JP2016116419A - 回転電機のコイル巻回部品、その製造方法、ステータ、及び、回転電機 - Google Patents

回転電機のコイル巻回部品、その製造方法、ステータ、及び、回転電機 Download PDF

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慶介 梓沢
Keisuke Azusazawa
慶介 梓沢
大矢 聡義
Akiyoshi Oya
聡義 大矢
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Abstract

【課題】部品点数の削減を図り、かつ、容易に製造することができる回転電機のコイル巻回部品、その製造方法、ステータ、及び、回転電機を提供する。【解決手段】コア9は磁性を有する複数のプレートを積層して構成する。インシュレータは、樹脂成形部と、樹脂成形部に接続され、少なくともティース部の周方向端面の一部を覆うように配置された絶縁紙20とを有する。絶縁紙20は、ティース部の周方向端面を覆う一対のスロット壁20aと、スロット壁20a同士を連結する連結壁20gと、を有する。樹脂成形部は、絶縁紙20の連結壁20g及びティース部の積層方向端面に対向する一対の壁部を有するように、ティース部及び絶縁紙20に対して一体にモールドされる。【選択図】図9

Description

この発明は、車両駆動や回生発電等に用いられる回転電機のコイル巻回部品、その製造方法、ステータ、及び、回転電機に関するものである。
車両駆動や回生発電等に用いられる回転電機においては、ステータやロータがコイル導線を巻回するためのコイル巻回部品を備えている。
例えば、ステータでは、円環状に配置される複数の分割ステータ片がコイル巻回部品と、そのコイル巻回部品に巻回されるコイル導線によって構成されるものが知られている。
ここで用いられるコイル巻回部品は、電磁鋼板等の磁性を有するプレートを複数積層して構成されるコアと、コアに被着される絶縁樹脂等から成るインシュレータと、を備えている。コアは、コイル導線が巻回されるティース部と、そのティース部の延出方向の両端部に形成されて、ティース部とともに略コ字状のコイル保持スロットを形成する鍔部と、を有している。インシュレータは、通常、割筒状の複数の分割ブロックによって形成され、コアのティース部の外周に外側から取り付けられる。また、インシュレータの分割ブロックには、コアの鍔部の少なくとも一部を覆う鍔被い部が設けられ、ティース部と鍔部によって形成されるコイル保持スロットがインシュレータによって被われるようになっている。
ところで、コイル巻回部品においては、回転電機の起磁力を高めるうえでコイル導線の占積率が重要となる。このため、コアに被着されるインシュレータを薄肉化することが有効となるが、インシュレータの全体を絶縁樹脂によって成形する場合にはその薄肉化に限界がある。
そこで、インシュレータのコイル巻回部の一部を絶縁紙によって形成したコイル巻回部品が案出されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のコイル巻回部品は、コアが断面矩形状に形成され、相反する略平行な二面がコイル保持スロットの一部を構成するようになっている。また、このコイル巻回部品は、インシュレータが割筒状の一対の分割ブロックによって形成され、各分割ブロックのうちの、コイル保持スロットを構成するコアの前記二面に被着される部分が絶縁紙によって形成されるとともに、絶縁紙の両端部(分割ブロック同士が突き合わされる部分)が絶縁樹脂に接合されて当該絶縁樹脂に保持されている。
このコイル巻回部品は、インシュレータの一対の分割ブロックがコアの外面に取り付けられた状態において、インシュレータのコイル巻回部にコイル導線が巻回される。なお、コアは、磁性を有する複数のプレートを積層して構成されており、インシュレータの薄肉の絶縁紙は、コアのコイル保持スロットにおいて、複数のプレートの積層部を覆うようにコアに被着されている。
国際公開第2013/133337号
特許文献1に記載のコイル巻回部品は、コイル保持スロットを構成するコアの相反する二面を覆うように、インシュレータに二枚の絶縁紙が設けられている。このため、コイル巻回部品を製造するにあたって部品点数が多くなるとともに、コイル巻回部品を製造する際に絶縁紙の組み付けが煩雑になる。特に、コイル巻回部品の製造時に、二枚の絶縁紙が相互にずれないように位置決めすることは非常に困難な作業となる。
そこでこの発明は、部品点数の削減を図り、かつ、容易に製造することができる回転電機のコイル巻回部品、その製造方法、ステータ、及び、回転電機を提供しようとするものである。
この発明に係る回転電機のコイル巻回部品では、上記課題を解決するために以下の構成を採用した。
請求項1に係る発明は、磁性を有する複数のプレートを積層して構成されるとともに、径方向に沿って延びてコイル導線(例えば、実施形態のコイル導線2)が巻回されるティース部(例えば、実施形態のティース部12)を有するコア(例えば、実施形態のコア9)と、前記コアの前記ティース部に固定され、前記コアと前記コイル導線の間に介在するインシュレータ(例えば、実施形態のインシュレータ10)と、を備えた回転電機のコイル巻回部品において、前記インシュレータは、樹脂成形部(例えば、実施形態の樹脂成形部40)と、前記樹脂成形部に接続されるとともに、少なくとも前記ティース部の周方向端面の一部を覆うように配置された絶縁シートと、を有し、前記絶縁シートは、前記ティース部の周方向端面を覆う一対のスロット壁(例えば、実施形態のスロット壁20a)と、当該一対のスロット壁同士を連結する連結壁(例えば、実施形態の連結壁20g)と、を有するとともに、前記連結壁の対向面側が開口することでコ字状の断面形状に形成され、前記樹脂成形部は、前記絶縁シートの前記連結壁及び前記ティース部の積層方向端面に対向する一対の壁部(例えば、実施形態の前壁16b,後壁16c)を有するように、前記ティース部及び前記絶縁シートに対して一体にモールドされていることを特徴とするものである。
