JP2017014350A - 地盤改良材および地盤改良方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の地盤改良材では十分な固化強度を確保しにくかった土壌に対しても十分な強度発現性を有する地盤改良材及びこれを用いた地盤改良方法を提供する。【解決手段】本発明に係る地盤改良材は、セメントクリンカーと、石膏と、無機系粉末とを含み、前記無機粉末はアルミン酸カルシウム水和物とケイ酸カルシウム水和物とを含む。この地盤改良材は、高炉スラグを更に含んでもよく、当該地盤改良材100質量部に対する高炉スラグの含有量は5〜80質量部であることが好ましい【選択図】図1

Description

本発明は、通常の地盤改良材に比べて、ロームや有機質土などの強度が出難い土においても固化強度に優れる地盤改良材に関する。
道路、建物等の構造物を建てる場合、その地盤の強度が問題となる。そのため、土壌にセメントなどを添加して固化し強度を高める地盤改良が一般的に行われている。しかし、ロームや有機質土などの土壌に対し、通常の地盤改良材では強度発現性が低下する。このような強度発現性の低下は、主にセメントの水和反応を阻害する有機物によるものと考えられており、ロームや有機質土に対しても十分な固化強度を得られる地盤改良材が望まれている。
このような土壌で強度を発現し易い地盤改良材として、特許文献1には11CaO・7Al・CaX(Xはハロゲン)や、CaO・Al、12CaO・7Al、4CaO・3Al・SOといったカルシウムアルミネートを主成分とする水硬性材料が含まれる地盤改良材が開示されている。
特公平6−78524号公報
しかしながら、特許文献1に記載の地盤改良材に使用されるクリンカーは、ClなどのハロゲンやSOを多く含んでいる。これらはセメントキルン内を循環し、キルン内の比較的低温となる部分にコーチングを形成してコーチングトラブルを生じることから製造面で大きな問題があり、実用的ではなかった。
本発明は、上記のような製造が難しい特殊なクリンカー鉱物を用いなくとも、強度の出にくい土壌においても強度発現性に優れる地盤改良材を提供することを目的とする。また、本発明は、上記地盤改良材を使用した地盤改良方法を提供することを目的とする。
本発明者らは,上記課題に関し鋭意検討した結果,セメントクリンカーと、石膏と、アルミン酸カルシウム水和物と、ケイ酸カルシウム水和物とを共存させることによって、強度の出難い土壌においても強度発現性に優れる地盤改良材が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、セメントクリンカーと、石膏と、無機系粉末とを含有する地盤改良材であって、前記無機系粉末がアルミン酸カルシウム水和物と、ケイ酸カルシウム水和物とを含むことを特徴とする地盤改良材を提供する。
上記地盤改良材は、従来の地盤改良材では十分な固化強度を確保しにくかった土壌(例えばロームや有機質土)に対しても十分な強度発現性を発揮できる。この主因は必ずしも明らかではないが、前記無機粉末中に含まれているアルミン酸カルシウムおよびケイ酸カルシウムはいずれも地盤改良材の水和物と構造が似通っているため、特に好適に水和を促進すると考えられる。ここで、セメントクリンカーと石膏の合計量100質量部に対し、前記無機系粉末としてアルミン酸カルシウム水和物ならびにケイ酸カルシウム水和物をそれぞれ0.1〜5.0質量部含むことが望ましい。また、上記地盤改良材が高炉スラグを含む場合には、セメントクリンカーと石膏と高炉スラグの合計量100質量部に対し、前記無機系粉末としてアルミン酸カルシウム水和物ならびにケイ酸カルシウム水和物をそれぞれ0.1〜5.0質量部含むことが望ましい。このような範囲であれば、地盤改良材の強度発現性が向上する。
上記地盤改良材は、産業廃棄物の利用及び重金属の溶出量低減の観点から、適度な量の高炉スラグを更に含むことが好ましい。地盤改良材100質量部に対する高炉スラグの含有量は5〜80質量部であればよい。また、強度発現性の観点から、上記地盤改良材中のSO量は、当該地盤改良材の全質量100質量部に対して1.5〜15.0質量部であればよい。
上記無機系粉末中のエトリンガイト含有量は、粉末エックス線回折パターンのリートベルト解析による定量値で10質量%以上であれば、地盤改良材の初期強度が向上する。また、上記ケイ酸カルシウム水和物のCa/Si比が0.5〜5.0であれば、地盤改良材の強度発現性が向上する。
上記セメントクリンカーは遊離石灰(f.CaO)を比較的多く含有してもよい。例えば、上記クリンカーの遊離石灰(f.CaO)含有量は8.0質量%未満であればよい。
上記セメントクリンカーが環境負荷低減クリンカーであり、その水硬率(HM)は1.75〜2.20、ケイ酸率(SM)は1.50以上2.50未満、鉄率(IM)は3.0〜10.0であり、ボーグ式にて算定されるCA量は15質量%以上、CAF量は0.5〜10質量%である。これらの諸率(水硬率、ケイ酸率及び鉄率)の範囲設定は、焼成温度を低温化することによって製造過程におけるCO発生量を低減するとともに、原料の一部に例えば産業副産物である石炭灰(フライアッシュ、ボトムアッシュなど)を比較的多く使用するためである。なお、間隙相の量(CA量及びCAF量)を比較的高めに設定することも焼成温度の低温化に寄与する。また、環境負荷低減クリンカーを使用すると地盤改良材の強度発現がさらに向上する。
