JP5381213B2 - ステータの製造方法及び平角線の製造装置 - Google Patents

ステータの製造方法及び平角線の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、回転電機用のステータの製造方法、及び、該ステータに組み込まれ、コイルの巻線(マグネットワイヤ)を構成する断面矩形の平角線の製造装置に係り、詳しくは、ステータコアのスロットの開口側に配置される平角線の絶縁を図り、更には、スロット開口部に磁性材を配置するものである。
一般に、誘導モータ、直流モータ(ジェネレータを含む)等の回転電機は、産業用又は車輌用の動力源として広く用いられており、そのステータのコイルのレイアウトは、比出力が高い分布巻きが多用されている。近時、ハイブリット駆動車輌及び電気自動車に用いられるモータとして、出力/寸法要求等からスロットの占積率の高い平角線をマグネットワイヤとして用いることが提案されている。
また、モータのサイズ等によっては、ロータを構成する磁石とステータコアとの間の磁束密度がスロットの開口部で変動して渦電流が流れ、モータの効率を低下させる場合がある。このため、従来、ステータコアのスロット内にコイルを配置した状態で、各スロットの開口部に磁性材(磁性ウェッジ)を配置して、渦電流による損失を抑制していた(特許文献1ないし4参照)。
特開平5−211739号公報 特開平7−123622号公報 特開平10−243596号公報 特開平7−227053号公報
しかしながら、従来、磁性材をスロットの開口部に配置することは難しく、該磁性材の配置不良が生じる可能性があった。即ち、上述したような渦電流による損失を防止するための磁性材は、例えば、鉄粉等の磁性材を薄い板状に固めたものを使用する。したがって、このような磁性材は剛性が低く、例えば、スロット内にコイルを配置した状態で磁性材を押し込む際に、磁性材に座屈等の変形が生じる可能性があった。また、このような板厚が小さい磁性材を、幅が狭いスロットの開口部に配置すること自体、容易ではない。また、磁性材の固定は、ワニスによる固着が一般的であるが、スロットにワニスを滴下含浸することは難しく、固着力が安定しにくかった。このような事情により、従来、磁性材の配置不良が生じる可能性があった。
また、ステータコアのスロットの開口側に配置したコイルと、該ステータコアのティースの先端或はステータコアと対向するロータとの間は、沿面距離が小さいため、絶縁する必要があるが、このような絶縁を有効に行える構造は、従来知られていなかった。特に、コイルとして占積率の高い平角線を使用した場合には、絶縁を十分に行う必要がある。
例えば、前述の特許文献1ないし4に記載された発明のように、絶縁材により覆った磁性材をスロットの開口部に配置したり、合成樹脂製の板材を配置して、コイルとロータ或はティースの先端との間を絶縁することが考えられるが、上述したような、磁性材をスロットの開口部に配置しにくいと言う問題が存在し、合成樹脂製の板材についても同様の問題が生じると考えられるため、好ましい構造とは言えない。また、スロットの開口部に磁性材等を配置するために、スロットの形状を該磁性材等を配置しない場合に比べて変更する必要があり、このような形状変更を行うために、スロットの開口部にある程度のスペースを確保する必要がある。このため、コイルとロータとの距離が大きくなって、モータ出力が減少することが避けられない。
そこで、本発明は、コイルを構成する平角線とロータ或はティースの先端との絶縁を十分に図れ、好ましくは、スロットの開口部に容易に磁性材を配置できるステータの製造方法を提供すると共に、このような構成に適した平角線の製造装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、それぞれが略円筒状の周面に開口するように径方向に形成されたスロット(5)を円周方向複数個所に有するステータコア(2)と、コイルの巻線を構成し、前記各スロット(5)内に、径方向に複数重ねた状態で配置される平角線(スロット導体部11)と、を備えたステータ(1)の製造方法において、
