JPWO2019098159A1 - 偏光板の製造方法及び液晶表示装置の製造方法、並びに光学フィルム - Google Patents

偏光板の製造方法及び液晶表示装置の製造方法、並びに光学フィルム Download PDF

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Abstract

本発明は、仮支持体上に塗布層を形成し、乾燥することにより、上記仮支持体上に光学フィルムを形成した転写フィルムを作成する工程、上記転写フィルムにおける上記光学フィルム側表面に偏光子を貼り合わせる工程、上記転写フィルムから上記仮支持体を剥離する工程を有する偏光板の製造方法であって、上記光学フィルムが、ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体を上記光学フィルムの全固形分に対して25〜45質量%含み、上記光学フィルムが、ポリエステル系添加剤を上記光学フィルムの全固形分に対して0.1〜10質量%含み、上記光学フィルムの厚さが、4〜10μmであり、上記光学フィルムの破断伸度が、厚さ30μm、幅10mmの試料において、25℃の環境下で2.5%以上であり、上記仮支持体の上記光学フィルムを形成する側の表面の算術平均粗さが、40nm以下である、偏光板の製造方法、上記製造方法により製造された偏光板を用いる液晶表示装置の製造方法、及び上記光学フィルムを提供する。

Description

本発明は、偏光板の製造方法及び液晶表示装置の製造方法、並びに光学フィルムに関する。
光学フィルムは種々の用途に用いられており、例えば偏光板に用いられている。
偏光板は液晶表示装置(LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイ(OLED)などの部材として用いられ、その表示性能において重要な役割を果たす。一般的な偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂にヨウ素錯体などの二色性色素を吸着配向させた偏光子の片面、もしくは両面に光学フィルムを貼合させた構成を有する。
近年、表示装置の大型化、薄型化、フレキシブル化が進んでおり、これに伴って偏光板もこれまでと異なる機能や、薄型化が求められる。
偏光板を薄型化するためには偏光板を構成する光学フィルムの薄型化が必要である。例えば特許文献1には、仮支持体上に塗布膜を設け、その塗布膜に偏光子を貼合した後、塗布膜から仮支持体を剥離することにより膜厚10μm未満の塗布膜フィルムが貼合された偏光板を作製する方法が記載されている。
国際公開第2014/199934号
特許文献1には主としてシクロオレフィンポリマーからなる塗布膜フィルムが記載されており、本発明者らの検討によると、仮支持体との剥離性に優れ、かつ低い複屈折性を有する塗布膜フィルムではあるが、一方で、偏光板形態とした後、大型表示装置に組み立て、高温高湿下に置くと、偏光子を形成するPVA系樹脂の吸湿等に起因する伸長に塗布膜フィルムが追従できず、偏光板が破壊する事象があることが分かった。
フィルムの特長となる機能は一般にフィルムの主材料によるところが大きいが、その主材料は必ずしも高温高湿下でのPVA系樹脂の変形に対応出来るわけではなく、むしろ不利である場合が多い。また、光学フィルムやそれを含む偏光板を画像表示装置に適用した際に、輝度ムラが抑制されることも望ましい。
上記問題に鑑み、本発明の解決しようとする課題は、高温高湿下における破壊故障が抑制され、かつ画像表示装置に適用した際に輝度ムラを抑制できる偏光板の製造方法及び上記偏光板を有する液晶表示装置の製造方法、並びに、高温高湿下において偏光板の破壊故障を抑制でき、かつ画像表示装置に適用した際に輝度ムラを抑制できる光学フィルムを提供することにある。
本発明者らは、本発明にかかる光学フィルム(機能性膜)の下記作用により前述の課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の光学フィルムは、伸長性を有する成分を含有しており、本発明の光学フィルムを偏光板に用いた場合、高温高湿下での偏光子の伸長に追従して本発明の光学フィルムが伸長することで、偏光板の破壊故障を抑制できると考えられる。
したがって、上記課題を解決するための具体的手段である本発明は、以下の通りである。
<1>
仮支持体上に塗布層を形成し、乾燥することにより、上記仮支持体上に光学フィルムを形成した転写フィルムを作成する工程、
上記転写フィルムにおける上記光学フィルムの空気界面側表面に偏光子を貼り合わせる工程、
上記転写フィルムから上記仮支持体を剥離する工程を有する偏光板の製造方法であって、
上記光学フィルムが、ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体を上記光学フィルムの全固形分に対して25〜45質量%含み、
上記光学フィルムが、ポリエステル系添加剤を上記光学フィルムの全固形分に対して0.1〜10質量%含み、
上記光学フィルムの厚さが、4〜10μmであり、
上記光学フィルムの破断伸度が、厚さ30μm、幅10mmの試料において、25℃の環境下で2.5%以上であり、
上記仮支持体の上記光学フィルムを形成する側の表面の算術平均粗さが、40nm以下である、偏光板の製造方法。
<2>
上記光学フィルムが、スチレン系樹脂を含む<1>に記載の偏光板の製造方法。
<3>
<1>又は<2>に記載の製造方法により製造された偏光板の上記光学フィルム側を液晶セル側に貼り合わせる工程を有する、液晶表示装置の製造方法。
<4>
ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体と、ポリエステル系添加剤とを含む光学フィルムであって、
上記ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体の含有量が、上記光学フィルムの全固形分に対して25〜45質量%であり、
上記ポリエステル系添加剤の含有量が、上記光学フィルムの全固形分に対して0.1〜10質量%であり、
上記光学フィルムの厚さが、4〜10μmであり、
上記光学フィルムの破断伸度が、厚さ30μm、幅10mmの試料において、25℃の環境下で2.5%以上である、光学フィルム。
<5>
スチレン系樹脂を含む、<4>に記載の光学フィルム。
本発明により、高温高湿下における破壊故障が抑制され、かつ画像表示装置に適用した際に輝度ムラを抑制できる偏光板の製造方法及び上記偏光板を有する液晶表示装置の製造方法、並びに、高温高湿下において偏光板の破壊故障を抑制でき、かつ画像表示装置に適用した際に輝度ムラを抑制できる光学フィルムを提供することができる。
本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
また、本発明において、「(メタ)アクリル基」は、「アクリル基およびメタアクリル基のいずれか一方または双方」の意味で使用される。「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリルアミド」、「(メタ)アクリロイル基」なども同様である。
本発明の偏光板の製造方法は、
仮支持体上に塗布層を形成し、乾燥することにより、上記仮支持体上に光学フィルムを形成した転写フィルムを作成する工程、
上記転写フィルムにおける上記光学フィルムの空気界面側表面に偏光子を貼り合わせる工程、
上記転写フィルムから上記仮支持体を剥離する工程を有する偏光板の製造方法であって、
上記光学フィルムが、ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体を上記光学フィルムの全固形分に対して25〜45質量%含み、
上記光学フィルムが、ポリエステル系添加剤を上記光学フィルムの全固形分に対して0.1〜10質量%含み、
上記光学フィルムの厚さが、4〜10μmであり、
上記光学フィルムの破断伸度が、厚さ30μm、幅10mmの試料において、25℃の環境下で2.5%以上であり、
上記仮支持体の上記光学フィルムを形成する側の表面の算術平均粗さが、40nm以下である、偏光板の製造方法である。
また、本発明の光学フィルムは、
ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体と、ポリエステル系添加剤とを含む光学フィルムであって、
上記ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体の含有量が、上記光学フィルムの全固形分に対して25〜45質量%であり、
上記ポリエステル系添加剤の含有量が、上記光学フィルムの全固形分に対して0.1〜10質量%であり、
上記光学フィルムの厚さが、4〜10μmであり、
上記光学フィルムの破断伸度が、厚さ30μm、幅10mmの試料において、25℃の環境下で2.5%以上である、光学フィルムである。
<光学フィルム>
本発明の光学フィルムは種々の用途に用いることができる。本発明の光学フィルムの用途の一例として、偏光板の構成部材として用いることが挙げられる。
本発明の光学フィルムは、偏光板を構成する部材として用いる場合、偏光子を保護する膜(「偏光板保護フィルム」とも呼ぶ。)として用いることができる。特に、粘着剤を介して表示装置側に位置する側の偏光板保護フィルムとして用いることが好適である。
本発明の光学フィルムは、偏光板保護フィルムとして偏光板に用いられた際に、高温高湿下において偏光板の破壊故障を抑制できる。
本発明の光学フィルムを用いた偏光板を、例えば高温高湿条件として、60℃、相対湿度90%の条件下に置いて、3日間経過した後に、偏光板が破壊されていないことが好ましい。
偏光板の破壊は、高温高湿下で、偏光子であるPVA系樹脂が吸湿して伸長し、同時に温度上昇により室温下より伸長することにより、偏光板保護フィルムが破壊されることが切っ掛けとなる。この破壊は、偏光板保護フィルムが薄くなる、具体的には10μm以下になると、起こることがある。
本発明の光学フィルムは、厚さ30μm、幅10mmの試料形態において、25℃での破断伸度が2.5%以上であるという特性を有する(すなわち、高い伸長性を有する)。この特性を有することにより、本発明の光学フィルムは、偏光板保護フィルムとして用いられることで、高温高湿下での偏光板の破壊を抑制する。より好ましくは上記破断伸度が3.0%以上であり、更に好ましくは3.5%以上である。なお、上記破断伸度の上限は特に限定されないが、通常25%以下であることが好ましい。
本発明において、破断伸度の測定は、乾燥状態(25℃、相対湿度60%)で、厚さ30μm、幅10mm、長さ120mmの試料を用いて行う。この試料に対して、引っ張り試験機テンシロンRTC−1210A((株)オリエンテック)を用い、引っ張り速度300mm/分、ロードセル50Nの設定で、破断伸度を測定する。上記測定を5回行い、最大値と最小値を除いた3回の結果を平均し、破断伸度とする。
なお、本発明における光学フィルムの膜厚は4〜10μmであるが、破断伸度の測定において、安定的に試験が行えるように、厚さ30μmの試料で破断伸度を測定することとした。厚さ30μmの試料は、例えば、光学フィルムを製造するための塗布組成物を用い、厚さが30μmとなるように調整して製膜することや、30μm未満の光学フィルムを積層するなどして作製することができる。
<伸長性を有する成分>
本発明の光学フィルムは、伸長性を有する成分を適宜選んで含むことができる。
伸長性を有する成分としては、具体的には、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエンースチレン樹脂)、SB樹脂(スチレン−ブタジエン樹脂)、イソプレン樹脂、ブタジエン樹脂や、イソブチエン−イソブテン樹脂、ポリエーテル−ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、等を挙げることができる。また、上記樹脂は、適宜水素添加してもよい。
本発明の光学フィルムは、伸長性を有する成分として、ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体を含むことが好ましい。
本発明の光学フィルムは、ABS樹脂またはSB樹脂を含むことが好ましく、SB樹脂を含むことがさらに好ましい。
本発明の光学フィルムに用いることができるSB樹脂は、特に限定されないが、具体的には、市販されているものが使用でき、例えば、TR2000、TR2003、TR2250(以上、JSR(株)製)、クリアレン210M、220M、730V(以上、デンカ(株)製)、アサフレックス800S、805、810、825、830、840(以上、旭化成(株)製)、エポレックスSB2400、SB2610、SB2710(以上、住友化学(株))、等を挙げることができる。
本発明の光学フィルムは、伸長性を有する成分を、光学フィルムの全固形分中15〜95質量%含むことが好ましく、より好ましくは、20〜50質量%含むことであり、更に好ましくは、25〜45質量%含むことである。
なお、光学フィルムの全固形分とは、光学フィルムに含まれる成分のうち、溶剤を除いた全成分をいう。
本発明の光学フィルムは、ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体を光学フィルムの全固形分に対して25〜45質量%含むことが好ましく、25〜40質量%含むことがより好ましく、25〜30質量%含むことが更に好ましい。
伸長性を有する成分は、それ自身で、すなわち伸長性を有する成分100質量%からなる、厚さ30μm、幅10mmの試料形態において、25℃での破断伸度が10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。
