以下、図面を参照して、本発明に係るサンバイザー装置の、第1実施形態について説明する。
図1及び図3に示すように、この実施形態のサンバイザー装置10は、基端23が被取付部材に回動可能に支持されたシャフト部材20と、このシャフト部材20の軸方向先端22側に回動可能に装着される、一対の構成体31,32からなるサンバイザー本体30と、シャフト部材20を弾性的に挟持し、シャフト部材20に対してサンバイザー本体30が回動する際に、トルクを発生させるバネ部材60と、シャフト部材20を挿通させる挿通部71,72を有すると共に、バネ部材60を保持する保持部75を有するサポート部材70とを有している。なお、この実施形態における被取付部材は、自動車の天井壁である。但し、被取付部材としては、自動車の天井壁以外であってもよく、サンバイザーを回動可能に取付け可能であれば、特に限定はされない。
図3や図4(a)に示すように、前記シャフト部材20は、所定長さで延びる略円筒状をなした軸部21を有しており、該軸部21に対して、基端23側が屈曲した形状をなしている。このシャフト部材20の基端23側が、ブラケット25を介して、図示しない車両の天井壁等の被取付部材に回動可能に取付けられている。なお、このシャフト部材20には、その先端22側から基端23側に至るまで貫通する貫通孔24が形成されており、図8に示すように、ランプ等の図示しない電装部品に接続された端子T1,T2に、連結された導線Wを、シャフト部材20の先端22側の開口から引き入れて、基端23側の開口から抜き出すことが可能となっている。
図3に示すように、軸部21の先端22の外周には、周方向に沿って所定範囲で凹んでなる縮径部22aが形成されており、凹んだ部分以外の箇所が拡径部22bをなしている。図8に示すように、サポート部材70は、シャフト部材20を介して押されて、サンバイザー本体30内で移動可能となっているが、図8の想像線で示すように、サポート部材70が押されて移動した状態で、前記縮径部22aの外周に、端子T1の屈曲した山部が接触するようになっている。この状態では、端子T1は、これに隣接配置された端子T2には接触せず、電装部品に電気は導通しない。そして、シャフト部材20に対してサンバイザー本体30が回動して、端子T1の山部が拡径部22bに押圧されると、端子T1が弾性変形して端子T2に接触するので、電装部品に電気が導通するようになっている。
更に図8に示すように、軸部21の先端22側であって、前記縮径部22aや拡径部22bよりも基端23側には、抜け止め突起26が突設されている。この抜け止め突起26は、サポート部材70の挿通部71,72に対してシャフト部材20の軸部21を挿入したときに、サポート部材70の突起通過溝71b,72b(図5参照)を通過し、軸部21の先端22がサポート部材70の挿通孔71aから挿出した状態で、同挿通孔71aの外側に配置され、挿通部71,72からの軸部21の抜け止めを図るものである。なお、シャフト部材としては、サンバイザー本体を回動可能に支持できるものであれば、その形状や構造は特に限定されない。
また、前記サンバイザー本体30は、構成体31及びこれに接合される構成体32からなり、全体として一方向に長く延びる横長形状をなしている。図1に示すように、この実施形態においては、構成体31及び構成体32は、サンバイザー本体30を半割状に分割した形状をなしており、その周縁から周壁36が突設したケース状となっている。なお、一対の構成体としては、一方をケース状とし、他方をケース開口を閉塞するような蓋体等としてもよく、特に限定はされない。
各構成体31,32は、シャフト部材20の基端23側が配置される基部33と、該基部33の幅方向一側から、シャフト部材20の軸部21の延出方向に沿って、所定長さで延びる延出部34とを有しており、基部33の幅方向他側には、延出部34の延出方向に沿って延びる横長の凹部35が設けられている。そして、図2に示すように、一対の構成体31,32の凹部35,35には、細長く板状に延びるプレート部37が挟み込まれて取付けられるようになっている。また、各構成体31,32の延出部34,34の基端側には、シャフト支持孔38がそれぞれ形成されており(図1参照)、シャフト部材20の基端23側が回動可能に支持されるようになっている。なお、各構成体31,32に凹部35を設けず、構成体全体をサンバイザーとして機能する遮蔽壁としてもよい。
また、構成体31の内面から、円筒状の複数の接合部39が突設されており(図1及び図4参照)、構成体32の内面からも、各接合部39が挿入可能とされた円筒状の接合部40が複数突設されている(図1参照)。そして、各構成体31,32の内面どうしを向い合せて、各周壁36の先端どうしを向き合わせると共に、各接合部39を対応する各接合部40に挿入して、熱板溶着や超音波溶着等で溶着したり接着したりすることで、構成体31及び構成体32が互いに接合されて、サンバイザー本体30が構成されるようになっている。
更に図4に示すように、構成体31の延出部34の内面には、所定間隔をあけて、略四角枠状をなした本体側枠状部41,42が所定高さで立設されている。本体側枠状部41が延出部34の延出方向先端側に配置され、本体側枠状部42が延出部34の延出方向基端側に配置されており、かつ、これらの本体側枠状部41,42は、延出部34の幅方向(延出部34の延出方向に直交する方向)において同一位置となるように配置されている(図8参照)。また、本体側枠状部41,42の幅方向両側であって延出部34の内面からは、延出部34の延出方向に沿って帯状に延びる支持壁43,43が設けられており、該支持壁43,43により、サポート部材70の一側面が支持されるようになっている。更に、本体側枠状部42に隣接する位置には、サポート部材70の後述するバネ支持部76(図3参照)を支持する、支持壁44が突設されている。
また、図1や図4に示すように、構成体31の延出部34における周壁36の先端部側であって、前記本体側枠状部41に整合する位置に、本体側ガイドリブ46が設けられており、サポート部材70の後述するサポート側ガイド溝87(図5参照)に挿入されて、サポート部材70の移動時のガイドとなる。更に延出部34における周壁36の先端部側であって、前記本体側枠状部42に整合する位置に、回転規制リブ47が設けられており、サポート部材70の後述する回転規制リブ88(図5参照)に当接して、サポート部材70の回転規制がなされるようになっている。なお、サンバイザー本体側に、本体側ガイド溝を形成してもよく、また、本体側ガイドリブ及び本体側ガイド溝の両者を形成してもよい。
