JPWO2018235958A1 - タンパク質の精製方法、タンパク質溶液の製造方法、及びタンパク質成形体の製造方法 - Google Patents

タンパク質の精製方法、タンパク質溶液の製造方法、及びタンパク質成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性溶媒を使用しないタンパク質の精製方法、タンパク質溶液の製造方法、及びタンパク質成形体の製造方法の提供を目的とする。目的タンパク質と夾雑物とが混在する混在物を無機塩及び水と接触させて、該目的タンパク質を溶解し、かつ前記夾雑物を非溶物として含む無機塩水混濁液を得る目的タンパク質抽出工程と、前記無機塩水混濁液を前記目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液と前記夾雑物とに分離する分離工程と、を含むことを特徴とするタンパク質の精製方法。

Description

本発明は、タンパク質の精製方法、タンパク質溶液の製造方法、及びタンパク質成形体の製造方法に関する。
クモ糸タンパク質及びシルクタンパク質等のタンパク質の製造は、組換えタンパク質として宿主細胞に発現させ、抽出及び精製することによって行われることがある。抽出に際して、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性溶媒は、クモ糸タンパク質及びシルクタンパク質等のタンパク質の溶媒として使用されている。また、これら極性溶媒に、溶解促進剤として無機塩を添加することが知られている(例えば、特許文献1〜3)。また、塩化カルシウム/エタノール水溶液が絹フィブロイン(シルクフィブロイン)を溶解することが知られている(非特許文献1)。
特許第5427322号公報 特許第6077569号公報 特許第6077570号公報
AKIYOSHI AJISAW, "Dissolution of silk fibroin with calciumchloride/ethanol aqueous solution" The Journal of Sericultural Science of Japan Vol.67 No.2, 91-94(1998)
DMSOに無機塩(例えば、塩化リチウム)を添加した溶媒は、タンパク質を溶解させる溶媒として極めて優れている。一方、工業的な利用という観点からは、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性溶媒を使用しない若しくは使用量の少ない溶媒が求められている。
本発明は、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性溶媒を使用しないタンパク質の精製方法、タンパク質溶液の製造方法、及びタンパク質成形体の製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、目的タンパク質と夾雑物とが混在する混在物を無機塩及び水と接触させて、該目的タンパク質を溶解し、夾雑物を非溶物として含む無機塩水混濁液を得てから、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液と夾雑物とに分離することによって、有機溶媒を使用せず、タンパク質を抽出及び精製できることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、例えば、以下の各発明に関する。
[1]目的タンパク質と夾雑物とが混在する混在物を無機塩及び水と接触させて、該目的タンパク質を溶解し、かつ夾雑物を非溶物として含む無機塩水混濁液を得る目的タンパク質抽出工程と、無機塩水混濁液を前記目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液と夾雑物とに分離する分離工程と、を含むことを特徴とするタンパク質の精製方法。
[2]無機塩水混濁液がさらにアルコールを含む[1]のタンパク質の精製方法。
[3]前記無機塩混濁溶液のpHを下げる工程が含まれる[1]又は[2]のタンパク質の精製方法。
[4]目的タンパク質抽出工程が、加熱することをさらに含む[1]〜[3]のいずれかのタンパク質の精製方法。
[5]無機塩がアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属硝酸塩及びチオシアン酸塩から選ばれる少なくともーつである[1]〜[4]のいずれかのタンパク質の精製方法。
[6]無機塩が無機塩化物、及び硝酸塩から選ばれる少なくともーつである[1]〜[5]のいずれかのタンパク質の精製方法。
[7]無機塩の濃度が2mol/L〜6mol/Lである[1]〜[6]のいずれかのタンパク質の精製方法。
[8]目的タンパク質が、構造タンパク質である、[1]〜[7]のいずれかのタンパク質の精製方法。
[9]構造タンパク質が、フィブロインである、[8]のタンパク質の精製方法。
[10]構造タンパク質が、クモ糸フィブロインである、[8]又は[9]のタンパク質の精製方法。
[11]精製されたタンパク質水溶液に貧溶媒を添加し、タンパク質を自然沈降させる工程を含む[1]〜[10]のいずれかのタンパク質の精製方法。
[12]タンパク質を発現した宿主細胞と無機塩と水とを接触させて、該タンパク質が溶解した無機塩水溶液を得る工程を含むことを特徴とするタンパク質溶液の製造方法。
[13]タンパク質が溶解した無機塩水溶液は、宿主細胞由来の夾雑物を分離除去する工程を経たものである[12]のタンパク質溶液の製造方法。
[14]タンパク質を含む成形体を製造するに際して、[12]又は[13]のタンパク質が溶解した無機塩水溶液を成形体原料として用いることを特徴とするタンパク質成形体の製造方法。
[15]タンパク質成形体が繊維又はフィルムである[14]のタンパク質成形体の製造方法。
本発明によれば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性溶媒を使用しないこと若しくは、使用量の低減が可能なタンパク質の精製方法、タンパク質溶液の製造方法及びタンパク質成形体の製造方法の提供が可能となる。本発明の方法はジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性溶媒を使用しないこと若しくは、使用量の低減が可能なため、工業的な利用を容易にすることができる。また、本発明のタンパク質の精製方法によれば、夾雑物(例えば菌体)から、有機溶媒を使用することなく目的タンパク質を選択的に抽出及び精製することができる。