前記各平角線(11)のうち、少なくとも前記各スロット(5)の最も開口側に配置される平角線(11)を、予め、該平角線(11)と絶縁された磁性材(14)と共に絶縁シート(13a)により覆うことで、前記平角線(11)と前記磁性材(14)とを一体とし、一体となった該平角線(11)と該磁性材(14)とを前記各スロット(5)内に、前記磁性材(14)が前記平角線(11)の開口側側面に位置するように配置することを特徴とするものである。
前記各スロット(5)の最も開口側に位置する平角線(11)を含む平角線(11)予め周囲を絶縁された前記磁性材(14)と共に前記絶縁シート(13a)により覆う
前記各スロット(5)の最も開口側に位置する平角線(11)を含む平角線(11)絶縁材により覆い、該絶縁材に覆われた平角線(11)、前記磁性材(14)と共に更に前記絶縁シート(13a)により覆う
また、本発明は、コイルの巻線を構成し、絶縁シート(13a)に覆われた平角線の製造装置において、
片面に前記平角線(スロット導体部11)の幅に対応した幅を有する溝(19)を形成した固定治具(16)と、
該平角線(11)を該溝(19)内に押し込むための押し治具(17)と、
前記固定治具(16)の片面に沿って、前記溝(19)の幅方向両側から該溝(19)上を交互に通るように変位する1対の変位治具(18a,18b)と、を備え、
絶縁シート(13a)を、前記固定治具(16)の片面に前記溝(19)を覆うように配置し、該絶縁シート(13a)の該溝(19)と反対側に前記平角線(11)を配置し、前記押し治具(17)により該平角線(11)を該溝(19)内に押し込むと共に、前記絶縁シート(13a)の該平角線(11)よりも幅方向両側に存在する部分を該溝(19)の側面に沿って立たせ、前記両変位治具(18a,18b)を交互に該溝(19)上を前記固定治具(16)の片面に沿って変位させることにより、前記絶縁シート(13a)の該溝(19)よりも突出した部分をそれぞれ折り曲げて、前記平角線(11)を該絶縁シート(13a)により覆うことを特徴とするものである。
片側面に周囲が絶縁された磁性材(14)を配置した状態で、前記平角線(11)を該磁性材(14)と共に前記絶縁シート(13a)により覆う。
絶縁材により覆われた平角線(11)の片側面に磁性材(14)を配置した状態で、該平角線(11)を該磁性材(14)と共に更に絶縁シートにより覆う。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより各請求項の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、スロットの開口側に配置される平角線を絶縁シートにより覆っているため、該平角線とロータ或はティースの先端との絶縁を十分に図れる。また、スロットに配置する前に開口側の平角線を絶縁シートにより覆っているため、該平角線とロータ或はティースの先端との間の絶縁を、容易に行える。また、絶縁シートにより覆うことで該平角線に予め磁性材を固定しているため、該磁性材の配置を容易且つ確実に行え、該磁性材の配置不良が生じることを防止できる。また、スロットの開口部に該磁性材を配置するために、該スロットの形状を該磁性材を配置しない場合に比べて変更する必要がない。このため、コイルとロータとの距離が大きくなることを防止でき、モータ出力が減少することが防止できる。
請求項2に係る本発明によると、予め、磁性材の周囲を絶縁しているため、該磁性材と平角線との絶縁を確実に行える。
請求項3に係る本発明によると、平角線を絶縁材により覆った後、更に磁性材を配置した状態で絶縁シートにより覆うため、磁性材に予め絶縁処理を施す必要がない。また、磁性材の配置も容易且つ確実に行え、該磁性材の配置不良が生じることを防止できる。
請求項4に係る本発明によると、平角線を絶縁シートにより覆う作業を容易に行える。また、絶縁シートを平角線に沿って容易に折り曲げることができるため、該絶縁シートに位置ずれやしわが生じる等の不良が生じにくい。
