JP2011229283A - 回転電機のスロット絶縁物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転電機の鉄心のスロット内に配置されるものにあって、鉄心の端面から突出している部分の突出長さを小さくする。
【解決手段】スロット絶縁物15を、固定子鉄心のスロットの内面に沿って配置されるほぼU字状に曲げ加工された絶縁材製の絶縁シート17と、その絶縁シート17の上下両端部の外面側にインサート成型により一体的に設けられ、固定子鉄心の端面に係止されるU字形をなす合成樹脂製の係止凸部18とから構成する。このとき、絶縁シート17を固定子鉄心の軸方向寸法よりも若干だけ大きくし、係止凸部18の軸方向寸法hを、例えば1〜2mmとする。
【選択図】図1
【解決手段】スロット絶縁物15を、固定子鉄心のスロットの内面に沿って配置されるほぼU字状に曲げ加工された絶縁材製の絶縁シート17と、その絶縁シート17の上下両端部の外面側にインサート成型により一体的に設けられ、固定子鉄心の端面に係止されるU字形をなす合成樹脂製の係止凸部18とから構成する。このとき、絶縁シート17を固定子鉄心の軸方向寸法よりも若干だけ大きくし、係止凸部18の軸方向寸法hを、例えば1〜2mmとする。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転電機の鉄心のスロット内に配置され、内面側にコイルの辺部が配置される回転電機のスロット絶縁物及びその製造方法に関する。
近年、ハイブリッド自動車や電気自動車などの普及に伴い、小型かつ高出力の電動機の開発が進んでいる。このようなハイブリッド自動車や電気自動車に用いられる電動機の固定子としては、電磁鋼板を積層して構成される固定子鉄心のスロットの内面に、絶縁シート例えばアラミド紙と称される耐熱性合成絶縁紙からなるスロット絶縁物を配置した上で、コイルを巻装する構成のものがある。前記スロット絶縁物1として、従来より、図7に示す構成のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
このスロット絶縁物1は、図7(a)に示すように、絶縁シートを固定子鉄心2のスロット2aの内面形状に沿うような、軸方向に見てU字状に整形すると共に、図7(b)に示すように、固定子鉄心2の端面から軸方向両端部が突出するような長さとされている。そして、スロット絶縁物1の軸方向両端部(一方のみ図示)には、外面側にV字形に折返されたいわゆるカフス曲げ部3が形成されている。このカフス曲げ部3は、その先端が、固定子鉄心2の端面に接触することによって、固定子鉄心2に対するスロット絶縁物1の軸方向の位置ずれを防止すると共に、固定子鉄心2のスロット2aのエッジに対するコイル4の素線を保護する、つまり素線がエッジに接触して傷付くこと防止する機能を果たすようになっている。
しかしながら、上記した従来のスロット絶縁物1では、軸方向両端部にカフス曲げ部3を設けているため、次のような問題点があった。即ち、カフス曲げ部3を加工する際の絶縁シートの良好な曲げ加工性を得るために、カフス曲げ部3にある程度の曲げ寸法kを確保しなければならない。この曲げ寸法kは、例えば、中型のモータで5mm程度、比較的大形のモータでは8mm程度にもなる。
そのため、スロット絶縁物1のうち、固定子鉄心2のスロット2aから出ている部分が大きく(軸方向に長く)なり、その分、コイル4を巻装した場合のコイルエンド部4aの長さ、ひいてはコイル4全体の長さが無駄に大きくなってしまう不具合がある。尚、カフス曲げ部3を設けたものでは、機械的な強度がさほど大きくなく、例えばコイルエンド部4aのフォーミングを行う際に破れが発生しやすいといった事情もあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、回転電機の鉄心のスロット内に配置されるものにあって、鉄心の端面から突出している部分の突出長さを小さくすることができ、ひいてはコイルを巻装した際のコイル全体の長さを短くすることができる回転電機のスロット絶縁物及びその製造方法を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の回転電機のスロット絶縁物は、回転電機の鉄心のスロット内に配置され、内面側にコイルの辺部が配置されるものであって、スロットの内面に沿ってほぼU字状に曲げ加工されていると共に、軸方向の両端部が、鉄心の端面から突出する絶縁材製の絶縁シートと、この絶縁シートの両端部の前記鉄心の端面から突出する部分の外面に、インサート成型により一体化され、該鉄心の端面に係止されて軸方向の移動を規制する合成樹脂製の係止凸部とを有して構成されるところに特徴を有する(請求項1の発明)。