実施例1及び2のタンパク質の精製のSDS−PAGEの結果を示す図である。 実施例3の無機塩濃度の調整によるタンパク質の精製のSDS−PAGEの結果を示す図である。 実施例4のpH調整によるタンパク質の精製のSDS−PAGEの結果を示す図である。 実施例5のpH調整によるタンパク質の精製のSDS−PAGEの結果を示す図である。 実施例6の無機塩濃度及び液量の調整によるタンパク質の精製のSDS−PAGEの結果を示す図である。 実施例7の無機塩濃度の調整によるタンパク質の精製のSDS−PAGEの結果を示す図である。 実施例8の無機塩濃度の調整によるタンパク質の精製のSDS−PAGEの結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
{タンパク質の精製方法}
本実施形態に係るタンパク質の精製方法は、目的タンパク質と夾雑物とが混在する混在物を無機塩及び水と接触させて、該目的タンパク質を溶解し、かつ夾雑物を非溶物として含む無機塩水混濁液を得る目的タンパク質抽出工程と、無機塩水混濁液を目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液と夾雑物とに分離する分離工程と、を含む。
〔1.目的タンパク質抽出工程〕
<目的タンパク質>
溶解させるタンパク質(以下、「目的タンパク質」ということもある。)としては、工業規模での製造が好ましい任意のタンパク質を挙げることができる。目的タンパク質としては、例えば、工業用に利用できるタンパク質、医療用に利用できるタンパク質、構造タンパク質等を挙げることができる。工業用又は医療用に利用できるタンパク質の具体例としては、酵素、制御タンパク質、受容体、ペプチドホルモン、サイトカイン、膜又は輸送タンパク質、予防接種に使用する抗原、ワクチン、抗原結合タンパク質、免疫刺激タンパク質、アレルゲン、完全長抗体又は抗体フラグメント若しくは誘導体を挙げることができる。構造タンパク質の具体例としては、クモ糸タンパク質(クモ糸フィブロイン)及びシルクタンパク質(シルクフィブロイン)などのフィブロイン、コラ−ゲン、レシリン、エラスチン、及びケラチン、並びにこれら由来のタンパク質等を挙げることができる。
フィブロイン様タンパク質であるクモ糸タンパク質及びシルクタンパク質、並びにこれら由来のタンパク質として、例えば、式1:[(A)モチーフ−REP]で表されるドメイン配列を含むタンパク質が挙げられる。ここで、式1中、(A)モチーフは、アラニン残基を主とするアミノ酸配列を示し、nは2〜20、好ましくは4〜20、より好ましくは8〜20、更に好ましくは10〜20、更により好ましくは4〜16、更によりまた好ましくは8〜16、特に好ましくは10〜16の整数であってよい。また、(A)モチーフ中の全アミノ酸残基数に対するアラニン残基数の割合は40%以上であればよく、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが更により好ましく、100%(アラニン残基のみで構成されることを意味する。)であってもよい。REPは2〜200アミノ酸残基から構成されるアミノ酸配列を示す。mは2〜300の整数を示す。複数存在する(A)モチーフは、互いに同一のアミノ酸配列でもよく、異なるアミノ酸配列でもよい。複数存在するREPは、互いに同一のアミノ酸配列でもよく、異なるアミノ酸配列でもよい。クモ糸タンパク質及びシルクタンパク質、並びにこれら由来のタンパク質の具体的としては、配列番号1(PRT410)、配列番号2(PRT799)で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質を挙げることができる。
クモ糸タンパク質の一種である横糸タンパク質、及びこれに由来するタンパク質としては、例えば、式2:[REP2]で表されるドメイン配列を含むタンパク質を挙げることができる。ここで、式2中、REP2はGly−Pro−Gly−Gly−Xから構成されるアミノ酸配列を示し、Xはアラニン(Ala)、セリン(Ser)、チロシン(Tyr)及びバリン(Val)からなる群から選ばれる一つのアミノ酸を示す。oは8〜300の整数を示す。横糸タンパク質、及びこれに由来するタンパク質の具体的としては、配列番号3(Recombinant spider silk protein Flag_92_short2)で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質を挙げることができる。配列番号3で示されるアミノ酸配列は、NCBIデータベースから入手したアメリカジョロウグモの鞭毛状絹タンパク質の部分的な配列(NCBIアクセッション番号:AAF36090、GI:7106224)のリピート部分及びモチーフに該当するN末端から1220残基目から1659残基目までのアミノ酸配列(PR1配列と記す。)と、NCBIデータベースから入手したアメリカジョロウグモの鞭毛状絹タンパク質の部分配列(NCBIアクセッション番号:AAC38847、GI:2833649)のC末端から816残基目から907残基目までのC末端アミノ酸配列を結合し、結合した配列のN末端に配列番号8で示されるアミノ酸配列(タグ配列及びヒンジ配列)が付加されたものである。
コラーゲン、及びこれに由来するタンパク質として、例えば、式3:[REP3]pで表されるドメイン配列を含むタンパク質を挙げることができる。ここで、式3中、pは5〜300の整数を示す。REP3は、Gly一X一Yから構成されるアミノ酸配列を示し、X及びYはGly以外の任意のアミノ酸残基を示す。複数存在するREP3は、互いに同一のアミノ酸配列でもよく、異なるアミノ酸配列でもよい。コラーゲン、及びこれに由来するタンパク質の具体的としては、配列番号4(Collagen−type4−Kai)で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質を挙げることができる。配列番号4で示されるアミノ酸配列は、NCBIデータベースから入手したヒトのコラーゲンタイプ4の部分的な配列(NCBIのGenBankのアクセッション番号:CAA56335.1、GI:3702452)のリピート部分及びモチーフに該当する301残基目から540残基目までのアミノ酸配列のN末端に配列番号8で示されるアミノ酸配列(タグ配列及びヒンジ配列)が付加されたものである。
レシリン、及びこれに由来するタンパク質として、例えば、式4:[REP4]qで表されるドメイン配列を含むタンパク質を挙げることができる。ここで、式4中、qは4〜300の整数を示す。REP4はSer一J一J一Tyr一Gly一U−Proから構成されるアミノ酸配列を示す。Jは任意のアミノ酸残基を示し、特にAsp、Ser及びThrからなる群から選ばれるアミノ酸残基であることが好ましい。Uは任意のアミノ酸残基を示し、特にPro、Ala、Thr及びSerからなる群から選ばれるアミノ酸残基であることが好ましい。複数存在するREP4は、互いに同一のアミノ酸配列でもよく、異なるアミノ酸配列でもよい。レシリン、及びこれに由来するタンパク質の具体的としては、配列番号5(Resilin−Kai)で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質を挙げることができる。配列番号5で示されるアミノ酸配列は、レシリン(NCBIのGenBankのアクセッション番号NP 611157、Gl:24654243)のアミノ酸配列において、87残基目のThrをSerに置換し、かつ95残基目のAsnをAspに置換した配列の19残基目から321残基目までのアミノ酸配列のN末端に配列番号8で示されるアミノ酸配列(タグ配列及びヒンジ配列)が付加されたものである。
