JP2015044777A - 2−フルオロブタンの精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブテン類を含む粗2−フルオロブタンから、2−フルオロブタンを脱フッ化水素化させることなく、ブテン類を効率的に除去する方法を提供する。
【解決手段】 ブテン類を5〜50重量%含有する粗2−フルオロブタンを、脂肪族炭化水素溶媒中、アルミニウム含有化合物とブテン類とを接触させて、ブテン類を2−フルオロブタンよりも高沸点の化合物に変換後、2−フルオロブタンを含む反応液を蒸留精製する工程から成るプロセスを経ることで、高度に精製された2−フルオロブタンが得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体装置の製造分野において有用なエッチング、化学気相成長法(CVD)等のプラズマ反応用ガス、含フッ素医薬中間体、及びハイドロフルオロカーボン系溶剤として有用な含フッ素アルカン、2−フルオロブタンに関する。高純度化された2−フルオロブタンは、特に、プラズマ反応を用いた半導体装置の製造分野において、プラズマ用エッチングガス及びCVD用ガス等に好適である。
半導体製造技術の微細化は進んでおり、最先端プロセスでは線幅が20nm、さらには10nm世代が採用されてきている。微細化に伴ってその加工する際の技術難度も向上しており、使用する材料、装置、加工方法等、多方面からのアプローチにより技術開発が進められている。
このような背景から、我々は最先端のドライエッチングプロセスにも対応できるドライエッチング用ガスを開発し、フッ素数の少ない飽和フッ素化炭化水素が窒化シリコン膜のエッチングに用いられているモノフルオロメタンを凌ぐ性能を有することを見出した(特許文献1)。
一方、2−フルオロブタンの製造方法としてはいくつかの方法が知られている。
特許文献2に記載の方法では、2−ブタノールにフッ素化剤として、N,N’−ジエチル−3−オキソ−メチルトリフルオロプロピルアミンを接触させて、収率46%で2−フルオロブタンを得ている。特許文献3の方法では、sec−ブチルリチウムシクロヘキサン−ヘキサン溶液に六フッ化硫黄を接触させることにより、フッ化sec−ブチルを確認したとの記載がなされている。
特許文献4に記載の方法では、2−ブテン存在下、2−ブタノールと含フッ素イリドとを接触させる方法が提案されている。
特許文献5においては、反応工程で得られた粗2−フルオロブタンを蒸留、乾燥、脱窒素・酸素工程を経ることにより、高純度の2−フルオロブタンを得ることに成功している。
上記の従来技術においては、2−フルオロブタンそのものの製造方法が記載されてはいるものの、得られた2−フルオロブタンの純度や不純物についての情報についてはほとんど触れられておらず、2−フルオロブタンを効率良く、精製する方法については記載がなされていない。
また、非特許文献1においては、プロペン、1−ブテン、及びシス−2−ブテンを、塩化アルミニウムを触媒に、カチオン重合を行った場合の反応機構についての記載がなされているが、塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物を使用した場合の2−フルオロブタンへ与える影響等についてはその記載がなされてはいない。
WO2009−123038号公報 特開昭59−46251号公報 特開2009−292749号公報 特開2013−095669号公報 特願2013−045131号公報 特表2002−524431号公報
Macromolecules,Vol.12,1024(1979)
本発明者は、高純度2−フルオロブタンを得ることに成功してはいる(特願2013−045131号)が、主たる不純物であるブテン類をより効率よく除去することが、工業的生産性の観点から望ましい。また、分離したブテン類は常温でガス状物質であるために、その取扱いに際しては、工業上さまざまな制約を受ける。このような背景から、我々は2−フルオロブタンの粗体中からブテン類の大部分を簡便に除去するべく鋭意検討を重ねた。
フッ素化ブタン中の不飽和不純物を除去する方法として、上記特許文献6には、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン中に含まれる、フルオロトリクロロエチレン体を除去するために、塩化水素、フッ素、塩素、もしくは水素といった2原子分子を付加させて除去する方法が開示されている。
