JPWO2018207907A1 - 細胞培養容器 - Google Patents

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Abstract

iPS細胞等の物理的ストレスに弱い細胞であっても、細胞培養が可能であり、また、コンパクトでありながら、大量の液体培地による培養が可能であり、さらに、無菌操作性が高い細胞培養容器を提供することを目的とする。この目的を達成するため、本発明の細胞培養容器は、閉鎖系の培養空間を有する円筒形の細胞培養容器であって、底面の一部が当該培養空間に向けて隆起した培養液収容部と、当該培養空間の内部と外部とを連通するポート部を備え、当該隆起は、水平方向断面が当該細胞培養容器の外形と同心状の円形である凸部により形成した。

Description

本発明は、閉鎖系の培養空間を備えた細胞培養容器に関する。
近年、胚性幹細胞(以下、ES細胞と称する。)や人工多能性幹細胞(以下、iPS細胞と称する。)の研究・開発の進展に伴い、心筋細胞や膵島細胞に代表される様々な細胞の人工培養が可能となり、細胞治療や再生治療への応用研究が盛んに行われている。また、創薬、創薬研究を目的として、例えば、組替えタンパク質生産や組替えアデノウイルス作製のため、HEK293細胞(ヒト胎児腎細胞株)等の細胞培養が行われている。これらの細胞治療、再生治療や創薬等に利用するための細胞を、大量に、安定的に、かつ容易に入手するための新たな細胞培養技術開発の要求が高まっている。
ヒトES/iPS細胞やHEK293細胞(ヒト胎児腎細胞株)等の接着性細胞は、容器底面やフィーダー細胞を足場として、これら細胞の増殖や分化、維持を行う接着培養が多く採用されていた。しかしながら、細胞移植治療等では、ヒト多能性幹細胞から分化誘導した細胞を大量に必要とする。また、大量の候補化合物やシーズ分子から有益なデータを探索する創薬スクリーニングでは、大量の細胞が要求される。そのため、足場面積に依存せずに高密度で培養可能である浮遊培養が有用であると考えられている。なかでも、浮遊状態で、接着性の細胞を培養可能なスフェロイド培養が注目を集めている。
スフェロイド培養とは、細胞同士を接着させ、お互いの細胞を足場として三次元的な細胞凝集塊(細胞スフェロイド)を形成させる培養方法である。iPS細胞等から成る細胞スフェロイドは、二次元的な単層培養と比べて、細胞の生存率の向上や、細胞の特異的な機能の長期間の維持が可能であることが知られている。また、スフェロイド培養において、巨大な細胞スフェロイドが形成されると、当該細胞スフェロイドの内部に酸素や栄養素が十分に行き渡らず、増殖阻害や、未分化性維持への影響が問題となる。そのため、細胞スフェロイドが過剰に大きくなることを抑制するために、液体培地を流動させ、細胞スフェロイドに適度な物理的なせん断ストレス(せん断応力)を与えることが考えられる。従来より、液体培地を撹拌翼の回転により撹拌しながら培養を行う撹拌培養や、液体培地を収容した容器を旋回させながら培養を行う旋回培養などが採用されている。
例えば、特許文献1には、撹拌培養を行う細胞培養装置が開示されている。当該特許文献1の細胞培養装置は、細胞を含む培養液を収納する円筒形状の培養槽と、前記培養槽の底部の内面の中央から直立する支柱と、当該支柱の上部分に当該支柱に対して回転可能に取り付けられる取付部と、当該取付部にその上部が固着され当該支柱を回転中心として回転する回転翼とを有する撹拌手段とを備えている。これにより、細胞を含む培養液を撹拌翼により撹拌しながら培養を行い、巨大な凝集塊の形成を抑制している。
一方、旋回培養は、円筒状の容器内に細胞を含む液体培地を収容し、容器自体を偏心旋回させることにより、容器内の液体培地に流れを発生させて培養を行う。しかし、容器自体の旋回によって生じる液体培地の流れは、渦流となり、容器底部の中心域では、上昇流に変化する。この容器底部の中心域は、液体培地の流れが緩やかになることに加え、この上昇流に乗り切れない程度に大きい単細胞や細胞スフェロイドが集中する。単細胞や細胞スフェロイドが高密度で存在すると、互いに接触した状態が生じ、特に、この容器底部の中心域は、液体培地の流れが緩やかであるため、細胞又は細胞スフェロイドに働くせん断ストレスも小さく、細胞同士が接着して巨大な凝集塊が形成されやすい状態となる。そこで、容器底部の中心域においても、液体培地の流れが生じるように旋回速度を上げることが考えられる。しかし、旋回速度が速すぎると、液体培地の流れに乗る浮遊細胞が容器壁面に衝突したり、細胞同士が衝突したりして、細胞に損傷が生じるおそれがある。このような細胞の損傷を抑制する培養容器として特許文献2を挙げることができる。
当該特許文献2は、振盪培養に用いられるものであり、培養容器の内部底面の外形が円形であって、当該底面に対して同心状の凹状の環状路からなる流路を形成し、振盪培養時に培養液の流れの方向を定めることが開示されている。なお、旋回培養は、振盪培養の一種であり、当該特許文献2で開示される振盪培養は、旋回培養である。
国際公開第2013/187359号 特開平9−65876号公報
しかしながら、iPS細胞等は物理的なせん断ストレスに弱く、障害を来す危険性がある。特許文献1に代表されるような撹拌翼を用いた撹拌方法では、多様な手段により、細胞に付与されるシェアストレス(せん断ストレス)を抑える工夫が講じられている。しかし、培養液を撹拌翼で直接撹拌するため、撹拌翼近傍の培養液に付与される力(撹拌力)を抑えることはできない。したがって、撹拌翼近傍の培養液中にiPS細胞等が浮遊している場合、この細胞には強いせん断ストレスが付与されるため細胞又は細胞スフェロイドは細胞死を引き起こしやすい。また、この撹拌翼を用いた撹拌方法では、容器全体に細胞が分散する流速で培養液を撹拌するため、培養初期に単細胞同士が接着し合うことが難しい。