<基材からの剥離性を制御する成分>
本発明の光学フィルムは、本発明の偏光板の製造方法において、仮支持体からの剥離を行う工程における剥離性を制御する成分を含むことができる。仮支持体(基材)からの光学フィルムの剥離性を制御することで、剥離後の光学フィルムに剥離跡が付くことを防いだり、剥離工程の加工速度に適宜対応することができ、偏光板の品質や、生産性向上に好ましい効果を得ることができる。
本発明の光学フィルムは、剥離性を制御する成分を適宜選ぶことができる。本発明の光学フィルムは、後述するように仮支持体としてポリエステル系高分子フィルムを用いることが好ましいことから、ポリエステル系高分子フィルムとの剥離性を制御する成分を有することが好ましい。剥離性を制御する成分としては、ポリエステル系添加剤を用いることが好ましい。
ポリエステル系添加剤は、多価塩基酸と多価アルコールとの脱水縮合反応、又は、多価アルコールへの無水二塩基酸の付加及び脱水縮合反応などの公知の方法で得ることができ、好ましくは二塩基酸とジオールとから形成される重縮合エステルである。
ポリエステル系添加剤の重量平均分子量(Mw)は500〜50000であることが好ましく、750〜40000であることがより好ましく、2000〜30000であることが更に好ましい。
ポリエステル系添加剤の重量平均分子量が500以上であると、脆性、湿熱耐久性の観点で好ましく、50000以下であると、樹脂との相溶性の観点で好ましい。
ポリエステル系添加剤の重量平均分子量は、以下の条件で標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、Mnは標準ポリスチレン換算の数平均分子量である。
GPC:ゲル浸透クロマトグラフ装置(東ソー(株)製HLC−8220GPC、カラム;東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSK gel GMHXL2本、TSK gel G2000HXLを順次連結、溶離液;テトラヒドロフラン、流速;1mL/min、サンプル濃度;0.7〜0.8質量%、サンプル注入量;70μL、測定温度;40℃、検出器;示差屈折(RI)計(40℃)、標準物質;東ソー(株)製TSKスタンダードポリスチレン)
ポリエステル系添加剤を構成する二塩基酸としては、ジカルボン酸を好ましく挙げることができる。
ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸、又は芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸の混合物を好ましく用いることができる。
芳香族ジカルボン酸の中でも、炭素数8〜20の芳香族カルボン酸が好ましく、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸がより好ましく、具体的には、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸の中でも、炭素数3〜8の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、炭素数4〜6の脂肪族ジカルボン酸がより好ましく、具体的には、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、及びグルタル酸から選ばれる少なくとも1種が好ましく、コハク酸及びアジピン酸から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
また、ポリエステル系添加剤を構成するジオールとしては、脂肪族ジオール、芳香族ジオール等が挙げられ、特に脂肪族ジオールが好ましい。
脂肪族ジオールの中でも、炭素数2〜4の脂肪族ジオールが好ましく、炭素数2〜3の脂肪族ジオールがより好ましい。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコールなどが挙げることができ、これらを単独又は二種類以上を併用して用いることができる。
ポリエステル系添加剤は、特に、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸から選ばれる少なくとも1種と脂肪族ジオールとを縮合して得られる化合物であることが好ましい。
ポリエステル系添加剤の末端はモノカルボン酸と反応させて封止してもよい。封止に用いるモノカルボン酸としては脂肪族モノカルボン酸が好ましく、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸及びその誘導体が好ましく、酢酸又はプロピオン酸がより好ましく、酢酸が最も好ましい。
市販のポリエステル系添加剤としては、日本合成化学工業株式会社製エステル系樹脂ポリエスター(例えば、LP050、TP290、LP035、LP033、TP217、TP220)、東洋紡株式会社製エステル系樹脂バイロン(例えば、バイロン245、バイロンGK890、バイロン103、バイロン200、バイロン550、バイロンGK880、バイロンGK680)等が挙げられる。
本発明の光学フィルムは、基材からの剥離性を制御する成分(好ましくはポリエステル系添加剤)の含有量が、光学フィルムの全固形分に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、0.15質量%以上であることがより好ましく、0.2質量%以上であることがさらに好ましい。また、基材からの剥離性を制御する成分(好ましくはポリエステル系添加剤)の含有量は、光学フィルムの全固形分に対して、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、7.5質量%以下であることが更に好ましい。基材からの剥離性とともに、適度な密着性を得る観点から上記範囲が好ましい。
<レベリング剤>
本発明における光学フィルムは、少なくとも1種のレベリング剤を含有することができる。
これにより、仮支持体上に塗布層を形成し、乾燥して、光学フィルムを有する転写フィルムを作製する工程において、乾燥風の局所的な分布による乾燥バラツキに起因する膜厚ムラ等を抑制したり、塗布物のハジキを改良することができる。
レベリング剤として、例えば、シリコーン系レベリング剤及びフッ素系レベリング剤から選択される少なくとも1種のレベリング剤を用いることができる。なお、レベリング剤は、低分子化合物よりもオリゴマー又はポリマーであることが好ましい。
レベリング剤を添加すると、塗布された塗膜の表面にレベリング剤が速やかに移動して偏在化し、塗膜の乾燥後もレベリング剤がそのまま表面に偏在することになるため、レベリング剤を添加した膜の表面エネルギーは、レベリング剤によって低下する。膜厚不均一性、ハジキ、及びムラを防止するという観点からは、膜の表面エネルギーが低いことが好ましい。
シリコーン系レベリング剤の好ましい例としては、ジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含み、末端及び/又は側鎖に置換基を有するポリマーあるいはオリゴマーが挙げられる。ジメチルシリルオキシを繰り返し単位として含むポリマーあるいはオリゴマー中にはジメチルシリルオキシ以外の構造単位を含んでもよい。置換基は同一であっても異なっていてもよく、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはポリエーテル基、アルキル基、アリール基、アリールオキシ基、シンナモイル基、オキセタニル基、フルオロアルキル基、ポリオキシアルキレン基、などを含む基が挙げられる。
シリコーン系レべリング剤の数平均分子量に特に制限はないが、10万以下であることが好ましく、5万以下であることがより好ましく、1000〜30000であることが特に好ましく、1000〜20000であることが最も好ましい。
好ましいシリコーン系レベリング剤の例としては、電離放射線硬化基を有しない市販のシリコーン系レベリング剤として、信越化学工業(株)製のX22−3710、X22−162C、X22−3701E、X22160AS、X22170DX、X224015、X22176DX、X22−176F、X224272、KF8001、X22−2000等;チッソ(株)製のFM4421、FM0425、FMDA26、FS1265等;東レ・ダウコーニング(株)製のBY16−750、BY16880、BY16848、SF8427、SF8421、SH3746、SH8400、SF3771、SH3749、SH3748、SH8410等;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製のTSFシリーズ(TSF4460、TSF4440、TSF4445、TSF4450、TSF4446、TSF4453、TSF4452、TSF4730、TSF4770等)、FGF502、SILWETシリーズ(SILWETL77、SILWETL2780、SILWETL7608、SILWETL7001、SILWETL7002、SILWETL7087、SILWETL7200、SILWETL7210、SILWETL7220、SILWETL7230、SILWETL7500、SILWETL7510、SILWETL7600、SILWETL7602、SILWETL7604、SILWETL7604、SILWETL7605、SILWETL7607、SILWETL7622、SILWETL7644、SILWETL7650、SILWETL7657、SILWETL8500、SILWETL8600、SILWETL8610、SILWETL8620、SILWETL720)等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。
電離放射線硬化基を有するものとして、信越化学工業(株)製のX22−163A、X22−173DX、X22−163C、KF101、X22164A、X24−8201、X22174DX、X22164C、X222426、X222445、X222457、X222459、X22245、X221602、X221603、X22164E、X22164B、X22164C、X22164D、TM0701等;チッソ(株)製のサイラプレーンシリーズ(FM0725、FM0721、FM7725、FM7721、FM7726、FM7727等);東レ・ダウコーニング(株)製のSF8411、SF8413、BY16−152D、BY16−152、BY16−152C、8388A等;エボニックデグサ ジャパン(株)製のTEGO Rad2010、2011、2100、2200N、2300、2500、2600,2700等;ビックケミー・ジャパン(株)製のBYK3500;信越シリコーン社製のKNS5300;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製のUVHC1105、UVHC8550等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。
フッ素系レベリング剤は、フルオロ脂肪族基と、例えばこのレべリング剤を添加剤として使用したときに、コーティング用、成形材料用等の各種組成物に対する親和性に寄与する親媒性基とを同一分子内に有する化合物であり、このような化合物は、一般に、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと親媒性基を有するモノマーとを共重合させて得ることができる。
フルオロ脂肪族基を有するモノマーと共重合される、親媒性基を有するモノマーの代表的な例としては、ポリ(オキシアルキレン)アクリレート、ポリ(オキシアルキレン)メタクリレート等が挙げられる。
好ましい市販のフッ素系レベリング剤としては、電離放射線硬化基を有しないものとしてDIC(株)製のメガファックシリーズ(MCF350−5、F472、F476、F445、F444、F443、F178、F470、F475、F479、F477、F482、F486、TF1025、F478、F178K、F−784−F、F552等);ネオス(株)製のフタ―ジェントシリーズ(FTX218、250、245M、209F、222F、245F、208G、218G、240G、206D、240D等)が挙げられ、電離放射線硬化基を有するものとして、ダイキン工業(株)製のオプツールDAC;DIC(株)製のデイフェンサシリーズ(TF3001、TF3000、TF3004、TF3028、TF3027、TF3026、TF3025等)、RSシリーズ(RS71、RS101、RS102、RS103、RS104、RS105等)が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、特開2004−331812号公報、特開2004−163610号公報に記載の化合物等を用いることもできる。
上記レベリング剤は、光学フィルムの全固形分中に0.01〜5.0質量%含有されることが好ましく、0.01〜2.0質量%含有されることがより好ましく、0.01〜1.0質量%含有されることが最も好ましい。
<溶剤>
本発明の光学フィルムは、光学フィルム形成用の組成物を塗布して形成した塗布層を乾燥して得ることができる。
