JP2019195327A - 枯草菌(bacillus subtilis)において真正で生物活性を有する塩基性線維芽細胞増殖因子を発現させる方法及び手段 - Google Patents

枯草菌(bacillus subtilis)において真正で生物活性を有する塩基性線維芽細胞増殖因子を発現させる方法及び手段 Download PDF

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Abstract

【課題】塩基性線維芽細胞増殖因子を生成する、費用効率の高い方法を提供する。【解決手段】146個のアミノ酸を備え、C末端又はN末端に何の修飾もなく、真正で生物活性を有するヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を生成する方法を開示する。該方法は、枯草菌宿主を提供するステップと、5’末端から3’末端までセルロース結合ドメイン(CellBD)、インテイン配列、及びbFGFポリペプチドをコードするDNAからなるインサートを含むDNA構築物を、枯草菌宿主に導入することにより、形質転換された枯草菌宿主を生成するステップと、形質転換された枯草菌宿主に振とうフラスコ培養プロセス又は流加発酵プロセスを行うステップと、を含む。【選択図】図1

Description

関連出願
本願は、2018年5月7日に出願された香港出願番号No.18105835.8の優先権を主張し、その内容のすべてがここに組み込まれる。
(配列表)
本願は、ASCIIフォーマットで電子出願された配列表を含み、かつそのすべてが参照によってここに組み込まれる。上記ASCIIコピーは、2019年3月15日付で作成されており、G02−008A 190315 Sequencelisting.txtと名付けられ、ファイルサイズが5KBである。
本発明は、枯草菌における真正で生物活性を有する塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の発現に関し、bFGFが146個のアミノ酸残基を備える。
塩基性線維芽細胞増殖因子は、機能が汎用的であるが、現在非常に高価なポリペプチドである。従来、ポリペプチドの生成方法が既に提案されているが、このような提案の多くは、天然の特徴を有する、真正で生物活性を有する線維芽細胞増殖因子の生成に関するものではない。換言すれば、このような提案の多くは、天然のポリペプチドと類似しないか又は類似の効果を有しない類似体又はアイソフォームしか生成することができない。いくつかの場合に、ポリペプチド又は類似体の生成に起因する安全上の問題も存在する。例えば、いくつかの提案では、望ましくない副生成物、例えば有毒物質を生成する生物学的システムを使用し、これらは、人々の応用に適合しないヒト塩基性線維芽細胞増殖因子の分離に依存する。
一方、組換えタンパク質の費用対効果的な(cost−effective)生産は、製品が市場で広く利用可能な前提条件である。塩基性線維芽細胞増殖因子は、血管新生、創傷治癒及び軟骨形成を含む様々な生理的プロセスにおいて、重要な役割を果たすユニバーサルタンパク質として示されるが、予想どおりに一般的に利用されていない。例えば、真正なヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)は、146個のアミノ酸残基を含む16.5kDaのタンパク質(SEQ ID NO.1−NHPALPEDGGSG|10AFPPGHFKDP|20KRLYCKNGGF|30FLRIHPDGRV|40DGVREKSDPH|50IKLQLQAEER|60GVVSIKGVCA|70NRYLAMKED|80GRLLASKCVT|90DECFFFERLE|100SNNYNTYRSR|110KYTSWYVALK|120RTGQYKLGSK|130TGPGQKAILFL|140PMSAKS−COOH)である。しかしながら、実質的には、様々な分子サイズのbFGFの構造類似体のみは、商業的用途に利用可能である。それは、一般的なクローニング方法を利用すると、bFGFを生成する費用対効果的な処理プロトコルを確立できないからである。したがって、bFGFは、スキンケア又は治療用途に一般的に利用されていない。しかしながら、信じられないが、真正ではないにもかかわらず、bFGF類似体は、本願の出願時点で1mgあたり約1300〜2000ドルの非常に高い価格で販売されている。したがって、市場では費用対効果的なbFGFの供給によってのみ、その不合理的な高価格を低下させることができる。