一方、特許文献2の培養容器は、底部に形成された環状路からなる流路内を培養液が培養容器内で定められた方向に滑らかに流動する構成とされているため、この培養液中に浮遊する細胞は、該培養液の流動に沿って定められた方向に、乱れなく滑らかに流動する。この特許文献2は、このような構成を採用することで、高密度培養において、浮遊細胞同士の衝突を抑えることを目的としている。しかし、培養により様々な大きさに成長した細胞凝集塊(細胞スフェロイド)を容器全体に分散して乱れなく滑らかに流動させるためには、相当の流速が必要となる。例えば、培養容器として、直径25cm、高さ30cmの円筒形状であり、底面に、直径23cm、幅5cm、深さ10cmで、当該底面に対して同心状の1つの凹状の環状路を備えたものを用いた場合、2.5リットルの培地を添加して回転数75rpmで振盪培養するといった流速が必要になる。培養液の流速が速い場合、当然に、容器内壁と培養液との速度差が大きくなるため、内壁や底面に接近した細胞凝集塊(細胞スフェロイド)は、ずり応力の影響、すなわち、せん断応力を受けやすい。このとき、異なる大きさの細胞凝集塊(細胞スフェロイド)がある場合には、異なる大きさの細胞凝集塊(細胞スフェロイド)間に速度差が生じて衝突するおそれがある。そこで、衝突を避けるために、培養液中の細胞密度を低くすると、細胞同士が接触する機会が少なくなり、初期の細胞凝集塊(細胞スフェロイド)が形成され難くなる。
当該特許文献2の培養容器は、高密度培養において、浮遊細胞同士の衝突を抑えることを目的としたものであるため、スフェロイド培養の初期に必要な細胞凝集塊(細胞スフェロイド)を形成するための核を作ることが難しい。それは、単細胞同士がお互いを足場として接着するために必要な細胞同士の接触機会に乏しいこと、1つの単細胞が細胞分裂を繰り返すことで細胞凝集塊を形成しようとしても、強いせん断応力を受けるために細胞分裂後、細胞同士が接着した状態を保つことが難しいことなどの理由による。
また、当該特許文献2の培養容器は、開放系の培養容器であり、底部に形成した環状路からなる流路内を培養液が培養容器内で定められた方向に滑らかに流動する構成である必要があるため、環状路の内外壁とも緩やかなカーブで構成する必要がある。また、凹状の環状路を明確に区画する内周壁と、この内周壁を上端で閉じる蓋部で構成される凸状部の情報がデッドスペースとなる。そのため、細胞凝集塊(細胞スフェロイド)を大量に、安定的に生産しようとする場合、培養容器が大型化する問題がある。
そのため、市場からは、iPS細胞等の物理的ストレスに弱い細胞であっても、細胞培養が可能であり、細胞培養に寄与しないデッドスペースが小さいため、コンパクトでありながら、大きさのばらつきが小さい細胞スフェロイドを大量に培養でき、さらに、無菌操作性が高い細胞培養容器の開発が要望されてきた。
本発明に係る細胞培養容器は、閉鎖系の培養空間を有する円筒形の細胞培養容器であって、底面の一部が当該培養空間に向けて隆起した培養液収容部と、当該培養空間の内部と外部とを連通するポート部を備え、当該隆起は、水平方向断面が当該細胞培養容器の外形と同心状の円形である凸部により形成したことを特徴とする。
本発明に係る細胞培養容器は、前記凸部の頂部が、平面を備えることが好ましい。
本発明に係る細胞培養容器は、前記凸部が、傾斜面を備えることが好ましい。
本発明に係る細胞培養容器は、前記傾斜面が、階段状であることが好ましい。
本発明に係る細胞培養容器は、形状維持性を備えた軟性の透明材料からなることが好ましい。
本発明に係る細胞培養容器は、当該細胞培養容器の上部に、前記ポート部を備えることが好ましい。
本発明に係る細胞培養容器は、上面が、前記培養空間の内容量に応じて変形可能であることが好ましい。
本発明に係る細胞培養容器は、当該凸部の高さに比べて、当該培養空間に収容される液体培地の液面の高さを高くして旋回培養に用いることが好ましい。
本発明に係る細胞培養容器は、当該凸部の高さよりも高い位置に、当該培養空間に収容する液体培地の標準量を示す指標を備えることが好ましい。
本発明に係る細胞培養容器は、接着性細胞の旋回培養に用いることが好ましい。
本発明の細胞培養容器は、閉鎖系の培養空間を有する円筒形の細胞培養容器であって、底面の一部が当該培養空間に向けて隆起した培養液収容部と、当該培養空間の内部と外部とを連通するポート部を備え、当該隆起は、水平方向の断面が当該細胞培養容器の外形と同心状の円形である凸部により形成した。これにより、旋回培養時において、液体培地に含まれる細胞のうち、単細胞や比較的小さい細胞スフェロイドは旋回培養により生じるリーフパラドックスの原理にしたがった液流、つまり凸部外周面に沿う上昇流に乗せて、せん断ストレスの低い領域に積極的に密集し、接触機会が増加する。よって、細胞スフェロイドの形成効率が高まる。そして、一定以上の大きさになった細胞スフェロイドが、比較的せん断ストレスの高い培養容器底部に移動することで過度の巨大化を防止でき、大きさがほぼ均一な細胞スフェロイドの培養を実現することができる。
特に、本発明に係る細胞培養容器は、容器内部が密閉状態であるため、細菌やウイルスの混入のおそれがない。例えば、振盪台からインキュベータや検査台に移動する場合でも、いわゆるコンタミネーションのおそれがなく、すなわち無菌操作性が良好である。また、通常の二次元的な旋回培養に加え、三次元的な旋回培養によっても培養空間内の液体培地が外部にこぼれてしまう不都合が生じない。また、本発明に係る細胞培養容器は、凸部の側面周囲のみならず、凸部上方も液体培地の収容部として用いることができるため、従来の凸部によって液体培地が旋回する環状路を形成していた容器と比べて、多くの液体培地を収容することが可能となり、より多くの細胞を培養することが可能となる。
本発明の細胞培養容器の一実施の形態としての細胞培養バッグの斜視図である。 図1の細胞培養バッグの断面図である。 凸部が円柱形状である細胞培養バッグの断面図である。 凸部の頂部が階段状の傾斜面を備えた細胞培養バッグの断面図である。 凸部の頂部がドーム形状である細胞培養バッグの断面図である。 凸部の頂部が円錐形状である細胞培養バッグの断面図である。 容量干渉凹部を備えた蓋部を有する細胞培養バッグの断面図である。 図7の容量干渉凹部が膨らんだ状態を示す断面図である。 実施例において得られた細胞スフェロイドの顕微鏡写真である。 実施例で得られた細胞スフェロイド100個当たりの粒径の分布グラフである。 比較例において得られた細胞スフェロイドの顕微鏡写真である。 比較例で得られた細胞スフェロイド100個当たりの粒径の分布グラフである。
