JP2022135751A - セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents

セメント混和材及びセメント組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2022135751A
JP2022135751A JP2021035761A JP2021035761A JP2022135751A JP 2022135751 A JP2022135751 A JP 2022135751A JP 2021035761 A JP2021035761 A JP 2021035761A JP 2021035761 A JP2021035761 A JP 2021035761A JP 2022135751 A JP2022135751 A JP 2022135751A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
hydration
cement admixture
admixture
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021035761A
Other languages
English (en)
Inventor
拓海 前田
Takumi Maeda
悠登 田中館
Yuto Tanakadate
慎也 伊藤
Shinya Ito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denka Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denka Co Ltd filed Critical Denka Co Ltd
Priority to JP2021035761A priority Critical patent/JP2022135751A/ja
Publication of JP2022135751A publication Critical patent/JP2022135751A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

【課題】水和発熱時期を適切に制御することが可能なセメント混和材及びこれを用いたセメント組成物を提供すること。【解決手段】CaO/Al2O3モル比が0.3~0.7であり、かつMgOを含むカルシウムアルミネートを含有するセメント混和材である。【選択図】なし

Description

本発明は、主に、土木・建築業界において使用されるセメント混和材及びセメント組成物に関する。
近年、土木や建築分野において、コンクリート構造物の耐久性向上に対する要望が高まっている。
コンクリート構造物の劣化要因の1つとして、塩化物イオンの存在によって鉄筋が腐食する塩害が挙げられ、その抑制手段として、コンクリート構造物に塩化物イオン浸透抵抗性を付与する方法がある。
コンクリート硬化体内部への塩化物イオンの浸透を抑制し、塩化物イオン浸透抵抗性を付与する方法として、水/セメント比を小さくする方法が知られている(非特許文献1参照)。しかしながら、水/セメント比を小さくする方法は、施工性が損なわれるだけでなく、抜本的な対策とはならない場合があった。
また、セメント・コンクリートに早強性を付与し、かつ、鉄筋の腐食を防止するなどの目的で、CaO・2Alとセッコウを主体とし、ブレーン比表面積値が8000cm/gの微粉を含有するセメント混和材を使用する方法が提案されている(特許文献1参照)。
さらに、CaO/Alモル比が0.3~0.7、ブレーン比表面積値が2000~7000cm/gのカルシウムアルミネートを含有するセメント混和材を使用し、優れた塩化物イオン浸透抵抗性を持ち、マスコンの温度ひび割れを抑制する方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、CaO/A1モル比が0.15~0.7で、Fe含有量が0.5~15質量%のカルシウムフェロアルミネート化合物を含有するセメント混和材が提案されている(特許文献3参照)。
さらに、鉄筋の防錆を目的として、亜硝酸塩などを添加する方法も提案されている(特許文献4、特許文献5参照)。
ところで、従来技術を用いて、セメント・コンクリート硬化体内部の鉄筋に優れた防錆効果を付与し、外部からの塩化物イオンの浸透に対して遮蔽効果を付与するためには、セメント組成物の水和反応を進行させることが重要であり、そのために充分な養生期間を確保することが必要とされている。
これに対し、迅速に塩害抵抗性を付与する上では、セメント混和材の水和による発熱の第一ピークが、セメントの水和による発熱の第一ピークよりも早いことが好ましい。
一方、塩害抵抗性を有するセメント混和材をセメントと混合して使用する場合、フレッシュ性状や凝結時間を確保する上で、セメント混和材の水和による発熱の第一ピークをセメントの水和による発熱の第一ピークに近づけるように制御することが好ましい。CaO/Alモル比が大きいカルシウムアルミネートを用いる場合には、水和による発熱の第一ピークは早期に立ち上がるため、該第一ピークを適切に遅らせることが必要となる。
「コンクリートの耐久性シリーズ、塩害(I)」、技報堂出版、岸谷孝一、西澤紀昭他編、pp.34-37、1986年5月