一方、図1に示すように、構成体32の延出部34の内面には、所定間隔をあけて、略四角枠状をなした本体側枠状部49,50が、所定高さで立設されている。図8や図10に示すように、シャフト部材20を押してサポート部材70を移動させるときの、サポート部材70が移動する方向を「F」としたとき(以下、単に「サポート移動方向F」ともいう)、構成体31に構成体32を接合してサンバイザー本体30を構成した状態において、本体側枠状部49が、前記本体側枠状部41に対して、サポート移動方向Fとは反対方向に隣接して配置されており、本体側枠状部50が、前記本体側枠状部42に対して、サポート移動方向Fとは反対方向に隣接して配置されている。また、図8に示すように、構成体31の本体側枠状部41,42、及び、構成体32の本体側枠状部49,50は、シャフト部材20の軸部21の軸方向C1に平行に配置された、同一の軸線C2上にそれぞれ配置されている。
また、図1に示すように、本体側枠状部49,50の間には、サポート部材70の他側面を支持する支持壁51と、サポート部材70に装着されるバネ部材60の脱落を抑制するバネ押え壁部52とが設けられている。
なお、サンバイザー本体としては、シャフト部材に回動可能に装着され、かつ、その内部にサポート部材を収容可能であればよく、形状や構造は特に限定されない。また、この実施形態では、各構成体31,32の内周に、枠状をなした本体側枠状部41,42,49,50が設けられているが、各構成体に、突状をなした本体側突部を設けたり、或いは、枠状の本体側枠状部及び突状の本体側突部を設けてもよい。
図3や図7に示すように、この実施形態におけるバネ部材60は、金属板材を屈曲して形成されたものであって、連結部63を介して互いにほぼ平行となるように屈曲形成された一対の挟持片61,62を有しており、該バネ部材60を側方から見たときに、サポート部材70の後述する連結部73(図5参照)を挟持可能なクリップ形状をなしている。
また、挟持片61の自由端側であって、その幅方向両側には、他方の挟持片62側に向けて、係止爪65,65が折り返されて形成されている。一方、挟持片62の自由端側にも、図7に示すように、切欠き66aを介して、挟持片61側に屈曲した係止爪66が形成されている。そして、図6(c)や図7(b)に示すように、一対の挟持片61,62の自由端部側で、サポート部材70の連結部73を挟持して、係止爪65,66を、連結部73に係止させることで、サポート部材70にバネ部材60が組付けられるようになっている。
なお、図7(a)に示すように、バネ部材60を、サポート部材70の連結部73に組付けるべく、サポート部材70の保持部75にバネ部材60を配置して押し込んでいくとときに、挟持片62の係止爪66が連結部73の一側面に係止すると共に、挟持片61の係止爪65が連結部73に押されて、挟持片62に対して挟持片61が広がる(図6(a),(b)もこの状態である)。そのため、一対の挟持片61,62の間に、シャフト部材20の軸部21を挿通させる際に、軸部21が一対の挟持片61,62の挟持力は作用せず、圧入状態とはならない。一方、図7(b)に示すように、挟持片61の係止爪65がサポート部材70の連結部73の先端面に係止した状態では、挟持片61が弾性復帰して、一対の挟持片61,62が元の平行状態となる(図6(c)もこの状態である)。その結果、挟持片61にシャフト部材20の軸部21が圧接されて、シャフト部材20に対してサンバイザー本体30を回動させる際に、任意の回動位置で停止させるための(フリーストップ)、トルクが作用するようになっている。
なお、バネ部材としては、サンバイザー本体に圧接して、シャフト部材に対してサンバイザー本体を回動させる際に、フリーストップ可能なトルクを付与可能であれば、その形状は特に限定されない。
また、図3に示すように、この実施形態のサンバイザー装置10においては、トルク調整用バネ部材67を更に備えている。このトルク調整用バネ部材67は、金属板材を屈曲してなり、略「く」の字状をなしており、サポート部材70の後述するバネ支持部76に支持されて、シャフト部材20の軸部21の基端23寄りの部分に圧接し、バネ部材60によりシャフト部材20に付与されるトルクが調整されるようになっている。
次に、サポート部材70について、図5を参照して説明する。図5に示すように、この実施形態におけるサポート部材70は、サンバイザー本体30とは別体とされているものであって、所定高さでブロック状に形成されて、所定間隔をあけて互いに平行に配置された一対の挿通部71,72を有している。
各挿通部71,72の高さ方向Hの一側部には、シャフト部材20の軸部21が挿通される、挿通孔71a,72aがそれぞれ形成されている。また、挿通部71,72の、前記挿通孔71a,72aに対して高さ方向Hに位置ずれした箇所どうしが、略四角柱状をなした連結部73によって連結されて、一対の挿通部71,72が一体化されており、これらの一対の挿通部71,72の間に、バネ部材60を配置するための、保持部75が形成されている。
そして、前記シャフト部材20の軸部21が、挿通部72の挿通孔72a側から挿入されて、挿通部71の挿通孔71aに挿通されて、同挿通孔71aの先端開口から、その先端22が挿出されるようになっている。すなわち、一対の挿通部71,72は、シャフト部材20の軸部21の軸方向に沿って2つ設けられたものである。ただし、挿通部は、シャフト部材の軸方向に離間して複数設けられていればよく、例えば、挿通部を3つ以上設けてもよい。
また、挿通部71,72の、挿通孔71a,72aの周縁であって、前記連結部73に対向する箇所どうしは、細長い柱状をなした補強部74によって連結されており、一対の挿通部71,72の連結強度が高められている。
なお、この実施形態における挿通部72は、シャフト部材20の軸部21の軸方向に沿った長さが、挿通部71の軸方向長さよりも、大きくなるように形成されている。また、この挿通部72に隣接した位置には、枠状をなしたバネ支持部76が設けられており、前記トルク調整用バネ部材67が保持されるようになっている。
また、挿通孔71a,72aの、前記補強部74とは周方向に対向する箇所には、シャフト部材20の軸部21に設けた突起26(図8参照)を通過させるための、突起通過溝71b,72bがそれぞれ形成されている。