本発明は、上記問題を解決したり、少なくとも公衆に代替手段を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、146個のアミノ酸を備え、C末端又はN末端に何の修飾もなく、真正で生物活性を有するヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を細胞内に生成する方法であって、枯草菌(Bacillus subtilis)宿主を提供するステップと、5’末端から3’末端までセルロース結合ドメイン(CellBD)、インテイン配列、及びbFGFポリペプチドをコードするDNAからなるインサートを含むDNA構築物を、枯草菌宿主に導入することにより、形質転換された枯草菌宿主を生成するステップと、形質転換された枯草菌宿主に振とうフラスコ培養プロセス又は流加発酵プロセスを行うことにより、形質転換された枯草菌宿主に、切断され、かつインサート内にbFGFをコードするDNAの前後のDNA領域でコードされたタンパク質から独立している可溶型bFGFを、細胞内に生成するステップと、を含む方法を提供する。
好ましくは、インテイン配列はSsp DnaBであってよい。
好ましくは、方法は、振とうフラスコ培養プロセスを行うとき、100mlの培地を有する振とうフラスコを使用するステップを含んでもよく、あるいは、流加発酵プロセスを行うとき、2Lの培地を有する発酵槽を使用するステップを含んでもよい。流加発酵プロセスによるbFGFの生成量は、振とうフラスコ培養プロセスの二倍以上であり得る。
本発明の第2の態様は、146個のアミノ酸を備え、C末端又はN末端に何の修飾もなく、真正で生物活性を有するヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を生成する方法であって、枯草菌宿主を提供するステップと、5’末端から3’末端までインテイン配列、及びbFGFポリペプチドをコードするDNAからなるインサートを含むDNA構築物を、枯草菌宿主に導入することにより、形質転換された枯草菌宿主を生成するステップと、形質転換された枯草菌宿主に振とうフラスコ培養プロセス又は流加発酵プロセスを行うことにより、形質転換された枯草菌宿主に、切断され、かつインサート内にbFGFをコードするDNAの前後のDNA領域でコードされたタンパク質から独立している可溶型bFGFを、細胞内に生成するステップと、を含む方法を提供する。好ましくは、インサートは、5’末端から3’末端まで、セルロース結合ドメイン(CellBD)、インテイン配列、及びbFGFポリペプチドをコードするDNAからなり得る。
本発明の第3の態様は、C末端又はN末端に何の修飾もなく、真正で生物活性を有するポリペプチドを細胞内に生成する方法であって、枯草菌宿主を提供するステップと、5’末端から3’末端までセルロース結合ドメイン(CellBD)、インテイン配列、及び該ポリペプチドをコードするDNAからなるインサートを含むDNA構築物を、前記枯草菌宿主に導入することにより、形質転換された枯草菌宿主を生成するステップと、形質転換された枯草菌宿主に振とうフラスコ培養プロセス又は流加発酵プロセスを行うことにより、形質転換された枯草菌宿主に、切断され、かつインサート内にbFGFをコードするDNAの前後のDNA領域でコードされたタンパク質から独立している可溶型bFGFを、細胞内に生成するステップと、を含む方法を提供する。
本発明の第4の態様は、5’末端から3’末端までセルロース結合ドメイン(CellBD)、インテイン配列、及びbFGFポリペプチドをコードするDNAからなるインサートからなるDNA構築物を含む、枯草菌宿主から操作された生物学的システムを提供する。好ましくは、インテイン配列はSsp DnaBであってよい。
本発明の第5の態様は、5’末端から3’末端までインテイン配列、及びbFGFポリペプチドをコードするDNAからなるインサートを含むDNA構築物を含む、枯草菌宿主から操作された生物学的システムを提供する。前記インサートは、5’末端から3’末端まで、セルロース結合ドメイン(CellBD)、前記インテイン配列、及び前記bFGFポリペプチドをコードする前記DNAからなり得る。