そこで、この方法を粗2−フルオロブタンの精製に適用したところ、フッ素や塩素のような反応性の激しい反応剤を用いると、構造上脱フッ化水素化しやすい2−フルオロブタンの分解(脱フッ化水素化)を引き起こす問題が生じた。一方、反応性の低い水素でブテン類を水素化すると、やはり、ガス状物質であるブタンが生成してしまうため、容易に不純物を除去するという目的は達成されない。
かかる状況の下、本発明者が更なる検討を行ったところ、ブテン類を含有する2−フルオロブタンを、脂肪族炭化水素溶媒下に、アルミニウム含有化合物と接触させることにより、2−フルオロブタンの分解を抑制しつつ、ブテン類を高沸点化合物に変換できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、ブテン類を5〜50重量%含有する粗2−フルオロブタンを、脂肪族炭化水素溶媒中、アルミニウム含有化合物とブテン類とを接触させて、ブテン類を2−フルオロブタンよりも高沸点の化合物に変換する方法が提供される。
ここでアルミニウム含有化合物は、塩化アルミニウム又は臭化アルミニウムであるのが好ましい。
前記脂肪族炭化水素溶媒は、2−フルオロブタンより25℃以上高い沸点を有するものであるのが好ましい。
また本発明によれば上述した変換方法により、ブテン類を、2−フルオロブタンより高沸点の化合物に変換した後、反応液から2−フルオロブタンを回収し、その後、回収された2−フルオロブタンを蒸留精製する、2−フルオロブタンの精製方法が提供される。
本発明に用いられる粗2−フルオロブタンは、1−ブテン、(E)−2−フルオロブテン、(Z)−フルオロブテンなどのブテン類を多く含有するものであり、例えばJournal of Organic Chemistry,Vol.44,3872(1979)や、Bulletin of the chemical society of Japan,Vol.52,3377(1979)に記載の方法により製造することができる。2−ブタノールを原料に、前者は、ピリジンのポリフッ化水素錯体をフッ素化剤として用い、後者は、ヘキサフルオロプロペンとジエチルアミンから調製されるN,N’−ジエチルアミノヘキサフルオロプロパンをフッ素化剤として用いて、2−フルオロブタンを製造するものである。これ以外の方法として、2−ブロモブタン又は2−(アルキルスルホニルオキシ)ブタンをフッ化カリウム及びフッ化セシウム等のアルカリ金属フッ化物で処理する方法などを適用することも可能である。
上記に記載したような製造方法で製造された粗2−フルオロブタン中には、2−フルオロブタン(沸点:24〜25℃)の他に、ブテン類として、主に1−ブテン(沸点:−6.3℃)、(E)−2−ブテン(沸点:0.9℃)、(Z)−2−ブテン(沸点:3.7℃)が含まれている。
本発明で用いるアルミニウム含有化合物としては、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウムなどのアルミニウムトリハライド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムが挙げられ、これらの中でも、取扱い易さの点でアルミニウムトリハライドが好ましく、塩化アルミニウム、臭化アルミニウムがより好ましい。
アルミニウム含有化合物の添加量は、ブテン類の合計量に対して、0.01〜0.1等量が好ましく、0.03〜0.05等量(Alに対するモル)がより好ましい。添加量が少なすぎると、転化率が低くなるので残存するブテン量が多くなったり、反応に長時間を要す。また、添加量が多すぎると脂肪族炭化水素溶媒と分離や、失活後の分離が困難になったり、廃棄物が多くなる可能性がある。アルミニウム含有化合物の添加方法としては、最初に一括添加しても良いし、数回に分けて分割添加しても良い。
本発明に用いる脂肪族炭化水素溶媒としては、シクロペンタンなどの炭素数5の炭化水素、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの炭素数6の炭化水素、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサンなどの炭素数7の炭化水素等を挙げることができる。これらの中でも、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの炭素数6の炭化水素が適度な沸点を有するので、より好ましい。これらの溶媒は単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用しても構わない。また、アルミニウム含有化合物は水分に対して敏感な化合物が多いため、脂肪族炭化水素溶媒はあらかじめ乾燥させたものを用いるのが好ましい。