これにより、インシュレータを構成する絶縁シートが一枚になり、絶縁シートの一対のスロット壁を連結する連結壁が、コアのティース部の積層方向の一方の端面を被覆し、絶縁シートの一対のスロット壁がティース部の周方向の両側の端面を被覆することになる。また、樹脂成形部はティース部と絶縁シートに対して一体にモールドされ、樹脂成形部の一対の壁部は、それぞれ絶縁シートの連結壁とティース部の積層方向端面とに当接する。
また、絶縁シートの積層方向の一端側と他端側とが樹脂成形部によって保持されるため、コアに被着されるインシュレータの剛性が高まる。このため、コイル導線の巻回時にインシュレータの絶縁シートに皺や撓みが生じにくくなる。
ここで、絶縁シートと樹脂成形部を予め一体のインシュレータとして形成しておき、そのインシュレータをコアのティース部に嵌め込むことを考えた場合、以下の不都合が生じる。
インシュレータを、コアの積層方向厚みのばらつきを考慮した上でティース部に挿入可能となる大きさに形成しなければならないため、コアとインシュレータとの間に隙間が生じてしまううえ、コイル巻回部品のサイズが大きくなり、さらにコイル導線の占積率も低下するおそれがある。
さらに、絶縁シートが、例えば、筒状に形成されて、その筒状部分がティース部の周囲を覆う場合には、コアの積層方向厚みのばらつきによって、絶縁シートに余長が生じてしまうことによって皺や歪みが発生することが懸念される。
これに対し、請求項1に係る発明においては、樹脂成形部が、絶縁シートの連結壁とティース部の積層方向端面にそれぞれ対向する一対の壁部を有するように、ティース部と絶縁シートに対して一体にモールドされているため、コアが複数のプレートを積層して構成されていることに起因してコアの積層方向厚みにばらつきが生じている場合であっても、樹脂成形部がコアに密着するように成形されるため、コアの積層方向厚みのばらつきを樹脂成形部によってキャンセルすることができ、サイズの増大や占積率の低下を抑制することができる。
また、請求項1に係る発明によれば、絶縁シートが、連結壁の対向面側が開口するようにコ字状の断面形状に形成されているため、コアの積層方向厚みにばらつきが生じている場合であっても、絶縁シートの皺や歪みを抑制しながらティース部の表面に絶縁シートを密着させてインシュレータを形成することができ、占積率の低下を抑制することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る回転電機のコイル巻回部品において、前記コアは、前記ティース部の径方向端部から側方に張り出す鍔部(例えば、実施形態の鍔部11a,13a)をさらに有し、前記樹脂成形部は、前記鍔部を被い、かつ前記複数のプレートを積層方向に跨いで、前記一対の壁部を接続する部分を有する。
この場合、絶縁シートの連結壁を挟んでティース部の積層方向の一端側に配置される樹脂成形部の一方の壁部と、ティース部の積層方向の他端側に配置される樹脂成形部の他方の壁部とが、コアの鍔部を被覆する樹脂成形部によって連結されるため、インシュレータの剛性、特に、インシュレータのコイル巻回方向の剛性が効率良く高められる。したがって、コイル導線の巻回時にインシュレータの絶縁シートに皺や撓みが生じるのを有効に防止することができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る回転電機のコイル巻回部品において、前記絶縁シートには、前記スロット壁から屈曲して延出して、前記鍔部を覆う樹脂成形部に接合される屈曲延出部(例えば、実施形態の第1の屈曲延出部120b,第2の屈曲延出部120c)が設けられるようにした。
この場合、コアの鍔部を被覆する樹脂成形部が、絶縁シートを新たに追加することなく、一枚の絶縁シートの屈曲延出部によって補強されることになる。また、この場合、絶縁シートの一対のスロット壁の延出方向と交差する方向の端縁が、鍔部を覆う樹脂成形部によって高い剛性をもって保持されることになる。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る回転電機のコイル巻回部品において、前記絶縁シートには、前記屈曲延長部から前記鍔部よりも積層方向外側に延出する延長部が設けられるようにしても良い。
この場合、コアの鍔部よりも積層方向外側に延出する延長部が絶縁シートに設けられているため、コアのティース部にインシュレータを挟んでコイル導線が巻回されたときに、ティース部の積層方向端部付近に位置されるコイル導線とコアの鍔部の間に絶縁シートの延長部が介在されることになる。これにより、コイル導線と鍔部の間の沿面距離が長くなり、絶縁性能が向上する。
請求項5に係る発明は、請求項2〜4のいずれか1項に係る回転電機のコイル巻回部品の製造方法において、前記コアと前記絶縁シートをインサートして樹脂を充填する成形型(例えば、実施形態の成形型25)を用意し、前記絶縁シートを取り付けた前記コアを前記成形型内にセットし、前記絶縁シートの前記連結壁の外表面に対向する前記壁部に位置するゲート(例えば、実施形態のゲート35)から前記成形型内のキャビティに前記樹脂を射出充填して、前記絶縁シートの前記連結壁を被覆する領域から前記鍔部を被覆する領域を経由して前記ティース部の積層方向の端面を被覆する領域に前記絶縁樹脂を流し込むようにした。
これにより、コイル巻回部品のインサート成形時に、成形型のゲートから樹脂を射出すると、樹脂が絶縁シートの連結壁の外表面に当たり、コアの鍔部を被覆する部分を経由して、その樹脂がティース部の積層方向の端面を被覆する領域にスムーズに流れ込むようになる。このため、コイル巻回部品の成形時におけるコアからの絶縁シートの浮きや剥がれが抑制される。したがって、この製造方法を採用することにより、コイル巻回部品の製品品質を高めることができる。
