JPWO2018181690A1 - 鉛フリーはんだ合金及びはんだ継手 - Google Patents

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Abstract

本願発明の鉛フリーはんだ合金は、少なくとも表面層にAlを含有する被接合部材とのはんだ付けに用いられるSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金であって、Niに加え、Alとの標準電極電位の差が0.7V以下である助剤を含んだものである。本願発明のはんだ継手は、上記の鉛フリーはんだ合金を用いることによって、少なくとも表面層にAlを含有する被接合部材との接合部に上記の助剤が分布し、被接合部材とはんだ合金との間の標準電極電位の差が低減したものである。

Description

本発明は、少なくとも表面層にAlを含む基板とのはんだ付けに用いられるSn‐Ag‐Cu系鉛フリーはんだ合金に関する。
Alは、他の金属と比較して、高い熱伝導率を有し、熱応力の発生が少ないために、電子機器等の放熱部材に多く用いられている。また、近年、Alの特性である比重の小ささ又は強度が着目され、モータ等の軽量化に寄与する素材としても検討がなされている。
しかし、上述したように、Alを放熱部材、又は、モータのコイル等に用いる場合、はんだを用いて接合するのが一般的であるが、十分な接合強度及び信頼性が得られないという問題点が存在している。
Al用はんだとして、特許文献1には Sn-(3〜40%)Zn-(1〜10%)Ag-(0.5〜4%)Cu組成のはんだ合金が、特許文献2にはSn-(0.5〜7%)Mg-(1.5〜20%)Zn-(0.5〜15%)Ag組成のはんだ合金がそれぞれ開示されている。
また、特許文献3にはSn-(10〜15%)Zn-(0.1〜1.5%)Cu-(0.0001〜0.1%)Al-(0.0001〜0.03%)Si-(0.0001〜0.02%)Ti-(0.0001〜0.01%)B組成のはんだ合金が、特許文献4にはSn-(10%以下) Ag-(15%以下)Al組成のAl部材直接接合用はんだ合金がそれぞれ開示されている。
そして、特許文献5にはAl材同士、又はAl材と異種材との接合に関する接合方法として、Cu、Ag、In、Bi、Co、Tiの群より選択される金属元素と残部SnからなるSn系はんだを用いた接合が開示されている。
特開昭50−50250号公報 特開昭50−56347号公報 特開2006−167800号公報 特開2008−142729号公報 特開2011−167714号公報
一方、鉛フリーはんだ合金として広く用いられているSn-Ag-Cu系はんだ合金はAl部材の接合には適さないと知られている。詳しくは、Sn-Ag-Cu系はんだ合金を用いて、Al部材同士の接合を行う場合、又は、Al部材及び異種金属部材を接合する場合には、Al部材表面に形成される酸化膜、また、電解腐食(ガルバニック腐食)等の問題が生じることにより十分な接合強度が得られないことが知られている。
更に、斯かるはんだ継手を海水のような塩水等の環境で使用した場合は、前記電解腐食が早く進行し、短時間でSn-Ag-Cu系はんだ合金とAl部材とが剥離されてしまう問題があった。
しかしながら、特許文献1〜5においては、Sn-Ag-Cu系はんだ合金については開示されていない。また、Sn-Ag-Cu系はんだ合金を用いてAl部材を接合したはんだ継手に対する塩水の環境での耐腐食性及び接合信頼性の向上については工夫されていない。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、塩水の環境でも、Al部材との接合に対する優れた耐食性及び高い接合信頼性を維持できるSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金及びはんだ継手を提供することにある。
本発明に係る鉛フリーはんだ合金は、少なくとも表面層にAlを含む被接合部材とのはんだ付けに用いられるSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金において、Ni、及び、Alとの標準電極電位の差が0.7V以下である助剤を含むことを特徴とする。
本発明に係る鉛フリーはんだ合金は、前記助剤は、Mn、Ti、Mg、Zrのうち少なくとも一つであることを特徴とする。
本発明に係る鉛フリーはんだ合金は、Mnの添加量は0超過0.01重量%であることを特徴とする。
本発明に係る鉛フリーはんだ合金は、3.00重量%のAg、5.00重量%のCu、0.05重量%のNiを含むことを特徴とする。
本発明に係るはんだ継手は、Niが添加されたSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金と、少なくとも表面層にAlを含む被接合部材とのはんだ継手において、前記鉛フリーはんだ合金はAlとの標準電極電位の差が0.7V以下である助剤を含み、前記助剤は接合部に分布していることを特徴とする。
本発明によれば、塩水の環境でも、Al部材との接合に対する優れた耐食性及び高い接合信頼性を維持できるSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金及びはんだ継手を提供できる。
本実施の形態に係るはんだ継手の試験試料に用いられる試験片を示す斜視図である。 本実施の形態に係るはんだ継手の試験試料の一例を模式的に示す模式図である。 表2の腐食試験結果を表すグラフである。 表6の最大応力の測定結果を表すグラフである。 表7の最大応力の割合を表すグラフである。 比較例1の最大応力と、実施例2〜5及び比較例2〜5の試験試料の最大応力との差を、Alの標準電極電位との差(V)に対してプロットしたグラフである。
以下に、本発明の実施の形態に係るSn‐Ag‐Cu系鉛フリーはんだ合金及びはんだ継手について、図面に基づいて詳述する。
本実施の形態に係るSn‐Ag‐Cu系鉛フリーはんだ合金は、Alを含有する被接合部材とのはんだ付けに用いられる。ここで、Alを含有する被接合部材とは、例えば、純アルミニウム部材、又は、Alコーティングされた表面を有する部材、或は、少なくとも表面層にAlを含む部材を含む。
以下においては、少なくとも一方の純アルミニウム(Al)板に、Sn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金のはんだ付けを行った場合を例に説明する。本実施の形態に係るSn‐Ag‐Cu系鉛フリーはんだ合金はSn、Ag、Cuに加え、Ni及び助剤を更に含む。以下においては、助剤としてMnが添加された場合を例に挙げて説明する。
表1は、本実施の形態に係るSn‐Ag‐Cu系はんだ合金(実施例1)の組成を示す表である。また、表1には、比較例1及び比較例2についても示している。