反応温度は−30℃〜30℃の範囲が好ましく、−10℃〜20℃がより好ましい。反応温度が低すぎると、ブテン類の反応速度が遅くなり、反応終了までに多大な時間を要す。一方、反応温度が高すぎると、2−フルオロブタン自体が揮発しやすくなるので、ロス量が多くなったり、アルミニウム含有化合物、例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウムのようなハロゲン含有化合物との接触により、2−フロオロブタン自体が塩素化又は臭素化される可能性がある。
反応時間は、設定する反応温度にもよるが、通常0.5〜20時間であり、1〜8時間が好ましい。反応時間が短すぎると、反応が完結せず、ブテン類の残量が多くなり、反応時間が長すぎると、2−フルオロブタン自体が塩素化又は臭素化される等の副反応を併発し、好ましくない。
反応実施の形態としては、反応器に脂肪族炭化水素溶媒水を仕込み、反応器を任意の温度に冷却する。そこへ、ブテン類を含む粗2−フルオロブタンを仕込み、内容物を撹拌しているところに、アルミニウム含有化合物を添加する方法が好適である。反応時、例えば、ガスクロマトグラフィーにて反応の進行状況を追跡し、ブテン類が残留するようであれば、アルミニウム含有化合物を追加で添加してもよい。
反応系からの2−フルオロブタンの回収方法としては、冷却した反応液に水、又はメタノール、エタノール等のアルコールを、アルミニウム含有化合物に対して3〜6当量添加し、アルミニウム含有化合物を失活させる。次いで、反応液を静置後、失活させたアルミニウム系の残差を分離し、脂肪族炭化水素溶媒中に含まれる2-フルオロブタンを蒸留する一般的な方法が採用される。
脂肪族炭化水素系溶媒中に回収された2−フルオロブタンは更に、微量に含まれるブテン類とその他不純物を除去して純度を向上させるために、精留による精製が施される。溶媒と一緒に2−フルオロブタンを回収した場合も同様に、溶媒を精留で分離する。精留時の圧力は、ゲージ圧で、通常常圧〜10気圧、好ましくは常圧〜5気圧程度である。還流量と抜出量の比(以下、「還流比」と言うことがある)は、ガス状態に成りやすい微量ブテン類を効率良く分離するために、30:1以上に設定するのが好ましい。還流比があまりに小さいとブテン類が効率良く分離されず、2−フルオロブタンの純度向上が小さく、また、初留分が多くなってしまい、実質的に製品として取れる2−フルオロブタンの量が少なくなる。また、極端に還流比が大きすぎると、抜き出し1回当たりの回収までに多大な時間を要すために、精留そのものに多大な時間を要してしまう。製造量が少ない場合においては、精留は回分式でも良いが、製造量が多い場合においては、精留塔を数本経由させる連続式を採用しても良い。また、抽出溶剤を加えた抽出蒸留操作を組み合わせて行っても良い。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によってその範囲を限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「%」は「重量%」を表す。
以下において採用した分析条件は下記の通りである。
・ガスクロマトグラフィー分析(GC分析)
装置:HP−6890(アジレント社製)
カラム:ジーエルサイエンス社製 Inert Cap−1、長さ60m、内径0.25mm、膜厚1.5μm
カラム温度:40℃で10分間保持、次いで、20℃/分で昇温し、その後、40℃で10分間保持
インジェクション温度:200℃
キャリヤーガス:窒素
スプリット比:100/1
検出器:FID
・不純物分析(ガスクロマトグラフィー質量分析)
GC部分:HP−6890(アジレント社製)
カラム: ジーエルサイエンス社製 Inert Cap−1、長さ60m、内径0.25mm、膜厚1.5μm
カラム温度:40℃で10分間保持、次いで、20℃/分で昇温し、その後、240℃で10分間保持
MS部分:アジレント社製 5973 NETWORK
検出器 EI型(加速電圧:70eV)
[製造例1]