請求項5に係る本発明によると、平角線に周囲を絶縁された磁性材を配置した状態で絶縁シートにより覆う作業を容易に行える。また、絶縁シートに位置ずれやしわが生じる等の不良が生じにくい。
請求項6に係る本発明によると、絶縁材により覆われた平角線に磁性材を配置した状態で、更に絶縁シートにより覆う作業を容易に行える。また、絶縁シートに位置ずれやしわが生じる等の不良が生じにくい。
本発明により製造されるステータを示す斜視図。 そのコイル(U相)を示す斜視図。 本発明の実施の形態に係るステータを、スロット内にコイルを配置した状態で示す、拡大断面図。 本発明の実施の形態に係る平角線の製造装置を示す正面図。 図4のa−a断面の一部を省略して示す図。 本発明の実施の形態に係る平角線の製造装置の押し治具を省略して示す平面図。 本発明の実施の形態に係る平角線の製造装置による製造工程の第一工程を示す、正面図、拡大図、及び、平角線と絶縁シートとの関係を示す模式図。 同じく第二工程を示す正面図、拡大図、及び、平角線と絶縁シートとの関係を示す模式図。 同じく第三工程を示す正面図、拡大図、及び、平角線と絶縁シートとの関係を示す模式図。 同じく第四工程を示す正面図、拡大図、及び、平角線と絶縁シートとの関係を示す模式図。 同じく第五工程を示す正面図、拡大図、及び、平角線と絶縁シートとの関係を示す模式図。 同じく第六工程を示す正面図、拡大図、及び、平角線と絶縁シートとの関係を示す模式図。
本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。まず、本発明により製造される対象となる回転電機(モータ、ジェネレータ等)のステータの1例について、図1及び図2に沿って説明する。本ステータ1は、ロータと共に電気モータ(ジェネレータを含む)を構成し、該電気モータは、電気自動車及びハイブリッド車輌の駆動源となる電気モータ(含むジェネレータ)、特にブラシレスDCモータに適用して好適である。ステータ1は、図1に示すように、多数の珪素鋼板の薄板を積層したステータコア2、及び、所定の素材であるマグネットワイヤ(導体、巻線)3を巻回したコイル4からなる。ステータコア2は、リング状からなり、内径側に開口するスロット5及びティース6が交互に多数形成されている。そして、所定ピッチ離れた2個のスロット5の間を分布巻きにて3相U,V,Wの各コイル4(4U,4V,4W)が巻かれている。
マグネットワイヤ3は、断面矩形状の平角線からなり、銅等からなる導体部の全周に絶縁樹脂等の絶縁被膜が形成されている。上記ワイヤ3からなる3相のコイル4U,4V,4Wは、同相のスロット5内においては、同相の複数本(例えば4本)のワイヤ3がステータコア2の径方向に並んで配置されており、かつステータコア2の軸方向Lの一端面7から突出した一端側コイルエンド部8においては、同相の複数本のワイヤ3がステータコア2の径方向(又は軸方向)に並んで配置され、ステータコア2の軸方向Lの他端面9から突出した他端側コイルエンド部10においては、同相の複数本のワイヤ3がステータコア2の径方向内径側に屈曲すると共にステータコア2の径方向に並んで配置されている。
代表してU相のコイル4Uを示すと、コイル4Uは、図2に示すように、隣接する2個のスロット5,5を占めるように、2組4U1,4U2がセットとなって、隣接する2個のスロット5,5の近い方同士、遠い方同士が所定間隔隔てて連結するようかつ上記2組が交互に連結するように構成されている。各組のコイル4U1,4U2は、スロット5内に配置されるスロット導体部11と、ステータコア2の一端面7から突出して、所定間隔隔てたスロット導体部11を連結するように、周方向Mに延びる一端側コイルエンド部8と、ステータコア2の他端面9から突出して、所定間隔離れたスロット導体部11と連結するように、内径方向R1に屈曲して周方向Mに延びる他端側コイルエンド部10と、からなる。両コイルエンド部8,10は、それぞれが軸方向L又は径方向Rに互に干渉することなく並ぶように、周方向に(例えばY)又は軸方向に(例えばX)複数に屈曲して(折り曲げて)いる。
