JP6578993B2 - フッ素化炭化水素の製造方法 - Google Patents
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Description
高純度化されたフッ素化炭化水素は、特に、プラズマ反応を用いた半導体装置の製造分野において、プラズマエッチング用ガス及びプラズマCVD用ガス等に好適である。
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、使用するフッ素化剤自体が非常に高価であり、特許文献3に記載の方法は、発火の危険性のあるアルキルリチウムを使用するものである。
また、本発明者が、非特許文献1の記載に従って、無溶媒下で同文献記載の反応を試みたところ、副生成物である、メチルアルキルエーテルのメチル基部分がフッ素化剤由来のアセチル基で置換された、酢酸アルキルエステルが多く副生することが確認された。
また、スズ化合物は毒性を有することが指摘されており、反応触媒としてスズ化合物を使用する場合には、有害な廃棄物が発生するといった問題があるため、可能な限りその使用は避けるべきとの実情がある。
このように、従来の2−フルオロブタンの製造方法は、工業的生産性の観点から、適用が困難であった。
(i)ハロゲン化炭化水素系溶媒中、式(4):MX3(Mは金属原子を表し、Xは塩素原子又は臭素原子を表す。)で表される金属ハロゲン化物の存在下に、式(1)
で示されるエーテル化合物と、式(2)
で示される酸フルオリドとを接触させることを特徴とする、式(3)
で示されるフッ素化炭化水素の製造方法。
(ii)前記式(4):MX3で表される金属ハロゲン化物が、式(4)中、Mが、周期表第8族、3B族、及び、5B族からなる群から選択される金属原子のハロゲン化物であることを特徴とする、(i)に記載の製造方法。
(iii)前記式(4):MX3で表される金属ハロゲン化物が、式(4)中、Mが、アルミニウム、インジウム、鉄、アンチモン、及び、ビスマスからなる群から選択される金属原子のハロゲン化物であることを特徴とする、(i)又は(ii)に記載の製造方法。
(iv)前記式(1)で示されるエーテル化合物が、sec−ブチルメチルエーテル、sec−ブチルエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、t−ブチルエチルエーテル、又は2−ペンチルメチルエーテルである、(i)〜(iii)のいずれかに記載の製造方法。
(vi)前記式(3)で示されるフッ素化炭化水素が、2−フルオロブタンである、(i)〜(v)のいずれかに記載の製造方法。
(a)反応により生成する目的物と触媒との過度な接触による、目的物の分解を抑制でき、
(b)用いる触媒由来のハロゲン交換による副生成物の生成を抑制でき、
(c)反応液が褐色から黒色に着色し、反応器内が汚れるといった不具合を起こすことがない。
本発明は、ハロゲン化炭化水素系溶媒中、式(4):MX3で表される金属ハロゲン化物(以下、「金属ハロゲン化物(4)」ということがある。)の存在下に、前記式(1)で示されるエーテル化合物(以下、「エーテル化合物(1)」ということがある。)と、前記式(2)で示される酸フルオリド(以下、「酸フルオリド(2)」ということがある。)を接触させることを特徴とする、前記式(3)で示されるフッ素化炭化水素(以下、「フッ素化炭化水素(3)」ということがある。)を製造する方法である。
本発明においては、出発原料としてエーテル化合物(1)を用いる。
前記式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R3は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、R4はメチル基又はエチル基を表す。
また、R1とR2は結合して環構造を形成していても良いが、環構造を形成していないのが好ましい。
R1とR2が結合して形成する環構造としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環等の炭素数3〜7の飽和炭化水素環が挙げられる。
エーテル化合物(1)の具体例としては、sec−ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロブチルメチルエーテル、2−ペンチルメチルエーテル、3−ペンチルメチルエーテル、2−メチル−2−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のメチルエーテル化合物;sec−ブチルエチルエーテル、t−ブチルエチルエーテル、シクロブチルエチルエーテル、2−ペンチルエチルエーテル、3−ペンチルエチルエーテル、2−メチル−2−ブチルエチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル等のエチルエーテル化合物;が挙げられる。
本発明においては、フッ素化剤として、酸フルオリド(2)を用いる。
前記式(2)中、R5はメチル基又はエチル基を表す。
酸フルオリド(2)の具体例としては、フッ化アセチル、フッ化プロピオニルが挙げられ、より収率よく目的物が得られる観点から、フッ化アセチルが好ましい。
酸フルオリド(2)の使用量がこの範囲であれば、生産性に優れ、また、後処理や精製工程が煩雑にならずに済むので好ましい。
酸フルオリド(2)の内、フッ化プロピオニルを使用した場合には、同様に、それぞれプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルに変換される。
本発明においては、触媒として、金属ハロゲン化物(4)を使用する。
前記式(4)中、Mは金属原子を表す。Mとしては、周期表第8族、3B族、及び、5B族からなる群から選択される金属原子であることが好ましく、アルミニウム、インジウム、鉄、アンチモン、及び、ビスマスから選択される金属原子であることがより好ましい。
Xは塩素原子又は臭素原子を表す。
