JPWO2019004007A1 - 農業用フィルム用塗布型防曇剤及び農業用フィルム - Google Patents

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Abstract

農業用フィルムに長期防曇性を付与することができる防曇剤を提供すること。(A)コロイド状無機微粒子、(B)水溶性アルカリ金属ケイ酸塩及び(C)合成樹脂を含有する農業用フィルム用塗布型防曇剤であって、(A)コロイド状無機微粒子の固形分100質量部に対し、(B)水溶性アルカリ金属ケイ酸塩の固形分が30〜150質量部、(C)合成樹脂の固形分が30〜150質量部である農業用フィルム用塗布型防曇剤。

Description

本発明は、農業用途のフィルムに塗布して用いる防曇剤及び該防曇剤を塗布したことにより長期間持続する防曇性が付与されたフィルムに関する。
近年、ハウス栽培やトンネル栽培等、合成樹脂を原材料としたフィルム(以下「合成樹脂フィルム」という)下での農作物の栽培が盛んに行われている。該フィルムに関しては、土壌又は農作物等から蒸散する水蒸気により該フィルム表面が曇ったり水滴が付着したりして、日光力不足による農作物の栽培性低下、水滴落下による農作物の病害発生等を招いてしまうということが知られている。
したがって、従来、農作物の栽培に用いられる合成樹脂フィルム(以下「農業用フィルム」という)に、防曇性を付与する技術の開発が試みられている。
農業用フィルムに防曇性を付与する技術としては、特定のアクリル樹脂の水系エマルジョン及び無機質コロイドゾルを特定量含有する防曇剤組成物(特許文献1)、特定のアクリル樹脂の水分散液、無機質コロイドゾル及び界面活性剤を特定量含有する防曇剤組成物の調整法(特許文献2)、(A)ポリエステル系及びポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタンエマルションの中から選ばれた少なくとも1種と、(B)特定の平均粒径のコロイド状シリカ粒子及びコロイド状アルミナ粒子の中から選ばれた少なくとも1種とを、特定割合で含有して成る防曇性塗膜形成用組成物(特許文献3)、合成樹脂被覆材基体層の片面に、合成樹脂バインダーと鎖状コロイダルシリカを含む防曇性塗膜層を設けたことを特徴とする保存安定性の良い防曇性農業用被覆材(特許文献4)、特定の反応性重合基を有する乳化剤を使用して製造される(メタ)アクリル酸系共重合体と親水性物質を含有することを特徴とする防曇塗料組成物(特許文献5)、少なくとも(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸とを単量体として含む単量体混合物を、反応性ノニオン系乳化剤の存在下で乳化重合して得られる(メタ)アクリル系共重合体を含む造膜性樹脂組成物、(B)無機コロイドゾル、(C)炭素原子数が1〜10の脂肪族アルコール、(D)水の各成分を含有し、最低造膜温度が−25℃以上20℃以下である防曇剤組成物(特許文献6)、コロイダルシリカの一次粒子が環状に結合したネックレス状コロイダルシリカ、コロイダルシリカの一次粒子が鎖状に結合した鎖状コロイダルシリカ、及びバインダー樹脂を特定比率で含有することを特徴とする防曇性組成物(特許文献7)、等が開示されている。
しかし上記従来技術では、一時的に農業用フィルムの曇りを防げるものの、一定期間が経過すると当該フィルムの表面から塗布膜が脱離してしまい、防曇性が持続しない場合がある。したがって、長期間持続する防曇性(以下「長期防曇性」という)を付与することができる防曇剤が求められていた。
特開昭62−246984号公報 特開昭63−150369号公報 特開平6−122851号公報 特開平7−327522号公報 特開2006−16578号公報 特開2008−50492号公報 特開2015−168692号公報
本発明は、農業用フィルムに長期防曇性を付与することができる防曇剤を提供することを目的とする。また本発明は、前記防曇剤が塗布されたことにより長期防曇性が付与された農業用フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、コロイド状無機微粒子、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩及び合成樹脂を特定の比率で含有する防曇剤を農業用フィルムに塗布することにより、上記課題を解決することを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記(1)及び(2)等からなっている。
(1)(A)コロイド状無機微粒子、(B)水溶性アルカリ金属ケイ酸塩及び(C)合成樹脂を含有する農業用フィルム用塗布型防曇剤であって、(A)コロイド状無機微粒子の固形分100質量部に対し、(B)水溶性アルカリ金属ケイ酸塩の固形分が30〜150質量部、(C)合成樹脂の固形分が30〜150質量部である農業用フィルム用塗布型防曇剤。