上記セメントクリンカーは、例えば、Al量が10質量%以上、SiO/Al質量比が5.0以下である廃棄物又は副産物を250〜600kg/t−cl’と、Fe量が30質量%以上である鉄原料を30kg/t−cl’以下とを原料とし、当該原料を1200〜1450℃の焼成温度で焼成する工程を経て製造することができる。鉄原料の使用量を30kg/t−cl’以下(鉄原料を使用しない場合(0kg/t−cl’)も含む)とすることで、鉄原料(例えば銅ガラミ)に含まれる重金属がクリンカーに持ち込まれる量を十分に低減できる。例えば、上記環境負荷低減クリンカーにおいて、Mo含有量は30mg/kg以下であることが好ましく、全Cr含有量は100mg/kg以下であることが好ましく、Pb含有量は100mg/kg以下であることが好ましい。
上記無機系粉末が、セメント製造工程で発生するEPダストおよび/または塩素バイパスダストを原料として製造される無機系粉末である。このような無機系粉末を用いることで、さらに廃棄物利用を推進することが出来る。
本発明は上記地盤改良材を用いる地盤改良方法を提供する。上記地盤改良材を用いた地盤改良方法によれば、ロームや有機質土などの強度の出にくい土壌においても優れた固化処理強度発現性が得られる。
本発明による地盤改良材は、ロームや有機質土などの強度の出にくい土壌においても強度発現性に優れ、且つ一般的なポルトランドセメントクリンカーを含む種々のセメントクリンカーを利用可能であるという効果を有する。
アルミン酸カルシウム水和物粉末のX線回折パターンの一例である。
以下,本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<地盤改良材>
本実施形態の地盤改良材は、セメントクリンカーと、石膏と、アルミン酸カルシウム水和物を含む無機系粉末とを含む。この地盤改良材は、従来の地盤改良材では十分な固化強度を確保しにくかった土壌(例えばロームや有機質土)に対しても十分な強度発現性を発揮できる。
(セメントクリンカー)
セメントクリンカーとして、例えば普通ポルトランドセメントクリンカー、早強ポルトランドセメントクリンカー等の各種セメントクリンカーが挙げられる。これらのセメントクリンカーとともに又は代わりに以下の環境負荷低減クリンカーを使用してもよい。環境負荷低減クリンカーを使用することで、原料の一部として廃棄物や産業副産物を十分に有効利用できるとともに製造過程におけるCO発生量を十分に低減できる。
上記環境負荷低減クリンカーは、水硬率(HM)が1.75〜2.20、ケイ酸率(SM)が1.50以上2.50未満、鉄率(IM)が3.0〜10.0であり且つボーグ式にて算定されるCA量が15質量%以上、CAF量が0.5〜10質量%である。
環境負荷低減クリンカーの水硬率(HM)は、以下の式(1)で算出される。環境負荷低減クリンカーの水硬率は、1.75〜2.20(1.75以上2.20以下)である。水硬率が1.75未満であると地盤改良材の水硬性が低下し強度発現性が不十分となりやすい。他方、水硬率が2.20を超えると環境負荷低減クリンカーの製造プロセスにおける焼成温度を十分に低温化できない。環境負荷低減クリンカーの水硬率は、好ましくは1.85〜2.20であり、より好ましくは1.95〜2.20であり、更に好ましくは2.00〜2.20である。
HM=CaO/(SiO+Al+Fe)・・・(1)
環境負荷低減クリンカーのケイ酸率(SM)は、以下の式(2)で算出される。環境負荷低減クリンカーのケイ酸率は、1.50以上2.50未満である。ケイ酸率が1.50未満であると適正な組成の環境負荷低減クリンカーが得られ難い。他方、ケイ酸率が2.50以上であると従来のポルトランドセメントクリンカーと比較して廃棄物使用量を高めることが難しく、環境負荷低減クリンカーの製造原価が上がってしまう。環境負荷低減クリンカーのケイ酸率は、好ましくは1.60〜2.30であり、より好ましくは1.80〜2.05である。
SM=SiO/(Al+Fe)・・・(2)
環境負荷低減クリンカーの鉄率(IM)は、以下の式(3)で算出される。環境負荷低減クリンカーの鉄率は、3.0〜10.0である。鉄率が3.0未満であると従来のポルトランドセメントクリンカーと比較して廃棄物又な産業副産物の使用量を高めることが難しく、環境負荷低減クリンカーの製造原価が上がってしまう。他方、鉄率が10.0を超えると環境負荷低減クリンカーを含む地盤改良材に水を添加して得られるスラリーの流動性が悪化する。環境負荷低減クリンカーの鉄率は、好ましくは3.5〜9.0であり、より好ましくは4.0〜8.5であり、更に好ましくは5.0〜8.0である。
IM=Al/Fe・・・(3)
セメントクリンカーは、CA、CAF、CS及びCSを含有するものであり、その組成は、ボーグ式により算出することができる。ボーグ式は、セメントクリンカー中の主要な四鉱物の含有量を求める計算式である。セメントクリンカーの場合のボーグ式は、下記のように表される。
S量=(4.07×CaO)−(7.60×SiO)−(6.72×Al)−(1.43×Fe
S量=(2.87×SiO)−(0.754×CS)
A量=(2.65×Al)−(1.69×Fe
AF量=3.04×Fe
式中の「CaO」、「SiO」、「Al」及び「Fe」は、それぞれ、セメントクリンカーにおけるCaO、SiO、Al及びFeのセメントクリンカー全体質量に対する含有割合(質量%)である。これらの含有割合は、JIS R 5202(2010)「ポルトランドセメントの化学分析方法」により測定することができる。
環境負荷低減クリンカーは、ボーグ式にて算定されるCA量が15質量%以上である。CA量が15質量%未満であるとセメント組成物の強度発現性が不十分になるとともに環境負荷低減クリンカーの製造プロセスにおける焼成温度を十分に低温化できない。環境負荷低減クリンカーのCA量は、好ましくは15〜40質量%であり、より好ましくは16〜40質量%であり、更に好ましくは20〜35質量%であり、特に好ましくは21〜35質量%である。なお、環境負荷低減クリンカーのCA量が40質量%を超えると環境負荷低減クリンカーを含む地盤改良材に水を添加して得られるスラリーの流動性が悪化しやすい。