以下、本発明に係る細胞培養容器の一実施の形態として、細胞培養バッグ1を例に挙げて、図面を参照して説明する。図1は本実施の形態に係る細胞培養バッグ1の斜視図、図2は図1の細胞培養バッグ1の断面図をそれぞれ示している。
本実施の形態に係る細胞培養バッグ1は、動物由来多能性幹細胞、体性幹細胞、その他動物細胞等の主として接着性細胞の旋回培養に好適なものであり、閉鎖系の培養空間2を有する円筒形の細胞培養容器である。当該細胞培養バッグ1は、液体培地収容部10を構成する有底円筒形のバッグ本体3と、当該バッグ本体3の上面開口3Aを閉塞する蓋部4と、ポート部5とを備えている。当該バッグ本体3と蓋部4とは、バッグ本体3の上面開口3Aの縁部と蓋部4の外縁部4Aとを互いに熱溶着や接着剤等により接合することにより、これらバッグ本体3と蓋部4とで囲繞されるバッグ本体3の内部には、閉鎖系の培養空間2が形成される。当該培養空間2は、バッグ本体3又は蓋部4に設けられるポート部5によって、内部と外部と連通可能である。
本実施の形態に係る細胞培養バッグ1は、細胞培養時において、バッグ本体3の上面開口3Aを閉塞する蓋部4側が上側となり、バッグ本体3の底面3Bが下側となる。本願発明において、バッグ本体3の底面3Bとは、蓋部4側が上側、底面3Bが下側となるように載置した状態で、当該載置面を底面とし、当該底面3Bと連続して形成される側面とは、隅部を介して区別される。このバッグ本体3の内部には、液体培地8を収容する液体培地収容部10が構成される。この液体培地収容部10には、バッグ本体3の底面3Bから、詳細は後述するバッグ本体3の底面3Bに形成された凸部11の上面の高さを超え、当該液体培地収容部10の内壁に形成された液体培地標準ライン19まで液体培地8が充填されている。この液体培地標準ライン19は、旋回培養を行う場合の液体培地8の最低充填量若しくは使用する上での標準充填量を示す指標であればよく、本発明はラインに限定しない。本実施の形態における当該液体培地標準ライン19は、液体培地収容部10の内壁面に、例えばバッグ本体3の形成時に金型に設けた凹部を転写することで設けたものである。この液体培地標準ライン19は、凸部11の上面と同等以上の高い位置に形成した。この液体培地標準ライン19を基準として、どの程度の量を充填したかを示す目盛りラインを追加してもよい。
培養空間2への細胞や液体培地8の充填を外部から行うポート部5は、蓋部4又は、バッグ本体3の上部に設けることが好ましい。特に、バッグ本体3の上部にポート部5を設けた場合には、上述した液体培地収容部10よりも上方、例えば、収容される液体培地8の液面よりも上方であることが好ましい。後述するようにバッグ本体3に液体培地標準ライン19を示す場合には、当該液体培地標準ライン19よりも上方にポート部5を設けることが好ましい。例えば、当該ポート部5を樹脂製の中空管状に構成し、バッグ本体3の上面開口3Aと蓋部4の外縁部4Aとの接合部位にポート部5を挟み込んで熱溶着により、液密に接合してもよい。
当該ポート部5の開口端には、チューブ6が接続しており、当該チューブ6先端の開口には、着脱自在のキャップ7が装着している。ポート部5にチューブ6を装着して用いない場合には、当該ポート部5の先端にキャップ7を装着してもよいし、培養空間2に細胞の培養に必要な細胞や液体培地8等を収容した後、当該キャップ8に替えて当該ポート部5の先端を熱溶着等により閉塞してもよい。なお、本実施の形態を示す図1及び図2では、一つの細胞培養バッグ1について1つのポート部5を設けているが、本発明はこれに限定するものではなく、2つ以上のポート部5が同じ細胞培養バッグ1に設けてもよい。なお、このポート部5は、液体培地の充填、排出、気体の充填、排出や他の容器との連結に用いることもできる。
<バッグ本体及び蓋部の材質>
ここで、細胞培養バッグ1を構成するバッグ本体3と蓋部4の材質について説明する。液体培地収容部10を構成する少なくともバッグ本体3は、透明性に優れたフィルム材料により構成することが好ましい。なお、半透明のフィルム材を用いることもできるが、少なくとも、内部に収容される細胞の状態を観察できる程度の透明性を有していることが好ましい。また、バッグ本体3のみならず蓋部4も同様の透明性を備えていることが好ましい。
細胞培養バッグ1を構成するバッグ本体3は、さらに、軟性を有していることが好ましい。但し、使用時に容器形状を維持できるものであることが好ましい。ここで、使用時に容器形状を維持できる程度の柔軟性とは、使用時、すなわち、液体培地8や細胞(細胞懸濁液)を容器内部へ充填する作業時、旋回装置による旋回培養時、検査台での観察時、そしてこれら装置間の移動時などにおいて不都合がない程度の柔軟性である。場合により、保持治具などを用いて形状を維持するものであってもよい。本発明の細胞培養バッグ1は、使用時には、細胞、液体培地及び空気(HEPAフィルタや無菌フィルタ等の無菌処理された)を充填して使用するものである。しかし、培養空間2に何も入っていない使用前の状態では、培養空間2の容積がゼロに近くなるようにバッグ本体3及び/又は蓋部4が変形できることが好ましい。この場合、細胞培養バッグ1がコンパクトになるため、可搬性、保管性がよい。
また、細胞培養バッグ1の蓋部4は、バッグ本体3よりも更に軟性を有する材料により構成したものであってもよい。これにより、予め滅菌された空気を閉鎖系の培養空間2内に封入した細胞培養バッグ1に対し、上記チューブ等を用いて細胞(細胞懸濁液)や液体培地8等を充填する場合に、当該蓋部4が変形することができるので、充填する細胞(細胞懸濁液)や液体培地8等の体積分の空気を抜く必要がない。すなわち、内容量の増減に追従可能とされるようにすることもできる。また、予め、当該細胞培養バッグ1内に液体培地8を注入し、空気を抜いた状態で保管する細胞培養バッグ1である場合、使用時に、細胞(細胞懸濁液)を注入して使用することができる。この場合、液体培地8と空気が接触することを防止できる。更に、細胞(細胞懸濁液)に加え、空気等の気体を注入することにより、当該液体培地8の液面を蓋部4から離間させることができる。これによって、衝突に弱い細胞の培養時において、液体培地8の旋回流に乗った細胞が蓋部4と干渉する不都合を防止することができる。