Figure 2018181690
表1に示すように、本実施の形態に係るSn‐Ag‐Cu系はんだ合金(以下、実施例1と言う)は、Cuと、Agと、Niとを夫々5重量%、3重量%、0.05重量%含んでおり、0.003重量%のMnを更に含み、残部がSnである。実施例1におけるはんだ付け温度は320℃である。
また、比較例1は、Cuと、Agと、Niとを夫々5重量%、3重量%、0.05重量%含んでおり、残部がSnである。比較例2は、Cuと、Agとを夫々0.5重量%、3重量%含んでおり、残部がSnである。比較例1,2におけるはんだ付け温度は夫々320℃、245℃である。
上述した実施例1、比較例1及び比較例2を用いてはんだ継手の試験試料を作成した。試験試料は、実施例1、比較例1及び比較例2を用いて、Al試験片同士を接合することにより作成された。以下、詳しく説明する。
図1ははんだ継手の試験試料に用いられる試験片を示す斜視図であり、図2ははんだ継手の試験試料の一例を模式的に示す模式図である。試験片1は25×5×1mmの短冊状を有している。
先ず、図1に示すように試験片1の端部にフラックスを約0.01g塗布する。前記フラックスは日本スペリア社製No.1261である。次に、試験片1の端部における、幅6mmの約正方形のはんだ付け範囲(図1中、ハッチングにて表示)に実施例1、比較例1又は比較例2のはんだ付けを行い、これら合金のメッキ層を形成した。このような試験片を一対用意する。
以上のように用意されたAlの試験片同士をはんだ付けすることにより試験試料のはんだ継手100を作成する。すなわち、実施例1、比較例1,2の何れにおいても、試験試料のはんだ継手100は、一方の試験片1a及び他方の試験片1b共にAlの試験片から製作した。
試験試料のはんだ継手100の製作においては、図2に示すように、Alの試験片1a,1bの前記はんだ付け範囲を向かい合わせ、その間に6×5×0.4mmのはんだ合金箔2を挟み、はんだ合金箔2及びその周囲を加熱して、試験片1a,1bを接合した。この際、はんだ付け温度は表1に記載の通りであり、試験片1a,1bは相互平行である。その後、作成されたはんだ継手100を室温に冷却し、図2に示す試験試料のはんだ継手100が得られた。
実施例1の試験試料においては、試験片1a,1bが実施例1によって接合され、比較例1の試験試料においては、試験片1a,1bが比較例1によって接合され、比較例2の試験試料においては、試験片1a,1bが比較例2によって接合されている。
このような、実施例1及び比較例1,2の試験試料のはんだ継手100を用いて腐食試験を行った。斯かる腐食試験では、3%のNaCl水溶液に各試験試料を完全に浸漬させて、室温に放置した。この際、試験試料同士の接触が生じないように静置した。浸漬開始から24時間おきに試験試料を取り出し、正常に接合されているかの確認を行った。
斯かる確認は、試験試料のはんだ継手100の一端からおよそ5mmの位置P1を樹脂製ピンセットの先端で押圧して固定し、他端からおよそ5mmの位置P2を樹脂製ピンセットの先端で3回押すことにより行われた。この際、試験試料のはんだ継手100を押す強さは、試験試料が変形したり、強制的な剥離が発生しない程度の強さである。正常に接合している試験試料は再びNaCl水溶液内に浸漬させ、正常に接合していない、すなわち、剥離が発生した試料は容器から取り出した。
斯かる腐食試験結果を表2に示す。表2における腐食試験結果は、試験片1bの接合部での剥離発生を示している。図3は表2の腐食試験結果を表すグラフである。すなわち、表2及び図3は、試験片1a,1bの何れもがAlの試験片である場合における、試験片1bでの腐食試験結果である。