本発明の第6の態様は、5’末端から3’末端までセルロース結合ドメイン(CellBD)、インテイン配列、及びbFGFポリペプチドをコードするDNAからなるインサートを含むDNA構築物を提供する。インテイン配列はSsp DnaBであってよい。
本発明の第7の態様は、5’末端から3’末端までインテイン配列、及びbFGFポリペプチドをコードするDNAからなるインサートを含むDNA構築物を提供する。前記インサートは、5’末端から3’末端まで、セルロース結合ドメイン(CellBD)、前記インテイン配列、及び前記bFGFポリペプチドをコードする前記DNAからなり得る。
以下、図面を参照して本発明のいくつかの実施例について説明する。
Figure 2019195327

Figure 2019195327

Figure 2019195327
大腸菌を宿主として利用して望ましいタンパク質を発現させることは、異なる文脈で提案されている。しかしながら、このようなグラム陰性細菌は、エンドトキシン生産者であり、かつプラスミドのキュアリングのために高い細胞致死率の影響を受けやすいという欠点を有する。その結果、これらの悪影響は、増殖研究をより複雑かつ困難にする可能性がある。
本発明のプロセスにおいて、発明者らは、特定の条件下で、枯草菌がbFGFの組換えタンパク質発現の代替宿主であり、かつ細胞内での組換えタンパク質発現の代替宿主であることを確認した。これは、様々な理由から予想外である。まず、他の宿主、例えば大腸菌と比較して、枯草菌の特性は良好ではない。しかしながら、グラム陽性細菌である枯草菌は、エンドトキシンを含まないため、GRAS生物(一般に安全と認められる)として考えられている。また、組換え枯草菌株が安定して増殖するため、生成物の発現の最適化は相対的に複雑ではなくなる。しかしながら、枯草菌は、高いレベルの相同タンパク質、例えば、α−アミラーゼを生成することができ、これまで、枯草菌を使用して該細菌内に異種タンパク質の高レベル発現を実現するという証明はほとんど又は全くない。
600個を超える推定インテイン遺伝子が提供され、かつそれらの大部分は、遺伝子発現を媒介し、主に大腸菌を宿主として使用する。従来の研究結果によると、インテイン媒介の細胞内発現により、大腸菌において真正な構造を有するタンパク質を成功して効果的に生成することができるが、インテインが他の状況でも使用できるという示唆がない。分泌発現は、使用される分泌シグナルの有効性と輸送に利用可能な経路によって制限される。本発明のプロセスにおいて、発明者らは、以前には実施されていなかっただけでなく、実行可能ではないと考えられていた可能性を試みる努力をしている。本発明は、エンドトキシンを生成しない枯草菌を、異種タンパク質、すなわちbFGFを発現させる生物宿主とするため、生成されたbFGFを安全に使用できることを可能にする。
本発明は、インテイン、Ssp DnaB及びエンドグルカナーゼのセルロース結合ドメインを使用して、枯草菌細胞質における可溶性かつ精密に加工された成熟タンパク質としてのbFGFの生成の成功を促進する枯草菌細胞内発現システムの開発を提供する。また、発酵槽内のbFGFの増幅生成は、組換え培養物が高いレベルの細胞活性及びプラスミド安定性を保持することを示すため、(〜170%)bFGFの収率を顕著に改善することができる。改善とは、振とうフラスコ(31mg/L)で得られた収率と2Lの発酵槽(84mg/L)で得られた収率との間の比較を指す。以下の説明を参照する。該発見は、説明される枯草菌のインテイン媒介発現方法が、トキシンを含まないbFGF、そして予想可能なことにはその他の医学的に価値のあるタンパク質の生成に実用的な解決案を提供することを支持する。
「タンパク質イントロン」も呼ばれるインテインは、多くの微生物種に存在し、かつ大腸菌のみにおける組換えタンパク質の発現及び精製に広く用いられることが見出される。本発明は、枯草菌にインテインが存在しない可能性があるにしても、該細菌がインテインと組換えタンパク質との間に形成される融合体の自己触媒的切断を促進できることを証明する。インテインSsp DnaB(DnaB)を発現させる構築物を使用し、該インテインSsp DnaB(DnaB)は、そのN末端で、セルロモナスフィミのcenA遺伝子でコードされたエンドグルカナーゼのセルロース結合領域(CellBD)と融合され、かつ該構築物は、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の細胞内発現を媒介できることが証明され、次に、CellBD−DnaB−bFGF融合体を自動加工することにより、bFGFが146個のアミノ酸を備える真正な構造を有することを可能にする。言及した融合体は、84mg/Lの生物活性bFGFの高収率をもたらすことが示される。枯草菌の増殖の改善についての今後の研究は、このような細菌をインテインと協働させることにより、価値のあるタンパク質を効果的に発現させるための新しいプラットフォームを形成することができる。
