JP5651055B2 - セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、主に、土木・建築業界において使用されるセメント混和材及びセメント組成物に関する。
近年、土木や建築分野において、コンクリート構造物の耐久性向上に対する要望が高まっている。
コンクリート構造物の劣化要因の1つとして、塩化物イオンの存在によって鉄筋腐食が顕在化する塩害があり、その塩害を抑制するための方法として、コンクリート構造物に塩化物イオン浸透抵抗性を付与する手法がある。
コンクリート硬化体の内部への塩化物イオン浸透を抑制し、塩化物イオン浸透抵抗性を与える方法としては、水/セメント比を小さくする方法が知られている(非特許文献1参照)。しかしながら、水/セメント比を小さくする方法では、施工性が損なわれるだけでなく、抜本的な対策とはならない場合があった。
また、セメントコンクリートに早強性を付与し、かつ、鉄筋の腐食を防止するなどの目的で、CaO・2Alとセッコウを主体とし、ブレーン比表面積値が8,000cm/g以上の微粉を含有するセメント混和材を使用する方法が提案されている(特許文献1参照)。
さらに、CaO/Al モル比が0.3〜0.7、ブレーン比表面積が2000〜7000cm/gのカルシウムアルミネートを含有するセメント混和材を使用し、優れた塩化物イオン浸透抵抗性を持ち,マスコンの温度ひび割れ抑制する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、これらの混和材は初期の強度発現を阻害するため初期に十分な養生を必要とする課題を有していた。
一方、鉄粉や鉄塊を混和したセメント組成物が高強度コンクリートや重量コンクリートとして利用されている(特許文献3参照)。しかしながら、これらの鉄粉は単に重量骨材として利用されているだけであり、セメント組成物の耐久性を向上させる効果はなかった。
他方、鉄筋の防錆を目的として、亜硝酸塩などを添加する方法も提案されている(特許文献4、特許文献5参照)。しかしながら、亜硝酸塩は、防錆効果を発揮するものの、外部から侵入する塩化物イオンの遮蔽効果を発揮するものではなく、また、亜硝酸型ハイドロカルマイトは、防錆効果を発揮するものの、これを混和したセメント硬化体が多孔質になりやすく、むしろ、外部からの塩化物イオンの浸透を許容しやすいという課題を有していた。
本発明者らは、種々検討を重ねた結果、特定の組成を用いることにより、前述のような初期強度の低下と、塩化物イオンの遮蔽効果および鉄筋の腐食の課題を解決し、高耐久性のセメント混和材が得られる知見を得て、本発明を完成するに至った。
特開昭47−035020号公報 特開2005−104828号公報 特開2004−154100号公報 特開昭53−003423号公報 特開平01−103970号公報
岸谷孝一、西澤紀昭他編、「コンクリートの耐久性シリーズ、塩害(I)」、技報堂出版、pp.34−37、1986年5月
セメントコンクリート硬化体内部の鉄筋に優れた防錆効果を付与し、外部から侵入するセメントコンクリート硬化体への塩化物イオン浸透の遮蔽効果を有し、セメントコンクリート硬化体からのCaイオンの溶脱も少ないため多孔化も抑制でき、さらに発生したひび割れを自ら閉塞する自己治癒効果を有するセメント組成物を提供する。
本発明は、(1)CaO/Alモル比が0.15〜0.7でFeの含有量が0.5〜20質量%のカルシウムフェロアルミネート化合物と脱酸素剤を含有するセメント混和材、(2)カルシウムフェロアルミネート化合物の粉末度が、ブレーン比表面積値で2,000〜7,000cm/gである(1)のセメント混和材、(3)脱酸素剤が、還元鉄粉を含有してなる請求項1または請求項2に記載のセメント混和材、(4)脱酸素剤が、さらに電解質を含有する(3)のセメント混和材、(5)カルシウムフェロアルミネート化合物と脱酸素剤との配合割合が、質量比で10/1〜1/10である(1)〜(4)のうちのいずれかのセメント混和材、(6)セメントと、(1)〜(5)のうちのいずれかのセメント混和材を含有するセメント組成物、(7)セメントとCaO/Alモル比が0.15〜0.7でFeの含有量が0.5〜20質量%のブレーン比表面積値で2,000〜7,000cm/gであるカルシウムフェロアルミネート化合物と脱酸素剤を含有してなるセメント組成物、である。
本発明のセメント混和材を使用することにより、優れた防錆効果と、外部から侵入する塩化物イオンの遮蔽効果を持ち、セメントコンクリート硬化体からのCaイオンの溶脱も少ないことから、多孔化も抑制でき、さらに発生したひび割れを自ら閉塞する自己治癒効果を有するため、長期に渡り優れた遮塩性を発揮するなどの効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明における部や%は、特に規定しない限り質量基準で示す。