バッグ本体3や蓋部4を構成するフィルム材料は、気体透過性、特に、酸素及び二酸化炭素の透過性を備えることが好ましい。細胞の培養に必要な酸素の供給と二酸化炭素の排出をバッグ本体3や蓋部4を構成するフィルム材料を介して行うことにより、細胞培養バッグ1内の密閉構造の容器においても、無菌的に培養を行うことができる。
具体的に、気体透過性とは、主に、酸素及び二酸化炭素の透過性を意味する。酸素透過性と二酸化炭素透過性は、各種材料において類似した傾向がある。しかも、二酸化炭素透過性が酸素透過性と比較して著しく大きいことから、一般に、細胞の培養に用いられる容器の気体透過性は酸素透過性で評価できる。そのため、ここでは、気体透過性について、酸素透過性を例に挙げて説明する。
使用する材質の酸素透過性は、培養される細胞の種類及び量と、酸素が透過するバッグ本体3や蓋部4の面積及び厚みに応じて決定する。よって、バッグ本体3や蓋部4を構成するフィルム材料は、培養対象となる細胞及び培養量に応じた酸素透過性を有するフィルム材を選択することが好ましい。
本実施の形態に係る細胞培養バッグ1を構成するバッグ本体3及び蓋部4を構成するフィルム材料の材質は、上述した軟性、形状維持性、透明性、気体透過性に優れたものであれば、適宜用いることができる。しかし、成形性、経済性、取扱性等の観点から、天然樹脂や合成樹脂を用いることが好ましい。合成樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、及びそれらの水素添加樹脂、ポリウレタン樹脂、ならびにそれらの樹脂の混合物などが挙げられる。ここで、ポリエチレン樹脂は、低密度ポリエチレン樹脂を用いることが好ましい。低密度ポリエチレンとしては、一般の低密度ポリエチレンはもちろんのこと直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、メタロセン触媒系低密度ポリエチレン樹脂が含まれる。また、ポリプロピレン樹脂には、ステレオブロックポリプロピレン樹脂及びポリプロピレン樹脂とステレオブロックポリプロピレン樹脂の混合物も含まれる。上述の材料特性を有し、熱溶着による製造にも適するため、ポリエチレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂や、シクロオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
また、当該バッグ本体3及び蓋部4を構成するフィルム材料は、これらの樹脂を用いた単層フィルムで用いてもよいし、これらの樹脂を複合した複合フィルムとして用いてもよい。複合フィルムとは、樹脂混合物からなるフィルムの他、複数の単層フィルムを積層したラミネートフィルム、単層又は複層フィルムに樹脂をコーティングした樹脂コーティングフィルム等を挙げることができる。例えば、バッグ本体3にラミネートフィルムを用いることにより、当該バッグ本体3の形状維持性を向上させてもよい。いずれの場合であっても、少なくとも、液体培地が触れる最内層が細胞毒性のない樹脂であればよい。
また、培養する細胞の種類及び液体培地の種類、添加物、細胞培養容器の大きさ、旋回速度、培養温度などによって、バッグ本体3及び蓋部4の培養空間2側の面、すなわち、内面は、細胞の接着を防止するために、当該内面は、培養細胞の種類によって、疎水性表面、又は親水性表面を選択することが好ましい。疎水性表面の形成には、バッグ本体3及び蓋部4自体を疎水性樹脂により形成するか、あるいは、当該バッグ本体3及び蓋部4の内面を疎水化処理することが好ましい。当該処理方法としては、表面にアガロースコーティング、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル(ポリHEMA)コーティング、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)コーティングなどが挙げられる。親水性表面の形成には、バッグ本体3及び蓋部4自体を親水性樹脂により形成するか、あるいは、当該バッグ本体3及び蓋部4の内面を親水化処理することが好ましい。当該処理方法としては、表面に水酸基及びカルボキシル基を付加するコロナ放電処理、コラーゲンIコーティング、ポリ−D−リジンコーティングなどが挙げられる。
また、本実施の形態に係る細胞培養バッグ1を構成するバッグ本体3及び蓋部4を構成するフィルム材料の厚さは、上述した軟性、形状維持性、透明性、気体透過性を確保することができる範囲であればよく、特に限定されない。
<バッグ本体の形状>
次に、本発明の細胞培養容器の特徴である液体培地収容部10を構成するバッグ本体3の形状について説明する。本発明に係る細胞培養容器は、水平方向(軸方向と直交する方向)に切断したときの断面が少なくとも円形である有底円筒形を呈している。本実施の形態では、バッグ本体3が有底円筒形を呈している。しかし、本発明において、当該バッグ本体3は、有底円柱状に限られず、当該バッグ本体3の外周面3Cが、図1及び図2に示すように、上部にいくに従い外側に拡開するテーパー形状や、曲面形状であってもよい。
本発明は、当該液体培地収容部10を構成するバッグ本体3の底面3Bの一部が培養空間2に向けて隆起しており、当該隆起は、断面が当該細胞培養容器の外形と同心状の円形である凸部により形成したことを特徴とする。
具体的に、本実施の形態に係る細胞培養バッグ1のバッグ本体3は、有底円筒形の底面3Bに、当該バッグ本体3の断面外周形状(断面外形)と同芯状の水平方向断面円形の凸部11を培養空間2に向けて隆起して形成した。当該バッグ本体3の底面3Bに培養空間2に向けて隆起して形成した凸部11は、少なくともバッグ本体3の断面外周形状と同芯状の円形の水平方向断面を備えたものであればよい。
特に、本発明は、バッグ本体3の底面3Bから形成した凸部11の高さに比べて、当該培養空間2に収容する液体培地8の液面の高さを高くして用いることが好ましい。また、バッグ本体3の底面3Bに形成した凸部11は、その頂部が平面を備えることが好ましい。より好ましくは、当該凸部11が、さらに傾斜面を備えることが好ましい。この傾斜面は、平らであっても、階段状であってもいずれの形状であってもよい。以下に、バッグ本体3の底面3Bに形成した凸部11の形状について、図1〜図6を参照して、複数の実施形態を説明する。
