端面に当接させる。これにより、コア9に対して絶縁紙20がセットされる。
次に、絶縁紙20がセットされたコア9を成形型25の内側にセットする。このとき、まずコア9におけるバックヨーク部11の位置決め溝48を、上型25Dの位置決め突条47に嵌合して、上型25Dに対するコア9の位置決めを行う。
続いて、成形型25を型締めする。これにより、側型25A,25Bのキャビティ溝27内と、前型25E及び後型25Fの各キャビティ溝29,30内と、が連通する。その結果、コア9を取り囲むとともに、上述した樹脂成形部を成形するキャビティが成形型25内に形成される。
その後、型締めされた成形型25内のキャビティに、溶融した絶縁樹脂を射出注入する。本実施形態では、前型25Eに形成されたゲート31を通して射出装置からキャビティ(各キャビティ溝27,28,29,30)内に絶縁樹脂を注入する。具体的に、ゲート31を通して注入される絶縁樹脂は、図15に示すように、まずコア9の前側端面(コイルエンドCやバックヨーク部11、磁気入出部13)に沿って前型25Eのキャビティ溝29内を放射状に行き渡る。
その後、絶縁樹脂は、キャビティ溝29及び各側型25A,25Bのキャビティ溝27,28の連通部分を通して、キャビティ溝27,28内に流入する。側型25A,25Bのキャビティ溝27において、絶縁紙20の第1屈曲延出部20bが存在している領域では、第1屈曲延出部20bの表面に沿って絶縁樹脂が流れ込み、屈曲延出部20bが存在しない領域(鍔部11aが露出している領域)では、鍔部11aの表面に沿って絶縁樹脂が流れ込む。同様に、側型25A,25Bのキャビティ溝28において、絶縁紙20の第2屈曲延出部20cが存在している領域では、第2屈曲延出部20cの表面に沿って絶縁樹脂が流れ込み、第2屈曲延出部20cが存在しない領域(鍔部13aが露出している領域)では、鍔部13aの表面に沿って絶縁樹脂が流れ込む。
続いて、絶縁樹脂は、キャビティ溝27,28及び後型25Fのキャビティ溝30の連通部分を通して、キャビティ溝30内に流入する。後型25Fのキャビティ溝30内において、ティース部12の後側端面(コイルエンドC)に沿って周方向の内側に向けて絶縁樹脂が流通する。これにより、成形型25のキャビティ内全体に絶縁樹脂が行き渡る。
その後、成形型25内の絶縁樹脂の硬化を待って成形型25を型開きし、造形された成形品(コイル巻回部品7)を成形型25から取り出す。
以上により、上述したコイル巻回部品7が完成する。
以上のように、本実施形態によれば、インシュレータ10において、コイル巻回部16の側壁16aを絶縁紙20により形成することで、インシュレータ10のうち、スロット部S(側壁16a)に位置する部分の更なる薄肉化を図ることができる。その結果、コイル導線2の占積率を効率良く高めることができる。
特に、本実施形態では、インシュレータ10の樹脂成形部がコア9及び絶縁紙20をインサート成形し、これらコア9及び絶縁紙20に一体に組み付けられる構成とした。
この構成によれば、従来のように割筒状の分割ブロックをコアに取り付ける構成に比べて製造工数の削減を図ることができる。
また、コア9及び絶縁紙20に樹脂成形部を一体で組み付けるので、コア9に対するインシュレータ10の組付精度を向上させ、コア9をインシュレータ10により確実に被覆できる。この場合、例えばコア9に対して絶縁紙20を高精度に位置決めできるので、コイル導線2とコア9との間の絶縁性を確保できる。
さらに、上述した成形工程において、コア9とコイル導線2との間で絶縁紙20が撓んだり、重なり合ったりするのを抑制できるので、占積率の低下を抑制できる。
ここで、例えば絶縁紙及び樹脂成形部を予め成形してなるインシュレータをティース部12に嵌め込む場合には、インシュレータを、コア9の積層方向厚みのばらつきを考慮した上でティース部12に挿入可能となる大きさに形成する必要があり、コア9とインシュレータとの間に隙間が生じてしまって、コイル巻回部品のサイズが大きくなってしまう、またはコイル導線2の占積率が低下してしまうおそれがある。
一方、本実施形態では、樹脂成形部が、複数のプレート8を軸方向Axに跨いで、一対の壁部(前壁16b及び後壁16c)を接続する積層跨ぎ部(外側フランジ16d及び内側フランジ16e)を有するように、ティース部12及び絶縁紙20に対して一体にモールドされるとともに、その際に前壁16b及び後壁16cの何れかにより絶縁樹脂が注入されていることにより、コア9が複数のプレート8を積層して構成されていることに起因してコア9の軸方向厚みにばらつきが生じている場合であっても、樹脂成形部がコア9に密着するように成形されるため、コア9の軸方向厚みのばらつきを樹脂成形部によってキャンセルすることができ、サイズの増大または占積率の低下を抑制することができる。