また、本発明で云うセメントコンクリートとは、セメントペースト、セメントモルタル、及びコンクリートの総称である。
本発明で使用するカルシウムフェロアルミネート化合物(以下、CFA化合物という)とは、カルシアを含む原料、アルミナを含む原料、フェライトを含む原料等を混合して、キルンでの焼成や電気炉での溶融等の熱処理をして得られる、CaO、Al、Feを主成分とする化合物を総称するものである。
CFA化合物の組成は、CaO/Alモル比が0.15〜0.7でFe含有量が0.5〜20%である。CaO/Alモル比が0.4〜0.6がより好ましく、0.15未満では、塩化物イオンの遮蔽効果が充分に得られない場合があり、逆に、0.7を超えると急硬性が現れるようになり、可使時間が確保できない場合がある。
CFA化合物にFeの含有量は、0.5〜20%が好ましく、1〜10%がより好ましく、3〜7%が最も好ましい。0.5%未満では、キルンで焼成した場合に未反応の酸化アルミニウムが多く残る可能性があり、20%を越えても効率的に反応を進行させる効果は頭うちとなり、塩化物イオン浸透抵抗性が悪くなる場合がある。
CFA化合物の粉末度は、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で2,000〜7,000cm/gが好ましく、3,000〜6,000cm/gがより好ましく、4,000〜5,000cm/gが最も好ましい。CFA化合物が粗粒では充分な塩化物イオンの遮蔽効果が得られない場合があり、7,000cm/gを超える微粉では急硬性が現れるようになり、可使時間が確保できない場合がある。
本発明では、CaO/Alモル比が0.15〜0.7でFe含有量が0.5〜20%のCFA化合物と脱酸素剤を併用する。
本発明の脱酸素剤とは、特に限定されるものではないが、例えば、鉄鉱石を還元、粉砕して得られる海綿鉄粉、鉄イオン溶液から電気的に鉄を析出させて得られる電解鉄粉、溶鉱を水中または油中に噴霧して得られる噴霧(アトマイズ)鉄粉、及び、鉄塊を破砕または研削して得られる破砕鉄粉などが挙げられ、本発明では、これらを還元鉄粉と云う。
その他、脱酸素剤としては有機物を主剤とした、例えば、L−アスコルビン酸、エルソルビン酸及びそれらの塩、グルコースなどの還元性糖類、カテコール、ピロガロールなどの還元性多価フェノール類、エチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類を用いたものなどが挙げられる。
脱酸素剤は、鉄筋の腐食の原因の一つである酸素を吸収し、酸化することで犠牲陽極材として作用し、鉄筋の腐食を防止する。さらに酸化することで体積膨張し、セメント硬化体を緻密化することでその後の塩化物の侵入も防ぐことが出来る。
本発明の脱酸素剤には、電解質を助剤として還元鉄粉に配合するのが好ましい。電解質は特に限定されるものではないが、金属のハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、水酸化物などが挙げられ、いずれのものも使用可能である。
電解質の配合量は特に限定されるものではないが、還元鉄粉100部に対して0.1〜10部が好ましく、0.2〜4部がより好ましい。電解質量が前記の範囲より少ない場合には酸素吸収速度が遅くなり、一方、前記の範囲より多い場合には吸湿して水分が鉄粉表面を覆ってしまい、酸素との反応を阻害する場合がある。
電解質の配合方法は、還元鉄粉と電解質とを単に機械的に混合しても良いが、還元鉄粉表面に電解質水溶液を散布・乾燥させる方法、あるいは、還元鉄粉と電解質水溶液を混合し、これを乾燥させる方法により鉄粉に付着させることが好ましい。
本発明のCFA化合物と脱酸素剤との配合割合は、質量比で10/1〜1/10が好ましく、1/5〜5/1がより好ましい。1/10よりも脱酸素剤が過剰になると、外部から侵入する塩化物イオンの遮蔽効果が充分でない場合があり、逆に、10/1よりもCFA化合物が過剰になると、防錆効果が不充分になる場合がある。
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱などの各種ポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、石灰石粉末や高炉徐冷スラグ微粉末などを混合したフィラーセメント、並びに、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造された環境調和型セメント(エコセメント)などのポルトランドセメントが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。