(2)上記(1)の塗布型防曇剤を、合成樹脂フィルム表面の少なくとも片面に塗布してなる農業用フィルム。
また、本発明には、以下の発明等も含まれる。
(3)上記(1)の塗布型防曇剤を、合成樹脂フィルム表面の少なくとも片面に塗布し、防曇性(防曇層)を有するフィルム(農業用フィルム)を製造する方法。
(4)上記(1)の塗布型防曇剤を、合成樹脂フィルム表面の少なくとも片面に塗布し、合成樹脂フィルム(農業用フィルム)に防曇性を付与(又は防曇層を形成)する方法。
(5)塗布量(固形分換算)が0.1〜2g/mである上記(2)〜(4)のいずれかに記載のフィルム又は方法。
本発明の農業用フィルム用塗布型防曇剤(以下「本発明の防曇剤」という)を農業用フィルムに塗布することで、該フィルムに、初期防曇性(防曇効果の即効性)だけでなく長期防曇性を付与することができる。また、本発明の防曇剤を塗布した農業用フィルムは、農業用フィルムに求められる透明性を有している。
防曇性を評価する為の評価箱及び恒温水槽。1:評価箱、2:評価箱の窓部、3:恒温水槽である。 防曇性を評価する為の評価箱を設置した恒温水槽。1:評価箱、3:恒温水槽、4:評価箱の窓部に張り付けたフィルムである。
本発明の防曇剤に用いられる(A)コロイド状無機微粒子(以下「(A)成分」ともいう)は、無機物のコロイド状微粒子である。該無機物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、水酸化鉄、水酸化錫又は硫酸バリウム等が挙げられ、好ましくは、シリカ又はアルミナである。これら無機物は、1種又は2種以上を併用しても良い。該微粒子の平均粒子径に特に制限はなく、好ましくは5〜100nmである。該微粒子の形状に特に制限はなく、例えば、鎖状、球状、ネックレス状等が挙げられる。
商業的に販売されている(A)コロイド状無機微粒子としては、例えば、シリカゾル(商品名:スノーテックス;固形分20質量%;日産化学工業社製)又はアルミナゾル(商品名:AS−520;固形分20質量%;日産化学工業社製)等が挙げられ、本発明ではこれらを用いることができる。
本発明の防曇剤に用いられる(B)水溶性アルカリ金属ケイ酸塩(以下「(B)成分」ともいう)とは、MO・nSiOで表される化合物である。前記Mは例えば、Li(リチウム)、Na(ナトリウム)又はK(カリウム)等が挙げられ、好ましくはLi(リチウム)又はNa(ナトリウム)であり、特に好ましくはLi(リチウム)である。前記nはSiO/MO(モル比)を意味し、その数値としてはアルカリ金属ケイ酸塩が水溶性となる数値であれば特に制限はないが、MがLi(リチウム)である場合、好ましくは3.5〜7.5、MがNa(ナトリウム)である場合、好ましくは2.0〜4.0、MがK(カリウム)である場合、好ましくは2.0〜4.0である。なお、(B)水溶性アルカリ金属ケイ酸塩は水溶性であるため、コロイド状無機微粒子とは区別される。
(B)水溶性アルカリ金属ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウム等が挙げられ、好ましくは、ケイ酸リチウム又はケイ酸ナトリウムであり、特に好ましくは、ケイ酸リチウムである。
商業的に販売されている(B)水溶性アルカリ金属ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸リチウム水溶液〔商品名:リチウムシリケート45;SiO/LiO(モル比)=4.5;固形分26質量%;日産化学工業社製〕又はケイ酸ナトリウム水溶液〔商品名;SiO/NaO(モル比)=2.2;固形分55質量%;和光純薬工業社製〕等が挙げられ、本発明でこれらを用いることができる。
本発明の防曇剤に用いられる(C)合成樹脂(以下「(C)成分」ともいう)としては、本発明の防曇剤を農業用フィルムに密着させることができる樹脂であれば特に制限はなく、水不溶性合成樹脂又は水溶性合成樹脂を単独又は併用して用いることができる。
上記水不溶性合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルアクリル樹脂、酢酸ビニルベオバ樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂若しくはポリエステル樹脂又はこれらの共重合樹脂、ハイブリッド樹脂若しくは変性樹脂等が挙げられ、好ましくはアクリル樹脂又はウレタン樹脂である。これら水不溶性合成樹脂は、1種又は2種以上を併用しても良い。
上記アクリル樹脂としては、例えば、アクリル酸系モノマーの重合物若しくは共重合物又はアクリル酸系モノマーとその他のモノマーとの共重合物等が挙げられる。