環境負荷低減クリンカーは、ボーグ式にて算定されるCAF量が0.5〜10質量%である。CAF量が0.5質量%未満であると環境負荷低減クリンカーの製造プロセスにおける焼成温度を十分に低温化できない。他方、CAF量が10質量%を超えると地盤改良材の強度発現性が低下するほか、環境基準に定められる六価クロム等の重金属含有量が増加する。CAF量は、好ましくは1〜8.5質量%であり、より好ましくは3〜8質量%であり、更に好ましくは5〜7.5質量%であり、特に好ましくは6〜7.5質量%である。
環境負荷低減クリンカーのCA量及びCAF量の合計量は21〜35質量%であることが好ましい。この合計量が21質量%未満であるとセメントクリンカー原料として使用する粘土代替廃棄物の量が少なくなり、資源循環型社会への貢献が小さくなる。他方、この合計量が35質量%を超えると地盤改良材の強度発現性ならびに流動性が低下するほか、環境負荷低減クリンカーの融液量が多くなり、通常のロータリーキルンで安定的に製造することが難しくなる。CA量及びCAF量の合計量は、より好ましくは24〜32質量%であり、更に好ましくは27〜30質量%である。
環境負荷低減クリンカーのCS量は好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは11〜45質量%であり、更に好ましくは15〜40質量%である。CS量が10質量%未満であると長期的な強度発現性が不十分となりやすく、他方、50質量%を超えると短期的な強度が低下する恐れがある。CS量は好ましくは20〜70質量%であり、より好ましくは30〜60質量%であり、更に好ましくは35〜60質量%である。CS量が20質量%未満であると中長期的な強度発現性が不十分となりやすく、他方、70質量%を超えると発熱量の増加に伴う収縮が大きくなり、強度発現性が不十分となるばかりか、間隙相量が十分でなくなることで焼成温度が上がる恐れがある。
セメントクリンカーにおける遊離石灰含有量(f.CaO量)は、強度発現性の観点から、なるべく少ないことが好ましい(例えば1質量%以下)。ただし、環境負荷低減クリンカーを地盤改良材の調製に使用する場合、ポルトランドセメントの調製に使用する場合と比較し、環境負荷低減クリンカーは遊離石灰を多く含有してもよい。環境負荷低減クリンカーの遊離石灰含有量の上限値は好ましくは8.0質量%であり、より好ましくは6.0質量%であり、更に好ましくは5.0質量%であり、特に好ましくは4.5質量%である。他方、環境負荷低減クリンカーの遊離石灰含有量の下限値は好ましくは0質量%であり、より好ましくは1.0質量%であり、更に好ましくは3.0質量%である。環境負荷低減クリンカーの遊離石灰含有量が8.0質量%以下であれば、環境負荷低減クリンカーを地盤改良材として使用した場合に従来品と同等以上の強度発現性を確保できるとともに、その製造過程において十分に低い温度で焼成することができ、CO発生量を低減できる。
環境負荷低減クリンカーにおけるモリブデン含有量は可能な限り少ないことが好ましく、例えば30mg/kg以下であることが好ましい。モリブデン含有量が30mg/kgを超えると環境負荷低減クリンカーを地盤改良材として使用した場合に固化処理条件によっては固化処理土からのモリブデン溶出量が増大する恐れがある。なお、環境負荷低減クリンカーにおけるモリブデン含有量を例えば5mg/kg未満にしようとすると廃棄物及び産業副産物のセメントクリンカー原料としての調合量が少なくなり、環境負荷低減クリンカーの製造原価が上がってしまう。十分に低い製造原価及び十分に低いモリブデン溶出量を両立させる観点から、環境負荷低減クリンカーにおけるモリブデン含有量は好ましくは6〜28mg/kgであり、より好ましくは12〜24mg/kgである。
環境負荷低減クリンカーにおける全クロム含有量は可能な限り少ないことが好ましく、例えば100mg/kg以下であることが好ましい。ここで、全クロム含有量とは、環境負荷低減クリンカー中に含まれる三価クロムや六価クロム等の価数の異なる全てのクロムの合計含有量をいう。環境負荷低減クリンカーにおける全クロム含有量が100mg/kgを超えると、環境負荷低減クリンカーを地盤改良材として使用した場合に固化処理条件によっては固化処理土からの六価クロム溶出量が増大する恐れがある。なお、環境負荷低減クリンカーにおける全クロム含有量を例えば30mg/kg未満にしようとすると廃棄物及び産業副産物のセメントクリンカー原料としての調合量が少なくなり、環境負荷低減クリンカーの製造原価が上がってしまう。十分に低い製造原価及び十分に低い六価クロム溶出量を両立させる観点から、環境負荷低減クリンカーにおける全クロム含有量は好ましくは40〜65mg/kgであり、より好ましくは43〜62mg/kgである。
環境負荷低減クリンカーにおける六価クロム含有量は、20〜45mg/kgであることが好ましい。全クロム含有量と同様に、六価クロム含有量はできるだけ少ないことが好ましいが、環境負荷低減クリンカーにおける六価クロム含有量が20mg/kg未満では、セメントクリンカー原料に使用できる廃棄物及び産業副産物の量が少なくなり、製造原価が上がる傾向がある。一方、環境負荷低減クリンカーにおける六価クロム含有量が45mg/kgを超えると、環境負荷低減クリンカーを地盤改良材として使用した場合に固化処理土からの六価クロム溶出量が増大する傾向がある。十分に低い製造原価及び十分に低い六価クロム溶出量を両立させる観点から、環境負荷低減クリンカーにおける六価クロム含有量は好ましくは25〜40mg/kgであり、より好ましくは30〜35mg/kgである。
環境負荷低減クリンカーにおける鉛含有量は可能な限り少ないことが好ましく、例えば100mg/kg以下であることが好ましい。環境負荷低減クリンカーにおける鉛含有量が100mg/kgを超えると、環境負荷低減クリンカーを地盤改良材として使用した場合に固化処理条件によっては固化処理土からの鉛溶出量が増大する恐れがある。なお、環境負荷低減クリンカーにおける鉛含有量を例えば10mg/kg未満にしようとすると廃棄物及び産業副産物のセメントクリンカー原料としての調合量が少なくなり、環境負荷低減クリンカーの製造原価が上がってしまう。十分に低い製造原価及び十分に低い鉛溶出量を両立させる観点から、環境負荷低減クリンカーにおける鉛含有量は好ましくは10〜100mg/kgであり、より好ましくは30〜70mg/kgである。
上述のとおり、環境負荷低減クリンカーは、鉄率(IM、Al/Fe)が比較的高く(3.0〜10.0)且つCA量((2.65×Al)−(1.69×Fe)が比較的多い(15質量%以上)。つまり、環境負荷低減クリンカーは原燃料から持ち込まれるAlの量がFeの量と比較して多いといえる。特に、CA(アルミネート相)は急速に水和反応が進むため、CA量が多い環境負荷低減クリンカーに含む地盤改良材に水を添加してスラリーを調製する場合、スラリーの流動性が不十分となる場合がある。スラリーの流動性を十分に確保するため、換言すると、環境負荷低減クリンカーに含まれるCAの水和活性を適度に抑制するため、環境負荷低減クリンカーを意図的に風化させる処置を施してもよい。この処置は環境負荷低減クリンカーを対象に実施してもよいし、地盤改良材を製造する過程において実施してもよい(後述の「粉砕工程」参照)。
(石膏)
地盤改良材における石膏の質量割合は、セメントクリンカー100質量部に対し、好ましくは5〜30質量部であり、より好ましくは10〜25質量部であり、更に好ましくは15〜20質量部である。地盤改良材における石膏の質量割合が5質量部未満であると固化処理土の強度発現性が不十分となりやすい。なお、地盤改良材における石膏の質量割合が増えるほど、固化処理土の強度発現性は向上する傾向があるが、30質量部を超えると添加効果が飽和する。
上記地盤改良材に使用される石膏の形態は、特に限定されるものでなく、二水塩、半水塩、無水塩のいずれも使用可能である。石膏の具体例としては、天然石膏や排煙脱硫処理によって副生する副産石膏、天然無水石膏、ふっ酸の製造過程で副産するふっ酸無水石膏等が挙げられる。地盤改良材をスラリー工法で使用する場合には、半水石膏の使用量をなるべく低減し、主に二水塩又は無水塩を用いることが好ましい。例えば、地盤改良材に含まれる全石膏に対する半水石膏の割合は好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは0.1〜30質量%であり、更に好ましくは0.5〜20質量%である。半水石膏の割合を40質量%以下にすることで、地盤改良材に水を加えてスラリーを調製する際、スラリーに強張りが生じることを抑制できる。
上記地盤改良材におけるSO量は、強度発現性の観点から地盤改良材100質量部に対して好ましくは1.5〜15.0質量部であり、より好ましくは1.8〜14.5質量部であり、更に好ましくは3〜14.0質量部であり、特に好ましくは8〜13.0質量%である。地盤改良材のSO量が上記範囲となるように石膏の配合量を調整すればよい。
(無機系粉末)
前記無機系粉末はアルミン酸カルシウム水和物とケイ酸カルシウム水和物とを含有する。前記無機系粉末の添加量は、前記セメントクリンカーと石膏の合計量に対して、アルミン酸カルシウム水和物とケイ酸カルシウム水和物とがそれぞれ0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.1〜3.0質量%、更に好ましくは0.1〜2.0質量%含まれるように添加されることが好ましい。また、地盤改良材が高炉スラグを含む場合には、前記無機系粉末の添加量は、前記セメントクリンカーと石膏と高炉スラグの合計量に対して、アルミン酸カルシウム水和物とケイ酸カルシウム水和物とがそれぞれ0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.1〜3.0質量%、更に好ましくは0.1〜2.0質量%含まれるように添加されることが好ましい。このような範囲であれば、地盤改良材の強度発現性が向上する。地盤改良材における無機系粉末の質量割合は、セメントクリンカー100質量部に対し、好ましくは0.1〜5.0質量部であり、より好ましくは0.1〜4.0質量部であり、更に好ましくは0.1〜3.0質量部である。地盤改良材における無機系粉末の質量割合が0.1質量部未満であると無機系粉末の配合効果が不十分となりやすく、5.0質量部を超えると長期的な強度発現性が低下しやすくなる。
前記無機系粉末はアルミン酸カルシウム水和物としてエトリンガイトを含むことが好ましい。無機系粉末におけるエトリンガイト量としては、Cu-kα線を用いた粉末エックス線回折パターンのリートベルト解析による定量値で10質量%以上であることが望ましい。より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30〜70質量%、特に好ましくは40〜60質量%である。
前記無機系粉末としては、市販あるいは天然に存在するアルミン酸カルシウム水和物および/またはケイ酸カルシウム水和物、モルタルおよび/またはコンクリートの粉砕物、または液相法、水熱合成法、ボールミルを用いたメカノケミカル法などによって合成した水和物を使用できる。その他、セメント製造工程で発生するEPダストおよび/または塩素バイパスダストを原料として製造された水和物を利用できる。
前記アルミン酸カルシウム水和物としては、市販あるいは天然に存在するアルミン酸カルシウム水和物およびその粉砕物、セメント製造工程で発生するEPダストおよび/または塩素バイパスダストを原料として製造された水和物およびその粉砕物を利用することができる。さらに、前記アルミン酸カルシウム水和物中にはエトリンガイトを50質量%以上、好ましくは65質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上含むことが望ましい。また、前記アルミン酸カルシウム水和物は、固形物、粒状、粉末、及びこれらを液体と混合したスラリーなど、様々な形態のものを使用可能である。
前記ケイ酸カルシウム水和物としては、市販あるいは天然に存在するケイ酸カルシウム水和物およびその粉砕物、セメント製造工程で発生するEPダストおよび/または塩素バイパスダストを原料として製造された水和物およびその粉砕物、モルタルの粉砕物および/またはコンクリートの粉砕物等を利用することができる。また、液相合成法、水熱合成法、ボールミルを用いたメカノケミカル法などで合成されたケイ酸カルシウム水和物を用いることができる。上記の方法でケイ酸カルシウム水和物を合成する際の原料としては水酸化Ca等のCa源ならびに珪酸エチル、珪石等のSi源を用いてもよく、Ca源とSi源の量を調整してケイ酸カルシウム水和物のC/S(=CaO[mol]/SiO2[mol])比を調整する。ケイ酸カルシウム水和物のC/S比は0.5〜5.0が好ましく、2.0〜4.0がさらに好ましく、2.0〜3.0が特に好ましい。
前記無機系粉末は、あらかじめ液体(水など)と混合したスラリーとしておくことも可能である。例えば、深層混合処理工法などにおいて地盤改良材をスラリー化して使用する場合には、無機系粉末の一部または全量を除いた地盤改良材と、無機系粉末の一部または全量を含んだスラリーとを混合して使用しても良い。
(高炉スラグ)
上記地盤改良材は、適度な量の高炉スラグを更に含むことが好ましい。高炉スラグの具体例として、高炉水砕スラグ、高炉徐冷スラグ等が挙げられる。地盤改良材における高炉スラグの含有量は、地盤改良材100質量部に対して好ましくは5〜80質量部であり、より好ましくは10〜70質量部であり、更に好ましくは20〜50質量部である。地盤改良材における高炉スラグの質量割合が5質量部未満では産業副産物(高炉スラグ)の有効利用が不十分となりやすく、また関東ロームのような火山灰質粘性土を処理する場合、固化処理条件によってはクロムなどの重金属の溶出量の低減効果が不十分となりやすい。他方、地盤改良材における高炉スラグの質量割合が80質量部を超えると、固化処理土の強度が不十分となりやすい。
<地盤改良材の製造方法>
上記地盤改良材の製造方法について説明する。この製造方法は、原料調合工程と、焼成工程と、粉砕工程とをこの順序で含む。原料調合工程と焼成工程を経ることによってセメントクリンカーが製造され、その後の粉砕工程を経ることで地盤改良材が製造される。ここでは、環境負荷低減クリンカーを製造し、これをセメントクリンカーとして使用する場合を例示するが、これに代わりに例えば購入した各種ポルトランドセメントを使用してもよい。
(原料調合工程)
原料調合工程は、諸率(水硬率、ケイ酸率及び鉄率)が上記範囲であり且つボーグ式によって算定される構成化合物量(CA量及びCAF量)が上記範囲である環境負荷低減クリンカーが得られるように原料を調合する工程である。つまり、この工程では、所望の物性(諸率及び構成化合物量)の環境負荷低減クリンカーが得られるように原料を選択するとともにその使用量(原料原単位)を調整する。
環境負荷低減クリンカーの原料として石灰石、珪石、粘土系廃棄物等を主に使用する。粘土系廃棄物としては石炭灰、建設発生土、スラグ等が挙げられる。ここで、通常のポルトランドセメントクリンカーで使用される銅カラミや鉄精鉱等の鉄原料は極力使用量を抑える。鉄原料の使用量をなるべく少なくすることで、鉄原料に含まれる重金属が環境負荷低減クリンカーに持ち込まれることを十分に抑制できる。
環境負荷低減クリンカー1トン当たりの原料原単位は以下の範囲であることが好ましい。
・石灰石:800〜1300kg、より好ましくは900〜1200kg、更に好ましくは1000〜1150kg。
・珪石:0〜100kg、より好ましくは0〜50kg、更に好ましくは0〜20kg。
・粘土系廃棄物:250〜600kg、より好ましくは300〜500kg、更に好ましくは350〜450kg。
・鉄原料:0〜30kg、好ましくは0〜20kg、更に好ましくは0〜10kg、特に好ましくは0kg。
粘土系廃棄物(粘土系産業副産物も含む。)のAl量は、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは10〜70質量%であり、更に好ましくは20〜65質量%であり、特に好ましくは25〜60質量%である。粘土系廃棄物のSiO2/Al23 質量比は、好ましくは5.0以下であり、より好ましくは1.0〜4.0であり、更に好ましくは2.0〜3.0である。かかる粘土系廃棄物の具体例としては、石炭灰(例えば、フライアッシュ、ボトムアッシュ)などが挙げられる。なお、粘土系廃棄物として、Feを3質量%以上(より好ましくは4〜6質量%)含む石炭灰等を選択して用いることが好ましく、これによって鉄原料を使用しなくても、環境負荷低減クリンカーの造粒を容易にし、環境負荷低減クリンカーの粉化を抑制することができる。これにより、クーラーでの熱交換効率やダストの集塵効率を高めることができるため、より省エネで且つ安定して環境負荷低減クリンカーを製造することができる。
鉄原料のFe量は、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは30〜90質量%であり、更に好ましくは40〜80質量%であり、特に好ましくは50〜70質量%である。かかる鉄原料の具体例としては、銅カラミ、鉄精鉱、転炉滓などが挙げられる。
(焼成工程)
焼成工程は、原料調合工程を経て得られた原料を焼成することによって環境負荷低減クリンカーを得る工程である。この工程を実施するための設備としては、NSPキルン、SPキルンなどが挙げられる。これらの設備は、焼成温度を測定する焼点温度測定機と、f.CaO量測定機(もしくはf.CaO量分析装置)とを有していることが好ましい。
焼成温度は、好ましくは1200〜1450℃であり、より好ましくは1250〜1400℃であり、更に好ましい範囲としては1300〜1400℃であり、特に好ましくは1350〜1400℃である。焼成温度が1200℃未満であると地盤改良材の強度発現性が不十分となりやすく、他方、1450℃を超えると焼成工程におけるCO排出量削減効果が不十分となりやすい。なお、焼成された環境負荷低減クリンカーを1〜12時間毎に採取し、そのf.CaO量を測定することが好ましい。f.CaO量をモニタリングし、その値が所定の条件(例えば8.0質量%未満)を満たすように、焼成条件(温度、時間(ロータリーキルンであれば回転速度)など)を調整してもよい。
(粉砕工程)
粉砕工程は、環境負荷低減クリンカーと、石膏と、無機系粉末と、必要に応じて高炉スラグとを含む混合物を粉砕することによって地盤改良材を得る工程である。この工程を実施するための設備としては、ボールミル、竪型ローラーミルなどが挙げられる。セメントクリンカーに石膏を添加する際に、高炉スラグや石炭灰を添加してもよい。
粉砕工程を経て得られる地盤改良材のブレーン比表面積は、地盤改良材の適度な反応性の観点から、好ましくは3000〜5000cm/kgであり、より好ましくは3500〜5000cm/kgであり、更に好ましくは4000〜5000cm/kgである。
地盤改良材を使用して調製されるスラリーの流動性を十分に確保する観点から、地盤改良材の反応性を抑制する処理を粉砕工程において実施してもよい。例えば、粉砕工程において環境負荷低減クリンカーに対して所定の粉砕助剤(有機系粉砕助剤及び/又は水)を添加して粉砕することにより、地盤改良材を風化させればよい。有機系粉砕助剤として、ジエチレングリコール、トリエタノールアミンなどが挙げられる。粉砕助剤として、有機系粉砕助剤及び水をそれぞれ単独で使用してもよいし、これらを併用してもよい。粉砕工程において、粉砕助剤を使用することで粉砕時の温度を所定の温度以下(例えば120℃以下)に抑えることができるという効果も奏される。なお、粉砕工程における風化処理の代わりに、あるいは、これとともにサイロ内において地盤改良材をエージングすることによって地盤改良材を風化させてもよい。
粉砕処理すべき混合物において、環境負荷低減クリンカーと石膏と高炉スラグとの合計量100質量部に対する有機系粉砕助剤の含有量は好ましくは0〜1.0質量部であり、より好ましくは0.001〜0.1質量部であり、更に好ましくは0.01〜0.05質量部である。有機系粉砕助剤の含有量(添加量)が1.0質量部を超えるとセメント組成物の強度発現性が低下する恐れがある。
粉砕処理すべき混合物において、環境負荷低減クリンカーと石膏と高炉スラグとの合計量100質量部に対する水の含有量は好ましくは0.5〜5.0質量部であり、より好ましくは0.3〜3.0質量部であり、更に好ましくは0.5〜2.0質量部である。水の含有量(添加量)が0.5質量部未満であるとセメント組成物のスラリー流動性ならびに強度発現性が低下する恐れがあり、他方、5.0質量部を超えた場合も、セメント組成物のスラリー流動性ならびに強度発現性が低下する恐れがある。
地盤改良材の風化の程度は、地盤改良材の水蒸気吸着量を測定することによって把握することができる。より具体的には、本実施形態の地盤改良材は、吸着過程における相対圧0.9265での水蒸気吸着量が当該地盤改良材100gに対して4.9g以下(より好ましくは0.1〜4.9g)であり且つ相対圧0.1000における吸着等温線と脱着等温線との水蒸気吸着量の差異(ヒステリシス)が当該地盤改良材100gに対して1.9g以下(より好ましくは0.1〜1.9g)であることが好ましい。ここで、相対圧0.9265での水蒸気吸着量は地盤改良材における水との反応性が高い成分の含有量(CA量及びf.CaO量)が反映される。一方、相対圧0.1000における吸着等温線と脱着等温線との水蒸気吸着量の差異(ヒステリシス)は水蒸気吸着前の地盤改良材の水和活性が反映される。つまり、これらの二つの値が上記条件を満たすように地盤改良材を意図的に風化させることで、地盤改良材を含むスラリーの流動性を十分に確保することができる。
本実施形態の製造方法は、粉砕工程後、地盤改良材の水蒸気吸着量を測定する工程を更に含むことが好ましい。この工程を実施することで、製造されたセメント組成物の風化の程度が反応性の観点から適度な範囲であるか否かを把握することができ、製品管理上、有用な情報を得ることができる。水蒸気吸着量の測定は、高精度全自動ガス吸着装置(日本ベル社製、BELSORP18)にて地盤改良材を40℃(真空下)で12時間脱気し、25℃で水蒸気吸着試験を行えばよい。これにより、相対圧0.9265における水蒸気吸着量と、相対圧0.1000における吸着等温線と脱着等温線の水蒸気吸着量のヒステリシス(差異)を求めることができる。なお、地盤改良材に吸着した水蒸気量の体積から質量への換算には、以下の式を用いればよい。
B=C/(22.7×1000)×18×100
B:地盤改良材100gあたりの水蒸気吸着量(g/100g)
C:地盤改良材1gあたりの水蒸気吸着量(cm(STP)/g)
本実施形態の製造方法は、地盤改良材の製造に使用する石膏における半水石膏の割合(半水石膏化率)を測定する工程を更に含むことが好ましい。半水石膏化率が40質量%以下の石膏を使用することで、地盤改良材に水を加えてスラリーを調製する際、スラリーに強張りが生じることを抑制できる。半水石膏化率の測定は、粉末X線回折測定による二水石膏ならびに半水石膏の定量、あるいは熱重量測定・示差熱分析(TG−DTA)装置による脱水温度、脱水量の測定により実施することができる。
<地盤改良方法>
本実施形態の地盤改良方法は、上記の地盤改良材と、土壌とを混合する工程を備える。対象の土壌として、ローム、粘土、砂質土、有機質土などが挙げられる。本実施形態の地盤改良方法は従来の地盤改良材では十分な固化強度を確保しにくかったロームや有機質土に対しても十分な強度発現性を有する。土壌1mにする地盤改良材の混合量は、土壌の固化強度を十分に高める観点から、好ましくは30〜500kgであり、より好ましくは50〜450kgであり、更に好ましくは200〜400kgである。土壌と地盤改良材の混合方法は、従来の地盤改良材と同様に、粉体として土壌に添加して混合する、あるいは水を混ぜてスラリーとして土壌に混合することが可能である。
以上,本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下,実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお,本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[1.環境負荷低減クリンカーの製造]
環境負荷低減クリンカーを製造するために,表1の原料を使用した。
二水石膏:和光純薬株式会社製、試薬特級、純度98.0%
炭酸ナトリウム(Na2CO3):和光純薬株式会社製、試薬特級、純度99.8%
炭酸カリウム(K2CO3):和光純薬株式会社製、試薬特級、純度99.5%
上述の原料を表2の割合で調合し、最高焼成温度を変えてセメントクリンカーをそれぞれ焼成した。電気炉での焼成方法は、1000℃に保持された電気炉にクリンカー原料を投入し、最高焼成温度まで10℃/分で昇温し、最高温度では30分間保持し、電気炉から取り出した試料を空冷した。焼成して得られたセメントクリンカーについて、JIS R 5202:2010「セメントの化学分析方法」に準じて化学成分を測定し、クリンカーの諸率および鉱物組成を以下の式により算出した。また、クリンカーの粉末エックス線回折パターンをCukα線により測定し、リートベルト解析することで鉱物組成ならびにf.CaO量を測定した。得られたクリンカーの化学成分、諸率および鉱物組成を表3〜5に示す。
HM=CaO/(SiO+Al+Fe
SM=SiO/(Al+Fe
IM=Al/Fe
S=4.07×CaO−7.60×SiO−6.72×Al−1.43×
Fe
S=2.87×SiO−0.75×C
A=2.65×Al−1.69×Fe
AF=3.04×Fe
表2および表3に示されるように、環境負荷低減型クリンカーK3、K4、K7は一般的な普通ポルトランドセメントクリンカー(K1)あるいは早強ポルトランドセメントクリンカー(K2、K5)と同じ温度またはより低温で焼成した場合にf.CaO量が十分に抑えられており、易焼性が向上していることが分かる。さらにクリンカー中のMo含有量は30mg/kg以下、全Cr含有量は100mg/kg以下、Pb含有量は100mg/kg以下に抑えられている。また、環境負荷低減型クリンカーK3、K4、K5、K7では石炭灰を250kg/t−cl’以上と、K1、K2、K6よりも多量に使用する事が可能となっている。
[2.地盤改良材の製造]
地盤改良材は表3〜5のセメントクリンカー(K1、K3、K4、K7)を使用して、これらに石膏、高炉スラグ、アルミン酸カルシウム水和物粉末、ケイ酸カルシウム水和物から選定される材料を加え、表6及び表7の配合で地盤改良材を得た。粉砕はボールミルを使用し、有機系粉砕助剤としてジエチレングリコール(DEG)をセメントクリンカー、石膏、高炉スラグの合計量に対して外割で0.04質量%加えて粉砕した。地盤改良材の粉末度はいずれもブレーン比表面積で4500±50cm/gとした。
高炉スラグ:高炉水砕スラグ微粉末、SO量:0.1%、硫化物硫黄含有量:0.861%、ブレーン比表面積:3460cm/g、千葉リバーメント(株)製
石膏:フッ酸無水石膏、SO量:58.1%、ブレーン比表面積:3700cm/g、セントラル硝子(株)製
図1は、実施例で使用したアルミン酸カルシウム水和物粉末のX線回折パターンである。得られたX線回折パターンのリートベルト解析結果から、該アルミン酸カルシウム水和物粉末は、エトリンガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O)を99質量%含んでいた。また化学組成から、残り1質量%は水酸化アルミニウムと推測された。
本実施例で使用したケイ酸カルシウム水和物の元素分析を、電子顕微鏡TM3030(日立ハイテクノロジーズ製)と、エネルギー分散型エックス線分析装置SwiftED3000(英国オックスフォードインスツゥルメンツ製)とを用いて行った。元素分析マッピングを4回測定した結果、ケイ酸カルシウム水和物のC/S比の最小値は2.08、最大値は2・81、平均値は2.34であった。
[3.地盤改良材を用いた固化処理土の作製]
対象土はローム(自然含水比:132.6%、湿潤密度:1.361g/cm、礫分:0.1%、砂分:11.0%、細粒分:88.9%)とし、地盤改良材を土に対して300kg/m添加して、ホバートミキサーにてよく混合した後、円柱形の型枠に詰めて固化処理土供試体を作製した。
[4.固化処理土の強度試験]