攪拌機、滴下ロート、捕集用トラップを付した容量1Lのガラス製反応器に、スプレードライフッ化カリウム86g(アルドリッチ社製)、2−(p−トルエンスルホニルオキシ)ブタン及びジエチレングリコール400mlを仕込み、捕集用トラップの出口管から窒素を通気し、窒素雰囲気下に置いた。反応器をオイルバスに浸して、90℃に加熱した。滴下ロートから、2−(p−トルエンスルホニルオキシ)ブタン135gを2.5時間かけて滴下した。90℃で反応を5時間継続し、反応で生成する揮発成分をドライアイス/エタノール浴に浸した捕集用トラップに捕集した。その後、オイルバスの温度を80℃まで下げ、反応器にドライアイス−エタノール浴に浸したガラス製トラップを直列に2つ繋げた。さらに、ガラス製トラップの出口には圧力コントローラー、及び真空ポンプを繋げた。真空ポンプを起動し、圧力コントローラーを使って、系内の圧力を50〜45kPa、次いで、35〜30kPa、さらに、30〜25kPaまで段階的に下げて、揮発成分をガラストラップに回収した。最初の捕集トラップ、及び2つのガラス製トラップの中身を合わせて、ガスクロマトグラフィーにて分析した結果、1−ブテン5.23面積%、(E)−2−ブテン19.91面積%、(Z)−2−ブテン13.04面積%、2−フルオロブタン58.30面積%、その他不純物3.52面積%を含む混合物(22g)であった。
[実施例1]
撹拌子、ジムロート型コンデンサーを付した容量300mlのガラス製反応器に、乾燥n−ヘキサン60mlを入れ、反応器を0℃に冷却して内容物を撹拌した。ジムロート型コンデンサーには0℃の冷媒を循環させた。反応器に製造例1で得られた粗2−フルオロブタン40gを仕込み、10分間撹拌した。反応器に無水塩化アルミニウム1.08gを投入した(ブテンに対し、3mol%)。内容物を6時間撹拌したところ、薄い紫色を呈した。
内容物をガスクロマトグラフィー分析した結果、(E)−2−ブテンが7.93面積%、(Z)−2−ブテンが3.09面積%、2−フルオロブタンが26.49面積%、及び、高リテンション領域にブテンのオリゴマー生成物が数種確認された(合計で、11.03面積%)。また、2−フルオロブタンの塩素置換体2−クロロブタンは原料中の2−フルオロブタンに対し、0.2%生成したに過ぎなかった。
[実施例2]
実施例1の操作を繰り返して得られた2−フルオロブタン178gを蒸留釜に仕込み、KS型精留塔(東科精機製、カラム長60cm、充填剤ヘリパックNo.1)を使って、蒸留を行った。コンデンサーには−10℃の冷媒を循環させ、約1時間全還流を行った。蒸留釜は塔頂部の温度、及び釜内部の残量を考慮しながら、45から65℃まで加温した。全還流実施後、還流比30:1で留分の抜き出しを行った。抜出し開始後、約3.5時間後には、99.9面積%以上の2−フルオロブタン留分が得られるようになり、その結果、99.92面積%の2−フルオロブタンが76g得られた。留分を分析した結果、不純物として、1−ブテン、及び、(E)−2−ブテン、(Z)−2−ブテンがそれぞれ、84面積ppm、290面積ppm、128面積ppm、また、イソブチルフルオリドが298面積ppm含まれていた。
[実施例3]
実施例1において、無水塩化アルミニウム1.08gを無水臭化アルミニウム2.12g(ブテンに対し、3mol%)に変更したこと以外は実施例1と同様に反応を実施した。内容物をガスクロマトグラフィー分析した結果、(E)−2−ブテンが8.02面積%、(Z)−2−ブテンが3.14面積%、2−フルオロブタンが27.26面積%、及び、高リテンション領域にブテンのオリゴマー生成物が数種確認された(合計で、8.34面積%)。また、2−フルオロブタンの臭素置換体2−ブロモブタンは原料中の2−フルオロブタンに対し、0.5%生成したに過ぎなかった。
[実施例4]
実施例1において、無水塩化アルモニウム1.08gを、エチルアルミニウムジクロリドの17重量%ヘキサン溶液(東京化成工業製)0.8ml(ブテンに対し、3mol%)に変更したこと以外は実施例1と同様にして反応を行った。内容物をガスクロマトグラフィー分析した結果、(E)−2−ブテンが5.01面積%、(Z)−2−ブテンが2.21面積%、2−フルオロブタンが29.33面積%、及び、高リテンション領域にブテンのオリゴマー生成物が数種確認された(合計で、10.21面積%)。また、2−フルオロブタンの塩素置換体2−クロロブタンは原料中の2−フルオロブタンに対し、0.7%生成したに過ぎなかった。
[実施例5]
実施例1において、n−ヘキサンをシクロヘキサンに変更したこと以外は実施例1と同様にして反応を行った。内容物をガスクロマトグラフィー分析した結果、1−ブテンが0.73面積%、(E)−2−ブテンが9.41面積%、(Z)−2−ブテンが4.66面積%、2−フルオロブタンが26.67面積%、及び、高リテンション領域にブテンのオリゴマー生成物が数種確認された(合計で、6.70面積%)。また、2−フルオロブタンの塩素置換体2−クロロブタンは原料中の2−フルオロブタンに対し、0.2%生成したに過ぎなかった。