特開昭47-035020号公報 特開2005-104828号公報 特許第5688073号公報 特開昭53-003423号公報 特開平01-103970号公報
フレッシュ性状や凝結時間を確保しつつ、短い養生期間でセメント・コンクリート硬化体内部の鉄筋に優れた防錆効果を付与し、外部からの塩化物イオンの浸透に対して遮蔽効果に優れたセメント・コンクリートを得るためには、セメント混和材の水和発熱時期を適切に制御することが必要である。
しかしながら、従来のセメント混和材を用いて、セメント混和材の水和反応による発熱の第一ピークを、セメントの水和反応による発熱の第一ピークに近づけるように遅らせつつ、セメント混和材の水和反応が極端に遅れすぎないように制御し、短い養生期間にて、セメント・コンクリート硬化体内部の鉄筋に優れた防錆効果を付与し、外部からの塩化物イオンの浸透に対して遮蔽効果に優れたセメント・コンクリートを得ることは困難であった。
また、従来のセメント混和材を用いて、少ない添加量で、塩害抵抗性に優れたセメント・コンクリートを得ることはさらに困難であった。
そこで、本発明は、水和発熱時期を適切に制御することが可能なセメント混和材及びこれを用いたセメント組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題の解決のために、鋭意研究を進めたところ、カルシウムアルミネート中にMgOを添加することで水和発熱時期を適切に制御でき、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]CaO/Alモル比が0.3~0.7であり、かつMgOを含むカルシウムアルミネートを含有するセメント混和材。
[2]前記MgOの含有量が、セメント混和材100質量部に対して、0.1~5.0質量部である上記[1]に記載のセメント混和材。
[3]水和反応開始から水和反応終了までの水和発熱速度スペクトルにおいて、水和発熱量の第一ピークが、水和反応開始から500分以上、900分以内の間に現れる、上記[1]又は[2]に記載のセメント混和材。
[4]前記カルシウムアルミネートのブレーン比表面積値が、2000~6000cm/gである上記[1]~[3]のいずれかに記載のセメント混和材。
[5]上記[1]~[4]のいずれかに記載のセメント混和材と、セメントを含有してなるセメント組成物。
本発明のセメント混和材を使用することにより、フレッシュ性状への影響を最小限に抑えつつ、短い養生期間にて、少ない添加量で、セメント・コンクリート硬化体内部の鉄筋に優れた防錆効果を付与し、外部からの塩化物イオンの浸透に対して遮蔽効果に優れたセメント組成物、さらにはセメント・コンクリートを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で使用する部や%は特に規定のない限り質量基準である。
[セメント混和材]
本発明のセメント混和材はカルシウムアルミネートを含有する。
<カルシウムアルミネート>
カルシウムアルミネートは、カルシアを含む原料とアルミナを含む原料等を混合して、キルンでの焼成や電気炉での溶融等の熱処理をして得られる、CaOとAlを主成分とする化合物を総称するものである。
本発明に係るカルシウムアルミネートは、CaO/Alモル比が0.3~0.7の範囲にあることが特徴である。CaO/Alモル比が0.3未満では、水和反応の進行が遅く、短い養生期間で優れた塩害抵抗性が確保されない。一方、CaO/Alモル比が0.7を超えると、水和反応による発熱が早くセメント混和材の水和発熱時間を適切に制御できない。
以上の観点から、CaO/Alモル比は0.4~0.6の範囲であることが好ましい。
また、本発明に係るカルシウムアルミネートは、MgOを含むことが特徴である。MgOはCaOに一部固溶すると考えられ、冷却によって、CaO固溶体の粒界にMgO固溶体が析出し、CaOを包み込む形でCaOを水和から保護すると推定される。このことにより、本発明のセメント混和材の水和発熱時期が制御されると推定している。
MgOの含有量としては、セメント混和材100質量部に対して、0.1~5.0質量部の範囲であることが好ましい。MgOの含有量が0.1質量部以上であると、上述のMgOを添加した効果が十分に発揮され、5.0質量部以下であると相対的にカルシウムアルミネートの含有量が十分となり、塩害抵抗性が十分となる。
本実施形態に係るセメント混和材は、水和反応開始から水和反応終了までにおける水和発熱速度スペクトルにおいて、水和発熱速度のピークが、水和反応開始から500分以上、900分以内に現れることが好ましい。水和発熱速度のピークが500分以上に現れると、セメントの水和発熱速度のピークと近くなり、フレッシュ性状や凝結時間を確保することができる。一方、水和発熱速度のピークが900分以内に現れると、迅速に塩害抵抗性を付与することができる。以上の点から、水和発熱速度のピークは550分以上、800分以内であることがより好ましく、600分以上、750分以内であることがさらに好ましい。
ここで、水和反応開始から水和反応終了までにおける水和発熱速度スペクトルとは、20℃の恒温容器中で、セメント混和材に水を加え、発熱速度、すなわち単位時間当たりの水和発熱量(J/hour・g)の経時変化を記録したスペクトルを示し、微小熱量計、具体的には、マルチマイクロカロリーメーターMMC-511C6型で測定することができる。なお、セメント混和材に加える水の量は、例えば、セメント混和材の質量の半分の質量に相当するものとすることができる。
また、水和発熱速度のピークとは、上記の水和発熱速度スペクトルにおいて、水和発熱速度が、最大値を示した位置を示す。
本実施形態に係るセメント混和材は、上述のように、MgOによってカルシウムアルミネートの水和を抑制し、水和発熱速度のピークを上記範囲内に調整することによって、水和反応開始直後から初期にかけての急激な水和反応が適度に遅延され、かつ、セメントの硬化前に反応のピークを抑えることになるため、セメント混和材が優れた塩害抵抗性を付与するまでに長期の養生期間を必要とせず、特に少ない添加量においても、セメント・コンクリート硬化体内部の鉄筋に優れた防錆効果を付与し、外部からの塩化物イオンの浸透に対して遮蔽効果に優れたセメント・コンクリートを得ることができるセメント混和材になるものと推測される。
なお、水和発熱速度のピーク位置は、セメント混和材を調製する際の原料の種類、配合量、並びに、セメント混和材の焼成条件、粉砕条件等の製造条件を調整することによって、制御することが可能である。
なお、本発明において、セメント・コンクリートとは、セメントペースト、セメントモルタル、及びコンクリートの総称である。
本発明に係るカルシウムアルミネートは、ブレーン比表面積値が2000~6000m/gの範囲であることが好ましい。カルシウムアルミネートのブレーン比表面積値が2000cm/g以上であると、塩害抵抗性を十分に発揮することができる。一方、カルシウムアルミネートのブレーン比表面積値が6000cm/g以下であると、水和反応による発熱の制御が容易である。なお、ブレーン比表面積値が6000cm/gを超えても、塩害抵抗性の更なる向上は期待できない。以上の観点から、カルシウムアルミネートのブレーン比表面積値は2500~5000cm/gが好ましく、3000~4000cm/gがより好ましい。
本発明のセメント混和材に係るカルシウムアルミネートには、CaOとAlおよびMgOのほか、不純物が含まれることがある。不純物としては、SiO、Fe、TiO、KO、NaO、BO等が挙げられる。これらの不純物の存在は、カルシウムアルミネートを焼成する際の生成反応を助長する効果を発揮するものもあり、好ましい面もあるので、総計で10質量%以下の範囲で存在しても差し支えない。
また、本発明では、本発明のカルシウムアルミネートに加え、石灰石微粉末、高炉徐冷スラグ微粉末、メタカオリン、下水汚泥焼却灰やその溶融スラグ、都市ゴミ焼却灰やその溶融スラグ、パルプスラッジ焼却灰等の混和材料、増粘剤、収縮低減剤、ポリマー、凝結調整剤、ベントナイト等の粘土鉱物等のうちの1種または2種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
[セメント組成物]
本発明のセメント組成物は、上記セメント混和材とセメントを含有してなる。
本発明のセメント混和材は、いかなるコンクリートにも使用できる。コンクリートに使用するセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、中庸熱,及び耐硫酸塩等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカ、又は石灰石微粉等を混合した各種混合セメント、並びに、廃棄物利用型セメント、いわゆるエコセメント等が挙げられる。中でも、普通ポルトランドセメント又は早強ポルトランドセメントとの相性が良い。
セメント混和材の使用量としては、本発明の効果を奏する範囲であれば、特に限定されないが、通常、セメントとセメント混和材の合計量100質量部中、1~50質量部の範囲であることが好ましく、5~30質量部の範囲であることがより好ましい。上記下限値以上であると、十分な防錆効果及び塩化物イオンの遮蔽効果が得られる。一方、上記上限値以下であると、十分な可使時間が確保できる。
セメント組成物には、通常、水が混合されるが、水の含有量としては、水/結合材比(質量比)で、25/75~70/30(25~70質量%)の範囲であることが好ましく、30/70~65/35(30~65質量%)の範囲であることがより好ましい。水の配合量が上記下限値以上であると、ポンプ圧送性や施工性が良好となり、また収縮等の問題もない。一方、上記上限値以下であると、十分な強度が得られる。なお、ここで結合材とは、セメント及びカルシウムアルミネートを意味する。
本発明のセメント混和材やセメント組成物は、それぞれの材料を施工時に混合してもよいし、あらかじめ一部あるいは全部を混合しておいてもよい。
混合装置としては、既存のいかなる装置も使用可能であり、例えば、モルタルミキサー、傾胴ミキサー、オムニミキサー、V型ミキサー、ヘンシェルミキサー、強制二軸ミキサー、及びナウターミキサー等が利用可能である。混練の条件としても特に限定されるものではなく、例えば、5~50℃の温度で、1~10分程度、低速撹拌若しくは高速撹拌するとよい。
本発明のセメント組成物の養生の方法としては、特に制限はなく、蒸気養生してもよいし、オートクレーブ養生でもよく、打設した状態で現場養生してもよい。
