JPWO2019026674A1 - セメント混和材、セメント組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

セメントコンクリート硬化体において、内部の鉄筋に優れた防錆効果を付与し、外部から侵入する塩化物イオンの遮蔽効果を有し、さらに、Caイオンの溶脱が少なく多孔化を抑制できる、セメント混和材及びセメント組成物を提供する。CaO/Al2O3モル比0.15〜0.7でB2O3含有量が0.05〜10質量%のカルシウムボロンアルミネートを含有するセメント混和材。

Description

本発明は、主に、土木・建築業界において使用されるセメント混和材及びセメント組成物に関する。
近年、土木や建築分野において、コンクリート構造物の耐久性向上に対する要望が高まっている。
コンクリート構造物の劣化要因の1つとして、塩化物イオンの存在によって鉄筋が腐食する塩害が挙げられ、その抑制手段として、コンクリート構造物に塩化物イオン浸透抵抗性を付与する方法がある。
コンクリート硬化体内部への塩化物イオン浸透を抑制し、塩化物イオン浸透抵抗性を付与する方法として、水/セメント比を小さくする方法が知られている(非特許文献1参照)。しかしながら、水/セメント比を小さくする方法は、施工性が損なわれるだけでなく、抜本的な対策とはならない場合があった。
また、セメントコンクリートに早強性を付与し、かつ、鉄筋の腐食を防止するなどの目的で、CaO・2Al23とセッコウを主体とし、ブレーン比表面積値が8,000cm2/g以上の微粉を含有するセメント混和材を使用する方法が提案されている(特許文献1参照)。
さらに、CaO/Al23モル比が0.3〜0.7、ブレーン比表面積値が2000〜7000cm2/gのカルシウムアルミネートを含有するセメント混和材を使用し、優れた塩化物イオン浸透抵抗性を持ち、マスコンの温度ひび割れ抑制する方法が提案されている(特許文献2参照)。また、CaO/Al23モル比が0.15〜0.7でFe23含有量が0.5〜20質量%のカルシウムフェロアルミネート化合物を含有するセメント混和材が提案されている(特許文献3参照)。
他方、鉄筋の防錆を目的として、亜硝酸塩などを添加する方法も提案されている(特許文献4、特許文献5参照)。
特開昭47−035020号公報 特開2005−104828号公報 特許第5688073号公報 特開昭53−003423号公報 特開平01−103970号公報
「コンクリートの耐久性シリーズ、塩害(I)」、技報堂出版、岸谷孝一、西澤紀昭他編、pp.34−37、1986年5月
セメントコンクリート硬化体内部の鉄筋に優れた防錆効果を付与し、外部からの塩化物イオンの浸透に対して遮蔽効果を有し、さらに、セメントコンクリート硬化体からのCaイオンの溶脱が少なく多孔化を抑制できる、セメント混和材、セメント組成物及びその製造方法を提供する。
本発明は、(1)CaO/Al23モル比が0.15〜0.7でB23含有量が0.05〜10質量%のカルシウムボロンアルミネートを含有するセメント混和材、(2)カルシウムボロンアルミネートの粉末度が、ブレーン比表面積値で2,000〜7,000cm2/gである(1)のセメント混和材、(3)セメントと、(1)または(2)のセメント混和材を含有するセメント組成物、(4)CaO/Al23モル比が0.15〜0.7、B23含有量が0.05〜10質量%となるように、カルシアを含む原料、アルミナを含む原料及びボロンを含む原料を混合し、1400℃以上で焼成後、ブレーン比表面積値が2000〜7000cm2/gとなるよう粉砕して得られたカルシウムボロンアルミネートと、セメントを混合することを特徴とするセメント組成物の製造方法。
本発明のセメント混和材を使用することにより、優れた防錆効果と、外部から侵入する塩化物イオンの遮蔽効果を持ち、さらに、セメントコンクリート硬化体からのCaイオンの溶脱が少ないことから、多孔化も抑制できるなどの効果を奏する。
カルシウムボロンアルミート試料およびその対照のX線回折スペクトルを示す。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書における部や%は、特に規定しない限り質量基準で示す。また、本明細書で云うセメントコンクリートとは、セメントペースト、セメントモルタル、及びコンクリートの総称である。また本明細書では、別段の定めのない限りは、数値範囲はその上限値および下限値を含むものであるとする。
本発明で使用するカルシウムボロンアルミネート(以下、CBAとも略記する)とは、カルシアを含む原料、アルミナを含む原料、ボロンを含む原料等を混合して、キルンでの焼成や電気炉での溶融等の熱処理をして得られる、CaO、Al23、B23を主成分とする化合物を総称するものであって、カルシウムアルミネートに対してホウ素原子が固溶した結晶構造を有する。