エラスチン、及びこれに由来するタンパク質として、例えば、NCBIのGenBankのアクセッション番号AAC98395(ヒト)、I47076(ヒツジ)、NP786966(ウシ)等のアミノ酸配列を有するタンパク質を挙げることができる。エラスチン、及びこれに由来するタンパク質の具体的としては、配列番号6(elastin short)で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質を挙げることができる。配列番号6で示されるアミノ酸配列は、NCBIのGenBankのアクセッション番号AAC98395のアミノ酸配列の121残基目から390残基目までのアミノ酸配列のN末端に配列番号8で示されるアミノ酸配列(タグ配列及びヒンジ配列)が付加されたものである。ケラチンの組換えポリペプチドとして、例えば、カプラ・ヒルクス(Capra hircus)のタイプIケラチン等を挙げることができる。ケラチンの組換えポリペプチドの具体例としては、配列番号7で示されるアミノ酸配列(NCBIのGenbankのアクセッション番号ACY30466のアミノ酸配列)を含むタンパク質を挙げることができる。
目的タンパク質としては、溶解性がより優れるという観点から、クモ糸タンパク質及びシルクタンパク質、並びにこれら由来のタンパク質等のフィブロイン様タンパク質が好ましく、クモ糸タンパク質、及びこれに由来するタンパク質がより好ましい。目的タンパク質は、例えば、遺伝子工学的手法を用いた一般的な方法により取得できる。具体的には、例えば、目的タンパク質(例えば、組換えクモ糸タンパク質)は、組換えの対象となる天然型クモ糸タンパク質をコードする遺伝子を含有する発現ベクターで形質転換した宿主を用いて製造することができる。遺伝子の製造方法としては、特に制限さないが、例えば、天然型クモ糸タンパク質をコードする遺伝子をクモ由来の細胞からポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等で増幅してクローニングする方法、及び化学的に合成する方法が挙げられる。
遺伝子の化学的な合成方法としては、特に制限されないが、例えば、NCBIのウェブデータベース等より入手した天然型クモ糸タンパク質のアミノ酸配列情報をもとに、AKTA oligopilot plus 10/100(GEヘルスケア・ジャパン株式会社)等で自動合成したオリゴヌクレオチドをPCR等で連結して合成する方法が挙げられる。目的タンパク質には、タンパク質の精製及び確認を容易にするため、アミノ酸配列のN末端に開始コドン及びHis10タグからなるアミノ酸配列を付加してもよい。発現ベクターとしては、DNA配列からタンパク質を発現し得るプラスミド、ファージ又はウイルス等の発現ベクターを用いることができる。プラスミド型発現ベクターとしては、宿主細胞内で目的の遺伝子が発現し、かつそれ自体が増幅することのできるものであればよく、特に限定されない。具体的には、例えば、宿主として大腸菌Rosetta(DE3)を用いる場合は、pET22b(+)プラスミドベクター、pColdプラスミドベクター等を用いることができる。プラスミド型発現ベクターとしては、タンパク質の生産性に優れるという観点から、pET22b(+)プラスミドベクターを用いることが好ましい。宿主としては、例えば、動物細胞、植物細胞、微生物等を用いることができる。
目的タンパク質を発現した宿主細胞から当該目的タンパク質を溶解するために添加する本発明に係る無機塩及び水の添加量は特に制限されるものではないが、目的タンパク質の溶解性を高める観点から、例えば、宿主細胞の重量(g)に対するタンパク質溶解用溶媒の体積(mL)の比(体積(mL)/重量(g))として、5倍以上であることが好ましく、7倍以上であることがより好ましく、10倍以上であることが更に好ましい。タンパク質溶解用溶媒を添加する際の宿主細胞は、乾燥した状態でもよく、湿った状態でもよい。
<目的タンパク質と夾雑物とが混在する混在物>
目的タンパク質と夾雑物とが混在する混在物は、例えば目的タンパク質を発現した宿主細胞若しくは、目的タンパク質を発現した宿主細胞の破砕物と目的タンパク質が分散したもの等のことをいう。
夾雑物は、特に限定されず目的タンパク質以外の物質であり、例えば、目的タンパク質を発現した宿主細胞由来のタンパク質等のことをいう。
非溶物は、特に限定されず、前記無機塩水溶液に溶解していない目的タンパク質を発現した宿主細胞由来のタンパク質等のことをいう。
<無機塩>
無機塩としては、例えば、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属硝酸塩、及びチオシアン酸塩が挙げられる。より具体的には、無機塩は、例えば、リン酸アルミニウム、炭酸リチウム、炭酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、酢酸第二鉄、酢酸アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、水酸化第一鉄、水酸化マンガン、水酸化クロム、水酸化第二鉄、水酸化アルミニウム、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化亜鉛、塩化第一鉄、塩化マンガン、塩化クロム、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、硝酸リチウム、硝酸ストロンチウム、硝酸ニッケル、硝酸カルシウム、硝酸コバルト、硝酸亜鉛、硝酸マグネシウム、硝酸第一鉄、硝酸マンガン、硝酸クロム、硝酸第二鉄、硝酸アルミニウム、臭化リチウム、臭化バリウム、臭化ストロンチウム、臭化ニッケル、臭化カルシウム、臭化コバルト、臭化亜鉛、臭化マグネシウム、臭化第一鉄、臭化マンガン、臭化クロム、臭化第二鉄、臭化アルミニウム、塩素酸バリウム、塩素酸ストロンチウム、塩素酸ニッケル、塩素酸カルシウム、塩素酸コバルト、塩素酸亜鉛、塩素酸マグネシウム、塩素酸第一鉄、塩素酸マンガン、塩素酸クロム、塩素酸第二鉄、塩素酸アルミニウム、ヨウ化ルビジウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化銅、ヨウ化リチウム、ヨウ化バリウム、ヨウ化ストロンチウム、ヨウ化ニッケル、ヨウ化カルシウム、ヨウ化コバルト、ヨウ化亜鉛、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化第一鉄、ヨウ化マンガン、ヨウ化クロム、ヨウ化