上記アクリル酸系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、エチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン酸、アクリル酸誘導体の水酸基含有ビニル単量体、メタクリル酸誘導体の水酸基含有ビニル単量体、アクリロニトリル類、アクリルアマイド類、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリル酸のグリシジルエステル類又はメタクリル酸のグリシジルエステル類等が挙げられる。
上記その他のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン若しくはその誘導体、N−ビニルアセトアミド又はエチレン−酢酸ビニル等が挙げられる。
上記ウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させることにより得られる高分子化合物である。ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネートが挙げられ、ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール若しくはポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリエチレンアジペートグリコール若しくはポリブチレンアジペートグリコール等のポリエステルポリオール又はポリブチレンカーボネートジオール若しくはポリヘキサメチレンカーボネートジオール等のポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
上記水不溶性合成樹脂は、水及び/又は水溶性の分散媒中に水不溶性合成樹脂を粒子状に分散させたエマルジョンの形態のものを用いることが好ましい。商業的に販売されている水不溶性合成樹脂のエマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン(商品名:NeoCryl A−6057;固形分35質量%;楠本化成社製)又はウレタン樹脂エマルジョン(商品名:NeoRez R−986;固形分35質量%;楠本化成社製)等が挙げられ、本発明ではこれらを用いることができる。
上記水溶性合成樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース又はカルボキシビニルポリマー等が挙げられ、好ましくはポリビニルアルコール又はポリエチレンオキサイドである。これら水溶性合成樹脂は、1種又は2種以上を併用しても良い。
商業的に販売されている水溶性合成樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(商品名:KL−03;日本合成化学社製)又はポリエチレンオキサイド(商品名:L−6;明成化学工業社製)等が挙げられ、本発明ではこれらを用いることができる。
本発明の防曇剤は、(D)溶媒又は分散媒(以下単に「溶媒等」という)を含んでいても良い。
本発明の防曇剤に用いられる(D)溶媒等(以下「(D)成分」ともいう)としては、本発明の防曇剤に含まれる(A)〜(C)成分を溶解及び分散できるものであれば特に制限はないが、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール又はイソプロピルアルコール等の一価アルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール又はグリセリン等の多価アルコール類、ベンジルアルコール等の環式アルコール類、セロソルブアセテート類、ケトン類等が挙げられ、環境面を考慮した場合、好ましくは水である。これら溶媒等は、1種又は2種以上を併用しても良い。
なお、(D)成分が水を含む場合、(D)成分全体に対する水の割合は、例えば、10質量%以上(例えば、20質量%以上)、好ましくは30質量%以上(例えば、40質量%以上)、さらに好ましくは50質量%以上(例えば、60質量%以上)程度であっても良く、70質量%以上(例えば、75質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、95質量%以上等)であっても良い。
本発明の防曇剤には、本発明の目的を阻害しない範囲で塗布型防曇剤に通常用いられる任意の添加剤が含まれても良く、例えば、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、増粘剤、顔料、顔料分散剤、耐候性改良剤、熱安定剤、レベリング剤、架橋剤、分散剤等が挙げられる。
本発明の防曇剤に含まれる(A)〜(C)成分の配合量としては、(A)コロイド状無機微粒子の固形分100質量部に対して、(B)水溶性アルカリ金属ケイ酸塩の固形分が30〜150質量部、好ましくは50〜150質量部、(C)合成樹脂の固形分が30〜150質量部、好ましくは60〜150質量部である。本発明の防曇剤に含まれる(D)溶媒等の配合量としては、前記(A)〜(C)成分を溶解及び分散できる量であれば特に制限はないが、例えば、本発明の防曇剤100質量%中の(A)〜(C)成分の合計の固形分濃度が、通常0.5〜10質量%、好ましくは1〜5質量%となるよう調整する。なお、本発明における固形分は、残存量熱重量測定機(型式:TGA55;TAインスツルメント社製)を用いて、窒素雰囲気下で10mgのサンプルを105℃で2時間加熱した場合の残存量を測定することにより求める。
