JP2017213602A - はんだ付け方法及びはんだ継手 - Google Patents

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貴利 西村
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徹哉 赤岩
Tetsuya Akaiwa
徹哉 赤岩
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将一 末永
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【課題】塩水等の使用環境においても、耐食性に優れ、高い信頼性を有する、Sn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金及びAl部材のはんだ付け方法、並びに、はんだ継手を提供する。【解決手段】Niが添加されたSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金を用いて、Al部材のはんだ付けを行うはんだ付け方法において、はんだ付けにて、前記Al部材及び前記鉛フリーはんだ合金の接合界面に、Cu‐Al系又はAg‐Al系の金属間化合物を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、Al部材をはんだ付けするはんだ付け方法及びAl部材のはんだ継手に関する。
Alは、他の金属と比較して、高い熱伝導率を有し、熱応力の発生が少ないために、電子機器等の放熱部材に多く用いられている。また、近年、Alの特性である比重の軽さ又は強度が着目され、モータ等の軽量化に寄与する素材としても検討がなされている。
しかし、上述したように、Alを放熱部材、又は、モータのコイル等に用いる場合、はんだを用いて接合するのが一般的であるが、十分な接合強度及び信頼性が得られないという問題点が存在している。
Al用はんだとして、特許文献1には Sn‐(3〜40%)Zn‐(1〜10%)Ag‐(0.5〜4%)Cu組成のはんだ合金が、特許文献2にはSn‐(0.5〜7%)Mg‐(1.5〜20%)Zn‐(0.5〜15%)Ag組成のはんだ合金がそれぞれ開示されている。
また、特許文献3にはSn‐(10〜15%)Zn‐(0.1〜1.5%)Cu‐(0.0001〜0.1%)Al‐(0.0001〜0.03%)Si‐(0.0001〜0.02%)Ti‐(0.0001〜0.01%)B組成のはんだ合金が、特許文献4にはSn‐(10%以下) Ag‐(15%以下)Al組成のAl部材直接接合用はんだ合金がそれぞれ開示されている。
そして、特許文献5にはAl材同士、又はAl材と異種材との接合に関する接合方法として、Cu、Ag、In、Bi、Co、Tiの群より選択される金属元素と残部SnからなるSn系ハンダを用いた接合が開示されている。
特開昭50−50250号公報 特開昭50−56347号公報 特開2006−167800号公報 特開2008−142729号公報 特開2011−167714号公報
一方、鉛フリーはんだ合金として広く用いられているSn‐Ag‐Cu系はんだ合金はAl部材の接合には適さないと知られている。詳しくは、Sn‐Ag‐Cu系はんだ合金を用いて、Al部材同士の接合を行う場合、又は、Al部材及び異種金属部材を接合する場合には、Al部材表面に形成される酸化膜、また、電解腐食(ガルバニック腐食)等の問題が生じることにより十分な接合強度が得られないことが知られている。
更に、斯かるはんだ継手を海水のような塩水等の環境で使用した場合は、前記電解腐食が早く進行し、短時間でSn‐Ag‐Cu系はんだ合金がAl部材又は異種金属部材から剥離されてしまう問題があった。
しかしながら、特許文献1〜5においては、Sn‐Ag‐Cu系はんだ合金については開示されておらず、Sn‐Ag‐Cu系はんだ合金を用いるはんだ継手の塩水等の使用環境における耐腐食性及び信頼性の向上については考慮されていない。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、塩水等の使用環境においても、耐食性に優れ、高い信頼性を有する、Sn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金及びAl部材のはんだ付け方法、並びに、はんだ継手の提供にある。
本発明に係るはんだ付け方法は、Niが添加されたSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金を用いて、Al部材のはんだ付けを行うはんだ付け方法において、はんだ付けにて、前記Al部材及び前記鉛フリーはんだ合金の接合界面に、Cu‐Al系又はAg‐Al系の金属間化合物を形成することを特徴とする。
本発明に係るはんだ付け方法は、前記鉛フリーはんだ合金は、Cuが1〜6重量%、Agが2〜3重量%、Niが0.02〜0.1重量%であることを特徴とする。
本発明に係るはんだ付け方法は、前記鉛フリーはんだ合金は、Cuが1.5〜6重量%、Agが3重量%であることを特徴とする。
本発明に係るはんだ付け方法は、前記鉛フリーはんだ合金は、Niが0.05重量%であることを特徴とする。
本発明に係るはんだ付け方法は、前記鉛フリーはんだ合金は、Alを更に含むことを特徴とする。
本発明に係るはんだ付け方法は、前記鉛フリーはんだ合金は、0.001〜0.01重量%のAlを含むことを特徴とする。
本発明に係るはんだ付け方法は、前記Cu‐Al系の金属間化合物は、AlCu又はCu11Al9を含むことを特徴とする。
本発明に係るはんだ付け方法は、前記Ag‐Al系の金属間化合物は、Ag2Alを含むことを特徴とする。
本発明に係るはんだ継手は、Niが添加されたSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金とAl部材とのはんだ継手において、前記鉛フリーはんだ合金のはんだ付けにて前記Al部材及び前記鉛フリーはんだ合金の接合界面に形成されたCu‐Al系又はCu‐Ag系の金属間化合物を有することを特徴とする。
本発明によれば、Niが添加されたSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金及びAl部材のはんだ付けに係るはんだ継手が、塩水等の使用環境においても、耐食性に優れ、高い信頼性を有する。