更に、各挿通部71,72は、切欠き部77,78をそれぞれ有している。この実施形態においては、挿通部71の、高さ方向Hの他側部であって、挿通孔71aに隣接した位置に、切欠き部77が形成されている。この切欠き部77は、サポート移動方向F側、サポート部材70の両側、及び、挿通孔71aとは反対側が、開口した形状となっている(図5(a)参照)。一方、挿通部72の、高さ方向Hの他側部であって、挿通孔72aに隣接した位置に、切欠き部78が形成されている。この切欠き部78は、サポート部材70の両側、及び、挿通孔71aとは反対側が、開口した形状となっている(図5(a)参照)。
上記の各切欠き部77,78から、前記サンバイザー本体30の各構成体31,32に設けた本体側枠状部41,42,49,50に挿入される、突状をなしたサポート側突部79,80が設けられている。
そして、このサンバイザー装置10においては、サポート部材70は、シャフト部材20が挿通部71,72に挿通され(ここではシャフト部材20の軸部21が挿通部71,72の挿通孔71a,72aに挿通される)、かつ、バネ部材60が保持部75に保持された状態で、図8や図9に示すように、本体側枠状部41,42,49,50にサポート側突部79,80が挿入されない位置から、シャフト部材20を介して押されることで、図10に示すように、本体側枠状部41,42,49,50にサポート側突部79,80が挿入される位置へと移動可能なように、サンバイザー本体30内に配置されるようになっている。
この実施形態では、挿通部71の切欠き部77の、サポート移動方向Fとは反対側の内面77aから、サポート側突部79が、シャフト部材20の軸方向先端(ここでは、軸部21の軸方向の先端22)に向けて延出している。このサポート側突部79は、構成体31の本体側枠状部41及び構成体32の本体側枠状部49にそれぞれ挿入されるようになっている。また、図10に示すように、サポート部材70が、本体側枠状部41,49に、サポート側突部79が挿入される位置にあるときに、各本体側枠状部41,49が、切欠き部77内に配置されるようになっている。なお、この実施形態では、サポート部材70が、本体側枠状部41,49に、サポート側突部79が挿入されない位置にあるときは、各本体側枠状部41,49が切欠き部77の前方位置、すなわち、サポート部材70の移動時に、切欠き部77に挿入可能な位置に配置されている(図8及び図9参照)。
また、この実施形態では、各挿通部71,72に、切欠き部77,78がそれぞれ設けられているが、所定の挿通部のみに切欠き部を形成しておき(例えば、挿通部71のみに切欠き部77を設ける)、該切欠き部からシャフト部材の軸方向先端に向けて、サポート側突部を延出させ、サポート部材が、本体側枠状部にサポート側突部が挿入される位置にあるときに、本体側枠状部が切欠き部内に配置されるように構成してもよい。
更に、このサポート側突部79は、構成体31の本体側枠状部41及び構成体32の本体側枠状部49に挿入される挿入突部81と、構成体31の本体側枠状部41の外側周縁に係止可能(図10参照)とされた係止突部82とが、サポート部材70の幅方向(挿通部の高さ方向Hに直交する方向)に並列して配置されて構成されている。
更に、この実施形態の係止突部82は、図5(a),(b)に示すように、スリット85を介して撓み可能にそれぞれ形成された、係止爪83及びガタツキ抑制爪84とから構成されている。係止爪83は、その先端外側から出っ張った突部83aの端面が、係止爪83の延出方向に対して直交しており(図9及び図10参照)、この係止爪83の突部83aが、構成体31の本体側枠状部41の外側周縁に係止して、サポート側突部79が、構成体31の本体側枠状部41及び構成体32の本体側枠状部49から抜け外れないようにする。一方、ガタツキ抑制爪84は、その先端外側から出っ張った突部84aの外面がテーパ状をなしており(図5(a)参照)、該テーパ状の外面が、構成体31の本体側枠状部41の内周面に位置して、寸法誤差等によるガタツキを吸収可能となっている。なお、このサポート側突部79としては、単なる突起状等としてもよく、その形状は特に限定されない。
一方、挿通部72の切欠き部78の、サポート移動方向Fとは反対側の内面78aから、サポート側突部80が、シャフト部材20の軸方向先端(ここでは、軸部21の軸方向の先端22)に向けて延出している。このサポート側突部80は、構成体31の本体側枠状部42及び構成体32の本体側枠状部50にそれぞれ挿入されるようになっている。
また、図5(b)に示すように、サポート側突部80の先端と、切欠き部78のサポート移動方向F側の内面78bとの距離は、構成体31の本体側枠状部42及びこれに隣接して配置される構成体32の本体側枠状部50の肉厚よりも大きく形成されている。その結果、サポート部材70が、本体側枠状部42,50に、サポート側突部80が挿入されない位置にあるとき(図8及び図9参照)、及び、本体側側枠状部42,50に、サポート側突部80が挿入される位置にあるときに(図10参照)、各本体側枠状部42,50が、切欠き部78内に配置されるようになっている。
更に図5(a)に示すように、サポート部材70には、挿通部71を挟んで、サポート側突部79に対向する位置、ここでは、挿通部71の外周であって、サポート側突部79とは反対側の頂部に、サポート移動方向Fに沿って且つ挿通部71の全長に亘って延びる、突部86が設けられている。
この突部86の幅方向中央には、サポート移動方向Fに沿って、サポート側ガイド溝87が形成されており、上述した構成体31に設けた本体側ガイドリブ46が挿入されて、サポート部材70の移動時のガイドをなすようになっている。
また、挿通部72の外周の、切欠き部78とは反対側の頂部であって、サポート部材70の幅方向一側に偏位した箇所には、サポート移動方向Fに沿って所定長さで延びる回転規制リブ88が設けられている。この回転規制リブ88は、サポート部材70の押し込み移動後の位置において、上述した構成体31に設けた回転規制リブ47に互いに当接して、サポート部材70の回転規制をなすものである。
そして、各構成体31,32の本体側枠状部41,49に、サポート側突部79が挿入しない位置、かつ、各構成体31,32の本体側枠状部42,50に、サポート側突部80が挿入しない位置から、シャフト部材20を介してサポート部材70を押して移動させるときに、本体側ガイドリブ46がサポート側ガイド溝87に挿入されるようになっている。
