JP2013223396A - ステータの製造方法、絶縁紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステータコアに形成された複数のスロット内に、コイルが絶縁紙を介して巻装されたステータの製造方法等に関し、安定した品質でステータを製造し得るステータの製造方法等を提供する。
【解決手段】ステータ1の製造方法では、ステータコア10の複数のスロット11に夫々挿入される複数の挿入部21と、開口部22と、連結部23と、切断加工部24を有する絶縁紙20を用いる。当該ステータ1の製造方法において、絶縁紙配置工程では、各スロット11に、絶縁紙20の各挿入部21を挿入する。コイル配置工程では、各スロット11に挿入された挿入部21内側に、コイル30を配置する。絶縁紙切断工程では、各スロット11に挿入された挿入部21を連結している連結部23を、切断加工部24に沿って切り離す。コイル被覆工程では、スロット11毎に切り離された挿入部21の端部を、スロット11内側へ折り曲げてコイル30を絶縁被覆する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステータコアに形成された複数のスロット内に、コイルが絶縁紙を介して巻装されたステータの製造方法、及び、絶縁紙に関する。
従来、モータ(電動機)やジェネレータ(発電機)等として用いられる回転電機のステータにおいては、電磁鋼板を軸方向に複数積層してなるステータコアに形成された複数のスロットの内壁面に沿って、樹脂、紙素材等からなる絶縁紙が配置されており、この絶縁紙内にコイルが配置されている。そして、このようなステータにおいては、当該絶縁紙によってコイルを被覆することにより、スロット内に配置されたコイルの絶縁性を確保している。
このようなステータの製造方法に関する発明として、特許文献1記載の発明が知られている。特許文献1記載の発明においては、先ず、絶縁紙成形工程において、ステータコアのスロット内に挿入される挿入部を、連結部を介して複数連結してなる略矩形波状の絶縁紙を成形する。続いて、絶縁紙配置工程において、絶縁紙成形工程で成形された絶縁紙の挿入部をスロット内に挿入しつつ、絶縁紙の連結部をティースに対向させるようにして、絶縁紙をステータコアに配置する。その後、コイル配置工程において、スロット内に挿入された挿入部内にコイルを配置する。続いて、絶縁紙切断工程において、前記絶縁紙の連結部を切断した後、絶縁紙被覆工程において、当該絶縁紙によって、スロット内に配置されたコイルの内周側を覆うことにより、コイルの絶縁性を確保したステータを製造している。
特開2011−147312号公報
ここで、特許文献1記載のステータの製造方法においては、絶縁紙の挿入部及び連結部は、何れもステータコアの軸方向寸法よりも大きな寸法を有している。そして、絶縁紙切断工程においては、ティースの先端側において、刃物をステータコアの軸方向に沿ってスライド移動させることで、絶縁紙における挿入部と連結部を切り離している。
特許文献1における絶縁紙切断工程のように、絶縁紙における挿入部と連結部を、刃物によって切り離す構成の場合、ステータの製造に伴い、絶縁紙の切断を繰り返していくと、当該刃物の刃先が劣化し、切れ味を悪化させてしまう場合がある。刃先の劣化は、絶縁紙切断工程における切断精度、ひいては、特許文献1に係るステータの製造方法によって製造されるステータの品質に悪影響を及ぼす為、ステータの品質がバラつく要因となってしまう。
又、特許文献1記載のステータの製造方法においては、上述した刃先劣化に起因するステータの品質のバラつきを防止する為には、絶縁紙切断工程に用いる刃物の管理や、交換作業等を行う必要が生じる。従って、当該特許文献1記載のステータの製造方法においては、刃物の管理や交換作業に伴って、ステータの製造コストを増大させてしまう。
更に、特許文献1記載のステータの製造方法においては、刃物によって、絶縁紙の挿入部と連結部を切断する構成である為、絶縁紙配置工程やコイル配置工程で絶縁紙の位置ずれが生じていると、絶縁紙切断工程における刃物による切断位置もバラついてしまう。この切断位置のバラつきは、その後に行われる絶縁紙被覆工程に影響を及ぼすので、ステータの品質がバラつく要因となってしまう。
本発明は、ステータコアに形成された複数のスロット内に、コイルが絶縁紙を介して巻装されたステータの製造方法、及び、絶縁紙に関し、安定した品質でステータを製造し得るステータの製造方法及び絶縁紙を提供する。
本発明の一側面に係るステータの製造方法は、周方向に分散配置された複数のスロットと、前記スロットの間に形成されたティースを有するステータコアと、前記スロット内に絶縁紙を介して巻装されるコイルとを有するステータの製造方法であって、前記ステータコアの軸方向寸法よりも長く形成され、前記複数のスロットに夫々挿入される複数の挿入部と、前記挿入部の間において、前記ステータコアの軸方向寸法と同等以上の長さをもって、前記軸方向に沿って開口された開口部と、前記開口部に対して軸方向両端側の位置で、前記挿入部を連結する連結部と、前記連結部における軸方向外側の端縁と、前記開口部の開口縁の間にわたって、複数の穿孔を前記軸方向に沿って一定間隔で列設した切断加工部と、を有する絶縁紙を、前記ステータコアに配置する際に、前記複数の挿入部を、前記ステータコアの複数のスロットに対して夫々挿入すると共に、前記開口部及び前記連結部を、前記ティースの先端と対向する位置に配置する絶縁紙配置工程と、前記スロット内に挿入された前記挿入部内に、前記コイルを配置するコイル配置工程と、前記ティースの先端側において、前記ステータコアの軸方向外側に位置する連結部を、前記切断加工部に沿って切断する絶縁紙切断工程と、前記切断加工部に沿って切断された絶縁紙の端部を、前記コイルが挿入されたスロット内側に対して折り曲げて、前記スロット内に挿入されたコイルの内周側を被覆するコイル被覆工程と、を有することを特徴とする。