Figure 2018181690
斯かる腐食試験は、実施例1と、比較例1,2とにおいて、夫々3回ずつ行われた。表2においては、浸漬開始から剥離の発生の確認までの日数(以下、接合日数と言う)を示している。また、腐食試験結果は昇順にて示している。
表2及び図3から分かるように、比較例2の平均接合日数が12日、比較例1の平均接合日数が36日、実施例1の平均接合日数が108日である。すなわち、接合日数を対比してみると、比較例2、比較例1、実施例1の順に長くなる。比較例1の接合日数は、比較例2の接合日数よりも3倍長く、更に実施例1の接合日数は比較例1の接合日数よりも3倍長い。
以上のことから、実施例1においては、試験片1bがAlである場合、すなわち、Alを含有する被接合部材の場合、比較例1、2よりも耐腐食性、接合信頼性に優れている。
以上のように、実施例1は、塩水の使用環境に置かれた場合でも、優れた耐食性及び高い接合信頼性を維持できる。このような結果は、助剤として添加されたMnが影響していると考えられる。以下、詳しく説明する。
電解腐食は、標準電極電位の差が大きいほど進行する。すなわち、Alを含有する被接合部材の場合は、Alとの標準電極電位の差が大きいはんだ合金ほど、接合部での電解腐食が酷くなり、塩水の中では更に電解腐食の速度が速くなる。
一方、実施例1に添加されたMnの標準電極電位は‐1.18Vであり、またAlの標準電極電位は‐1.68である。Mn及びAl間における標準電極電位の差(以下、Mnの電位差と言う。)は0.5Vであり、比較的に小さい。実施例1においては、このようなMnが、はんだ継手100の接合界面付近(接合部)に分布すると推察される。例えば、接合部に形成されるCu‐Al系又はCu‐Ag系の金属間化合物にMnが含まれることも考えられる。従って、実施例1においては、接合部にて、Alを含有する被接合部材とはんだ合金との標準電極電位の差が低減される。これによって接合部での腐食が抑制されると考えられる。
以上においては、電解腐食を抑制する助剤としてMnが添加された場合を例に挙げて説明したが本発明はこれに限るものでない。Alとの標準電極電位の差が、Mnの電位差(0.5V)以下である助剤であれば良い。例えば、Ti及びZrの標準電極電位は夫々‐1.63V及び‐1.55であり、Alとの標準電極電位の差は夫々0.05V及び0.13VであるのでMnの電位差0.5Vより小さい。従って、助剤として、Ti又はZrを用いても良い。
また、本発明は以上の記載に限るものでない。Mn以外の助剤として、Alとの標準電極電位の差がMnの電位差(0.5V)と同程度のものを用いても良い。例えば、Mgの場合、標準電極電位が‐2.36であり、Alとの標準電極電位の差は0.68Vであり、Mnの電位差0.5Vと同程度である。従って、助剤として、Mgを用いても良い。
以上のことから、電解腐食を抑制する助剤としては、Alとの標準電極電位の差が0.7V以下であるものを用いれば良い。すなわち、斯かる助剤としては、Mn,Mg,Ti,Zrのうち、何れかであっても良い。またこれに限るものでなく、Mn,Mg,Ti,Zrのうち二つ以上を用いても良い。
以上においては、本実施の形態に係るSn‐Ag‐Cu系はんだ合金が0.003重量%のMnを含む場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものでない。Mnが0〜0.01重量%の範囲内である場合、本実施の形態に係るSn‐Ag‐Cu系はんだ合金は上述した効果を奏する。
上述したように、Mn,Mg,Ti,Zrのうち何れかを助剤として用いた場合、及び、助剤としてMnを0〜0.01重量%添加した場合、電解腐食を抑制する効果を奏するかを確認するために、助剤としてMg,Ti,Zrを用いた場合、及び、助剤としてMnを0〜0.01重量%添加した場合についても試験を行った。
助剤としてMg,Ti,Zr、又は0〜0.01重量%のMnを添加した、試験試料のはんだ継手100を用いた試験を行った。詳しくは、試験試料のはんだ継手100を塩水中に所定時間浸漬させた後、斯かるはんだ継手100の引張強度を測定し、塩水中への浸漬時間に伴う接合強度の変化を観察した。
表3は、前記引張強度の測定に用いられた試験試料のはんだ継手100(Sn‐Ag‐Cu系はんだ合金)の組成を示す表である。また、表3に記載の比較例1及び比較例2は上述したものと同様である。更に、表3には、比較のために比較例3〜5を追加した。

