JP5308358B2 - CaO−Al2O3−Fe2O3系化合物の製造方法 - Google Patents
CaO−Al2O3−Fe2O3系化合物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5308358B2 JP5308358B2 JP2010000502A JP2010000502A JP5308358B2 JP 5308358 B2 JP5308358 B2 JP 5308358B2 JP 2010000502 A JP2010000502 A JP 2010000502A JP 2010000502 A JP2010000502 A JP 2010000502A JP 5308358 B2 JP5308358 B2 JP 5308358B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cao
- raw material
- component
- cement
- based compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/91—Use of waste materials as fillers for mortars or concrete
Landscapes
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Description
コンクリート構造物の劣化要因の1つとして、塩化物イオンの存在によって鉄筋腐食が顕在化する塩害があり、その塩害を抑制するための方法として、コンクリート構造物に塩化物イオン浸透抵抗性を付与する手法がある。
なお、本発明における部や%は、特に規定しない限り質量基準で示す。
また、本発明で云うセメントコンクリートとは、セメントペースト、セメントモルタル、及びコンクリートの総称である。
CFA化合物の組成は、CaO/Al2O3モル比が0.2〜0.7でFe2O3含有量が0.5〜10%であることが好ましく、CaO/Al2O3モル比が0.4〜0.6がより好ましい。CaO/Al2O3モル比が0.2未満では、塩化物イオンの遮蔽効果が充分に得られない場合があり、逆に、CaO/Al2O3モル比が0.7を超えると急硬性が現れるようになり、可使時間が確保できない場合がある。CFA化合物にFe2O3の含有量は、0.5〜10%が好ましく、1〜9%がより好ましく、3〜7%が最も好ましい。0.5%未満では、キルンで焼成した場合に未反応の酸化アルミニウムが多く残る可能性があり、10%を越えても効率的に反応を進行させる効果は頭うちとなり、塩化物イオン浸透抵抗性が悪くなる場合がある。
CaO原料は、特に限定されないが、工業原料として市販されている例えば、生石灰(CaO)、消石灰(Ca(OH)2)、石灰石(CaCO3)等の使用が挙げられる。
本発明では、Al2O3原料として、焼結アルミナの集塵ダストを利用することを特徴とする。焼結アルミナのダストは、他のAl2O3原料、例えば、ボーキサイトや工業用の酸化アルミニウムと比べて反応性が高く、熱処理でCFA化合物を効率良く生成するという特徴がある。その一方、焼結アルミナの集塵ダストは、製品となる焼結アルミナの成分と比べて、Al2O3成分の純度は95%から97%と高い一方、Na2O成分は約2%程度、SO3成分は約1.5%程度と、高い値である。
Fe2O3原料は、特に限定されないが、工業原料として市販されている鉄鉱石を粉砕、加工、精製したFe2O3や鋼材洗浄廃塩酸から回収、精製して得られるFe2O3など如何なるものも使用可能である。また、Fe2O3成分を比較的多く含むボーキサイト、いわゆる「赤ボーキ」をAl2O3原料の一部に代替しても差し支えなく、むしろ、コストダウンの視点からは望ましい。
セメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、石灰石粉末や高炉徐冷スラグ微粉末等を混合したフィラーセメント、並びに、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造された環境調和型セメント(エコセメント)等のポルトランドセメントが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。
CaO原料として市販の炭酸カルシウムを、Al2O3原料として焼結アルミナの集塵ダストを、Fe2O3原料として市販の酸化鉄を使用し、CFA化合物を製造した。原料のCaO/Al2O3モル比がほぼ0.5となるように、CaO原料の炭酸カルシウムとAl2O3原料の焼結アルミナの集塵ダストを配合し、Fe2O3含有量が6%となるようにFe2O3原料の酸化鉄を加えて原料とした。
これら原料を混合粉砕し、造粒し、熱処理してCFA化合物を製造した。この際、原料の混合粉砕を乾式で行った場合と、湿式で行った場合を比較検討した。乾式で混合粉砕を行った場合は、ボールミルに原料をフィードし、粉砕処理を行い、その後、パン型の回転造粒機を用いて造粒した。この際、原料の100部に対して水を20部加えた。一方、湿式で粉砕混合を行った場合は以下の条件で行った。原料100部に対して、水70部を加え、ボールミルにフィードして混合粉砕し、その後、フィルタープレス機で余剰な水分を搾りとり(水/原料比で30%)、回転ドライヤーにフィードして造粒した。
造粒後は、いずれもロータリーキルンへフィードして熱処理を行った。造粒物の大きさは、乾式、湿式ともに、最大粒径は100mm、最小粒径は10mmであった。熱処理温度は、バーナーの焼点温度で1550℃±30℃で行った。得られた焼成物を分析した結果、表1のようになった。
市販の炭酸カルシウム:CaO成分:55.4%、SiO2成分:0.1%、MgO成分:0.3%、強熱減量:44.1%、その他0.1%。粒度:平均粒径15μm、最大粒径150μm。