また、前壁16bより注入された絶縁樹脂は、ティース部12の周方向両側において外側フランジ16d及び内側フランジ16eを形成しながら、後壁16c側に到達することとなり、金型の複雑化を抑制しながら、効率的に絶縁樹脂を注入して樹脂成形部を形成することができる。
また、前壁16bにおける注入位置を調節することによって、後壁16cにおける所望の位置にウェルドラインWが形成されるように制御できるため、ウェルドラインWがインシュレータ10の内の応力集中部位を避けるように樹脂成形することが容易となる。
また、絶縁紙及び樹脂成形部を予め成形してなるインシュレータを径方向からティース部12に嵌め込む場合には、ティース部12における径方向Rの端部に鍔部13aを形成することができずに、回転電機の運転時においてトルクの脈動が生じやすくなってしまい、騒音増加または効率低下のおそれがある。
また、ティース部12の軸方向端面だけではなく、周方向端面側の外側フランジ16d及び内側フランジ16eにおいて、樹脂成形部が絶縁紙20を保持することができるため、絶縁紙20を安定的に保持して、コイル巻回時における絶縁紙20の位置ずれを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、前側のコイルエンドC側(前型25E)から成形型25内に絶縁樹脂を注入するため、両スロット部S側(外側フランジ16dや内側フランジ16e)に絶縁樹脂を均等に注入することができる。さらに、ウェルドラインWを後側のコイルエンドCに形成することができる。
その結果、スロット部Sにおいて、樹脂成形部のヒケ等の発生を抑制し、絶縁紙20と絶縁樹脂とを確実に接合できる。
しかも、本実施形態では、前側のコイルエンドC側のうち、径方向の中央部から成形型25内に絶縁樹脂を注入するため、両スロット部S側(外側フランジ16dや内側フランジ16e)において、径方向の全体に亘って同等のタイミングで絶縁樹脂が流入することになる。これにより、両スロット部S側に絶縁樹脂をより均等に注入できる。さらに、絶縁樹脂が絶縁紙20との境界部分を流通する際、絶縁樹脂により絶縁紙20をティース部12に向けて押さえ込むことができるので、絶縁紙20とコア9との間に絶縁樹脂が入り込んで絶縁紙20が浮き上がるのを抑制できる。その結果、コア9に対するインシュレータ10の組付精度をさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、前側のコイルエンドC側のうち、周方向の中央部から成形型25内に絶縁樹脂を注入するため、後側のコイルエンドCにおいて、注入された絶縁樹脂が絶縁紙20の存在する端部よりも中央側で合流するようになる。このため、絶縁紙20と絶縁樹脂の接合面33にウェルドラインWが生じることがなくなり、コイル巻回部品7のモールド時に、絶縁紙20とティース部12との間に樹脂が流れ込みにくくなる。この結果、成形時におけるコア9からの絶縁紙20の浮きや剥がれをより有効に防止することが可能になる。
ところで、例えば絶縁紙が筒状に形成されてティース部12の周囲を覆っている場合には、コア9の軸方向厚みのばらつきによって、絶縁紙に余長が生じてしまいしわや歪みが発生してしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態では、絶縁紙20がティース部12を周方向の両側から各別に覆っていることにより、コア9の軸方向厚みにばらつきが生じている場合であっても、絶縁紙20のしわや歪みを抑制しながらティース部12の表面に絶縁紙20を密着させてインシュレータ10を形成することができ、占積率の低下を抑制することができる。
また、ゲート残りを形成するための凹部24を前壁16bに形成することで、ゲート残りのバリ等が前壁16bの表面から突出するのを抑制できる。これにより、コイル導線2を巻回する際、コイル導線2がゲート残りのバリ等に干渉するのを抑制し、コイル導線2の損傷を抑制できる。
さらに、本実施形態では、絶縁樹脂に配合されたフィラーFが、前壁16b及び後壁16c内において、絶縁紙20との接合面33に対して交差する方向に沿って延在しているため、樹脂成形部のうち、絶縁紙20との接合面33での強度を向上させることができる。そのため、コイル導線2の巻回時にインシュレータ10に作用する応力や、インシュレータ10の熱収縮により発生する応力によって、樹脂成形部が損傷したり、樹脂成形部と絶縁紙とが剥離したりするのを抑制できる。