第二鉄、ヨウ化アルミニウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸鉛、過塩素酸銅、過塩素酸リチウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸ストロンチウム、過塩素酸ニッケル、過塩素酸カルシウム、過塩素酸コバルト、過塩素酸亜鉛、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸第一鉄、過塩素酸マンガン、過塩素酸クロム、過塩素酸第二鉄、過塩素酸アルミニウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸鉛、チオシアン酸銅、チオシアン酸リチウム、チオシアン酸バリウム、チオシアン酸ストロンチウム、チオシアン酸ニッケル、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸コバルト、チオシアン酸亜鉛、チオシアン酸マグネシウム、チオシアン酸第一鉄、チオシアン酸マンガン、チオシアン酸クロム、チオシアン酸第二鉄、チオシアン酸アルミニウム、シアン酸アンモニウム、シアン酸セシウム、シアン酸ルビジウム、シアン酸カリウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸鉛、シアン酸銅、シアン酸リチウム、シアン酸バリウム、シアン酸ストロンチウム、シアン酸ニッケル、シアン酸カルシウム、シアン酸コバルト、シアン酸亜鉛、シアン酸マグネシウム、シアン酸第一鉄、シアン酸マンガン、シアン酸クロム、シアン酸第二鉄、及びシアン酸アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。
無機塩としては、無機塩化物及び硝酸塩から選ばれる少なくともーつであることが好ましい。無機塩化物としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、又は塩化マグネシウム等が挙げられる。硝酸塩としては、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、又は硝酸マグネシウム等が挙げられる。
目的タンパク質の抽出性向上の観点及び粉末の溶解性向上の観点から、さらに好ましくは、無機塩が塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、又は硝酸カルシウムから選ばれる少なくとも一つである。
本実施形態に係る無機塩水溶液は、溶解性に優れているため、無機塩の濃度は特に限定されないが溶解性向上の観点から1mol/L以上であってもよく、2mol/L以上であってもよく、3mol/L以上であってもよく、4mol/L以上であってもよく、5mol/L以上であってもよい。
無機塩の添加によるコスト低減の観点から10mol/L以下であってもよく、9mol/L以下であってもよく、8mol/L以下であってもよく、7mol/L以下であってもよく、6mol/L以下でであってもよい。
無機塩の濃度を上記の範囲内、例えば、1mol/L〜10mol/L、2mol/L〜8mol/L、2mol/L〜6mol/L、3mol/L〜8mol/L、又は3mol/L〜7mol/Lに調整することにより、上述したコスト低減の効果をより一層顕著に発揮することができる。無機塩濃度の下限は、2mol/L以上であれば、充分に優れたタンパク質の溶解性を示すことができる。塩化カルシウム濃度の上限は、タンパク質の溶解性に加えて、コスト低減の観点から、6mol/L以下であることが好ましい。
水は、特に限定されないが、タンパク質溶液中の夾雑物を低減するという観点から、例えば純水、蒸留水、又は超純水であってもよい。
アルコールを使用することにより、抽出に必要な無機塩の添加量を低減することができる。水と組み合わせるアルコールは、炭素数1〜6の低級アルコール、特にエタノールであってもよい。
アルコールの割合は、水とアルコールが相分離しない範囲で設定すればよいが、例えば、抽出溶媒、又は得られるタンパク質溶液の質量を基準として、10質量%以上、又は20質量%以上であってもよく、50質量%以下、40質量%以下又は30質量%以下であってもよい。
目的タンパク質と夾雑物とが混在する混在物を無機塩及び水と接触させる方法に関しては、特に限定されず、混在物に無機塩及び水を添加してもよく、水に無機塩及び混在物を添加してもよく、また添加の順番を問わない。目的タンパク質と夾雑物とが混在する混在物を無機塩と水とを接触させた水溶液のpHを低下さることによって、水溶液中に抽出される目的タンパク質量が増加する。
水溶液のpHを低下させる方法は、特に限定されない。例えば、前記水溶液に酸性化合物、水、pH緩衝剤、又はその他のpH調整剤を加える方法によって、pHを低下させることができる。
前記水溶液のpHを低下させる幅は、目的タンパク質と夾雑物とが混在する混在物を無機塩と水とを接触させた水溶液から目的タンパク質が抽出されるように、調整される。水溶液のpHの低下幅は、特に限定されず、3.0以下、2.7以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、及び1.0以下であってもよい。
pHを低下させるためにタンパク質水溶液に添加され得る酸性化合物の種類は、特に限定されない。酸性化合物は、例えば、硝酸、EDTAからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。
目的タンパク質と夾雑物とが混在する混在物を無機塩及び水と接触させてから、加熱してもよい。加熱方法は特に限定されず、目的タンパク質の抽出時に所定の温度を保持できればよい。また更に撹拌することが含まれていてもよい。
加熱温度は特に限定されず、目的とするタンパク質の種類に応じて、たとえば加熱温度は60℃以上、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上である。また目的タンパク質の分解を抑制し、目的タンパク質の純度向上の観点から、目的タンパク質の種類に応じて、たとえば130℃以下、好ましくは110℃以下、さらに好ましくは90℃以下である。
目的タンパク質を溶解させる時間は特に限定されず、効率よく目的タンパク質を得る観点及び菌体死菌化の観点から、目的とする組換えタンパク質の種類に応じて、たとえば0.5時間以上、好ましくは1時間以上、さらに好ましくは2時間以上である。また目的タンパク質の分解を抑制し、作業効率向上の観点から、目的タンパク質の種類に応じて、たとえば15時間以下、好ましくは10時間以下、さらに好ましくは5時間以下である。
〔2.分離工程〕