セメント混和材の使用量は特に限定されるものではないが、通常、セメントとセメント混和材からなるセメント組成物100部中、1〜30部が好ましく、5〜20部がより好ましい。セメント混和材の使用量が少ないと充分な防錆効果、塩化物イオンの遮蔽効果、Caイオンの溶脱抑制効果が得られない場合があり、過剰に使用すると急硬性が現れるようになり、充分な可使時間が確保できない場合がある。
本発明では、セメントとセメント混和材を配合して、また、セメント、CFA化合物と脱酸素剤を配合してセメント組成物とする。
本発明のセメント組成物の水/セメント組成物比は、25〜70%が好ましく、30〜65%がより好ましい。水の配合量が少ないと、ポンプ圧送性や施工性が低下したり、収縮などの原因となる場合があり、水の配合量が過剰では強度発現性が低下する場合がある。ここで結合材とは、セメント、CFA化合物及び脱酸素剤の合計をいう。
本発明のセメント混和材やセメント組成物は、それぞれの材料を施工時に混合しても良いし、あらかじめ一部あるいは全部を混合しておいても差し支えない。
本発明では、セメント、セメント混和材、及び砂などの細骨材や砂利などの粗骨材の他に、膨張材、急硬材、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤、増粘剤、従来の防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、凝結調整剤、ベントナイトなどの粘土鉱物、ハイドロタルサイトなどのアニオン交換体、高炉水砕スラグ微粉末や高炉徐冷スラグ微粉末などのスラグ、石灰石微粉末などの混和材料からなる群のうちの一種又は二種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
混合装置としては、既存の如何なる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウタミキサ等の使用が可能である。
以下、実施例、比較例を挙げてさらに詳細に内容を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
「実験例1」
表1に示すCFA化合物と脱酸素剤アを、質量比2/1で混合してセメント混和材を調製した。調製したセメント混和材を用いて、セメントとセメント混和材からなるセメント組成物100部中、セメント混和材15部を配合してセメント組成物を調製し、水/結合材比0.5のモルタルをJIS R 5201に準じて調製した。このモルタルの硬化体を用いて、防錆効果、圧縮強さ、塩化物浸透深さ、Caイオンの溶脱および自己治癒能力を調べた。結果を表1に併記する。
(使用材料)
CFA化合物A:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定割合で配合し、Fe含有量が3%となるように試薬1級の酸化鉄を配合し、1550℃で電気炉において焼成した後、徐冷して合成。CaO/Alモル比0.1、ブレーン値4,000cm/g
CFA化合物B:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定割合で配合し、Fe含有量が3%となるように試薬1級の酸化鉄を配合し、1550℃で電気炉において焼成した後、徐冷して合成。CaO/Alモル比0.15、ブレーン値4,000cm/g
CFA化合物C:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定割合で配合し、Fe含有量が3%となるように試薬1級の酸化鉄を配合し、1500℃で電気炉において焼成した後、徐冷して合成。CaO/Alモル比0.15、ブレーン値4,000cm/g
CFA化合物D:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定割合で配合し、Fe含有量が3%となるように試薬1級の酸化鉄を配合し、1450℃で電気炉において焼成した後、徐冷して合成。CaO/Alモル比0.6、ブレーン値4,000cm/g
CFA化合物E:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定割合で配合し、Fe含有量が3%となるように試薬1級の酸化鉄を配合し、1400℃で電気炉において焼成した後、徐冷して合成。CaO/Alモル比0.7、ブレーン値4,000cm/g
CFA化合物F:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定割合で配合し、Fe含有量が3%となるように試薬1級の酸化鉄を配合し、1400℃で電気炉において焼成した後、徐冷して合成。CaO/Alモル比0.9、ブレーン値4,000cm/g