本発明のセメント組成物は、セメント、セメント混和材、及び砂等の細骨材や砂利等の粗骨材の他に、膨張材、急硬材、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤、増粘剤、従来の防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、高分子エマルジョン、凝結調整剤、ベントナイト等の粘土鉱物、ハイドロタルサイト等のアニオン交換体、高炉徐冷スラグ微粉末等のスラグ、石灰石微粉末等の混和材料からなる群のうちの1種又は2種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
<水和発熱量のピーク位置>
各実施例及び比較例で得られたセメント混和材5.0gに、2.5gの水を加え、セメント混和材と水とが接触した時点を水和反応開始時とし、水和反応開始から水和反応終了までにおける水和発熱速度スペクトルをマルチマイクロカロリーメーターMMC-511C6型で測定した。測定は、20℃の恒温下で行った。得られた水和反応開始から水和反応終了までにおける水和発熱速度スペクトルから、水和発熱速度のピーク位置(水和発熱速度(単位時間当たりの発熱量)の最大値を記録した位置が、水和反応開始から何分経過後に現れたか)を求めた。結果を表1に示す。
<フロー保持率>
JIS R 5201に準じて練り上がり直後と1時間後のフローを測定した。以下の式に準じてフロー保持率を算出した。
フロー保持率(%)=1時間後のフロー(mm)/練り上がり直後のフロー(mm)×100
<圧縮強度>
4cm×4cm×16cmの角柱状のモルタル供試体を作製し、JIS R 5201に準じて材齢28日後の圧縮強度を測定した。
<塩化物イオン浸透深さ>
φ10cm×20cmの円柱状のモルタル供試体を作製し、前養生期間を0日とした場合と、材齢28日まで20℃、水中浸漬による養生を施した場合について、モルタル供試体を塩化物イオン濃度3.5質量%の食塩水である擬似海水に13週間浸漬した後、塩化物イオン浸透深さを測定することで塩化物イオン浸透抵抗性を評価した。塩化物イオン浸透深さは、フルオロセイン-硝酸銀法により、モルタル供試体の断面が茶色に変色しなかった部分をノギスを用いて8点測定し、その平均値を塩化物イオン浸透深さとした。
<防錆効果>
モルタルに10kg/mとなるように塩化物イオンを加え、丸鋼の鉄筋を入れて50℃に加温養生する促進試験で防錆効果を確認した。材齢1年で、鉄筋に錆が発生しなかった場合は良、1/10の面積以内で錆が発生した場合は可、1/10の面積を超えて錆が発生した場合は不可とした。
(使用材料)
セメント:市販の普通ポルトランドセメント
水:水道水
細骨材:JIS R 5201で使用するセメント強さ試験用標準砂
実施例1~10及び比較例1~4
試薬1級の炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムを所定の割合で配合し、電気炉で1500℃で溶融した後、徐冷してカルシウムアルミネートを合成し、ブレーン比表面積値で3000cm/gに粉砕してセメント混和材とした。各実施例及び比較例のCaO/Al(モル比)及びMgOの含有量は表1に記載の通りである。
上記した方法により、セメント混和材の水和発熱量のピーク位置をマルチマイクロカロリーメーターにて測定した。結果を表1に示す。
次に、セメントとセメント混和材からなるセメント組成物100質量部中、セメント混和材であるカルシウムアルミネートを10質量部配合してセメント組成物とし、該セメント組成物10質量部に対して細骨材300質量部、水結合材比を50%としたモルタルを作製した。
作製したモルタルを用いて、上記した方法により、フロー保持率、圧縮強度、塩化物イオン浸透深さ、及び防錆効果を評価した。結果を表1に示す。
比較例5
市販のポルトランドセメントをそのまま使用し、上記した方法により、水和発熱量のピーク位置をマルチマイクロカロリーメーターにて測定した。結果を表1に示す。
次に、セメント10質量部に対して細骨材300質量部、水結合材比を50%としたモルタルを作製した。作製したモルタルを用いて、上記した方法により、フロー保持率、圧縮強度、塩化物イオン浸透深さ、及び防錆効果を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2022135751000001
表1より、本発明のセメント混和材は、適量の酸化マグネシウムを加えることで、水和による発熱の第一ピークの開始時期を遅らせていることが分かる。
また、本発明のセメント混和材は、フローの低下を抑制しつつ、優れた防錆効果と、塩化物イオンの遮蔽効果を有し、特に前養生期間が短い条件で優位な効果を奏することが分かる。
一方、比較例1では、CaO/Alのモル比が0.3未満であることから、水和発熱速度のピーク位置が900分を超えており、水和反応の進行が遅く、短い養生期間で優れた塩害抵抗性が確保されない。したがって、塩化物イオンの浸透深さが深く、防錆効果も有さない。
また、MgOを含有しない比較例2及び3では、水和発熱速度のピーク位置が500分未満であり、防錆効果は見られるものの、フローの低下が大きく、塩化物イオンの浸透深さも実施例と比較すると大きくなっている。さらに比較例4では、CaO/Alのモル比が0.7を超えていることから、水和発熱速度のピーク位置が500分未満であり、フローの低下が大きく、塩化物イオンの浸透深さも実施例と比較すると大きくなっている。
本発明のセメント混和材は、充分な養生期間の確保が困難な条件においても、コンクリートの塩害抵抗性や防錆効果を著しく高めるため、土木および建築用途に広範に利用でき、コンクリート構造物の長寿命化に貢献する。