目的タンパク質抽出工程で得られた目的タンパク質を溶解し、かつ夾雑物を非溶物として含む無機塩水混濁液を、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液と夾雑物とに分離する方法は、特に限定されず、適宜な分離手段、例えば、自然沈降(沈殿)、遠心分離又は濾過を用いて凝集体を分離することができる。遠心分離の条件は、特に限定されない。例えば、(80±5℃)、1000×g〜15000×gで5〜30分間行うことができる。不溶物の分離は2回以上行ってもよい。
<貧溶媒>
貧溶媒を無機塩水溶液に添加することで目的タンパク質の純度を向上することができる、貧溶媒は特に限定されず、目的タンパク質を析出されるように、調整される。貧溶媒は、例えば、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、アルコール(エタノール)等が挙げられる。
{タンパク質溶液の製造方法}
本実施形態に係るタンパク質溶液の製造方法は、タンパク質を発現した宿主細胞と無機塩と水とを接触させて、該タンパク質が溶解した無機塩水溶液を得る工程を含むことを特徴とする。ここのタンパク質は上記の目的タンパク質と同じである。また、タンパク質を発現した宿主細胞、無機塩及び水は、[1.目的タンパク質抽出工程]に記載されている通りである。
無機塩水溶液、[2.分離工程]に記載されている通りである。無機塩水溶液は、[2.分離工程]に記載の分離方法によって、宿主細胞由来の夾雑物を分離除去する工程を経たものであることが好ましい。
{タンパク質成形体の製造方法}
本実施形態に係るタンパク質成形体の製造方法は、上記目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(タンパク質溶液)を成形体原料として用いることを特徴とする。
<タンパク質成形体>
本実施形態に係るタンパク質溶液は、例えば、成形体原料として用いることができる。本実施形態に係る成形体原料は、紡糸に用いることができ、またキャストフィルム液等として有用である。本実施形態に係る成形体原料は、例えば、タンパク質溶液の粘度を、紡糸できる粘度に調整して製造される。タンパク質溶液の粘度は、例えば、100〜10,000cP(センチポイズ)である。タンパク質溶液の粘度の調整は、例えば、溶液中のタンパク質の濃度を調整することで行うことができる。タンパク質溶液の粘度は、例えば、京都電子工業社製の商品名“EMS粘度計”を使用して測定することができる。
本実施形態のタンパク質成形体が繊維又はフィルムであることが好ましい。本実施形態に係るタンパク質繊維の製造方法は、本発明に係るタンパク質溶液を成形体原料とし、凝固液に押し出し、未延伸糸を得る工程(以下、「紡糸工程」ともいう。)を含む。本実施形態に係る製造方法は、未延伸糸を延伸する工程(以下、「延伸工程」ともいう。)を更に含むものであってもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<材料>〔(1)改変フィブロイン発現株の作製〕
(プラスミド型発現株の作製)
ネフィラ・クラビペス(Nephila clavipes)由来のフィブロイン(GenBankアクセッション番号:P46804.1、GI:1174415)の塩基配列及びアミノ酸配列に基づき、配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する改変フィブロイン(以下、「PRT410」ともいう。)を設計した。配列番号1で示されるアミノ酸配列は、ネフィラ・クラビペス由来のフィブロインのアミノ酸配列に対して、生産性の向上を目的としてアミノ酸残基の置換、挿入及び欠失を施したアミノ酸配列を有し、さらにN末端に配列番号8で示されるアミノ酸配列(タグ配列及びヒンジ配列)が付加されている。
次に、PRT410をコードする核酸を合成した。当該核酸には、5’末端にNdeIサイト及び終止コドン下流にEcoRIサイトを付加した。当該核酸をクローニングベクター(pUC118)にクローニングした。その後、同核酸をNdeI及びEcoRIで制限酵素処理して切り出した後、タンパク質発現ベクターpET−22b(+)に組換えて発現ベクターを得た。
配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する改変フィブロイン(以下、「PRT799」ともいう。)についても同様にタンパク質発現ベクターpET−22b(+)に組換えて発現ベクターを得た。
(タンパク質の発現)
配列番号1及び2で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸を含むpET22b(+)発現ベクターで、大腸菌BLR(DE3)を形質転換した。当該形質転換大腸菌を、アンピシリンを含む2mLのLB培地で15時間培養した。当該培養液を、アンピシリンを含む100mLのシード培養用培地(表1)にOD600が0.005となるように添加した。培養液温度を30℃に保ち、OD600が5になるまでフラスコ培養を行い(約15時間)、シード培養液を得た。
当該シード培養液を500mLの生産培地(表2)を添加したジャーファーメンターにOD600が0.05となるように添加した。培養液温度を37℃に保ち、pH6.9で一定に制御して培養した。また培養液中の溶存酸素濃度を、溶存酸素飽和濃度の20%に維持するようにした。
生産培地中のグルコースが完全に消費された直後に、フィード液(グルコース455g/1L、Yeast Extract 120g/1L)を1ml/分の速度で添加した。培養液温度を37℃に保ち、pH6.9で一定に制御して培養した。また培養液中の溶存酸素濃度を、溶存酸素飽和濃度の20%に維持するようにし、20時間培養を行った。その後、1Mのイソプロピル−β−チオガラクトピラノシド(IPTG)を培養液に対して終濃度1mMになるよう添加し、目的のタンパク質を発現誘導させた。IPTG添加後20時間経過した時点で、培養液を遠心分離し、菌体を回収した。IPTG添加前とIPTG添加後の培養液から調製した菌体を用いてSDS−PAGEを行い、IPTG添加に依存した目的とするタンパク質サイズのバンドの出現により、目的とするタンパク質の発現を確認した。
実施例1 タンパク質の精製(1)
(無機塩によるタンパク質の精製)
IPTGを添加してから2時間後に回収した菌体を20mM Tris−HCl buffer(pH7.4)で洗浄し菌体を取得した。上記のようにして得られた、目的タンパク質(改変フィブロインPRT799)を発現している組換え大腸菌の湿菌体を10g計りとり、溶媒を添加した。溶媒として、水(100mL)、3M 塩化カルシウム(CaCl)を含む水溶液を使用した。
溶媒の添加後、80℃で2時間撹拌しながら熱溶解させた。熱溶解終了後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、夾雑物と、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)(改変フィブロイン抽出液)とを分離した。