当該ステータの製造方法は、絶縁紙配置工程と、コイル配置工程と、絶縁紙切断工程と、コイル被覆工程とを有しており、これらの工程を行うことで、ステータコアの周方向に分散配置された複数のスロット内において、絶縁紙を介してコイルが巻装されたステータを製造し得る。当該ステータの製造方法に用いられる絶縁紙は、前記複数のスロットに夫々挿入される複数の挿入部と、前記挿入部の間において前記軸方向に沿って開口された開口部と、前記開口部に対して軸方向両端側の位置で前記挿入部を連結する連結部と、前記連結部に形成された切断加工部と、を有している。当該切断加工部は、前記連結部における軸方向外側の端縁と、前記開口部の開口縁の間にわたって、複数の穿孔を前記軸方向に沿って一定間隔で列設して構成されている。従って、当該ステータの製造方法によれば、絶縁紙に開口部及び切断加工部が形成されているので、絶縁紙切断工程において、刃物を用いることなく、連結部を切断加工部に沿って切り離すことができる。即ち、当該ステータの製造方法によれば、切断加工部に沿って連結部を精度良く切断することができるので、安定した品質のステータを製造し得る。又、絶縁紙切断工程において、刃物を用いる必要がなく、刃物の管理や交換作業が不要となるため、当該ステータの製造方法によれば、ステータの製造コストを低減することができる。
そして、本発明の他の側面に係るステータの製造方法は、請求項1記載のステータの製造方法であって、前記絶縁紙の切断加工部は、前記連結部における軸方向外側の端縁と、前記開口部の開口縁の間にわたって、前記軸方向に沿って延びる1本の直線状に形成されていることを特徴とする。
当該ステータの製造方法によれば、絶縁紙切断工程において、刃物を用いることなく、一本の直線状に延びる切断加工部に沿って連結部を切り離すことができる。即ち、当該ステータの製造方法によれば、連結部を切断加工部に沿って精度良く切断することができるので、安定した品質のステータを製造し得る。又、絶縁紙切断工程において、刃物を用いる必要がなく、刃物の管理や交換作業が不要となるため、当該ステータの製造方法によれば、ステータの製造コストを低減することができる。更に、一本の切断加工部に沿った連結部の切断に伴うゴミの発生を防止することができるので、ステータを製造する上での作業効率を高めることができる。
又、本発明の他の側面に係るステータの製造方法は、請求項2記載のステータの製造方法であって、前記絶縁紙の切断加工部は、長方形状に開口された前記開口部の開口縁の内、軸方向に沿って延びる一の開口縁の延長線上に形成されていることを特徴とする。
当該ステータの製造方法において、絶縁紙の切断加工部は、長方形状に開口された前記開口部の開口縁の内、軸方向に沿って延びる一の開口縁の延長線上に形成されている。従って、当該ステータの製造方法によれば、絶縁紙切断工程において、刃物を用いることなく、切断加工部によって、開口部の開口縁の内、軸方向に沿った一の開口縁に沿って、連結部を切り離すことができる。即ち、当該ステータの製造方法によれば、切断加工部に沿って連結部を精度良く切断することができるので、安定した品質のステータを製造し得る。又、絶縁紙切断工程において、刃物を用いる必要がなく、刃物の管理や交換作業が不要となるため、当該ステータの製造方法によれば、ステータの製造コストを低減することができる。更に、一本の切断加工部に沿った連結部の切断に伴うゴミの発生を防止することができるので、ステータを製造する上での作業効率を高めることができる。又、切断加工部が一本でも、連結部が挿入部の一方にしか残らないので、コイル被覆工程において邪魔になりにくい。
そして、本発明の他の側面に係るステータの製造方法は、請求項3記載のステータの製造方法であって、前記絶縁紙切断工程において、前記連結部を切断加工部に沿って切断することにより、前記挿入部の端部に、前記開口縁に沿って軸方向に延びる直線状に切断された第1端部と、前記軸方向端部側において、前記連結部が連結されている第2端部と、を形成し、前記コイル被覆工程は、前記第1端部を前記スロット内側に折り曲げることにより、前記スロット内のコイルの内周側を被覆する第1被覆工程と、次に、前記第2端部を前記スロット内側に折り曲げることにより、前記第1端部よりも内周側において、前記スロット内のコイルの内周側を被覆する前記第2被覆工程と、を有することを特徴とする。
当該ステータの製造方法によれば、絶縁紙切断工程において、切断加工部に沿って連結部を切断することにより、挿入部の端部に、第1端部と、第2端部が形成される。そして、コイル被覆工程においては、第1被覆工程により、第1端部を前記スロット内側に折り曲げることにより、前記スロット内のコイルの内周側を被覆し、次に、第2被覆工程により、前記第2端部を前記スロット内側に折り曲げることにより、前記第1端部よりもステータの内周側において、前記スロット内のコイルの内周側を被覆する。従って、当該ステータの製造方法によれば、スロット内に配置されたコイルの絶縁性を確保し得る。又、連結部が連結されている第2端部を後に折り曲げるので、第2端部を先に折り曲げた時のように連結部が潰れてしまうことはなく、安定した絶縁性を確保することができる。
又、本発明の他の側面に係るステータの製造方法は、請求項1記載のステータの製造方法であって、前記絶縁紙の切断加工部は、長方形状に開口された前記開口部の開口縁の内、軸方向に沿って延びる第1開口縁の延長線上に形成された第1切断加工部と、前記開口部の第1開口縁と対向する位置で、軸方向に沿って延びる第2開口縁の延長線上に形成された第2切断加工部と、を有することを特徴とする。
当該ステータの製造方法によれば、絶縁紙切断工程において、刃物を用いることなく、
開口部において軸方向に延びる開口縁の延長線上に形成された直線状の第1切断加工部及び第2切断加工部に沿って連結部を切り離すことができる。即ち、当該ステータの製造方法によれば、第1切断加工部及び第2切断加工部に沿って、連結部を精度良く切断することができるので、安定した品質のステータを製造し得る。又、絶縁紙切断工程において、刃物を用いる必要がなく、刃物の管理や交換作業が不要となるため、当該ステータの製造方法によれば、ステータの製造コストを低減することができる。