なお、サポート部材側に、サンバイザー本体側に設けた本体側ガイド溝に挿入される、サポート側ガイドリブを形成してもよい。この場合には、本体側枠状部にサポート側突部が挿入しない位置、又は、サポート側枠状部に本体側突部が挿入しない位置から、シャフト部材を介してサポート部材を押して移動させるときに、本体側ガイド溝にサポート側ガイドリブが挿入されるようになっている。更に、サポート部材側に、サポート側ガイド溝及びサポート側ガイドリブの両者を形成してもよい。
以上説明したサポート部材としては、シャフト部材を挿通支持可能な挿通部を有し、かつ、バネ部材を保持可能な保持部を有していれば、その形状や構造は特に限定されない。また、各サポート側突部79,80は、切欠き部77,78からそれぞれ延出しているが、切欠き部を介さずに各挿通部から直接延出するようにしてもよい。また、この実施形態では、サポート部材70に、各構成体31,32の本体側枠状部41,42,49,50に挿入される、サポート側突部79,80を設けたが、サンバイザー本体の各構成体の内周に、突状をなした本体側突部を設けた場合には、サポート部材に、該本体側突部が挿入される、枠状をなしたサポート側枠状部を設けてもよく、また、突状のサポート側突部及び枠状のサポート側枠状部の両方を設けてもよい(この場合、各構成体の内周には、本体側枠状部及び本体側突部を設ける)。
ただし、上記のように、各構成体の内周に本体側突部を設け、サポート部材にサポート側枠状部を設けた場合、サポート部材は、シャフト部材が挿通部に挿通され、バネ部材が保持部に保持された状態で、サポート側枠状部に本体側突部が挿入されない位置から、シャフト部材を介して押されることで、サポート側枠状部に本体側枠状部が挿入される位置へと移動可能なように、サンバイザー本体内に配置されることとなる。
次に、上記構造からなるサンバイザー装置10の作用効果について説明する。
まず、サポート部材70にシャフト部材20及びバネ部材60を組付ける。すなわち、図3に示すように、一対の挟持片61,62の自由端側を、サポート部材70の連結部73側に向けて、サポート部材70の保持部75内にバネ部材60を配置して、同バネ部材60を押し込んでいく。すると、図7(a)に示すように、挟持片62の係止爪66が連結部73の一側面に係止すると共に、挟持片61の係止爪65が連結部73に押されて、挟持片62に対して挟持片61が広がる状態となって、サポート部材70にバネ部材60が仮保持される。この状態で、図6(a)に示すように、シャフト部材20の抜け止め突起26をサポート部材70の突起通過溝71b,72bに整合させて、シャフト部材20の軸部21の先端22を、サポート部材70の挿通部72の挿通孔72aに挿入して押し込んでいき、バネ部材60の一対の挟持片61,62の間を挿通させると共に、サポート部材70の挿通部71の挿通孔71aに挿入して、同挿通孔71aから軸部21の先端22を挿出させる(図6(b)参照)。その後、サポート部材70に対してバネ部材60を押し込むと、図7(b)に示すように、挟持片61の係止爪65がサポート部材70の連結部73の先端面に係止して、挟持片61が弾性復帰し、サポート部材70にバネ部材60が装着されると共に、バネ部材60の挟持片61にシャフト部材20の軸部21が圧接した状態となるように、サポート部材70にシャフト部材20及びバネ部材60を一体的に組付けることができる(図6(c)参照)。
このとき、この実施形態では、サポート部材70にバネ部材60を仮保持して(図6(a),図7(a)参照)、バネ部材60の一対の挟持片61,62を広げた状態で、その間にシャフト部材20の軸部21を挿通するようになっているので、バネ部材60の挟持片61,62に対してシャフト部材20の軸部21が圧入状態とはならないため、シャフト部材20の軸部21を、バネ部材60の挟持片61,62の間に、スムーズに挿通させることができ、組付け作業性を向上させることができる。また、シャフト部材20の圧入による、軸部21の削れを防止できるので、シャフト部材20とバネ部材60とのガタツキによる異音の発生を抑制できると共に、バネ部材60がシャフト部材20に付与するトルクの減少を防止することができる。
上記のようにして、シャフト部材20及びバネ部材60を組付けたサポート部材70を、図8に示すように、構成体31の内面に配置する。この実施形態では、サポート部材70の切欠き部78内に、構成体31の本体側枠状部42を配置して、サポート側突部80が、本体側枠状部42に挿入されない位置とすると共に、サポート部材70の切欠き部77の前方側に、構成体31の本体側枠状部41に配置して、サポート側突部79の挿入突部81及び係止突部82が、本体側枠状部41に挿入されない位置となるように、構成体31の内面にサポート部材70を配置する。その後、図9に示すように、構成体31の内面に、構成体32の内面を向い合せて、上述したように複数の接合部39,40を介して、構成体31に構成体32を接合することで、サンバイザー本体30の内部に、シャフト部材20及びバネ部材60を組付けたサポート部材70が収容されると共に、シャフト部材20の基端23側がシャフト支持孔38で回動可能に支持された状態で、サンバイザー本体30を組付けることができる。
このとき、サポート部材70の切欠き部78内に、構成体32の本体側枠状部50が、構成体31の本体側枠状部42に隣接して配置されて、サポート側突部80が、本体側枠状部42,50に挿入されない位置となり、また、サポート部材70の切欠き部77の前方側に、構成体32の本体側枠状部49が、構成体31の本体側枠状部41に隣接して配置されて、サポート側突部79の挿入突部81及び係止突部82が、本体側枠状部41,49に挿入されない位置となる。
上記状態からシャフト部材20の基端23側を把持して、その軸部21の先端22を、サンバイザー本体30を構成する構成体31,32の基部33とは反対側に向けて、押し込んでいく。すなわち、図8に示すように、サポート部材70を、サポート移動方向F側に押し込むと、サンバイザー本体30の本体側ガイドリブ46が、サポート部材70のサポート側ガイド溝87に挿入していき、サポート部材70がガイドされつつ移動していく。そして、サポート部材70のサポート側突部79の挿入突部81及び係止突部82が、構成体32の本体側枠状部49及び構成体31の本体側枠状部41にそれぞれ挿入されて、係止突部82が構成体31の本体側枠状部41の外側周縁に係止すると共に、ガタツキ抑制爪84が本体側枠状部41の内周面に位置し、更に、サポート部材70のサポート側突部80が、構成体32の本体側枠状部50及び構成体31の本体側枠状部42にそれぞれ挿入される(図10参照)。このとき、図10に示すように、サポート部材70の切欠き部77の内面77aが、構成体32の本体側枠状部49の一側面に当接して、サポート部材70のそれ以上の押し込みが規制され、かつ、サポート側突部80の係止突部82が、構成体31の本体側枠状部41の外側周縁に係止するので、サンバイザー本体30内の所定位置に、サポート部材70を抜け止めした状態で保持することができる。