CFA化合物G:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定割合で配合し、Fe成分は配合せずに、1550℃で電気炉において焼成した後、徐冷して合成。CaO/Alモル比0.6、ブレーン値4,000cm/g
脱酸素剤ア:海綿鉄粉100部と臭化ナトリウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品
細骨材:JIS R 5201で使用する標準砂
水:水道水
(評価方法)
防錆効果:内在塩化物イオンとして、10kg/mとなるように塩化物イオンを加えた、丸鋼の鉄筋を入れたモルタル供試体を作製し、一日後に脱型し、材齢7日まで20℃封緘養生を行った後、50℃に加温養生することによる促進試験で防錆効果を確認した。鉄筋に錆が発生しなかった場合は良、1/10の面積以内で錆が発生した場合は可、1/10の面積を超えて錆が発生した場合は不可とした。
圧縮強さ:JIS R 5201に準じて材齢1日と28日圧縮強さを測定。
塩化物浸透深さ:塩化物イオン浸透抵抗性を評価。塩化物イオンの遮蔽効果を示す10cmφ×20cmの円柱状のモルタル供試体を作製し、一日後に脱型し、速やかに30℃の塩分濃度3.5%の食塩水である擬似海水に12週間浸漬した後、塩化物浸透深さを測定。塩化物浸透深さはフルオロセイン−硝酸銀法により、モルタル供試体断面の茶変しなかった部分を塩化物浸透深さと見なし、ノギスで8点測定して平均値を求めた。
Caイオンの溶脱:4×4×16cmのモルタル供試体を作製し、一日後に脱型し、速やかに10リットルの純水に28日間浸漬し、液相中に溶解したCaイオン濃度を測定することにより判定した。
自己治癒能力:6mmのナイロン繊維を0.15質量%混合した10×10×40cmのモルタル供試体を作製し、一日後に脱型し、材齢7日まで20℃封緘養生を行った後、曲げ応力によって幅0.3mmのひび割れを導入した。擬似海水に180日間浸漬した後、ひび割れ幅を測定した。◎は完全にひび割れが塞がった、○は0.1mm以下にひび割れ幅が縮小化した、△は0.2mm程度までひび割れ幅が縮小。×はひび割れ幅が縮小化されないか、あるいは逆に広がったことを示す。
Figure 0005651055
表1よりCFA化合物と脱酸素剤を併用することで、防錆効果、塩化物イオン浸透抑制効果を維持し、初期強度を増加することができ、さらに、Caイオンの溶脱抵抗性、自己治癒能力を向上することができる。
「実験例2」
表2に示す粉末度のCFA化合物Dと脱酸素剤アを併用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
Figure 0005651055
表2より、CFA化合物の粉末度を調整することで、防錆効果、塩化物イオン浸透抑制効果を維持し、強度低下を抑制することができ、さらに、Caイオンの溶脱抵抗性、自己治癒能力を向上することができる。
「実験例3」
CFA化合物Dを使用し、表3に示す脱酸素剤を併用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に併記する。
<使用材料>
脱酸素剤イ:海綿鉄粉100部と炭酸ナトリウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤ウ:海綿鉄粉100部と硫酸ナトリウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤エ:海綿鉄粉100部と水酸化カルシウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤オ:電解鉄粉100部と臭化ナトリウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤カ:電解鉄粉100部と炭酸ナトリウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤キ:電解鉄粉100部と硫酸ナトリウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤ク:電解鉄粉100部と水酸化カルシウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤ケ:アトマイズ鉄粉100部と臭化ナトリウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤コ:アトマイズ鉄粉100部と炭酸ナトリウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤サ:アトマイズ鉄粉100部と硫酸ナトリウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤シ:アトマイズ鉄粉100部と水酸化カルシウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤ス:破砕鉄粉100部と臭化ナトリウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤セ:破砕鉄粉100部と炭酸ナトリウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤ソ:破砕鉄粉100部と硫酸ナトリウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤タ:破砕鉄粉100部と水酸化カルシウム1.0部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤チ:海綿鉄粉100部
脱酸素剤ツ:電解鉄粉100部
脱酸素剤テ:アトマイズ鉄粉100部
脱酸素剤ト:破砕鉄粉100部
脱酸素剤ナ:海綿鉄粉100部と臭化ナトリウム0.1部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤ニ:海綿鉄粉100部と臭化ナトリウム0.2部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤ヌ:海綿鉄粉100部と臭化ナトリウム4部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
脱酸素剤ネ:海綿鉄粉100部と臭化ナトリウム10部を含む水溶液を工業用ミキサーを用いて混合し、混合物の自己発熱により乾燥させ、冷却して得た被覆還元鉄粉
Figure 0005651055
表3より、いずれの脱酸素剤を使用しても、防錆効果、塩化物イオン浸透抑制効果を維持し、強度低下を抑制することができ、さらに、Caイオンの溶脱抵抗性、自己治癒能力を向上することができる。
「実験例4」
CFA化合物Dと脱酸素剤アを用いて、表4に示す配合で混和材としたこと以外は実験例1と同様に行った。
Figure 0005651055
表4より、本発明の混和材は、防錆効果、塩化物イオン浸透抑制効果を維持し、強度低下を抑制することができ、さらに、Caイオンの溶脱抵抗性、自己治癒能力を向上することができる。
「実験例5」
CFA化合物Aと脱酸素剤アを、質量比2/1で混合して調製した混和材を使用して表5に示す使用量としたこと以外は実験例1と同様に行った。比較のために、従来の防錆材を用いて同様に行った。結果を表5に併記する。
(使用材料)
従来の防錆材イ:亜硝酸リチウム、市販品
従来の防錆材ロ:亜硝酸型ハイドロカルマイト、市販品
Figure 0005651055
表5より、本発明の混和材の使用量を調整することで、防錆効果、塩化物イオン浸透抑制効果を維持し、強度低下を抑制することができ、さらに、Caイオンの溶脱抵抗性、自己治癒能力を向上することができる。
本発明のセメント混和材を使用することにより、優れた防錆効果と、塩化物イオンの遮蔽効果、Caイオンの溶脱抑制効果及び自己治癒能力を奏するため、主に、土木・建築業界等において海洋や河川の水利構造物、水槽、床版コンクリートなど広範な用途に適する。

Claims (7)

  1. CaO/Alモル比が0.15〜0.7でFeの含有量が0.5〜20質量%のカルシウムフェロアルミネート化合物と脱酸素剤を含有するセメント混和材。
  2. カルシウムフェロアルミネート化合物の粉末度が、ブレーン比表面積値で2,000〜7,000cm/gである請求項1に記載のセメント混和材。
  3. 脱酸素剤が、還元鉄粉を含有してなる請求項1または請求項2に記載のセメント混和材。
  4. 脱酸素剤が、さらに電解質を含有することを特徴とする請求項3に記載のセメント混和材。
  5. カルシウムフェロアルミネート化合物と脱酸素剤との配合割合が、質量比で10/1〜1/10である請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のセメント混和材。
  6. セメントと、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のセメント混和材を含有するセメント組成物。
  7. セメントとCaO/Alモル比が0.15〜0.7でFeの含有量が0.5〜20質量%のブレーン比表面積値で2,000〜7,000cm/gであるカルシウムフェロアルミネート化合物と脱酸素剤を含有してなるセメント組成物。
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