請求項6に係る発明は、請求項5に係る回転電機のコイル巻回部品の製造方法において、前記ゲートを、前記絶縁シートの前記連結壁の外表面のうちの、前記絶縁シートの対称面(例えば、実施形態の対称面s)を通る位置に配置し、当該ゲートから前記成形型内のキャビティに前記樹脂を射出充填するようにした。
これにより、コイル巻回部品のインサート成形時に、成形型のゲートから樹脂を射出すると、その樹脂がコアの鍔部を被覆する部分を経由して、ティース部の積層方向の端面を被覆する領域のうちの、絶縁シートの存在する部分よりも中央側において合流するようになる。このため、絶縁シートと樹脂の接合境界部にウェルドラインが生じることがなくなり、コイル巻回部品のインサート成形時に、絶縁シートのスロット壁の背部側に樹脂が流れ込みにくくなる。この結果、成形時におけるコアからの絶縁シートの浮きや剥がれをより有効に防止することが可能になる。
請求項7に係る回転電機のスタータは、請求項1〜4のいずれか1項に係るコイル巻回部品にコイル導線を巻回して分割ステータ片(例えば、実施形態の分割ステータ片6)が構成され、当該分割ステータ片が円環状に複数組み付けられるようにした。
請求項8に係る回転電機は、請求項7に記載のステータを備えるようにした。
この発明によれば、絶縁シートが、一対のスロット壁とスロット壁同士を連結する連結壁とを有するコ字状の断面形状に形成され、樹脂成形部が、絶縁シートの連結壁及びティース部の積層方向端面に対向する一対の壁部を有するように、ティース部及び絶縁シートに対して一体にモールドされているため、絶縁シートの部品点数を削減することができ、しかも、一枚の絶縁シートの一対のスロット壁でティース部の周方向両側の端面を覆うことから、絶縁シートをコアに容易に位置決めして組み付けることができる。したがって、コイル巻回部品の製造の容易化を図ることができる。
この発明の第1の実施形態の回転電機のステータの正面図である。 この発明の第1の実施形態のステータの分割ステータ片の斜視図である。 この発明の第1の実施形態のステータの分割ステータ片の側面図である。 この発明の第1の実施形態のコイル巻回部品の斜視図である。 この発明の第1の実施形態のコイル巻回部品の斜視図である。 この発明の第1の実施形態のコイル巻回部品の図4のVI−VI断面に対応する断面図である。 この発明の第1の実施形態のコイル巻回部品の側面図である。 この発明の第1の実施形態のコイル巻回部品の絶縁紙の斜視図である。 この発明の第1の実施形態のコイル巻回部品のコアに絶縁紙を組み付ける様子を示す斜視図である。 この発明の第1の実施形態のコイル巻回部品を製造する成形型の断面図である。 この発明の第1の実施形態のコイル巻回部品を製造する成形型の断面図である。 この発明の第1の実施形態のコイル巻回部品の後面図である。 この発明の第2の実施形態のコイル巻回部品の絶縁紙の斜視図である。 この発明の第3の実施形態のコイル巻回部品の絶縁紙の斜視図である。 この発明の第4の実施形態のコイル巻回部品の一部の斜視図である。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
最初に、図1〜図12に示す第1の実施形態について説明する。
図1は、この実施形態の回転電機に組み込まれるステータ1を示す図である。
この実施形態の回転電機は、電気自動車やハイブリッド車両の車両駆動と回生発電等に用いられる三相交流式の回転電機であり、円環状のステータ1の内側には、図示しないロータが回転可能に配置されている。ロータは減速機構等を介して車両の車軸に動力伝達可能に連結されている。
ステータ1は、複数のコイル導線2を突極集中巻きで実装した円環状のステータ本体3と、そのステータ本体3が圧入固定される略円筒状のホルダ4を備え、ステータ本体3からホルダ4の径方向外側に引き出されたU相,V相,W相の各コイル導線2の給電側の端部に、それぞれ対応する相の給電端子5U,5V,5Wが接続されている。この実施形態においては、コイル導線2は横長の矩形断面の平角線が採用されている。
ステータ本体3は、複数の分割ステータ片6が円環状に組み付けられて構成されている。各分割ステータ片6は、正面視が略扇状のコイル巻回部品7にコイル導線2が巻回されている。コイル巻回部品7に巻回された各コイル導線2の一端側は、各相毎にまとめられて対応する相の給電端子5U,5V,5Wに接続され、各コイル導線2の他端側は中点連結部15において相互に接続されている。したがって、この実施形態のステータ1においては、各相のコイル導線2がY字結線で接続されている。
図2は、コイル巻回部品7にコイル導線2が巻回された分割ステータ片6を示す斜視図であり、図3は、分割ステータ片6の側面図である。また、図4,図5は、コイル巻回部品7の斜視図である。なお、他の図も含め、図中矢印R,Axは、それぞれステータ本体3についての半径方向と軸方向を示すものとする。
コイル巻回部品7は、電磁鋼板等の磁性を有する複数のプレート8が積層されて構成されたコア9と、コア9の外域に被着されてコア9を電気的に絶縁するインシュレータ10と、を備えている。コア9を構成する複数のプレート8は、ステータ本体3の軸方向Axに沿って積層されている。
図6は、図4のVI−VI断面に対応するコイル巻回部品7の断面図であり、図7は、コイル巻回部品7の側面図である。
コア9は、ステータ本体3の外周側の円環領域を構成するバックヨーク部11と、バックヨーク部11の内周側からステータ本体3の半径方向Rの内側に向かって突出するティース部12と、ティース部12の延出端に設けられる磁気入出部13と、を備えている。バックヨーク部11は、ステータ本体3の円周方向に沿って両側に張り出す一対の鍔部11a,11aを有し、磁気入出部13も同様に、ステータ本体3の円周方向に沿って両側に張り出す一対の鍔部13a、13aを有している。バックヨーク部11は、ホルダ4内に圧入される際に、隣接するコア9同士を接続して円環状の磁路を形成する。