そして、本発明の一の側面に係る絶縁紙は、周方向に分散配置された複数のスロットと、前記スロットの間に形成されたティースを有するステータコアと、前記スロット内に巻装されるコイルとを有するステータに用いられ、前記スロット内において、前記スロット表面と前記コイルの間に配設される絶縁紙であって、前記ステータコアの軸方向寸法よりも長く形成され、前記複数のスロットに夫々挿入される複数の挿入部と、前記挿入部の間において、前記ステータコアの軸方向寸法と同等以上の長さをもって、前記軸方向に沿って開口され、前記ティースの先端と対向する位置に配置される開口部と、前記開口部に対して軸方向両端側であって前記ティースの先端側の位置で、前記挿入部を連結する連結部と、前記連結部における軸方向外側の端縁と、前記開口部の開口縁の間にわたって、複数の穿孔を前記軸方向に沿って一定間隔で列設した切断加工部と、を有することを特徴とする。
当該絶縁紙は、前記複数のスロットに夫々挿入される複数の挿入部と、前記挿入部の間において前記軸方向に沿って開口された開口部と、前記開口部に対して軸方向両端側の位置で前記挿入部を連結する連結部と、前記連結部に形成された切断加工部と、を有している。従って、当該絶縁紙によれば、開口部及び切断加工部が形成されているので、夫々ステータの各スロットに絶縁紙の挿入部を挿入した後、刃物を用いることなく、連結部を切断加工部に沿って切り離すことができる。即ち、当該絶縁紙によれば、切断加工部に沿って連結部を精度良く切断することができるので、安定した品質のステータの製造に貢献し得る。又、絶縁紙の連結部を切断する際に、刃物を用いる必要がなく、刃物の管理や交換作業が不要となるため、ステータの製造コストを低減することができる。
第1実施形態に係るステータの製造方法によって製造されたステータの概略平面図である。 第1実施形態に係るステータの製造方法に用いられる絶縁紙の構成を示す説明図である。 第1実施形態に係る絶縁紙配置工程におけるスロットの状態を示す平面説明図である。 第1実施形態に係るコイル配置工程におけるスロットの状態を示す平面説明図である。 第1実施形態に係るコイル被覆工程におけるスロットの状態を示し、軸方向端面からみた平面説明図である。 第1実施形態に係るコイル被覆工程におけるスロットの状態を示す断面説明図である。 第2実施形態に係る絶縁紙における連結部近傍の構成を示す拡大図である。 第2実施形態に係る絶縁紙切断工程に関する説明図である。 本発明の他の実施形態に係る絶縁紙の連結部近傍の構成を示す拡大図である。 本発明の他の実施形態に係る絶縁紙の構成を示す説明図である。 本発明の他の実施形態に係る絶縁紙における切断加工部の構成を示す拡大図(1)である。 本発明の他の実施形態に係る絶縁紙における切断加工部の構成を示す拡大図(2)である。 本発明の他の実施形態に係る絶縁紙における切断加工部の構成を示す拡大図(3)である。 本発明の他の実施形態に係る絶縁紙における切断加工部の構成を示す拡大図(4)である。
以下、本発明に係るステータの製造方法を、インナーロータ型であって、3相6極36スロットの回転電機を構成するステータ1の製造方法に具体化した実施形態(第1実施形態)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係るステータの製造方法によって製造されるステータ1の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示すように、第1実施形態におけるステータ1は、略円筒状のステータコア10の内周面側に形成された複数のスロット11内に、絶縁紙20を介してコイル30を巻装して構成されている。以下、このステータ1の各部の構成について詳細に説明する。
第1実施形態に係るステータコア10は、略円環板状の電磁鋼板を複数枚積層することにより略中空の円筒形状に形成されており、軸方向に延びる複数のスロット11を有している。又、複数のスロット11は、ステータコア10の内周面から径方向外側に向かって延び、径方向外周側に所定の深さを有して形成されている。そして、各スロット11は、ステータコア10の周方向に隣り合うティース12によって区画されて構成されており、ステータコア10の周方向に沿って所定間隔で設けられている。即ち、当該ステータコア10は、ステータコア10の全周で計36個のスロット11を有している。
そして、スロット11は、ティース12の先端から基端に向けて一定の開口幅を有して形成されている。尚、スロット11の開口幅とは、ステータコア10の半径方向に対し直交する方向へのスロット11の開口長さである。又、ティース12は、その平面形状が基端から先端に向かうに従い徐々に細くなるように形成されている。
図1に示すように、スロット11の各スロット11内には、絶縁紙20及びコイル30が配置されている。コイル30は、線状導体である平角線31を用いて形成されており、三相交流電流によって、回転磁界を発生させる。そして、絶縁紙20は、樹脂によるフィルム素材、紙素材等から構成されており、スロット11の内壁面及びスロット11開口側において、コイル30表面を被覆することにより、当該コイル30の絶縁性を確保している。第1実施形態に係る絶縁紙20の構成については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
ここで、当該ステータ1は、三相交流で駆動される回転電機に用いられる固定子であるため、U相、V相、及びW相の三相のコイル30を備えている。そして、当該コイル30を構成する平角線31は、断面が長方形の均一な幅の線状導体であり、その周方向幅は、スロット11の周方向幅と略等しくなるように形成されている。より具体的には、平角線31の周方向幅は、絶縁紙20が配置されたスロット11内に、平角線31を用いて形成されるコイル30が物理的に挿入可能であるという前提条件の下で、スロット内の周方向幅よりやや小さな値に設定されている。尚、線状導体である平角線31の表面は樹脂等からなる絶縁被膜により被覆されている。