本発明においては、本発明の効果がより得られやすいことから、溶媒としてハロゲン化炭化水素系溶媒を用いる。
無溶媒であると、触媒の金属ハロゲン化物(4)が、過度に、原料のエーテル化合物(1)や、生成した目的物のフッ素化炭化水素(3)に接触する事象に起因して、オレフィンやハロゲン置換体等の副生成物の生成量が増加するおそれがある。よって、これらの点を改善する観点からも、ハロゲン化炭化水素系溶媒下で反応を行うことが望ましい。
ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、具体的には、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、ブロモホルム等の炭素数1のハロゲン化炭化水素系溶媒;1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等の炭素数2のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、ハロゲン化炭化水素系溶媒同士が異性体の関係にある場合は、それらの混合物を炭化水素系溶媒として使用してもよい。
ハロゲン化炭化水素系溶媒の使用量が少なすぎると、副生成物であるアルキルエステル等の生成量が多くなり、使用量が多すぎると、反応が完結するまでに多大な時間を要したり、後処理時の廃液の処理が煩雑になる。
エーテル化合物(1)と酸フルオリド(2)との反応は、例えば、反応器に、金属ハロゲン化物(4)とハロゲン化炭化水素系溶媒を仕込み、反応器を所定の温度(0℃〜10℃)に冷却後、全容を撹拌しながら、原料となるエーテル化合物(1)、次いで、フッ素化剤となる酸フルオリド(2)を添加する。その後、所定の温度に維持しながら、内容物の撹拌を継続する等により実施することができる。
反応時間が短すぎると、反応が完結せず、未反応原料、もしくはフッ素化剤として機能する酸フルオリドが多く残存して、後処理が面倒になる。一方、反応時間が長すぎると、過剰反応が進行する可能性が高くなり、副生成物であるアルキルエステルの生成量が多くなる。
以上のようにして、フッ素化炭化水素(3)を得ることができる。
これらの中でも、原料入手の容易性から、2−フルオロブタン、t−ブチルフルオリド、2−フルオロペンタンが好ましく、2−フルオロブタン、t−ブチルフルオリドがより好ましく、2−フルオロブタンが特に好ましい。
〈ガスクロマトグラフィー分析(GC分析)〉
装置:HP−6890(アジレント社製)
カラム:Inert Cap−1、長さ60m、内径0.25mm、膜厚1.5μm(ジーエルサイエンス社製)
カラム温度:40℃で10分間保持、次いで、20℃/分で昇温し、その後、40℃で10分間保持
インジェクション温度:200℃
キャリヤーガス:窒素
スプリット比:100/1
検出器:FID
GC部分:HP−6890(アジレント社製)
カラム:Inert Cap−1、長さ60m、内径0.25mm、膜厚1.5μm(ジーエルサイエンス社製)
カラム温度:40℃で10分間保持、次いで、20℃/分で昇温し、その後、240℃で10分間保持
MS部分:5973 NETWORK(アジレント社製)
検出器 EI型(加速電圧:70eV)
撹拌子を入れた容量500mLのナスフラスコに、2−ブタノール360mL、フレーク状水酸化カリウム(アルドリッチ社製、純度約90%)37.3gを入れ、全容を約2.5時間、50℃で撹拌した。水酸化カリウムが溶解し、均一溶液になったところで、加熱を一旦中止した。その均一溶液に、ヨードメタン84.4gを加え、ジムロート型コンデンサーを付した状態で、全容を50℃で3時間強撹拌した。反応混合物を室温(25℃、以下にて同じ。)まで冷却し、上澄み液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、ヨードメタンはほぼ消費され、目的物である2−メトキシブタンと、2−ブタノールの混合物が含まれていることがわかった。ナスフラスコ内の内容物をろ過することにより、ヨウ化カリウムをろ別した。ろ別したヨウ化カリウムを少量の水に溶解させ、上層の有機相を分離、先のろ液と混合し、ろ液混合物を得た。
得られたろ液混合物を蒸留釜に仕込み、KS型精留塔(東科精機社製、カラム長30cm、充填剤:ヘリパックNo.1)を使用して蒸留を行った。塔頂温度55〜56℃の留分を集め、共沸して留出してくる水を分液ロートで分離、得られた蒸留物をモレキュラーシーブス4Aで乾燥することにより、sec−ブチルメチルエーテルを38g得た(収率72%)。
GC−MS(EI−MS):m/z 73、59、41、29
撹拌子を入れた容量500mLのナスフラスコに、2−ブタノール240mL、フレーク状水酸化カリウム(アルドリッチ社製、純度約90%)24.8gを入れ、全容を50℃で3時間撹拌した。水酸化カリウムが溶解し、均一の溶液になったところで、加熱を一旦中止した。その均一溶液に、臭化エチル43gを入れ、ジムロート型コンデンサーを付した状態で、70℃で4時間強撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、上澄み液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、臭化エチルはほぼ消費され、目的物である2−エトキシブタンと、2−ブタノールの混合物であった。ナスフラスコ内の内容物から臭化カリウムをろ別してろ液を得た。ろ別した臭化カリウムは少量の水に溶解させ、上層の有機相を分離、先のろ液と混合した(ろ液混合物)。
得られたろ液混合物を蒸留釜に仕込み、KS型精留塔(東科精機社製、カラム長30cm、充填剤:ヘリパックNo.1)を使って、蒸留を行った。塔頂温度68〜69℃の留分を集め、共沸して留出してくる水を分液ロートで分離、モレキュラーシーブス4Aで乾燥し、31gのsec−ブチルエチルエーテルを得た(収率51%)。
GC−MS(EI−MS):m/z 87、73、59、45