図3は、上述のように、スロット5内にスロット導体部11を配置した部分を詳しく示している。各スロット5は、略円筒状の内周面に開口するように径方向に形成されており、同図に示すように、それぞれのスロット5には、4本の平角線の一部であるスロット導体部11を重ねて配置している。また、スロット5と各スロット導体部11との間には、絶縁シート12を配置し、各スロット導体部11とスロット5との間を絶縁している。
本実施の形態の場合、前記絶縁シート12に加えて、スロット5の最も開口側(最内径)に配置されるスロット導体部11をシート状の絶縁材(絶縁シート)13aにより覆っている。このように最内径のスロット導体部11を絶縁シート13aにより覆うのは、ステータコア2内にロータを配置した状態で、該ロータ及びティース6の先端との沿面距離が最も近いためである。したがって、モータのサイズにより、最内径のスロット導体部11よりも外径側に存在するスロット導体部11のロータ等までの沿面距離も近くなる場合には、最内径側から複数のスロット導体部11を絶縁シート13aにより覆っても良い。
また、前記最内径のスロット導体部11の開口側(内径側)側面には、シート状の絶縁材13bにより周囲を覆った磁性材14を配置している。該磁性材14は、例えば、鉄粉等の磁性材を板状に固めたもの(鉄粉アモルファス等)で、ロータからの磁束がスロット導体部11を通過することを抑えて、渦電流が発生することを防止するもので、磁性ウェッジと呼ばれる場合もある。
特に、本実施の形態の場合、前記絶縁材13bにより覆われた磁性材14を、最内径のスロット導体部11の側面に配置した状態で、該磁性材14と共にスロット導体部11を前記絶縁シート13aにより覆っている。即ち、該スロット導体部11をスロット5に組み込む前に、予め、スロット導体部11の側面に絶縁材13bにより覆われた磁性材14を配置した状態で、絶縁シート13aにより該スロット導体部11及び磁性材14を覆って、これら両部材11、14を一体として扱えるようにしている。そして、一体となったスロット導体部11と磁性材14とを各スロット5内に、磁性材14が平角線11の開口側側面に位置するように配置するようにしている。
なお、磁性材14は、上述のようにシート状の絶縁材13bにより覆う以外に、例えば、絶縁材である板状の合成樹脂を周囲に貼り付ける等しても良い。また、予め、スロット導体部11を絶縁シート13a(請求項3に記載の磁性材)により覆った状態で、磁性材14を配置し、更に、絶縁シート13aにより、該スロット導体部11及び磁性材14を覆うようにしても良い。
上述のように構成することにより、スロット5の最内径に配置されるスロット導体部11と、ロータ或はティース6の先端との絶縁を十分に図れる。また、スロット5に配置する前に、最内径に配置されるスロット導体部11を絶縁シート13aにより覆っているため、該スロット導体部11とロータ或はティース6の先端との間の絶縁を、容易に行える。即ち、スロット5にスロット導体部11を配置した後に、合成樹脂製の板材等の絶縁材を配置することは、スロット5の幅が狭い点と、通常、該絶縁材の剛性が低い点とから難しい。これに対して本実施の形態の場合には、予め、絶縁シート13aにより覆われたスロット導体部11をスロット5内に配置するだけであるため、この作業は容易である。
また、本実施の形態によると、予め、絶縁シート13aにより覆うことでスロット導体部11に磁性材14を固定できるため、スロット5内への磁性材14の配置を容易且つ確実に行え、該磁性材14の配置不良が生じることを防止できる。即ち、剛性の低い磁性材14をスロット5の開口部に後から配置する場合には、該磁性材14が座屈する等して配置不良が生じる可能性があるが、本実施の形態の場合には、このような不具合が生じることはない。また、このように磁性材14をスロット導体部11に確実に固定できるため、スロット5内に配置した後、ワニスにより固着させる場合でも、固着力を安定させることができる。また、本実施の形態の場合、スロット5の開口部に磁性材14を配置するために、該スロット5の形状を該磁性材14を配置しない場合に比べて変更する必要がない。このため、該スロット5内に配置したコイル4を構成するスロット導体部11と、モータを構成するロータとの距離が、磁性材等を配置するためにスロット開口部の形状を変更した、前述の各特許文献に記載された構造のように、大きくなることを防止でき、モータ出力が減少することが防止できる。
