JPWO2018173863A1 - フッ素化炭化水素の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、フッ素化炭化水素(3)を工業的に有利に製造する方法を提供する。本発明に係る、式(3)で示されるフッ素化炭化水素を製造する方法は、炭化水素系溶媒中、リチウム塩又はナトリウム塩の存在下、下記式(1)で示される2級又は3級のエーテル化合物と、式(2)で示される酸フルオリドとを接触させることを特徴とする(式中、R1、R2はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基を表し、R1とR2は結合して環構造を形成してもよい。R3は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、R4、R5はメチル基又はエチル基を表す。)。[化1]
Description
本発明は、プラズマエッチングやプラズマ化学気相成長法(プラズマCVD)等に用いられるプラズマ反応用ガス、含フッ素医薬中間体、ハイドロフルオロカーボン系溶剤等として有用なフッ素化炭化水素の製造方法に関する。高純度化されたフッ素化炭化水素は、特に、プラズマ反応を用いる半導体装置の製造分野において、プラズマエッチング用ガス及びプラズマCVD用ガス等に好適である。
近年、半導体製造技術の微細化がますます進行し、最先端プロセスでは線幅20nm世代、さらには線幅10nm世代が採用されてきている。また、微細化に伴って、加工する際の技術難度も向上しており、使用する材料、装置、加工方法等、多方面からのアプローチにより技術開発が進められている。
このような背景から、本出願人は最先端のドライエッチングプロセスにも対応できるドライエッチング用ガスを開発しており、2−フルオロブタン等のフッ素数の少ない飽和フッ素化炭化水素が、窒化シリコン膜のエッチングに用いられているモノフルオロメタンを凌ぐ性能を有することを見出している(例えば、特許文献1参照)。
従来、2−フルオロブタンの製造方法としていくつかの方法が知られている。例えば、特許文献2には、2−ブタノールに、フッ素化剤として、N,N’−ジエチル−3−オキソ−メチルトリフルオロプロピルアミンを接触させて、2−フルオロブタンを収率46%で得たことが記載されている。特許文献3には、sec−ブチルリチウムのシクロヘキサン/n−ヘキサン混合溶液に、六フッ化硫黄を接触させることにより、フッ化sec−ブチルの生成を確認したことが記載されている。特許文献4には、2−フルオロブタジエンを触媒存在下に水素化することにより、2−フルオロブタンを得たことが記載されている。また、非特許文献1には、三フッ化ホウ素リン酸錯体やフッ化亜鉛等の触媒存在下、アダマンチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル等の環状構造を有するエーテル化合物にフッ素化剤としてフッ化アセチルを作用させて、環状構造を有するモノフッ素化炭化水素を得る方法が開示されている。
Bulletin of the Chemical Society of Japan,Vol.41,1724(1968)
上述のように、従来から、2−フルオロブタンの製造方法がいくつか知られている。
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、使用するフッ素化剤が非常に高価であり、特許文献3に記載の方法では、発火の危険性のあるアルキルリチウムを使用する。また、非特許文献1の記載に従って、無溶媒下で反応を試みたところ、副生成物である、メチルアルキルエーテルのメチル基部分がフッ素化剤由来のアセチル基で置換された、酢酸アルキルエステルが多く副生することが確認された。
このように、従来の2−フルオロブタンの製造方法は、工業的生産性の観点から適用が困難であった。
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、使用するフッ素化剤が非常に高価であり、特許文献3に記載の方法では、発火の危険性のあるアルキルリチウムを使用する。また、非特許文献1の記載に従って、無溶媒下で反応を試みたところ、副生成物である、メチルアルキルエーテルのメチル基部分がフッ素化剤由来のアセチル基で置換された、酢酸アルキルエステルが多く副生することが確認された。
このように、従来の2−フルオロブタンの製造方法は、工業的生産性の観点から適用が困難であった。
本発明者は、上述のような背景から、国際公開第2015/122386号において、sec−ブチルメチルエーテルやsec−ブチルエチルエーテル等の2級アルコールのアルキルエーテル化合物を出発原料にして、炭化水素溶媒下、アセチルフルオリドをフッ素化剤に、三フッ化ホウ素のエーテル錯体を触媒に用いると、副生成物である、酢酸アルキルエステルの生成を抑制しながら、収率良く2−フルオロブタン等のフッ素化炭化水素が得られることを報告している。
しかしながら、その後の検討で、2−フルオロブタン等のフッ素化炭化水素は、ルイス酸化合物(例えば、三フッ化ホウ素)に接触すると、一部が、フッ化水素と、ブテン類等のオレフィンとに分解してしまうことが判明し、改善が必要なことが分かった。また、三フッ化ホウ素のエーテル錯体を用いた場合、反応系中で、錯体を構成しているエーテル化合物が遊離し、これらが目的物であるフッ素化炭化水素に対して不純物となり、その種類によっては精製時に負荷がかかる場合があることが分かった。さらには、反応液中から触媒である三フッ化ホウ素を簡便に分離する必要もある。
本発明はかかる実情の下でなされたものであり、2−フルオロブタン等のフッ素化炭化水素を、工業的に有利に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく、炭化水素系溶媒中、2級アルコール又は3級アルコールのアルキルエーテル化合物とアセチルフルオリドとを接触させる反応について鋭意検討した。その結果、反応系に、触媒として工業的に安価なリチウム塩又はナトリウム塩を存在させておくと、(a)触媒として、三フッ化ホウ素のエーテル錯体を用いる場合のように、エーテル化合物(不純物)が副生成することがなく、かつ、実質的に着色のない反応液が得られること、および、(b)触媒残渣と反応液の分離が容易で、結果として、目的とするフッ素化炭化水素を工業的に有利に製造できること、を見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記(i)〜(v)の、式(3)で示されるフッ素化炭化水素の製造方法が提供される。
(i)炭化水素系溶媒中、リチウム塩又はナトリウム塩の存在下に、下記式(1)
(i)炭化水素系溶媒中、リチウム塩又はナトリウム塩の存在下に、下記式(1)
(式中、R1、R2はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R3は、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、R4は、メチル基又はエチル基を表す。また、R1とR2は結合して環構造を形成してもよい。)
で示されるエーテル化合物と、下記式(2)
で示されるエーテル化合物と、下記式(2)
(式中、R5はメチル基又はエチル基を表す。)
で示される酸フルオリドとを接触させることを特徴とする、下記式(3)
で示される酸フルオリドとを接触させることを特徴とする、下記式(3)
(式中、R1〜R3は前記と同じ意味を表す。)
で示されるフッ素化炭化水素の製造方法。
で示されるフッ素化炭化水素の製造方法。
(ii)前記リチウム塩又はナトリウム塩が無機酸の塩である、(i)に記載の製造方法。
(iii)前記式(1)で示されるエーテル化合物が、sec−ブチルメチルエーテル、又は、t−ブチルメチルエーテルである、(i)又は(ii)に記載の製造方法。
(iv)前記式(2)で示される酸フルオリドが、フッ化アセチルである、(i)〜(iii)のいずれかに記載の製造方法。
(v)前記式(3)で示されるフッ素化炭化水素が、2−フルオロブタンである、(i)〜(iv)のいずれかに記載の製造方法。
(iii)前記式(1)で示されるエーテル化合物が、sec−ブチルメチルエーテル、又は、t−ブチルメチルエーテルである、(i)又は(ii)に記載の製造方法。
(iv)前記式(2)で示される酸フルオリドが、フッ化アセチルである、(i)〜(iii)のいずれかに記載の製造方法。
(v)前記式(3)で示されるフッ素化炭化水素が、2−フルオロブタンである、(i)〜(iv)のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、反応系に、触媒として、工業的に安価なリチウム塩又はナトリウム塩を存在させておくことにより、触媒として三フッ化ホウ素のエーテル錯体を用いる場合のように、エーテル化合物(不純物)が副生成することなく、また、後処理工程において、触媒残渣と反応液とを容易に分離でき、実質的に着色のない反応液を得ることができ、目的とするフッ素化炭化水素を工業的に有利に製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、炭化水素系溶媒中、リチウム塩又はナトリウム塩の存在下に、下記式(1)で示されるエーテル化合物(以下、「エーテル化合物(1)」ということがある。)と、下記式(2)で示される酸フルオリド(以下、「酸フルオリド(2)」ということがある。)とを接触させて、下記式(3)で示されるフッ素化炭化水素(以下、「フッ素化炭化水素(3)」ということがある。)を製造する方法である。
本発明は、炭化水素系溶媒中、リチウム塩又はナトリウム塩の存在下に、下記式(1)で示されるエーテル化合物(以下、「エーテル化合物(1)」ということがある。)と、下記式(2)で示される酸フルオリド(以下、「酸フルオリド(2)」ということがある。)とを接触させて、下記式(3)で示されるフッ素化炭化水素(以下、「フッ素化炭化水素(3)」ということがある。)を製造する方法である。
〔エーテル化合物(1)〕
本発明に用いる出発原料は、エーテル化合物(1)である。
式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表す。
前記R1、R2の炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
また、R1とR2は結合して環構造を形成していても良いが、環構造を形成していないのが好ましい。