ジムロート型コンデンサー、滴下ロート、撹拌子を付した容量500mLのナスフラスコに、2−ペンタノール300mL、水酸化カリウム(和光純薬工業社製、純度約85%)30gを入れ、全容を50℃で約2.5時間撹拌した。水酸化カリウムが溶解し、均一溶液になったところで、p−トルエンスルホン酸メチル81gを滴下ロートから約1時間かけて添加し、50℃で3時間強撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、内容物をビーカーに移し、水を加えることにより、生成したp−トルエンスルホン酸カリウムを溶解させた。ビーカー内の液を分液ロートに移し、水層を分離し、2−ペンチルメチルエーテルと2−ペンタノールの混合液を得た。
得られた混合液を蒸留釜に仕込み、KS型精留塔(東科精機社製、カラム長30cm、充填剤ヘリパックNo.1)を使用して蒸留を行った。塔頂温度74〜75℃の留分を集め、共沸して留出してくる水を分液ロートで分離、得られた蒸留物をモレキュラーシーブス4Aで乾燥し、2−ペンチルメチルエーテルを16g得た(収率37%)。
GC−MS(EI−MS):m/z 87、71、59、45
攪拌機、滴下ロート及び捕集トラップを付した、容量500mLのガラス製反応器に、無水酢酸200mL、及び、二フッ化水素カリウム46.9gを入れ、全容を40℃に加温しながら撹拌した。そこへ、塩化アセチル47gを滴下ロートから40分間かけて滴下し、滴下終了後、15分ごとに反応器を10℃ずつ昇温させた。最終的に90℃まで加温し、20分間その温度に保持した後、反応を停止させた。その間、反応器から留出してくるフッ化アセチルは、氷水で冷却したガラストラップに捕集した。粗収量は47.6g(粗収率128%)であった。なお、本反応では、無水酢酸からもフッ化アセチルが生成するので、収率は100%を超える。
得られた粗フッ化アセチルを単蒸留して、塔頂温度20〜24℃の留分を集め、フッ化アセチルを42.4g得た(収率114%)。
攪拌機、滴下ロート、及び捕集トラップを付した、容量500mLのガラス製反応器に、無水プロピオン酸200mL、及び二フッ化水素カリウム46.8gを入れ、全容を90℃に加温しながら撹拌した。そこへ、塩化プロピオニル55.5gを滴下ロートから1時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに、15分間撹拌した。その後、15分ごとに反応器を10℃ずつ昇温し、110℃まで加熱した。全容を110℃で30分間撹拌した後、反応を停止させた。その間、反応器から留出してくるフッ化プロピオニルは、氷水で冷却したガラストラップに捕集した。粗収率は132%であった。なお、本反応では、無水プロピオン酸からもフッ化プロピオニルが生成するので、収率は100%を超える。
得られた粗フッ化プロピオニルを単蒸留して、塔頂温度42〜43℃の留分を集め、フッ化プロピオニルを46.8g得た(収率103%)。
撹拌子、ジムロート型コンデンサー(0℃の冷媒を循環)を付した容量50mLのガラス製反応器に、塩化アルミニウム0.133g、及び、乾燥クロロホルム5mLを入れ、窒素雰囲気下において0℃に冷却した。そこへ、製造例1で合成したsec−ブチルメチルエーテル1.76g、製造例4で合成したフッ化アセチル1.86gを添加し、その後、20℃まで昇温し、内容物を7時間撹拌した。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン、25.07面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.47面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、10.72面積%、4.09面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された、2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は、2.24面積%、塩素化された2−クロロブタン(ハロゲン化物)は、0.52面積%生成したに過ぎなかった。なお、残りは溶媒のクロロホルム、酢酸メチルであった。
実施例1において、触媒を塩化アルミニウム0.133gから、三塩化インジウム0.221gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン、18.36面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.30面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、、8.91面積%、3.04面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は、4.82面積%生成したに過ぎず、塩素化された2−クロロブタン(ハロゲン化物)は検出されなかった。
実施例1において、触媒を、塩化アルミニウム0.133gから、三塩化鉄0.162gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン、18.52面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.51面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、10.57面積%、3.60面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は、4.53面積%生成したに過ぎず、塩素化された2−クロロブタン(ハロゲン化物)は検出されなかった。