なお、絶縁シート13aによりスロット導体部11を覆う部分は、少なくとも、スロット導体部11の開口側の側面、更に、好ましくは幅方向の側面(図3の左右に存在する側面)が覆われていれば良く、必ずしも全体が覆われている必要はない。但し、スロット導体部11への磁性材14の固定を確実に行うと共に、絶縁性を確実に得るためには、全体を覆うことが好ましい。
次に、上述のように、スロット導体部11を絶縁シート(絶縁材)13aにより覆う、平角線の製造装置について、図4ないし図12により説明する。装置15は、図4ないし図6に示すように、固定治具16上に、押し治具17と1対の変位治具18a,18bとを配置してなる。
このうちの固定治具16は、片面(図4、5の上面)に、前記スロット導体部11の幅(前述の図3の左右方向の幅)に対応した幅を有する溝19を形成している。該溝19は、前記スロット導体部11の配設方向(図6の上下方向)にも開口している。このため、絶縁シート13aにより覆うべきスロット導体部11の長さに拘らず、該スロット導体部11を前記溝19に配置可能である。また、該溝19の深さは、該スロット導体部11の厚さに、絶縁材13aを2枚重ねた厚さを足し合わせた値と、ほぼ同じとしている。
また、前記押し治具17は、前記固定治具16上に前記溝19との遠近動自在に配置されている。即ち、レバー20を操作することにより、図4、5の上下方向に変位自在としている。また、前記押し治具17の先端(図4、5の下端)には、前記スロット導体部11の幅及び長さに対応した凸部21を設けている。このような押し治具17は、後述するように、前記スロット導体部11を前記溝19内に押し込むためのものである。なお、前記凸部21の幅は、後述するように、絶縁シート13aの幅方向両側部分を確実に立たせるために、該スロット導体部11の幅よりも小さくすることが好ましい。
また、前記両変位治具18a,18bは、前記固定治具16の片面上に、該片面に沿って前記溝19の幅方向両側から該溝19上を交互に通るように変位自在に配置されている。このために、それぞれの変位治具18a,18bを、ハンドル22a,22bの回転により、互いに遠近動自在に変位可能としている。このような変位機構は、例えば、ねじ機構等の周知の機構を使用可能である。
上述のように構成される装置15により、スロット導体部11に絶縁シート13aを巻き付ける(覆う)作業について、図7ないし図12により説明する。まず、図7に示すように、絶縁シート13aを、前記固定治具16の片面で前記両変位治具18a,18b同士の間に、前記溝19を覆うように配置する。この状態で、該溝19の幅方向中央と、前記絶縁シート13aの幅方向中央とをほぼ一致させる。なお、該絶縁シート13aの長さは、巻き付けるスロット導体部11の長さとし、幅は、該スロット導体部11の周囲の長さよりも大きくしている。
そして、前記絶縁シート13aの該溝19と反対側(即ち、図7の上側)に、前記スロット導体部11を配置する。この状態で、該スロット導体部11と前記溝19との幅方向の位相を一致させる。したがって、該スロット導体部11は、前記絶縁シート13aのほぼ中央に配置される。