図3に示す凸部11は、底面から上面まで水平方向断面形状が円形である円柱形状を呈している。当該凸部11の頂部12は、平ら、すなわち、所定の面積を備えた平面である。当該凸部11の頂部12が、所定の面積を備えた平面であることにより、当該凸部11の高さよりも液面が高くなるように細胞を含んだ液体培地8を収容すると、旋回培養時において、液体培地8に含まれる細胞のうち、単細胞や比較的小さい細胞スフェロイドは、旋回による流れが弱い、すなわち、単細胞や比較的小さい細胞スフェロイドにかかるせん断ストレスが小さい凸部11の頂部12に集められ、当該頂部12において一定の大きさの細胞スフェロイドの形成が促進される。比較的大きい細胞スフェロイドは、旋回流や自重によってバッグ本体3の底部に移動する。バッグ本体3の底部は、頂部12に対して液体培地8の流れも速く、せん断ストレスが大きいため、上述した細胞スフェロイドは、過度の巨大化が防止される。また、上述した細胞スフェロイドは、例えば、バッグ本体3の底面に近い高さの領域で転がるように移動することで、大きさがほぼ均一な細胞スフェロイドの培養を実現することが容易となる。
一方、図1、図2、図4〜図6に示す凸部11は、上部にいくにしたがって、先細り形状となっている。図1及び図2に示す凸部11は、底面がバッグ本体3の外形と同芯状の円形である円錐を底面に平行な平面で切断し、上部の円錐部分を除去した切頭円錐状を呈している。具体的に、当該凸部11の頂部13は、平ら、すなわち、所定の面積を備えた平面13Aを備え、当該平面13Aの縁部には、凸部11の下方に行くにしたがって徐々に径が拡大した傾斜面14を連続して形成した。当該平面13Aは、おおよそ平らであればよく、完全な平面であることに限られない。
これにより、旋回培養時において、液体培地8に含まれる細胞のうち、単細胞や比較的小さい細胞スフェロイドは、旋回によるせん断ストレスが小さい凸部11の頂部13の平面13Aに集められ、当該平面13Aにおいて一定の大きさの細胞スフェロイドの形成が促進される。そして、比較的大きい細胞スフェロイドは、旋回流や自重によって凸部11の下部円周上に沿って集まる。このとき、当該凸部11の下部の径を頂部13に比べて大きく形成したことにより、当該細胞スフェロイドが集中することを防ぐことができ、巨大な細胞スフェロイドが形成されることを効果的に抑制することが可能となる。
また、当該平面13Aと傾斜面14との境界部分は、所定の角度にて折曲したものであってもよいが、所定の曲率を備えたR形状(面取り形状)であることが好ましい。当該平面13Aと傾斜面14との境界部分がR形状であることにより、下方から上昇してきた比較的小さい細胞が当該平面13A上に上がり易く、又、当該平面13A上である程度の大きさまで成長した細胞凝集塊が下方に滑り落ち易くなるからである。
一方、凸部11の裾部と底面3Bとの境界部分は、所定の曲率を備えたR形状(面取り形状)であっても良いが、小さな曲率を備えた形状か、又は、角状であることが好ましい。これは、培養対象の細胞が接着性細胞である場合、ある程度大きくなった細胞スフェロイドであっても、旋回培養による液体培地8の上昇流により凸部11の裾部を上がってきてしまう場合があり、その場合、細胞スフェロイドの大きさにムラが生じることになるからである。
さらに、上述した傾斜面14は、図4に示すように、滑らかな段部14Aを備えた階段状であってもよい。当該傾斜面14が階段状であることにより、細胞が当該傾斜面14に設けられた段部14A、14Bに留まりやすくなる。これにより、各段部において、細胞が一定の大きさになったとき、より下方の段部に移動するため、細胞スフェロイドの大きさを段階的に成長させることができる。全体として、効率的に細胞スフェロイドを形成することが可能となる。なお、図4には、段部14A及び段部14Bの二段の段部を設けた場合について図示しているが、本願発明は、これに限定するものではなく、一段又は三段以上であってもよい。更に、図4に示す段部14A、14Bでは、各段部を滑らかな面でつないでいるが、直線的な面としてもよい。
図5に示す凸部11は、底面がバッグ本体3の外形と同芯状の円形である略円柱形状の起立部15と、当該起立部15と一体に形成され、当該起立部15の上面と同一径の底面を備えた半球状の膨出頂部16とにより構成している。図5に示す凸部11は、下部が円柱形状で、上部のみが緩いドーム形状であるが、本発明はこれに限らず、凸部11全体がドーム形状であってもよい。少なくとも凸部11の膨出頂部16がドーム形状であることにより、旋回培養時において、比較的小さい細胞は、当該凸部11の起立部15の側面や、膨出頂部16に沿って上昇していき、旋回によるせん断ストレスが小さい凸部11の上部に集められていく。一方、比較的大きい細胞スフェロイドは、旋回流や自重によってせん断ストレスが比較的大きいバッグ本体3の底部に移動する。
図6に示す凸部11は、略円柱形状の起立部17と、当該起立部17と一体に形成し、当該起立部17の上面と同一半径の底面を備えた円錐形状の円錐頂部18とにより構成している。図6に示す凸部11は、下部が円柱形状で、上部のみが円錐形状であるが、本発明はこれに限られず、凸部11全体が円錐形状であってもよい。少なくとも凸部11の円錐頂部18が先細り形状であることにより、旋回培養時において、当該凸部11の起立部17側面や、円錐頂部18に沿って上昇してきた比較的小さい細胞は、上部にいくに従い、細胞同士が相互に接触する確率が上昇していき、比較的大きい細胞スフェロイドは、旋回流や自重によってせん断ストレスが比較的大きいバッグ本体3の底部に移動する。
凸部11の形状として、上述したいずれの形状を採用した場合であっても、当該培養空間2内に収容される液体培地8の液面の高さが、当該凸部11よりも高くなるように当該液体培地8等を収容して用いることが好ましい。このようにして用いることで、当該凸部11の上方を液体培地8が流通可能となり、当該凸部11の上方も、凸部11の外周に形成される液体培地収容部10と共に当該液体培地収容部10を構成する。よって、凸部11の上方も液体培地収容部10として機能するため、従来の凸部によって液体培地が旋回する環状路を形成していた容器と比べて、デッドスペースを削減することができることから、多くの液体培地を収容することが可能となり、より多くの細胞を培養することが可能となる。