また、本発明の回転電機のスロット絶縁物の製造方法は、転電機の鉄心のスロット内に配置され、内面側にコイルの辺部が配置されるスロット絶縁物を製造するための方法であって、絶縁材製の絶縁シートを、鉄心の端面から突出する長さ寸法に裁断すると共に、スロットの内面に沿うほぼU字状に整形する工程と、裁断及び整形された絶縁シートを成形型内に収容し、該絶縁シートの両端部の前記鉄心の端面から突出する部分の外面に、インサート成型により、該鉄心の端面に係止されて軸方向の移動を規制する合成樹脂製の係止凸部を一体的に設ける工程とを実行するところに特徴を有する(請求項3の発明)。
本発明によれば、スロットの内面に沿うほぼU字状に整形された絶縁シートの両端部の外面側に、従来のカフス曲げ部に代えて係止凸部が設けられる。このとき、係止凸部は、合成樹脂の成形品であるため、カフス曲げ部を設ける場合と比較して、突出方向(軸方向)の寸法を小さくすることができ、突出方向寸法が小さくても、スロット内における軸方向のずれ防止や、鉄心のエッジにコイルの素線が接触しないように保護するといった必要な機能を果たすことができる。
この結果、本発明によれば、鉄心の端面から突出している部分の突出長さを小さくすることができ、コイルを巻装した際のコイル全体の長さを短くすることができる。ひいては、回転電機としての軽量化や効率の向上を図ることが期待できる。また、係止凸部は、カフス曲げ部を設ける場合に比べ、寸法ばらつきが小さく、機械的な強度も得られる。インサート成型を用いているため、例えば別途に成型された係止凸部を、絶縁シートに接着するといった場合に比べて、生産性が高く、安価に製造することができる。
本発明の回転電機のスロット絶縁物においては、前記係止凸部を、前記スロットの周縁部に沿う方向に複数個に分割された形態で設ける構成としても良い(請求項2の発明)。これによれば、スロット絶縁物のU字状の湾曲形状に関して、フレキシブル性が高くなるので、鉄心のスロットに対する挿入作業性の向上を図ることができ、また、複数種類のスロット形状に共用することができる等の利点を得ることができる。
尚、本発明においては、特に限定されるものではないが、上記絶縁シートとしては、例えば、米国デュポン(Du Pont )社のノーメックス(Nomex ;登録商標)等のアラミド紙
(耐熱性合成絶縁紙)、ポリイミドフィルム、ポリエーテル・エーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリフェニレンスルファイド(PPS)フィルム、上記アラミド紙とPPSフィルム或いはポリエステルフィルムとの積層品、合成樹脂を含浸したメタ系アラミド紙等、回転電機に要求される絶縁性や耐熱性、機械的特性などに応じて、様々な材質のものを採用することができる。
(耐熱性合成絶縁紙)、ポリイミドフィルム、ポリエーテル・エーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリフェニレンスルファイド(PPS)フィルム、上記アラミド紙とPPSフィルム或いはポリエステルフィルムとの積層品、合成樹脂を含浸したメタ系アラミド紙等、回転電機に要求される絶縁性や耐熱性、機械的特性などに応じて、様々な材質のものを採用することができる。
上記係止凸部を構成する合成樹脂としても、例えばPPS樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)共重合樹脂、ポリアミド系樹脂、PET樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリアセタール樹脂など、射出成型(インサート成型)が可能なものであれば、要求される絶縁性や耐熱性等に応じて様々な材質のものを採用することができ、更には、ガラスフィラー等を添加することも可能である。