又、各スロット11には、コイル30をなす線状導体としての平角線31が、スロット11の深さ方向に複数本(第1実施形態においては8本)並ぶように整列配置されている。ここで、「整列配置」とは、コイル30をなす平角線31が、スロット11の深さ方向(径方向)に互いに隣接して予め定められた位置に整然と配列された状態を意味する。このとき、スロット11の深さ方向(径方向)には必ず複数本の線状導体が整列配置されるが、スロット11の幅方向(周方向)には1本又は複数本の線状導体が整列配置され得る。このように、スロット11内に線状導体を整列配置することで、スロット11内における空隙部分を減少させ、コイル30の占積率の向上を図ることができる。
次に、第1実施形態に係るステータ1の製造方法に用いられる絶縁紙20の構成について、図2を参照しつつ詳細に説明する。尚、図2は、絶縁紙をステータコア10に対応する様に折り曲げた状態を、絶縁紙の幅方向斜めから見た図である。絶縁紙20は、樹脂によるフィルム素材、紙素材等から構成されており、ステータコア10の軸方向寸法よりもやや長い寸法の幅を有する帯状に形成されている。図2に示すように、絶縁紙20は、複数の挿入部21と、開口部22と、連結部23と、切断加工部24を有して構成されている。
尚、図2においては、絶縁紙20の一部を示しているが、少なくともステータコア10に形成されたスロット11と同数の挿入部21を有しているものとする。又、帯状に形成された絶縁紙20の幅方向(図2中、上下方向)は、ステータコア10に配置された場合に、ステータコア10の軸方向と一致する。
挿入部21は、絶縁紙20の内、ステータコア10のスロット11内に挿入される部分である。当該挿入部21は、ステータコア10の軸方向寸法よりもやや長い寸法の幅を有する長方形状に形成されており、スロット11の内壁面に沿って配設されるように、スロット11の深さ及び開口幅に応じて折り曲げ加工して構成されている。
開口部22は、2つの挿入部21の間において、絶縁紙20の幅方向に長辺を有する長方形状の開口である。当該開口部22の長辺寸法は、ステータコア10の軸方向寸法と同等以上である。又、当該開口部22は、2つの挿入部21の間において、絶縁紙20の幅方向における中央部分に形成されている。従って、後述する絶縁紙配置工程において、当該絶縁紙20をステータコア10に配置すると、当該開口部22は、ティース12先端に対向する。
連結部23は、2つの挿入部21の間であって、絶縁紙20の幅方向両端部分に形成されており、2つの挿入部21を連結している。即ち、連結部23は、絶縁紙20の幅方向において、開口部22の両端側に位置する。
切断加工部24は、各連結部23において、絶縁紙20の幅方向に延びる直線上に、複数の穿孔25を一定間隔で穿設して構成されており、前記絶縁紙20の幅方向外側に位置する連結部23の端縁と、前記開口部22の開口縁の間に亘って形成されている。即ち、当該切断加工部24は、所謂、ミシン目と同様の構成を有しているので、連結部23をステータ1内径方向に引っ張れば、刃物を用いることなく、切断加工部24に沿って連結部23を切断し得る。又、第1実施形態に係る切断加工部24は、長方形状をなす開口部22の長辺にあたる一の開口縁の延長線上に形成されている。従って、絶縁紙20の幅方向両端側に位置する2つの連結部23を、夫々、切断加工部24に沿って切り離すと、挿入部21の端部は、幅方向に延びる一直線状に切り離される。
続いて、第1実施形態に係るステータ1の製造方法について、図面を参照しつつ詳細に説明する。第1実施形態に係るステータ1の製造方法では、絶縁紙配置工程、コイル配置工程、絶縁紙切断工程、コイル被覆工程の順に作業を行うことで、図1に示すステータ1を製造し得る。
先ず、絶縁紙配置工程においては、上述した構成の絶縁紙20をステータコア10に配置する。この時、絶縁紙20の各挿入部21は、ステータコア10に形成された各スロット11内に対して、夫々、ステータコア10の内周側から挿入される。上述したように、各挿入部21は、各スロット11の深さ及び開口幅に応じて折り曲げ加工されているので、各挿入部21は、各スロット11の内壁面に沿って配設される(図3参照)。ステータコア10に形成された全てのスロット11に対して、絶縁紙20の挿入部21を夫々挿入すると、絶縁紙配置工程は終了する。
図2に示すように、絶縁紙20においては、開口部22及び連結部23が、2つの挿入部21の間に形成されている。従って、絶縁紙配置工程において、各スロット11内に各挿入部21を挿入すると、開口部22及び連結部23は、2つのスロット11の間に位置するティース12の先端に対して、ステータコア10内径側に位置する(図3参照)。
又、絶縁紙20の幅寸法は、ステータコア10の軸方向寸法よりもやや長く形成されており、絶縁紙配置工程において、当該絶縁紙は、その幅方向中央がステータコア10の軸方向中央と一致する状態で、ステータコア10に配置される。従って、絶縁紙20の幅方向両端側に位置する連結部23は、ステータコア10の軸方向端面から外側に向かって突出した状態となる。
続いて、コイル配置工程においては、各スロット11内に挿入されている絶縁紙20の挿入部21内に、コイル30を配置する(図4参照)。各スロット11は、ステータコア10の内周側が開放されたオープンスロットである為、コイル30を構成する複数本の平角線31は、ステータコア10内周側からスロット11内へ挿入され、スロット11及び挿入部21内に配置される。ここで、コイル配置工程の時点では、絶縁紙20は、挿入部21同士が連結部23によって連結された状態にある。従って、スロット11内にコイル30を挿入する過程で、挿入部21がコイル30によって巻き込まれ潰れてしまうことを防止し得る。上述したように、挿入部21はスロット11の内壁面に沿って配設されているので、コイル配置工程において、スロット11の内壁面に、コイル30を干渉させることなく、整列させてスロット11内に配置することができる。ステータコア10の全てのスロット11及び挿入部21内に、コイル30を夫々挿入すると、コイル配置工程を終了する。
次に、絶縁紙切断工程においては、コイル30と共にスロット11内に配置されている挿入部21同士を連結している連結部23を、切断加工部24に沿って切り離す。具体的には、先ず、各連結部23に対して、棒状に形成された切断用部材を夫々ひっかけ、当該切断用部材を、ステータコア10の内径側に向かって引っ張る。ここで、切断加工部24は、複数の穿孔25を一定間隔で列設して構成された、所謂、ミシン目状であるので、切断加工部24の強度は、連結部23における他の部分と比較して小さくなっている。従って、切断用部材によって連結部23を、ステータコア10内径側に引っ張ると、連結部23は、強度の低い切断加工部24に沿って切り離される。