具体的な凸部11の上面(又は上端)と液体培地8の液面との距離については、特に限定はないが、少なくとも当該細胞培養バッグ1を旋回する前の状態において、凸部11の高さが、液体培地8の液面と同等若しくは低ければよい。細胞培養バッグ1の旋回条件にもよるが、旋回時においても、凸部11の上面(又は上端)が液体培地8から露出しない高さに設定されていることがより好ましい。旋回時であっても、凸部11の上面への細胞等の流動が可能となり、単細胞や比較的小さい細胞スフェロイドを凸部11の上面に集中させて、これら小さい細胞スフェロイド等の接着性を促進できるからである。また、旋回時においても凸部11の上面や(又は上端)付近に存在する細胞等が、液体培地8中に浸漬された状態を維持することで、細胞の培養に悪影響が及びにくくなるからである。
よって、本発明において、液体培地の最低充填量若しくは使用する上での標準充填量を示す指標の存在は任意であるが、バッグ本体3に上述した条件を満たす適切な位置に、液体培地の充填指標を示す液体培地標準ライン19を形成することで、使用者に少なくとも凸部11の高さよりも液体培地の液位が高くなるように促すことができ、適切な条件での細胞培養を実現することが可能となる。
凸部11の形状として、上述したいずれの形状を採用した場合であっても、凸部11の高さに比べて、培養空間2に収容される細胞を含む液体培地8の液面高さを高くして細胞の旋回培養を行うことにより、バッグ本体3の底面3Bの中央部に形成した凸部11の上部外周面やその付近に、比較的小さい細胞のみが集中し、これら細胞が相互に接触する確率が上昇して、細胞同士の接着が促進される。そして、凸部11の上部周辺において、細胞同士が接着して大きくなった細胞スフェロイドは旋回流や自重により凸部11の外方に向けて低く傾斜した側面に沿ってバッグ本体3の底部に移動する。これにより、比較的小さい細胞が密集しやすく、比較的大きい細胞スフェロイドは分散しやすい構成を採用することで、大きさが均一な細胞スフェロイドの作製を実現することができる。
また、本発明では、凸部11がバッグ本体3の外形と同芯状の円形の水平方向断面を備えていることにより、旋回時にバッグ本体3内、特にバッグ本体3の下部において、凸部11の裾部においてもある程度の流れは維持され、細胞スフェロイドは、当該凸部11の裾部に沿って、適度なせん断ストレスを受けつつ円周方向に移動する。そのため、巨大な細胞スフェロイドの形成が著しく抑制される。
当該凸部11は、底面3Bに対して、垂直に立ち上がるように形成していてもよいし、所定の曲率を備えた曲面形状であってもよい。しかし、図3〜図6に示すように、凸部11の底面3Bからの凸部11の立ち上がり部分の形状が略直角であることが好ましい。この場合、リーフパラドックスによる液体培地の上昇流が、この凸部11の立ち上がり部分に沿った流れになり難いため、一定以上の大きさの細胞スフェロイドが凸部11の側面を登り難くなる。よって、頂部13へ上がる細胞の大きさが制限できる。
<他の実施形態としての蓋部の形状>
また、上述した細胞培養バッグ1の上面を構成する蓋部4として、図7及び図8に示す容量干渉凹部21を備えた蓋部20を採用してもよい。当該蓋部20は、上述した蓋部4と同様に、少なくとも軟性を備えたものであり、細胞培養バッグ1内に細胞を含む液体培地8等が収容される前の状態において、バッグ本体3側に凹んだ、すなわち、培養空間2側に当該蓋部20の内面が突出した容量干渉凹部21を形成している。当該容量干渉凹部21は、少なくとも軟性を備えたものであって、培養空間2側に収容した細胞を含む液体培地8や気体の量が、バッグ本体3の容量から当該蓋部20の容量干渉凹部21の容積によって減じられた量を超えて供給されると、当該容量干渉凹部21がバッグ本体3の外方に向けて膨らむことにより、当該培養空間2の内容量を可変とするものである。図7は蓋部20に形成した容量干渉凹部21が膨らむ前の状態を示し、図8は図7の容量干渉凹部21が膨らんだ状態を示している。
この細胞培養バッグ1内に、凸部11の高さを超える細胞を含む液体培地8を収容して、さらに空気等の気体を供給することで、蓋部20の容量干渉凹部21が液体培地8の液面から離間していき、上方に向けて膨らむ。このとき、細胞培養バッグ1の収容量は、蓋部20に設けた容量干渉凹部21によって変えることができるため、液体培地収容部10を構成するバッグ本体3の形状を保持することができる。この場合、細胞培養バッグ1がコンパクトになるため、可搬性、保管性がよい。更に、当該液体培地収容部10を構成するバッグ本体3の底面3Bが下方に膨らんで変形する不都合を回避することができる。
上述した細胞培養バッグ1等の本発明に係る細胞培養容器は、特に接着性の細胞の旋回培養に適したものである。当該細胞培養容器によって培養に好適な細胞は、細胞スフェロイドが形成可能であるものであれば、特に限定はないが、例えば、動物由来細胞がある。具体的には、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、ハムスターなどの哺乳動物由来細胞を挙げることができる。また、当該細胞としては、培養細胞として株化されたものであっても、生物組織から得られた初代細胞であっても良い。具体的に、当該細胞としては、ES細胞、iPS細胞、間葉系幹細胞、神経幹細胞等を挙げることができる。分化細胞としては、肝細胞、膵島細胞、腎細胞、神経細胞、角膜内皮細胞、軟骨細胞、心筋細胞等を挙げることができる。これ以外にも、臍帯血、骨髄、脂肪、血液由来組織性幹細胞から分化誘導される細胞の培養にも用いることもできる。あるいは、腫瘍化した細胞、遺伝子工学的手法により形質転換された細胞やウイルスベクターにより感染された細胞の培養にも用いることができる。