なお、バックヨーク部11の径方向外側の端部には、コア9を構成する各プレート8に跨って形成される位置決め溝48が形成されている。この位置決め溝48は、後に詳述するように、製造時にコア9を成形型内に位置決めする際等に用いられる。
この実施形態のティース部12は、延出方向と直交する断面が軸方向Axに長い矩形状に形成されているが、以下では、説明の便宜上、ティース部12の軸方向Axの一方の端面を「前側端面12c」、他方の端面を「後側端面12d」、これら前側端面12c、後側端面12dと交差する両側の端面を「側端面12e」と呼ぶものとする。この実施形態においては、ティース部12の側端面12eと、鍔部11a,11aの下面と、鍔部13a,13aの上面とがコア9におけるコイル保持スロットを構成している。また、ティース部12の両側の側端面12e,12eは、相反する略平行な二面を構成し、前側端面12cは、前記略平行な二面と交差する一方の交差面を構成し、後側端面12dは、前記略平行な二面と交差する他方の交差面を構成している。
インシュレータ10は、コア9のティース部12の外周面と、鍔部11a,11a,13a,13aの一部を覆うコイル巻回部16と、コイル巻回部16に巻回されたコイル導線2の始端側と終端側の引き出し部を案内する導線案内部17と、を備えている。導線案内部17は、ティース部12の前側端面12cを覆う領域から径方向Rの外側に延出する支持壁17aと、その支持壁17aから軸方向Axに向かって突設された案内壁17bと、を有している。
インシュレータ10のコイル巻回部16は、コア9のティース部12の側端面12e,12eを覆う側壁16a,16aと、ティース部12の前側端面12cを覆う前壁16bと、ティース部12の後側端面12dを覆う後壁16cと、バックヨーク部11側の鍔部11aの下面を覆う外側フランジ16dと、磁気入出部13側の鍔部13aの上面側を覆う内側フランジ16eと、を有している。なお、外側フランジ16dの前壁16bに連接する部分には、コイル巻回部16に巻回されたコイル導線2の始端側と終端側の引き出し部を導線案内部17側に引き出すための凹部18が設けられている。
なお、この実施形態においては、前壁16bと後壁16cとが、ティース部12の積層方向両端面に当接する壁部を構成している。
インシュレータ10は、絶縁紙20と絶縁樹脂によって形成されている。絶縁紙20は、コイル巻回部16の両側の側壁16a,16aと前壁16bに亘って用いられている。ここで用いられる絶縁紙20としては、アラミド絶縁紙等の電気絶縁性と強度に優れた紙素材であることが望ましい。
インシュレータ10は、後に詳述するように、コア9と絶縁紙20を成形型内に配置し、その状態で成形型内に絶縁樹脂を充填することによってコア9と一体に成形されている。この実施形態においては、インシュレータ10のうちの、型成形時に絶縁樹脂によって形成される部分(絶縁紙20以外の部分)が樹脂成形部40を構成している。
図8は、インシュレータ10に用いられる絶縁紙20を示す図である。また、図9は、製造時にコア9に絶縁紙20を組み付けた状態を示す図である。
インシュレータ10に用いられる絶縁紙20は、長方形状の一対のスロット壁20a,20aと、スロット壁20a,20aの長手方向の端部同士を連結する正方形状の連結壁20gと、を有するコ字状の断面形状に形成されている。絶縁紙20は、長尺な帯状の紙材が長手方向の二か所で直角に折り曲げられ、それによって一対のスロット壁20a,20aと、それらを連結する連結壁20gと、が形成されている。スロット壁20a,20aは、コア9のティース部12のうちの左右の側端面12e,12eに重ねて配置され、連結壁20gは、ティース部12のうちの前側端面12cに重ねて配置される。
図4〜図7に示すように、インシュレータ10のコイル巻回部16の両側の側壁16aは、ほぼ絶縁紙20のスロット壁20a単独で構成されている。絶縁紙20のスロット壁20aは、ティース部12のコイル保持スロット領域の複数のプレート8の積層部に被着される。
インシュレータ10のコイル巻回部16の前壁16bは、絶縁紙20の連結壁20gがコア9の前側端面12cに重ねられ、その連結壁20gの外側面に絶縁樹脂が接合されている。連結壁20gは、前壁16bの絶縁樹脂内に埋設されている。
また、インシュレータ10の外側フランジ16dの下面と、内側フランジ16eの上面と、導線案内部17とは、絶縁樹脂単体で構成されている。外側フランジ16dと内側フランジ16eは、コア9のバックヨーク部11と磁気入出部13において、複数のプレート8の積層部(円周方向の端面)を跨ぐように軸方向Axに延出している。また、絶縁樹脂によって形成されるインシュレータ10の前壁16bと後壁16cの上部は、外側フランジ16dに接合され、前壁16bと後壁16cの下部は、内側フランジ16eに接合されている。外側フランジ16dと内側フランジ16eとは、ティース部12の積層方向両端面にそれぞれ当接する前壁16bと後壁16c(一対の壁部)を相互に接続している。
また、図2,図3,図5等に示すように、インシュレータ10のコイル巻回部16のうちの、前壁16bと一方の側壁16aの外側フランジ16dに隣接するコーナ部付近には、コイル導線2とほぼ同幅の巻回ガイド22が形成されている。この巻回ガイド22は、絶縁樹脂により、前壁16bと側壁16aの一般面に対して膨出して形成されている。巻回ガイド22は、インシュレータ10のコイル巻回部16にコイル導線2を斜めにずらしながら巻き始めるときに、コイル導線2のガイドとして機能する。
絶縁樹脂によって形成される巻回ガイド22の一部22aは、側壁16aの絶縁紙20のスロット壁20aの一部の表面を押さえ込むように膨出している。
つづいて、コイル巻回部品7の製造方法について説明する。
この実施形態のコイル巻回部品7は、コア9と絶縁紙20をインサートしてインシュレータ10の樹脂成形部40が型成形される。