上記のように、このサンバイザー装置10においては、サポート部材70は、シャフト部材20の軸部21が挿通部71,72の挿通孔71a,72aに挿通され、かつ、バネ部材60が保持部75に保持された状態で、図8や図9に示すように、本体側枠状部41,42,49,50にサポート側突部79,80が挿入されない位置から、シャフト部材20を介して押されることで、図10に示すように、本体側枠状部41,42,49,50にサポート側突部79,80が挿入される位置へと移動可能なように、サンバイザー本体30内に配置されるようになっているので、サンバイザー本体30を構成する一対の構成体31,32が分割されることを規制することができる。また、サンバイザー本体30内に、シャフト部材20及びバネ部材60を組付けたサポート部材70を収容して、所定位置に配置した後、シャフト部材20を介してサポート部材70を押して移動させる構成としたため、サポート部材70の保持部75に、バネ部材60を予め保持することができ、シャフト部材20にバネ部材60を位置合わせしやすくなり、その結果、シャフト部材20の軸部21の所定位置に、バネ部材60の一対の挟持片61,62をしっかりと位置合わせして配置することができる。
ところで、この実施形態のサンバイザー装置10では、サンバイザー本体30の回動に伴って、ランプ等の電装部品への導通をON又はOFFとする構造としている。従来構造のように、サンバイザー本体を組付け後、最後にシャフトを挿入する場合、シャフト先端に、サンバイザー本体内に配置された端子に接触する、接点を設ける必要があり、コスト増大を招いていたが、このサンバイザー装置10ではそのような必要がない。すなわち、サンバイザー本体30内に配置される導線Wを、シャフト部材20の軸部21の先端22側の開口から貫通孔24に挿通して、同シャフト部材20の基端23側の開口から挿出させることができ(図8参照)、また、上述したように、シャフト部材20を介してサポート部材70を押し込んで移動させることで、軸部21の先端22の外周に設けた縮径部22aの外周に、端子T1の屈曲した山部を位置させることができるため、シャフト先端に端子を設ける必要がなく、コスト低減を図ることができる。
また、この実施形態においては、図1や図5、図10等に示すように、各構成体31,32の内周に、本体側枠状部41,42,49,50がそれぞれ複数設けられ、サポート部材70の挿通部は、シャフト部材20の軸部21の軸方向に離間して複数設けられた(ここでは軸方向に2つ)挿通部71,72からなり、これらの挿通部71,72の間に保持部75が形成されており、各挿通部71,72からシャフト部材20の軸方向先端に向けて、サポート側突部79,80がそれぞれ延出している。そのため、サポート部材の2つの挿通部71,72の間にバネ部材60を配置して、シャフト部材20を挿入した状態で、本体側枠状部41,42,49,50にサポート側突部79,80が挿入しない位置から、シャフト部材20を介してサポート部材70を押して移動させることで、各構成体31,32の本体側枠状部41,42,49,50に、サポート側突部79,80がそれぞれ挿入されて、サンバイザー本体30の複数箇所(ここでは2箇所)で、複数のサポート側突部79,80がそれぞれ挿入された状態となるため、サンバイザー本体30の構成体31,32をより分割させにくくすることができる。
更に、この実施形態においては、サポート部材70の各挿通部71,72は、切欠き部77,78をそれぞれ有しており、各切欠き部77,78から、サポート側突部79,80がそれぞれ延出しており、サポート部材70が、本体側枠状部41,42,49,50に、サポート側突部79,80が挿入される位置にあるときに、各本体側枠状部41,42,49,50が、各切欠き部77,78内に配置されるようになっている(図10参照)。
この態様によれば、上記のように、本体側枠状部41,42,49,50に、サポート側突部79,80が挿入される位置にあるときに、各本体側枠状部41,42,49,50が、各挿通部71,72の切欠き部77,78内に配置されるので、サポート部材70に、本体側枠状部41,42,49,50を配置するための、スペースを別途設ける必要がなく、サポート部材70の小型化を図ることができる。
また、各挿通部71,72の切欠き部77,78からサポート側突部79,80が延出しているので、シャフト部材20に近い位置にサポート側突部79,80を設けることができ、シャフト部材20を介してサポート部材70を押して移動させる際に、サポート側突部79,80のブレが抑えられて、本体側枠状部41,42,49,50に挿入しやすくなる。
更に、サポート部材70側に設けた切欠き部77,78に、サンバイザー本体30側に設けた本体側枠状部41,42,49,50が配置されるので、サンバイザー本体30を一対の構成体31,32に分割させる外力(例えば、エアバッグが展開したときの衝撃力等)が作用した場合に、サポート部材70の切欠き部77,78の内周に、サンバイザー本体30の本体側枠状部41,42,49,50が当接可能となるため、外力による構成体31,32の分割を規制しやすくして、構成体31,32を分割しにくくすることができる。
また、サポート部材70をサンバイザー本体30内に組付ける際に、サポート部材70の切欠き部78に、本体側枠状部42,50を配置した後、サポート移動方向F側に押し込めばよいため、位置合わせがしやすくなり、組付け作業性を向上させることができる。
なお、上記の作用効果(サポート部材の小型化、サポート側突部の挿入しやすさ、構成体の分割規制、組付け作業性の向上)は、所定の挿通部のみに切欠き部が形成され、該切欠き部からシャフト部材の軸方向先端に向けて、サポート側突部を延出させ、サポート部材が、本体側枠状部にサポート側突部が挿入される位置にあるときに、本体側枠状部が切欠き部内に配置される構成とした場合にも、同様に得ることができる。
