JP5271176B2 - ロータシャフト - Google Patents
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Description
該ロータシャフトは、インナシャフトと、該インナシャフトの外周側に配設されたアウタシャフトとを有し、
該アウタシャフトは、上記インナシャフトを挿嵌させるための筒状の筒状部と、該筒状部の外周側に配設され、磁気回路を形成すると共に内部に磁石を設けた鉄心を取り付けるための鉄心取付部とを有し、
上記インナシャフトと上記アウタシャフトとは、上記インナシャフトを上記アウタシャフトの上記筒状部内に挿嵌させ、両者の接触面における摩擦力によって互いに締結されており、
上記接触面のうち、上記インナシャフトが駆動トルクを受ける部位に近い側の一部には、駆動時において上記ロータシャフトに所定以上の駆動トルクが付与された際に、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとが上記ロータシャフトの回転方向に相対移動し、両者の間にすべりが生じるすべり領域が形成されており、
上記アウタシャフトにおける上記すべり領域が形成された軸方向位置に、上記ロータの回転位置を検出する回転位置検出手段が設けられていることを特徴とするロータシャフトにある(請求項1)。
このとき、上記インナシャフトに付与された駆動トルクは、上記接触面における上記すべり領域以外の領域において、上記アウタシャフトに伝達することができる。
この場合、例えば、上記接触面における上記すべり領域と該すべり領域以外の領域とに対応するそれぞれの部位において、上記アウタシャフト及び上記インナシャフトの肉厚を調整したり、両者の締め代を調整したりすることによって、締結力の大小関係を設定することができる。
例えば、レゾルバを用いた場合には、レゾルバロータとレゾルバステータとの間のギャップ変動によってトランス効率が変化することを利用して、上記ロータの回転位置を検出することができる。
この場合には、上記ロータシャフトに所定以上の大きな駆動トルクが付与された際に、上記接触面の一部(すべり領域)において、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとの相対的なすべりが確実に生じるようにすることができる。
なお、上記静摩擦力は、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとがすべり始める直前において、両者の上記接触面に生じる力である。
この場合には、例え上記インナシャフトと上記アウタシャフトとが上記接触面の上記すべり領域において相対的なすべりを生じた場合であっても、上記インナシャフトに付与された駆動トルクは、上記接触面における上記すべり領域以外の領域を介して上記アウタシャフトに確実に伝達することができる。
本例のロータシャフト3は、図1、図2に示すごとく、回転電機1のロータ2に用いるものであり、インナシャフト4と、インナシャフト4の外周側に配設されたアウタシャフト5とを有する。アウタシャフト5は、インナシャフト4を挿嵌させるための筒状の筒状部51と、筒状部51の外周側に配設され、磁気回路を形成すると共に内部に磁石55を設けた鉄心54を取り付けるための鉄心取付部53とを有する。
また、アウタシャフト5におけるすべり領域611が形成された軸方向位置に、ロータ2の回転位置を検出するレゾルバ(回転位置検出手段)59が設けられている。
以下、これを詳説する。
回転電機1のロータ2は、ロータシャフト3に鉄心54を取り付けて構成されており、ステータコア71に界磁巻線72を配設してなるステータ7の内周側に回転可能に配設されている。ステータ7は、ハウジング11に固定されている。
インナシャフト4は、その一方の端部に動力伝達部41を有し、インナシャフト4の内周側から動力伝達部41を介して、エンジン又は車軸からの駆動トルクTの入力及びモータにおいて発生した駆動トルクTの出力を行うことができるよう構成されている。
筒状部51の挿嵌穴50には、インナシャフト4が挿嵌固定されている。また、筒状部51には、ロータ2の回転位置を検出するためのレゾルバ(回転位置検出手段)59が取り付けられている。レゾルバ59は、アウタシャフト5における後述するすべり領域611が形成された軸方向位置に取り付けられている。
また、鉄心取付部53には、鉄心54が取り付けられている。鉄心54は、薄板状の珪素鋼板を積層して構成されている。また、鉄心54の内部には、周方向に所定の間隔を有して複数の磁石55が配設されている。
具体的には、アウタシャフト5における筒状部51の挿嵌穴50の内径をインナシャフト4におけるアウタシャフト5に対して締結する部分の外径よりも小さく設定しておく。そして、アウタシャフト5の筒状部51を加熱して膨張させ、筒状部51の挿嵌穴50内にインナシャフト4を挿嵌させる。その後、筒状部51を冷却して収縮させることにより、インナシャフト4とアウタシャフト5とを締結する。
また、締結力の設定は、接触面61におけるすべり領域611と非すべり領域612とに対応するそれぞれの部位において、インナシャフト4及びアウタシャフト5の肉厚を調整したり、両者の締め代を調整したりすることによって行った。
また、接触面61におけるすべり領域611以外の領域(非すべり領域612)の静摩擦力F2とアウタシャフト5の筒状部51の内周半径rとの積である静摩擦モーメントMは、駆動時においてロータシャフト3に付与される最大駆動トルクTmよりも大きく設定されている(M>Tm)。
なお、静摩擦力F1、F2は、インナシャフト4とアウタシャフト5とがすべり始める直前において、両者の接触面61に生じる力である。
回転電機1におけるロータシャフト3は、インナシャフト4の動力伝達部41において、エンジン又は車軸からの駆動トルクTが付与(入力)される。ここで、本例のロータシャフト3は、インナシャフト4とアウタシャフト5との2部品に分割して構成されており、両者は、その接触面61における摩擦力によって互いに締結されている。そして、接触面61のうち、インナシャフト4が駆動トルクTを受ける部位に近い側の一部には、駆動時においてロータシャフト3に所定以上(設定駆動トルクTs以上)の駆動トルクTが付与された際に、インナシャフト4とアウタシャフト5との間で相対的なすべりが生じるすべり領域611が形成されている。
このとき、インナシャフト4に付与された駆動トルクTは、接触面61におけるすべり領域611以外の領域である非すべり領域612において、アウタシャフト5に伝達することができる。
本例は、図3に示すごとく、一体品として構成された従来のロータシャフト3の例である。
本例のロータシャフト3は、同図に示すごとく、実施例のようにインナシャフト4とアウタシャフト5との2部品に分割して構成されているのではなく、これらを合わせた1つの部品として、すなわち一体品として構成されている。
その他は、実施例と同様の構成である。
すなわち、本発明のロータシャフト3は、インナシャフト4とアウタシャフト5との2部品に分割して構成され、両者の接触面61の一部にすべり領域611が形成されている。そのため、大きな駆動トルクTが付与されてインナシャフト4に多少のねじれが生じても、すべり領域611における相対的なすべりによってアウタシャフト5のねじれを抑制することができる。そして、このねじれを抑制することができるアウタシャフト5に鉄心54内の磁石55とレゾルバ59とが取り付けられているため、両者の位置関係にずれが生じることがなく、ロータ2の回転位置を常に精度良く検出することができる。
3 ロータシャフト
4 インナシャフト
5 アウタシャフト
51 筒状部
53 鉄心取付部
54 鉄心
55 磁石
59 レゾルバ(回転位置検出手段)
61 接触面
611 すべり領域
T 駆動トルク
Claims (3)
- 回転電機のロータに用いるロータシャフトにおいて、
該ロータシャフトは、インナシャフトと、該インナシャフトの外周側に配設されたアウタシャフトとを有し、
該アウタシャフトは、上記インナシャフトを挿嵌させるための筒状の筒状部と、該筒状部の外周側に配設され、磁気回路を形成すると共に内部に磁石を設けた鉄心を取り付けるための鉄心取付部とを有し、
上記インナシャフトと上記アウタシャフトとは、上記インナシャフトを上記アウタシャフトの上記筒状部内に挿嵌させ、両者の接触面における摩擦力によって互いに締結されており、
上記接触面のうち、上記インナシャフトが駆動トルクを受ける部位に近い側の一部には、駆動時において上記ロータシャフトに所定の駆動トルクが付与された際に、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとが上記ロータシャフトの回転方向に相対移動し、両者の間にすべりが生じるすべり領域が形成されており、
上記アウタシャフトにおける上記すべり領域が形成された軸方向位置に、上記ロータの回転位置を検出する回転位置検出手段が設けられていることを特徴とするロータシャフト。 - 請求項1において、上記接触面における上記すべり領域の静摩擦力は、上記すべり領域以外の領域の静摩擦力よりも小さいことを特徴とするロータシャフト。
- 請求項1又は2において、上記接触面における上記すべり領域以外の領域の上記静摩擦力と上記アウタシャフトの上記筒状部の内周半径との積である静摩擦モーメントは、駆動時において上記ロータシャフトに付与される最大駆動トルクよりも大きいことを特徴とするロータシャフト。
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