尚、上述したように、切断加工部24は、ミシン目状に形成されている為、切断用部材に刃先が形成されている必要はない。従って、当該絶縁紙切断工程を繰り返し行った場合であっても、刃先の劣化等が発生することはなく、連結部23の切り離しを安定した品質で行うことができる。
絶縁紙切断工程によって、ステータコア10に配置された絶縁紙20の全ての連結部23を切断加工部24に沿って切り離すことにより、各挿入部21は、スロット11毎に切り離される。この結果、各スロット11の開口縁においては、当該スロット11の内壁面に沿って配置された挿入部21の一端部(第1端部21A)と、他端部(第2端部21B)が相互に対向する状態となる。
ここで、第1実施形態に係る絶縁紙20においては、切断加工部24は、開口部22の開口縁の内、絶縁紙20の幅方向に延びる一の開口縁の延長線上に形成されている(図2参照)。従って、絶縁紙切断工程により、各挿入部21をスロット11に切り離すと、各挿入部21には、絶縁紙20の幅方向に延びる開口部22の開口縁を含む直線状に切り離された第1端部21Aと、絶縁紙20の幅方向両端側において、連結部23が夫々切り離されることなく、連結されている第2端部21Bが形成される。
続いて、コイル被覆工程においては、スロット11毎に分離された挿入部21の両端(第1端部21A及び第2端部21B)を、スロット11の内側に折り曲げ、スロット11内に配置されているコイル30の内周側を被覆する。尚、図5は、コイル被覆工程におけるスロット11の状態を示し、ステータコア10の軸方向端面からみた平面図である。図6は、第1実施形態に係るコイル被覆工程におけるスロットの状態を示し、ステータコア10の軸方向中央付近における断面図である。
第1実施形態に係るコイル被覆工程においては、第1被覆工程と、第2被覆工程を行うことにより、各挿入部21の端部によって、各スロット11内に配置されたコイル30の内周側を被覆する。
先ず、第1被覆工程では、各挿入部21の第1端部21Aを、当該挿入部21が挿入されているスロット11の内側に向かって折り曲げる。従って、ステータコア10の内周側において、各コイル30は、各挿入部21の第1端部21Aによって被覆される(図5、図6参照)。
続いて、第2被覆工程では、各挿入部21の第2端部21Bを、当該挿入部21が挿入されているスロット11の内側に向かって折り曲げる。従って、ステータコア10の内周側において、各コイル30及び各挿入部21の第1端部21Aは、各挿入部21の第2端部21Bによって被覆される(図5、図6参照)。即ち、ステータコア10の内周側において、各コイル30は、各挿入部21の第1端部21A及び第2端部21Bによって被覆される為、各コイル30の内周面側における絶縁性を十分に確保し得る。これにより、コイル30の内周側を絶縁被覆するために、ウェッジ等の他の絶縁部材を用いる必要はなく、ステータ1を製造するための部品点数を減らすことができる。
ここで、上述したように、第1端部21Aは、開口部22の開口縁を含む直線状に切断されている挿入部21の端部であり、第2端部21Bには、絶縁紙20の幅方向両端側において、連結部23が夫々切り離されることなく連結されている。ここで、コイル被覆工程において、第2端部21Bをスロット11の内側へ折り曲げた後、第1端部21Aをスロット11の内側へ折り曲げるように構成すると、第2端部21Bに連結されている連結部23が、第1端部21Aをスロット11の内側へ折り曲げる際に潰れてしまい、コイル30内周側における絶縁性に悪影響を及ぼす場合があった。
この点、第1実施形態に係るコイル被覆工程においては、第1被覆工程により、第1端部21Aをスロット11の内側へ折り曲げた後、第2端部21Bをスロット11の内側へ折り曲げる。従って、第2端部21Bに連結されている連結部23は、第1端部21Aをスロット11の内側へ折り曲げる際に潰れることはなく(図5参照)、コイル30内周側における絶縁性に悪影響を及ぼすことはない。この結果、第1実施形態に係るステータ1の製造方法によれば、コイル被覆工程において、各コイル30内周側における絶縁性を十分に確保することができ、安定した品質のステータ1を製造し得る。
以上説明したように、第1実施形態に係るステータ1の製造方法は、絶縁紙配置工程と、コイル配置工程と、絶縁紙切断工程と、コイル被覆工程とを有しており、これらの工程を行うことで、ステータコア10の周方向に分散配置された複数のスロット11内において、絶縁紙20を介してコイル30が巻装されたステータ1を製造し得る(図1参照)。
当該ステータ1の製造方法に用いられる絶縁紙20は、前記複数のスロット11に夫々挿入される複数の挿入部21と、前記挿入部21の間において前記幅方向に沿って開口された長方形状の開口部22と、前記開口部22に対して幅方向両端側の位置で前記挿入部21を連結する連結部23と、前記連結部23に形成された切断加工部24と、を有している。当該切断加工部24は、前記連結部23における幅方向外側の端縁と、前記開口部22の開口縁の間にわたって、複数の穿孔25を前記幅方向に沿って一定間隔で列設して構成されている。
従って、当該ステータ1の製造方法によれば、絶縁紙20に開口部22及び切断加工部24が形成されているので、絶縁紙切断工程において、刃物を用いることなく、連結部23を切断加工部24に沿って切り離すことができる。即ち、当該ステータ1の製造方法によれば、切断加工部24に沿って連結部23を精度良く切断することができるので、安定した品質のステータ1を製造し得る。又、絶縁紙切断工程において、刃物を用いる必要がなく、刃物の管理や交換作業が不要となるため、当該ステータ1の製造方法によれば、ステータ1の製造コストを低減することができる。そして、当該ステータ1の製造方法によれば、絶縁紙切断工程を行った場合であっても、連結部23は、一の挿入部21と連結した状態となるので、ゴミの発生及び発生したゴミの処理作業を省略することができ、ステータ1を製造する上での作業効率を高めることができる。