図10,図11は、コイル巻回部品7を製造するための成形型25の断面を示す図である。
成形型25は、コア9を押さえ込んでインシュレータ10の側部を造形する左右の側型25A,25Bと、コア9を径方向Rから押さえ込む下型25C及び上型25Dと、インシュレータ10の前部と後部を造形する前型25E及び後型25Fを備えている。
左右の側型25A,25Bには、コア9のコイル保持スロットに対応する凸部26と、インシュレータ10の外側フランジ16dと内側フランジ16eを造形するためのキャビティ溝27,28が設けられている。また、前型25Eには、インシュレータ10の導線案内部17と外側フランジ16d、前壁16b、内側フランジ16eを一体に造形するためのキャビティ溝29が設けられ、後型25Fには、外側フランジ16dと後壁16cと内側フランジ16eを一体に造形するためのキャビティ溝30が設けられている。
成形型25によってコイル巻回部品7を型成形するに際しては、最初に、コア9のティース部12に絶縁紙20を取り付ける。このとき、絶縁紙20は、一対のスロット壁20aと連結壁20gとを予め折り曲げて形成しておき、図9に示すように、一対のスロット壁20a,20aをその先端側からティース部12の左右の側端面12e,12eにスライドさせて被せ、最終的に連結壁20gをティース部12の前側端面12cに当接させる。これにより、ティース部12の左右の側端面12e,12eと前側端面12cが絶縁紙20のスロット壁20aと連結壁20gによって被われるとともに、絶縁紙20がティース部12に位置決めされる。
次に、この状態において、絶縁紙20が取り付けられたコア9を上型25Dに位置決めしてセットする。このとき、コア9は、バックヨーク部11の位置決め溝48を上型25Dの位置決め突条47に嵌合することにより、上型25Dに対して位置決めする。この後に、成形型25を型締めする。これにより、左右の側型25A,25Bの上下のキャビティ溝27,28が、前型25Eと後型25Fの各キャビティ溝29,30に導通し、その結果、成形型25内にコア9を取り囲む連続したキャビティが形成される。
ここで、成形型25は、図11に示すように、型締め後に溶融した絶縁樹脂をキャビティ内に射出するためのゲート35が前型25Eに形成されている。ゲート35は、前型25Eのうちの、成形型25内にセットされた絶縁紙20の連結壁20gの外表面の略中央位置(図8に示す絶縁紙20の対称面sを通る位置)に対向するように設けられている。なお、ゲート35は、上下方向(径方向)については、略中央位置に限らず図11中に符号35Aを付した上端部領域や、図11中に符号35Bを付した下端部領域に設けるようにしても良い。
この後、成形型25のキャビティに前型25Eのゲート35から絶縁樹脂を射出充填する。こうして、絶縁樹脂が射出充填されると、絶縁樹脂が前型25Eのキャビティ溝29から側型25A,25Bのキャビティ溝27,28を経由して、後型25Fのキャビティ溝30へと流れ込む。これにより、前型25Eのキャビティ溝29に流れ込んだ絶縁樹脂が絶縁紙20の連結壁20gの外表面を覆い、後型25Fのキャビティ溝30に流れ込んだ絶縁樹脂がティース部12の後側端面12dを覆った状態において、絶縁紙20の左右のスロット壁20a,20aの延出端同士を連結するようになる。
また、側型25A,25Bの上側のキャビティ溝27に流れ込んだ絶縁樹脂は、コア9のバックヨーク部11側の鍔部11aの下面を直接被い、側型25A,25Bの下側のキャビティ溝28に流れ込んだ絶縁樹脂は、コア9の磁気入出部13側の鍔部13aの上面を直接覆うことになる。また、側型25A,25Bの各キャビティ溝27,28に流れ込んだ絶縁樹脂は、絶縁紙20のスロット壁20a,20aの長手方向と直交する方向の端部に接合されるとともに、コイル巻回部16の前壁16bと後壁16cを接続することになる。
この後に、成形型25内の絶縁樹脂の固化を待って成形型25を型開きし、造形された成形品(コイル巻回部品7)を成形型25内から取り出す。
以上のように、この実施形態に係るコイル巻回部品7は、インシュレータ10のコイル巻回部16の側壁16aのほぼ全域が絶縁紙20によって形成されているため、コイル導線2を、コイル巻回部16に巻回する際の占積率を効率良く高めることができる。
そして、この実施形態に係るコイル巻回部品7においては、インシュレータ10の絶縁紙20として、コア9の相反する側端面12eを被覆する一対のスロット壁20a,20aと、その一対のスロット壁20a,20aを繋ぐ連結壁20gとを有するものを用いているため、インシュレータ10を構成する絶縁紙の部品点数を削減することができる。
また、この実施形態に係るコイル巻回部品7では、一対のスロット壁20a,20aが連結壁20gで繋がった一枚の絶縁紙20によってコア9の相反する側端面12e,12eと前側端面12cを覆うため、絶縁紙20のスロット壁20a,20aをコア9に正確に位置決めして組み付けることができる。即ち、このコイル巻回部品7の製造に際しては、絶縁紙20の連結壁20gをコア9の前側端面12cに当接させることにより、左右のスロット壁20a,20aを相互にずれなく正確に位置決めすることができる。
したがって、このコイル巻回部品7を採用することにより、製造の容易化を図ることができる。
また、この実施形態に係るコイル巻回部品7は、コア9の後側端面12dに、絶縁紙20のスロット壁20a,20aの延出端同士を結合するように樹脂成形部40(後壁16c)が設けられるだけでなく、コア9の前側端面12cにも、絶縁紙20の連結壁20gの外表面に接合される樹脂成形部40(前壁16b)が設けられているため、絶縁紙20のスロット壁20a,20aの延出方向の両端部を高い剛性をもって保持することができる。このため、この実施形態に係るコイル巻回部品7では、コア9に被着されるインシュレータ10の剛性が高まり、インシュレータ10にコイル導線2を巻回するときに絶縁紙20に皺や弛みが生じるのを未然に防止することができる。