以下の実験、結果及び検討により、本発明をさらに説明する。
<材料及び方法>
細菌株及び化学品
大腸菌株(E.coli)ER2925(NEB、Ipswich、MA、USA)及びJM101(Sivakesavaなど、1999)は、組換えDNA操作のための中間宿主として使用される。枯草菌株(B.subtilis)1A751は、以前に説明された(Kwongなど、2013a)。Phusion PCRキット、制限酵素及び修飾酵素は、NEB(Ipswich、MA、USA)から購入される。全てのオリゴヌクレオチドは、いずれもインビトロジェン(Carlsbad、CA、USA)から購入される。特に他の規定がなければ、本研究に使用される化学品は、シグマアルドリッチ会社(St.Louis、MO、USA)から購入される。ウサギにおいて、抗bFGF抗体を生成する。
インテインSsp DnaB及びbFGFを含む融合体を発現させる構築物の操作
構築物pM2−DnaB−bFGFの操作は、以下に要約される多くのステップ及び回数のオーバーラップ伸長PCRを使用して実現される。まず、オリゴヌクレオチドP1及びP2(表1)をプライマーとして、プラスミドpM2VegCenAであるpFCの誘導体(Lamなど、1998)を鋳型として使用して、vegCプロモーター、lacオペレーター及び枯草菌のRBSを含む断片(生成物1−1)を取得する。該pFCは、PCRによって伸長されることにより、全長cenA遺伝子(Wongなど、1986)の5’末端のコドン1−45(pM2VegCenAで欠失している)を再取得する。次に、オリゴヌクレオチドP3及びP4(表1)をプライマーとして、プラスミドpTWIN1(NEB、Ipswich、MA、USA)を鋳型として使用して、Ssp DnaBのインテイン遺伝子及びヌクレオチドを有する配列(生成物1−2)を取得する。該ヌクレオチドは、(i)生成物1−1の3’末端及び(ii)bFGFのコード配列の5’末端で互いに重なる。そして、オリゴヌクレオチドP5及びP6(表1)をプライマーとして、pWK3R(Kwongなど、2013b)を鋳型として使用して、Ssp DnaBの部分配列と融合したbFGFのコード配列を含む断片(生成物1−3)を生成する。全ての生成物を精製して、第2回のオーバーラップ伸長PCRを行う。オリゴヌクレオチドP3及びP6(表1)をプライマーとして、生成物1−2及び生成物1−3を鋳型として使用して、Ssp DnaBをコードする配列と、bFGFをコードする配列との間に正確な融合体(生成物2−1)を取得する。同様に、オリゴヌクレオチドP1及びP6(表1)をプライマーとして、かつ生成物1−1及び2−1を鋳型として使用して、vegCプロモーター、lacオペレーター、枯草菌のRBS、インテインSsp DnaBのコード配列及びbFGFのコード配列を含む1.02−kbのEcoRI−XbaI断片(生成物3−1)を取得する。最後に、生成物3−1をEcoRI及びXbaIで消化して、枯草菌/大腸菌のシャトルベクターpM2−Veg(Lamなど、1998)を用いて連結し、該pM2−Vegは、構築物pM2−DnaB−bFGFを生成するために、既に同じ2種類の制限酵素によって消化される。
発現構築物pM2−CellBD−DnaB−bFGFを構築するために、オリゴヌクレオチドP1、P6及びP7−P10(表1)をプライマーとして、プラスミドpFC及びpM2−DnaB−bFGF(いずれも前述したとおりである)を鋳型として使用して、オーバーラップ伸長PCRを行う。その際に、C.fimiのcenA遺伝子(GenBank:M15823.1(Wongなど、1986))によってコードされるエンドグルカナーゼのセルロース結合ドメイン(CellBD)をコードするDNA配列を、DnaB−bFGFDNA融合体の上流にクローニングして、pM2−CellBD−DnaB−bFGFを取得する。
<bhFGF生成物のタンパク質発現、精製及び分析>
振とうフラスコ培養