焼結アルミナの集塵ダスト:Al2O3成分:96.3%、Na2O成分:2.0%、SO3成分:1.4%、強熱減量:0.2%、その他0.1%。粒度:平均粒径8μm、最大粒径100μm。
市販の酸化鉄:Fe2O3成分:98.7%、強熱減量:1.2%。その他0.1%。粒度:平均粒径3μm、最大粒径25μm。
粉末X線回折(XRD):未反応物(酸化アルミニウム)の回折ピークが明確に確認された場合を×、多少残っているようであれば△、確認されなかった場合を○とした。
一方、湿式で原料の混合粉砕を行った場合には、焼成物にNa2O成分やSO3成分が殆ど含まれておらず、未反応のAl2O3成分の存在も確認できなかった。また、焼成物はXRDではCaO・2Al2O3の結晶構造を有していた。Fe2O3成分はCaO・2Al2O3の結晶構造に固溶したことをXRDで確認した。これはCaO・2Al2O3の回折ピークのみ認められ、原料として配合したFe2O3や、Fe2O3成分を含有する他の化合物の生成が認められなかったためである。
原料の混合粉砕を湿式で行い、Fe2O3成分の配合量を6%に一定とし、CaO/Al2O3モル比を表2になるように変化したこと以外は実験例1と同様に行った。
ただし、CaO/Al2O3モル比0.7のものは1400℃、CaO/Al2O3モル比0.6のものは1450℃、CaO/Al2O3モル比0.4のものは1500℃、CaO/Al2O3モル比0.2のものは1550℃でそれぞれ熱処理を行った。
なお、比較例として、Fe2O3成分を配合しない場合についても併記した。結果を表2に示す。
一方、Fe2O3原料を配合しないと、CFA化合物の生成反応が進行しにくく、未反応のAl2O3成分が著しく多く確認されている。
原料の混合粉砕を湿式で行い、CaO/Al2O3モル比を0.5とし、Fe2O3成分の配合量を表3に示すように変化したこと以外は実験例1と同様に行った。バーナーの焼点温度は1550℃で熱処理を行った。結果を表3に示す。
なお、鉄分を加えない場合、CaO/Al2O3モル比0.7のものは1500℃、CaO/Al2O3モル比0.6のものは1550℃、CaO/Al2O3モル比0.4のものは1600℃、CaO/Al2O3モル比0.2のものは1650℃以上で焼成することで未反応の酸化アルミニウムの回折ピークが消失した。
Al2O3原料の違いについて検討した。Al2O3原料としてボーキサイトを使用したこと以外は実験例1と同様に行った。原料のCaO/Al2O3モル比がほぼ0.5となるように、CaO原料の炭酸カルシウムとAl2O3原料を配合し、Fe2O3含有量がほぼ6質量%となるようにFe2O3原料の酸化鉄を加えて原料とした。この原料を湿式で混合粉砕し、造粒し、熱処理してCFA化合物を製造した。結果を表4に示す。
ボーキサイト:Al2O3成分:89.4%、SiO2成分:4.0%、Fe2O3成分:1.8%、MgO成分:0.2%、TiO2成分:3.7%、Na2O成分:0.1%、K2O成分:0.5%、強熱減量:0.3%、粒度:5mm下。
CFA化合物のセメント混和材としての性能を評価した。表5に示すCFA化合物をブレーン比表面積で3000±300cm2/gに粉砕してセメント混和材とした。
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品
細骨材:JIS R 5201で使用する標準砂
水:水道水
防錆効果:モルタルに内在塩化物イオンとして、10kg/m3となるように塩化物イオンを加え、丸鋼の鉄筋を入れて50℃に加温養生することによる促進試験で防錆効果を確認した。鉄筋に錆が発生しなかった場合は良、1/10の面積以内で錆が発生した場合は可、1/10の面積を超えて錆が発生した場合は不可とした。
圧縮強さ:JIS R 5201に準じて材齢1日と28日圧縮強さを測定。
コンシステンシー:JIS R 5201に準じてモルタルフローを測定した。なお、モルタルは夏場を想定して35℃で練り上げ、練り直後と、90分経過後について測定し、流動性の低下の度合いを調べた。
一方、湿式で混合粉砕を行いFe2O3成分を配合して製造されたセメント混和材は、良好な防錆効果を示し、圧縮強度の増進も良好で、コンシステンシーへの悪影響もないことが分かる。
Claims (4)
- CaO原料、Al2O3原料及びFe2O3原料を湿式で混合粉砕し、粉砕物を造粒したものを熱処理して、CaO/Al2O3モル比が0.2〜0.7でFe2O3の含有量が0.5〜10質量%のCaO-Al2O3-Fe2O3系化合物を製造するにあたり、Al2O3原料として焼結アルミナの集塵ダストを使用することを特徴とするCaO-Al2O3-Fe2O3系化合物の製造方法。
- 粉砕物から余剰な水分を搾り出した後、造粒することを特徴とする請求項1に記載のCaO-Al2O3-Fe2O3系化合物の製造方法。
- 熱処理温度が、1400℃以上1650℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のCaO-Al2O3-Fe2O3系化合物の製造方法。
- CaO-Al2O3-Fe2O3系化合物が、CaO・2Al2O3の結晶を含有し、Fe2O3成分の一部あるいは全部がCaO・2Al2O3の結晶構造に固溶していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のCaO-Al2O3-Fe2O3系化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010000502A JP5308358B2 (ja) | 2010-01-05 | 2010-01-05 | CaO−Al2O3−Fe2O3系化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010000502A JP5308358B2 (ja) | 2010-01-05 | 2010-01-05 | CaO−Al2O3−Fe2O3系化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011140407A JP2011140407A (ja) | 2011-07-21 |