この実施形態に係るコイル巻回部品7においては、さらに、コア9の前側端面12c側を覆う樹脂成形部40(前壁16b)と後側端面12d側を覆う樹脂成形部40(後壁16c)が、コア9の鍔部11a,13aを被覆する樹脂成形部40(外側フランジ16d及び内側フランジ16e)によって連結されるため、インシュレータ10のコイル巻回方向の剛性を効率良く高めることができる。このため、この実施形態に係るコイル巻回部品7の場合、コイル導線2の巻回時にインシュレータ10の絶縁紙20に皺や撓みが生じるのをより有効に防止することができる。
特に、この実施形態に係るコイル巻回部品7においては、樹脂成形部40と一体にモールドされる絶縁紙20が樹脂成形部40の前壁16bと後壁16cだけでなく、コア9を積層方向に跨ぐ外側フランジ16dと内側フランジ16eによっても保持されている。このため、絶縁紙20をより高い剛性をもって安定的に保持することができる。したがって、コイル導線2の巻回時における絶縁紙20の位置ずれを効果的に抑制することができる。
一般に、複数のプレートを積層してコアを構成する場合、プレート同士を複数箇所でかしめて相互の位置ずれを規制する必要がある。これに対し、この実施形態に係るコイル巻回部品7の場合、積層したプレート8の周域が、樹脂成形部40の前壁16b及び後壁16cと、これらに接合された絶縁紙20と外側フランジ16d及び内側フランジ16eとによって密に取り囲まれているため、プレート8同士を複数箇所でかしめなくてもプレート8同士の位置ずれを防止するこどできる。このため、かしめ部に起因する渦電流損失の発生を未然に防止することができる。
また、この実施形態に係るコイル巻回部品7は、樹脂成形部40が、ティース部12の積層方向両端面に当接する前壁16b及び後壁16cと、プレート8の積層部を覆う外側フランジ16d及び内側フランジ16eを有するように、ティース部12と絶縁紙20に対して一体にモールドされている。このため、コア9を構成するプレート8の積層方向厚みにばらつきがある場合にも、樹脂成形部40が型成形時にコア9に密着するように形成されるため、コア9の積層方向厚みのばらつきを樹脂成形部40によって吸収することができる。このため、コイル導線2の占積率の低下やインシュレータ10の大型化を抑制することができる。
特に、この実施形態に係るコイル巻回部品7の場合、絶縁紙20の一対のスロット壁20a,20aの一端側が開口しているため、コア9の積層方向厚みにばらつきがある場合にも、絶縁紙20の皺や歪みを抑制しながらティース部12の表面に絶縁紙20を密着させてインシュレータ10を型形成することができる。このため、コイル導線2の占積率を高めるうえでより有利となる。
ところで、この実施形態に係るコイル巻回部品7においては、樹脂成形部40がティース部12と絶縁紙20に対して一体にモールドされてインシュレータ10が構成されているいるが、仮に、樹脂成形部と絶縁紙を先に一体化してインシュレータを形成し、そのインシュレータを後からティース部に嵌め込むようにした場合には、ティース部の径方向の端部に鍔部を形成することができなくなる。この場合、回転電機の運転時にトルクの脈動が生じ易くなり、騒音の増大や仕事率の低下を来し易くなる。
これに対して、この実施形態に係るコイル巻回部品7においては、このような不具合を生じることもない。
また、この実施形態に係るコイル巻回部品7は、コア9が周方向に複数に分割された分割コア片であり、その分割コア片が複数環状に配列されてステータ本体3の一部として用いられている。このため、樹脂成形部40と一体にモールドされるコア9の形状を簡素化できることから、成形型の形状を単純化できるうえ、成形型に絶縁紙20を容易にかつ正確に配置することができる。したがって、この構造を採用することにより、絶縁紙20を成形型内に正確に位置決めして、ティース部12に密着させることができる。
さらに、コイル巻回部品7の前述した製造方法においては、成形型25のうちの、絶縁紙20の連結壁20gの外表面に対向する位置にゲート35を設け、そのゲート35から成形型25内のキャビティに絶縁樹脂を射出充填して、絶縁紙20の連結壁20gを被覆する領域からコア9の鍔部11a,13aを被覆する領域を経由してコア9の後側端面12dを被覆する領域に絶縁樹脂を流し込むようにしている。このため、ゲート35から射出された絶縁樹脂は、絶縁紙20の連結壁20gの外表面に当たった後に、コア9の鍔部11a,13aを被覆する部分を経由してコア9の後側端面12dを被覆する領域にスムーズに流れ込むようになる。
したがって、この製造方法を採用することにより、コイル巻回部品7の型成形時におけるコア9からの絶縁紙20の浮き上がりや剥がれを抑制し、コイル巻回部品7の製品品質を高めることができる。
また、特に、上述した製造方法においては、絶縁紙20の連結壁20gの外表面のうちの絶縁紙20の対称面sを通る位置にゲート35を配置し、そのゲート35から成形型25のキャビティに絶縁樹脂を射出充填するようにしているため、絶縁紙20と絶縁樹脂の接合境界部(スロット壁20a,20aの延出端の近傍)にウェルドラインが生じなくなる。即ち、連結壁20gの外表面の対称面sと交差する位置に向かって射出された絶縁樹脂は、コア9の後側端面12dに回り込んだ後に後側端面12dの幅方向のほぼ中央位置で合流することになり、絶縁紙20のスロット壁20aの延出端部分にはウェルドラインが生じなくなる。
図12は、コイル巻回部品7を後方側から見た図である。上述の製造方法によって形成されたコイル巻回部品7には、同図に示すように、コア9の後側端面12dの幅方向略中央位置にウェルドラインWが生じる。
したがって、この製造方法を採用することにより、成形時におけるコア9からのスロット壁20aの浮き上がりや剥がれをより有効に防止することができる。
