JP3480825B2 - 1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンの精製方法 - Google Patents

1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンの精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】医薬、農薬などの中間体や電
子部品の製造に使用される低沸点キレート化合物の原料
として有用な1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ
アセチルアセトンの製造方法に関し、より詳しくはその
高純度品の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオ
ロアセチルアセトンの製造方法としては、下式に示す方
法が知られている。 【0003】 【化1】【0004】一般に、生成物の純度を高めるためには各
種の方法が製造工程の途中で採られるが、1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンの製造方
法においてもそのような方法が知られている。J.Amer.C
hem.Soc.,69,1819(1947)には、中間体として得られる
1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセ
トンナトリウム塩を銅キレート化合物とし、それを再結
晶した後硫化水素で銅を取り除いて無水の1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンを得てい
る。J.Chem.Soc.London,1951,609には、反応液に希硫酸
を加えエーテルで抽出した有機層を蒸留し36〜90℃
の留分を採取することが記載され、その中の85〜90
℃の留分は1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロア
セチルアセトン・二水和物であることが記載されてい
る。J.Amer.Chem.Soc.,78,2790 (1956)には、エーテル
で抽出した有機層を濃縮して1,1,1,5,5,5−
ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を析出させ
る方法が記載されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】一般に、医・農薬や電
子部品の製造原料としては他の用途に比べて非常に高純
度の製品が求められ、1,1,1,5,5,5−ヘキサ
フルオロアセチルアセトンにおいても例外ではない。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、1,1,
1−トリフルオロアセトンとトリフルオロ酢酸エチルを
反応させて1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロア
セチルアセトンを製造する方法において、中間体として
得られる1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセ
チルアセトン・二水和物を特定の溶媒で洗浄することに
より、あるいは特定の溶媒から再結晶することで1,
1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン
・二水和物に含まれる不純物の含有量を低減させ、ひい
ては1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチル
アセトンの純度を向上させることを見いだし、本発明を
完成させた。 【0007】すなわち、本発明は、不純物を含む1,
1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン
・二水和物を該二水和物に対して難溶性の有機溶剤と接
触させて不純物を除くことを特徴とする1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和
物の精製方法(第1の方法)である。 【0008】また、本発明は、不純物を含む1,1,
1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二
水和物の溶液から1,1,1,5,5,5−ヘキサフル
オロアセチルアセトン・二水和物の結晶を析出させるこ
とからなる1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロア
セチルアセトン・二水和物の精製方法(第2の方法)で
ある。 【0009】本発明の精製方法を適用する1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンはどの様
な方法によって製造されたものであってもよい。以下に
例示するがこれらに限られない。 【0010】反応容器に、反応溶媒と塩基を仕込み、そ
こへ1,1,1-トリフルオロアセトンとトリフルオロ
酢酸エステルと溶媒を攪拌等することで均一化させて反
応温度より低い所定の温度で徐々に添加し、その後必要
に応じて反応器の温度を高め反応の完結を速めると1,
1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン
の塩が生成する。 【0011】この製造方法において、反応器は通常、ガ
ラス、フッ素樹脂またはこれらの材質でライニングし容
器が用いられる。反応溶媒としては、エーテル類が用い
られ沸点が20〜80℃程度のものが好ましく、例え
ば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、t-ブチル
メチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒド
ロフラン(THF)等が用いられる。塩基としては、通
常無機塩基であり、例えば、アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属のアルコキシド、水素化物、金属単体が用い
られ、具体的には、ナトリウムメトキシド、ナトリウム
エトキシド、水素化ナトリウム、金属ナトリウム、カリ
ウムメトキシド、カリウムエトキシド、水素化カリウ
ム、金属カリウム、水素化リチウム等が用いられる。ト
リフルオロ酢酸エステルのエステル部位は脱離基として
働くので特に限定されないが、工業的に入手の容易なメ
チルトリフルオロアセテート、エチルトリフルオロアセ
テートなどを使用すればよい。1,1,1-トリフルオ
ロアセトンとトリフルオロ酢酸エステルの溶媒としては
反応溶媒と同一である必要はないが、反応溶媒として使
用されるエーテル類から選べばよい。また、操作性を考
慮して前記方法では1,1,1-トリフルオロアセトン
とトリフルオロ酢酸エステルは溶媒とともに添加した
が、反応の点からは必ずしも混合して添加する必要はな
く、また溶媒は必ずしも必要ではない。添加する際には
通常は冷却して温度の上昇を防ぐのが好ましい。反応温
度は、0〜90℃程度であり、20〜70℃程度が好ま
しい。0℃未満では反応の進行が遅く、90℃を超える
と1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルア
セトン・二水和物の収量が減ずるので好ましくない。 【0012】反応が完結した後、反応溶媒を除くと粗の
1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセ
トンの塩が得られる。反応溶媒の除去は、加熱または/
および減圧することで行われる。これを前記と同様の反
応容器へ移し、水を加え、次いで酸、例えば、硫酸、塩
酸、硝酸等を加えて塩を分解し、その後反応液に溶媒を
加えて有機層を二層分離し、得られた有機層から溶媒を