Figure 2018181690
表3に示すように、本実施の形態に係るはんだ継手100(表3の実施例2〜5)は、助剤として、Mn,Mg,Ti,Zrを夫々含む。一方、新たな比較例3〜5は、助剤としてZn,Na,Feを夫々含む。
本実施の形態に係るはんだ継手100のうち、実施例2は、Agと、Cuと、Niとを夫々3重量%、5重量%、0.05重量%含んでおり、0.009重量%のTiを更に含み、残部がSnである。実施例3は、Ag、Cu、及びNiは実施例2と同量であり、0.008重量%のZrを更に含み、残部がSnである。実施例4は、Ag、Cu、及びNiは実施例2と同量であり、0.010重量%のMnを更に含み、残部がSnである。実施例5は、Ag、Cu、及びNiは実施例2と同量であり、0.004重量%のMgを更に含み、残部がSnである。実施例2〜5におけるはんだ付け温度は何れも320℃である。
また、比較例3は、Ag、Cu、及びNiは実施例2と同量であり、0.012重量%のZnを更に含み、残部がSnである。比較例4は、Ag、Cu、及びNiは実施例2と同量であり、0.008重量%のNaを更に含み、残部がSnである。比較例5は、Ag、Cu、及びNiは実施例2と同量であり、0.010重量%のFeを更に含み、残部がSnである。
比較例3〜5におけるはんだ付け温度は何れも320℃である。なお、比較例1〜2については既に説明しており、説明を省略する。
表4は、実施例2〜5及び比較例2〜5に添加された助剤の標準電極電位(V)、及び、助剤の標準電極電位(V)とAlの標準電極電位との差(V)を示している。即ち、Alの標準電極電位との差(V)は、Alの標準電極電位から助剤の標準電極電位を引いた値である。表4においてはAlの標準電極電位との差(V)は絶対値にて示している。なお、比較例2においては、助剤としてSnが添加されたものとみなして、助剤の標準電極電位(V)及びAlの標準電極電位との差(V)を記載した。
Figure 2018181690
助剤として、Mn,Mg,Ti,Zr,Zn,Na,Feを夫々添加した場合(実施例2〜5、比較例3〜4)における、これら各成分(元素)の添加量は、各元素が放出する電子量が同量になるように定められた。これは、電解腐食が異種金属元素(助剤)間での電子授受によって起こる反応現象であることから、腐食抑制効果について、各元素の添加効果を比較評価するために、反応の授受にかかわる電子量を合わせる必要があると判断されたからである。
具体的には、Mnの添加量が0.010重量%である場合を基準として、各元素がイオン化する時の放出電子量が同量になるように、各元素のイオン化価数及び原子量から、以下の式に基づいて算出された。表5は、各元素のイオン化価数、原子量及び計算された添加量(表5中、計算添加量)を示す。