光学フィルム形成用の組成物は、溶剤(溶媒)を含有することができる。溶剤(好ましくは有機溶剤)は、光学フィルムを形成するための材料を溶解または分散可能であること、塗布工程、乾燥工程において均一な面状となり易いこと、液保存性が確保できること、適度な飽和蒸気圧を有すること、等の観点で適宜選択することができる。このような有機溶剤としては、例えばジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−プチロラクトン、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の溶剤のうち、炭酸ジメチル、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセトン、トルエン、キシレンのうち少なくとも1種類を用いることが好ましく、炭酸ジメチル、酢酸エチル、トルエンの何れかを用いることがより好ましく、酢酸エチルを用いることが特に好ましい。
光学フィルム形成用の組成物の固形分の濃度は5〜80質量%の範囲となるように溶剤を用いるのが好ましく、より好ましくは6〜75質量%であり、更に好ましくは7〜70質量%である。
<その他の成分>
本発明の光学フィルムは、他の性能を向上する観点から、その他の成分を含むことができる。
本発明の光学フィルムにおいて、上述以外の特性値は、特に限定されることはなく、一般的な公知の偏光板保護フィルムと同等性能を適宜実装することができ、偏光板加工した場合に偏光層と液晶パネルとの間に配置される所謂インナーフィルムに要求される性能を適宜有していることが好ましい。具体的な特性値としては、表示特性に関連するヘイズ、光線透過率、分光特性、レタデーションの湿熱耐久性等を挙げることができ、力学特性や偏光板加工適性に関連する湿熱サーモに伴う寸法変化率、ガラス転移温度、平衡吸湿率、透湿度、接触角等を挙げることができる。
本発明の光学フィルムにおいて、上述の所謂インナーフィルムに要求される性能を適宜付与するためには、以下に記述のポリマー樹脂を含むことが好ましい。
<ポリマー樹脂>
ポリマー樹脂は、特に限定されない。具体的な例として、環状オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂等を挙げることができ、環状ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂が、インナーフィルムに要求される性能を適宜付与する観点から好ましい。
環状オレフィン系樹脂の例としては、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような環状オレフィンからなるモノマーのユニットを有する熱可塑性の樹脂であり、熱可塑性環状オレフィン系樹脂とも呼ばれる。この環状オレフィン系樹脂は、上記環状オレフィンの開環重合体や2種以上の環状オレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物であってもよく、環状オレフィンと、鎖状オレフィンや、ビニル基の如き重合性二重結合を有する芳香族化合物などとの付加重合体であってもよい。環状オレフィン系樹脂には、極性基が導入されていてもよい。
環状オレフィンと、鎖状オレフィン及び/又はビニル基を有する芳香族化合物との共重合体で保護フィルムを構成する場合、鎖状オレフィンとしては、エチレンやプロピレンなどが用いられ、またビニル基を有する芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、核アルキル置換スチレンなどが用いられる。このような共重合体においては、環状オレフィンからなるモノマーのユニットが50モル%以下であってもよいが、好ましくは15〜50モル%程度とされる。特に、環状オレフィンと鎖状オレフィンとビニル基を有する芳香族化合物との三元共重合体を保護フィルムとする場合、環状オレフィンからなるモノマーのユニットは、上述のとおり比較的少ない量とすることができる。かかる三元共重合体において、鎖状オレフィンからなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%、ビニル基を有する芳香族化合物からなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%である。
環状オレフィン系樹脂は、適宜の市販品を用いることができ、例えば、ドイツのTOPAS ADVANCED POLYMERS GmbH にて生産され、日本ではポリプラスチック(株)から販売されている“TOPAS”、JSR(株)から販売されている“アートン”、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノア”(ZEONOR)及び“ゼオネックス”(ZEONEX)、三井化学(株)から販売されている“アペル”(以上、いずれも商品名)などを挙げることができる。
スチレン系樹脂の例としては、スチレン系単量体を50質量%以上含む樹脂をいう。ここで、スチレン系単量体とは、その構造中にスチレン骨格を有する単量体をいう。
スチレン系樹脂の具体例としては、スチレンまたはその誘導体の単独重合体であってもよく、スチレンもしくはその誘導体と他の共重合性モノマーとの、二元またはそれ以上の共重合体であってもよい。ここで、スチレン誘導体とは、スチレンに他の基が結合した化合物であって、例えば、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレンのようなアルキルスチレンや、ヒドロキシスチレン、tert−ブトキシスチレン、ビニル安息香酸、o−クロロスチレン、p−クロロスチレンのような、スチレンのベンゼン核に水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲンなどが導入された置換スチレンなどが挙げられる。
スチレン系樹脂は、スチレンの単独重合体(すなわちポリスチレン)であることが好ましい。また、他の共重合性モノマーとの共重合体である場合、スチレン系樹脂は、スチレンまたはスチレン誘導体と、アクリロニトリル、無水マレイン酸、メチルメタクリレートおよびブタジエンから選ばれる少なくとも1種のモノマーとの共重合体であることが好ましい。
ポリスチレンとしては、様々なものを用いることができるが、GPPSグレードであることが好ましい。一般的に、GPPSグレードのポリスチレンは、透明度が高いことによる。ポリスチレンの重合度を表す指標としては、メルトフローで測定するメルトマスフローレートやメルトボリュームフローレート、ゲルパーミエーションンクロマトグラフィーで測定する重量平均分子量(Mw)が挙げられる。
本発明に用いるポリスチレンは、メルトマスフローレートが、18g/10分以下(200℃、5kgf加圧時、1kgf=9.807N)であることが好ましい。より好ましくは、7.5g/10分以下であり、更に好ましくは、1.9g/10分以下である。メルトマスフローレートが18g/10分以下であれば、ポリスチレンの重合度が高く、偏光板の破壊故障の抑制に有利になる。
また、本発明に用いるポリスチレンは、Mwが、180000以上であることが好ましい。更に好ましくは、350000以上である。Mwが、180000以上である場合は、ポリスチレンの重合度が高く、偏光板の破壊故障の抑制に有利になる。
好ましいポリスチレンとしては、DIC株式会社製 CR−3500、CR−4500、CR−2600、XC−315、XC−515、PSジャパン株式会社製 HF77、679、SGP−10、東洋スチレン株式会社製 G200C、G210C、G320C、HRM12、HRM26、HRM48N、等を挙げることが出来るがこれに限定されるものではない。
また、スチレン系樹脂にはスチレン系単量体成分に他の単量体成分を共重合したものも含まれる。共重合可能な単量体としては、メチルメタクリレ−ト、シクロヘキシルメタクリレ−ト、メチルフェニルメタクリレ−ト、イソプロピルメタクリレ−ト等のアルキルメタクリレ−ト;メチルアクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、ブチルアクリレ−ト、2−エチルヘキシルアクリレ−ト、シクロヘキシルアクリレ−ト等のアルキルアクリレ−ト等の不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸単量体;無水マレイン酸、イタコン酸、エチルマレイン酸、メチルイタコン酸、クロルマレイン酸等の無水物である不飽和ジカルボン酸無水物単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエン等が挙げられ、これらの2種以上を共重合することも可能である。
本発明で好適に用いることができるスチレン系樹脂は、耐熱性が高いという理由から、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体であってもよい。
また、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体は、アクリル系樹脂との相溶性が高いため、本発明の光学フィルムがアクリル系樹脂を含む場合などは、透明性が高く、使用中に相分離を起こして透明性が低下することがない光学フィルムを得られることからも好ましい。このような観点からは、特に、アクリル系樹脂としてメタクリル酸メチルを単量体成分として含む重合体を用いる場合に好ましい。
スチレン−アクリロニトリル共重合体の場合、共重合体中のアクリロニトリルの共重合体割合は1〜40質量%であることが好ましい。さらに好ましい範囲は1〜30質量%であり、とりわけ好ましい範囲は1〜25質量%である。共重合体中のアクリロニトリルの共重合体割合が1〜40質量%の場合、透明性に優れるため好ましい。
スチレン−メタクリル酸共重合体の場合、共重合体中のメタクリル酸の共重合体割合は0.1〜50質量%であることが好ましい。より好ましい範囲は0.1〜40質量%であり、さらに好ましい範囲は0.1〜30質量%である。共重合体中のメタクリル酸の共重合体割合が0.1質量%以上であると耐熱性に優れ、50質量%以下の範囲であれば透明性に優れるので好ましい。
スチレン−無水マレイン酸共重合体の場合、共重合体中の無水マレイン酸の共重合体割合は0.1〜50質量%であることが好ましい。より好ましい範囲は0.1〜40質量%であり、さらに好ましい範囲は0.1質量%〜30質量%である。共重合体中の無水マレイン酸含量が0.1質量%以上であると耐熱性に優れ、50質量%以下の範囲であれば透明性に優れるので好ましい。
スチレン系樹脂として、組成、分子量等が異なる複数種類のものを併用することができる。
スチレン系樹脂は、公知のアニオン、塊状、懸濁、乳化または溶液重合方法により得ることができる。また、スチレン系樹脂においては、共役ジエンやスチレン系単量体のベンゼン環の不飽和二重結合が水素添加されていてもよい。水素添加率は核磁気共鳴装置(NMR)によって測定できる。
ポリカーボネート樹脂の例としては、ポリカーボネート、ビスフェノールAがフルオレン変性された構造単位を含むポリカーボネート、ビスフェノールAが1,3−シクロヘキシリデン変性された構造単位を含むポリカーボネート等が挙げられる。
ビニル系樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、等が挙げられる。
本発明の光学フィルム中、上記ポリマー樹脂の含有量が、光学フィルムの全固形分に対して、5〜55質量%であることが好ましく、5〜45質量%であることがより好ましく、5〜35質量%であることがさらに好ましく、7〜30質量%であることが特に好ましく、10〜25質量%であることが最も好ましい。
<偏光子に対する光学フィルムの接着性改良成分>
その他の成分として、偏光子に対する光学フィルムの接着性改良成分を含むことで、本発明の光学フィルムを有する偏光板において、光学フィルムの偏光子に対する接着性を良化することができる。
本発明の光学フィルムは、偏光子に対する光学フィルムの接着性改良成分として、下記一般式(I)で表される繰り返し単位と、下記一般式(II)で表される繰り返し単位とを含む共重合体(以下、「共重合体(a)」とも呼ぶ。)、及び/又は共重合体(a)に由来する架橋反応物を含有してもよい。
なお、本発明の光学フィルムは、共重合体(a)及び共重合体(a)に由来する架橋反応物のどちらか1種のみを含有していてもよいし、両方を含有していてもよい。
Figure 2019098159
一般式(I)中、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、Rは少なくともひとつのフッ素原子を置換基として有するアルキル基、または−Si(Ra3)(Ra4)O−を含む基を表し、Lは−O−、−(C=O)O−、−O(C=O)−、2価の脂肪族鎖状基、及び2価の脂肪族環状基からなる群より選択される少なくとも1つから構成される2価の連結基を表す。Ra3およびRa4はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。
Figure 2019098159
一般式(II)中、R10は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表し、R11とR12とは連結していてもよい。Xは、2価の連結基を表す。
<共重合体(a)、または共重合体(a)に由来する架橋反応物>
以下、光学フィルムに含有される共重合体(a)、または共重合体(a)に由来する架橋反応物について説明する。
一般式(I)中のRは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、水素原子又はメチル基が更に好ましい。
一般式(I)中のRは少なくともひとつのフッ素原子を置換基として有するアルキル基(フルオロアルキル基)が好ましく、炭素数1〜20のフルオロアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜18のフルオロアルキル基であることがより好ましく、炭素数2〜15のフルオロアルキル基であることが更に好ましい。また、フルオロアルキル基中のフッ素原子数は、1〜25であることが好ましく、3〜21であることがより好ましく、5〜21であることが最も好ましい。