CBAの材料組成は、CaO/Al23モル比が0.15〜0.7でB23含有量が0.05〜10%である。CaO/Al23モル比は0.4〜0.6がより好ましい。CaO/Al23モル比が0.15未満では、塩化物イオンの遮蔽効果が充分に得られない場合があり、一方、0.7を超えると急硬性が発現し、可使時間が確保できない場合がある。CBA中のB23の含有量は、0.05〜10%が好ましく、0.1〜5%がより好ましく、0.2〜3%が最も好ましい。B23含有量が0.05%未満では、キルンで焼成した場合に未反応の酸化アルミニウムが多く残る可能性があり、一方、10%を越えると塩化物イオン浸透抵抗性が悪くなる場合がある。
CBAの粉末度は、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で2,000〜7,000cm2/gが好ましく、3,000〜6,000cm2/gがより好ましく、4,000〜5,000cm2/gが最も好ましい。CBAのブレーン値が2,000cm2/g以上であると充分な塩化物イオンの遮蔽効果が得られ、一方、7,000cm2/g以下であると急硬性の発現を抑えられ、可使時間が確保できる効果がある。
CBAの製造に使用する原料は次の通りである。
カルシアを含む原料は特に限定されないが、工業原料として市販されている、例えば、生石灰(CaO)、消石灰(Ca(OH)2)、石灰石(CaCO3)等の使用が挙げられる。
アルミナを含む原料は特に限定されないが、工業原料として市販されている、例えばAl23や水酸化アルミニウム、ボーキサイトの使用が挙げられる。特にボーキサイトはAl23の他にB23を含んでいるため好ましい。
ボロンを含む原料は特に限定されないが、工業原料として市販されているホウ酸塩鉱物を粉砕、加工、精製したB23や、鋼材洗浄廃塩酸から回収、精製して得られるB23など如何なるものも使用可能である。
さらに、例えば、MgO、SiO2、R2O(Rはアルカリ金属)、Fe23、TiO2、Ti23を併用しても、本発明の目的を損なわない限り使用可能である。
CBAは、カルシアを含む原料、アルミナを含む原料、およびボロンを含む原料、ならびに適切であればその他の原料を混合して、キルンでの焼成や電気炉での溶融等の熱処理をして得られる。焼成温度は原料の配合にもよるが1200℃以上が好ましく、1300℃以上がより好ましい。1200℃未満では効率良く反応が進まず、未反応のAl23が残る可能性がある。
本発明の実施形態で使用できるセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱などの各種ポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、石灰石粉末や高炉徐冷スラグ微粉末などを混合したフィラーセメント、並びに、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造された環境調和型セメント(エコセメント)などのポルトランドセメントが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。
本発明の或る実施形態では、上記したセメントとセメント混和材を配合してセメント組成物を得ることができる。
セメント混和材の使用量は特に限定されるものではないが、通常、セメントとセメント混和材からなるセメント組成物100部中、1〜30部が好ましく、5〜15部がより好ましい。セメント混和材の使用量が1部未満であると充分な防錆効果、塩化物イオンの遮蔽効果、Caイオンの溶脱抑制効果が得られない場合があり、一方、30部を超えると急硬性が発現し、充分な可使時間が確保できない場合がある。
セメント組成物に対する水の使用量は、水/セメント組成物比0.25〜0.7が好ましく、0.3〜0.65がより好ましい。水の配合量が少ないと、ポンプ圧送性や施工性が低下したり、収縮等の原因となる場合があり、一方、水の配合量が過剰では強度発現性が低下する場合がある。
上記のセメント混和材やセメント組成物の調製にあたっては、それぞれの材料を施工時に混合しても良いし、あらかじめ一部あるいは全部を混合しておいても差し支えない。
本発明の実施形態に係るセメント組成物では、セメント、セメント混和材、及び砂等の細骨材や砂利等の粗骨材の他にも、膨張材、急硬材、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤、増粘剤、従来の防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、凝結調整剤、ベントナイトなどの粘土鉱物、ハイドロタルサイトなどのアニオン交換体、高炉水砕スラグ微粉末や高炉徐冷スラグ微粉末などのスラグ、石灰石微粉末等の混和材料からなる群のうち一種又は二種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