更に、この実施形態においては、サポート部材70においては、サポート側突部79は、構成体31,32の本体側枠状部41,49に挿入される挿入突部81と、該挿入突部81が挿入された本体側枠状部41,49に、係止可能とされた係止突部82とが、並列して配置されてなるので、図10に示すように、本体側枠状部41,49に挿入突部81が挿入されると、サポート移動方向F側に配置された構成体31の本体側枠状部41に、係止突部82が係止するため、サポート側突部79の挿入状態をしっかりと維持することができると共に、サンバイザー本体30の構成体31,32を、より分割させにくくすることができる。
また、この実施形態においては、サンバイザー本体30に本体側ガイドリブ46が形成され、サポート部材70にサポート側ガイド溝87が形成されているので、本体側枠状部41,42,49,50にサポート側突部79,80が挿入しない位置から、シャフト部材20を介してサポート部材70を押して移動させるときに、サポート側ガイド溝87に本体側ガイドリブが46挿入されて、サポート部材70の移動がガイドされるため、サポート部材70の組付け作業性を向上させることができる。更に図11に示すように、サポート部材70を押し込んで移動させて、サポート側ガイド溝87に本体側ガイドリブ46が挿入された状態では、サンバイザー本体30に対するサポート部材70の回転を規制することができる。
図12〜25には、本発明に係るサンバイザー装置の、第2実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
図12や、図18、図19等に示すように、この第2実施形態のサンバイザー装置10Aは、シャフト部材20Aの外周に一対の第1突部90,91が設けられていると共に、サンバイザー本体30を構成する構成体31Aの内周に、第2突部100と、構成体31Aに対してシャフト部材20Aが押し込まれたときに、シャフト部材20Aの押し込み方向側に位置する第1突部90が当接して、シャフト部材20Aを押し込み規制すると共に、その状態で一対の第1突部90,91の間に第2突部100を配置させるストッパ壁110とが設けられている。
各構成について具体的に説明すると、この実施形態のシャフト部材20Aは、軸部21の外周に、その軸方向に沿って所定間隔をあけて、突起状をなした一対の第1突部90,91が突設されている。
また、上記シャフト部材20Aは、図16に示すように、軸部21の軸方向の先端22側から、構成体31Aに対して押し込まれていくようになっているが、このときのシャフト部材20Aの押し込み方向を「シャフト押し込み方向S」としたとき、シャフト部材20Aの軸部21の、シャフト押し込み方向S側の外周に、一方の第1突部90が位置し、シャフト押し込み方向Sとは反対側の外周に、他方の第1突部91が位置している(図14参照)。
更に図14に示すように、一対の第1突部90,91は、軸部21の外周であって、シャフト部材20Aの基端23から離れた位置から、図20に示すごとく、軸部21の軸心C3を通過しない突出方向L1でもって、所定長さで突出している。
また、図14に示すように、第1突部90,91は、一側面が傾斜した略台形状をなしている。ここでは、第1突部90,91の、シャフト押し込み方向S側の一側面90a,91aが傾斜しており、その結果、第1突部90の、シャフト押し込み方向Sとは反対側の他側面90bと、第2突部91の一側面91aとの隙間が、シャフト部材20Aの基端23側に向けて、次第に広がる形状となっている。そのため、構成体31Aに対してシャフト部材20Aを組付けるべく、一対の第1突部90,91の間に第2突部100を配置した状態で、シャフト部材20Aを所定の回転方向Rに回転させるときに(図14及び図18参照)、一対の第1突部90,91の間に、第2突部100を挿入しやすくなっている。
更に図14に示すように、シャフト部材20Aの軸部21の外周であって、前記一対の第1突部90,91よりも、シャフト押し込み方向S側の位置には、回転規制リブ95が設けられている。この実施形態における回転規制リブ95は、図21に示すように、その外周形状が略四角形状をなすと共に、軸部21の軸方向に沿って所定長さで延びる突条となっている。図20に示すように、この回転規制リブ95は、軸部21の軸心C3を通過し、かつ、前記一対の第1突部90,91の突出方向L1に対して、直角よりもやや小さい角度をなす線分L2上に設けられている。
そして、この回転規制リブ95は、図19に示されるような、構成体31A側に設けられたストッパ壁110に、シャフト押し込み方向S側の第1突部90が当接していない状態で、図20に示すごとく、第2突部100に設けた後述する回転規制溝103に挿入可能とされていると共に、図18に示すように、前記ストッパ壁110に前記第1突部90が当接した状態で、回転規制溝103から抜け出るように構成されている。
一方、図12や図15に示すように、サンバイザー本体30を構成する構成体31Aの内面であって、シャフト支持孔38に近接した位置からは、板状をなした第2突部100が突設されている。
図15に示すように、第2突部100の突出方向先端からは、所定深さで円弧状に切欠かれて形成されて、シャフト部材20Aの軸部21が配置される、シャフト配置溝101が設けられている。
また、図15に示すように、第2突部100のシャフト配置溝101の底部側であって、その周方向ほぼ中央には、シャフト部材20Aに設けた回転規制リブ95の外周形状に適合する、略角形の切欠き溝状をなした回転規制溝103が形成されている。この回転規制溝103は、図19に示すように、ストッパ壁110に第1突部90が当接していない状態で、前記回転規制リブ95が挿入可能とされる一方(図20参照)、図18に示すように、ストッパ壁110に第1突部90が当接した状態では、回転規制リブ95が抜け出るようになっている。
更に、第2突部100の突出方向先端であって、シャフト配置溝101の周方向一側には、前記第1突部90,91に適合する形状で切欠かれてなる、第1突部通過溝105が形成されている。この第1突部通過溝105は、回転規制リブ95が回転規制溝103に挿入可能な位置となるように、シャフト部材20Aが回動した状態で、シャフト部材20Aに設けた第1突部90に整合する位置に設けられている。そのため、回転規制溝103を回転規制リブ95が通過するときに、第1突部90が第2突部100に当接せずに、第1突部通過溝105を通過可能となっている。