振とうフラスコ内に枯草菌形質転換体を増殖させるMMBL培地は、以前に説明された(Sivakesavaなど、1999、Kwongなど、2013b)。構築物pM2−DnaB−bFGF及びpM2−CellBD−DnaB−bFGFを含有する2つの形質転換体の種培養物を調製するために、各形質転換体の新鮮なコロニーを、20μg/mlのカナマイシンを補充した100mlのMMBL培地で増殖させる。そして、培養物を、250rpmかつ37℃で、A600読み取り値が8.0に達するまで増殖させ、続いて増殖細胞に終濃度0.5mMのIPTGを添加する。その後に、2時間間隔で培養物サンプルを収集して、bhFGF発現を分析する。
細胞溶解物の調製
細胞ペレットをそれぞれ120μlのTris−HCl緩衝液(50mM、pH8.0)に再懸濁し、次に83μlのEDTA溶液(0.25M、pH8.0)を添加し、氷上で5分間培養する。そして、細胞を120μlのリゾチーム溶液(10mg/ml)で37℃で20分間処理する。細胞溶解を促進するために、83μlの溶液X(10mM EDTA、10%TritonX−100及び50mMのTris−HCl、pH8.0)を添加し、次に試験管を50回穏やかに反転させる。13000rpmで10分間遠心分離した後、前述のように、溶解物サンプルを収集し、bFGF発現をウエスタンブロットによって分析する。ImageJソフトウェア(アメリカ国立衛生研究所、USA)を用いて、濃度測定により画像を定量化する。
流加発酵
種培養物を調製するために、枯草菌[pM2−CellBD−DnaB−bFGF]細胞を、20μg/mlのカナマイシンを補充したMMBL培地で、250rpmかつ37℃で、A600読み取り値が1.0に達するまで増殖させる。そして、15mlの該種培養物を、20μg/mlのカナマイシンを補充した135mlの新鮮なMMBL培地を含有する500mlの三角フラスコに移し、さらに該培養物を、250rpmかつ37℃で、A600読み取り値が1.0に達するまで増殖させる。150mlの種全体を、20μg/mlのカナマイシンを補充した1.35LのMMBL培地を含有する2Lの発酵槽に添加し、1MのNaOHを添加して培養物のpHを6.8に保持する。グルコースが枯渇してpHが上昇し始めるとき、30分間隔で、2mlの50%グルコースを培養物に供給する。培養物中のpOを改善するために、インペラの速度を600rpmに設定する。pO値が約30%のレベルに低下するとき、50/50の比率で調整された圧縮空気と純酸素の混合物を使用して発酵槽中のpOを改善する。A600読み取り値が20に達するまで連続して供給する。培養物のpHが6.8になるとき、終濃度0.5mMのIPTGで誘導する。その後に、2時間間隔で培養物サンプルを収集して、bFGF発現を分析する。
bFGFの精製とアミノ酸配列の決定
前述のように、ヘパリンアガロースクロマトグラフィーを用いて、細胞溶解物において存在するbFGFを精製する。精製bFGFを、クーマシーブルーで染色したSDS−PAGEゲルで観察する。前述のように、該ゲルから回収されたbFGFを含有するバンドを液体クロマトグラフィー−質量分析法によって分析する(Kwongなど、2013a)。
bFGFの生物活性の測定
前述のように、MTT試験を用いて、bFGFのBALB/c3T3線維芽細胞の増殖に対する分裂促進作用に基づいて、bFGFの生物活性を測定する。bFGFとその受容体との間の相互作用は細胞内のシグナル伝達経路を活性化することにより、線維芽細胞増殖因子の受容体基質2α(FRS2α)をリン酸化する。ウエスタンブロットを用いてリン酸化されたFRS2αを検出する。したがって、該試験は、組換えbFGFの分裂促進作用を分析し定量化することができる。
<結果>
発現プラスミドの開発の基本原理
インテグリンが枯草菌においてどのように作用するかについてはあまり知られていないので、大腸菌における異種タンパク質のインテイン媒介発現において得られた発明者らの経験が、枯草菌におけるインテインと標的タンパク質との間に形成された自己切断可能な融合体の操作を明らかにすることができると考えられる。これまでの研究から分かるように、標的タンパク質がインテインのN末端又はC末端において発現するか否かにかかわらず、該インテインを含むN−エクステイン及びC−エクステインの両方の存在は、何とかして、インテインと異種タンパク質との間に形成された可溶性融合生成物の発現の成功を促進することができる。