分離した夾雑物に1/5倍量の3M 塩化カルシウム(CaCl)水溶液を添加し、遠心分離機により11000×gで10分間遠心することで、夾雑物(ろ過残渣)と目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(2)(改変フィブロイン抽出液)を分離した。
目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)と(2)とを統合し、3倍量の85%エタノール、又は1/2倍量の7M 酢酸カリウムを目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液に混和後、30分間静置した。その後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、固形分を目的タンパク質として取得し、粉末化した。
(SDS−PAGEによる解析)
得られた改変フィブロイン抽出液について、SDS−PAGEによる解析を行った。解析結果は図1のレーンNo.1(3倍量の85%エタノール)及びレーンNo.2(1/2倍量の7M 酢酸カリウム)に示す。
<SDS−PAGE>
改変フィブロイン抽出液(Extraction solution)について、BCA法による測定から得られた結果を基に、タンパク質濃度が10mg/mLになるようにSDS−PAGE用サンプルを調製した。Mini−PROTEAN(登録商標) Tetra SystemにMini−PROTEAN(登録商標)
TGX(登録商標) Gelsをセットし、調製した各SDS−PAGE用サンプルをロードし、電気泳動を行った。電気泳動終了後、Gel DOC(登録商標) EZ Imagerで解析を行った。結果を図1に示す。
図1の左の写真は、電気泳動後、全てのタンパク質を染色可能なOriole(商標)蛍光ゲルステイン(Bio−Rad社製)で染色したもの、図1の右の写真は、電気泳動後、PRT799のHisタグ領域に反応するInVision(商標)Hisタグ付きゲル内染色試薬(Thermo Fisher Scientific社製)で染色したものである。PRT799(理論分子量:211.4kDa)は、250kDaの分子量マーカの付近にバンドとして検出された。
実施例2 タンパク質の精製(2)
(無機塩及びエタノールによるタンパク質の精製)
上記のようにして得られた、目的タンパク質PRT799(改変フィブロイン)を発現している組換え大腸菌の湿菌体を10g計りとり、溶媒を添加した。溶媒として、水(80mL)、1M 塩化カルシウム(CaCl)、エタノール(20mL)を含む水溶液を使用した。
溶媒の添加後、80℃で2時間撹拌しながら熱溶解させた。熱溶解終了後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、夾雑物と、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)(改変フィブロイン抽出液)を分離した。
分離した夾雑物に1/5倍量の1M 塩化カルシウム(CaCl)(80mL)、エタノール(20mL)を含む水溶液を添加し、遠心分離機により11000×gで10分間遠心することで、夾雑物と、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(2)(改変フィブロイン抽出液)を分離した。
目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)と(2)とを統合し、3倍量の85%エタノール、又は1/2倍量の7M 酢酸カリウムを目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液に混和後、30分間静置した。その後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、固形分を目的タンパク質として取得し、粉末化した。
(SDS−PAGEによる解析)
得られた改変フィブロイン抽出液について、上記「SDS−PAGEによる解析」と同様の方法により解析を行った。解析結果は図1レーンNo.3(3倍量の85%エタノール)及びレーンNo.4(1/2倍量の7M 酢酸カリウム)に示す。エタノールの添加により、無機塩の添加量を低減できることが確認された。また、図1より抽出溶媒を1M CaCl 20%エタノールとし、析出用貧溶媒をエタノールとすることで純度向上が確認された。
実施例3 無機塩濃度の調整によるタンパク質の精製(1)
上記のようにして得られた、目的タンパク質(改変フィブロイン)を発現している組換え大腸菌の湿菌体を10g計りとり、溶媒を添加した。溶媒として、水(100mL)、0M、1M、2M、3M、4M、5M、又は6Mの塩化カルシウム(CaCl)を含む水溶液を使用した。
溶媒の添加後、80℃で2時間撹拌しながら熱溶解させた。熱溶解終了後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、夾雑物と、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)と(改変フィブロイン抽出液)を分離した。
分離した夾雑物に1/5倍量の3Mの塩化カルシウム(CaCl)水溶液を添加し、遠心分離機により11000×gで10分間遠心することで、夾雑物と、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(2)(改変フィブロイン抽出液)を分離した。
目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)と(2)とを統合し、1/2倍量の7M酢酸カリウムを目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液に混和後、30分間静置した。その後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、固形分を目的タンパク質として取得し、粉末化した。
(SDS−PAGEによる解析)
得られた改変フィブロイン抽出液について、上記「SDS−PAGEによる解析」と同様の方法により解析を行った。レーンNo.1〜6はそれぞれ1M、2M、3M、4M、5M、又は6Mのサンプルに対応している。解析結果は図2に示す。無機塩の添加量により抽出効率が向上することが確認された。
実施例4 pH調整によるタンパク質の精製(1)
(異なるpHの無機塩水溶液によるタンパク質の精製)
上記のようにして得られた、目的タンパク質PRT410(改変フィブロイン)を発現している組換え大腸菌の乾燥菌体を10g計りとり、溶媒を添加した。溶媒として、
(1)水(100mL)、2Mの硝酸マグネシウム(Mg(NO)を含む水溶液(pH4.2)、
(2)水(100mL)、2Mの硝酸マグネシウム、10mMのEDTAを含む水溶液(pH4.0)、