また、図12や図15に示すように、構成体31Aの内面であって、第2突部100に対して、シャフト押し込み方向S側に所定間隔をあけて平行な位置に、第2突部100とは別体のストッパ壁110が突設されている。このストッパ壁110の両側からは、シャフト押し込み方向Sに沿って一対の側壁111,111が延設されており、ストッパ壁110は全体として略コ字枠状をなしている。そして、このストッパ壁110は、構成体31Aに対してシャフト部材20Aが押し込まれたときに、シャフト押し込み方向S側の第1突部90が当接して、シャフト部材20Aのそれ以上の押し込みを規制すると共に、その状態で一対の第1突部90,91の間に第2突部100を配置させるものとなっている。なお、ストッパ壁の形状や位置としては、上記態様に限定されるものではない。なお、この実施形態におけるストッパ壁110は、第2突部100と別体で設けられているが、例えば、ストッパ壁110と第2突部100とをリブ等で連結して、両部材を一体的に設けてもよい。
ところで、この実施形態では、第1突部90,91は、シャフト部材20Aから突出した突起状をなし、第2突部100は、構成体31Aから突出した板状をなしているが、本発明における「第1突部」及び「第2突部」は、シャフト部材又は構成体から突出した形状であればよく、突起状や板状、又はそれ以外の突出形状であってもよく、特に限定はされない。
また、この実施形態では、第2突部100は、サンバイザー本体30を構成する一対の構成体31A,32のうち、構成体31Aのみに設けられているが、構成体32側に第2突部を設けてもよく、更に構成体31A,32の両方に、第2突部を設けてもよい。
次に、上記構造からなるサンバイザー装置10Aの作用効果について説明する。
まず、前記実施形態と同様に、サポート部材70にバネ部材60及びシャフト部材20Aを予め組付けておく(図12参照)。その後、バネ部材60及びシャフト部材20Aを組付けたサポート部材70を、サンバイザー本体30の構成体31A,32の内側に配置して、本体側枠状部41,49にサポート側突部79が挿入されず、かつ、本体側枠状部42,50にサポート側突部80が挿入されない位置となるように収容する。この状態が図16に示されている。なお、図16においては、便宜上、構成体32側の本体側枠状部49,50は省略している。
上記状態で、シャフト部材20Aを把持して、軸部21の先端22を、シャフト押し込み方向S側に押込んでいくと、大抵は、構成体31A側の第2突部100に、シャフト部材20Aに設けた、シャフト押し込み方向S側の第1突部90が当接して、それ以上の押し込みが規制される。そこで、上記状態となったら、シャフト部材20Aを押し込みつつ適宜回転させて、シャフト部材20A側に設けた回転規制リブ95の角度を、第2突部100に設けた回転規制溝103に一致させることで、回転規制溝103に回転規制リブ95が挿入可能となると共に、第1突部90が、第2突部100に設けた第1突部通過溝105に整合して通過可能となるので、構成体31Aに対してシャフト部材20Aを更に押し込むことが可能となる。なお、シャフト部材20Aの回転規制リブ95及び一対の第1突部90,91が、第2突部100の回転規制溝103及び第1突部通過溝105に整合する位置の場合は、上記のようなシャフト部材20Aの回転作業は不要である。
そして、シャフト部材20Aを更に押し込むと、バネ部材60を介してサポート部材70が移動して、サポート側突部79が本体側枠状部41,49にそれぞれ挿入され、かつ、サポート側突部80が、本体側枠状部42,50にそれぞれ挿入されると共に、図17や図18に示すように、第1突部90が第2突部100の第1突部通過溝105を通過して、シャフト押し込み方向S側の第1突部90がストッパ壁110に当接すると、回転規制溝103から回転規制リブ95が抜け出た状態となって、シャフト部材20Aのそれ以上の押し込みが規制される。
このように、この実施形態においては、シャフト部材20Aを押し込んでいくと、図17や図18に示すように、一対の第1突部90,91のうち、シャフト押し込み方向S側に位置する第1突部90が、ストッパ壁110に当接するので、シャフト部材20Aのそれ以上の押し込みを防止することができると共に、シャフト部材20Aが、所定の押し込み位置まで押し込まれたことを把握することができ、シャフト部材20Aの、構成体31Aに対する押し込み作業を確実に行うことができる。
また、上記のように、第1突部90がストッパ壁110に当接して、シャフト部材20Aの押し込み規制がなされた状態では、図18に示すように、一対の第1突部90,91の間に第2突部100が位置するので、構成体31Aとシャフト部材20Aとを相対的に回転させることができ(例えば、構成体31Аにシャフト部材20Аを組付けすべく、シャフト部材20Aを図18に示す回転方向Rに回転させることができる。なお、実際の車両にサンバイザー装置10Aを取付けた状態では、シャフト部材20は回転せず、サンバイザー本体30が回転する)、その結果、図21に示すように、一対の第1突部90,91で第2突部100を挟み込むことができ、構成体31Aに対してシャフト部材20Aを抜け止め状態で組付けることができる。
また、上記状態では、第2突部100の両側に、一対の第1突部90,91が配置されることとなるので、これらの一対の第1突部90,91によって、サンバイザー本体30の回転ガイドを図ることができる。すなわち、このサンバイザー装置10Aにおいては、自動車の天井壁1に取付けた状態が、図22に示されており、また、その際の断面斜視図が図21に示されているが、この状態からサンバイザー本体30を使用すべく、シャフト部材20Aに対してサンバイザー本体30を回動させると、図23,24に示すようになる。このとき、一対の第1突部90,91の間に第2突部100が挟持状態で配置されており、言い換えると、第2突部110の両側に一対の第1突部90,91が配置されるので、シャフト部材20Aに対してサンバイザー本体30を、回動ガイドすることができる。なお、サンバイザー本体30を、図25に示す回動角度となるまで回動させると、第2突部100の第1突部通過溝105に整合するので、シャフト部材20Aを軸方向に移動可能となるが、実際には、サンバイザー本体30が自動車のフロントガラス1aに当接して、サンバイザー本体30を回動させることができないため、特に支障はない。