実施例1において、触媒を、塩化アルミニウム0.133gから、三臭化鉄0.296gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン、18.43面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.38面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、9.37面積%、3.05面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は、3.84面積%、臭素化された2−ブロモブタン(ハロゲン化物)は0.41面積%生成したに過ぎなかった。
実施例1において、触媒を、塩化アルミニウム0.133gから、三塩化ビスマス0.315gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン、17.46面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.29面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、4.71面積%、1.65面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は、1.13面積%生成したに過ぎず、塩素化された2−クロロブタン(ハロゲン化物)は検出されなかった。
実施例1において、触媒を、塩化アルミニウム0.133gから、臭化アルミニウム0.266gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン、19.79面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.39面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、9.38面積%、3.46面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は、3.72面積%、臭素化された2−ブロモブタン(ハロゲン化物)は0.54面積%生成したに過ぎなかった。
実施例1において、触媒を、塩化アルミニウム0.133gから、三塩化アンチモン0.288gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン、21.72面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.23面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、5.89面積%、0.96面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は、1.05面積%生成したに過ぎず、塩素化された2−クロロブタン(ハロゲン化物)は検出されなかった。
実施例1において、触媒を、塩化アルミニウム0.133gから、三臭化アンチモン0.361gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン、20.50面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.37面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、11.03面積%、4.57面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は3.27面積%、臭素化された2−ブロモブタン(ハロゲン化物)は0.69面積%生成したに過ぎなかった。
実施例1において、触媒を、塩化アルミニウム0.133gから、三臭化インジウム0.354gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン、18.55面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.36面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、9.98面積%、3.42面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は、3.30面積%、臭素化された2−ブロモブタン(ハロゲン化物)は0.71面積%生成したに過ぎなかった。
実施例1において、クロロホルム5mLを、ジクロロメタン5mLに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン、19.32面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.39面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、10.18面積%、3.71面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は3.44面積%、塩素化された2−クロロブタン(ハロゲン化物)は0.51面積%生成したに過ぎなかった。残りはジクロロメタンと酢酸メチルであった。
実施例1において、クロロホルム5mLを、ジブロモメタン5mLに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン18.69面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.25面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、6.84面積%、3.20面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は、1.66面積%、塩素化された2−クロロブタン(ハロゲン化物)は0.79面積%生成したに過ぎなかった。残りはジブロモメタンと酢酸メチルであった。