次に、図8に示すように、前記押し治具17を前記溝19に近づける方向に移動させて(下降させて)、前記スロット導体部11を該溝19内に押し込むと共に、前記絶縁シート13aの該スロット導体部11よりも幅方向両側に存在する部分を該溝19の側面に沿って立たせる。即ち、該スロット導体部11は、前記絶縁シート13a上に載置されているため、該スロット導体部11を前記溝19内に押し込むことにより、該絶縁シート13aの一部も該溝19内に押し込まれる。この際、該絶縁シート13aの前記スロット導体部11の両側に存在する部分が、前記溝19の側面に倣って折り曲げられ、該溝19の側面と前記スロット導体部11の側面との間に挟持されるように配置される。
次に、図9に示すように、前記押し治具17を前記溝19から遠ざかる方向に移動させて(上昇させて)、該押し治具17を前記スロット導体部11から、少なくとも次述する変位治具18aの厚さ(図9の高さ)分よりも多く退避させる。次いで、図10に示すように、同図の左側の変位治具18aを、前記固定治具16の片面に沿って同図の右側に前記溝19上を通るように変位させる。そして、前記絶縁シート13aの立ち上がった部分のうち、図10の左側部分を折り曲げて、該立ち上がった部分により前記スロット導体部11の同図の上面を覆う。
更に、図11に示すように、同図の右側の変位治具18bを、前記固定治具16の片面に沿って同図の左側に前記溝19上を通るように変位させると共に、前記左側の変位治具を18aを、該溝19上から退避させるように、同図の左側に変位させる。そして、前記絶縁シート13aの立ち上がった部分のうち、図11の右側部分を折り曲げて、該立ち上がった部分により前記スロット導体部11の上面を覆い、前述のように左側の変位治具18aにより折り曲げられた部分と重ねる。これにより、該スロット導体部11が前記絶縁シート13aにより覆われる。なお、図示の例の場合、右側の変位治具18b上に前記押し治具17を固定しているため、該押し治具17は該変位治具18bと共に変位する。
更に、図12に示すように、前記右側の変位治具18bを、前記溝19上から退避させるように、同図の右側に変位させる。そして、前記絶縁シート13aにより覆われた前記スロット導体部11を前記溝19から取り外す。なお、前述の図3に示した構造と同様に、絶縁シート13aの端部同士が重なり合うように折り曲げることが好ましく、この場合に、一方の端部に接着剤を塗布しておけば、上述の右側の変位治具18bの変位により、絶縁シート13aの端部が重なり合った部分で接着される。但し、絶縁シート13aの接着方法は、これに限定されるものではなく、例えば、絶縁シート13aの端部をスロット導体部11に直接接着させても良いし、溝19から取り外した後、絶縁シート13aの端部同士が重なり合った部分に、熱を加えて溶着させても良い。
なお、上述の説明では、スロット導体部11を絶縁シート13aにより覆う構造について述べたが、上述した装置15を使用して、スロット導体部11と磁性材14とを共に絶縁シート13aにより覆うこともできる。なお、この場合、溝19の深さを磁性材14及び該磁性材14とスロット導体部11との絶縁部分を考慮した深さとする。
即ち、磁性材14がすでに周囲を絶縁材13bにより覆われている場合(図3参照)には、溝19上に絶縁シート13aを配置し、該絶縁シート13a上に、絶縁材13bにより覆われた磁性材14及びスロット導体部11を、重ねて配置する。そして、押し治具17により、該絶縁材13bにより覆われた磁性材14及びスロット導体部11を、前記溝19内に押し込む。その後、上述の説明と同様に、両変位治具18a,18bにより絶縁シート13aを折り曲げて、前記磁性材14及びスロット導体部11を該絶縁シート13aにより覆う。
一方、磁性材14を絶縁材により覆っていない場合には、溝19上に配置された絶縁材上に、磁性材14と絶縁シート13aにより覆われたスロット導体部11とを配置し、同様に、該磁性材14と絶縁シート13aにより覆われたスロット導体部11とを、更に絶縁材により覆う。
なお、上述の押し治具17及び両変位治具18a,18bの操作は、レバー20及びハンドル22a,22bに変えて、アクチュエータにより行っても良い。この場合に、絶縁シート13a及びスロット導体部11、更には磁性材14の配置及び作業後の取り外しを自動で行えば、全工程を自動で行うことも可能になる。