得られた中間融合体の回復を促進するために、C.fimiのcenA遺伝子によってコードされるエンドグルカナーゼ(Eng)の11kDセルロース結合ドメイン(CellBD)を利用することになり、該中間融合体は、容易なプロトコルを用いて回復可能になる可能性がある。CellBDは、セルロースと結合しかつEngのN末端部分に位置するので、発現しかつN−エキソペプチドとして機能して、中間生成物を回収するために必要なアンカーを提供することが予想される。したがって、候補インテインDnaBによって媒介されるbFGF発現を取得しようとするとき、pM2−DnaB−bFGF(6.5kb)(図1)及びpM2−CellBD−DnaB−bFGF(6.8kb)(図1)と名付けられた2種類の構築物を本研究のために操作し、ここで、該pM2−DnaB−bFGFはCellBDのDNAコード配列を欠き、該pM2−CellBD−DnaB−bFGFは関連DNA配列を持つ。
bFGFの枯草菌(B.subtilis)における発現
経時的実験の結果(図2)は、構築物pM2−DnaB−bFGF(図1)が、前駆体/中間生成物(P/I)から切断される低レベルのbFGFのみを発現させることを示す。発現が弱いが、自動切断動作が効果的であるように見えるため、P/Iの跡がほとんど検出できない(データ不掲載)。そして、EGFは、EGF−VMA−bFGFを効果的に発現させて自動処理して、真正なbFGFを大腸菌の最終生成物として取得することを促進することが以前に示されたため、EGFのような「N−エクステイン」の存在は、P/Iが伸長可能かつ切断可能な構造になることを可能にすることが思い出される。しかしながら、EGFを使用して同じP/I:EGF−VMA−bFGFを生成する同じ方法は、枯草菌におけるbFGFの発現の成功をもたらすことがない(データ不掲載)。その後、他の一対のN−エキソペプチド−インテイン融合体がより良好な結果を達成する可能性があると考えられる。11kDaのCellBDは、EGFの代わりに使用できると考えられ、かつEGFの2倍のサイズであり、融合タグ(Greenwoodなど、1994)として使用されたことがある。CellBDの使用に伴い、タンパク質の発現は、CellBD−DnaB−bFGFをP/Iとして生成すると予想される。EGF−VMAのためのCellBD−DnaBの代替は、bFGFの陽性発現をもたらすことが励みになる。これに関連して、枯草菌[pM2−CellBD−DnaB−bFGF]形質転換体の培養物サンプルにおいて、CellBDのコード配列を欠く構築物pM2−DnaB−bFGFを含有するbFGFの対応物よりもかなり高いbFGFレベルが検出される。
bFGFの経時的(Time course)発現
最初の振とうフラスコ培養の結果は、構築物pM2−CellBD−DnaB−bFGFが誘導下で発現を実現する場合に、bFGFの比活性を高いレベルに保持できることを支持する(図2B)。その後、経時的実験を行って、枯草菌におけるpM2−CellBD−DnaB−bFGFの誘導発現から生じるbFGFの生成のより完全な画像を取得する。該研究から2つの有用な情報が得られる。まず、IPTG誘導効果が高く、増加するだけでなく31mg/LまでのbFGFの有利な発現を提供することができる(図3)。次に、このような発現方法もbFGFの比活性レベルを向上させる(図3B)。明らかに、枯草菌[pM2−CellBD−DnaB−bFGF]の安定した細胞増殖とプラスミドキュアリングの欠如(図3B)の両方は、bFGFの比活性を高いレベルに保持することに大いに貢献する。
bFGFの発酵生産
偏性好気性細菌である枯草菌の培地中に提供される溶存酸素のレベルの向上は、細胞増殖を促進するため、標的組換え生成物のより高い収率が得られることが予想される。MMBL培地及び流加発酵条件が大腸菌における組換えタンパク質のペプチド媒介発現効果に対して有利である(Kwongなど、2016b)ことを考慮して、同じ方法を採用して、2Lの発酵槽で培養された枯草菌における構築物pM2−CellBD−DnaB−bFGFによって媒介されるbFGFの増幅発現の効果を調査する。