そして、本実施形態の回転電機、及びステータ1では、上述したコイル巻回部品7を備えているため、信頼性に優れるとともに、高性能な回転電機及びステータ1を提供できる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、上述した実施形態で挙げた構成等はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、絶縁紙20は、少なくともティース部12の一部に装着される構成であれば、その形成範囲は適宜設計変更が可能である。具体的に、上述した実施形態では、一対の絶縁紙20がティース部12を周方向の両側から各別に覆う構成について説明したが、これに限らず、ティース部12の軸方向両端面の内の少なくとも一方が開口していれば構わない。すなわち、ティース部12の周方向両端面及び軸方向の一方側の端面を覆うコ字状等に形成しても構わない。
また、上述した実施形態では、絶縁紙20の屈曲延出部20b、20cが各フランジ16d、16eにおいて、絶縁樹脂内に埋設された構成について説明したが、屈曲延出部20b、20cが各フランジ16d、16eの表面に露出する構成であっても構わない。
また、上述した実施形態では、成形時において、コア9側に絶縁紙20をセットした状態で型締めする構成について説明したが、これに限らず、成形型25側に絶縁紙20をセットした状態で型締めしても構わない。何れにしても、コア9及び絶縁紙20を成形型25内にセットした状態で、コア9及び絶縁紙20を絶縁樹脂によりインサート成形する構成であれば構わない。
さらに、上述した実施形態では、前側のコイルエンドC側(絶縁紙20の面方向)から絶縁樹脂を注入する構成について説明したが、これに限らず、絶縁紙20に直交する方向(法線方向)以外の方向であれば、絶縁樹脂の注入方向は適宜設計変更が可能である。
さらに、上述した実施形態では、前側のコイルエンドC側から絶縁樹脂を注入する構成について説明したが、これに限られない。例えば、後側のコイルエンドC側から絶縁樹脂を注入しても構わない。
また、上述した実施形態では、絶縁シートとして絶縁紙20を採用する方法について説明したが、これに限らず、フィルム状の絶縁シート等を用いても構わない。
1…ステータ
2…コイル導線
6…分割ステータ片
7…コイル巻回部品
8…プレート
10…インシュレータ
11a…鍔部
12…ティース部
13a…鍔部
16a…側壁(樹脂成形部)
16b…前壁(樹脂成形部、一方の壁部)
16c…後壁(樹脂成形部、壁部)
16d…外側フランジ(樹脂成形部)
16e…内側フランジ(樹脂成形部)
20…絶縁紙(絶縁シート)
24…凹部
33…接合面(接合部)
C…コイルエンド
F…フィラー

Claims (11)

  1. 磁性を有する複数のプレートを積層して構成されるとともに、径方向に沿って延びてコイル導線が巻回されるティース部を有するコアと、
    前記コアの前記ティース部に固定され、前記コアと前記コイル導線の間に介在するインシュレータと、を備えたコイル巻回部品において、
    前記インシュレータは、
    樹脂成形部と、
    前記樹脂成形部に接続されるとともに、少なくとも前記ティース部の周方向端面の一部を覆うように配置された絶縁シートと、を有し、
    前記樹脂成形部は、
    前記ティース部の積層方向両端面に対向する一対の壁部と、
    前記ティース部の周方向両側において、前記複数のプレートを積層方向に跨いで、前記一対の壁部を接続する積層跨ぎ部と、を有するように、前記ティース部及び前記絶縁シートに対して一体にモールドされており、
    前記一対の壁部の何れかにより樹脂が注入されて、前記樹脂成形部が形成されていることを特徴とするコイル巻回部品。
  2. 前記壁部において、コイルエンドが配置される領域の径方向の中央部から、樹脂が注入されていることを特徴とする請求項1記載のコイル巻回部品。
  3. 前記壁部における、周方向の中央部から樹脂が注入されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコイル巻回部品。
  4. 前記絶縁シートは、前記ティース部の積層方向両端面の内の少なくとも一方が開口していることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のコイル巻回部品。
  5. 前記壁部の表面に対して積層方向の内側に窪む凹部内から、樹脂が注入されていることを特徴とする請求項2記載のコイル巻回部品。
  6. 樹脂内には、繊維状のフィラーが配合され、
    前記壁部は、前記ティース部のうち、周方向端面と積層方向端面との境界部分において前記絶縁シートに接合され、
    前記フィラーは、前記壁部における前記絶縁シートとの接合部において、前記接合部の延設方向に対して交差する方向に延在していることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のコイル巻回部品。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載のコイル巻回部品の製造方法において、