(3)水(100mL)、2Mの硝酸マグネシウム、30mMのEDTAを含む水溶液(pH3.7)、又は
(4)水(100mL)、2Mの硝酸マグネシウム、0.3%の硝酸を含む水溶液(pH3.4)
を使用した。
溶媒の添加後、80℃で2時間撹拌しながら熱溶解させた。熱溶解終了後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、夾雑物と、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)(改変フィブロイン抽出液)を分離した。
分離した夾雑物に1/5倍量の3M 塩化カルシウム(CaCl)水溶液を添加し、遠心分離機により11000×gで10分間遠心することで、夾雑物と、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(2)(改変フィブロイン抽出液)を分離した。
目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)と(2)とを統合し、1/2倍量の7M 酢酸カリウムを目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液に混和後、30分間静置した。その後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、固形分を目的タンパク質として取得し、粉末化した。
(SDS−PAGEによる解析)
得られた改変フィブロイン抽出液について、上記「SDS−PAGEによる解析」と同様の方法により解析を行った。解析結果は図3に示す。レーンNo.1〜4はそれぞれ水溶液(1)〜(4)に対応している。PRT410(理論分子量:53.6kDa)は、50〜60kDaの分子量マーカの付近にバンドとして検出された。pHの調整により抽出効率が向上することが確認された。
実施例5 pH調整によるタンパク質の精製(2)
上記のようにして得られた、目的タンパク質PRT410(改変フィブロイン)を発現している組換え大腸菌の湿菌体を10g計りとり、溶媒を添加した。溶媒として、
(1)水(100mL)、2Mの硝酸マグネシウム(Mg(NO3)2)、を含む水溶液(pH5.4)、
(2)水(100mL)、2Mの硝酸マグネシウム、硝酸(1mL)を含む水溶液(pH3.8)、
(3)水(100mL)、2Mの硝酸マグネシウム、硝酸(2mL)を含む水溶液(pH3.5)、又は
(4)水(100mL)、2Mの硝酸マグネシウム、硝酸(3mL)を含む水溶液(pH2.7)
を使用した。
溶媒の添加後、80℃で2時間撹拌しながら熱溶解させた。熱溶解終了後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、夾雑物と、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)(改変フィブロイン抽出液)を分離した。
分離した夾雑物に1/5倍量の3M塩化カルシウム(CaCl)水溶液を添加し、遠心分離機により11000×gで10分間遠心することで、夾雑物と目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(2)(改変フィブロイン抽出液)を分離した。
目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)と(2)とを統合し、1/2倍量の7M酢酸カリウムを目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液に混和後、30分間静置した。その後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、固形分を目的タンパク質として取得し、粉末化した。
(SDS−PAGEによる解析)
得られた改変フィブロイン抽出液、及びろ過残渣について、上記「SDS−PAGEによる解析」と同様の方法により解析を行った。解析結果は図4に示す。レーンNo.1〜4はそれぞれ水溶液(1)〜(4)に対応している。pHの調整により抽出効率が向上することが確認された。
実施例6 無機塩濃度及び液量の調整によるタンパク質の精製
上記のようにして得られた、目的タンパク質PRT410(改変フィブロイン)を発現している組換え大腸菌の湿菌体を10g計りとり、溶媒を添加した。溶媒として、
(1)水(100mL)、2.0Mの硝酸マグネシウム(Mg(NO3)2)を含む水溶液、
(2)水(100mL)、2.5Mの硝酸マグネシウムを含む水溶液、
(3)水(100mL)、3.0Mの硝酸マグネシウムを含む水溶液、
(4)水(200mL)、2.0Mの硝酸マグネシウム(Mg(NO3)2)を含む水溶液、
(5)水(200mL)、2.5Mの硝酸マグネシウムを含む水溶液、又は
(6)水(200mL)、3.0Mの硝酸マグネシウムを含む水溶液、
を使用した。
溶媒の添加後、80℃で2時間撹拌しながら熱溶解させた。熱溶解終了後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、夾雑物と、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)(改変フィブロイン抽出液と)を分離した。
分離した夾雑物に1/5倍量の3Mの塩化カルシウム(CaCl)水溶液を添加し、遠心分離機により11000×gで10分間遠心することで、夾雑物と、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(2)(改変フィブロイン抽出液と)を分離した。
目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)と(2)とを統合し、1/2倍量の7M酢酸カリウムを目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液に混和後、30分間静置した。その後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、固形分を目的タンパク質として取得し、粉末化した。
(SDS−PAGEによる解析)
得られた改変フィブロイン抽出液、及びろ過残渣について、上記「SDS−PAGEによる解析」と同様の方法により解析を行った。解析結果は図5に示す。レーンNo.1〜6はそれぞれ水溶液(1)〜(6)に対応している。無機塩の濃度、液量の違いにより抽出効率が向上することが確認された。
実施例7 無機塩濃度の調整によるタンパク質の精製(2)
上記のようにして得られた、目的タンパク質PRT410(改変フィブロイン)を発現している組換え大腸菌の乾燥菌体を10g計りとり、溶媒を添加した。溶媒として、
(1)水(100mL)、3.0Mの硝酸マグネシウム(Mg(NO3)2)を含む水溶液、
(2)水(100mL)、1.0Mの塩化マグネシウム(MgCl2)を含む水溶液、