本発明の防曇剤は、各成分[少なくとも(A)〜(C)成分、例えば、(A)〜(D)成分]を均一に混合して得ることができる。混合する方法に特に制限はなく、公知の撹拌機、混合機等を用いることができる。混合条件としては、各成分[例えば、(A)〜(D)成分]を均一に混合することができれば特に制限はないが、例えば、25〜60℃にて、180〜360分間混合する方法等が挙げられる。
本発明の防曇剤を、合成樹脂フィルム表面の少なくとも片面に塗布してなる農業用フィルムも本発明の形態の一つである。
上記合成樹脂フィルムに用いられる合成樹脂に特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体又はポリ塩化ビニル等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を併用しても良い。
上記合成樹脂フィルムには、上記合成樹脂の他に合成樹脂フィルムに通常用いられる任意の添加剤が含まれても良く、例えば、酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、防霧剤、保温剤、顔料等が挙げられる。
上記合成樹脂フィルムは、上記合成樹脂又は上記合成樹脂に上記添加剤を配合した合成樹脂組成物をフィルム状に成形したものであれば特に制限はなく、例えば、インフレーション成形法、Tダイ成形法等の方法でフィルム状に成形したもの等が挙げられる。また、該合成樹脂フィルムは、単層でも多層でも良い。
上記合成樹脂フィルムの厚さとしては、農業用途に適した厚さであれば特に制限はないが、フィルム強度、重量等を考慮した場合、通常50〜200μm、好ましくは80〜150μmである。
上記合成樹脂フィルムの表面は、本発明の防曇剤の塗布性及び接着性を向上させるために、予めプラズマ放電処理、コロナ放電処理等の前処理を施すことが好ましい。
本発明の農業用フィルムは、例えば、合成樹脂フィルム表面の少なくとも片面に(D)溶媒等を含む本発明の防曇剤を塗布し、該防曇剤中の(D)溶媒等を除去して合成樹脂フィルム表面の少なくとも片面に防曇層を形成する。
上記塗布する方法としては特に制限は無く、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、ディップコート法、バーコート法、スプレーコート法、ロッドコート法、ナイフコート法又はハケ塗り等の方法が挙げられる。
本発明の防曇剤の合成樹脂フィルムへの塗布量としては、合成樹脂フィルム表面に塗布した後に(D)溶媒等を除去した防曇層の量に換算して、通常0.1〜2g/m、好ましくは0.2〜1g/mである。
上記(D)溶媒等を除去する方法としては、乾燥する方法が挙げられる。乾燥方法に特に制限はないが、例えば、自然乾燥法又は熱風乾燥法、赤外線乾燥法若しくは遠赤外線乾燥法等の強制乾燥法が挙げられ、強制乾燥法の場合、乾燥温度は通常50〜120℃、好ましくは55〜75℃である。
以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
<農業用フィルム用塗布型防曇剤の作製>
(1)原材料
1)シリカゾル(商品名:スノーテックス;固形分20質量%;日産化学工業社製)
2)アルミナゾル(商品名:AS−520;固形分20質量%;日産化学工業社製)
3)ケイ酸リチウム水溶液〔商品名:リチウムシリケート45;SiO/LiO(モル比)=4.5;固形分26質量%;日産化学工業社製〕
4)ケイ酸ナトリウム水溶液〔商品名;SiO/NaO(モル比)=2.2;固形分55質量%;和光純薬工業社製〕
5)アクリル樹脂エマルジョン(商品名:NeoCryl A−6057;固形分35質量%;楠本化成社製)
6)ウレタン樹脂エマルジョン(商品名:NeoRez R−986;固形分35質量%;楠本化成社製)
7)ポリビニルアルコール(商品名:KL−03;日本合成化学社製)
8)ポリエチレンオキサイド(商品名:L−6;明成化学工業社製)
9)水(イオン交換水)
(2)配合
上記原材料を用いて作製した農業用フィルム用塗布型防曇剤(以下単に「防曇剤」という)1〜13の配合を表1〜5に示した。ここで防曇剤1〜9は本発明の実施例であり、防曇剤10〜13はそれらに対する比較例である。なお、表1〜5において、(A)コロイド状無機微粒子、(B)水溶性アルカリ金属ケイ酸塩、(C)合成樹脂及び(D)溶媒等を、それぞれ単に(A)、(B)、(C)及び(D)と表記した。
(3)防曇剤の作製方法
表1〜5に記載の等倍量の原材料をビーカーに仕込み、マグネティックスターラー(型式:SR−356;通常型撹拌子使用;ADVANTEC社製)で30℃、300分間撹拌混合して防曇剤1〜13を作製した。