更に、この実施形態では、上記のように、一対の第1突部90,91の間に第2突部100が配置された状態で、構成体31Aとシャフト部材20Aとを相対回転させることで、一対の第1突部90,91の間に第2突部100が入り込んで、構成体31Aに対してシャフト部材20Aを抜け止めできるので、サポート部材70に構成体31Aに対する抜け止め構造を設ける必要がなくなり、サポート部材70の構造の簡素化やコンパクト化を図ることができる。
また、この実施形態においては、構成体31Aには回転規制溝103が設けられており、シャフト部材20Aには、ストッパ壁110に第1突部90が当接していない状態で、回転規制溝103に挿入可能とされ、ストッパ壁110に第1突部90が当接した状態で、回転規制溝103から抜け出るように構成された、回転規制リブ95が設けられている。そのため、シャフト部材20Aを押し込んでいく途中において、図19、図20に示すように、ストッパ壁110に第1突部90が当接する前は、回転規制溝103に回転規制リブ95が挿入されて、構成体31Aとシャフト部材20Aとを相対的に回転させることができず、それよりもシャフト部材20Aを更に押し込んで、ストッパ壁110に第1突部90が当接することで、初めて構成体31Aとシャフト部材20Aとを相対的に回転させることができるため、構成体31Aに対するシャフト部材20Aの組付け角度を確実に規定して、シャフト部材20Aの誤組付けを防止することができ、その組付け作業性を向上させることができる。
図26及び図27には、本発明に係るサンバイザー装置の、第3実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
図26に示すように、この第3実施形態のサンバイザー装置10Bは、シャフト部材20Bの外周に一対の第1突部90,93が設けられ、構成体31Bの内周に第2突部100が設けられており、この第2突部100が、構成体31Bに対してシャフト部材20Bが押し込まれたときに、シャフト部材20Bの押し込み方向Sとは反対側に位置する第1突部93に当接して、シャフト部材20Bを押し込み規制すると共に、その状態で一対の第1突部90,93の間に第2突部100を配置させるストッパ壁をなしている。
すなわち、図26に示すように、この実施形態におけるシャフト部材20Bには、一対の第1突部90,93のうち、シャフト部材20Bのシャフト押し込み方向Sとは反対側に位置する、第1突部93が、円弧状に突出した形状をなしている。また、図27に示すように、上記第1突部93が、構成体31Bに対してシャフト部材20Bが押し込まれたときに、第2突部100に当接することで、シャフト部材20Bの押し込み規制が図られるようになっており、第2突部100が本発明における「ストッパ壁」を兼ねる構造となっている。すなわち、この実施形態の構成体31Bは、前記第2実施形態のような別体のストッパ壁がない構造となっている。
この実施形態の作用効果は、基本的に前記第2実施形態と同様である。すなわち、バネ部材60及びシャフト部材20Bを組付けたサポート部材70を構成体31B,32の内側に配置した後、シャフト部材20Bを押し込むことで、シャフト部材20Bの押し込み方向Sとは反対側に位置する第1突部93が、第2突部100からなるストッパ壁に当接するので、シャフト部材20Bのそれ以上の押し込みを防止できると共に、所定の押し込み位置まで押込んだことを把握することができ、シャフト部材20Bの押し込み作業を確実に行うことができる。また、構成体31Bに対してシャフト部材20Bを抜け止め状態で組付けることができると共に、サンバイザー本体30の回転ガイドを図ることができ、更に、サポート部材70の構造の簡素化やコンパクト化を図ることができる。
図28には、本発明に係るサンバイザー装置の、第4実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
図28に示すように、この第4実施形態のサンバイザー装置10Cは、構成体31Cの内周に一対の第1突部110C,100Cが設けられ、シャフト部材20Cの外周に第2突部90Cが設けられており、シャフト部材20Cの押し込み方向S側に位置する第1突部110Cが、構成体31Cに対してシャフト部材20Cが押し込まれたときに、第2突部90Cと当接して、シャフト部材20Cを押し込み規制すると共に、その状態で一対の第1突部110C,100Cの間に第2突部90Cを配置させるストッパ壁をなしている。
すなわち、図28に示すように、この実施形態における構成体31Cは、シャフト部材20Cの押し込み方向S側に、前記第3実施形態の略コ字状をなしたストッパ壁110と同様の構造をなした、第1突部110Cが突設されており、この第1突部110Cが、前記「ストッパ壁」を兼ねる構造となっている。また、シャフト部材20Cの押し込み方向Sとは反対側に位置する第1突部100Cには、前記第3実施形態の第2突部100と同様に、シャフト配置溝101及び図示しない回転規制溝が設けられており、更に、前記第3実施形態の第1突部通過溝105と同様の、第2突部通過溝105Cが形成されている。
更に、シャフト部材20Cには、ストッパ壁をなす第1突部110Cに第2突部90Cが当接していない状態で、第1突部100Cに設けた図示しない回転規制溝に挿入可能とされ、ストッパ壁をなす第1突部110Cに第2突部90Cが当接した状態で、上記回転規制溝から抜け出るように構成された、図示しない回転規制リブが設けられている。
そして、この実施形態の作用効果は、前記第2実施形態や第3実施形態と同様である。すなわち、バネ部材60及びシャフト部材20Cを組付けたサポート部材70を構成体31C,32の内側に配置した後、シャフト部材20Cを押し込むことで、シャフト部材20Cの外周の第2突部90Cが、第1突部110Cからなるストッパ壁に当接するので、シャフト部材20Cのそれ以上の押し込みを防止できると共に、所定の押し込み位置まで押込んだことを把握することができ、シャフト部材20Cの押し込み作業を確実に行うことができる。また、構成体31Cに対してシャフト部材20Cを抜け止め状態で組付けることができると共に、サンバイザー本体30の回転ガイドを図ることができ、サポート部材70の構造の簡素化やコンパクト化を図ることができる。更に、図示しない回転規制溝と回転規制リブとを有する構造によって、構成体31Cに対するシャフト部材20Cの組付け角度を確実に規定して、シャフト部材20Cの誤組付けを防止することができ、その組付け作業性を向上させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。