また、本件発明に係る細胞培養容器内に収容して細胞の培養に用いる液体培地は、特に限定はなく、培養する細胞に応じて適宜選択することができる。例えば、MEM、α−MEM、RPMI、cRDF、ERDF、F12、MCDB131、F12/DMEM及びWE等の公知の培地を挙げることができる。また、細胞がヒト幹細胞である場合、ヒト全能性幹細胞用培地として市販されているRipro FF/FF2/XF(株式会社リプロセル製)、StemSure(和光純薬工業株式会社製)、CELRENA(株式会社細胞科学研究所製)、S−Medium(DSファーマバイオメディカル株式会社製)、StemFit(味の素ヘルシーサプライ株式会社製)、mTeSR1(STEMCELL TECHNOLOGIES社製)、Essential 8(Life Technologies社製)、Cellaris(タカラバイオ株式会社製)等を用いることができる。
また、培地には、培養する細胞に対して凝集抑制作用を示さない限り、ウシ血清アルブミン(BSA)、ウシ胎児血清(FBS)、Antibiotic−Antimycotic(GIBCO BRL)などの抗生物質や、TGFβ、αFGF、bFGF等の増殖因子、BMP、インシュリン、デキサメタゾン、プロリン、ピルビン酸ナトリウム、グルコース、トランスフェリン、セリン、非必須アミノ酸(NEAA)又はレチノイン酸などを適宜添加しても良い。なお、一部の血清代替品は一部の細胞(例えば、iPS細胞)に対して凝集抑制作用を示す。本発明に係る細胞培養容器は、そのような凝集抑制作用を示すもの(凝集抑制剤)を添加することなく、細胞スフェロイドの過剰凝集を抑制することができる。念のために述べておくと、本発明は、凝集抑制剤を用いない場合の細胞培養に限定されるものではなく、必要に応じて、凝集抑制剤を添加して細胞スフェロイドを製造する場合も含むものである。
次に、本発明の細胞培養容器を用いた細胞培養方法について説明する。当該細胞培養方法は、上述した細胞培養バッグ1において細胞を培養する細胞培養方法である。本実施の形態に係る細胞培養方法は、細胞培養バッグ1の培地収容部に収容される液体培地に播種して培養を行う。培養対象となる細胞及び液体培地の細胞培養バッグ1の培地収容部への収容手順は、特に限定されるものではなく、例えば、細胞培養バッグ1の外部で液体培地に細胞を播種した細胞懸濁液の状態で、ポート部を介して細胞培養バッグ1の培地収容部に供給してもよく、細胞培養バッグ1の培地収容部に予め液体培地を注入し、その後、細胞を当該培地収容部内の液体培地に播種しても良い。
当該液体培地に播種する細胞の数(播種密度)は、培養対象となる細胞の種類や容器の大きさ等に応じて適宜調整することが好ましい。具体的に、播種密度は、10〜10cells/mLが好ましく、10〜10cells/mLがより好ましい。
細胞培養バッグ1の培地収容部内に細胞を播種した液体培地が収容された状態で、培地収容部の底面が下側となるように配置して、当該細胞を含む液体培地に旋回流が生じるように、当該細胞培養バッグ1を旋回させて、細胞の旋回培養を行う。
旋回培養における条件は、特に限定されず、培養対象となる細胞の種類や播種密度、液体培地の量、培養容器の大きさなどによって適宜設定することができる。本実施の形態に係る細胞培養バッグの旋回手段としては、例えば、回転式振盪培養機を採用することができる。当該回転式振盪培養機を用いた場合には、細胞培養バッグ1を円弧状に旋回することにより、当該細胞培養バッグ1内に収容した細胞を含む液体培地に旋回流を生じさせることができる。この際、回転式振盪培養容器は、細胞培養バッグ1を略水平に維持した状態で旋回させる、いわゆる2D旋回培養に限られず、例えば、細胞培養バッグ1を載置する載置面の所定の点を中心として、上下動を伴って旋回させる、いわゆる3D旋回培養であってもよい。
旋回速度は、細胞培養バッグ1の大きさが例えば直径125mm、高さ30mmである場合、10rpm〜1000rpmが好ましく、20rpm〜300rpm、さらには、30rpm〜60rpmであることがより好ましい。この旋回速度は、当該範囲に限定されるものではなく、上限値は、例えば、旋回流によるせん断力によって細胞死が生じない程度であればよい。下限値は、少なくとも旋回培養としての効果が得られる程度であればよい。例えば、培養初期では、旋回速度を低くして、単細胞同士の接触確率を上げることで細胞の凝集を促進し、培養中期から培養後期には旋回速度を上昇させて、旋回流による適度なせん断力を細胞スフェロイドに与えることにより、細胞スフェロイドの過剰な凝集を抑制することが好ましい。
その他の旋回培養における条件としては、培養温度、雰囲気中のCO濃度、培養期間などがあるが、いずれも従前の旋回培養における条件を採用することができる。具体的に、培養温度は、例えば、20℃〜40℃が好ましく、34℃〜38℃がより好ましい。細胞培養バッグ1が置かれる雰囲気中のCO濃度は、例えば、3%〜20%が好ましく、4%〜6%がより好ましい。培養期間は、目的とする大きさの細胞スフェロイドが形成される期間であれば特に限定しないが、例えば、0.5時間〜21日間が好ましく、1日間〜7日間がより好ましい。当該培養期間中において、必要に応じて、1回以上、液体培地の交換を行っても良い。このように、培養対象となる細胞の種類や、播種密度、液体培地の量、培養容器の大きさなどに応じた適切な条件下で細胞の旋回培養を行うことにより、均一な大きさ及び形状の細胞スフェロイドを形成することができる。
上述したように、本発明に係る細胞培養容器を適用した本実施の形態に係る細胞培養バッグは、閉鎖系であるため、細菌やウイルスの混入のおそれがない。例えば、振盪台からインキュベータや検査台に移動する場合でも、いわゆるコンタミネーションのおそれがなく、すなわち無菌操作性が良好である。また、通常の二次元的な旋回培養に加え、三次元的な旋回培養によっても培養空間2内の液体培地が外部にこぼれてしまう不都合が生じない。さらに、当該細胞培養バッグは、凸部11の側面周囲のみならず、凸部11上方も細胞を含む液体培地8の収容部として用いることができるため、従来の凸部によって液体培地が旋回する環状路を形成していた容器と比べて、多くの液体培地を収容することが可能となり、より多くの細胞を培養することが可能となる。