実施例1において、クロロホルム5mLを、1,2−ジクロロエタン5mLに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルは2.10面積%残存し、目的物である2−フルオロブタン11.76面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.31面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、6.38面積%、2.46面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は、1.64面積%、塩素化された2−クロロブタン(ハロゲン化物)は0.47面積%生成したに過ぎなかった。残りは溶媒の1,2−ジクロロエタンと酢酸メチルであった。
実施例1において、クロロホルム5mLを、1,1,2,2−テトラクロロエタン5mLに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン18.51面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.37面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、7.62面積%、3.07面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は、3.06面積%、塩素化された2−クロロブタン(ハロゲン化物)は0.31面積%生成したに過ぎなかった。残りは1,1,2,2−テトラメチルエタンと酢酸メチルであった。
実施例1において、製造例4で合成したフッ化アセチル1.86gを、製造例5で合成したフッ化プロピオニル3.65gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン17.33面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.24面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、8.87面積%、3.15面積%生成していた。また、原料がプロピオニルオキシ化された2−プロピオニルオキシブタン(アシルオキシ化物)は、3.94面積%、塩素化された2−クロロブタン(ハロゲン化物)は0.36面積%生成したに過ぎなかった。残りは溶媒のクロロホルムとプロピオン酸メチルであった。
実施例1において、sec−ブチルメチルエーテル1.76gを、製造例2で合成したsec−ブチルエチルエーテル2.04gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルエチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン18.54面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.29面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、9.63面積%、2.65面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は、3.04面積%、塩素化された2−クロロブタン(ハロゲン化物)は0.40面積%生成したに過ぎなかった。残りは溶媒のクロロホルムと酢酸エチルであった。
実施例15において、触媒を、塩化アルミニウム0.133gから、三塩化インジウム0.221gに変更したこと以外は、実施例15と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルエチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン、18.50面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.17面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、6.16面積%、1.90面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)は、2.16面積%生成したに過ぎず、塩素化された2−クロロブタン(ハロゲン化物)は検出されなかった。残りは溶媒のクロロホルムと酢酸エチルであった。
実施例1において、sec−ブチルメチルエーテル1.76gを、製造例3で合成した2−ペンチルメチルエーテル2.04gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ペンチルエチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロペンタン、19.69面積%、3−フルオロペンタン、4.59面積%と、異性体混合物であるペンテンが12.36面積%生成していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシペンタン(アシルオキシ化物)は、2.46面積%生成したに過ぎず、2−クロロペンタン及び3−クロロペンタン(ハロゲン化物)は検出されなかった。
実施例1において、sec−ブチルメチルエーテル1.76gを、t−ブチルメチルエーテル(東京化成工業社製)1.76gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のt−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物であるt−ブチルフルオリド、19.77面積%と、末端オレフィンであるイソブテン、1.68面積%が生成していた。また、原料がアセトキシ化されたアセトキシt−ブチル(アシルオキシ化物)は、4.49面積%、塩素化されたt−ブチルクロリド(ハロゲン化物)は0.38面積%生成したに過ぎなかった。