R1とR2が結合してR1およびR2が結合している炭素原子と共に形成する環構造としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環等が挙げられる。
本発明に用いる出発原料は、エーテル化合物(1)である。
式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表す。
前記R1、R2の炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
また、R1とR2は結合して環構造を形成していても良いが、環構造を形成していないのが好ましい。
R1とR2が結合してR1およびR2が結合している炭素原子と共に形成する環構造としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環等が挙げられる。
R3は、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。
R4は、メチル基又はエチル基である。
R4は、メチル基又はエチル基である。
エーテル化合物(1)は、R1〜R3の炭素合計数が、4〜7であるものが好ましく、4又は5であるものがより好ましい。
エーテル化合物(1)の具体例としては、sec−ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロブチルメチルエーテル、2−ペンチルメチルエーテル、3−ペンチルメチルエーテル、2−メチル−2−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のメチルエーテル;sec−ブチルエチルエーテル、t−ブチルエチルエーテル、シクロブチルエチルエーテル、2−ペンチルエチルエーテル、3−ペンチルエチルエーテル、2−メチル−2−ブチルエチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル等のエチルエーテル;が挙げられる。
エーテル化合物(1)の具体例としては、sec−ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロブチルメチルエーテル、2−ペンチルメチルエーテル、3−ペンチルメチルエーテル、2−メチル−2−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のメチルエーテル;sec−ブチルエチルエーテル、t−ブチルエチルエーテル、シクロブチルエチルエーテル、2−ペンチルエチルエーテル、3−ペンチルエチルエーテル、2−メチル−2−ブチルエチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル等のエチルエーテル;が挙げられる。
これらの中でも、効率よく目的物を得ることができ、かつ、原料の入手が容易であることから、sec−ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、2−ペンチルメチルエーテル等の炭素数4又は5のアルキルメチルエーテル化合物;sec−ブチルエチルエーテル、t−ブチルエチルエーテル、2−ペンチルエチルエーテル等の炭素数4又は5のアルキルエチルエーテル化合物;が好ましく、より効率よく目的物が得られることから、sec−ブチルメチルエーテル、sec−ブチルエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、2−ペンチルメチルエーテルがより好ましく、sec−ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテルがさらに好ましい。
エーテル化合物(1)の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、「油化学、第31巻、960ページ(1982年)」に記載の方法や、「Journal of American Chemical Society,Vol.54,2088(1932)」に記載の方法が挙げられる。前者の方法は、50%濃度の水酸化ナトリウムとテトラアルキルアンモニム塩のような相関移動触媒存在下に、対応するアルコールを硫酸エステルと接触させる方法である。後者の方法は、対応する無水アルコールを金属ナトリウムと接触させた後に、臭化アルキル、もしくはヨウ化アルキルと接触させてエーテル化合物を製造するものである。
〔酸フルオリド(2)〕
本発明においては、フッ素化剤として、酸フルオリド(2)を用いる。
式(2)中、R5は、メチル基又はエチル基を表す。
酸フルオリド(2)は、具体的には、フッ化アセチル、又は、フッ化プロピオニルであり、より収率よく目的物が得られる観点から、フッ化アセチルが好ましい。
本発明においては、フッ素化剤として、酸フルオリド(2)を用いる。
式(2)中、R5は、メチル基又はエチル基を表す。
酸フルオリド(2)は、具体的には、フッ化アセチル、又は、フッ化プロピオニルであり、より収率よく目的物が得られる観点から、フッ化アセチルが好ましい。
酸フルオリド(2)は公知物質であり、公知の方法により製造し、入手することができる。例えば、「Journal of Chemical Society Dalton Transaction,2129(1975)」や、「Journal of American Chemical Society,Vol.59,1474(1937)」に記載の方法に従って製造することができる。前者の方法は、酢酸にフッ化カリウムを溶解させ、加熱下に、塩化アセチル、又は、塩化プロピオニルを添加し、発生するフッ化アセチル、又は、フッ化プロピオニルを回収する方法である。後者は、無水酢酸に二フッ化水素ナトリウムを溶解させ、塩化アセチルを添加して、発生するフッ化アセチルを回収する方法である。
酸フルオリド(2)の使用量は、エーテル化合物(1)1当量に対して、通常0.7当量以上、好ましくは0.8当量以上、より好ましくは0.9当量以上であり、通常3.0当量以下、好ましくは2.5当量以下、より好ましくは2.0当量以下である。酸フルオリド(2)の使用量がこの範囲であれば、生産性に優れ、また、後処理や精製工程が煩雑にならずに済むので好ましい。
酸フルオリド(2)の内、フッ化アセチルは、エーテル化合物(1)としてメチルエーテル化合物を使用した場合には、フッ素化剤として作用した後酢酸メチルに変換される。また、エーテル化合物(1)としてエチルエーテル化合物を使用した場合には、酢酸エチルに変換される。
酸フルオリド(2)の内、フッ化プロピオニルは、エーテル化合物(1)としてメチルエーテル化合物を使用した場合には、フッ素化剤として作用した後プロピオン酸メチルに変換される。また、エーテル化合物(1)としてエチルエーテル化合物を使用した場合には、プロピオン酸エチルに変換される。
酸フルオリド(2)の内、フッ化プロピオニルは、エーテル化合物(1)としてメチルエーテル化合物を使用した場合には、フッ素化剤として作用した後プロピオン酸メチルに変換される。また、エーテル化合物(1)としてエチルエーテル化合物を使用した場合には、プロピオン酸エチルに変換される。
〔リチウム塩/ナトリウム塩〕
本発明においては、リチウム塩又はナトリウム塩の存在下に、前記エーテル化合物(1)と酸フルオリド(2)とを接触させる。
リチウム塩の具体例としては、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、リン酸リチウム、硝酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、炭酸リチウム、硫酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、スルファミン酸リチウム等の無機酸のリチウム塩;ギ酸リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、メタンスルホン酸リチウム、p−トルエンスルホン酸リチウム、トリフルオロ酢酸リチウム、マレイン酸リチウム、フマル酸リチウム、イタコン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ノナフルオロブタンスルホン酸リチウム等の有機酸のリチウム塩;が挙げられる。
また、ナトリウム塩の具体例としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、二フッ化水素ナトリウム、スルファミン酸ナトリウム等の無機酸のナトリウム塩;ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、メタンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、ヘプタフルオロ酪酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、イタコン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、ノナフルオロブタンスルホン酸ナトリウム等の有機酸のナトリウム塩;が挙げられる。
これらのリチウム塩及びナトリウム塩は、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、リチウム塩又はナトリウム塩の存在下に、前記エーテル化合物(1)と酸フルオリド(2)とを接触させる。
リチウム塩の具体例としては、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、リン酸リチウム、硝酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、炭酸リチウム、硫酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、スルファミン酸リチウム等の無機酸のリチウム塩;ギ酸リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、メタンスルホン酸リチウム、p−トルエンスルホン酸リチウム、トリフルオロ酢酸リチウム、マレイン酸リチウム、フマル酸リチウム、イタコン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ノナフルオロブタンスルホン酸リチウム等の有機酸のリチウム塩;が挙げられる。
また、ナトリウム塩の具体例としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、二フッ化水素ナトリウム、スルファミン酸ナトリウム等の無機酸のナトリウム塩;ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、メタンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、ヘプタフルオロ酪酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、イタコン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、ノナフルオロブタンスルホン酸ナトリウム等の有機酸のナトリウム塩;が挙げられる。
これらのリチウム塩及びナトリウム塩は、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、本発明の効果がより得られやすい観点から、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、リン酸リチウム、硝酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、炭酸リチウム、硫酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、スルファミン酸リチウムなどの無機酸のリチウム塩;又は、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、二フッ化水素ナトリウム、スルファミン酸ナトリウム等の無機酸のナトリウム塩;が好ましい。これらの中でも、経済性、入手容易性、及び、収率よく目的物が得られる観点から、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、リン酸リチウム、硝酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、炭酸リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、がより好ましい。
リチウム塩又はナトリウム塩の使用量は、原料であるエーテル化合物(1)1当量に対して、リチウム塩中のリチウム(又は、ナトリウム塩中のナトリウム)含有量で、好ましくは0.005当量以上、より好ましくは0.01当量以上であり、好ましくは0.3当量以下、より好ましくは0.2当量以下である。
リチウム塩又はナトリウム塩の使用量が少なすぎると、反応が完結せず、原料のエーテル化合物(1)が残存するおそれがある。リチウム塩又はナトリウム塩の添加量が多すぎると、経済的に不利になるほか、内容物の固形分濃度が高くなり、撹拌し難くなったり、後処理等の面で問題が生じるおそれがある。
リチウム塩又はナトリウム塩の使用量が少なすぎると、反応が完結せず、原料のエーテル化合物(1)が残存するおそれがある。リチウム塩又はナトリウム塩の添加量が多すぎると、経済的に不利になるほか、内容物の固形分濃度が高くなり、撹拌し難くなったり、後処理等の面で問題が生じるおそれがある。
〔炭化水素系溶媒〕
本発明においては、反応溶媒として炭化水素系溶媒を用いる。反応溶媒として炭化水素系溶媒を用いることにより、本発明の優れた効果を得ることができる。無溶媒であると、触媒のリチウム塩又はナトリウム塩が、原料のエーテル化合物(1)や、生成した目的物のフッ素化炭化水素(3)に過度に接触する事象に起因して、オレフィン等の副生成物の生成量が増加するおそれがある。
本発明においては、反応溶媒として炭化水素系溶媒を用いる。反応溶媒として炭化水素系溶媒を用いることにより、本発明の優れた効果を得ることができる。無溶媒であると、触媒のリチウム塩又はナトリウム塩が、原料のエーテル化合物(1)や、生成した目的物のフッ素化炭化水素(3)に過度に接触する事象に起因して、オレフィン等の副生成物の生成量が増加するおそれがある。
本発明に用いる炭化水素系溶媒としては、精製工程(蒸留精製)の負荷を考慮して、生成物であるフッ素化炭化水素(3)の沸点よりも25℃以上高い沸点を有する化合物を用いるのが好ましい。
用いる炭化水素系溶媒としては、具体的には、n−ペンタン、シクロペンタン等の炭素数5の炭化水素系溶媒;n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の炭素数6の炭化水素系溶媒;n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、トルエン等の炭素数7の炭化水素系溶媒;n−オクタン、4−メチルヘプタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,3−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、3−エチルヘキサン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2−メチル−3−エチルペンタン、3−メチル−3−エチルペンタン、シクロオクタン、エチルベンゼン、キシレン等の炭素数8の炭化水素系溶媒;等が挙げられる。炭化水素系溶媒同士が異性体の関係にある場合は、それらの混合物を炭化水素系溶媒として使用してもよい。
用いる炭化水素系溶媒としては、具体的には、n−ペンタン、シクロペンタン等の炭素数5の炭化水素系溶媒;n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の炭素数6の炭化水素系溶媒;n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、トルエン等の炭素数7の炭化水素系溶媒;n−オクタン、4−メチルヘプタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,3−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、3−エチルヘキサン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2−メチル−3−エチルペンタン、3−メチル−3−エチルペンタン、シクロオクタン、エチルベンゼン、キシレン等の炭素数8の炭化水素系溶媒;等が挙げられる。炭化水素系溶媒同士が異性体の関係にある場合は、それらの混合物を炭化水素系溶媒として使用してもよい。
これらの中でも、取扱い容易性の観点から、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の炭素数6の炭化水素系溶媒;n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、トルエン等の炭素数7の炭化水素系溶媒;がより好ましい。
これら炭化水素系溶媒の使用量は、原料となるエーテル化合物(1)1gに対し、通常1ml以上、好ましくは2ml以上、より好ましくは2.5ml以上であり、通常10ml以下、好ましくは5ml以下、より好ましくは3ml以下である。炭化水素系溶媒の使用量が少なすぎると、副生成物であるアルキルエステルの生成量が多くなるおそれがある。一方、使用量が多すぎると、反応が完結するまでに多大な時間を要したり、後処理時の廃液の処理が煩雑になるおそれがある。
〔反応〕
エーテル化合物(1)と酸フルオリド(2)とを接触させる方法としては、例えば、反応器に、原料となるエーテル化合物(1)と炭化水素系溶媒を仕込み、反応器を所定の温度(例えば、0℃以上10℃以下)に冷却後、全容を撹拌しながら、フッ素化剤である酸フルオリド(2)、次いで、触媒としてのリチウム塩又はナトリウム塩を添加し、その後、所定の温度に維持しながら、内容物の撹拌を継続する方法等が挙げられる。
触媒となるリチウム塩又はナトリウム塩は一括で添加しても良いし、例えば、2回又は3回等の複数回に分割して添加しても構わない。
エーテル化合物(1)と酸フルオリド(2)とを接触させる方法としては、例えば、反応器に、原料となるエーテル化合物(1)と炭化水素系溶媒を仕込み、反応器を所定の温度(例えば、0℃以上10℃以下)に冷却後、全容を撹拌しながら、フッ素化剤である酸フルオリド(2)、次いで、触媒としてのリチウム塩又はナトリウム塩を添加し、その後、所定の温度に維持しながら、内容物の撹拌を継続する方法等が挙げられる。
触媒となるリチウム塩又はナトリウム塩は一括で添加しても良いし、例えば、2回又は3回等の複数回に分割して添加しても構わない。
エーテル化合物(1)と酸フルオリド(2)とを接触させる温度(反応温度)は、0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、40℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましい。このような温度範囲内であれば、反応速度が適切であり生産性に優れ、また、生成するフッ素化炭化水素(3)の揮発によるロスを抑制することができる。
反応時間は、原料となるエーテル化合物(1)、酸フルオリド(2)、及び、炭化水素系溶媒との組合せや反応規模にもよるが、通常3時間以上24時間以下であり、好ましくは5時間以上20時間以下、より好ましくは5時間以上12時間以下である。
反応時間が短すぎると、反応が完結せず、未反応原料、又はフッ素化剤として機能する酸フルオリド(2)が多く残存して、後処理が面倒となるおそれがある。一方、反応時間が長すぎると、過剰反応が進行する可能性が高くなり、副生成物であるアルキルエステルの生成量が多くなるといった不具合を生じ易い。
反応時間が短すぎると、反応が完結せず、未反応原料、又はフッ素化剤として機能する酸フルオリド(2)が多く残存して、後処理が面倒となるおそれがある。一方、反応時間が長すぎると、過剰反応が進行する可能性が高くなり、副生成物であるアルキルエステルの生成量が多くなるといった不具合を生じ易い。
反応終了後においては、撹拌を停止すると、反応液中に触媒残渣が沈降している場合がほとんどである。反応液をろ過することにより、触媒残渣と一緒にフッ化リチウム(又は、フッ化ナトリウム)をろ別し、反応液を回収することができる。また、反応で生成する微量のフッ化水素を除去するために、例えば、反応液にフッ化ナトリウムのようなフッ化水素を除去する反応試剤(フッ化水素除去剤)を添加して撹拌後に、反応液を濾過する操作を行うことも好ましい。
本発明においては、用いる触媒(リチウム塩又はナトリウム塩)が固体であるため、中和等の煩雑な操作を要さず、ろ過操作により、触媒を容易に分離除去することができる。
その後、得られたろ液を、蒸留塔を用いて蒸留することにより、目的物であるフッ素化炭化水素(3)を単離することができる。
さらに高純度のフッ素化炭化水素(3)を得たい場合には、精留を再度実施しても良い。
以上のようにして、フッ素化炭化水素(3)を得ることができる。
本発明においては、用いる触媒(リチウム塩又はナトリウム塩)が固体であるため、中和等の煩雑な操作を要さず、ろ過操作により、触媒を容易に分離除去することができる。
その後、得られたろ液を、蒸留塔を用いて蒸留することにより、目的物であるフッ素化炭化水素(3)を単離することができる。
さらに高純度のフッ素化炭化水素(3)を得たい場合には、精留を再度実施しても良い。
以上のようにして、フッ素化炭化水素(3)を得ることができる。
本発明によれば、反応系に、工業的に安価なリチウム塩又はナトリウム塩を存在させておくことにより、触媒として三フッ化ホウ素のエーテル錯体を用いる場合のように、エーテル化合物(不純物)が副生成することがなく、かつ、実質的に着色のない反応液を得ることができる。また、触媒残渣と反応液の分離が容易であり、目的とするフッ素化炭化水素を工業的に有利に製造することができる。
本発明の製造方法により得られるフッ素化炭化水素(3)の具体例としては、2−フルオロブタン、t−ブチルフルオリド、2−フルオロペンタン、3−フルオロペンタン、2−メチル−2−フルオロブタン、シクロブチルフルオリド、シクロペンチルフルオリド、シクロヘキシルフルオリド等が挙げられる。
これらの中でも、原料入手の容易性から、2−フルオロブタン、2−フルオロペンタン及び2−フルオロ−2−メチルプロパンが好ましく、2−フルオロブタンが特に好ましい。
これらの中でも、原料入手の容易性から、2−フルオロブタン、2−フルオロペンタン及び2−フルオロ−2−メチルプロパンが好ましく、2−フルオロブタンが特に好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によってその範囲を限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「%」は「質量%」を表す。
また、以下において採用した分析条件は下記の通りである。
また、以下において採用した分析条件は下記の通りである。
・ガスクロマトグラフィー分析(GC分析)
装置:HP−6890(アジレント社製)
カラム:Inert Cap−1(ジーエルサイエンス社製、長さ60m、内径0.25mm、膜厚1.5μm)
カラム温度:40℃で10分間保持、次いで、昇温速度20℃/分で240℃まで昇温し、その後、240℃で10分間保持
インジェクション温度:200℃
キャリヤーガス:窒素
スプリット比:100/1
検出器:FID
装置:HP−6890(アジレント社製)
カラム:Inert Cap−1(ジーエルサイエンス社製、長さ60m、内径0.25mm、膜厚1.5μm)
カラム温度:40℃で10分間保持、次いで、昇温速度20℃/分で240℃まで昇温し、その後、240℃で10分間保持
インジェクション温度:200℃
キャリヤーガス:窒素
スプリット比:100/1
検出器:FID
・ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)
GC部分:HP−6890(アジレント社製)
カラム:Inert Cap−1(ジーエルサイエンス社製、長さ60m、内径0.25mm、膜厚1.5μm)
カラム温度:40℃で10分間保持、次いで、昇温速度20℃/分で240℃まで昇温し、その後、240℃で10分間保持
MS部分:5973 NETWORK(アジレント社製)
検出器:EI型(加速電圧:70eV)
GC部分:HP−6890(アジレント社製)
カラム:Inert Cap−1(ジーエルサイエンス社製、長さ60m、内径0.25mm、膜厚1.5μm)
カラム温度:40℃で10分間保持、次いで、昇温速度20℃/分で240℃まで昇温し、その後、240℃で10分間保持
MS部分:5973 NETWORK(アジレント社製)
検出器:EI型(加速電圧:70eV)
[製造例1]sec−ブチルメチルエーテルの製造
撹拌子を入れた容量500mLのナスフラスコに、2−ブタノール360mL、フレーク状水酸化カリウム(アルドリッチ社製、純度約90%)37.3gを入れ、全容を約2.5時間、50℃で撹拌した。水酸化カリウムが溶解し、均一溶液になったところで、加熱を一旦中止した。その均一溶液に、ヨードメタン84.4gを加え、ジムロート型コンデンサーを付した状態で、全容を50℃で3時間強撹拌した。反応終了後、反応液を室温(25℃、以下にて同じ。)まで冷却し、上澄み液をガスクロマトグラフィー(以下、「GC」ということがある。)にて分析したところ、ヨードメタンはほぼ消費され、目的物であるsec−ブチルメチルエーテルと、2−ブタノールが含まれていることがわかった。
ナスフラスコ内の内容物をろ過することにより、ヨウ化カリウムをろ別してろ液を得た。ろ別したヨウ化カリウムを少量の水に溶解させ、上層の有機相を分離し、先のろ液と混合してろ液混合物を得た。
得られたろ液混合物を蒸留釜に仕込み、KS型精留塔(東科精機社製、カラム長30cm、充填剤:ヘリパックNo.1)を使用して蒸留を行った。塔頂温度55〜56℃の留分を集め、共沸して留出してくる水を分液ロートで分離し、得られた蒸留物をモレキュラーシーブス4Aで乾燥することにより、sec−ブチルメチルエーテルを38g得た(収率72%)。
GC−MS(EI−MS):m/z 73、59、41、29
撹拌子を入れた容量500mLのナスフラスコに、2−ブタノール360mL、フレーク状水酸化カリウム(アルドリッチ社製、純度約90%)37.3gを入れ、全容を約2.5時間、50℃で撹拌した。水酸化カリウムが溶解し、均一溶液になったところで、加熱を一旦中止した。その均一溶液に、ヨードメタン84.4gを加え、ジムロート型コンデンサーを付した状態で、全容を50℃で3時間強撹拌した。反応終了後、反応液を室温(25℃、以下にて同じ。)まで冷却し、上澄み液をガスクロマトグラフィー(以下、「GC」ということがある。)にて分析したところ、ヨードメタンはほぼ消費され、目的物であるsec−ブチルメチルエーテルと、2−ブタノールが含まれていることがわかった。
ナスフラスコ内の内容物をろ過することにより、ヨウ化カリウムをろ別してろ液を得た。ろ別したヨウ化カリウムを少量の水に溶解させ、上層の有機相を分離し、先のろ液と混合してろ液混合物を得た。
得られたろ液混合物を蒸留釜に仕込み、KS型精留塔(東科精機社製、カラム長30cm、充填剤:ヘリパックNo.1)を使用して蒸留を行った。塔頂温度55〜56℃の留分を集め、共沸して留出してくる水を分液ロートで分離し、得られた蒸留物をモレキュラーシーブス4Aで乾燥することにより、sec−ブチルメチルエーテルを38g得た(収率72%)。
GC−MS(EI−MS):m/z 73、59、41、29
[製造例2]sec−ブチルエチルエーテルの製造
撹拌子を入れた容量500mLのナスフラスコに、2−ブタノール240mL、フレーク状水酸化カリウム(アルドリッチ社製、純度約90%)24.8gを入れ、全容を50℃で3時間撹拌した。水酸化カリウムが溶解し、均一溶液になったところで、加熱を一旦中止した。その均一溶液に、臭化エチル43gを入れ、ジムロート型コンデンサーを付した状態で、70℃で4時間強撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、上澄み液をGCにて分析したところ、臭化エチルはほぼ消費され、目的物であるsec−ブチルエチルエーテルと、2−ブタノールが含まれていることがわかった。
ナスフラスコ内の内容物から臭化カリウムをろ別してろ液を得た。ろ別した臭化カリウムを少量の水に溶解させ、上層の有機相を分離し、先のろ液と混合してろ液混合物を得た。
得られたろ液混合物を蒸留釜に仕込み、KS型精留塔(東科精機社製、カラム長30cm、充填剤:ヘリパックNo.1)を使って、蒸留を行った。塔頂温度68〜69℃の留分を集め、共沸して留出してくる水を分液ロートで分離し、得られた蒸留物をモレキュラーシーブス4Aで乾燥し、31gのsec−ブチルエチルエーテルを得た(収率51%)。
GC−MS(EI−MS):m/z 87、73、59、45
撹拌子を入れた容量500mLのナスフラスコに、2−ブタノール240mL、フレーク状水酸化カリウム(アルドリッチ社製、純度約90%)24.8gを入れ、全容を50℃で3時間撹拌した。水酸化カリウムが溶解し、均一溶液になったところで、加熱を一旦中止した。その均一溶液に、臭化エチル43gを入れ、ジムロート型コンデンサーを付した状態で、70℃で4時間強撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、上澄み液をGCにて分析したところ、臭化エチルはほぼ消費され、目的物であるsec−ブチルエチルエーテルと、2−ブタノールが含まれていることがわかった。
ナスフラスコ内の内容物から臭化カリウムをろ別してろ液を得た。ろ別した臭化カリウムを少量の水に溶解させ、上層の有機相を分離し、先のろ液と混合してろ液混合物を得た。
得られたろ液混合物を蒸留釜に仕込み、KS型精留塔(東科精機社製、カラム長30cm、充填剤:ヘリパックNo.1)を使って、蒸留を行った。塔頂温度68〜69℃の留分を集め、共沸して留出してくる水を分液ロートで分離し、得られた蒸留物をモレキュラーシーブス4Aで乾燥し、31gのsec−ブチルエチルエーテルを得た(収率51%)。
GC−MS(EI−MS):m/z 87、73、59、45
[製造例3]2−ペンチルメチルエーテルの製造
ジムロート型コンデンサー、滴下ロート、撹拌子を付した容量500mLのナスフラスコに、2−ペンタノール300mL、水酸化カリウム(和光純薬工業社製、純度約85%)30gを入れ、全容を50℃で約2.5時間撹拌した。水酸化カリウムが溶解し、均一溶液になったところで、p−トルエンスルホン酸メチル81gを滴下ロートから約1時間かけて添加し、50℃で3時間強撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、内容物をビーカーに移し、水を加えることにより、生成したp−トルエンスルホン酸カリウムを溶解させた。ビーカー内の液を分液ロートに移し、水層を分離し、2−ペンチルメチルエーテルと2−ペンタノールの混合液を得た。
得られた混合液を蒸留釜に仕込み、KS型精留塔(東科精機社製、カラム長30cm、充填剤:ヘリパックNo.1)を使用して蒸留を行った。塔頂温度74〜75℃の留分を集め、共沸して留出してくる水を分液ロートで分離し、得られた蒸留物をモレキュラーシーブス4Aで乾燥し、2−ペンチルメチルエーテルを16g得た(収率37%)。
GC−MS(EI−MS):m/z 87、71、59、45
ジムロート型コンデンサー、滴下ロート、撹拌子を付した容量500mLのナスフラスコに、2−ペンタノール300mL、水酸化カリウム(和光純薬工業社製、純度約85%)30gを入れ、全容を50℃で約2.5時間撹拌した。水酸化カリウムが溶解し、均一溶液になったところで、p−トルエンスルホン酸メチル81gを滴下ロートから約1時間かけて添加し、50℃で3時間強撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、内容物をビーカーに移し、水を加えることにより、生成したp−トルエンスルホン酸カリウムを溶解させた。ビーカー内の液を分液ロートに移し、水層を分離し、2−ペンチルメチルエーテルと2−ペンタノールの混合液を得た。
得られた混合液を蒸留釜に仕込み、KS型精留塔(東科精機社製、カラム長30cm、充填剤:ヘリパックNo.1)を使用して蒸留を行った。塔頂温度74〜75℃の留分を集め、共沸して留出してくる水を分液ロートで分離し、得られた蒸留物をモレキュラーシーブス4Aで乾燥し、2−ペンチルメチルエーテルを16g得た(収率37%)。
GC−MS(EI−MS):m/z 87、71、59、45
[製造例4]フッ化アセチルの製造
攪拌機、滴下ロート、及び捕集トラップを付した、容量500mLのガラス製反応器に、無水酢酸200mL、及び、二フッ化水素カリウム46.9gを入れ、全容を40℃に加温しながら撹拌した。そこへ、塩化アセチル47gを滴下ロートから40分間かけて滴下し、滴下終了後、15分ごとに反応器を10℃ずつ昇温させた。最終的に90℃まで加温し、20分間その温度に保持した後、反応を停止させた。その間、反応器から留出してくるフッ化アセチルは、氷水で冷却したガラストラップに捕集した。粗収量は47.6g(粗収率128%)であった。なお、本反応では、無水酢酸からもフッ化アセチルが生成するので、収率は100%を超える。
得られた粗フッ化アセチルを単蒸留して、塔頂温度20〜24℃の留分を集め、フッ化アセチルを42.4g得た(収率114%)。
攪拌機、滴下ロート、及び捕集トラップを付した、容量500mLのガラス製反応器に、無水酢酸200mL、及び、二フッ化水素カリウム46.9gを入れ、全容を40℃に加温しながら撹拌した。そこへ、塩化アセチル47gを滴下ロートから40分間かけて滴下し、滴下終了後、15分ごとに反応器を10℃ずつ昇温させた。最終的に90℃まで加温し、20分間その温度に保持した後、反応を停止させた。その間、反応器から留出してくるフッ化アセチルは、氷水で冷却したガラストラップに捕集した。粗収量は47.6g(粗収率128%)であった。なお、本反応では、無水酢酸からもフッ化アセチルが生成するので、収率は100%を超える。
得られた粗フッ化アセチルを単蒸留して、塔頂温度20〜24℃の留分を集め、フッ化アセチルを42.4g得た(収率114%)。
[製造例5]フッ化プロピオニルの製造
攪拌機、滴下ロート、及び捕集トラップを付した、容量500mLのガラス製反応器に、無水プロピオン酸200mL、及び二フッ化水素カリウム46.8gを入れ、全容を90℃に加温しながら撹拌した。そこへ、塩化プロピオニル55.5gを滴下ロートから1時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに、15分間撹拌した。その後、15分ごとに反応器を10℃ずつ昇温させ、110℃まで加熱した。全容を110℃で30分間撹拌した後、反応を停止させた。その間、反応器から留出してくるフッ化プロピオニルは、氷水で冷却したガラストラップに捕集した。粗収率は132%であった。なお、本反応では、無水プロピオン酸からもフッ化プロピオニルが生成するので、収率は100%を超える。
得られた粗フッ化プロピオニルを単蒸留して、塔頂温度42〜43℃の留分を集め、フッ化プロピオニルを46.8g得た(収率103%)。
攪拌機、滴下ロート、及び捕集トラップを付した、容量500mLのガラス製反応器に、無水プロピオン酸200mL、及び二フッ化水素カリウム46.8gを入れ、全容を90℃に加温しながら撹拌した。そこへ、塩化プロピオニル55.5gを滴下ロートから1時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに、15分間撹拌した。その後、15分ごとに反応器を10℃ずつ昇温させ、110℃まで加熱した。全容を110℃で30分間撹拌した後、反応を停止させた。その間、反応器から留出してくるフッ化プロピオニルは、氷水で冷却したガラストラップに捕集した。粗収率は132%であった。なお、本反応では、無水プロピオン酸からもフッ化プロピオニルが生成するので、収率は100%を超える。
得られた粗フッ化プロピオニルを単蒸留して、塔頂温度42〜43℃の留分を集め、フッ化プロピオニルを46.8g得た(収率103%)。
[実施例1]
撹拌子、ジムロート型コンデンサー(0℃の冷媒を循環)を付した容量50mLのガラス製反応器に、窒素雰囲気下、製造例1で合成したsec−ブチルメチルエーテル1.76g、及び、乾燥n−ヘキサン5mLを入れ、0℃に冷却した。そこへ、製造例4で合成したフッ化アセチル2.48gを添加して内容物を撹拌させ、さらに、テトラフルオロホウ酸リチウム(和光純薬工業社製)0.094gを添加した。0℃で30分撹拌した後、20℃まで昇温し、内容物をさらに、6.5時間撹拌した。撹拌停止後、静置し、グレー色の沈殿物と無色の溶液を得た。
反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン8.87面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.14面積%、4.22面積%、2.71面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された、2−アセトキシブタン(原料由来成分)が3.84面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと、反応で生成する酢酸メチルであった。
反応液をPTFE製メンブレンフィルター(孔径:0.2μm)でろ過することにより、沈殿物(触媒残渣)を除去し、無色の透明溶液を回収した。
撹拌子、ジムロート型コンデンサー(0℃の冷媒を循環)を付した容量50mLのガラス製反応器に、窒素雰囲気下、製造例1で合成したsec−ブチルメチルエーテル1.76g、及び、乾燥n−ヘキサン5mLを入れ、0℃に冷却した。そこへ、製造例4で合成したフッ化アセチル2.48gを添加して内容物を撹拌させ、さらに、テトラフルオロホウ酸リチウム(和光純薬工業社製)0.094gを添加した。0℃で30分撹拌した後、20℃まで昇温し、内容物をさらに、6.5時間撹拌した。撹拌停止後、静置し、グレー色の沈殿物と無色の溶液を得た。
反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン8.87面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.14面積%、4.22面積%、2.71面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された、2−アセトキシブタン(原料由来成分)が3.84面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと、反応で生成する酢酸メチルであった。
反応液をPTFE製メンブレンフィルター(孔径:0.2μm)でろ過することにより、沈殿物(触媒残渣)を除去し、無色の透明溶液を回収した。
[実施例2]
実施例1において、触媒を、テトラフルオロホウ酸リチウム0.094gから、フッ化リチウム0.028gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン16.73面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.12面積%、4.69面積%、1.96面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは2.00面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと、反応で生成する酢酸メチルであった。
実施例1において、触媒を、テトラフルオロホウ酸リチウム0.094gから、フッ化リチウム0.028gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン16.73面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.12面積%、4.69面積%、1.96面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは2.00面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと、反応で生成する酢酸メチルであった。
[実施例3〜5]
実施例1において、触媒を、テトラフルオロホウ酸リチウム0.094gから、塩化リチウム0.046g、臭化リチウム0.088g、ヨウ化リチウム0.136gにそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。臭化リチウム、ヨウ化リチウムを使用した場合には、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン以外に、ハロゲン交換体である、2−ブロモブタン、2−ヨードブタンがそれぞれ、0.15面積%、1.18面積%副生していた。反応成績は表1にまとめた。
実施例1において、触媒を、テトラフルオロホウ酸リチウム0.094gから、塩化リチウム0.046g、臭化リチウム0.088g、ヨウ化リチウム0.136gにそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。臭化リチウム、ヨウ化リチウムを使用した場合には、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン以外に、ハロゲン交換体である、2−ブロモブタン、2−ヨードブタンがそれぞれ、0.15面積%、1.18面積%副生していた。反応成績は表1にまとめた。
[実施例6]
実施例1において、触媒を、テトラフルオロホウ酸リチウム0.094gから、硝酸リチウム0.069gに変更し、更に、20℃での撹拌時間を6.5時間から7時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルが1.41面積%、目的物である2−フルオロブタン15.03面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.11面積%、4.40面積%、1.77面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは2.36面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと、反応で生成する酢酸メチルであった。
実施例1において、触媒を、テトラフルオロホウ酸リチウム0.094gから、硝酸リチウム0.069gに変更し、更に、20℃での撹拌時間を6.5時間から7時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルが1.41面積%、目的物である2−フルオロブタン15.03面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.11面積%、4.40面積%、1.77面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは2.36面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと、反応で生成する酢酸メチルであった。
[実施例7〜9]
実施例1において、触媒を、テトラフルオロホウ酸リチウム0.094gから、炭酸リチウム0.037g、リン酸リチウム0.039g、スルファミン酸リチウム0.103gにそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応成績は表1にまとめた。
実施例1において、触媒を、テトラフルオロホウ酸リチウム0.094gから、炭酸リチウム0.037g、リン酸リチウム0.039g、スルファミン酸リチウム0.103gにそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応成績は表1にまとめた。
[実施例10〜14、及び16]
実施例1において、触媒を、テトラフルオロホウ酸リチウム0.094gから、酢酸リチウム0.066g、マレイン酸リチウム0.064g、シュウ酸リチウム0.051g、メタンスルホン酸リチウム0.102g、p−トルエンスルホン酸リチウム0.178g、ノナフルオロブタンスルホン酸リチウム0.306gにそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応成績を表1にまとめた。
実施例1において、触媒を、テトラフルオロホウ酸リチウム0.094gから、酢酸リチウム0.066g、マレイン酸リチウム0.064g、シュウ酸リチウム0.051g、メタンスルホン酸リチウム0.102g、p−トルエンスルホン酸リチウム0.178g、ノナフルオロブタンスルホン酸リチウム0.306gにそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応成績を表1にまとめた。
[実施例15]
実施例1において、触媒を、テトラフルオロホウ酸リチウム0.094gから、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム0.156gに変更し、更に、20℃での撹拌時間を7.5時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルが2.09面積%、目的物である2−フルオロブタン10.76面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.28面積%、7.54面積%、3.29面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは2.61面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと、反応により生成する酢酸メチルであった。
実施例1において、触媒を、テトラフルオロホウ酸リチウム0.094gから、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム0.156gに変更し、更に、20℃での撹拌時間を7.5時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルが2.09面積%、目的物である2−フルオロブタン10.76面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.28面積%、7.54面積%、3.29面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは2.61面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと、反応により生成する酢酸メチルであった。
[実施例17]
撹拌子、ジムロート型コンデンサー(0℃の冷媒を循環)を付した容量50mLのガラス製反応器に、窒素雰囲気下、製造例1で合成したsec−ブチルメチルエーテル1.76g、及び、乾燥n−ヘキサン5mLを入れ、0℃に冷却した。そこへ、製造例4で合成したフッ化アセチル2.48gを添加して内容物を撹拌し、さらに、テトラフルオロホウ酸ナトリウム(和光純薬工業社製)0.11gを添加した。0℃で30分撹拌した後、20℃まで昇温し、内容物をさらに、6.5時間撹拌した。撹拌停止後、静置し、グレー色の沈殿物と無色の溶液を得た。
反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン12.61面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.13面積%、5.62面積%、1.95面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された、2−アセトキシブタン(原料由来成分)が2.25面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと、反応で生成する酢酸メチルであった。
反応液をPTFE製メンブレンフィルター(孔径:0.2μm)でろ過することにより、沈殿物(触媒残渣)を除去し、無色の透明溶液を回収した。
撹拌子、ジムロート型コンデンサー(0℃の冷媒を循環)を付した容量50mLのガラス製反応器に、窒素雰囲気下、製造例1で合成したsec−ブチルメチルエーテル1.76g、及び、乾燥n−ヘキサン5mLを入れ、0℃に冷却した。そこへ、製造例4で合成したフッ化アセチル2.48gを添加して内容物を撹拌し、さらに、テトラフルオロホウ酸ナトリウム(和光純薬工業社製)0.11gを添加した。0℃で30分撹拌した後、20℃まで昇温し、内容物をさらに、6.5時間撹拌した。撹拌停止後、静置し、グレー色の沈殿物と無色の溶液を得た。
反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン12.61面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.13面積%、5.62面積%、1.95面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された、2−アセトキシブタン(原料由来成分)が2.25面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと、反応で生成する酢酸メチルであった。
反応液をPTFE製メンブレンフィルター(孔径:0.2μm)でろ過することにより、沈殿物(触媒残渣)を除去し、無色の透明溶液を回収した。
[実施例18〜19]
実施例17において、触媒を、テトラフルオロホウ酸ナトリウム0.11gから、フッ化ナトリウム0.042g、及び臭化ナトリウム0.102gに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応成績を表1にまとめた。
実施例17において、触媒を、テトラフルオロホウ酸ナトリウム0.11gから、フッ化ナトリウム0.042g、及び臭化ナトリウム0.102gに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応成績を表1にまとめた。
[実施例20]
実施例17において、触媒を、テトラフルオロホウ酸ナトリウム0.11gからヨウ化ナトリウム0.15gに変更し、更に、20℃での撹拌時間を5.5時間に変更したこと以外、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン13.34面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.21面積%、5.72面積%、2.29面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンが2.40面積%、及び、2−ヨードブタンが1.35面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと反応で生成する酢酸メチルであった。
実施例17において、触媒を、テトラフルオロホウ酸ナトリウム0.11gからヨウ化ナトリウム0.15gに変更し、更に、20℃での撹拌時間を5.5時間に変更したこと以外、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン13.34面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.21面積%、5.72面積%、2.29面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンが2.40面積%、及び、2−ヨードブタンが1.35面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと反応で生成する酢酸メチルであった。
[実施例21、及び23〜25]
実施例17において、触媒を、テトラフルオロホウ酸ナトリウム0.11gから、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム0.168g、二フッ化水素ナトリウム0.062g、スルファミン酸ナトリウム0.119g、炭酸水素ナトリウム0.084gにそれぞれ変更したこと以外は実施例17と同様にして反応を行った。反応成績を表1にまとめた。
実施例17において、触媒を、テトラフルオロホウ酸ナトリウム0.11gから、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム0.168g、二フッ化水素ナトリウム0.062g、スルファミン酸ナトリウム0.119g、炭酸水素ナトリウム0.084gにそれぞれ変更したこと以外は実施例17と同様にして反応を行った。反応成績を表1にまとめた。
[実施例22]
実施例17において、触媒を、テトラフルオロホウ酸ナトリウム0.11gから硝酸ナトリウム0.085gに変更し、更に、20℃での撹拌時間を7時間に変更したこと以外、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン14.63面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.14面積%、4.73面積%、2.02面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは2.58面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと、反応により生成する酢酸メチルであった。
実施例17において、触媒を、テトラフルオロホウ酸ナトリウム0.11gから硝酸ナトリウム0.085gに変更し、更に、20℃での撹拌時間を7時間に変更したこと以外、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン14.63面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.14面積%、4.73面積%、2.02面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは2.58面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと、反応により生成する酢酸メチルであった。
[実施例26]
実施例17において、触媒を、テトラフルオロホウ酸ナトリウム0.11gから、亜硫酸水素ナトリウム0.104gに変更し、更に、20℃での撹拌時間を7時間に変更したこと以外、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン14.21面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.12面積%、4.46面積%、2.04面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは2.36面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと、反応により生成する酢酸メチルであった。
実施例17において、触媒を、テトラフルオロホウ酸ナトリウム0.11gから、亜硫酸水素ナトリウム0.104gに変更し、更に、20℃での撹拌時間を7時間に変更したこと以外、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン14.21面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.12面積%、4.46面積%、2.04面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは2.36面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサンと、反応により生成する酢酸メチルであった。
[実施例27〜40]
実施例17において、触媒を、テトラフルオロホウ酸ナトリウム0.11gから、亜硫酸ナトリウム0.063g、硫酸ナトリウム0.071g、炭酸ナトリウム0.053g、リン酸ナトリウム0.055g、チオ硫酸ナトリウム0.087g、酢酸ナトリウム0.082g、ギ酸ナトリウム0.068g、シュウ酸ナトリウム0.067g、マレイン酸ナトリウム0.08g、メタンスルホン酸ナトリウム0.118g、p−トルエンスルホン酸ナトリウム0.194g、トリフルオロ酢酸ナトリウム0.136g、ヘプタフルオロ酪酸ナトリウム0.236g、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム0.172gにそれぞれ変更したこと以外は、実施例17と同様に反応を行った。反応成績を表1にまとめた。
実施例17において、触媒を、テトラフルオロホウ酸ナトリウム0.11gから、亜硫酸ナトリウム0.063g、硫酸ナトリウム0.071g、炭酸ナトリウム0.053g、リン酸ナトリウム0.055g、チオ硫酸ナトリウム0.087g、酢酸ナトリウム0.082g、ギ酸ナトリウム0.068g、シュウ酸ナトリウム0.067g、マレイン酸ナトリウム0.08g、メタンスルホン酸ナトリウム0.118g、p−トルエンスルホン酸ナトリウム0.194g、トリフルオロ酢酸ナトリウム0.136g、ヘプタフルオロ酪酸ナトリウム0.236g、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム0.172gにそれぞれ変更したこと以外は、実施例17と同様に反応を行った。反応成績を表1にまとめた。
[実施例41]
実施例17において、溶媒を、n−ヘキサンから、n−ヘプタンに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン9.57面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.13面積%、5.82面積%、2.13面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは2.55面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘプタンと、反応により生成する酢酸メチルであった。
実施例17において、溶媒を、n−ヘキサンから、n−ヘプタンに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン9.57面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.13面積%、5.82面積%、2.13面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは2.55面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘプタンと、反応により生成する酢酸メチルであった。
[実施例42]
実施例17において、溶媒を、n−ヘキサンから、シクロヘキサンに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン11.75面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.15面積%、6.36面積%、2.18面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは2.01面積%生成していた。なお、残りは溶媒のシクロヘキサンと、反応により生成する酢酸メチルであった。
実施例17において、溶媒を、n−ヘキサンから、シクロヘキサンに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン11.75面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.15面積%、6.36面積%、2.18面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは2.01面積%生成していた。なお、残りは溶媒のシクロヘキサンと、反応により生成する酢酸メチルであった。
[実施例43]
実施例17において、フッ化アセチル2.48gを、製造例5で合成したフッ化プロピオニル3.04gに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン8.21面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.14面積%、6.43面積%、2.17面積%生成していた。また、原料がプロピロニルオキシ化された2−プロピオニルオキシブタンが3.98面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−へキサンと、反応により生成するプロピオン酸メチルであった。
実施例17において、フッ化アセチル2.48gを、製造例5で合成したフッ化プロピオニル3.04gに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン8.21面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.14面積%、6.43面積%、2.17面積%生成していた。また、原料がプロピロニルオキシ化された2−プロピオニルオキシブタンが3.98面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−へキサンと、反応により生成するプロピオン酸メチルであった。
[実施例44]
実施例17において、原料sec−ブチルメチルエーテル1.76gを、製造例3で合成した、sec−ペンチルメチルエーテル2.04gに変更し、溶媒を、n−ヘキサンから、n−ヘプタンに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料の2−ペンチルメチルエーテルは消失し、目的物である2−フルオロペンタン9.34面積%、3−フルオロペンタン4.47面積%と、異性体混合物であるペンテンが8.28面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシペンタンは2.34面積%生成していた。
実施例17において、原料sec−ブチルメチルエーテル1.76gを、製造例3で合成した、sec−ペンチルメチルエーテル2.04gに変更し、溶媒を、n−ヘキサンから、n−ヘプタンに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料の2−ペンチルメチルエーテルは消失し、目的物である2−フルオロペンタン9.34面積%、3−フルオロペンタン4.47面積%と、異性体混合物であるペンテンが8.28面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシペンタンは2.34面積%生成していた。
[実施例45]
実施例17において、原料sec−ブチルメチルエーテル1.76gを、製造例2で合成した、sec−ブチルエチルエーテル2.04gに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルエチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン11.04面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.12面積%、3.82面積%、1.31面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは3.52面積%生成していた。
実施例17において、原料sec−ブチルメチルエーテル1.76gを、製造例2で合成した、sec−ブチルエチルエーテル2.04gに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルエチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン11.04面積%と、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、0.12面積%、3.82面積%、1.31面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタンは3.52面積%生成していた。
[実施例46]
実施例1において、原料sec−ブチルメチルエーテル1.76gをt−ブチルメチルエーテル1.76gに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のt−ブチルメチルエーテルは1.34面積%残存し、目的物であるt−ブチルフルオリド15.11面積%と、イソブテンが1.58面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化されたt−ブチルアセテートは1.93面積%生成していた。
実施例1において、原料sec−ブチルメチルエーテル1.76gをt−ブチルメチルエーテル1.76gに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のt−ブチルメチルエーテルは1.34面積%残存し、目的物であるt−ブチルフルオリド15.11面積%と、イソブテンが1.58面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化されたt−ブチルアセテートは1.93面積%生成していた。
[実施例47]
実施例1において、原料sec−ブチルメチルエーテル1.76gをt−ブチルエチルエーテル2.04gに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のt−ブチルエチルエーテルはほぼ消失し、目的物であるt−ブチルフルオリド17.96面積%と、イソブテン1.45面積%が生成していた。また、原料がアセトキシ化されたt−ブチルアセテートは1.48面積%生成していた。
実施例1において、原料sec−ブチルメチルエーテル1.76gをt−ブチルエチルエーテル2.04gに変更したこと以外は、実施例17と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をGCにて分析した結果、原料のt−ブチルエチルエーテルはほぼ消失し、目的物であるt−ブチルフルオリド17.96面積%と、イソブテン1.45面積%が生成していた。また、原料がアセトキシ化されたt−ブチルアセテートは1.48面積%生成していた。
[比較例1]
撹拌子、ジムロート型コンデンサーを付した容量50mLのガラス製反応器に、製造例1で合成したsec−ブチルメチルエーテル3.52g、製造例4で合成したフッ化アセチル2.98g、及び、n−ヘキサン10mLを入れ、0℃に冷却して内容物を撹拌した。ここに、シリンジを用いて、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体0.28gを入れ、0℃に維持したまま3時間撹拌を継続した。
内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタンが24.45面積%、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンがそれぞれ、0.18面積%、6.50面積%、及び2.00面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された、2−アセトキシブタンが0.35面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサン、錯体由来のテトラヒドロフラン、及び酢酸メチルであった。反応液は茶褐色を呈していた。
撹拌子、ジムロート型コンデンサーを付した容量50mLのガラス製反応器に、製造例1で合成したsec−ブチルメチルエーテル3.52g、製造例4で合成したフッ化アセチル2.98g、及び、n−ヘキサン10mLを入れ、0℃に冷却して内容物を撹拌した。ここに、シリンジを用いて、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体0.28gを入れ、0℃に維持したまま3時間撹拌を継続した。
内容物をGCにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタンが24.45面積%、1−ブテン、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンがそれぞれ、0.18面積%、6.50面積%、及び2.00面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された、2−アセトキシブタンが0.35面積%生成していた。なお、残りは溶媒のn−ヘキサン、錯体由来のテトラヒドロフラン、及び酢酸メチルであった。反応液は茶褐色を呈していた。
実施例1〜47、比較例1の結果を下記表1にまとめた。
表中、Tsは4−メチルフェニルスルホニルを表す。
表中、Tsは4−メチルフェニルスルホニルを表す。
以上の結果から、次のことがわかる。
リチウム塩又はナトリウム塩を触媒として用いた実施例では、エーテル化合物の副生成がなく、反応後は、触媒残渣をろ過のみで除去可能であり、実質的に着色のない反応液を回収することができる。
一方、触媒として三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体を用いた比較例1では、反応液に、触媒から遊離したテトラヒドロフラン(エーテル化合物(不純物))が残存する。また、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体は液体なので、このものを除去するには、反応終了後に中和する等の後処理操作が必要となり、操作が煩雑となる。また得られた反応液は、茶褐色であった。
本発明によれば、実質的に着色のない反応液が得られ、反応後の後処理が簡便であるため、2−フルオロブタン等のフッ素化炭化水素を工業的に有利に製造することができる。
リチウム塩又はナトリウム塩を触媒として用いた実施例では、エーテル化合物の副生成がなく、反応後は、触媒残渣をろ過のみで除去可能であり、実質的に着色のない反応液を回収することができる。
一方、触媒として三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体を用いた比較例1では、反応液に、触媒から遊離したテトラヒドロフラン(エーテル化合物(不純物))が残存する。また、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体は液体なので、このものを除去するには、反応終了後に中和する等の後処理操作が必要となり、操作が煩雑となる。また得られた反応液は、茶褐色であった。
本発明によれば、実質的に着色のない反応液が得られ、反応後の後処理が簡便であるため、2−フルオロブタン等のフッ素化炭化水素を工業的に有利に製造することができる。
Claims (5)
- 前記リチウム塩又はナトリウム塩が、無機酸の塩であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- 前記式(1)で示されるエーテル化合物が、sec−ブチルメチルエーテル、又は、t−ブチルメチルエーテルである、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記式(2)で示される酸フルオリドが、フッ化アセチルである、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記式(3)で示されるフッ素化炭化水素が、2−フルオロブタンである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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編者 公益社団法人 日本化学会, 化学便覧 基礎編 改訂5版, vol. 第2刷, JPN6018018761, 2012, pages 331 - 332, ISSN: 0004624163 * |
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