以下に、本発明を適用した実施例を示す。この実施例では、HEK293細胞(理研BCR、RCB1637)を培養液に播種して細胞懸濁液とした。具体的に、HEK293細胞は、接着培養し、トリプトシン処理により単細胞まで分散したものを用いた。培養液は、DMEM培地(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製 商品名Gibco 11995−040)に、FBS(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製 商品名Gibco 10437−028)10%と、MEM NEAA(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製 商品名Gibco 11140−050)1%とを添加したものを用いた。上述の培養液30mLに、HEK293細胞を2×10cells/mLで播種した細胞懸濁液を、γ線滅菌済の図1に示す細胞培養バッグ1にチューブ6を介して充填した。細胞培養バッグ1は、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなる単層フィルムにより構成したものであって、蓋部4の厚さが140μm、バッグ本体3の底面3Bの厚さが250μm、外周壁の直径が90mm、高さが30mm、凸部11の底面の直径が30mm、高さが10mmのものを用いた。
細胞懸濁液が充填された細胞培養バッグ1を、COインキュベータ内の旋回培養装置(株式会社オプティマー製 OS−762RC)に載置して、5%CO、37℃の条件下、旋回範囲25mm、回転速度45rpmで5日間、旋回培養を行った。
実施例において培養した細胞スフェロイドを顕微鏡にて観察した。その後、トリプシン処理により単細胞まで分散し、細胞数のカウントを行った。実施例において得られた生細胞数は、3.3×10cells/batchであった。また、実施例において得られた細胞スフェロイドは、217μm〜341μmの粒径分布であった。また、得られた細胞スフェロイドの平均粒径は283μm、標準偏差は26μmであった。図9に実施例において得られた細胞スフェロイドの顕微鏡写真を示し、図10に実施例で得られた細胞スフェロイド100個当たりの粒径の分布グラフを示す。
比較例
比較例では、φ90×20mmのアズノールシャーレ(アズワン株式会社製 1−8549−04)に上述した実施例と同様に作製した細胞懸濁液を注入した。具体的に、細胞培養液は、上述した培養液20mLにHEK293細胞を2×10cells/mLで播種して作製した。
比較例としての細胞懸濁液を収容したアズノールシャーレを、実施例と同様に、COインキュベータ内の旋回培養装置(株式会社オプティマー製 OS−762RC)に載置して、5%CO、37℃の条件下、旋回範囲25mm、回転速度45rpmで5日間、旋回培養を行った。
比較例において培養した細胞スフェロイドを顕微鏡にて観察した。その後、トリプシン処理により単細胞まで分散し、細胞数のカウントを行った。比較例において得られた生細胞数は、2.6×10cells/batchであった。また、比較例において得られた細胞スフェロイドは、49μm〜316μmの粒径分布であった。また、得られた細胞スフェロイドの平均粒径は218μm、標準偏差は77μmであった。図11に比較例において得られた細胞スフェロイドの顕微鏡写真を示し、図12に比較例で得られた細胞スフェロイド100個当たりの粒径の分布グラフを示す。
当該実験結果から、本発明を採用した細胞培養バッグを用いることで、開放系のアズノールシャーレを用いて細胞培養を行う場合と比べて、大きさが均一な細胞スフェロイドをより多く培養することができたことが確認できた。
本発明にかかる細胞培養容器は、閉鎖系の培養空間を有することから、細胞培養中のコンタミネーションのリスクを低減しつつ、均一な大きさの細胞スフェロイドを大量に効率的に作製することができる。よって、細胞治療や再生治療などに利用する細胞を安定的に且つ容易に作製することができる。
1 細胞培養バッグ
2 培養空間
3 バッグ本体
3A 上面開口
3B 底面
3C 外周面
4 蓋部
4A 外縁部
5 ポート部
6 チューブ
7 キャップ
8 液体培地
10 液体培地収容部
11 凸部
12 頂部
13 頂部
13A 平面
14 傾斜面
14A、14B 段部
15、17 起立部
16 膨出頂部
18 円錐頂部
19 液体培地標準ライン
20 蓋部
21 容量干渉凹部

Claims (10)

  1. 閉鎖系の培養空間を有する円筒形の細胞培養容器であって、
    底面の一部が当該培養空間に向けて隆起した培養液収容部と、
    当該培養空間の内部と外部とを連通するポート部を備え、
    当該隆起は、水平方向断面が当該細胞培養容器の外形と同心状の円形である凸部により形成したことを特徴とする細胞培養容器。
  2. 前記凸部の頂部が、平面を備える請求項1に記載の細胞培養容器。
  3. 前記凸部が、傾斜面を備える請求項1又は請求項2に記載の細胞培養容器。
  4. 前記傾斜面が、階段状である請求項3に記載の細胞培養容器。
  5. 形状維持性を備えた軟性の透明材料からなる請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の細胞培養容器。
  6. 当該細胞培養容器の上部に、前記ポート部を備える請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の細胞培養容器。
  7. 上面が、前記培養空間の内容量に応じて変形可能である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の細胞培養容器。
  8. 当該凸部の高さに比べて、当該培養空間に収容される液体培地の液面の高さを高くして旋回培養に用いる請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の細胞培養容器。
  9. 当該凸部の高さよりも高い位置に、当該培養空間に収容する液体培地の標準量を示す指標を備える請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の細胞培養容器。
  10. 接着性細胞の旋回培養に用いる請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の細胞培養容器。
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