添加量=Mnの添加量×(Mnの価数/元素の価数)×(元素の原子量/Mnの原子量)
Figure 2018181690
表3に記載の実施例2〜5及び比較例1〜5のはんだ合金を用いてはんだ継手の試験試料を作成した。試験試料は、図2に示したものと同形状である。また、図2に示す試験試料の製作については既に説明しており、詳しい説明を省略する。
このように作成された実施例2〜5及び比較例1〜5の試験試料に対する引張強度の測定の前に、これら試験試料を塩水の中に所定時間浸漬させた。詳しくは、実施例2〜5及び比較例1〜5に係る試験試料を、塩水(3%のNaCl水溶液)に完全に浸漬させて、室温に放置した。この際、試験試料同士の接触が生じないように静置した。浸漬開始からの経過時間が72時間、168時間、336時間であるときに試験試料を取り出し、引張強度を測定した。塩水は一週間毎に交換した。
引張強度の測定は、島津製作所製試験機AG-IS10kNを用いて行った。詳しくは、塩水に浸漬させた後の実施例2〜5及び比較例1〜5の試験試料を、室温(20℃〜25℃)・10mm/分の条件にて、各試験試料が切断するまで引っ張り、試験試料の引張強度を測定する。引張強度の測定は各試験試料に対して5回ずつ行った。
引張強度(最大応力)の測定結果を表6に示す。表6において、「0時間」は塩水への浸漬処理前を示す。また、表6において「0」の値は、試験試料のはんだ継手において、はんだ合金(はんだ合金箔2)と試験片1a,1bとの間で剥離が発生したことを示す。また、図4は表6の最大応力の測定結果を表すグラフである。図4において、縦軸は最大応力値を示し、横軸は実施例2〜5及び比較例1〜5を示す。

Figure 2018181690
表7は、前記浸漬処理前(0時間)を基準として、実施例2〜5及び比較例1〜5の試験試料の最大応力の測定結果を示したものである。即ち、表7においては、実施例2〜5及び比較例1〜5の夫々における所定時間の浸漬処理後の最大応力を、0時間での最大応力に対する割合(百分率)として示している。また、図5は、表7の最大応力の割合を表すグラフである。図5において、縦軸は浸漬処理前応力値に対する割合を示し、横軸は実施例2〜5及び比較例1〜5を示す。