    前記コア及び前記絶縁シートを成形型内にセットした状態で、前記成形型内に樹脂を注入する成形工程を有することを特徴とするコイル巻回部品の製造方法。
  8. 前記成形工程では、前記一対の壁部の何れかにより前記成形型内に樹脂を注入することを特徴とする請求項7記載のコイル巻回部品の製造方法。
  9. 前記成形工程では、前記壁部において、コイルエンドが配置される領域の径方向の中央部から前記成形型内に樹脂を注入することを特徴とする請求項8記載のコイル巻回部品の製造方法。
  10. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載のコイル巻回部品、及び前記コイル巻回部品に巻回された前記コイル導線を有する複数の分割ステータ片を環状に連結することで形成されていることを特徴とするステータ。
  11. 請求項10記載のステータと、
    前記ステータの内側で回転可能に配置されたロータと、を有することを特徴とする回転電機。
JP2014255640A 2014-12-17 2014-12-17 コイル巻回部品、コイル巻回部品の製造方法、ステータ、及び回転電機 Withdrawn JP2016116417A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014255640A JP2016116417A (ja) 2014-12-17 2014-12-17 コイル巻回部品、コイル巻回部品の製造方法、ステータ、及び回転電機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014255640A JP2016116417A (ja) 2014-12-17 2014-12-17 コイル巻回部品、コイル巻回部品の製造方法、ステータ、及び回転電機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016116417A true JP2016116417A (ja) 2016-06-23

Family

ID=56142507

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014255640A Withdrawn JP2016116417A (ja) 2014-12-17 2014-12-17 コイル巻回部品、コイル巻回部品の製造方法、ステータ、及び回転電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016116417A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018147073A1 (ja) * 2017-02-13 2018-08-16 株式会社三井ハイテック 固定子積層鉄心の製造方法及び固定子積層鉄心
CN108696024A (zh) * 2017-03-31 2018-10-23 本田技研工业株式会社 绕组卷绕零部件和旋转电机
CN110154323A (zh) * 2019-05-13 2019-08-23 神通科技集团股份有限公司 L形绝缘纸包塑骨架制作方法及制作装置
CN110171103A (zh) * 2019-05-13 2019-08-27 神通科技集团股份有限公司 U形绝缘纸包塑骨架制作装置及制作方法
CN111066227A (zh) * 2017-09-06 2020-04-24 三菱电机株式会社 旋转电机的定子及定子的制造方法
JPWO2019186615A1 (ja) * 2018-03-26 2020-12-03 三菱電機株式会社 ステータ、電動機、電気掃除機、及び手乾燥装置
EP3582375A4 (en) * 2017-02-13 2021-03-10 Mitsui High-Tec, Inc. METHOD OF MANUFACTURING LAMINATED STATOR IRON CORE AND LAMINATED STATOR IRON CORE

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018147073A1 (ja) * 2017-02-13 2018-08-16 株式会社三井ハイテック 固定子積層鉄心の製造方法及び固定子積層鉄心
EP3582375A4 (en) * 2017-02-13 2021-03-10 Mitsui High-Tec, Inc. METHOD OF MANUFACTURING LAMINATED STATOR IRON CORE AND LAMINATED STATOR IRON CORE