発酵研究の結果は、枯草菌[pM2−CellBD−DnaB−bFGF]培養物のbFGF発現及び細胞密度の両方のレベルを顕著に改善することを示す。bFGFの最大収率は、振とうフラスコ培養により到達可能な31mg/L(図3)から、発酵生産により生じる84mg/L(図4)に増加する。また、振とうフラスコ培養(図3)から小規模発酵(図4)までの増幅において、培養物の最終細胞密度は5倍増加する。高い細胞密度を達成するために、酸素供給の改善、細胞培養物の供給方式及び増殖培地の精製pHにより、枯草菌[pM2−CellBD−DnaB−bFGF]培養物を増殖させ、それによりbFGF発現をIPTG誘導下で実施する場合でも、1mlあたり約1010個の細胞を取得できると推測される(図4)。このような高密度は、振とうフラスコ内の誘導発現により得られた高密度の6倍であり、全経時的研究を通して加速した細胞増殖がないが、bFGFのかなり印象的な収率84mg/Lをもたらす。誘導発現に使用される細胞は明らかに安定期に入ったが、bFGFが活発に発現しても、それらはそのまま完全に保持される。より魅力的なのは、pM2−CellBD−DnaB−bFGF構築物は、その宿主細胞内に安定して維持される(図4)。該観察結果は、大腸菌形質転換体によって示される組換えタンパク質の発酵発現とは大きく異なり、その間に著しいプラスミド損失が検出される。
枯草菌(B.subtilis)で発現するbFGFの一次構造
ウエスタンブロット分析(図4)によると、枯草菌[pM2−CellBD−DnaB−bFGF]細胞の溶解物から回収される組換えbFGFは、146個のアミノ酸を備えるbFGF標準と同じ分子サイズを有することが示される。しかしながら、P/Iの自動切断により生成されたbFGF生成物が適切な146個のアミノ酸残基を備えるか否かは、まだ定かではない。そして、発酵増殖の最後の時点から精製bFGFサンプルを回収し、かつ質量分析法により分析する(Kwongなど、2013a)。該分析の結果によると、枯草菌は、インビボ融合生成物CellBD−DnaB−bFGFのインビボ自動切断を受けることにより、146個のアミノ酸を備える真正な構造を有する所望の生成物bFGFを生成することが始めて証明される(表2)。
組換えbFGFの分裂促進性
大腸菌形質転換体から回収される真正なbFGFによって証明される分裂促進効果(Kwongなど、2013b、Kwongなど、2016b)を思い出させ、枯草菌においてインテインDNA構築物pM2−CellBD−DnaB−bFGFによって発現する組換えbFGFも生物活性であることが示される(図5)。それぞれ組換え大腸菌と枯草菌細胞から得られたbFGFサンプルの比較は、それらが相当する効能を示すことを示す(図5)。
<検討>
最初のインテインが1980年代の後半から発見されて以来、600個を超える推定インテイン遺伝子が既に発見されている。インテイン遺伝子のクローニング及び特徴付けは、インテインの分子機能及び生化学的機能をよりよく理解することを可能にするだけでなく、それらを使用して、予想されたアミノ酸組成を備える構造を有する組換えタンパク質の発現を媒介することを促進することができる。大腸菌は、その増倍時間が短く、遺伝的特徴がよく知られ、処理しやすく、生産コストが比較的安価であるため、異種遺伝子の発現に用いられる最も一般的な宿主となり、かつインテインによって媒介される組換えタンパク質の発現に用いられる最も好ましい生物となる。最近、インテインを使用してタンパク質発現を媒介する大腸菌システムは漸進的に開発されており、該タンパク質発現を媒介すると同時に、標的タンパク質とインテインとの間に形成された融合体の自己触媒的切断のインビボ又はインビトロ方法のいずれかを行う。大腸菌は、上記能力を有するが、宿主としての使用が組換え体タンパク質発現中に封入体の形成、プラスミドのキュアリング及び著しい細胞死をもたらし得るという事実は、増幅生成を困難にする可能性がある。
グラム陽性細菌である枯草菌は、よく特徴付けられ、操作しやすくかつ相対的に安価に増殖するため、遺伝子発現に用いられる第2の選択肢の一般的な宿主となり、かつ広く異なる分泌タンパク質を発現させるように操作される。例えば、1g/Lを超える分泌産物が生じるように発現するα−アミラーゼは、高レベルの相同タンパク質発現を達成するために使用されるが、枯草菌において同じレベルの異種タンパク質の生成を達成することは、不可能ではないにしても困難であることが示される。