本発明の回転電機のスロット絶縁物及びその製造方法によれば、回転電機の鉄心のスロット内に配置されるものにあって、絶縁シートの両端部に、合成樹脂製の係止凸部をインサート成型により一体的に設けるようにしたので、鉄心の端面から突出している部分の突出長さを小さくすることができ、ひいてはコイルを巻装した際のコイル全体の長さを短くすることができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明を、例えばハイブリッド車や電気自動車に用いられるモータの固定子に適用した第1の実施形態について、図1ないし図5を参照しながら説明する。まず、図2〜図4を参照して、回転電機たるモータの固定子11の概略構成について述べる。図2〜図4に一部を示すように、この固定子11は、固定子鉄心12にコイル13を巻装して構成される。
前記固定子鉄心12は、内部に図示しない回転子が配置される中空部を有したほぼ円筒状をなすと共に、その内周部にコイル13が収容される複数個(例えば24個、36個、48個等)の半開型のスロット14を有して構成される。詳しく図示はしないが、この固定子鉄心12は、例えば電磁鋼板をリング状に打抜いた鉄心片を、軸方向(図で上下方向)に多数枚積層し、かしめ固着して構成される。そして、前記スロット14の内周面に、後述するスロット絶縁物15が配置された状態で、コイル13が巻装される。
尚、前記各スロット14の内周側の開口部には、コイル13が巻装された後に、絶縁材製のくさび16(図2、図4参照)が挿入される。図示はしないが、前記コイル13の層間には、層間絶縁シートが配置される。また、前記コイル13のうち、固定子鉄心12のスロット14から外に出ているコイルエンド部13aは、図示しない縛り糸で縛られた上で整形(レーシング)される。更には、コイル13に対し、絶縁ワニスの滴下含浸処理等が行われる。
さて、本実施形態に係るスロット絶縁物15について、図1及び図5も参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係るスロット絶縁物15は、前記スロット14の内面に沿って配置される絶縁材製の絶縁シート17と、その絶縁シート17の両端部(図で上下両端部)の外面側にインサート成型により一体的に設けられ、固定子鉄心12の端面(スロット14の周囲部)に係止されるU字形(馬蹄形)をなす合成樹脂製の係止凸部18,18とを有して構成される。
前記絶縁シート17は、図5(a),(b)にも示すように、四角形状に裁断されたものを、前記スロット14の内面形状に沿うほぼU字状に曲げ加工してなり、このとき、軸方向(図で上下方向)の寸法は、固定子鉄心12の軸方向寸法よりも若干だけ大きく構成されている。つまり、絶縁シート17は、前記スロット14内に配置された際に、その上下両端部が、固定子鉄心12の端面から若干量(例えば1〜2mm程度)だけ突出する寸法とされている。この絶縁シート17としては、当然高い絶縁性が要求されるだけでなく、高い熱的な耐久性、およびコイル13で発生する熱を固定子鉄心12に逃がす伝熱性が要求され、更に、できるだけ薄いことが好ましい。
本実施形態では、絶縁シート17として、例えば、厚さ5milのアラミド紙と、厚さ50μmのPPSフィルムとを、接着剤を使用せずに直接熱接合により貼合せたものを採用している。この場合、絶縁シート17の外面側がPPSフィルム面とされる。それ以外にも、アラミド紙とポリエステル(PET,PEN,PBT等)フィルムとを直接熱接合により貼合せたもの、耐熱性絶縁紙単体、耐熱性合成樹脂フィルム単体、合成樹脂を含浸したメタ系アラミド紙等、回転電機に要求される絶縁性や耐熱性、機械的特性などに応じて、様々な材質のものを採用することができる。
前記係止凸部18は、断面がほぼ正方形状をなし、軸方向に見てU字形状をなすように構成されている。このとき、係止凸部18の上下方向寸法h(図1、図3参照)は、例えば1〜2mmとされている。この係止凸部18を構成する合成樹脂材料としては、高い絶縁性や耐熱性などを有すると共に、インサート成型に適する(可能な)ものが選定され、本実施形態では、例えばPPS樹脂が採用される。それ以外にも、射出成型(インサート成型)が可能なものであれば、要求される絶縁性や耐熱性等に応じて様々な材質のものを採用することができ、更には、樹脂材料中にガラスフィラー等の添加材を添加することも可能である。
図5(a)〜(d)は、上記したスロット絶縁物15の製造工程を順に示している。即ち、図5(a)に示すように、絶縁シート17は、まず、所定寸法の四角形状に裁断され、次いで、図5(b)に示すように、裁断された絶縁シート17を、前記スロット14の内面形状に沿ったU字状に曲げ加工(整形)する工程が実行される。この曲げ加工は、例えば、図示しない治具(型)を用いて行われる。