JP5308358B2 true JP5308358B2 (ja) | 2013-10-09 |
Family
ID=44456552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010000502A Active JP5308358B2 (ja) | 2010-01-05 | 2010-01-05 | CaO−Al2O3−Fe2O3系化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5308358B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5651055B2 (ja) * | 2011-03-24 | 2015-01-07 | 電気化学工業株式会社 | セメント混和材及びセメント組成物 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5229952B2 (ja) * | 2008-12-26 | 2013-07-03 | 太平洋マテリアル株式会社 | 速硬混和材 |
WO2011108065A1 (ja) * | 2010-03-01 | 2011-09-09 | 電気化学工業株式会社 | セメント混和材及びセメント組成物 |
-
2010
- 2010-01-05 JP JP2010000502A patent/JP5308358B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011140407A (ja) | 2011-07-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5580306B2 (ja) | 膨張材およびその製造方法 | |
EP2543648A1 (en) | Calcium ferroaluminate compound, cement admixture and process for producing same, and cement composition | |
JP5750011B2 (ja) | 高炉セメント組成物 | |
JP5800387B2 (ja) | 土質改良材 | |
JP2013047153A (ja) | 中性化抑制型早強セメント組成物 | |
EP2650268B1 (en) | Cement admixture, cement composition, and hexavalent chromium reduction method using same | |
JP2017014350A (ja) | 地盤改良材および地盤改良方法 | |
JP4209381B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP3960718B2 (ja) | セメント混和材及びセメント組成物 | |
JP5308358B2 (ja) | CaO−Al2O3−Fe2O3系化合物の製造方法 | |
JP3960717B2 (ja) | セメント混和材及びセメント組成物 | |
JP2007008785A (ja) | セメントクリンカおよびその製造方法 | |
JP6383417B2 (ja) | 炭酸化建材用の結合材の製造方法 | |
JP6195460B2 (ja) | コンクリート用ブリーディング防止剤の製造方法及びそのコンクリート用ブリーディング防止剤を配合したセメント組成物の製造方法 | |
JP6956502B2 (ja) | セメント用混和材並びにセメント組成物および水硬性組成物 | |
JP5651067B2 (ja) | 水硬性セメント組成物 | |
JP6683025B2 (ja) | セメント組成物およびその製造方法 | |
JP4347204B2 (ja) | セメント混和材及びセメント組成物 | |
JPH0781995A (ja) | セメント組成物 | |
JP2013087036A (ja) | 低水和熱セメントクリンカおよび低水和熱セメント組成物 | |
JP5851343B2 (ja) | セメント混和材、セメント組成物及びその製造方法 | |
JP4852506B2 (ja) | セメント添加材及びセメント組成物 | |
JP4338884B2 (ja) | セメント混和材及びセメント組成物 | |
JP4335424B2 (ja) | セメント混和材及びセメント組成物 | |
JPH06157099A (ja) | セメント組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120726 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130619 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130625 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130628 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5308358 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |