JPH0948650A - ブリーディング低減材料及びその製造方法 - Google Patents

ブリーディング低減材料及びその製造方法

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JPH0948650A
JPH0948650A JP7280896A JP7280896A JPH0948650A JP H0948650 A JPH0948650 A JP H0948650A JP 7280896 A JP7280896 A JP 7280896A JP 7280896 A JP7280896 A JP 7280896A JP H0948650 A JPH0948650 A JP H0948650A
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calcium silicate
bleeding
silicate hydrate
water
cement
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Yasuhiro Suzuki
康弘 鈴木
Kensuke Kanai
謙介 金井
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B22/00Use of inorganic materials as active ingredients for mortars, concrete or artificial stone, e.g. accelerators, shrinkage compensating agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/46Water-loss or fluid-loss reducers, hygroscopic or hydrophilic agents, water retention agents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地中連続壁工法、泥水工法、注入工法、オー
ガーパイル工法、ボーリング工法、ブランケット工法、
ケーソン工法、深層混合処理工法、柱列式連続壁、、注
入グラウト工法、裏込め注入工法、薬液注入工法、軽量
盛土工法等の土木、建築工事全般に用いられるブリーデ
ィング低減材料とその製造方法、並びにセメントミルク
に関し、ベントナイトを使用することなく、低ブリーデ
ィング、高密度、低粘性で低強度から高強度までの任意
の強度を発現するセメントミルクを得ることを課題とす
る。 【解決手段】 Ca/Siのモル比が1.0〜4.0で
あり、強熱減量が5〜35%であるケイ酸カルシウム水
和物を含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地中連続壁工法、
泥水工法、注入工法、オーガーパイル工法、ボーリング
工法、ブランケット工法、ケーソン工法、深層混合処理
工法、柱列式連続壁、注入グラウト工法、裏込め注入工
法、薬液注入工法、軽量盛土工法等の土木、建築工事全
般に用いられるブリーディング低減材料とその製造方
法、並びにセメントミルクに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、各種地盤改良工法や柱列式連続
壁、注入工法などに使用されるセメントミルク配合は、
水:セメントで50〜200 %前後である。また、軽量化を
目的としたものには、気泡を混入したタイプもある。
【0003】そして、上記セメントミルクのブリージン
グ低減材料として、主にベントナイトが用いられる。ベ
ントナイトは水を吸収し見かけの体積が数倍に膨張する
性質を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】セメントミルクの場
合、ブリーディングによるセメントミルク懸濁液の材料
分離が生じ、施工上のトラブルや、地盤改良体、セメン
トミルク柱列杭などの固結体の縮小化や、高さ方向の強
度のばらつきなどの問題を生じる。
【0005】セメントミルクのブリーディング防止を目
的としてベントナイトを添加したものをセメント・ベン
トナイトミルク(以下CBミルクという)と呼ぶが、C
Bミルクの問題点は、低ブリーディングである反面、施
工上の問題点も多い。
【0006】ベントナイトの主成分はモンモリロナイト
で、その層状構造に起因して膨潤が生ずるが、このモン
モリロナイトはカルシウムイオンがあると交換反応によ
り膨潤しなくなるため、セメントとの同時混練ができ
ず、予めベントナイト泥水を作製し、十分に膨潤した後
にセメントを投入する二段混練が必要である。仮に、セ
メントとベントナイトを同時に混練した場合、CBミル
クのブリーディングは、セメントミルク単体と同程度発
生してしまう。また、海水等のカルシウムイオンを含む
水中では、ベントナイトが膨潤しないため、湾岸工事で
の適用には問題がある。
【0007】また、CBミルクは高粘性スラリーであ
る。高粘性スラリーは、注入ポンプ圧送能力や地盤内の
注入抵抗、混合抵抗など施工上問題になることが多い。
また、余剰の土や固化材を地表に回収する工法において
は、スライムの高粘性化は、管の閉塞トラブルの主原因
となる。ベントナイトをブリーディング防止の目的のみ
に使用する現場では、セメントミルクの低粘性が理想で
あるが、ブリーディング防止のため、ベントナイトを使
用し、施工上、好ましくない高粘性化には目をつぶるの
が実情である。正常な施工状態を確保するためには、セ
メントに対し、ベントナイト添加量は重量比で一般的に
15%程度が限界値といわれている。
【0008】また、施工目的から改良体(固化体)の発
現強度を低強度に要求されることがある。用途としては
シールド発進・到達立杭など再掘削が前提となる改良工
事,地盤の液状化対策などの対象地盤全体を固結する場
合、またシールドの裏込め注入工法のように注入地盤同
等強度の発現を求められるものなどがある。
【0009】低強度改良体の場合、改良体強度は単位セ
メント量に影響され、セメント量を少なくする必要があ
る。このことは、水/セメント比が大きくなることであ
り、固化体が低密度となり耐久性にも問題が生じる。ベ
ントナイトをミルク中の粉体と位置付けると、高密度ミ
ルクとしたい場合、セメント量を増すことなく、ベント
ナイト混合量を増加し、ミルク中の粉体濃度を上げるこ
とも考えられるが、前記高粘性化の問題で対応に限界が
ある。
【0010】上述のようなCBミルクの問題点をまとめ
ると以下のとおりとなる。 ベントナイトは先練りの二段混練で手間がかかり、
しかも二段混練のため施工能力(瞬発力)がない(セメ
ント・ベントナイトの同時混練が不可)。 ベントナイトはセメントのプレミックスができない
ため、ベントナイトとセメントの独立した2本のサイロ
が必要である。 海水を使用することができず、また海水影響下の土
質に適用できない。 高粘性ミルクである。 低強度・高密度(高粉体量)ミルクは高粘性でポン
プ圧送ができない。 ベントナイトは天然鉱物で品質にバラツキがあるた
め、品質の安定したCBミルクが製造できない。
【0011】本発明は以上のような問題点をすべて解決
するためになされたもので、ベントナイトを使用するこ
となく、低ブリーディング、高密度、低粘性で低強度か
ら高強度までの任意の強度を発現するセメントミルクを
得ることを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するために、ブリーディング低減材料及びその
製造方法、並びにセメントミルクとしてなされたもの
で、ブリーディング低減材料としての特徴は、Ca/S
iのモル比が1.0〜4.0であり、強熱減量が5〜3
5%であるケイ酸カルシウム水和物を含有することにあ
る。
【0013】また、ブリーディング低減材料としてのよ
り具体的な特徴は、ケイ酸カルシウム水和物の塊状物の
内部の空隙率が10〜30%であり、且つその水和物の
塊状の粒径が20μm以下としたことにある。
【0014】さらに、ブリーディング低減材料の製造方
法としての特徴は、カルシウム塩とケイ素化合物、又は
ケイ酸カルシウム塩に水を加えて反応させてCa/Si
のモル比が1.0〜4.0のケイ酸カルシウム水和物を
合成し、その後、強熱減量が5〜35%となるように乾
燥して製造することにある。
【0015】また、セメントミルクとしての特徴は、C
a/Siのモル比が1.0〜4.0であり、強熱減量が
5〜35%であるケイ酸カルシウム水和物と、セメント
と、水とを含有することにある。さらに、上記のセメン
トミルクに公知の各種混和材,増量材を必要に応じて添
加してもよい。
【0016】
【作用】本発明は、上記のような構成からなるため、次
のような作用を生ずる。
【0017】水溶液と接する固体表面は、溶液中からの
イオンの吸着、或いは表面の解離反応によって表面電荷
を帯びている。表面電荷と反対符号の溶液中の対イオン
は静電的に表面電荷に引きつけられ、固−液界面に電気
二重層を形成する。同じ電荷を持った固体では、この電
気二重層により反発力が働く。また、固体粒子間には、
固体密度の二乗に比例する分子間力が働き、引力が作用
している。水溶液中の固体間には電気二重層による反発
力と、分子間力による引力とが作用し、この二つの力の
バランスによって、分散,凝集を引き起こす。分散,凝
集をコントロールすることによって、ブリーディングを
抑え、かつ粘性を低くすることができる。
【0018】本発明によるブリーディング低減材料は、
凝集力によってフロックを形成させ、フロック内部に水
を閉じ込めることによりブリーディングの発生を抑制す
る一方、外部から力が加わった場合、或いは流動中には
分散力によってフロックが解消され、フロック内に拘束
されていた水が自由水となることによって流動性を得る
ことができる。
【0019】ケイ酸カルシウム水和物はCaO、SiO
2、H2Oより結晶を構成している。ケイ酸カルシウム水
和物を水と接触させると、カルシウムの一部が水中に溶
出し、すぐに表面電荷を帯びるようになる。この表面に
水中のイオンが引き寄せられ、電気二重層を形成する。
分子間力は、固体密度の二乗に比例するために、ケイ酸
カルシウム水和物中のカルシウム量が多いほど、つまり
Ca/Si比が高いほど引力が大きくなり、粒子がフロ
ックを形成し易くなってブリーディングを抑えることが
できる。しかし、Ca/Si比が高いほどフロックの結
合力が大きくなるため粘性も大きくなる。
【0020】従って、ケイ酸カルシウムのCa/Si比
によって、凝集,分散をコントロールすることができ、
ブリーディングを抑え、且つ流動性の良いブリーディン
グ低減材料を得ることができる。この最適なCa/Si
比が1.0〜4.0である。ケイ酸カルシウム水和物中
には水も結晶水として含んでおり、結晶水の量によって
も固体密度を調整しているため、強熱減量が35%より
も大きいと、結晶水が多く、固体密度が小さく、分子間
力が小さくなって分散し易くなり、ブリーディングが大
きくなる。強熱減量が5%よりも小さいということは、
結晶中のH2Oが抜けてしまっているために、結晶自体
が分解し、ブリーディングが大きくなることを意味す
る。
【0021】ケイ酸カルシウム水和物は繊維状,箔状で
ある場合が多く、その状態でもブリーディング低減効果
は十分あるが、流動性を考えると、形状の異方性によ
り、抵抗が生じ粘性が上がる。そこで、それらを絡め合
わせたり、積み重ねることによって塊状物とし、流動性
を改善することができる。
【0022】この場合、空隙率が10%より小さいと、
流動性は問題ないが、内部に吸水される水の量が少な
く、ブリーディング低減効果が小さくなる。一方、ケイ
酸カルシウム水和物の合成は化学反応により起こり、さ
らに繊維状,箔状のケイ酸カルシウム水和物を絡み合わ
せ、または重ね合わせているため、反応時間が長く、空
隙を作る操作の時間が長いほど空隙率が大きくなってい
くが、空隙率を30%より大きくするには長時間を必要
とするため実用的でない。
【0023】さらに、ケイ酸カルシウム水和物の繊維
状,箔状物を絡め合わせ、積み重ねた塊状物において、
それらの大きさが大きいほど流動性は良くなるが、あま
り大きくなりすぎると、フロック形成能力が低下し、ブ
リーディング量が増える。そのため、セメントミルク等
に使用する場合、塊状物または球状物の径がセメントの
平均粒径に近い20μm以下であれば、実用的になる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0025】実施例1 水酸化カルシウム、シリカゲルをCa/Siのモル比が
1.0、1.5、2.0、3.0、4.0となるように
それぞれ計り取り、ビーカーに入れて、水を加え、攪拌
しながら反応させて合成し、その後乾燥した。結果とし
てCa/Siのモル比の異なる5種のケイ酸カルシウム
水和物を得た。
【0026】一方、Ca/Siのモル比がそれぞれ0.
4、0.8、4.5、6.0となるように水酸化カルシ
ウム、シリカゲルを計り取り、同様の操作でモル比の異
なる比較例としての4種のケイ酸カルシウム水和物を得
た。
【0027】得られたケイ酸カルシウム水和物を分析し
たところ、それぞれはじめに加えたCaとSiのモル比
となっていることが確認された。また強熱減量を測定し
たところ、20%であることが確認された。
【0028】得られた各モル比のケイ酸カルシウム水和
物をそれぞれ100g計り取り、全量が1000mlと
なるように水を加えて、スラリー液の粘性を粘度計によ
り測定し、また24時間後のブリーディング率を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】上記表1からも明らかなように、Ca/S
iのモル比が0.4、0.8のものに比べると、そのモ
ル比が1.0、1.5、2.0、3.0、4.0のもの
は、ブリーディング率が著しく低く、Ca/Siのモル
比が1.0以上のとき、低ブリーディング性能が良好と
なることが判明した。また、Ca/Siのモル比が4.
0を越えると急激に粘度が大きくなり、Ca/Si比が
4.0以下のとき粘性が良好である。
【0031】実施例2 Ca/Siのモル比が1.5となるように、上記実施例
1と同様の合成法でケイ酸カルシウム水和物を合成し、
強熱減量が5%、10%、20%、35%、となるよう
に乾燥した4種類のものをそれぞれ得た。
【0032】一方、同じモル比で、強熱減量がそれぞれ
0%、2%、50%となるような3種類のものを比較例
として準備した。
【0033】得られたケイ酸カルシウム水和物をそれぞ
れ100g計り取り、全量が1000mlとなるように
水を加え、24時間後のブリーディング率を測定した。
結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】上記表2に示すように、強熱減量が0%、
2%、50%のものに比べると、5%、10%、20
%、35%のものは、明らかにブリーディング率が小さ
く、従って5〜35%の範囲において、低ブリーディン
グ性能が良好であることが判明した。
【0036】実施例3 Ca/Siのモル比を1.5、強熱減量20%となるよ
うにケイ酸カルシウム水和物を上記実施例1の合成法と
同様に合成した。これらケイ酸カルシウム水和物を電子
顕微鏡を用いて観察したところ、繊維状、箔状であるこ
とが確認された。
【0037】さらに、これら繊維状、箔状のケイ酸カル
シウム水和物を攪拌機に入れ、攪拌し、電子顕微鏡で観
察したところ、繊維状のケイ酸カルシウム水和物が絡み
合った塊状物が確認された。
【0038】そして、繊維状、箔状であるケイ酸カルシ
ウム水和物、及びこれらを絡み合わせ、積み重ね合わせ
た塊状物であるケイ酸カルシウム水和物をそれぞれ30
0g計り取り、1000mlとなるように水に加え、ス
ラリー液の粘性を粘度計により測定した。その結果を次
表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】上記表3からも明らかなように、ケイ酸カ
ルシウム水和物が繊維状、箔状の場合には、それらの絡
み合い等により粘度が大きいが、それらを絡み合わせ、
絡み重なり合わせた塊状物の場合には明らかに粘度が小
さくなっていた。
【0041】実施例4 水酸化カルシウム、シリカゲルをCa/Siのモル比が
1.5となるようにそれぞれ計り取り、ビーカーに入れ
て、水を加え、乾燥後の空隙率が5%、10%、15
%、30%、40%となるような時間まで、攪拌しなが
ら合成し、その後乾燥した。次表4にそのときの反応時
間を示す。
【0042】また、得られたケイ酸カルシウム水和物を
それぞれ100g計り取り、全量が1000mlとなる
ように水を加えて、24時間後のブリーディング率を測
定した。結果を次表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】上記表4に示すように、空隙率が10%よ
りも小さい場合は明らかにブリーディング性能が悪い。
一方、空隙率が30%を越えると急激に反応時間がのび
るため実用的でない。
【0045】実施例5 上記実施例1と同様の合成法でCa/Siの比が1.
5、強熱減量20%のケイ酸カルシウム水和物を合成
し、攪拌機に入れて攪拌し、粒径がそれぞれ10、2
0、30μmとなる3種のものを得た。
【0046】これらをそれぞれ100g計り取り、全量
が1000mlとなるように水を加え、1,6,12時
間後のブリーディング率を測定した。結果を次表5に示
す。
【0047】
【表5】 上記表5からも明らかなように、粒径が大きいものほど
吸水に時間がかかり、吸水速度が遅いことがわかる。
【0048】粒径が20μm以下であれば、吸水時間に
特に問題のないことが判明した。
【0049】実施例6 上記実施例1と同様の合成法で、Ca/Siの比が1.
5、強熱減量20%のケイ酸カルシウム水和物を合成し
た。得られたケイ酸カルシウム水和物を100gを計り
取り、全量が1000mlとなるように水を加え、24
時間後のブリーディング率を測定した。
【0050】一方、比較例としてベントナイトを同量計
り取り、全量が1000mlとなるように水を加え、2
4時間後のブリーディング率を測定した。その結果を次
表6に示す。
【0051】
【表6】
【0052】ケイ酸カルシウム水和物はベントナイトと
ブリーディング率は変わらず、同等のブリーディング防
止性能を有することが確認された。
【0053】実施例7 上記実施例6と同じケイ酸カルシウム水和物100g、
普通ポルトランドセメント250gを計り取り、全量が
1000mlとなるように水を加えて、ミキサーで1分
間攪拌した。また、比較例としてベントナイト100
g、普通ポルトランドセメント250gを計り取り、全
量が1000mlとなるように水を加えて、ミキサーで
1分間攪拌した。それぞれのスラリーの24時間後のブ
リーディング率を測定した。
【0054】その結果を次表7に示す。
【0055】
【表7】
【0056】上記表7からも明らかなように、セメント
は水と混ぜると水中にCa,Na等のイオンを溶出する
ため、ベントナイトを用いた場合、膨潤性が著しく低下
しているが、ケイ酸カルシウム水和物を用いた場合、全
く影響を受けず、何ら問題はなかった。
【0057】実施例8 上記実施例6と同じケイ酸カルシウム水和物を合成し、
得られたケイ酸カルシウム水和物を100g計り取り、
全量が1000mlとなるように海水を加え、24時間
後のブリーディング率を測定した。
【0058】一方、比較例として、ベントナイトを10
0g計り取り、全量が1000mlとなるように海水を
加え、24時間後のブリーディング率を測定した。その
結果を表8に示す。
【0059】
【表8】
【0060】上記表8からも明らかなように、海水中に
はCa,Na等の多数のイオンが含まれており、ベント
ナイトを用いた場合、膨潤性が著しく低下しているが、
ケイ酸カルシウム水和物を用いた場合、全く影響を受け
ず、何ら問題はなかった。
【0061】実施例9 本実施例は、シールド掘削時にテールポイドに注入する
材料である裏込め注入材料として使用する場合について
の実施例である。
【0062】上記実施例1と同様にして合成したCa/
Siのモル比1.5、強熱減量20%のケイ酸カルシウ
ム水和物を90g、普通ポルトランドセメント250g
に水を加えて1000mlとし、混合機により一分間攪
拌し、これをA液とする。また3号水ガラス60ml、
水20mlを混ぜ合わせたものをB液とする。
【0063】A液の24時間後のブリーディング率及
び、A液1000mlとB液80mlを混合してゲル化
するまでの時間、ゲル化したものの1時間、7日、28
日の圧縮強度を測定した。結果を表9に示す
【0064】
【表9】
【0065】比較例として、ベントナイト90g、水8
74gを混合機により一分間攪拌し、その後普通ポルト
ランドセメント250gを加えてさらに一分間攪拌し、
これをA液とする。また3号水ガラス60ml、水20
mlを混ぜ合わせたものをB液とする。
【0066】上記実施例と同様にブリーディング率、ゲ
ル化時間、圧縮強度を測定した。結果を上記表9に示
す。
【0067】ケイ酸カルシウム水和物を用いて作製した
裏込め注入材料A液のブリーディング率及びB液と混合
したときのゲル化時間、圧縮強度のいずれも、ベントナ
イトを用いた測定結果と比較して、全く遜色がなく、実
用上何ら問題のないことが判明した。
【0068】実施例10 本実施例は、土木,建築の基礎工事として行われる噴射
置換工法に使用する材料であるセメントミルクに関する
実施例である。
【0069】上記実施例1と同様に合成したCa/Si
のモル比1.5、強熱減量20%のケイ酸カルシウム水
和物60kg、普通ポルトランドセメント700kg、水7
50kgを混合し、3時間後のブリーディング率を測定し
た。結果を表10に示す。
【0070】比較例として、普通ポルトランドセメント
760kg、水750kgを混合してセメントミルクを作製
し、3時間後のブリーディング率を測定した。結果を表
10に示す。
【0071】
【表10】
【0072】上記表10からも明らかなように、ケイ酸
カルシウム水和物を用いた実施例では従来一般的に行わ
れている比較例のセメントミルクに比べて、ブリーディ
ング率が小さいことが確認された。
【0073】実施例11 本実施例は、土木,建築の基礎工事として行われている
SMW(ソイルミキシングウォール)の材料として用い
た場合についての実施例である。
【0074】上記実施例1と同様に合成したCa/Si
のモル比1.5、強熱減量20%のケイ酸カルシウム水
和物10kg、普通ポルトランド250kg、水600kgを
混合し、1時間後のブリーディング率を測定した。結果
を表11に示す。
【0075】比較例として、ベントナイト10kg、普通
ポルトランドセメント250kg、水600kgを混合し、
セメントミルクを作製し、1時間後のブリーディング率
を測定した。結果を表11に示す。
【0076】
【表11】
【0077】表11に示すように、従来から使われてい
る比較例のセメントミルクと比べて、ケイ酸カルシウム
水和物を用いた実施例の方がブリーディング率が小さ
く、優れていることが判明した。
【0078】実施例12 本実施例では、原料物質として上記各実施例の水酸化カ
ルシウムとシリカゲルに代えてケイ酸カルシウムを用い
た。
【0079】すなわち、Ca/Siのモル比が3.0で
あるケイ酸カルシウムに水を加えて反応させ、Ca/S
iのモル比が1.5であるケイ酸カルシウム水和物を得
た。その後乾燥して、強熱原料が20%となるようにし
た。
【0080】一方、比較例として、水酸化カルシウム、
シリカゲルをCa/Siのモル比が1.5となるように
それぞれ計り取り、ビーカーに入れて、水を加え、攪拌
しながら反応させて合成し、その後乾燥した。
【0081】得られた2種類のケイ酸カルシウム水和物
を100g計り取り、水を加えて1000mlとなるよ
うに水を加えて、24時間後のブリーディング率を測定
した。結果を次表12に示す。
【0082】
【表12】
【0083】上記表12からも明らかなように、原料物
質としてケイ酸カルシウムを用いても、水酸化カルシウ
ム、シリカゲルを用いた場合と比較してブリーディング
率に違いはなかった。
【0084】実施例13 普通ポルトランドセメントと、上記ケイ酸カルシウム水
和物を、重量比で1:1、2:1、4:1、6:1、
8:1、10:1、20:1、30:1と混合比率をかえ、W
/(セメント+水和物)を100 、200 、300 %となるよ
うに水を加えて全量で1000mlとなるようにし、ミキサー
で1分間攪拌してセメントミルクを作製し、Pロート
(プレパクトフロー)を測定した。また比較例として、
上記配合のケイ酸カルシウム水和物をベントナイトと置
き換え、ベントナイトと水は先練り(1分間)し、セメ
ントを加えてミルクを作製し、Pロート(プレパクトフ
ロー)を測定した。その結果を表13に示す。
【表13】
【0085】上記表13からも明らかなように、ケイ酸
カルシウム水和物を用いたセメントミルクは、CBミル
クに比べ低粘性である。
【0086】実施例14 実施例1と同じケイ酸カルシウム水和物と普通ポルトラ
ンドセメントの混合比を変え、全量で1m3となる水量を
加え1分間攪拌し、セメントミルクを製造し、4週間強
度が20kgf/cm2、50、100、150、200、250になる配合を
見つけ、ブリーディング率とPロートの流下時間(プレ
パクトフロー)を測定した。
【0087】比較例として、上記同配合でベントナイト
を使用した場合も測定した。ベントナイトはケイ酸カル
シウム水和物と同量、混練はベントナイトのみ1分間水
と先に混練した後、普通ポルトランドセメントを投入
し、1分間再度攪拌した。その結果を表14に示す。
【表14】
【0088】上記表14から明らかなように、ベントナイ
トはブリーディング率は0%だが、フロー値が測定でき
ないほど高粘性となる。一方、ケイ酸カルシウム水和物
では、フロー値が9秒〜18秒と低い粘性を達成できて
いる。このことは、低粘性でも、ケイ酸カルシウム水和
物はミルク濃度(ミルク中粉体量)を上げ、高密度ミル
クが製造でき、しかも20kgf/cm2という低強度から250 k
gf/cm2という高強度まで、改良体の強度設定が自由にで
きることを示している。
【0089】
【発明の効果】叙上のように、本発明によって、ベント
ナイトと同等性能を有する吸水,膨潤性能の非常に優れ
たブリーディング低減材料が得られた。これは、特にセ
メントミルク用の注入材として有用なものである。
【0090】また、本発明のブリーディング低減材料に
含有されるケイ酸カルシウム水和物は、従来のベントナ
イトのようにCa,Na等のイオンに影響されることが
なく、低ブリーディング化が達成できる。
【0091】しかも、ケイ酸カルシウム水和物の原料は
カルシウム,ケイ素を含むものなら何でも使用でき、従
って石灰石、ケイ石等の国内に多量に存在する原料を使
用できるため、将来にわたって枯渇の心配もない。
【0092】また、ケイ酸カルシウム水和物は原料より
合成した工業製品であるため、ベントナイトや天然の代
替材料に比べると品質も安定している。
【0093】さらに、ケイ酸カルシウム水和物の結晶が
繊維状,箔状のものを塊状物とすることにより、絡みつ
きのない、ポンプ圧送性の優れたものが得られるという
利点がある。
【0094】さらに、本発明のブリーディング低減材料
はベントナイトと異なり、セメントとプレミックスが可
能であるため、施工の省力化が図れるという利点があ
る。
【0095】また、上記のようなブリーディング低減材
料をセメントミルクとして使用する場合、ベントナイト
と異なり、低粘性のものが得られるという効果がある。
【0096】しかも、ブリーディング低減材料の混合量
を増加しても、ある一定量までは低粘性を保持できるた
め、低強度,高濃度のセメントミルクが製造でき、高耐
久化が図れるという効果がある。
【0097】さらに、ブリーディングを低減でき、且つ
低粘性のセメントミルクの提供を可能としたため、たと
えば高圧噴射攪拌混合工法の場合、次のような効果が得
られる。
【0098】 高圧ポンプでの圧送抵抗の低減を図れ
る。 ノズルから噴射された固化材スラリーの拡散を防止
できる。 改良地盤と均一な攪拌,混合を行える。 改良体の縮小化を防止できる。 余剰スラリーとスライムの地上回収時の抵抗の低減
を図れる。
【0099】さらに、機械攪拌混合工法の場合には、次
のような効果が得られる。 ポンプでの圧送抵抗の低減を図れる。 改良地盤と均一的な攪拌,混合を行える。 改良体の縮小化防止を図れる。 攪拌翼の回転トルクの低減を図れる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ca/Siのモル比が1.0〜4.0で
    あり、強熱減量が5〜35%であるケイ酸カルシウム水
    和物を含有することを特徴とするブリーディング低減材
    料。
  2. 【請求項2】 ケイ酸カルシウム水和物の塊状物の内部
    の空隙率が10〜30%であり、且つその粒径が20μ
    m以下である請求項1記載のブリーディング低減材料。
  3. 【請求項3】 カルシウム塩とケイ素化合物、又はケイ
    酸カルシウム塩に水を加えて反応させてCa/Siのモ
    ル比が1.0〜4.0のケイ酸カルシウム水和物を合成
    し、その後、強熱減量が5〜35%となるように乾燥し
    て製造することを特徴とするブリーディング低減材料の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 Ca/Siのモル比が1.0〜4.0で
    あり、強熱減量が5〜35%であるケイ酸カルシウム水
    和物と、セメントと、水とを含有することを特徴とする
    セメントミルク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017014350A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 宇部興産株式会社 地盤改良材および地盤改良方法

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