固化処理土は20℃で7日間および28日間の養生後、針貫入試験機(丸東製作所製、SH−70)にて針の貫入量が10mmとなるときの貫入力を測定し、貫入勾配を算出した。さらに、貫入勾配から固化処理土の強度を算出した。固化処理土の強度算出には以下の式を用いた。
A=94.248X1.2567
A:固化強度(N/mm
X:針貫入勾配(N/mm)=貫入力(N)/貫入量(mm)
[5.試験結果]
・スラグ無し配合の場合(表8)
無機系粉末中にケイ酸カルシウム水和物のみを含み本発明の要件を満たさない比較例2、4、6、8の地盤改良材では、無機系粉末を含まない場合と比較して固化強度が7日材齢で10〜50%、28日材齢で5〜99%向上している。一方、無機系粉末としてアルミン酸カルシウム水和物粉末及びケイ酸カルシウム水和物を含み本発明の要件を満たす実施例1〜4の地盤改良材では、無機系粉末を含まない場合と比較して7日材齢では13〜168%、28日材齢では41〜153%もの固化強度向上が認められる。特に、実施例2、4の環境負荷低減型クリンカーを使用した地盤改良材では優れた固化強度(28日材齢で1000N/mm以上の固化強度)が得られる。また、実施例1〜4の地盤改良材は、いずれも比較例1に示す普通ポルトランドセメントを使用した地盤改良材と同等以上の固化強度を有している。
・高炉スラグ含有配合の場合(表9)
無機系粉末中にケイ酸カルシウム水和物のみを含み、アルミン酸カルシウム水和物粉末を含まない比較例10、12、14、16の地盤改良材では、無機系粉末を含まない場合と比較して固化強度が7日材齢で4〜46%、28日材齢で最大65%向上している。一方、無機系粉末としてアルミン酸カルシウム水和物粉末及びケイ酸カルシウム水和物を含み本発明の要件を満たす実施例5〜8の地盤改良材では、無機系粉末を含まない場合と比較して7日材齢で20〜66%、28日材齢で最大40%の固化強度向上が認められ、特に短期材齢での強度向上に有効である。

Claims (10)

  1. セメントクリンカーと、
    石膏と、
    無機系粉末とを含有する地盤改良材であって、
    前記無機系粉末がアルミン酸カルシウム水和物と、ケイ酸カルシウム水和物とを含むことを特徴とする地盤改良材。
  2. 高炉スラグを更に含み、
    当該地盤改良材100質量部に対する前記高炉スラグの含有量が5〜80質量部であり、当該地盤改良材100質量部に対するSO量が1.5〜15.0質量部であることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良材。
  3. 前記アルミン酸カルシウム水和物がエトリンガイトを含み、
    さらに前記アルミン酸カルシウム水和物の含有量が、セメントクリンカーと石膏の合計量100質量部に対して0.1〜5.0質量部であり、
    前記ケイ酸カルシウム水和物の含有量が、セメントクリンカーと石膏の合計量100質量部に対して0.1〜5.0質量部であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の地盤改良材。
  4. 前記アルミン酸カルシウム水和物がエトリンガイトを含み、
    さらに前記アルミン酸カルシウム水和物の含有量が、セメントクリンカーと石膏と高炉スラグの合計量100質量部に対して0.1〜5.0質量部であり、
    前記ケイ酸カルシウム水和物の含有量が、セメントクリンカーと石膏と高炉スラグの合計量100質量部に対して0.1〜5.0質量部であることを特徴とする
    請求項2に記載の地盤改良材。
  5. 前記無機系粉末中のエトリンガイト含有量が粉末X線回折パターンのリートベルト解析による定量値で10質量%以上であり、
    且つ前記無機系粉末に含まれるケイ酸カルシウム水和物のCa/Si比が0.5〜5.0であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の地盤改良材。
  6. 前記セメントクリンカーの遊離石灰(f.CaO)含有量が8.0質量%未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の地盤改良材。
  7. 前記セメントクリンカーが、
    水硬率(HM)が1.75〜2.20、ケイ酸率(SM)が1.50以上2.50未満、鉄率(IM)が3.0〜10.0であり、ボーグ式にて算定されるCA量が15質量%以上、CAF量が0.5〜10質量%である環境負荷低減型クリンカーであることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の地盤改良材。
  8. 前記セメントクリンカーが、
    Al23 量が10質量%以上、SiO2/Al23 質量比が5.0以下である廃棄物あるいは副産物を250〜600kg/t−cl’、Fe量が30質量%以上である鉄原料を30kg/t−cl’以下使用して1200〜1450℃で焼成され、
    Mo含有量が30mg/kg以下、全Cr含有量が100mg/kg以下、Pb含有量が100mg/kg以下であるセメントクリンカーであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の地盤改良材。
  9. 前記無機系粉末が、
    セメント製造工程で発生するEPダストおよび/または塩素バイパスダストを原料として製造される無機系粉末であることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の地盤改良材。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の地盤改良材を用いる地盤改良方法。
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