<農業用フィルムの作製>
(1)合成樹脂フィルムの成形
エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:サンテックEF0925;旭化成ケミカルズ社製)1000gを、ラボプラストミル(型式:4C−150;東洋精機製作所社製)を用いて,温度170℃、回転数200rpmの条件にて溶融及び混練後、該混練物をインフレーション成形法により厚さ100μmのフィルムに成形し、その後、該フィルムをコロナ処理機(型式:ASA−4;コロナ処理強度:36dyne;信光電気計装社製)を用いてコロナ処理を行った。
(2)防曇剤の塗布
防曇剤1〜13を、バーコーター(番線の番号:No.07;第一理化社製)を用いて合成樹脂フィルムの片面に塗布した後に、75℃のギヤーオーブン(型式:GPHH−201;ESPEC社製)中で1分間乾燥して防曇層を片面に形成(防曇層の量が0.5g/mに相当)した農業用フィルム1〜13を得た。なお、防曇剤を添加しない農業用フィルムを、農業用フィルム14とした。
<農業用フィルムの評価>
(1)初期防曇性(防曇効果の即効性)の評価
15°の傾斜がついた評価箱(図1の1)の上面に設けられた窓部(図1の2)に、得られた農業用フィルム1〜14(11×11cm)(図2の4)を張って(農業用フィルム1〜13については防曇層が内側になるように張って)該窓部を覆い、該フィルムを張った評価箱を30℃の水を1/2容量程度張った恒温水槽(図1の3)上に設置し、評価箱を設置した恒温水槽(図2)を雰囲気温度が25℃の恒温槽の庫内に入れて初期防曇性を評価した。
初期防曇性として、農業用フィルム1〜14の状態を目視にて観察し、フィルム表面が均一に濡れる(水が薄膜状になり、水摘となっていないこと)までの時間を測定した。測定した時間を下記評価基準で記号化した。結果を表6に示す。なお、結果が〇であると初期防曇性に優れていると言え、◎であると特に優れていると言える。
◎:15分未満
〇:15分以上、30分未満
△:30分以上、45分未満
×:45分以上
(2)長期防曇性の評価
15°の傾斜がついた評価箱(図1の1)の上面に設けられた窓部(図1の2)に、得られた農業用フィルム1〜14(11×11cm)(図2の4)を張って(農業用フィルム1〜13については防曇層が内側になるように張って)該窓部を覆い、該フィルムを張った評価箱を40℃の水を1/2容量程度張った恒温水槽(図1の3)上に設置し、評価箱を設置した恒温水槽(図2)を雰囲気温度が25℃の恒温槽の庫内に入れて、長期防曇性を評価した。
長期防曇性として、農業用フィルムの1日後、14日後、28日後、56日後の状態を目視にて観察し、下記評価基準で評価した。結果については表6に示した。なお、結果が〇であると長期防曇性に優れていると言え、〇+であるとさらに優れており、◎であると最も優れていると言える。
◎ :水滴の付着が、農業用フィルムに見られない
〇+:水滴の付着が、農業用フィルムの面積の15%未満
〇 :水滴の付着が、農業用フィルムの面積の15%以上30%未満
△ :水滴の付着が、農業用フィルムの面積の30%以上50%未満
× :水滴の付着が、農業用フィルムの面積の50%以上
(3)透明性
JIS K7136に準拠した測定方法により、濁度計(型式:NDH2000;日本電色工業社)を用いて、農業用フィルム1〜14を20℃×65%RHに放置して7日後の濁度を測定し、透明性について下記基準に従って評価した。結果は表6に示した。なお、結果が〇であると透明性に優れているといえ、◎であると特に優れていると言える。
◎: 濁度が15.0未満
〇: 濁度が15.0〜17.0
△: 濁度が17.0〜19.0
×: 濁度が19.0以上
表6の結果から明らかなように、防曇剤として実施例である防曇剤1〜9を塗布した農業用フィルム1〜9は、初期防曇性だけでなく、長期間防曇性を有していた。また、農業用フィルムとして適切な透明性を有していた。一方、比較例である防曇剤10及び11を塗布した農業用フィルム10及び11は、初期防曇性は有していたものの、長期防曇性を有していなかった。また防曇剤12及び13を塗布した農業用フィルム12及び13は、長期防曇性を有していないだけでなく、初期防曇性も有していなかった。
本発明によれば、新規な防曇剤等を提供できる。

Claims (2)

  1. (A)コロイド状無機微粒子、(B)水溶性アルカリ金属ケイ酸塩及び(C)合成樹脂を含有する農業用フィルム用塗布型防曇剤であって、(A)コロイド状無機微粒子の固形分100質量部に対し、(B)水溶性アルカリ金属ケイ酸塩の固形分が30〜150質量部、(C)合成樹脂の固形分が30〜150質量部である農業用フィルム用塗布型防曇剤。
  2. 請求項1の塗布型防曇剤を、合成樹脂フィルム表面の少なくとも片面に塗布してなる農業用フィルム。
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