一般式(I)中のLは−O−、−(C=O)O−、−O(C=O)−、2価の脂肪族鎖状基、及び2価の脂肪族環状基からなる群より選択される少なくとも1つから構成される2価の連結基を表す。なお、−(C=O)O−は、R側の炭素原子とC=Oが結合し、RとOが結合することを表し、−O(C=O)−は、R側の炭素原子とOが結合し、RとC=Oが結合することを表す。
Lが表す2価の脂肪族鎖状基としては、炭素数1〜20のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜10のアルキレン基がより好ましい。
Lが表す2価の脂肪族環状基としては、炭素数3〜20のシクロアルキレン基が好ましく、炭素数3〜15のシクロアルキレン基がより好ましい。
Lとしては、−(C=O)O−、または−O(C=O)−が好ましく、−(C=O)O−がより好ましい。
接着性に有利な表面偏在性の観点及びラジカル重合性の観点から、一般式(I)で表される繰り返し単位は、下記一般式(III)で表される繰り返し単位であることが特に好ましい。
Figure 2019098159
一般式(III)中、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、maおよびnaは各々独立に1〜20の整数を表し、Xは水素原子またはフッ素原子を表す。
一般式(III)中のRは一般式(I)中のRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(III)中のmaおよびnaは各々独立に1〜20の整数を表す。
接着性に有利な表面偏在の観点ならびに原料入手及び製造の容易さの観点から、一般式(III)中のmaは1〜8の整数であることが好ましく、1〜5の整数であることがより好ましい。また、naは1〜15の整数であることが好ましく、1〜12の整数であることがより好ましく、2〜10の整数であることがさらに好ましく、5〜7の整数が最も好ましい。
一般式(III)中のXは水素原子またはフッ素原子を表し、フッ素原子を表すことが好ましい。
一般式(I)又は(III)で表される繰り返し単位は、単量体の重合により得ることができ、好ましい単量体としては、例えば2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
一般式(I)中のRは、−Si(Ra3)(Ra4)O−で表されるシロキサン結合を含む繰り返し単位(ポリシロキサン構造)を有することも別の態様として好ましい。Ra3およびRa4はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基)又は置換基を有してもよいアリール基を表す。この場合、共重合体(a)としては、ポリシロキサン構造が側鎖に導入されたグラフト共重合体であることが好ましい。このグラフト共重合体を得るためのシロキサン結合を有する化合物は、下記一般式(IV)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2019098159
a3およびRa4は、それぞれ独立にアルキル基、ハロアルキル基、またはアリール基を表す。アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、ヘキシル基を挙げることができる。ハロアルキル基としては、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基が好ましい。例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基を挙げることができる。アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。例えばフェニル基、ナフチル基を挙げることができる。なかでも、Ra3およびRa4は、メチル基、トリフルオロメチル基、またはフェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
a1は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。Ra5は、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
nnは、10〜1000が好ましく、20〜500がより好ましく、30〜200がさらに好ましい。
一般式(IV)中のnn個のRa3は同じでも異なっていてもよく、nn個のRa4は同じでも異なっていてもよい。
グラフト共重合用のシロキサン結合を有する化合物としては、片末端(メタ)アクリロイル基含有ポリシロキサンマクロマー(例えば、サイラプレーン0721、同0725(以上、商品名、JNC(株)製)、AK−5、AK−30、AK−32(以上、商品名、東亜合成(株)社製)、KF−100T、X−22−169AS、KF−102、X−22−3701IE、X−22−164B、X−22−164C、X−22―5002、X−22−173B、X−22−174D、X−22−167B、X−22−161AS(以上、商品名、信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。
次に、下記一般式(II)について説明する。
共重合体(a)は、上記一般式(I)で表される繰り返し単位の他に、一般式(II)で表される繰り返し単位も有する。一般式(II)で表される繰り返し単位は、水酸基に対して強い相互作用を持つ。即ち、基材上に光学フィルム形成用の組成物の塗布液を塗布した後に、塗布液表面に水酸基を有する接着剤層を設けると、一般式(II)で表される繰り返し単位の一部又は全部が水酸基と相互作用することにより、共重合体(a)は水酸基を有する接着剤層界面及び接着剤層の内部に拡散して吸着される。
従って、光学フィルムと接着剤層が接した後では、塗布液中に添加された一般式(II)で表される繰り返し単位を有する共重合体(a)は、光学フィルム、接着剤層、及び、両者の界面で、一般式(II)そのままの化学構造を有する共重合体、もしくは、一般式(II)で表される繰り返し単位が接着剤層の水酸基と反応した構造を有する誘導体(架橋反応物)として存在する。
このように、一般式(II)で表される繰り返し単位を有する共重合体が接着剤層と相互作用するため、接着剤層及び/又は光学フィルム中に存在する共重合体の比率に拘らず、共重合体(a)を含む光学フィルムと接着剤層との接着性を高めることができる。
Figure 2019098159
一般式(II)中、R10は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表し、R11とR12とは連結していてもよい。Xは、2価の連結基を表す。
一般式(II)中、R10は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
一般式(II)中、R11及びR12でそれぞれ表される、置換もしくは無置換の、脂肪族炭化水素基としては、置換もしくは無置換の、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基が含まれる。上記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−ノルボルニル基等の直鎖状、分枝状、又は環状のアルキル基が挙げられる。
上記アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基等の直鎖状、分枝状、又は環状のアルケニル基が挙げられる。
上記アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−オクチニル基等が挙げられる。
11及びR12がそれぞれ表す置換もしくは無置換の、アリール基の具体例としては、フェニル基が挙げられる。また、2個から4個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と不飽和五員環とが縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としてはナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基、ピレニル基等が挙げられる。
また、R11及びR12がそれぞれ表す置換もしくは無置換のヘテロアリール基の例としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個以上含む複素芳香環上の水素原子を1個除し、ヘテロアリール基としたものが含まれる。窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個以上含む複素芳香環の具体例としては、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、インドール、カルバゾール、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、チアナフテン、ジベンゾチオフェン、インダゾールベンズイミダゾール、アントラニル、ベンズイソオキサゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、プリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、キノリン、アクリジン、イソキノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキザリン、ナフチリジン、フェナントロリン、プテリジン等が挙げられる。
11とR12とは連結していてもよく、この場合には、R11及びR12がそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であって、これらが互いに連結していることが好ましく、R11及びR12がアルキル基であって、これらが互いに連結していることがより好ましい。
で表される二価の連結基としては、−(C=O)O−、−O(C=O)−、−(C=O)NH−、−O−、−CO−、−NH−、−O(C=O)−NH−、−O(C=O)−O−、及び−CH−から選択される連結基を少なくとも1つ含み、かつ炭素数が7以上であることが好ましい。
11、R12及びXは、可能な場合は1個以上の置換基によって置換されていてもよい。置換基としては水素原子を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、例えば、以下の置換基群Yから選ばれる。
置換基群Y:
ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N'−アルキルウレイド基、N',N'−ジアルキルウレイド基、N'−アリールウレイド基、N',N'−ジアリールウレイド基、N'−アルキル−N'−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N'−アルキル−N−アルキルウレイド基、N'−アルキル−N−アリールウレイド基、N',N'−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N',N'−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N'−アリール−N−アルキルウレイド基、N'−アリール−N−アリールウレイド基、N',N'−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N',N'−ジアリール−N−アリールウレイド基、N'−アルキル−N'−アリール−N−アルキルウレイド基、N'−アルキル−N'−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基及びその共役塩基基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、N−アシルスルファモイル基及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルスルファモイル基(−SONHSO(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルスルファモイル基(−SONHSO(aryl))及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルカルバモイル基(−CONHSO(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルカルバモイル基(−CONHSO(aryl))及びその共役塩基基、アルコキシシリル基(−Si(Oalkyl))、アリーロキシシリル基(−Si(Oaryl))、ヒドロキシシリル基(−Si(OH))及びその共役塩基基、ホスホノ基(−PO)及びその共役塩基基、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))及びその共役塩基基、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基及びアルキニル基。
また、これらの置換基は、可能であるならば置換基同士、又は置換している炭化水素基と結合して環を形成してもよい。