本実施の形態における、Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金を用いたはんだ付け方法を説明するフローチャートである。 本実施の形態に係るはんだ付け方法によって得られた試料を概略的に説明する説明図である。 表2の試料No.10に係る試料(3Cu‐3Ag)において、Al板及びSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金の接合界面付近を観察した結果である。 表2の試料No.13に係る試料(5Cu‐2Ag)において、Al板及びSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金の接合界面付近を観察した結果である。 Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金にAlを添加した場合と、Alを添加していない場合の断面観察の結果を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態に係るはんだ付け方法及びはんだ継手について、図面に基づいて詳述する。
本実施の形態においては、純アルミニウム(Al)板に、Niが添加されたSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金のはんだ付けを行った。説明の便宜上、以下においては、Niが添加されたSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金をSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金と省略する。表1は、本実施の形態に係るSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金の組成を示す表である。
表1に示すように、試料No.1〜15に係るSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金は、Cuを0.7〜6重量%含み、Agを1〜3重量%含んでおり、Niが0.05重量%添加され、残部をSnにしている。
このような組成のSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金を用いてAl板へのはんだ付けを行った。図1は本実施の形態における、Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金を用いたはんだ付け方法を説明するフローチャートである。
まず、ホットプレート上に短冊状のAl板を載置し、該Al板の端部に適宜フラックスを塗布する(ステップS101)。例えば、前記Al板においてはんだ付けを行うべき箇所に約0.01gのフラックスを滴下する。斯かるフラックスは日本スペリア社製No.1261である。
次いで、フラックスの上に、表1の組成を有する箔片のSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金を載置させる(ステップS102)。
前記ホットプレートを例えば約300℃に昇温させ、該ホットプレートにて前記Al板及びSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金の加熱を開始する(ステップS103)。この際、フラックスが沸騰するが、フラックスの沸騰が収まるまで、Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金をピンセット等で押さえても良い。
Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金が溶融したのか確認を行い(ステップS104)、溶融が確認されなかった場合(ステップS104:NO)、溶融が確認できるまで待機する。一方、溶融が確認できたら(ステップS104:YES)、30秒後、前記Al板及びSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金をホットプレートから取り出し、室温にて冷却させる(ステップS105)。
以上により、表1の試料No.1〜15に係る組成を有するSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金が、夫々はんだ付けされたAl板が15枚準備できる。
続いて、準備された15枚のAl板に、もう一枚のAl板を夫々重ね、図1にて説明した方法と同様の方法によってはんだ付けを行う。詳しくは、もう一枚のAl板にフラックスを塗布し、2枚のAl板の端部の間に、Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金が介在する状態にて、ホットプレートを用いてもう一枚のAl板を約300℃に加熱する。
このようにして、表1の試料No.1〜15に係る組成を有するSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金を用いて2枚のAl板をはんだ付けした15個の試料(はんだ継手)が得られた。
図2は本実施の形態に係るはんだ付け方法によって得られた試料を概略的に説明する説明図である。各Al板2は、幅3mm、厚み1mm、長さ25mmである短冊状を有しており、両Al板2がその長手方向に連なるように、両Al板2の端部同士がSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金1によって接合されている。この際、各Al板2は先端から約6mmの範囲にSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金1が介在している。
このような15個の試料を用いて腐食試験を行った。
斯かる腐食試験では、3%のNaCl水溶液に各試料を浸漬させて、室温にて60日間放置した後に、Al板の剥離の発生等を目視により評価した。斯かる腐食試験結果を表2に示す。
表2にて、Al板の剥離等が観察された場合を「×」と示し、Al板の剥離等が観察されなかった場合を「○」と示している。
表2から分かるように、試料No.2〜4、9〜11、13〜15に係るSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金を用いた試料においては、3%のNaCl水溶液に60日間浸漬した場合でも、Al板の剥離等が確認されていない。すなわち、Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金において、Cuを1〜6重量%含み、Agを2〜3重量%含む場合には、3%のNaCl水溶液に60日間浸漬した場合でも、Al板及びSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金との間に剥離等は発生しなかった。
上述したように、剥離等が発生しなかった、試料No.2〜4、9〜11、13〜15に係るSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金を用いた試料に対して、最大せん断力を測定した。斯かる最大せん断力の測定は、前記腐食試験後に、当該試料を洗浄及び乾燥し、島津製作所製万能試験機AG−10kISにて、1mm/分の引張速度にて行われた。
斯かる最大せん断力の測定結果を表2に示している。表2から分かるように、最大せん断力の測定結果は、測定値が100N未満である場合と、100N超過の場合とに大きく分かれている。試料No.3、4、10、11、13〜15に係るSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金を用いた試料においては、測定値が100Nを超えており、これは、従来のアルミ接合剤の数値を上回る。
すなわち、Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金において、Cuを1.5〜6重量%含み、Agを3重量%含む場合には、3%のNaCl水溶液に60日間浸漬した場合でも剥離等は発生せず、かつ、従来のアルミ接合剤の数値を上回る最大せん断力が得られた。
このような結果は、Al板及びSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金の接合部に耐腐食性の優れた合金又は化合物が生成され、これによって腐食が抑制されたことが原因として考えられる。
図3は表2の試料No.10に係る試料(3Cu‐3Ag)において、Al板及びSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金の接合界面付近を観察した結果であり、図4は表2の試料No.13に係る試料(5Cu‐2Ag)において、Al板及びSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金の接合界面付近を観察した結果である。図3及び図4は、それぞれ図2の破線部U及び破線部Dの断面を示している。また、図3及び図4は、Sn,Al,Ag,Cu,Ni,Znに対する、EDS元素マッピング結果である。
図3及び図4から分かるように、何れの場合においても、斯かる接合界面の付近にてCu及びAgの濃度が非常に高く、Cu及びAgが接合界面付近に集中していることが見て取れる。
従って、当該接合界面付近にはCu‐Al系又はAg‐Al系の金属間化合物が形成されていると判断される。Cu‐Al系の金属間化合物としては、例えばAlCu又はCu11Al9が含まれると考えられる。また、Ag‐Al系の金属間化合物としては、Ag2Alが含まれると考えられる。
このように、当該接合界面付近にCu‐Al系又はAg‐Al系の金属間化合物が形成されることにより、ガルバニック腐食を抑制でき、接合強度が高まっていると判断される。
以上のことから、Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金を用いてAl板のはんだ付けを行う場合において、耐食性に優れ、強度が高い高信頼性のはんだ継手を得るためには、上述したように、前記Al板及びSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金の界面に、Cu‐Al系又はAg‐Al系の金属間化合物を形成させるはんだ付け方法を用いることが効果的である。
なお、この際、Cuを1〜6重量%含み、Agを2〜3重量%含むことが良い。また、Cuを1.5〜6重量%含み、Agを3重量%含むことがより望ましい。
以上においては、Al部材の一例としてAl板を用いて説明したが、これに限るものでなく、その形状を問わず、純粋なAl又は所定範囲の不純物を含むAlにも適用可能であることは言うまでもない。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、実施の形態1に係るSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金にAlを更に添加した。
図5はSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金にAlを添加した場合と、Alを添加していない場合の断面観察の結果を示す図である。図5(a)、(b)はCuは5重量%、Agは3重量%、Niは0.05重量%、残部がSnであるSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金の場合を示している。また、図5(c)、(d)は、図5(a)、(b)に係るSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金にAlを0.01重量%添加した場合を示している。以下においては、説明の便宜上、図5(a)、(b)に係るSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金を、Al無添加Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金という。また、図5(c)、(d)に係るSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金を、Al添加Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金という。
更に、図5(a)、(c)は、はんだ付け直後における、前記Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金の断面観察の結果であり、図5(b)、(d)は、150℃で100時間エージング処理した後における、前記Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金の断面観察の結果である。
図5(a)、(c)を比較してみると、Al無添加Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金における金属間化合物Cu6Sn5の粒子((a))の大きさは、Al添加Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金のCu6Sn5の粒子((c))の大きさより大きい。
また、図5(b)、(d)を比較してみると、Al無添加Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金においては((b))、エージング処理後、金属間化合物Cu6Sn5の粒子の大きさが成長している。これに対し、Al添加Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金においては((d))、エージング処理前後のCu6Sn5の粒子の大きさに変化は見当たらない。
以上のことから、Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金では、Alによって、Cu6Sn5等の金属間化合物の生成において、粒子の大きさが抑制されたと判断される(図5(a)、(c)参照)。また、Alによって、エージング処理における、Cu6Sn5等の金属間化合物の粒子の成長が抑制されたと判断される(図5(a)、(c)参照)。
このように、Al無添加Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金に比べて、Al添加Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金においてはCu6Sn5等の金属間化合物の粒子の大きさが小さく抑制され、斯かるはんだ継手の機械的特性(例えば、接合強度)の改善及び維持が可能である。
本実施の形態においては、Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金に、0.01重量%のAlを添加した場合を例として説明したが、これに限るものでない。Alの添加量は、0.001〜0.01重量%であれば良い。
(実施の形態3)
以上の記載においては、Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金にてNiが0.05重量%である場合を例に挙げて説明したが、これに限るものではない。表3は、実施の形態に係るSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金の組成を示す表である。
表3に示すように、試料No.16〜31に係るSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金は、Cuを1〜6重量%含み、Agを2〜3重量%含み、Niを0.02〜0.1重量%含んでおり、残部をSnにしている。
試料No.16〜31に係る組成のSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金を用いてAl板へのはんだ付けを行った。すなわち、図1にて説明した方法と同様の方法によってはんだ付けを行い、図2に示すような腐食試験用の試料(はんだ継手)を作成した。腐食試験用の試料の作成方法及び形状(寸法)については、既に説明しており、ここでは詳しい説明を省略する。
このように作成された腐食試験用の試料を用いて腐食試験を行った。斯かる腐食試験では、3%のNaCl水溶液に各試料を浸漬させて、室温にて60日間放置した後に、Al板の剥離の発生等を目視により評価した。斯かる腐食試験結果を表4に示す。なお、説明の便器上、各腐食試験用の試料に対しては、その試料に用いられたSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金の表3における組成と同じ試料番号を付している。また、Al板の剥離等が観察された場合を「×」と示し、Al板の剥離等が観察されなかった場合を「○」と示す。
表4から分かるように、試料No.16〜31に係る全ての腐食試験用の試料において、3%のNaCl水溶液に60日間浸漬した場合でも、Al板の剥離等が確認されていない。すなわち、Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金において、Cuを1〜6重量%含み、Agを2〜3重量%含み、Niを0.02〜0.1重量%含む場合には、3%のNaCl水溶液に60日間浸漬した場合でも、Al板及びSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金との間に剥離等は発生していない。
以上のような結果から、実施の形態に係るSn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金において、Cuを1〜6重量%含み、Agを2〜3重量%含む場合には、Niを0.05重量%含むときだけでなく、Niが0.02〜0.1重量%の範囲である場合においても、優れた耐食性を有することが分かる。(この際、残部をSnである。)
1 Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金
2 Al板
本発明に係るはんだ継手は、Niが添加されたSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金とAl部材とのはんだ継手において、前記鉛フリーはんだ合金のはんだ付けにて前記Al部材及び前記鉛フリーはんだ合金の接合界面に形成されたCu‐Al系又はAg‐Al系の金属間化合物を有することを特徴とする。
以上のことから、Sn‐Ag‐Cu‐Ni系はんだ合金では、Alによって、Cu6Sn5等の金属間化合物の生成において、粒子の大きさが抑制されたと判断される(図5(a)、(c)参照)。また、Alによって、エージング処理における、Cu6Sn5等の金属間化合物の粒子の成長が抑制されたと判断される(図5()、()参照)。

Claims (9)

  1. Niが添加されたSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金を用いて、Al部材のはんだ付けを行うはんだ付け方法において、
    はんだ付けにて、前記Al部材及び前記鉛フリーはんだ合金の接合界面に、Cu‐Al系又はAg‐Al系の金属間化合物を形成することを特徴とするはんだ付け方法。
  2. 前記鉛フリーはんだ合金は、Cuが1〜6重量%、Agが2〜3重量%、Niが0.02〜0.1重量%であることを特徴とする請求項1に記載のはんだ付け方法。
  3. 前記鉛フリーはんだ合金は、Cuが1.5〜6重量%、Agが3重量%であることを特徴とする請求項2に記載のはんだ付け方法。
  4. 前記鉛フリーはんだ合金は、Niが0.05重量%であることを特徴とする請求項2に記載のはんだ付け方法。
  5. 前記鉛フリーはんだ合金は、Alを更に含むことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のはんだ付け方法。
  6. 前記鉛フリーはんだ合金は、0.001〜0.01重量%のAlを含むことを特徴とする請求項5に記載のはんだ付け方法。
  7. 前記Cu‐Al系の金属間化合物は、AlCu又はCu11Al9を含むことを特徴とする請求項1に記載のはんだ付け方法。
  8. 前記Ag‐Al系の金属間化合物は、Ag2Alを含むことを特徴とする請求項1に記載のはんだ付け方法。
  9. Niが添加されたSn‐Ag‐Cu系の鉛フリーはんだ合金とAl部材とのはんだ継手において、
    前記鉛フリーはんだ合金のはんだ付けにて前記Al部材及び前記鉛フリーはんだ合金の接合界面に形成されたCu‐Al系又はCu‐Ag系の金属間化合物を有することを特徴とするはんだ継手。
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