次に、図5(c)に示すように、曲げ加工された絶縁シート17に対して、係止凸部18をインサート成型により一体的に設ける工程が実行される。この工程では、一部のみ図示するように、固定型19と、この固定型19に対し上下動する可動型20とを備える成型装置が用いられる。このとき、前記固定型19の上面(型面)には、スロット絶縁物15の外面側の外形形状に応じた断面U字型の凹部19aが設けられている。詳しく図示はしないが、この凹部19aは、両端部に係止凸部18に対応した段差部(一段深くなった部分)を有している。一方、前記可動型20の下面(型面)には、スロット絶縁物15の内面側形状に応じた断面U字型の凸部20aが設けられている。
インサート成型を行うにあたっては、前記固定型19の凹部19a内に、裁断及び整形された絶縁シート17を収容し、可動型20の型締めを行う。この型締め状態では、絶縁シート17は凹部19aと凸部20aとの間で密着状に挟まれて保持されると共に、絶縁シート17の両端部の外面側に、係止凸部18に対応したキャビティ19bが構成される。そして、前記キャビティ19b内に、溶融したPPS樹脂を注入し、冷却・硬化させることにより、図5(d)に示すように、絶縁シート17の両端部に係止凸部18を一体的に有したスロット絶縁物15が得られるのである。
上記のように構成されたスロット絶縁物15は、固定子鉄心12の各スロット14内に配置される。このとき、スロット絶縁物15の絶縁シート17がスロット14の内面に沿うように配置されると共に、図2に一部示すように、係止凸部18が、固定子鉄心12の端面(スロット14の周囲部分)に係止された形態となる。係止凸部18が固定子鉄心12の上下両端面で係止されていることにより、スロット絶縁物15の軸方向のずれが防止される。この場合、両端の係止凸部18はインサート成型により得られるため、絶縁シートを曲げ加工していた従来のカウス曲げ部3に比べて、位置精度、寸法精度が高くなり、スロット14に対するスロット絶縁物15のがたつきを確実に防止することができる。
この状態で、固定子鉄心12にコイル13が巻装されるのであるが、コイル13は、所定の2つのスロット14間に跨るループをなすように巻装される。このとき、コイル13の辺部がスロット14内(絶縁シート17の内面側)に配置され、固定子鉄心12のスロット14から外に出ているコイルエンド部13aは、図2、図3に上側のものを代表させて示すように、係止凸部18の上端縁部から湾曲しながら別のスロット14に向うように延びている。
ここで、図7(a)、(b)に示したように、従来のスロット絶縁物1では、高さ寸法kが比較的大きい(例えば5mm)カフス曲げ部3を有していたため、スロット絶縁物1の固定子鉄心2の端面からの突出量が大きくなってコイルエンド部4aの長さ寸法が比較的大きくなっていた。これに対し、本実施形態では、図2、図3に示すように、係止凸部18の高さ寸法h、つまり固定子鉄心12の端面からの突出寸法を、それに比べて十分に小さくできる(1〜2mm)ので、その分、コイルエンド部13aの長さ寸法を小さくすることができるのである。
尚、上記スロット絶縁物15の固定子鉄心12のスロット14に対する挿入の作業や、コイル13の巻装(巻回)作業は、例えば自動機によって自動で行われるのであるが、スロット絶縁物15を、スロット14の形状(U字型)に十分に合わせ込めるため、それらの作業を良好に行うことができる。また、係止凸部18により、固定子鉄心12のエッジにコイル13の素線が接触しないように保護する機能が得られることは勿論である。樹脂成型品である係止凸部18は、カフス曲げ部3に比べて機械的な強度が高いので、コイル13の高圧フォーミング時にも破損などが生ずることもない。
このような本実施形態のスロット絶縁物15によれば、固定子鉄心12のスロット14の内面に沿うほぼU字状に整形された絶縁シート17の両端部の外面側に、インサート成型により係止凸部18,18を一体に設けるようにした。これにより、必要な機能を果たしながらも、カフス曲げ部3を設けたものと比較して、固定子鉄心12の端面から突出している部分の突出長さ(寸法h)を十分に小さくすることができ、コイル13を巻装した際のコイル13全体の長さを短くすることができる。