[実施例6] メチルシクロヘキサン
実施例1において、n−ヘキサンをメチルヘキサンに変更したこと以外は実施例1と同様にして反応を行った。内容物をガスクロマトグラフィー分析した結果、1−ブテンが0.30面積%、(E)−2−ブテンが8.41面積%、(Z)−2−ブテンが5.89面積%、2−フルオロブタンが30.07面積%、及び、高リテンション領域にブテンのオリゴマー生成物が数種確認された(合計で、5.23面積%)。また、2−フルオロブタンの塩素置換体2−クロロブタンは原料中の2−フルオロブタンに対し、0.2%生成したに過ぎなかった。
[実施例7]
実施例1において、n−ヘキサンをヘプタンに変更したこと以外は実施例1と同様にして反応を行った。内容物をガスクロマトグラフィー分析した結果、1−ブテンが0.91面積%、(E)−2−ブテンが8.02面積%、(Z)−2−ブテンが5.03面積%、2−フルオロブタンが29.21面積%、及び、高リテンション領域にブテンのオリゴマー生成物が数種確認された(合計で、6.94面積%)。また、2−フルオロブタンの塩素置換体2−クロロブタンは原料中の2−フルオロブタンに対し、0.3%生成したに過ぎなかった。
[比較例1]
製造例1の反応を繰り返して、1−ブテン5.43面積%、(E)−2−ブテン20.02面積%、(Z)−2−ブテン13.17面積%、2−フルオロブタン57.89面積%、その他不純物3.49面積%を含む混合物249gを実施例3で使用した同じ蒸留塔を用いて蒸留を行った。コンデンサーには−10℃の冷媒を循環させ、約1時間全還流を行った。蒸留釜は塔頂部の温度、及び釜内部の残量を考慮しながら、40から50℃まで加温した。還流比45:1〜30:1の間で留分の抜き出しを行った。その結果、ブテン類を留去し、留分の純度が99.0面積%以上になるまでに、11時間要した。最終的に99.12面積%の2−フルオロブタンが86g得られた。
本蒸留結果から、大量にブテン含む粗2−フルオロブタンを蒸留し、ブテン類を除去するには多大な時間を要し、工業的には生産効率の点で問題のあることが分かる。
[比較例2]
実施例1において、無水塩化アルミニウム1.08gを無水塩化鉄(III)2.0g(ブテンに対し、5mol%)に変更したこと、及び反応温度を0℃から25℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして反応を行った。内容物をガスクロマトグラフィー分析したところ、ブテン類がオリゴマー化した生成物は確認されず、ブテン類がほとんど反応していなかった。
[比較例3]
ガス導入管、撹拌子を付した容量100mlのガラス製反応器に、1,1,2−トリフロオロトリクロロエタン30mLを仕込み、反応器をドライアイス/エタノール浴に浸し、−70℃に冷却した。反応器に製造例1で製造した粗2−フルオロブタン20gを入れ、ガス導入管から、塩素ガスをマスフローコントローラーを介して、約1時間かけて10.7g導入した。−70℃でさらに、30分間撹拌した後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、1−ブテン、(E)−2−ブテン及び、(Z)−2−ブテンがそれぞれ2.21面積%、3.41面積%、3.09面積%残存し、2−フルオロブタンが塩素化された化合物が13.4面積%検出された。

Claims (4)

  1. ブテン類を5〜50重量%含有する粗2−フルオロブタンを、脂肪族炭化水素溶媒中、アルミニウム含有化合物とブテン類とを接触させて、ブテン類を2−フルオロブタンよりも高沸点の化合物に変換する方法。
  2. 前記アルミニウム含有化合物が、塩化アルミニウム又は臭化アルミニウムである請求項1記載の変換方法。
  3. 前記脂肪族炭化水素溶媒が、2−フルオロブタンより25℃以上高い沸点を有するものである請求項1又は2記載の変換方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の変換方法により、ブテン類を、2−フルオロブタンより高沸点の化合物に変換した後、反応液から2−フルオロブタンを回収し、その後、回収された2−フルオロブタンを蒸留精製する、2−フルオロブタンの精製方法。
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