一般式(II)中のR11及びR12はそれぞれ独立に水素原子若しくはアルキル基を表すか、または共にアルキル基であり互いに結合して環を形成していることが好ましく、R11及びR12は共に水素原子であるか、または共にアルキル基であり互いに結合して環を形成していることが好ましい。
接着性の観点から、一般式(II)で表される繰り返し単位は、下記一般式(V)で表される繰り返し単位であることが好ましい。一般式(V)で表される繰り返し単位による接着性の向上は、水酸基を有する接着剤層と極性を近づける効果によると推定する。
Figure 2019098159
一般式(V)中、R10は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表し、R11とR12とは連結していてもよい。X11は−(C=O)O−、−O(C=O)−、−(C=O)NH−、−O−、−CO−、−CH−からなる群より選択される少なくとも1つから構成される2価の連結基を表す。X12は−(C=O)O−、−O(C=O)−、−(C=O)NH−、−O−、−CO−、−NH−、−O(C=O)−NH−、−O(C=O)−O−、−CH−から選択される連結基を少なくとも1つ含み、かつ置換もしくは無置換の芳香環を少なくとも1つ含む2価の連結基を表す。ただし、上記X11と上記X12の合計炭素数は7以上である。
一般式(V)中のX11としては、−(C=O)O−、−O(C=O)−、−(C=O)NH−が好ましく、−(C=O)O−が最も好ましい。
12は、芳香環を1〜5個含むことが好ましく、芳香環を2〜4個含むことが更に好ましく、芳香環を2〜3個含むことが最も好ましい。
一般式(V)中のR10、R11及びR12の好ましい範囲はそれぞれ、一般式(II)中のR10、R11及びR12と同様である。
一般式(II)又は(V)で表される繰り返し単位は、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位であることがより好ましい。
Figure 2019098159
一般式(VI)中、R10は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表し、R11とR12とは連結していてもよい。X21は−(C=O)O−、または−(C=O)NH−を表す。X22は−(C=O)O−、−O(C=O)−、−(C=O)NH−、−O−、−CO−、−NH−、−O(C=O)−NH−、−O(C=O)−O−、−CH−から選択される連結基を少なくとも1つ含む2価の連結基であり、X22は置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい。
一般式(VI)中のR10、R11及びR12の好ましい範囲はそれぞれ、一般式(II)中のR10、R11及びR12と同様である。
一般式(II)、(V)又は(VI)で表される繰り返し単位は単量体の重合により得ることができる。一般式(II)、(V)又は(VI)で表される繰り返し単位を与える好ましい単量体の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2019098159
Figure 2019098159
Figure 2019098159
Figure 2019098159
また、共重合体(a)は、必要に応じて、一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位(その他の繰り返し単位)を有していてもよい。
その他の繰り返し単位を与える他の種類のモノマーとしては、PolymerHandbook 2nd ed.,J.Brandrup,Wiley lnterscience(1975) Chapter2 Page1〜483に記載のものを用いることが出来る。例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、イタコン酸ジアルキル類、フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他の繰り返し単位を与える単量体として具体的には、以下の単量体を挙げることができる。
アクリル酸エステル類:
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、アクリル酸2−カルボキシエチル等、
メタクリル酸エステル類:
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、クロルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エチレングリコールモノアセトアセタートモノメタクリレート、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、メタクリル酸2−カルボキシエチル等、
アクリルアミド類:
アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜6のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど。
メタクリルアミド類:
メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜6のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルメタクリルアミドなど。
アリル化合物:
アリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど
ビニルエーテル類:
アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど
ビニルエステル類:
ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β―フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレートなど。
イタコン酸ジアルキル類:
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど。
フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類:ジブチルフマレートなど。
その他の繰り返し単位を与える単量体としては、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル、スチレン、4−ビニル安息香酸、スチレンマクロマー(東亜合成社製AS−6S)、メチルメタクリレートマクロマー(東亜合成社製AA−6)なども挙げられる。また、重合後のポリマーを高分子反応にて構造を変換することも可能である。
また、共重合体(a)は、熱架橋性基を有していることが好ましい。熱架橋性基とは、加熱により架橋反応を起こして架橋する基であり、その具体例としてはカルボキシル基、オキサゾリン基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、マレイミド基、アセトアセトキシ基、エポキシ基、アミノ等が挙げられる。共重合体(a)は、熱架橋性基を有する繰り返し単位を含むことが好ましい。
共重合体(a)は、光学フィルム中に含まれる他の化合物、とりわけスチレン系樹脂と熱架橋することが特に好ましい。共重合体(a)及びスチレン系樹脂がそれぞれ互いに反応性を示す熱架橋性基を有することで、共重合体(a)を光学フィルムの表面に固定化することができ、光学フィルムと他の層、膜、フィルム、または他の物品との、より高い接着性を発現することが可能となる。
共重合体(a)中の、一般式(I)で表される繰り返し単位の含有量は、共重合体(a)全質量に対して、5〜95質量%が好ましく、8〜90質量%がより好ましく、10〜85質量%が更に好ましい。
共重合体(a)中の、一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量は、共重合体(a)全質量に対して、0.5〜80質量%が好ましく、1〜75質量%がより好ましく、2〜70質量%が更に好ましい。
共重合体(a)中の、熱架橋性基を有する繰り返し単位の含有量は、共重合体(a)全質量に対して、0.5〜80質量%が好ましく、1〜75質量%がより好ましく、2〜70質量%が更に好ましい。
共重合体(a)の重量平均分子量(Mw)は、1000〜200000が好ましく、1800〜150000がより好ましく、2000〜150000が更に好ましく、2500〜140000が特に好ましく、20000〜120000が極めて好ましい。
共重合体(a)の数平均分子量(Mn)は、500〜160000が好ましく、600〜120000がより好ましく、600〜100000が更に好ましく、1000〜80000が特に好ましく、2000〜60000が極めて好ましい。
共重合体(a)の分散度(Mw/Mn)は、1.00〜18.00が好ましく、1.00〜16.00がより好ましく、1.00〜14.00が更に好ましく、1.00〜12.00が特に好ましく、1.00〜10.00が極めて好ましい。
なお、重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により下記の条件で測定された値である。
[溶離液] N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
[装置名] EcoSEC HLC−8320GPC(東ソー株式会社製)
[カラム] TSKgel SuperAWM−H(東ソー株式会社製)
[カラム温度] 40℃
[流速] 0.50ml/min
共重合体(a)は、公知の方法で合成することができる。
共重合体(a)の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2019098159
Figure 2019098159
Figure 2019098159
Figure 2019098159
本発明の光学フィルムは上記共重合体(a)を含有してもよいし、含有しなくてもよいが、含有する場合、上記共重合体(a)は、光学フィルムの機能を損なわず、接着剤との接着を強化する観点から、本発明の光学フィルムの全固形分(溶剤を除いた全成分)を100質量%とした場合に、0.0001〜40質量%含有されることが好ましく、0.001〜20質量%含有されることがより好ましく、0.005〜10質量%含有されることが更に好ましい。
<偏光子に対する光学フィルムの接着性改良樹脂>
偏光子に対する光学フィルムの接着性改良成分として、上記共重合体(a)とは異なる接着性改良樹脂を含んでいてもよい。接着性改良樹脂は熱架橋性基を有することが好ましく、また接着性改良樹脂はスチレン系モノマーに由来する繰り返し単位を含むものからなることが好ましい。熱架橋性基については、前述の共重合体(a)において説明したものと同様である。スチレン系樹脂が熱架橋性基を有していて、かつ、共重合体(a)が熱架橋性基を有していると、共重合体(a)を機能性膜の表面に固定化することができ、より高い接着性を発現することが可能となる。この場合、加熱により熱架橋性基を反応させることで共重合体(a)を機能性膜の表面に固定化することができるため、分子内に反応性基を有する化合物(モノマー)を含有させ、かつこのモノマーを紫外線等の電離放射線照射によって硬化させることにより共重合体(a)を機能性膜の表面に固定化するプロセスが不要となるので好ましい。
以下に、熱架橋性基を有するスチレン系樹脂の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されない。
Figure 2019098159
Figure 2019098159
接着性改良樹脂は1種単独で用いてもよいし、接着性改良樹脂として、繰り返し単位の組成、分子量等が異なる複数種類のものを併用することもできる。
接着性改良樹脂は、公知のアニオン、塊状、懸濁、乳化または溶液重合方法により得ることができる。また、接着性改良樹脂においては、共役ジエンやスチレン系単量体のベンゼン環の不飽和二重結合が水素添加されていてもよい。水素添加率は核磁気共鳴装置(NMR)によって測定できる。
接着性改良樹脂としては市販品を用いることもでき、例えば、エポクロス RPS−1005:スチレン−オキサゾリン共重合体(日本触媒製)などが挙げられる。
本発明の光学フィルムは上記接着性改良樹脂を含有してもよいし、含有しなくてもよいが、含有する場合、上記接着性改良樹脂は、本発明の光学フィルムの全固形分に対して、0.0001〜60質量%含有されることが好ましく、0.001〜55質量%含有されることがより好ましく、0.005〜50質量%含有されることが更に好ましい。
<光学フィルムの構成>
本発明の光学フィルムは、単膜であっても、2層以上の積層構造を有していてもよい。
<膜厚>
本発明において好ましい光学フィルムの膜厚は、3〜20μmであり、3〜15μmがより好ましく、4〜10μmがさらに好ましく、4〜7μmが特に好ましく、4〜6μmが最も好ましい。膜厚を4μm以上とすることで高温高湿下での偏光子伸長に対し十分に光学フィルムが伸長することで偏光板の破壊を抑制することが可能となり、10μm以下とすることで偏光板を薄層化できる点で好ましい。また、液晶表示装置に実装した場合に環境変化に伴う液晶表示装置の光ムラを低減する効果や、温湿度変化に伴う液晶パネルの反りを小さくするような効果も期待できるため、好ましい。
<光学フィルムの作製>
本発明の光学フィルムは、公知の溶液製膜法、溶融押出し法を用いて作製することができる。また、基材上に光学フィルムを積層する場合は、基材と同時に作製してもよい(共流延や共押出し)。また別途準備した仮支持体上に公知の方法で光学フィルム形成用塗布液による塗布層を形成する方法で準備することができ、適宜基材にポリマー溶液または塗布層が積層された状態で、適宜仮支持体ごと延伸することもできる。特にコーティング法を用いることが好ましい。
光学フィルムは、仮支持体上に、以下のコーティング法によって形成することができる。ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法やエクストルージョンコート法(ダイコート法)(特開2003−164788号明細書参照)、マイクログラビアコート法等の公知の方法が用いられ、その中でもマイクログラビアコート法、ダイコート法が好ましい。コーティング法により光学フィルムを形成する場合、溶剤を揮発させる乾燥工程、熱架橋性基を架橋させる熱架橋工程を適宜用いることができる。
<仮支持体の材料>
本発明の転写フィルムに用いられる仮支持体を形成する材料としては、機械的強度、表面粗さ、熱安定性等の観点に加え、光学フィルムとの接着性(接着力)で選定することができる。
このような仮支持体としては、公知の素材やフィルムを適宜使用することができる。具体的な材料として、ポリエステル系ポリマー、オレフィン系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリアミド系ポリマー等を挙げることができる。
とりわけ、ポリエステル系ポリマー、オレフィン系ポリマーが基材フィルムの材料として好ましく、ポリエステル系ポリマーがより好ましく、ポリエステル系ポリマーの中でも特にポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
仮支持体の表面エネルギーは、特に限定されることはないが、光学フィルムの材料やコーティング溶液の表面エネルギーと、仮支持体の光学フィルムを形成させる側の表面の表面エネルギーとの関係性を調整することによって、光学フィルムと仮支持体との間の接着力を調整することができる。表面エネルギー差を小さくすれば、接着力が上昇する傾向があり、表面エネルギー差を大きくすれば、接着力が低下する傾向があり、適宜設定することができる。
水及びヨウ化メチレンの接触角値からOwensの方法を用いて、仮支持体の表面エネルギーを計算することが出来る。接触角の測定には、例えば、DM901(協和界面科学(株)製、接触角計)を用いることができる。
仮支持体の光学フィルムを形成する側の表面エネルギーは、41.0〜48.0mN/mであることが好ましく、42.0〜48.0mN/mであることが、より好ましい。表面エネルギーが41.0mN/m以上であると、光学フィルムの厚みの均一性を高められるため好ましく、48.0mN/m以下であると、光学フィルムを仮支持体との剥離力を適切な範囲に制御しやすいため、好ましい。
仮支持体表面には、光学フィルムとの接着性を制御するため、適宜離型剤等を予め塗布しておいてもよい。光学フィルムは、後工程で接着剤や粘着剤を介して偏光子と貼合させた後、仮支持体を剥離して用いることができる。なお、仮支持体に光学フィルムが積層された状態で、適宜仮支持体ごと延伸して、光学特性や力学物性を調整することができる。
<仮支持体の表面凹凸>
本発明において、仮支持体の光学フィルムを形成する側の表面は、算術平均粗さ(Ra)が、40nm以下であることが好ましく、0.1〜38nmであることがより好ましく、1〜36nmであることが更に好ましい。
本発明における算術平均粗さ(Ra)は、日本工業規格(JIS) B0601:2013に基づくものである。
Raを40nm以下とすることで、光学フィルム側の凹部深さが小さくなり、高温高湿下における偏光子の伸長による偏光板の破壊を抑制することができる。また、光学フィルムの表示特性に関連するヘイズ、光線透過率、分光特性、等の視野内のムラを抑制する観点からも好ましい。また、Raを0.1nm以上にすることで、ロール形態でのブロッキングを防ぐことができる。本発明のRaは、例えば、非接触表面・層断面形状計測システムVertScan 2.0((株)菱化システム製)を用い、縦465.48μm、横620.64μm四方を測定することで得ることができる。また、別の指標として仮支持体の光学フィルム側の表面凸部の高さが0.1〜10.0μmであることが好ましい。仮支持体の表面凸部の高さは、例えば、仮支持体の断面像を光学顕微鏡で観察し、平たん部から突き出している凸部の高さを観察することで、測定することができる。表面凸部を10.0μm以下とすることで、光学フィルム側の凹部深さが小さくなり、高温高湿下における偏光子の伸長による破壊を抑制することができる。
<仮支持体の膜厚>
光学フィルムを、コーティング法で形成させるために用いられる仮支持体は、膜厚が5〜100μmであることが好ましく、10〜75μmがより好ましく、15〜55μmが更に好ましい。膜厚が5μm以上であると、十分な機械強度を確保しやすく、カール、シワ、座屈等の故障が生じにくいため、好ましい。また、膜厚が100μm以下であると、本発明の光学フィルムと仮支持体との転写フィルムを、例えば長尺のロール形態で保管する場合に、転写フィルムにかかる面圧を適正な範囲に調整しやすく、接着の故障が生じにくいため、好ましい。適宜、両端に厚み出し加工を付与することもできる。
<厚み出し加工>
本発明の転写フィルムに用いられる仮支持体には、両端に厚み出し加工を付与する。厚み出し加工(ナーリングと呼ぶこともある)は、仮支持体の片側または両側からエンボス加工等で基材に凹凸を付与することを意味し、公知の方法を用いることができる。付与される厚み出し加工の高さは、光学フィルムの厚みに応じて適宜調整することができるが、例えば、0.2〜5.5μmであり、0.5〜5.0μmが好ましく、1.0〜4.5μmがより好ましく、1.5〜4.0μmがさらに好ましい。厚み出し加工の高さは、仮支持体単独または光学フィルムを積層した後、最も加圧された部分の厚み出し加工部を切り出し、凹凸高さを厚み計で測定して求める。
厚み出し加工の位置は、基材の両端から基材に対し0〜10%の位置が好ましく、0.1〜7%がより好ましく、0.3〜5%がさらに好ましい。また、厚み出し加工の幅は、3〜40mmが好ましく、5〜30mmがより好ましく、10〜25mmがさらに好ましい。
<転写フィルム>
光学フィルムが塗工された転写フィルムは、少なくとも仮支持体と光学フィルムから構成され、一体化したものとして転写フィルムと呼称する。
転写フィルムは、光学フィルムと他の層、膜、フィルムまたは他の物品とを接着することができ、特に接着剤層を介して光学フィルムと偏光子を接着することができ、得られた偏光板としては仮支持体を光学フィルムから剥離することもでき、あるいは剥離せず偏光板の一部としてそのまま用いることもできるが、偏光板の薄型化の観点からは、光学フィルムから仮支持体を剥離して使用することが好ましい。
<光学フィルムと仮支持体との剥離力>
本発明の偏光板に用いられる光学フィルムを、コーティング法で形成させる場合、光学フィルムと仮支持体との間の剥離力は、上記光学フィルムの材料、仮支持体の材料、光学フィルムの内部歪み等を調整して制御することができる。この剥離力は、例えば、仮支持体を光学フィルムの表面に対して90°方向に剥がす試験で測定することができ、300mm/分の速度で測定したときの剥離力が、0.001〜5N/25mmが好ましく、0.01〜3N/25mmがより好ましく、0.05〜1N/25mmがさらに好ましい。0.001N/25mm以上であれば、仮支持体の剥離工程以外での剥離を防ぐことができ、5N/25mm以下であれば、剥離工程における剥離不良(例えば、ジッピングや、光学フィルムの割れ)を防ぐことができる。
<偏光板>
本発明における偏光板は、少なくとも、偏光子、および、本発明の光学フィルムを含む。また、上記偏光板は、偏光子と本発明の光学フィルムが接着剤層を介して貼り合わされていてもよい。
<偏光子>
偏光子には、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子やポリエン系偏光子がある。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。本発明には、いずれの偏光子を用いてもよい。例えば偏光子はポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成することが好ましい。ポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成される偏光子については例えば特開2009−237376号公報の記載を参照することができる。偏光子の膜厚は、通常、1〜50μmであればよく、2〜30μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
<偏光板保護フィルム>
偏光子に本発明の光学フィルムが貼合された面の反対面には、さらに本発明の光学フィルムを貼合してもよいし、従来知られている偏光板保護フィルムを貼合してもよい。
従来知られている偏光板保護フィルムについては、光学特性及び材料のいずれについても特に制限はないが、セルロースエステル樹脂、アクリル樹脂、および/または環状オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂を含む(あるいは主成分とする)フィルムを好ましく用いることができ、光学的に等方性のフィルムを用いても、光学的に異方性の位相差フィルムを用いてもよい。
従来知られている偏光板保護フィルムについて、セルロースエステル樹脂を含むものとしては、例えばフジタックTD40UC(富士フイルム(株)製)などを利用することができる。
従来知られている偏光板保護フィルムについて、アクリル樹脂を含むものとしては、特許第4570042号公報に記載のスチレン系樹脂を含有する(メタ)アクリル樹脂を含む偏光板保護フィルム、特許第5041532号公報に記載のグルタルイミド環構造を主鎖に有する(メタ)アクリル樹脂を含む偏光板保護フィルム、特開2009−122664号公報に記載のラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂を含む偏光板保護フィルム、特開2009−139754号公報に記載のグルタル酸無水物単位を有する(メタ)アクリル系樹脂を含む偏光板保護フィルムを利用することができる。
従来知られている偏光板保護フィルムについて、環状オレフィン樹脂を含むものとしては、特開2009−237376号公報の段落[0029]以降に記載の環状オレフィン系樹脂フィルム、特許第4881827号公報、特開2008−063536号公報に記載のRthを低減する添加剤を含有する環状オレフィン樹脂フィルムを利用することができる。
従来知られている偏光板保護フィルムについて、ポリエステル樹脂を含むものとしては、ポリエチレンテレフタレートからなるコスモシャインSRF(東洋紡(株))、等を上げることができる。
<偏光子への光学フィルムの貼り合わせ>
光学フィルムは、偏光板の保護フィルムとして用いられる。偏光板は、公知の方法で作製することができ、偏光子の搬送方向と、上記転写フィルムの搬送方向とが平行となるように貼り合わせて作製されることが好ましい。
このとき、光学フィルムには表面処理(特開平6−94915号公報、同6−118232号公報にも記載)を施して親水化してもよく、例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、又は、アルカリ鹸化処理などを施すことが好ましい。上記表面処理としてはコロナ放電処理が最も好ましく用いられる。
本発明における転写フィルムは、偏光板加工工程で接着剤や粘着剤を介して偏光子と積層させた後、仮支持体を剥離し、光学フィルムのみを偏光板に残して用いることができる。
<接着剤層>
接着剤層は接着剤から形成されたものであればよい。接着剤としては、水酸基を有する樹脂を含む接着剤が好ましく、ポリビニルアルコール系接着剤のほか、エポキシ系の活性エネルギー線硬化型接着剤、例えば特開2004−245925号公報に示されるような、分子内に芳香環を含まないエポキシ化合物を含有し、加熱又は活性エネルギー線の照射により硬化する接着剤、特開2008−174667号公報記載の(メタ)アクリル系化合物の合計量100質量部中に(a1)分子中に(メタ)アクリロイル基を2以上有する(メタ)アクリル系化合物と、(b1)分子中に水酸基を有し、重合性二重結合をただ1個有する(メタ)アクリル系化合物と、(c1)フェノールエチレンオキサイド変性アクリレートまたはノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートとを含有する活性エネルギー線硬化型接着剤などが挙げられる。これらの中で、ポリビニルアルコール系接着剤が最も好ましい。
なお、ポリビニルアルコール系接着剤は変性または未変性ポリビニルアルコールを含む接着剤である。ポリビニルアルコール系接着剤は、変性または未変性ポリビニルアルコールのほか、架橋剤を含有していてもよい。接着剤の具体例としては、ポリビニルアルコールまたはポリビニルアセタール(例、ポリビニルブチラール)の水溶液や、ビニル系ポリマー(例、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリブチルアクリレート)のラテックスが挙げられる。特に好ましい接着剤は、ポリビニルアルコールの水溶液である。このとき、ポリビニルアルコールは完全鹸化されたものが好ましい。
また、エポキシ系の活性エネルギー線硬化型接着剤は、活性エネルギー線の照射によりエポキシ基が開環し、水酸基を生じるので共重合体(a)と架橋することができる。そのため、本発明においてはエポキシ系の活性エネルギー線硬化型接着剤も水酸基含有接着剤として含み、適宜用いることができる。