混合装置としては、既存の如何なる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウタミキサ等の使用が可能である。
以下、実施例、比較例を挙げてさらに詳細に内容を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実験例1)
試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを酸化物換算で表1に示すモル比となるように配合し、その配合物に対して試薬1級のB23を表1に示す含有量となるように配合し、電気炉で焼成した。CaO/Al23モル比0.7のものは1400℃、CaO/Al23モル比0.6のものは1450℃、CaO/Al23モル比0.4のものは1500℃、CaO/Al23モル比0.15のものは1550℃でそれぞれ3時間焼成後に徐冷して、CBAを作製した。ブレーン値は4,000cm2/gに調整した。なお、比較のため、B23を添加しない試料、B23の代わりにSiO2を添加した試料、B23の代わりにNa2Oを添加した試料も同様の条件で作製した。X線回折を用い、作製した試料について未反応物の有無を調べた。結果を表1に示す。
(試験方法)
X線回折:未反応物(酸化アルミニウム)の回折ピークが明確に確認された場合を×(poor)、多少残っている場合を△(fair)、確認されなかった場合を○(good)とした。
Figure 2019026674
表1より、適量のボロンを加えることで、上記の焼成温度でも未反応の酸化アルミニウムが残らないことが分かる。
なお、ボロンを加えない試料について、未反応の酸化アルミニウムの回折ピークを消失させるには、CaO/Al23モル比0.7のものは1500℃、CaO/Al23モル比0.6のものは1550℃、CaO/Al23モル比0.4のものは1600℃、CaO/Al23モル比0.15のものは1650℃以上でさらに焼成することが必要であった。
図1は、CaOとAl23(CA2と表記)に対して、B23の配合量を変化させつつ得た試料のX線回折スペクトルを示すものである。試料におけるCaO/Al23モル比は0.5とし、Al23をB23換算で0.5、1.0、1.5重量%となる割合でAl23置換で添加した。焼成条件は、昇温速度10℃/分、1400℃で30分保持とした。測定条件は、粉末エックス線回折装置(XRD、リガク社製、Multiflex型)を使用して、ターゲットにCuα、管電圧40kV、管電流40mA、ステップ幅0.02deg、走査速度2.0deg/minとした。
図1の上から順に、B23の配合量が0%、0.5%、1.0%、5.0%の試料のスペクトルである。2θ=30°付近のスペクトルからは、B23を添加しなかった場合にはCaAl24が副生成物として生じていたのに対して、B23を添加するとCaAl24由来のピークが消失したことがわかる。また2θ=25.5°付近のピークが、B23の添加量が増すにつれて若干左へシフトし、Al23(コランダム)の副生も抑えられていたこともわかる。以上から、B23の添加によってCA2の単一相のみが得られるようになることが理解できる。
(実験例2)
表2に示すCBAを用い、セメントとCBAからなるセメント組成物100部中CBAを7部配合してセメント組成物を作製し、水/セメント組成物比0.5のモルタルをJIS R5201:2015に準じて作製した。このモルタルを用いて、防錆効果、圧縮強さ、塩化物浸透深さ、Caイオンの溶脱量、および耐硫酸塩性を調べた。結果を表2に示す。
(使用材料)
CBA-A:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定割合に配合し、B23含有量が0.2%となるように試薬1級のB23を配合し、実験例1と同様に、電気炉で1550℃、3時間焼成後に徐冷した。CaO/Al23モル比0.1、ブレーン値4,000cm2/g。
CBA-B:実験No.1-3、CaO/Al23モル比0.15、B23:0.2%、ブレーン値4,000cm2/g。
CBA-C:実験No.1-9、CaO/Al23モル比0.4、B23:0.2%、ブレーン値4,000cm2/g。
CBA-D:実験No.1-15、CaO/Al23モル比0.6、B23:0.2%、ブレーン値4,000cm2/g。
CBA-E:実験No.1-21、CaO/Al23モル比0.7、B23:0.2%、ブレーン値4,000cm2/g。
CBA-F:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定割合に配合し、B23含有量が0.2%となるように試薬1級のB23を配合し、実験例1と同様に、電気炉で1400℃、3時間焼成後に徐冷した。CaO/Al23モル比0.9、B23:0.2%、ブレーン値4,000cm2/g。