上述のような装置15によると、スロット導体部11単体、或は、磁性材14を含めて絶縁シート13aにより覆う作業を容易に行える。即ち、絶縁シート13aをスロット導体部11の周囲に沿って折り曲げる作業を、該スロット導体部11(更には磁性材14)を溝19に押し込む工程と、両変位治具18a,18bを変位させる工程だけで、容易且つ確実に行える。また、このように、絶縁シート13aをスロット導体部11に沿って折り曲げるため、折り曲げ作業の際に、前記絶縁シート13aに位置ずれやしわが生じにくく、製品不良が生じにくい。
一方、上述のように絶縁シート13aをスロット導体部11に巻き付ける作業を手作業で行った場合、該絶縁シート13aに位置ずれが生じ易い上に、しわが生じる可能性がある。そして、このような位置ずれやしわが生じた場合、スロット5内への挿入時に前記絶縁シート13aが破れてしまう可能性がある。これに対して本実施の形態の装置15により製造した場合、上述のような不具合が生じにくいため、スロット5内への挿入時に絶縁シート13aが破れることはない。
1 ステータ
2 ステータコア
3 マグネットワイヤ
4 コイル
5 スロット
6 ティース
7 一端面
8 一端側コイルエンド部
9 他端面
10 他端側コイルエンド部
11 スロット導体部
12 絶縁シート
13a 絶縁シート
13b 絶縁材
14 磁性材
15 装置
16 固定治具
17 押し治具
18a、18b 変位治具
19 溝
20 レバー
21 凸部
22a,22b ハンドル

Claims (6)

  1. それぞれが略円筒状の周面に開口するように径方向に形成されたスロットを円周方向複数個所に有するステータコアと、コイルの巻線を構成し、前記各スロット内に、径方向に複数重ねた状態で配置される平角線と、を備えたステータの製造方法において、
    前記各平角線のうち、少なくとも前記各スロットの最も開口側に配置される平角線を、予め、該平角線と絶縁された磁性材と共に絶縁シートにより覆うことで、前記平角線と前記磁性材とを一体とし、一体となった該平角線と該磁性材とを前記各スロット内に、前記磁性材が前記平角線の開口側側面に位置するように配置することを特徴とするステータの製造方法
  2. 前記各スロットの最も開口側に位置する平角線を含む平角線予め周囲を絶縁された前記磁性材と共に前記絶縁シートにより覆う、請求項1に記載のステータの製造方法
  3. 予め、前記各スロットの最も開口側に位置する平角線を含む平角線絶縁材により覆い、該絶縁材に覆われた平角線、前記磁性材と共に更に前記絶縁シートにより覆う、請求項1に記載のステータの製造方法
  4. コイルの巻線を構成し、絶縁シートに覆われた平角線の製造装置において、
    片面に前記平角線の幅に対応した幅を有する溝を形成した固定治具と、
    該平角線を該溝内に押し込むための押し治具と、
    前記固定治具の片面に沿って、前記溝の幅方向両側から該溝上を交互に通るように変位する1対の変位治具と、を備え、
    絶縁シートを、前記固定治具の片面に前記溝を覆うように配置し、該絶縁シートの該溝と反対側に前記平角線を配置し、前記押し治具により該平角線を該溝内に押し込むと共に、前記絶縁シートの該平角線よりも幅方向両側に存在する部分を該溝の側面に沿って立たせ、前記両変位治具を交互に該溝上を前記固定治具の片面に沿って変位させることにより、前記絶縁シートの該溝よりも突出した部分をそれぞれ折り曲げて、前記平角線を該絶縁シートにより覆うことを特徴とする平角線の製造装置。
  5. 片側面に周囲が絶縁された磁性材を配置した状態で、前記平角線を該磁性材と共に前記絶縁シートにより覆う、請求項4に記載の平角線の製造装置。
  6. 絶縁材により覆われた平角線の片側面に磁性材を配置した状態で、該平角線を該磁性材と共に更に絶縁シートにより覆う、請求項4に記載の平角線の製造装置。
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