エポキシ系の活性エネルギー線硬化型接着剤は、例えば、特開2012−140610号公報、特開2012−140610号公報、特開2013−213214号公報、特開2015−40283号公報、特開2015−143352号公報、特開2015−187744号公報に記載のものを、適宜用いることができる。
<熱架橋性基の重合>
前述の本発明の光学フィルムが有する熱架橋性基の重合のための熱処理は、転写フィルムにおける光学フィルムの空気界面側表面に偏光子を貼り合わせる工程で、行うことができる。また偏光子を貼り合わせたのち、さらに熱架橋工程として熱処理時間を与えることで、光学フィルム―偏光子間の接着を向上することができる。
熱架橋工程は、熱架橋性基の反応を促進させるために加温する工程であり、光学フィルムの性質を損なうものでなければ特に制限はないが、好ましくは40〜200℃、更に好ましくは50〜130℃である。反応をより進行させやすくする観点で50℃以上が好ましく、また、基材に用いる樹脂の変形を抑える観点で130℃以下であることが好ましい。
加温に要する時間は、使用する熱架橋性部位基の種類、及び量により異なるが、好ましくは5秒〜1時間であり、より好ましくは10秒〜30分であり、更に好ましくは15秒〜5分である。反応をより進行させやすくする観点で15秒以上が好ましく、生産性を高くする観点で5分以下が好ましい。
<偏光板の製造方法>
本発明の偏光板の製造方法は、
仮支持体上に塗布層を形成し、乾燥することにより、上記仮支持体上に光学フィルムを形成した転写フィルムを作成する工程、
上記転写フィルムにおける上記光学フィルムの空気界面側表面に偏光子を貼り合わせる工程、
上記転写フィルムから上記仮支持体を剥離する工程を有する偏光板の製造方法であって、
上記光学フィルムが、ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体を上記光学フィルムの全固形分に対して25〜45質量%含み、
上記光学フィルムが、ポリエステル系添加剤を上記光学フィルムの全固形分に対して0.1〜10質量%含み、
上記光学フィルムの厚さが、4〜10μmであり、
上記光学フィルムの破断伸度が、厚さ30μm、幅10mmの試料において、25℃の環境下で2.5%以上であり、
上記仮支持体の上記光学フィルムを形成する側の表面の算術平均粗さが、40nm以下である、偏光板の製造方法である。
本発明の偏光板の製造方法において用いられる仮支持体、偏光子は前述したものと同様である。
また、光学フィルム形成用の塗布液について、ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体、ポリエステル系添加剤、その他の成分などの塗布液に含まれる成分又は含んでもよい成分は前述したものと同様である。また、塗布液の塗布方法も前述したものと同様である。
光学フィルムの厚さ、破断伸度なども前述したものと同様である。
本発明の偏光板の製造方法において、仮支持体上に形成された塗布層の乾燥方法は特に限定されず公知の方法で行うことができる。
また、転写フィルムにおける光学フィルム側表面に偏光子を貼り合わせる工程は、公知の方法で行うことができるが、好ましくは前述したものと同様である。なお、上記光学フィルム側表面は、通常は光学フィルムの空気界面側表面である。
上記転写フィルムから上記仮支持体を剥離する工程は、特に限定されず公知の方法で行うことができる。
[表示装置]
本発明は、上記本発明の偏光板を含む表示装置にも関する。表示装置について特に制限はなく、液晶セルを含む液晶表示装置であっても、有機EL層を含む有機EL画像表示装置であっても、またプラズマ画像表示装置であってもよい。上記本発明の偏光板は、例えば、表示面側に配置することができる。表示装置の構成については、公知の表示装置のいずれの構成も採用することができる。
本発明の液晶表示装置は、さらにバックライトを有し、上記偏光板が上記バックライト側、あるいは視認側に配置されたことが好ましい。バックライトとしては特に制限は無く、公知のバックライトを用いることができる。本発明の液晶表示装置は、バックライト、バックライト側偏光板、液晶セル、視認側偏光板の順で積層されたことが好ましい。
その他の構成については、公知の液晶表示装置のいずれの構成も採用することができる。液晶セルの方式(モード)についても特に制限はなく、TN(Twisted Nematic)方式の液晶セル、横電界スイッチングIPS(In−Plane Switching)方式の液晶セル、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)方式の液晶セル、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)方式の液晶セル、OCB(Optically Compensatory Bend)方式の液晶セル、STN(Supper Twisted Nematic)方式の液晶セル、VA(Vertically Aligned)方式の液晶セルおよびHAN(Hybrid Aligned Nematic)方式の液晶セル等の様々な表示方式の液晶表示装置として構成することができる。その中でも、本発明の液晶表示装置は、上記液晶セルはIPS方式であることが好ましい。
その他の構成については、公知の液晶表示装置のいずれの構成も採用することができる。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、上記本発明の偏光板の製造方法によって製造された偏光板の上記光学フィルム側を液晶セル側に貼り合わせる工程を有する、液晶表示装置の製造方法である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<合成例1>
(含フッ素共重合体(A−19)の合成例)
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた500ミリリットル三口フラスコに、シクロヘキサノン23.3gを仕込んで、78℃まで昇温した。次いで、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート59.10g(141.3ミリモル)、4−(4−アクリロイルオキシブトキシ)ベンゾイルオキシフェニルボロン酸11.00g(28.6ミリモル)、アクリル酸28.53g(299.1ミリモル)、1,3−プロパンジオール2.39g(31.5ミリモル)、シクロヘキサノン157.7g、イソプロパノール52.5g及び「V−601」(和光純薬(株)製)5.73gからなる混合溶液を、180分で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、さらに1時間攪拌を続けた後、V−601を1.00g添加し、90℃まで昇温し、更に3時間攪拌を続け、含フッ素共重合体(A−19)のシクロヘキサノン溶液330.0gを得た。この共重合体の重量平均分子量(Mw)は5,700(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(EcoSEC HLC−8320GPC(東ソー株式会社製))により溶離液NMP、流速0.50ml/min、温度40℃の測定条件にてポリスチレン換算で算出、使用カラムはTSKgel SuperAWM−H×3本(東ソー株式会社製))であった。また、得られた重合体のH−NMRスペクトルにて構造を同定し、組成比を決定した。
H−NMR(CDCl) δ:3.8〜4.5(2H、4H、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートに由来する繰り返し単位中のメチレン基由来、化合物II−12に由来する繰り返し単位のメチレン基由来、化合物II−12に由来する繰り返し単位のホウ素に隣接するメチレン基由来)、6.8〜7.3ならびに7.6〜8.2(8H、化合物II−12に由来する繰り返し単位の芳香環由来)。
含フッ素共重合体(A−19)
Figure 2019098159
含フッ素共重合体(A−19)の成分割合は、H−NMRスペクトルにて構造を同定した結果、以下の割合であった。
2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートに由来する繰り返し単位25重量部、4−(4−アクリロイルオキシブトキシ)ベンゾイルオキシフェニルボロン酸1,3―ジプロパノールエステルに由来する繰り返し単位5重量部、アクリル酸に由来する繰り返し単位70重量部。
[実施例1〜12、比較例1〜7]
<光学フィルム形成用の塗布液の調製>
表1〜2に示す組成で、光学フィルム形成用の塗布液1〜19を調製した。表1〜2において、「%」とは、「質量%」を表し、溶媒における数値は、塗布液全量に含まれる全溶媒中の各溶媒の含有率を表し、その他の成分における数値は、塗布液中の溶媒を除く成分(全固形分)中の含有率を表す。また、光学フィルム形成用塗布液1〜19の全固形分濃度は、すべて14.3質量%であった。
Figure 2019098159
Figure 2019098159
表1〜2に記載の化合物を以下に示す。
(a)ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体
・アサフレックス810(旭化成(株)製)
・クリアレン220M(デンカ(株)製)
・TR2250((JSR(株)製)
(b)ポリエステル系添加剤
・バイロン550(東洋紡(株)製)
・バイロンGK680(東洋紡(株)製)
(c)その他の成分
・F−552:市販フッ素系表面改質剤(DIC(株)社製、製品名:メガファックF−552)
・SGP−10:ポリスチレン(PSジャパン製)
・エポクロス RPS−1005:スチレン−オキサゾリン共重合体(日本触媒製)
溶媒
・酢酸エチル
・トルエン
<光学フィルムの塗設1:光学フィルムA1〜A19の作製>
市販のポリエチレンテレフタレートフィルム、エンブレットS38(膜厚38μm、ユニチカ(株)製)を基材として用い、塗布液1〜19を使用し、それぞれ光学フィルムA1〜A19を、膜厚が30μmとなるように作製した。具体的には、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、基材上に、搬送速度60m/分の条件で各塗布液を塗布し、100℃で60秒乾燥させた。その後、巻き取った。このようにして、光学フィルムA1〜A19を作製した。なお、上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの光学フィルムを形成する側の表面のRaは34nmであった。
作製した光学フィルムA1〜A19の膜厚、及び、破断伸度を下記の方法で評価した。
<膜厚>
光学フィルムの膜厚は、接触式膜厚計 KG30001(アンリツ(株)製)を用いて作製した積層体(転写フィルム)の膜厚を測定し、そこから同様に測定した基材厚みを引いて算出した。光学フィルムA1〜A19の膜厚はすべて30.0μmであった。
<破断伸度>
上記で作製した光学フィルムA1〜A19について、破断伸度測定を、下記に従い行った。即ち、引っ張り試験機テンシロンRTC−1210A((株)オリエンテック)を用い、乾燥状態(25℃、相対湿度60%)で、試料を幅10mm、長さ120mmに切り出し、光学フィルムをポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離し、準備する。この試料を、引っ張り速度300mm/分、ロードセル50Nの設定で、破断伸度を測定する。各試料について5回測定し、最大値と最小値を除いた3回の結果を平均し、破断伸度とする。
<光学フィルムの塗設2:光学フィルム1〜19の作製>
市販のポリエチレンテレフタレートフィルム、ルミラー(R)S105(膜厚38μm、東レ株式会社製)を基材(仮支持体)として用い、塗布液1〜19を使用し、それぞれ光学フィルム1〜19を、膜厚が5.0μmとなるように作製した。具体的には、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、基材上に、搬送速度60m/分の条件で各塗布液を塗布し、100℃で60秒乾燥させた。その後、巻き取った。このようにして、ポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体付きの光学フィルム1〜19を作製した。なお、上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの光学フィルムを形成する側の表面のRaは34nmであった。
<剥離面評価(剥離跡の有無)>
上記で作製した光学フィルム1〜19について、以下の方法で剥離面を評価した。即ち、縦50mmx横50mmx厚さ0.7mmのガラス基板にアクリル系粘着剤(厚さ20μm)を貼り付ける。次いで、上記光学フィルム(厚さ5.0μm、ポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体付き)を、光学フィルムが粘着剤と隣り合うように貼り付ける。この仮支持体を剥離した後、光学フィルムに対し、垂直位置を90°として、45〜30°の角度で、照明を入れながら観察する。剥離面が白っぽくなっている場合(剥離跡が「あり」の場合)、品質に問題があると判断する。
下記表3に、各実施例及び比較例で使用した光学フィルム形成用塗布液の種類、光学A1〜A19の破断伸度、及び光学フィルム1〜19の剥離跡の評価結果を示す。
Figure 2019098159
剥離跡が「なし」であった光学フィルムが得られた塗布液を用いて、次の偏光板の作製及び液晶表示装置への実装評価を行った。