図13は、第2の実施形態のコイル巻回部品の絶縁紙120を示す図である。この第2の実施形態のコイル巻回部品は、上述した第1の実施形態のものとは絶縁紙120の形状が異なり、他の部分はほぼ同様の構造とされている。
この第2の実施形態の絶縁紙120は、第1の実施形態のものと同様に、長方形状の一対のスロット壁120a,120aと、スロット壁120a,120aの長手方向の端部同士を連結する正方形状の連結壁120gと、を有するコ字状の断面形状に形成されているが、各スロット壁120aには、さらに第1の屈曲延出部120bと第2の屈曲延出部120cが延設されている。
第1の屈曲延出部120bは、スロット壁120aの長手方向と直交する方向の一端部において、スロット壁120aに対して外側に略直角に折り曲げられ、第2の屈曲延出部120cは、スロット壁120aの長手方向と直交する方向の他端部において、スロット壁120aに対して外側に略直角に折り曲げられている。この実施形態の場合、第1の屈曲延出部120bの延出長さは第2の屈曲延出部120cの延出長さよりも長く設定されている。第1の屈曲延出部120bは、コアのバックヨーク部側の鍔部の下面に重ねられて配置され、第2の屈曲延出部は、コアの磁気入出部側の鍔部の上面に重ねられて配置される。
第1の屈曲延出部120bは、インシュレータの外側フランジの絶縁樹脂に埋設されて接合され、第2の屈曲延出部120cは、インシュレータの内側フランジの絶縁樹脂に埋設されて接合される。
この第2の実施形態のコイル巻回部品を製造する場合にも、第1の実施形態と同様の成形型が用いられ、絶縁紙120を取り付けたコアがその成形型内にセットされる。コアとともに成形型内にセットされた絶縁紙120の連結壁120gの外表面側にはゲートから絶縁樹脂が射出される。この実施形態の場合も、ゲートは絶縁紙120の連結壁120gの外表面のうちの絶縁紙120の対称面sを通る位置に配置される。ゲートから射出された絶縁樹脂は、図13中の矢印で示すように、絶縁紙120の連結壁120gの外表面に当たった後に、コアの上下の鍔部を被覆する部分を経由してコアの後側端面を被覆する領域にスムーズに流れ込む。この場合も、成形型のゲートが絶縁紙120の対称面sを通る位置に配置されているため、絶縁紙120のスロット壁120aの延出端部分にはウェルドラインが生じなくなる。
この第2の実施形態に係るコイル巻回部品は、スロット壁120a,120aから屈曲して延出して鍔部の絶縁樹脂に接合される第1の屈曲延出部120bと第2の屈曲延出部120cが絶縁紙120に一体に設けられている。このため、コアの上下の鍔部を覆う樹脂を、絶縁紙の部品点数を追加することなく一枚の絶縁紙120によって補強することができる。さらに、この第2の実施形態に係るコイル巻回部品においては、絶縁紙120のスロット壁120aを第1の屈曲延出部120bと第2の屈曲延出部120cを介して鍔部を覆う絶縁樹脂に高い剛性を持って保持させることができる。
図14は、第3の実施形態のコイル巻回部品の絶縁紙220を示す図である。この第3の実施形態のコイル巻回部品は、第1の実施形態のものとは絶縁紙220の形状が異なり、他の部分はほぼ同様の構造とされている。
この第3の実施形態の絶縁紙220は、長方形状の一対のスロット壁220a,220aと、スロット壁220a,220aの長手方向の端部同士を連結する正方形状の連結壁220gと、スロット壁220a,220aの径方向の一端部と他端部から周方向外側向きに屈曲して延出する第1の屈曲延出部220b及び第2の屈曲延出部220cと、各スロット壁220aの前側の端部からコア9の積層方向端部よりも外側に延出するスロット壁延長部220a−Eと、各第1の屈曲延出部220bの前側の端部からコア9(鍔部11a)の積層方向端部よりも外側に延出する延長部220b−Eと、を備えている。
絶縁紙220のスロット壁延長部220a−Eは、連結壁220gとスロット壁220aの間の連結部分を二つ折りにして、スロット壁220aから前方に直線的に延出させて形成されている。スロット壁延長部220a−Eと延長部220b−Eは、いずれも連結壁220gよりも外側に(コアの積層方向外側に)突出している。
この第3の実施形態のコイル巻回部品を製造する場合、第1の実施形態と同様の成形型が用いられ、絶縁紙220を取り付けたコア9がその成形型内にセットされる。成形型のゲートは、絶縁紙220の対称面sを通る位置に配置される。ゲートからは絶縁紙220の連結壁220gの外表面側に向かって樹脂が射出される。ゲートから射出された樹脂は、図14中の矢印で示すように、絶縁紙220の連結壁220gの外表面に当たった後に、スロット壁延長部220a−Eを乗り越えてコア9の上下の鍔部11a,13aを被覆する部分を経由してコア9の後側端面を被覆する領域に流れ込む。なお、スロット壁延長部220a−Eを乗り越えた樹脂は、延長部220b−Eと第1の屈曲延出部220bの下面側を流れてキャビティ内に充填され、このとき樹脂成形部の外側フランジと、外側フランジからコア9の積層方向端部よりも外側に延出する部分が造形される。
こうして製造されたコイル巻回部品は、インシュレータ10を挟んでティース部12にコイル導線が巻回されると、ティース部12の前側の積層方向端部付近に位置されるコイル導線とコア9の鍔部11aの間に絶縁紙220の延長部220b−Eが介在されることになる。
このため、この第3の実施形態のコイル巻回部品を用いた場合には、巻回されるコイル導線とコア9の鍔部11aとの間の沿面距離が長くなり、絶縁性能が向上する。
図15は、第4の実施形態のコイル巻回部品の一部を示す図である。
第4の実施形態のコイル巻回部品は、絶縁紙120は第2の実施形態のものと同様のものを用いている。ただし、絶縁紙120の連結壁120gの後面側に、連結壁120gと略同形状(正方形状)の肉厚のスペーサブロック55が配置されている。
