JP2010046053A - シート状動物細胞塊培養組成物とその作成方法 - Google Patents

シート状動物細胞塊培養組成物とその作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、動物細胞を体外で培養する際に、スキャフォールドを用いずに、形状や大きさが制御されたシート状動物細胞塊培養組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は少なくとも、遠心回転半径方向に垂直な平坦な内面を含む容器に動物細胞懸濁液を入れて遠心分離し、シート状動物細胞塊を形成させたまま該当容器内で培養開始して得られることを特徴とするシート状動物細胞塊培養組成物に関する。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
産業上の利用分野
本発明は、シート状動物細胞塊培養組成物に係わる。
近年ヒト細胞などの動物細胞を用いた組織再生に関する基礎的知見が多々発見されその臨床応用に期待が寄せられている。作成する組織の種類に応じて様々な形状の組織を作成する必要があり、軟骨、皮膚、網膜ではシート状組織の作成が必要となる。これまでシート状組織を作成する方法としては、皮膚細胞のようにフィーダー細胞層の上で培養する場合を除けば、温度応答性ポリマーのコーティング面に細胞を接着培養し細胞増殖後に温度を低下させポリマーを分解して細胞シートを回収する方法(WO01/068799)、あるいは、不織布やコラーゲンゲルなどのスキャフォールドをシート状に成型しその内部で細胞を培養する方法(Journal of Bioscience and Bioengineering,98(6),477−481,2004)などがあった。
しかし、これらの方法では温度応答性ポリマーやコラーゲンなどの薬剤が作成した組織に混入し、組織を人体に移植した後も残留し影響する懸念があった。また、これらの薬剤の使用は組織の製造コストを上げる要因になるばかりでなく、薬剤の操作のために組織作成プロセスが複雑となり、これらの組織を用いた移植治療の実用化の障害となることが懸念されている。
そのため、特殊な薬剤や担体を使用しない“スキャフォールドフリー”な培養方法による立体組織の構築方法の開発が求められている。これに対して、軟骨細胞を用いた古典的な培養方法であるペレット培養法(細胞培養技術、東京化学同人、p.189、1990)や旋回凝集培養法(再生医療(日本再生医療学会雑誌),Vol.7Suppl,p.124−125,2008)がある。しかし、ペレット培養法や旋回凝集培養法で作成できる細胞凝集塊はシート状ではなく球状でその大きさや正確な形状をコントロールできない。
したがって、スキャフォールドフリーで、形状や大きさを制御できるシート状組織の作成方法が求められている。
発明が解決しようとする課題
本発明は、動物細胞を体外で培養する際に、スキャフォールドを用いずに、形状や大きさが制御されたシート状動物細胞塊培養組成物を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
上述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成させたものである。即ち、本発明は少なくとも、遠心回転半径方向に垂直な平坦な内面を含む容器に動物細胞懸濁液を入れて遠心分離し、シート状動物細胞塊を形成させたまま該当容器内で培養開始して得られることを特徴とするシート状動物細胞塊培養組成物に関する。
本発明で用いる遠心回転半径方向に垂直な平坦な内面の形状としては、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、正五角形、ドーナツ型などを例として挙げることができる。
本発明で用いる遠心回転半径方向に垂直な平坦な内面の面積としては、0.15〜1000cmのいずれでもよいが、0.2〜10cmが好ましい。
本発明で用いる容器の深さとしては、3〜100mmのいずれでもよいが、5〜50mmが好ましい。
本発明で用いる容器の材質は、その成分が培養液に溶出し細胞に悪影響を与えるものでなくてはならないが、例としてポリスチレン、ポリプロピレン、ステンレス、ガラスなどを挙げることができる。
特に、動物細胞の接着に適した材質とは、動物細胞が接着しやすいように親水化処理を施されたり、接着タンパク質をコーティングされた材質などであり、接着培養用にプラズマ放電処理を施され「細胞培養用」として市販されているポリスチレン製培養器などを例として挙げることができる。
本発明で用いる遠心分離に用いる遠心分離器としては、遠心回転半径方向に垂直な平坦な内面を含む容器を遠心できるものであればどのようなものでもよいが、スイング型が望ましい。
遠心速度としては、50〜15000rpmのいずれでもよいが、100〜3000rpmが好ましい。
本発明で用いる動物細胞は、動物由来の細胞であり、動物の種類としては鳥類、爬虫類、両生類、魚類、哺乳類などを挙げることができる。哺乳類動物としては、たとえばヒト、サル、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ネズミなどを例としてあげることができる。また、動物から採取してから一般的に50回程度までの限られた回数のみ分裂、増殖できる初代細胞および動物から採取された後一般に50回以上の多数回分裂、増殖できる細胞株の両方とも用いることができる。初代細胞の例として、ヒト関節軟骨細胞、ラット初代肝細胞、マウス初代骨髄細胞、ブタ初代肝細胞、ヒト初代臍帯血細胞などを挙げることができる。細胞株の例としては、チャイニーズハムスター卵巣細胞株CHO細胞、ヒト子宮癌細胞株HeLa、アフリカミドリザル腎細胞株Vero細胞、ヒト肝ガン細胞株Huh7細胞などを挙げることができる。また、以上にあげた細胞に対して、プラスミドの導入、ウイルス感染などの手段により遺伝子操作を施して得られた細胞も本発明で用いることができる。