本発明までは、インテインが枯草菌においてどのように作用するかについてはあまり知られていない。CellBD、DnaB及びbFGFの間で操作された融合体に対する発明者らの研究結果によると、細胞内の可溶性かつ正確に切断された生成物としてのbFGFの発現の成功が明らかに証明される(図2)。発明者らの研究結果は、さらに、枯草菌の細胞内区画、すなわち細胞質が、その対応物が大腸菌内に行ったことと同様に、所望の条件を有する環境を提供することにより、可溶性かつ自己触媒処理された生成物としての異種タンパク質の発現を促進するという観点を支持する。DnaBを単独で使用することによりbFGFの弱い発現のみをもたらすが、全く予想外なことに、C.fimiのcenA遺伝子によってコードされるエンドグルカナーゼの11kDのCellBDをDnaBのN末端に付加することにより、bFGFの発現を高度に増強する(図3)。
大腸菌で発現する融合タンパク質の精製に対するアンカーとしてのCellBDの応用は、以前に報告された。したがって、我々の研究が残念なことに不溶性のCellBD−DnaB−bFGF P/Iをもたらすと、CellBDは、融合タンパク質を精製し、そしてインビトロ操作によってその切断を行うことに有利であると想定される。説明された融合方法は、CellBD−DnaB−bFGFの細胞質での発現の成功をもたらすだけでなく、146アミノ酸を備える真正な構造を有するbFGF(表2)を生成物として生成するように自動切断可能かつ可溶性の前駆タンパク質が生じることが励みになる。
参考文献
表1 本研究に使用されるプライマー
Figure 2019195327
*クローニング実験に使用される制限部位に下線を付ける。
表2 精製bFGFの液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析法による分析
Figure 2019195327
bFGFの部分的なトリプシン消化後、Mascot検索エンジンによりN末端及びC末端の配列を同定する。
ペプチドの理論質量電荷比。
ペプチドの実験質量電荷比。

Claims (8)

  1. 146個のアミノ酸を備え、C末端又はN末端に何の修飾もなく、真正で生物活性を有するヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を細胞内に生成する方法であって、
    枯草菌(Bacillus subtilis)宿主を提供するステップと、
    5’末端から3’末端までセルロース結合ドメイン(CellBD)、インテイン配列、及びbFGFポリペプチドをコードするDNAを有するインサートを含むDNA構築物を、前記枯草菌宿主に導入することにより、形質転換された枯草菌宿主を生成するステップと、
    前記形質転換された枯草菌宿主に振とうフラスコ培養プロセス又は流加発酵プロセスを行うことにより、前記形質転換された枯草菌宿主に、切断され、かつ前記インサート内にbFGFをコードするDNAの前後のDNA領域でコードされたタンパク質から独立している可溶型bFGFを、前記細胞内に生成するステップと、を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記インテイン配列は、Ssp DnaBである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記振とうフラスコ培養プロセスを行うとき、100mlの培地を有する振とうフラスコを使用するステップを含み、或いは、前記流加発酵プロセスを行うとき、2Lの培地を有する発酵槽を使用するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記流加発酵方法による前記bFGFの生成量は、前記振とうフラスコ培養プロセスの二倍以上である、請求項3に記載の方法。
  5. 5’末端から3’末端までセルロース結合ドメイン(CellBD)、インテイン配列、及びbFGFポリペプチドをコードするDNAを有するインサートを含むDNA構築物を含むことを特徴とする、枯草菌宿主から操作された生物学的システム。
  6. 前記インテイン配列は、Ssp DnaBである、請求項5に記載のシステム。
  7. 5’末端から3’末端までセルロース結合ドメイン(CellBD)、インテイン配列、及びbFGFポリペプチドをコードするDNAを有するインサートを含み、
    前記bFGFポリペプチドは、細胞内に146個のアミノ酸を備え、C末端又はN末端に何の修飾もなく、真正で生物活性を有するヒト塩基性線維芽細胞増殖因子であることを特徴とする、DNA構築物。
  8. 前記インテイン配列は、Ssp DnaBである、請求項7に記載のDNA構築物。
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