この第4の実施形態のコイル巻回部品を製造する場合にも、第1の実施形態と同様の成形型が用いられる。成形型内には、絶縁紙120とスペーサブロック55を取り付けたコア9がセットされる。このとき、絶縁紙120の連結壁120gの後面側にはスペーサブロック55が配置されているため、コア9は、連結壁120gに対して、スペーサブロック55の厚み分だけ後方側にオフセットして配置される。このため、絶縁紙120のスロット壁120aの一部と第1の屈曲延出部120bの一部は、コア9の積層方向端部よりも外側に位置される。したがって、この実施形態においては、スロット壁120aと第1の屈曲延出部120bの各一部が、第3の実施形態のスロット壁延長部220a−Eと延長部220b−Eに対応する、スロット壁延長部120a−Eと延長部120b−Eとして機能する。
成形型のゲートから絶縁紙120の連結壁120gの外表面側に向かって樹脂が射出されると、図15中の矢印で示すように、その樹脂が絶縁紙120の連結壁120gの外表面に当たった後に、スロット壁延長部120a−Eを乗り越えてコア9の上下の鍔部11a,13aを被覆する部分を経由してコア9の後側端面を被覆する領域に流れ込む。スロット壁延長部120a−Eを乗り越えた樹脂は、延長部120b−Eと第1の屈曲延出部120bの一般部の下面側を流れてキャビティ内に充填され、このとき樹脂成形部の外側フランジと、外側フランジからコア9の積層方向端部よりも外側に延出する部分が造形される。
こうして製造された第4の実施形態のコイル巻回部品の場合も、ティース部12の前側の積層方向端部付近に位置されるコイル導線と、コア9の鍔部11aの間に、絶縁紙120の延長部120b−Eが介在されることになる。このため、巻回されるコイル導線とコア9の鍔部11aとの間の沿面距離が長くなり、絶縁性能が向上する。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態においては、インシュレータの絶縁シートとして絶縁紙を用いているが、絶縁シートは絶縁紙に限らず、絶縁性の樹脂等からなる絶縁フィルムであっても良い。
1…ステータ
2…コイル導線
6…分割ステータ片
7…コイル巻回部品
9…コア
10…インシュレータ
11a…鍔部
12…ティース部
13a…鍔部
16b…前壁(壁部)
16c…後壁(壁部)
20,120…絶縁紙(絶縁シート)
20a,120a…スロット壁
20g,120g…連結壁
25…成形型
35…ゲート
40…樹脂成形部
120b…第1の屈曲延出部(屈曲延出部)
120c…第2の屈曲延出部(屈曲延出部)
s…対称面

Claims (8)

  1. 磁性を有する複数のプレートを積層して構成されるとともに、径方向に沿って延びてコイル導線が巻回されるティース部を有するコアと、
    前記コアの前記ティース部に固定され、前記コアと前記コイル導線の間に介在するインシュレータと、を備えた回転電機のコイル巻回部品において、
    前記インシュレータは、
    樹脂成形部と、
    前記樹脂成形部に接続されるとともに、少なくとも前記ティース部の周方向端面の一部を覆うように配置された絶縁シートと、を有し、
    前記絶縁シートは、前記ティース部の周方向端面を覆う一対のスロット壁と、当該一対のスロット壁同士を連結する連結壁と、を有するとともに、前記連結壁の対向面側が開口することでコ字状の断面形状に形成され、
    前記樹脂成形部は、
    前記絶縁シートの前記連結壁及び前記ティース部の積層方向端面に対向する一対の壁部を有するように、前記ティース部及び前記絶縁シートに対して一体にモールドされていることを特徴とする回転電機のコイル巻回部品。
  2. 前記コアは、前記ティース部の径方向端部から側方に張り出す鍔部をさらに有し、
    前記樹脂成形部は、前記鍔部を被い、かつ前記複数のプレートを積層方向に跨いで、前記一対の壁部を接続する部分を有していることを特徴とする請求項1に記載の回転電機のコイル巻回部品。
  3. 前記絶縁シートには、前記スロット壁から屈曲して延出して、前記鍔部を覆う樹脂成形部に接合される屈曲延出部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の回転電機のコイル巻回部品。
  4. 前記絶縁シートには、前記屈曲延長部から前記鍔部よりも積層方向外側に延出する延長部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機のコイル巻回部品。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の回転電機のコイル巻回部品の製造方法において、
    前記コアと前記絶縁シートをインサートして樹脂を充填する成形型を用意し、
    前記絶縁シートを取り付けた前記コアを前記成形型内にセットし、
    前記絶縁シートの前記連結壁の外表面に対向する前記壁部に位置するゲートから前記成形型内のキャビティに前記樹脂を射出充填して、前記絶縁シートの前記連結壁を被覆する領域から前記鍔部を被覆する領域を経由して前記ティース部の積層方向の端面を被覆する領域に前記絶縁樹脂を流し込むことを特徴とする回転電機のコイル巻回部品の製造方法。
  6. 前記ゲートを、前記絶縁シートの前記連結壁の外表面のうちの、前記絶縁シートの対称面を通る位置に配置し、当該ゲートから前記成形型内のキャビティに前記樹脂を射出充填することを特徴とする請求項5に記載の回転電機のコイル巻回部品の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のコイル巻回部品にコイル導線を巻回して分割ステータ片が構成され、当該分割ステータ片が円環状に複数組み付けられていることを特徴とする回転電機のスタータ。
  8. 請求項7に記載のステータを備えていることを特徴とする回転電機。
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