[実施例101〜112、比較例106及び107]
上記塗布液1〜4、7、9、12〜19を用いて、上記光学フィルムの塗設2と同様にして、ポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体付きの光学フィルム1〜4、7、9、12〜19を作製した。
<偏光板保護フィルムの作製>
〔ポリメチルメタクリレートフィルムの作製〕
特開2015−227458号公報の実施例1に従い、厚さ40μmのポリメチルメタクリレートフィルムを作製した。
(表面処理)
上記で作製したポリメチルメタクリレートフィルムについて、下記条件でコロナ放電処理を行った。
電極:VETAPONE社製 Coron−Plus
ジェネレーター:CP1C
出力:900W
フィルム搬送速度:6m/分
上記処理を行ったポリメチルメタクリレートフィルムについて、幅1340mm、長さ100mのロール形態のフィルムを得た。
〔ポリエチレンテレフタレートフィルムの作製〕
特開2017−201417号公報の偏光子保護フィルム1の作製方法に従い、厚さ80μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを作製した。
(表面処理)
上記で作製したポリエチレンテレフタレートフィルムについて、下記条件でコロナ放電処理を行った。
電極:VETAPONE社製 Coron−Plus
ジェネレーター:CP1C
出力:900W
フィルム搬送速度:6m/分
上記処理を行ったポリエチレンテレフタレートフィルムについて、幅1340mm、長さ100mのロール形態のフィルムを得た。
〔セルロースアセテートフィルムの作製〕
(フィルムの表面処理)
セルロースアセテートフィルム(富士フイルム(株)製、フジタックTD40UC)を37℃に調温した1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(けん化液)に1分間浸漬した後、フィルムを水洗し、その後、0.05mol/Lの硫酸水溶液に30秒浸漬した後、更に水洗浴を通した。そして、エアナイフによる水切りを3回繰り返し、水を落とした後に70℃の乾燥ゾーンに15秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理したセルロースアセテートフィルムを作製した。
(偏光子の作製)
特開2001−141926号公報の実施例1に従い、2対のニップロール間に周速差を与え、長手方向に延伸し、厚さ18μmの偏光子を作製した。
(貼り合わせ)
このようにして得た偏光子と、仮支持体付きの光学フィルム1〜4、7、9、12〜19と、上記鹸化処理したセルロースアセテートフィルムを用い、下記接着剤1を用いて、偏光子の吸収軸と各フィルムの長手方向とが平行になるようにロールツーロールで積層した。ここで、偏光子の一方の面は、仮支持体付きの光学フィルム1〜4、7、9、12〜19のいずれか1つの塗布面(光学フィルム側表面)が偏光子側となるようにし、偏光子の他方の面は、上記鹸化処理したセルロースアセテートフィルムと積層した。
・接着剤1:
ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA−117H)3%水溶液を接着剤として用いた。
接着剤1を用いた場合、積層後70℃20分間の乾燥により硬化させた。
・接着剤2:
以下に示す組成の紫外線硬化型接着剤を作製した。
セロキサイド2021P 25質量部
アロンオキセタンOXT−221 50質量部
リカレジン DME−100 25質量部
光酸発生剤1 5質量部
・セロキサイド2021P:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4'−エポキシシクロヘキサンカルボン酸[ダイセル(株)製]
・アロンオキセタンOXT−221:3−エチル−3−[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]オキセタン[東亜合成(株)製]
・リカレジン DME−100:1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル[新日本理化(株)製]
・光酸発生剤1:CPI 100P[サンアプロ(株)製]
接着剤2を用いた場合、30℃の条件で、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度200mW/cm、照射量160mJ/cmの紫外線を照射して硬化させた。
上記貼り合わせに続けて、基材(仮支持体)であるポリエチレンテレフタレートフィルムを、セパレータの剥離装置と同様の装置を用いて連続剥離し、偏光板を作製した。
<液晶表示装置への実装評価1>
IPSモードの液晶テレビ(スリム型55型液晶テレビ、バックライトとセルのクリアランスが0.5mm)のフロント側偏光板およびリア側偏光板として、上記作製した偏光板を、上記作製した光学フィルム側が液晶セル側に配置されるように、粘着剤を介して液晶セルに貼合した。得られた液晶テレビを、60℃・相対湿度90%の環境で3日間保持した後に、25℃・相対湿度60%の環境に移し、黒表示状態で点灯して偏光板破壊による光漏れ欠陥を評価した。偏光板破壊による光漏れについて評価した結果を表4に示す。
(正面方向の偏光板の割れによる光漏れ欠陥評価(高温高湿下での偏光板の破壊故障))
装置正面から観察した場合の黒表示時の光漏れ欠陥(言い換えると、偏光板の割れ)を観察し、以下の基準で評価した。
A:光漏れが観察されない。
B:光漏れが観察される。
Figure 2019098159
実施例1〜12は、破断伸度はいずれも4.1%以上であり、偏光板の光漏れ欠陥が無いものであった。比較例1〜5は、剥離跡が観察されるものであり、偏光板に用いる光学フィルムとしては、破棄されるレベルのものであった。
次に、実施例101〜112は、黒表示状態で点灯して光漏れ欠陥が確認されない満足のいく品質のものであった。比較例106、107は、光漏れ欠陥が確認された。これは高温高湿下での偏光子の伸長により、光学フィルムが破壊された(すなわち偏光板が破壊された)ことが原因と考えられる。
[実施例201〜203、比較例201及び202]
実施例201〜203、および比較例201〜202の光学フィルムを膜厚及び使用する仮支持体を変更した以外は光学フィルム1と同様にして得た。膜厚は、表5に記載の膜厚で作製した。仮支持体はエンブレットS38であり、表面凹凸(Ra(nm))は表中に記載のとおり34nmであった。
上記光学フィルムを用いた以外は、実施例101と同様にして偏光板を作製した。
作製した偏光板を用いて、上記液晶表示装置への実装評価1及び下記液晶表示装置への実装評価2を行った。
<液晶表示装置への実装評価2>
IPSモードの液晶テレビ(スリム型55型液晶テレビ、バックライトとセルのクリアランスが0.5mm)のフロント側偏光板およびリア側偏光板として、上記作製した偏光板を、上記作製した光学フィルムが液晶セル側に配置されるように、粘着剤を介して液晶セルに貼合した。得られた液晶テレビを、60℃・相対湿度90%の環境で3日間保持した後に、25℃・相対湿度60%の環境に移し、黒表示状態で点灯させ続け、24時間後に目視観察して、パネル反りに起因する光ムラ(輝度ムラ)を評価した。
(正面方向の輝度ムラレベル)
装置正面から観察した場合の黒表示時の光ムラ(言い換えると、輝度ムラ)を観察し、以下の基準で評価した。
A:照度100lxの環境下でムラが全く視認されない
B:照度100lxの環境下でムラがほとんど視認されない
C:照度100lxの環境下で淡いムラが視認される
D:照度100lxの環境下で明確なムラが視認される
E:照度300lxの環境下で明確なムラが視認される
実用上問題が無いのはA、Bの基準である。Aの基準であることが好ましい。
Figure 2019098159
実施例201〜203は、光漏れ欠陥がなく、輝度ムラもない、満足のいく品質であった。比較例201は、光学フィルムの膜厚が薄く、仮支持体の表面凹凸により膜厚が特に薄くなった部分が、割れたため光漏れ欠陥を生じた、と考えている。また、比較例202は、光学フィルムの膜厚が厚くなったため、輝度ムラを発生した、と考えている。
[実施例204、比較例203]
実施例101において、仮支持体をテオネックスQ51(Ra9nm、膜厚38μm、帝人デュポンフィルム(株)製)とするほかは、同様の作業を行い、光学フィルム20(膜厚5.0μm)を得た。
実施例101において、仮支持体をOPU−1(Ra76nm、膜厚38μm、三井化学東セロ(株))とするほかは、同様の作業を行い、光学フィルム21(膜厚5.0μm)を得た。
上記光学フィルムを用いた以外は実施例101と同様にして、実施例204及び比較例203の偏光板を作製し、液晶表示装置への実装評価1及び液晶表示装置への実装評価2を行った。結果を以下に示す。
Figure 2019098159
実施例204は、光漏れ欠陥がなく、輝度ムラもない、満足のいく品質であった。比較例203は、仮支持体の表面凹凸が大きく、光学フィルムの膜厚が特に薄くなった部分が、割れたため光漏れ欠陥を生じた、と考えている。
[実施例205〜209]
<偏光板の作製>
実施例101において、偏光板保護フィルムを、セルロースアセテートフィルムに代えて上述のポリメチルメタクリレートフィルムとするほかは同様の作業を行い、偏光板301を得た。
実施例101において、偏光板保護フィルムを、セルロースアセテートフィルムに代えて上述のポリエチレンテレフタレートフィルムとするほかは同様の作業を行い、偏光板302を得た。
実施例101において、接着剤を、接着剤1に代えて接着剤2にし、紫外線を照射して硬化するほかは同様の作業を行い、偏光板303を得た。
実施例101において、偏光板保護フィルムを、セルロースアセテートフィルムに代えて上述のポリメチルメタクリレートフィルムとし、接着剤を、接着剤1に代えて接着剤2にし、紫外線を照射して硬化するほかは同様の作業を行い、偏光板304を得た。
実施例101において、偏光板保護フィルムを、セルロースアセテートフィルムに代えて上述のポリエチレンテレフタレートフィルムとし、接着剤を、接着剤1に代えて接着剤2にし、紫外線を照射して硬化するほかは同様の作業を行い、偏光板305を得た。
上記偏光板を用いて、実施例205〜209の液晶表示装置への実装評価1及び2を行った。結果を以下に示す。
Figure 2019098159
実施例205〜209は、光漏れ欠陥なく、輝度ムラもない、満足のいく品質であった。
上記表3から7より、本発明の光学フィルムは、高温高湿下の偏光板の破壊を抑制する効果が高いことが分かった。また、本発明の光学フィルムを有する偏光板を具備する液晶表示装置は、輝度ムラを抑えられることが分かった。
本発明により、高温高湿下における破壊故障が抑制され、かつ画像表示装置に適用した際に輝度ムラを抑制できる偏光板の製造方法及び上記偏光板を有する液晶表示装置の製造方法、並びに、高温高湿下において偏光板の破壊故障を抑制でき、かつ画像表示装置に適用した際に輝度ムラを抑制できる光学フィルムを提供することができる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2017年11月15日出願の日本特許出願(特願2017−220289)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (5)

  1. 仮支持体上に塗布層を形成し、乾燥することにより、前記仮支持体上に光学フィルムを形成した転写フィルムを作成する工程、
    前記転写フィルムにおける前記光学フィルムの空気界面側表面に偏光子を貼り合わせる工程、
    前記転写フィルムから前記仮支持体を剥離する工程を有する偏光板の製造方法であって、
    前記光学フィルムが、ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体を前記光学フィルムの全固形分に対して25〜45質量%含み、
    前記光学フィルムが、ポリエステル系添加剤を前記光学フィルムの全固形分に対して0.1〜10質量%含み、
    前記光学フィルムの厚さが、4〜10μmであり、
    前記光学フィルムの破断伸度が、厚さ30μm、幅10mmの試料において、25℃の環境下で2.5%以上であり、
    前記仮支持体の前記光学フィルムを形成する側の表面の算術平均粗さが、40nm以下である、偏光板の製造方法。
  2. 前記光学フィルムが、スチレン系樹脂を含む請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法により製造された偏光板の前記光学フィルム側を液晶セル側に貼り合わせる工程を有する、液晶表示装置の製造方法。
  4. ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体と、ポリエステル系添加剤とを含む光学フィルムであって、
    前記ブタジエンに由来する構成単位を含む共重合体の含有量が、前記光学フィルムの全固形分に対して25〜45質量%であり、
    前記ポリエステル系添加剤の含有量が、前記光学フィルムの全固形分に対して0.1〜10質量%であり、
    前記光学フィルムの厚さが、4〜10μmであり、
    前記光学フィルムの破断伸度が、厚さ30μm、幅10mmの試料において、25℃の環境下で2.5%以上である、光学フィルム。
  5. スチレン系樹脂を含む、請求項4に記載の光学フィルム。
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