更に、当該ステータ1の製造方法によれば、絶縁紙切断工程において、切断加工部24に沿って連結部23を切断することにより、挿入部21に、第1端部21Aと、第2端部21Bが形成される。そして、コイル被覆工程においては、第1被覆工程により、第1端部21Aを前記スロット11内側に折り曲げることにより、前記スロット11内のコイル30の内周側を被覆し、第2被覆工程により、前記第2端部21Bを前記スロット11内側に折り曲げることにより、前記第1端部21Aよりもステータ1の内周側において、前記スロット11内のコイル30の内周側を被覆する。従って、当該ステータ1の製造方法によれば、スロット11内に配置されたコイル30の絶縁性を確保し得る。又、連結部23は、ステータコア10の端面より軸方向外側に位置するので、コイル30やロータの邪魔になることはない。
(第2実施形態)
次に、上述した第1実施形態と異なる実施形態(第2実施形態)について、図7、図8を参照しつつ詳細に説明する。尚、第2実施形態に係るステータ1の製造方法は、第1実施形態に係るステータ1の製造工程と同一の基本的構成を有しており、絶縁紙20の構成及び、絶縁紙切断工程の内容が相違する。従って、第1実施形態と同一の構成に関する説明は省略する。
第2実施形態に係る絶縁紙20は、第1実施形態と同様に、ステータコア10の軸方向寸法よりもやや長い寸法の幅を有する帯状に形成されており、複数の挿入部21と、開口部22と、連結部23と、切断加工部24を有して構成されている。この点、第2実施形態に係る絶縁紙20における各挿入部21、開口部22、連結部23の構成は、第1実施形態と同様である。従って、これらの構成に関する説明は省略する。
図7に示すように、第2実施形態に係る絶縁紙20は、切断加工部24として、第1切断加工部24Aと、第2切断加工部24Bを有している。第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bは、各連結部23において、絶縁紙20の幅方向に延びる直線上に、複数の穿孔25を一定間隔で穿設して構成されており、前記絶縁紙20の幅方向外側に位置する連結部23の端縁と、前記開口部22の開口縁の間に亘って形成されている。即ち、当該第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bは、所謂、ミシン目と同様の構成を有しているので、連結部23をステータ1内径方向に引っ張れば、刃物を用いることなく、第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bに沿って連結部23を切断し得る。
ここで、第1切断加工部24Aは、長方形状をなす開口部22の長辺にあたる一の開口縁(図7中、左側の開口縁)の延長線上に形成されている。一方、第2切断加工部24Bは、長方形状をなす開口部22の長辺にあたる一の開口縁(図7中、右側の開口縁)の延長線上に形成されている。
従って、各連結部23は、絶縁紙切断工程において、第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bに沿って切り離されることにより、その両隣に位置する2つの挿入部21から切り離され得る。又、絶縁紙20の幅方向両端側に位置する2つの連結部23を、夫々、第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bに沿って切り離すと、スロット11毎に切り離された挿入部21の両端部は、幅方向に延びる一直線状に切り離される。
続いて、第2実施形態に係るステータ1の製造方法について、図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、第2実施形態に係るステータ1の製造方法に関しても、第1実施形態と同様に、絶縁紙配置工程、コイル配置工程、絶縁紙切断工程、コイル被覆工程の順に作業を行うことで、図1に示すステータ1を製造し得る。
第2実施形態における絶縁紙配置工程は、上述した第2実施形態に係る絶縁紙20(図7参照)を用いる点を除き、第1実施形態と同様の工程である。即ち、第2実施形態においても、絶縁紙配置工程では、絶縁紙20の各挿入部21を、ステータコア10に形成された各スロット11に挿入し、当該絶縁紙20をステータコア10に配置する。そして、コイル配置工程においては、第1実施形態と同様に、各スロット11内に挿入されている絶縁紙20の挿入部21内に、コイル30を配置する。
そして、第2実施形態に係る絶縁紙切断工程では、切断治具40を用いて、各連結部23を、第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bに沿って切り離す。ここで、第2実施形態においても、コイル配置工程によりステータコア10に絶縁紙20が配置されると、各連結部23は、第1実施形態と同様に、ステータコア10の軸方向端面から外側に向かって突出した状態となる。従って、ステータコア10による干渉を受けることなく、切断治具40を、図8に示すように各連結部23をクランプするように配設することができる。そして、絶縁紙切断工程では、各連結部23をクランプした切断治具40を、引張方向D(即ち、ステータコア10の内径中心側へ向かう方向)へ移動させる。これにより、第2実施形態に係る絶縁紙切断工程においては、各連結部23を、第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bに沿って、各挿入部21から切り離すことができる。
その後、コイル被覆工程において、スロット11毎に分離された挿入部21の両端を、スロット11の内側に折り曲げ、スロット11内に配置されているコイル30の内周側を被覆する。第2実施形態においては、第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bに沿って連結部23を切り離すことにより、各挿入部21の両端は、何れも開口部22の開口縁を含む直線状の同形状を為す。従って、第2実施形態においては、折り曲げる順番を考慮することなく、適宜、各挿入部21の端部を折り曲げれば良い。