Figure 2018181690
図4〜図5及び表6〜表7から分かるように、実施例2〜5及び比較例1〜5の試験試料の何れにおいても、浸漬処理の時間が72時間、168時間、336時間に長くなることにつれて、最大応力が低下している。即ち、浸漬処理の時間が長くなることにつれて腐食が酷くなり、最大応力が低下している判断される。
しかし、72時間、168時間及び336時間の浸漬処理後において、実施例2〜5に係る試験試料のはんだ継手100の最大応力は、比較例1〜5に係る試験試料の最大応力を上回る値を示している。
実施例2〜5においては、72時間の浸漬処理後の最大応力が何れも299N以上であり、168時間の浸漬処理後の最大応力が何れも158N以上であり、336時間の浸漬処理後の最大応力が何れも54N以上であることが分かる。
このように、浸漬処理後において、実施例2〜5に係る試験試料のはんだ継手100の最大応力が比較例1〜5に係る試験試料の最大応力より高いことから、実施例2〜5に係る試験試料のはんだ継手100が、比較例1〜5に係る試験試料に比べて耐腐食性に優れていることが分かる。
図6は、比較例1の最大応力と、実施例2〜5及び比較例2〜5の試験試料の最大応力との差を、Alの標準電極電位との差(V)に対してプロットしたグラフである。図6において、縦軸は比較例1との最大応力差を示し、横軸はAlの標準電極電位との差(V)を示す。
図6から分かるように、Alの標準電極電位との差(V)が0.70である場合を境に最大応力は分かれている。Alの標準電極電位との差(V)が0.70より低い方は、比較例1との最大応力差が0より大きく、Alの標準電極電位との差(V)が0.70より大きい方は、比較例1との最大応力差が0より小さい。Alの標準電極電位との差(V)が0.70より低い方は実施例2〜5に係る試験試料のはんだ継手100に該当し、Alの標準電極電位との差(V)が0.70より大きい方は比較例2〜5に該当する。
即ち、実施例2〜5に係る試験試料のはんだ継手100においては、浸漬処理後の最大応力(引張強度)が比較例1より高く、比較例2〜5に係る試験試料においては、浸漬処理後の最大応力(引張強度)が比較例1より低い。換言すれば、実施例2〜5に係る試験試料のはんだ継手100の何れもが浸漬処理後において比較例1〜5より高い最大応力(引張強度)を示している。
以上のことから、Alとの標準電極電位の差が0.7V以下であるMn,Mg,Ti,Zrを助剤として用いることによって、はんだ継手100(はんだ合金)における電解腐食を抑制できることが確認できた。
詳しくは、0超過0.010重量%のMnを助剤として含む鉛フリーはんだ合金を用いることによって、本実施例のはんだ継手100おいては電解腐食を抑制する効果を奏する。
なお、Mnは容易に酸化される性質をもつ元素であり、はんだ(合金)表面で酸化物いわゆるドロスを形成した場合は、はんだ付け性や作業性を低下させる原因となる。また、SnにMnが添加されるとはんだ合金の融点が上昇すると言う問題もある。このようにMnの添加には、はんだ合金自体の性能やはんだ付け作業性を低下させる側面もあり、0.010重量%を超えるMnの添加は望ましくない。
また、上述したように、0超過0.009重量%のTiを助剤として含む鉛フリーはんだ合金を用いることによって、本実施例のはんだ継手100おいても電解腐食を抑制する効果を奏する。
更に、0超過0.004重量%のMgを助剤として含む鉛フリーはんだ合金を用いることによって、本実施例のはんだ継手100おいても電解腐食を抑制する効果を奏する。そして、0超過0.008重量%のZrを助剤として含む鉛フリーはんだ合金を用いることによって、本実施例のはんだ継手100おいても電解腐食を抑制する効果を奏する。
1,1a,1b 試験片
2 はんだ合金箔
100 はんだ継手

Claims (5)

  1. 少なくとも表面層にAlを含有する被接合部材とのはんだ付けに用いられるSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金において、
    Ni、及び、Alとの標準電極電位の差が0.7V以下である助剤を含むことを特徴とする鉛フリーはんだ合金。
  2. 前記助剤は、Mn、Ti、Mg、Zrのうち少なくとも一つであり、Mnの添加量は0超過0.010重量%、Tiの添加量は0超過0.009重量%、Mgの添加量は0超過0.004重量%、Zrの添加量は0超過0.008重量%であることを特徴とする請求項1に記載の鉛フリーはんだ合金。
  3. 3.00重量%のAg、5.00重量%のCu、0.05重量%のNiを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鉛フリーはんだ合金。
  4. Niが添加されたSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金と、少なくとも表面層にAlを含有する被接合部材とのはんだ継手において、
    前記鉛フリーはんだ合金はAlとの標準電極電位の差が0.7V以下である助剤を含み、
    前記助剤は接合部に分布していることを特徴とするはんだ継手。
  5. Niが添加されたSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金と、少なくとも表面層にAlを含有する被接合部材とのはんだ継手において、
    請求項2又は請求項3に記載の鉛フリーはんだ合金を含み、
    前記助剤は接合部に分布していることを特徴とするはんだ継手。
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