Claims (5)

  1. CaO/Alモル比が0.3~0.7であり、かつMgOを含むカルシウムアルミネートを含有するセメント混和材。
  2. 前記MgOの含有量が、セメント混和材100質量部に対して、0.1~5.0質量部である請求項1に記載のセメント混和材。
  3. 水和反応開始から水和反応終了までの水和発熱速度スペクトルにおいて、水和発熱量の第一ピークが、水和反応開始から500分以上、900分以内の間に現れる、請求項1又は2に記載のセメント混和材。
  4. 前記カルシウムアルミネートのブレーン比表面積値が、2000~6000cm/gである請求項1~3のいずれか1項に記載のセメント混和材。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のセメント混和材と、セメントを含有してなるセメント組成物。

JP2021035761A 2021-03-05 2021-03-05 セメント混和材及びセメント組成物 Pending JP2022135751A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021035761A JP2022135751A (ja) 2021-03-05 2021-03-05 セメント混和材及びセメント組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021035761A JP2022135751A (ja) 2021-03-05 2021-03-05 セメント混和材及びセメント組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022135751A true JP2022135751A (ja) 2022-09-15

Family

ID=83231349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021035761A Pending JP2022135751A (ja) 2021-03-05 2021-03-05 セメント混和材及びセメント組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022135751A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101799611B1 (ko) 칼슘페로알루미네이트 화합물, 시멘트 혼화재 및 그 제조방법, 시멘트 조성물
JP4267446B2 (ja) セメント混和材、セメント組成物、及びそれを用いた中性化抑制方法
KR20140043493A (ko) 중성화 억제형 조강 시멘트 조성물
JP4382614B2 (ja) セメント混和材およびそれを用いたセメント組成物
JP2007153714A (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP5345821B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP6312778B1 (ja) セメント混和材およびそれを用いたセメント組成物
JP2010100471A (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP2022135751A (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP5345820B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP4115767B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP5651055B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP4509015B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP5634683B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物の調整方法
JP7062668B2 (ja) セメント混和材、セメント組成物及びその製造方法
JP5313623B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP5801106B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP5843105B2 (ja) セメント混和材、セメント組成物及びその製造方法
JP6148376B1 (ja) クリンカー骨材、それを用いたセメントコンクリート
JP2012218977A (ja) 水硬性セメント組成物
JP2022139530A (ja) セメントコンクリート混和材、セメント組成物、及び硬化体
JP2005082440A (ja) 急硬性セメント混和材、セメント組成物、及びモルタル組成物
JP5851343B2 (ja) セメント混和材、セメント組成物及びその製造方法
JP2007153715A (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP2023028436A (ja) セメント混和材、セメント組成物、及びコンクリート硬化体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231108