コイル被覆工程を実行することにより、各コイル30は、ステータコア10の内周側において、各挿入部21の端部によって被覆される為、各コイル30の内周面側における絶縁性を十分に確保し得る。これにより、コイル30の内周側を絶縁被覆するために、ウェッジ等の他の絶縁部材を用いる必要はなく、ステータ1を製造するための部品点数を減らすことができる。
以上説明したように、第2実施形態に係るステータ1の製造方法は、絶縁紙配置工程と、コイル配置工程と、絶縁紙切断工程と、コイル被覆工程とを有しており、これらの工程を行うことで、ステータコア10の周方向に分散配置された複数のスロット11内において、絶縁紙20を介してコイル30が巻装されたステータ1を製造し得る(図1参照)。
当該ステータ1の製造方法に用いられる絶縁紙20は、複数の挿入部21と、長方形状の開口部22と、連結部23と、前記連結部23に形成された第1切断加工部24Aと、第2切断加工部24Bとを有している。当該第1切断加工部24A、第2切断加工部24Bは、前記連結部23における幅方向外側の端縁と、前記開口部22の開口縁の間にわたって、複数の穿孔25を前記幅方向に沿って一定間隔で列設して構成されている。
従って、当該ステータ1の製造方法によれば、絶縁紙20に開口部22、第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bが形成されているので、絶縁紙切断工程において、刃物を用いることなく、第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bに沿って、連結部23を切り離すことができる。即ち、当該ステータ1の製造方法によれば、第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bに沿って連結部23を精度良く切断することができるので、安定した品質のステータ1を製造し得る。又、絶縁紙切断工程において、刃物を用いる必要がなく、刃物の管理や交換作業が不要となるため、当該ステータ1の製造方法によれば、ステータ1の製造コストを低減することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、第1実施形態に係る絶縁紙20の各連結部23においては、図2に示すように、一本の切断加工部24を、長方形状の開口部22の長辺にあたる一の開口縁の延長線上に形成していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、各連結部23における切断加工部24は、絶縁紙20の幅方向に延びる直線上に、複数の穿孔25を一定間隔で穿設して構成されており、前記絶縁紙20の幅方向外側に位置する連結部23の端縁と、前記開口部22の開口縁の間に亘って形成されているものであれば、図9に示すように、長方形状の開口部22の長辺にあたる一の開口縁の延長線上に位置していないものであってもよい。
又、上述した実施形態においては、図2等に示すように、開口部22を、挿入部21の間を長方形状に開口して形成していたが、この態様に限定されるものではなく、例えば、図10に示すように、当該開口部22の長辺にあたる部分を、絶縁紙20の幅方向に沿った直線状に切断した切込部26を形成する構成であってもよい。この構成に係る絶縁紙20を用いた場合であっても、第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bに沿って、各連結部23を切り離すことにより、切込部26の間の部分も切り離すことができ、各挿入部21をスロット11に分離し得る。
そして、上述した実施形態においては、切断加工部24(第1切断加工部24A、第2切断加工部24B)は、複数の穿孔25を一定の間隔で、直線状に穿設した構成であったが、この態様に限定されるものではない。例えば、図11に示すように、切断加工部24(第1切断加工部24A、第2切断加工部24B)を構成する複数の穿孔の形状を、第1穿孔25Aのように形成してもよい。第1穿孔25Aは、連結部23の内側に向かって斜めに延びる開口部分を有しているので、絶縁紙切断工程において、確実に絶縁紙20の幅方向に沿って、連結部23を切り離すことができる。
又、図11のように、第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bを、夫々、複数の第1穿孔25Aで構成する場合においては、各第1穿孔25Aを図12のように配置することが望ましい。即ち、各第1穿孔25Aにおいて、連結部23の内側に向かって斜めに延びる開口部分を、第1切断加工部24Aを構成する第1穿孔25Aと、第2切断加工部24Bを構成する第2穿孔25Bとで、絶縁紙20の幅方向に異なる位置に形成してもよい。図11に示す場合、第1切断加工部24Aと第2切断加工部24Bの間が極端に狭まり、連結部23の強度が極端に低下する部分があるため、絶縁紙切断工程において、各連結部23を切り離す際に、その途中で連結部23が千切れてしまう虞がある。この点、第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bにおける各第1穿孔25Aを、図12に示す配置とすれば、連結部23の強度低下を緩和することができ、絶縁紙切断工程において、連結部23自身が千切れることなく、各挿入部21から切り離すことができる。
更に、上述した実施形態においては、切断加工部24(第1切断加工部24A、第2切断加工部24B)は、一種類の穿孔25(第1穿孔25Aを含む)を、一定間隔で直線状に穿設して構成していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、図13に示すように、2種類の穿孔(第2穿孔25B、第3穿孔25C)を用いて、切断加工部24(第1切断加工部24A、第2切断加工部24B)を構成しても良い。第2穿孔25Bは、略V字状に穿設された穿孔であり、第3穿孔25Cは、切断加工部24に係る直線に沿って長手方向を有する長孔である。従って、図13に示す構成であれば、第2穿孔25Bは、連結部23の内側に向かって斜めに延びる開口部分を有しているので、絶縁紙切断工程において、確実に絶縁紙20の幅方向に沿って、連結部23を切り離すことができる。