ちなみに、固定子鉄心12の端面からスロット絶縁物15の突出長さの短縮によって、コイル13の素線の長さが1箇所で仮に1mmだけ短縮されたとすると、1個のスロット14に素線の50回の巻回がなされ且つスロット14の数が24極であるとすると、全体で、コイル13の長さを、1mm×50(本)×24(極)×2(上下両端)=2400mmも短くすることができる。
この結果、本実施形態では、固定子11のコイル13の小型化、軽量化を図ることができ、また、コイル13が短くなるとその分発熱も小さくなるので、モータとしての効率の向上も図ることができるものである。また、上記スロット絶縁物15を製造する(係止凸部18を設ける)にあたって、インサート成型を用いているので、例えば別途に成型された係止凸部を、絶縁シートに接着するといった場合に比べて、寸法精度に優れ、生産性が高く、安価に製造することができるといった利点も得ることができる。
図6は、本発明の第2の実施形態に係るスロット絶縁物21を示している。このスロット絶縁物21が、上記第1の実施形態のスロット絶縁物15と異なる点は、係止凸部22を、前記スロット14の周縁部に沿う方向に複数個この場合3つに分割した形態で設けたところにある。
即ち、このスロット絶縁物21も、ほぼU字状に曲げ加工(整形)された絶縁シート17の図で上下両端部に、固定子鉄心12の端面に係止される合成樹脂製の係止凸部22を、インサート成型により一体に設けるようにしている。このとき、係止凸部22は、U字状の絶縁シート17に対し、両側の直線部分と、それらの中間の円弧状湾曲部分との、3つに分割された形態で設けられている。
このような構成のスロット絶縁物21によれば、必要な機能を果たしながらも、カフス曲げ部3を設けたものと比較して、固定子鉄心12の端面から突出している係止凸部22部分の突出長さ(寸法h)を十分に小さくすることができ、コイル13を巻装した際のコイル13全体の長さを短くすることができる。そして、スロット絶縁物21のU字状の湾曲形状に関して、フレキシブル性が高くなるので、固定子鉄心12のスロット14に対する挿入作業性の向上を図ることができ、また、複数種類のスロット14の形状に共用することができる等の利点も得ることができる。
尚、上記第2の実施形態では、係止凸部22を3つに分割するようにしたが、2個や4個以上に分割しても良い。また、上記したように、絶縁シート17や係止凸部18、22の材質としても、各種材料を採用することができ、これに加えて、鉄心にスロットを設ける個数やスロットの形状などについても様々な変更が可能である。その他、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、例えばモータに限らず発電機にも適用することができる等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
図面中、12は固定子鉄心、13はコイル、14はスロット、15,21はスロット絶縁物、17は絶縁シート、18,22は係止凸部、19は固定型、19bはキャビティ、20は可動型を示す。
Claims (3)
- 回転電機の鉄心のスロット内に配置され、内面側にコイルの辺部が配置されるスロット絶縁物であって、
前記スロットの内面に沿ってほぼU字状に曲げ加工されていると共に、軸方向の両端部が、前記鉄心の端面から突出する絶縁材製の絶縁シートと、
この絶縁シートの両端部の前記鉄心の端面から突出する部分の外面に、インサート成型により一体化され、該鉄心の端面に係止されて軸方向の移動を規制する合成樹脂製の係止凸部とを有して構成されることを特徴とする回転電機のスロット絶縁物。 - 前記係止凸部は、前記スロットの周縁部に沿う方向に複数個に分割された形態で設けられていることを特徴とする請求項1記載の回転電機のスロット絶縁物。
- 回転電機の鉄心のスロット内に配置され、内面側にコイルの辺部が配置されるスロット絶縁物を製造するための方法であって、
絶縁材製の絶縁シートを、前記鉄心の端面から突出する長さ寸法に裁断すると共に、前記スロットの内面に沿うほぼU字状に整形する工程と、
裁断及び整形された前記絶縁シートを成形型内に収容し、該絶縁シートの両端部の前記鉄心の端面から突出する部分の外面に、インサート成型により、該鉄心の端面に係止されて軸方向の移動を規制する合成樹脂製の係止凸部を一体的に設ける工程とを実行することを特徴とする回転電機のスロット絶縁物の製造方法。
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