実施例1において、sec−ブチルメチルエーテル1.76gを、t−ブチルエチルエーテル(東京化成工業社製)2.04gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のt−ブチルエチルエーテルはほぼ消失し、目的物であるt−ブチルフルオリド21.40面積%と末端オレフィンであるイソブテン4.48面積%が生成していた。また、原料がアセトキシ化されたアセトキシt−ブチル(アシルオキシ化物)は、2.65面積%、塩素化されたt−ブチルクロリド(ハロゲン化物)は0.16面積%生成したに過ぎなかった。
実施例1において、溶媒のクロロホルムを添加しないこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、反応器内にクロロホルム5mLを添加し、ガスクロマトグラフィーにて分析した結果、目的物である2−フルオロブタン、12.32面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが0.44面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、15.15面積%、4.34面積%生成し、原料のsec−ブチルメチルエーテルが、4.33面積%残存していた。また、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)が、5.24面積%、塩素化された2−クロロブタン(ハロゲン化物)が4.24面積%生成していた。
実施例1において、触媒を、塩化アルミニウム0.133gから、四塩化スズ0.265gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタンが12.23面積%、末端オレフィンである1−ブテンが3.44面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、11.15面積%、3.34面積%生成した他、2−クロロブタン(ハロゲン化物)が10.22面積%、及び、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)が、3.24面積%生成していた。また、反応終了後の内容液は茶褐色に呈色していた。
実施例1において、触媒を、塩化アルミニウム0.133gから、四塩化チタン0.189gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン、13.63面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが2.95面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、9.33面積%、3.23面積%生成していた他、2−クロロブタン(ハロゲン化物)が9.04面積%、及び、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)が、2.82面積%生成し生成していた。また、反応終了後の内容液は茶褐色に呈色していた。
実施例1において、触媒を、塩化アルミニウム0.133gから、四臭化チタン0.367gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、原料のsec−ブチルメチルエーテルはほぼ消失し、目的物である2−フルオロブタン、11.63面積%と、末端オレフィンである1−ブテンが2.81面積%、(E)−2−ブテン、及び(Z)−2−ブテンが、それぞれ、10.33面積%、3.43面積%生成していた他、2−ブロモブタン(ハロゲン化物)が8.54面積%、及び、原料がアセトキシ化された2−アセトキシブタン(アシルオキシ化物)が、2.82面積%生成し生成していた。また、反応終了後の内容液は茶色に呈色していた。
一方、溶媒を用いないで反応を行った比較例1では、原料が残存し、原料由来成分の2−アセトキシブタン、2−クロロブタン等の副生成物の量が多くなることが分かった。
また、比較例2〜4では、触媒に4価の金属ハロゲン化物を用いても、原料由来成分の2−アセトキシブタン、2−クロロブタン等の副生成物の量が多くなることが同様に分かった。このことから、無溶媒である、または、4価のハロゲン化金属触媒を用いると、目的物である2−フルオロブタンに、過度に偏って接触するため、副反応が起き、反応収率が低下するものと考えられる。加えて、触媒に4価の金属ハロゲン化物を用いると、反応液が呈色してしまい、反応器内を汚す不具合を起こし、その都度、洗浄を行う必要を生じる。
Claims (6)
- 前記式(4):MX3で表される金属ハロゲン化物が、式(4)中、Mが、周期表第8族、3B族、及び、5B族からなる群から選択される金属原子のハロゲン化物であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- 前記式(4):MX3で表される金属ハロゲン化物が、式(4)中、Mが、アルミニウム、インジウム、鉄、アンチモン、及び、ビスマスからなる群から選択される金属原子のハロゲン化物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記式(1)で示されるエーテル化合物が、sec−ブチルメチルエーテル、sec−ブチルエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、t−ブチルエチルエーテル又は2−ペンチルメチルエーテルである、請求項1〜3に記載の製造方法。
- 前記式(2)で示される酸フルオリドが、フッ化アセチルである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記式(3)で示されるフッ素化炭化水素が、2−フルオロブタンである、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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