又、図13のように、第1切断加工部24A及び第2切断加工部24Bを、夫々、第2穿孔25B、第3穿孔25Cにより構成する場合においては、第2穿孔25B、第3穿孔25Cを図14のように配置することが望ましい。即ち、絶縁紙20の幅方向における位置に関して、第1切断加工部24Aにおける第2穿孔25Bと同じ位置には、第2切断加工部24Bにおける第3穿孔25Cが位置し、第1切断加工部24Aにおける第3穿孔25Cと同じ位置には、第2切断加工部24Bにおける第2穿孔25Bが位置するように配置することが望ましい。
図13に示す場合、第1切断加工部24Aの第2穿孔25Bと、第2切断加工部24Bの第2穿孔25Bの間が極端に狭まり、連結部23の強度が極端に低下する部分があるため、絶縁紙切断工程において、各連結部23を切り離す際に、その途中で連結部23が千切れてしまう虞がある。この点、図14に示す配置で、第1切断加工部24A、第2切断加工部24Bを形成すれば、連結部23の強度低下を緩和することができ、絶縁紙切断工程において、連結部23自身が千切れることなく、各挿入部21から切り離すことができる。
上述した実施形態においては、3相6極36スロットを有するステータであったが、この態様に限定されるものではない。例えば、48スロットの8極モータに係るステータに適用することも可能である。
1 ステータ
10 ステータコア
11 スロット
12 ティース
20 絶縁紙
21 挿入部
22 開口部
23 連結部
24 切断加工部
25 穿孔
30 コイル
31 平角線

Claims (6)

  1. 周方向に分散配置された複数のスロットと、前記スロットの間に形成されたティースを有するステータコアと、前記スロット内に絶縁紙を介して巻装されるコイルとを有するステータの製造方法であって、
    前記ステータコアの軸方向寸法よりも長く形成され、前記複数のスロットに夫々挿入される複数の挿入部と、前記挿入部の間において、前記ステータコアの軸方向寸法と同等以上の長さをもって、前記軸方向に沿って開口された開口部と、前記開口部に対して軸方向両端側の位置で、前記挿入部を連結する連結部と、前記連結部における軸方向外側の端縁と、前記開口部の開口縁の間にわたって、複数の穿孔を前記軸方向に沿って一定間隔で列設した切断加工部と、を有する絶縁紙を、前記ステータコアに配置する際に、前記複数の挿入部を、前記ステータコアの複数のスロットに対して夫々挿入すると共に、前記開口部及び前記連結部を、前記ティースの先端と対向する位置に配置する絶縁紙配置工程と、
    前記スロット内に挿入された前記挿入部内に、前記コイルを配置するコイル配置工程と、
    前記ティースの先端側において、前記ステータコアの軸方向外側に位置する連結部を、前記切断加工部に沿って切断する絶縁紙切断工程と、
    前記切断加工部に沿って切断された絶縁紙の端部を、前記コイルが挿入されたスロット内側に対して折り曲げて、前記スロット内に挿入されたコイルの内周側を被覆するコイル被覆工程と、を有する
    ことを特徴とするステータの製造方法
  2. 請求項1記載のステータの製造方法であって、
    前記絶縁紙の切断加工部は、
    前記連結部における軸方向外側の端縁と、前記開口部の開口縁の間にわたって、
    前記軸方向に沿って延びる1本の直線状に形成されている
    ことを特徴とするステータの製造方法。
  3. 請求項2記載のステータの製造方法であって、
    前記絶縁紙の切断加工部は、
    長方形状に開口された前記開口部の開口縁の内、軸方向に沿って延びる一の開口縁の延長線上に形成されている
    ことを特徴とするステータの製造方法。
  4. 請求項3記載のステータの製造方法であって、
    前記絶縁紙切断工程において、前記連結部を切断加工部に沿って切断することにより、前記挿入部の端部に、前記開口縁に沿って軸方向に延びる直線状に切断された第1端部と、前記軸方向端部側において、前記連結部が連結されている第2端部と、を形成し、
    前記コイル被覆工程は、
    前記第1端部を前記スロット内側に折り曲げることにより、前記スロット内のコイルの内周側を被覆する第1被覆工程と、
    次に、前記第2端部を前記スロット内側に折り曲げることにより、前記第1端部よりも内周側において、前記スロット内のコイルの内周側を被覆する前記第2被覆工程と、を有する
    ことを特徴とするステータの製造方法。
  5. 請求項1記載のステータの製造方法であって、
    前記絶縁紙の切断加工部は、
    長方形状に開口された前記開口部の開口縁の内、軸方向に沿って延びる第1開口縁の延長線上に形成された第1切断加工部と、
    前記開口部の第1開口縁と対向する位置で、軸方向に沿って延びる第2開口縁の延長線上に形成された第2切断加工部と、
    を有する
    ことを特徴とするステータの製造方法。
  6. 周方向に分散配置された複数のスロットと、前記スロットの間に形成されたティースを有するステータコアと、前記スロット内に巻装されるコイルとを有するステータに用いられ、前記スロット内において、前記スロット表面と前記コイルの間に配設される絶縁紙であって、
    前記ステータコアの軸方向寸法よりも長く形成され、前記複数のスロットに夫々挿入される複数の挿入部と、
    前記挿入部の間において、前記ステータコアの軸方向寸法と同等以上の長さをもって、前記軸方向に沿って開口され、前記ティースの先端と対向する位置に配置される開口部と、
    前記開口部に対して軸方向両端側であって前記ティースの先端側の位置で、前記挿入部を連結する連結部と、
    前記連結部における軸方向外側の端縁と、前記開口部の開口縁の間にわたって、複数の穿孔を前記軸方向に沿って一定間隔で列設した切断加工部と、を有する
    ことを特徴とする絶縁紙。
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