US11705794B2 (en) 2017-02-13 2023-07-18 Mitsui High-Tec, Inc. Stacked stator core
US11245315B2 (en) 2017-02-13 2022-02-08 Mitsui High-Tec, Inc. Method of manufacturing stacked stator core
CN108696024A (zh) * 2017-03-31 2018-10-23 本田技研工业株式会社 绕组卷绕零部件和旋转电机
US10530211B2 (en) 2017-03-31 2020-01-07 Honda Motor Co., Ltd. Coil winding component and rotary electric machine
CN108696024B (zh) * 2017-03-31 2020-07-07 本田技研工业株式会社 绕组卷绕零部件和旋转电机
CN111066227A (zh) * 2017-09-06 2020-04-24 三菱电机株式会社 旋转电机的定子及定子的制造方法
JP7019030B2 (ja) 2018-03-26 2022-02-14 三菱電機株式会社 ステータ、電動機、電気掃除機、及び手乾燥装置
US11894721B2 (en) 2018-03-26 2024-02-06 Mitsubishi Electric Corporation Stator, electric motor, vacuum cleaner, and hand drying device
JPWO2019186615A1 (ja) * 2018-03-26 2020-12-03 三菱電機株式会社 ステータ、電動機、電気掃除機、及び手乾燥装置
CN110171103A (zh) * 2019-05-13 2019-08-27 神通科技集团股份有限公司 U形绝缘纸包塑骨架制作装置及制作方法
CN110171103B (zh) * 2019-05-13 2021-05-11 神通科技集团股份有限公司 U形绝缘纸包塑骨架制作装置及制作方法
CN110154323A (zh) * 2019-05-13 2019-08-23 神通科技集团股份有限公司 L形绝缘纸包塑骨架制作方法及制作装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016116417A (ja) コイル巻回部品、コイル巻回部品の製造方法、ステータ、及び回転電機
JP7344807B2 (ja) コイルボビン、分布巻ラジアルギャップ型回転電機の固定子コア及び分布巻ラジアルギャップ型回転電機
JP6060257B2 (ja) 回転機
JP5533285B2 (ja) 絶縁部材、ステータの製造方法
JP5629860B2 (ja) ロータ、ロータの製造方法及びモータ
JP5917109B2 (ja) 端部絶縁部材、固定子および回転機
WO2008020471A1 (fr) Machine électrique rotative
WO2015145901A1 (ja) アキシャルエアギャップ型電動機及び電動機用ボビン
JP2009213311A (ja) 回転電機の固定子用ボビンとその製造方法
JPWO2020017133A1 (ja) 分布巻ラジアルギャップ型回転電機及びその固定子
JP2016116419A (ja) 回転電機のコイル巻回部品、その製造方法、ステータ、及び、回転電機
JP2007252095A (ja) 相間絶縁部材および回転電機
JP4502041B2 (ja) 回転電機の固定子およびその製造方法
JP2011234537A (ja) 回転電機用ボビン、回転電機及び回転電機用ボビンの製造方法
JP2015177598A (ja) 二層巻コイル及び二層巻コイルの製造方法
CN108028558B (zh) 旋转电机以及旋转电机的制造方法
JP5181627B2 (ja) 回転電機および回転電機の製造方法
JP2016116418A (ja) 回転電機のコイル巻回部品、及び、その製造方法
JP2013176210A (ja) 回転電機用ロータ及びその製造方法
JP4411950B2 (ja) 電動機固定子、その製造方法、およびその固定子を用いた永久磁石形電動機
WO2018190062A1 (ja) 回転電機の固定子鉄心及び固定子
JP7394216B2 (ja) 回転電機の固定子及びその組立て方法
JP2016082839A (ja) ブラシレスモータ
CN111066227B (zh) 旋转电机的定子及定子的制造方法
JP4742947B2 (ja) ステータ、電動機およびステータの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20160708