(3)水(100mL)、2.0Mの硝酸マグネシウムを含む水溶液、
(4)水(100mL)、3.0Mの硝酸マグネシウムを含む水溶液、又は
(5)水(100mL)、4.0Mの硝酸マグネシウムを含む水溶液、
を使用した。
溶媒の添加後、80℃で2時間撹拌しながら熱溶解させた。熱溶解終了後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、夾雑物と、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)(改変フィブロイン抽出液)とを分離した。
分離した夾雑物に1/5倍量の3M塩化カルシウム(CaCl)水溶液を添加し、遠心分離機により11000×gで10分間遠心することで、夾雑物と、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(2)(改変フィブロイン抽出液)とを分離した。
目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)と(2)とを統合し、1/2倍量の7M酢酸カリウムを目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液に混和後、30分間静置した。その後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、固形分を目的タンパク質として取得し、粉末化した。
(SDS−PAGEによる解析)
得られた改変フィブロイン抽出液について、上記「SDS−PAGEによる解析」と同様の方法により解析を行った。解析結果は図6に示す。レーンNo.1〜5はそれぞれ水溶液(1)〜(5)に対応している。無機塩の種類、濃度の違いにより抽出効率が向上することが確認された。
実施例8 無機塩濃度の調整によるタンパク質の精製(3)
上記のようにして得られた、目的タンパク質PRT410(改変フィブロイン)を発現している組換え大腸菌の乾燥菌体を10g計りとり、溶媒を添加した。溶媒として、
(1)水(100mL)、3.0Mの硝酸マグネシウム(Mg(NO3)2)を含む水溶液、
(2)水(100mL)、1.0Mの塩化マグネシウム(MgCl2)を含む水溶液、
(3)水(100mL)、1.0Mの塩化カルシウム(CaCl2)を含む水溶液、
(4)水(100mL)、2.0Mの塩化カルシウムを含む水溶液、
(5)水(100mL)、3.0Mの塩化カルシウムを含む水溶液、又は
(6)水(100mL)、4.0Mの塩化カルシウムを含む水溶液、
を使用した。
溶媒の添加後、80℃で2時間撹拌しながら熱溶解させた。熱溶解終了後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、夾雑物と、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)(改変フィブロイン抽出液)とを分離した。
分離した夾雑物に1/5倍量の3M 塩化カルシウム(CaCl)水溶液を添加し、遠心分離機により11000×gで10分間遠心することで、夾雑物と、目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(2)(改変フィブロイン抽出液)とを分離した。
目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液(1)と(2)とを統合し、1/2倍量の7M酢酸カリウムを目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液に混和後、30分間静置した。その後、遠心分離機により2500×gで10分間遠心することで、固形分を目的タンパク質として取得した。
(SDS−PAGEによる解析)
得られた改変フィブロイン抽出液ついて、上記「SDS−PAGEによる解析」と同様の方法により解析を行った。解析結果は図7に示す。レーンNo.1〜6はそれぞれ水溶液(1)〜(6)に対応している。無機塩の種類、濃度の違いにより抽出効率が向上することが確認された。

Claims (15)

  1. 目的タンパク質と夾雑物とが混在する混在物を無機塩及び水と接触させて、該目的タンパク質を溶解し、かつ前記夾雑物を非溶物として含む無機塩水混濁液を得る目的タンパク質抽出工程と、前記無機塩水混濁液を前記目的タンパク質が溶解した無機塩水溶液と前記夾雑物とに分離する分離工程と、を含むことを特徴とするタンパク質の精製方法。
  2. 前記無機塩水混濁液がさらにアルコールを含む請求項1に記載のタンパク質の精製方法。
  3. 前記無機塩水混濁液のpHを下げる工程をさらに含む請求項1又は2に記載のタンパク質の精製方法。
  4. 目的タンパク質抽出工程が、加熱することをさらに含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンパク質の精製方法。
  5. 前記無機塩がアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属硝酸塩及びチオシアン酸塩から選ばれる少なくともーつである請求項1〜4のいずれか一項に記載のタンパク質の精製方法。
  6. 前記無機塩が無機塩化物、及び硝酸塩から選ばれる少なくともーつである請求項1〜5のいずれか一項に記載のタンパク質の精製方法。
  7. 前記無機塩水混濁液における無機塩の濃度が2mol/L〜6mol/Lである請求項1〜6のいずれか一項に記載のタンパク質の精製方法。
  8. 前記目的タンパク質が、構造タンパク質である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のタンパク質の精製方法。
  9. 前記構造タンパク質が、フィブロインである、請求項8に記載のタンパク質の精製方法。
  10. 前記構造タンパク質が、クモ糸フィブロインである、請求項8又は9に記載のタンパク質の精製方法。
  11. 分離工程で得られた前記無機塩水溶液に貧溶媒を添加し、タンパク質を自然沈降させる工程をさらに含む請求項1〜10のいずれか一項に記載のタンパク質の精製方法。
  12. タンパク質を発現した宿主細胞と無機塩と水とを接触させて、該タンパク質が溶解した無機塩水溶液を得る工程を含むことを特徴とするタンパク質溶液の製造方法。
  13. 前記タンパク質が溶解した無機塩水溶液が前記宿主細胞由来の夾雑物を分離除去する工程を経たものである請求項12に記載のタンパク質溶液の製造方法。
  14. タンパク質を含む成形体を製造するに際して、請求項12又は13に記載のタンパク質が溶解した無機塩水溶液を成形体原料として用いることを特徴とするタンパク質成形体の製造方法。
  15. 前記タンパク質成形体が繊維又はフィルムである請求項14に記載のタンパク質成形体の製造方法。
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