本発明で用いる軟骨細胞は、関節軟骨組織から採取した軟骨細胞、骨髄液や臍帯血に含まれる間葉系幹様細胞およびそれらから体外で分化させて得られる軟骨細胞、ある時期の受精卵から分離される胚性幹細胞(ES細胞)およびそれらから体外で分化させて得られる軟骨細胞などを例として挙げることができる。また、以上にあげた細胞に対して、プラスミドの導入、ウイルス感染などの手段により遺伝子操作を施して得られた細胞も本発明で用いることができる。
本発明で作成するシート状動物細胞塊の面積は、遠心分離に用いる容器の遠心回転半径方向に垂直な平坦な内面の面積以下である。
本発明で作成するシート状動物細胞塊の厚さは、0.1〜50mmのいずれでもよいが、0.5〜10mmが好ましい。
本発明で作成するシート状動物細胞塊の厚さは同じ細胞塊でも場所により差異が生じる場合があるが、その偏差は±50%の範囲内であればよいが、±20%以内が好ましい。
本発明で用いる培養用の培地としては、細胞の増殖及び維持を支援すべく使用される成長因子及び栄養素を含む標準培地や標準培地に動物血清をはじめとする種々の添加物を加えた培地を例として挙げることができる。用いる標準培地は培養を所望する細胞種によって異なり、通常動物細胞の培養で用いられるイスコフ培地、RPMI培地、ダルベッコMEM培地など培地を用いうるが、公知文献等により、細胞の増殖及び維持に有効であることが知られている血清以外の因子、たとえば血清アルブミン、トランスフェリン、脂質及び脂肪酸源、コレステロール、ピルビン酸塩、グルココルチコイド、DNA及びRNA合成用ヌクレオシド、増殖因子(例えば表皮成長因子、線維芽細胞成長因子、血小板由来成長因子及びインシュリン)、並びに細胞外マトリックス細胞(例えばコラーゲン、フィブロネクチン及びラミニン)等を添加してもよい。
本発明で行う培養の期間は、1〜2000hのいずれでもよいが、24〜800hが好ましい。
以下に実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
ブタの大腿骨ヒザ関節軟骨をメスで採取し、0.25%コラゲナーゼ溶液(DMEM+10%FCSに溶かす。)に懸濁し、37℃で4時間インキュベートして、軟骨細胞懸濁液を得た。
遠心管ペレット培養として、5.0×10cells/mlの細胞懸濁液(DMEM+10%FCS)0.5mlを15ml容遠心管(SUMILON MS−56150)に入れ、1200rpmで5分間遠心分離した後、遠心管のふたをゆるめて立て、37℃、5%CO下で静置培養した。一方、遠心シート培養として、3.1×10cells/mlの細胞懸濁液(DMEM+10%FCS)0.2mlを96穴マルチウェル(SUMILON MS−8096F)に入れ、1200rpmで5分間遠心分離した後、培地を0.1ml追加し、37℃、5%CO下で静置培養した。いずれも1週間ごとに培地を交換し3週間培養した後、ペレットおよびシートをスパチュラで取り出した。
その結果、遠心管ペレット培養で生成したペレットを平面上に置いた際の直径が部分によって3〜4.2mmと一定でなく、形状も円盤状ではなく、むしろ球形に近い不定形であった(図1A、B)。
遠心シート培養で生成したシートは、直径が6.1〜6.4mmと場所によらずほぼ一定の円盤状で、厚みも0.45〜0.55mmと一定していた(図1C)。
軟骨細胞用分化培地(CDMTM BulletKit、 Lonza社CC−3225)を用いて作成したヒト膝関節軟骨細胞(Lonza社、NHAC−kn)懸濁液(3.1×10cells/ml)0.2mlを接着培養用96穴マルチウェル(SUMILON MS−8096F)および浮遊培養用96穴マルチウェル(SUMILON MS−8096R)に入れ、1200rpmで5分間遠心分離した後、培地を0.1ml追加し、37℃、5%CO下で1週間静置培養した。
その結果、接着培養用96穴マルチウェルで生成したシート(図2A)はウェル底面に沿った円形(円盤状)だったが、浮遊培養用96穴マルチウェルで生成したシート(図2B)は直径が約1.5mmに収縮していた。
発明の効果
以上示したように、本発明によれば、少なくとも、遠心回転半径方向に垂直な平坦な内面を含む容器に動物細胞懸濁液を入れて遠心分離し、シート状動物細胞塊を形成させたまま該当容器内で培養開始することによりシート状動物細胞塊培養組成物を提供することができる。
ペレットとシートの比較(Aは遠心管中のペレットの図、Bは遠心管から取り出したペレットの図、Cはウェルから取り出したシートの図) 2種類のウェルにおけるシート培養(Aは接着培養用96穴マルチウェルの場合の図、Bは浮遊培養用96穴マルチウェルの場合の図)

Claims (1)

  1. 1.遠心回転半径方向に垂直な平坦な内面を含む容器に動物細胞懸濁液を入れて遠心分離し、シート状動物細胞塊を形成させたまま該当容器内で培養開始して得られることを特徴とするシート状動物細胞塊培養組成物。
    2.遠心回転半径方向に垂直な平坦な内面の面積が0.3cm以上であることを特徴とする請求項1に記載のシート状動物細胞塊培養組成物。
    3.遠心回転半径方向に垂直な平坦な内面が動物細胞の接着に適した材質からなることを特徴とする請求項1乃至2に記載のシート状動物細胞塊培養組成物。
    4.使用動物細胞が軟骨細胞であることを特徴とする請求項1乃至3に記載のシート状動物細胞塊培養組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014138558A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Terumo Corp シート状細胞培養物の製造方法
JP2015142525A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 大日本印刷株式会社 細胞積層体を製造するための細胞培養容器
JP2018046868A (ja) * 2018-01-04 2018-03-29 テルモ株式会社 シート状細胞培養物の製造方法

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