CBA-G:実験No.1-26、CaO/Al23モル比0.4、ブレーン値4,000cm2/g。ボロン含有せず。
CBA-H:実験No.1-29、CaO/Al23モル比0.4、SiO2:0.5%、ブレーン値4,000cm2/g。
CBA-I:実験No.1-30、CaO/Al23モル比0.4、Na2O:0.5%、ブレーン値4,000cm2/g。
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品
細骨材:JIS R5201:2015で使用する標準砂
水:水道水
(評価方法)
防錆効果:モルタルに10kg/m3となるように塩化物イオンを加え、丸鋼の鉄筋を入れて50℃に加温養生する促進試験で防錆効果を確認した。材齢1年で、鉄筋に錆が発生しなかった場合は良、1/10の面積以内で錆が発生した場合は可、1/10の面積を超えて錆が発生した場合は不可とした。
圧縮強さ:JIS R5201:2015に準じて材齢1日と28日圧縮強さを測定した。
塩化物浸透深さ:塩化物イオン浸透抵抗性を評価。脱型後、材齢28日まで20℃で水中養生した10cmφ×20cmの円柱状モルタル供試体を、30℃の擬似海水(塩分濃度3.5%)に12週間浸漬した後、フルオロセイン−硝酸銀法により塩化物浸透深さを測定した。塩化物浸透深さは、モルタル供試体断面の茶変しなかった部分とし、ノギスで8点測定して平均値を求めた。
Caイオンの溶脱:材齢28日まで20℃、湿度60%の環境下で養生したモルタル供試体(4×4×16cm)を、10リットルの純水に28日間浸漬し、液相中に溶解したCaイオン濃度を測定した。
耐硫酸塩性:材齢28日まで20℃、湿度60%の環境下で養生したモルタル供試体(4×4×16cm)を、10%Na2SO4溶液に25週間浸漬し、膨張率を測定した。
Figure 2019026674
表2より、ボロンを含有することで、防錆効果、塩化物イオン浸透抑制効果を維持し、初期強度の低下を抑制することができ、さらに、Caイオンの溶脱抵抗性、耐硫酸塩性を向上することができることが理解される。
(実験例3)
試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムをCaO/Al23モル比0.4となるよう配合し、試薬1級のB23を表3に示す含有量となるように配合し、実験例1と同様に電気炉で焼成後、徐冷して作製したCBAを用いたこと以外は実験例2と同様に行った。結果を表3に示す。
Figure 2019026674
表3より、ボロンを適度に含有することで、防錆効果、塩化物イオン浸透抑制効果を維持し、初期強度の低下を抑制することができ、さらに、Caイオンの溶脱抵抗性、耐硫酸塩性を向上することができる。
(実験例4)
表4に示す粉末度のCBA-Dを使用したこと以外は実験例2と同様に行った。結果を表4に示す。
Figure 2019026674
(実験例5)
CBA-Dを使用し、セメントとCBAからなるセメント組成物100部中CBAの使用量を表5に示す量としたこと以外は実験例2と同様に行った。比較のために、従来の防錆材を用いた試験も行った。防錆材は、セメント100部に対して10部使用した。結果を表5に示す。
(使用材料)
従来の防錆材イ:亜硝酸リチウム、市販品
従来の防錆材ロ:亜硝酸型ハイドロカルマイト、市販品
Figure 2019026674
本発明のセメント混和材を使用することにより、優れた防錆効果と、塩化物イオンの遮蔽効果、Caイオンの溶脱抑制効果及び耐硫酸塩性を奏するため、主に、土木・建築業界等において海洋や河川の水利構造物、水槽、床版コンクリートなど広範な用途に適する。

Claims (4)

  1. CaO/Al23モル比が0.15〜0.7でありかつB23含有量が0.05〜10質量%のカルシウムボロンアルミネートを含有するセメント混和材。
  2. カルシウムボロンアルミネートの粉末度が、ブレーン比表面積値で2,000〜7,000cm2/gである請求項1に記載のセメント混和材。
  3. セメントと、請求項1または2に記載のセメント混和材を含有するセメント組成物。
  4. CaO/Al23モル比が0.15〜0.7かつB23含有量が0.05〜10質量%となるように、カルシアを含む原料、アルミナを含む原料及びボロンを含む原料を混合する工程と、
    混合した原料を1400℃以上で焼成後、ブレーン比表面積値が2000〜7000cm2/gとなるよう粉砕してカルシウムボロンアルミネートを得る工程と、
    得られたカルシウムボロンアルミネートと、セメントとを混合する工程と
    を含むことを特徴とするセメント組成物の製造方法。
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