除去すると不純物を含んだ粗の1,1,1,5,5,5
−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物が固体と
して得られる。 【0013】本発明の精製方法は、不純物を含む粗の
1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセ
トン・二水和物に溶媒を接触させること(第1の方
法)、または、不純物を含む1,1,1,5,5,5−
ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の溶液から
1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセ
トン・二水和物の結晶を析出させること(第2の方法)
で行なう。 【0014】第1の方法においては、1,1,1,5,
5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物と
溶媒の接触方法は特に限られないが、有機溶媒中に1,
1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン
・二水和物を分散させ、その後濾過・分離する方法、濾
過装置においてフィルター上に保持された1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和
物に有機溶媒を洗浄液として散布する方法などを例示で
きる。これらの処理の後は通常乾燥させるが、1,1,
1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・無
水物の製造原料とする場合は必ずしも乾燥は必要としな
い。 【0015】第2の方法においては、1,1,1,5,
5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物は
一旦有機溶媒に溶解して溶液を調製し、そこへ溶質難溶
性の有機溶媒を添加し、析出した1,1,1,5,5,
5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を濾過
・分離する方法、または前記溶液の温度を下げることで
溶解度を低下させる方法を採ることができる。 【0016】この様な処理を行う温度は特に限定され
ず、0〜90℃程度であり、20〜60℃程度が好まし
い。通常特に加熱や冷却を必要としない温度で行うのが
操作性がよく好ましい。 【0017】本発明で用いる1,1,1,5,5,5−
ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の難溶性溶
媒としては、炭化水素系溶媒や塩素を含まないフッ素系
溶媒が使用できる。 【0018】これらの溶媒は使用状態で液体であること
は当然であり、沸点は特に限定されないが100℃程度
以下であるのが好ましい。具体的には、炭化水素系溶媒
としては、脂肪族炭化水素:n−ペンタン、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デ
カンなどまたはこれらの常温(25℃)付近で液体の異
性体、芳香族炭化水素:ベンゼン、トルエン、o−キシ
レン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、
メシチレンなど、脂環式炭化水素:シクロペンタン、シ
クロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘ
キサン、テトラリン、デカリン、並びにこれらの炭化水
素系溶媒の混合物であるリグロイン、石油エーテルなど
の工業用ガソリンなどが挙げられる。また、フッ素系溶
媒としては、1,2-ビス(トリフルオロメチル)ベン
ゼン、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、
1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,
1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,
1,3,3−ペンタフルオロブタン、ヘプタフルオロシ
クロペンタン、フロリナートTMとして知られるパーフル
オロ環状エーテルなどが挙げられる。これらの溶媒は二
種以上を併用することができる。 【0019】第1の方法において、これらの1,1,
1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二
水和物難溶性の溶媒に少量の比較的溶解度の大きい溶媒
を混合して使用することもできる。難溶性の溶媒100
重量部に対し比較的溶解度の大きな溶媒は30重量部以
下で使用する。そのような溶媒としては、当然限定され
ないが、反応溶媒として前記したエーテル類やアルコー
ル類:メタノール、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノールなどが使用できる。 【0020】また、第2の方法において、1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和
物の溶液を調製する溶媒に難溶性の溶媒を添加して溶解
度を調節することも可能であり、温度差を利用する析出
法をとる場合に、特に有効である。 【0021】本発明の方法で精製した1,1,1,5,
5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物
は、公知の方法で脱水して、無水物とすることができ
る。例えば、J.Inorganic and Nuclear Chemistry,195
6,Vol.2,pp.11-31では、1,1,1,5,5,5−ヘキ
サフルオロアセチルアセトン・二水和物を3倍容量の9
8%硫酸に攪拌して分散させ、一晩経た後に再度硫酸を
変えて同じ操作を繰り返し、上層を形成した無水物をサ
イホンで取りだし、それを蒸留することで70.0〜7
0.2℃の留分として無水物を98%の収率で得てい
る。 【0022】J.Amer.Chem.Soc.,78,2790(1956)では、無
水硫酸カルシウム(石膏)と1,1,1,5,5,5−
ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を混合し、
加熱し、その際の留出液について再度同じ脱水処理をし
て沸点68℃(736mm.)の無水物を得ている。 【0023】また、エーテル中で五酸化リンと加熱する
ことにより脱水する方法も知られている。 【0024】 【実施例】以下に実施例をもって本発明を説明するが、
本発明の実施態様はこれらに限られない。 【0025】〔実施例1〕 ・1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルア
セトン・二水和物の製造 温度計、滴下ロート及び還流冷却器を備えた500ml
三口フラスコにナトリウムメトキシド34.6.g
(0.64mol)及びt-ブチルメチルエーテル24
0mlを入れた。1,1,1-トリフルオロアセトン7
1.7g(0.64mol)、エチルトリフルオロアセ
テート90.9g(0.64mol)、t-ブチルメチ
ルエーテル120mlを混合し、マグミキサーで撹拌し
ながら内温30℃以下で30分間かけて滴下し、滴下終
了後内温40℃で4時間反応させた。反応終了後、t-
ブチルメチルエーテルをエバポレーターにより留去して
濃縮し、粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ
アセチルアセトンのナトリウム塩を得た。これを、温度
計及び還流冷却器を備えた500ml三口フラスコに移
し、水120mlを加えた後、マグミキサーで撹拌しな
がら20℃以下で24%硫酸水溶液160gを加え、続
いて内温60℃で6時間反応させた。室温まで冷却した
後、反応液を200mlのt-ブチルメチルエーテルで
抽出し、二層分離した残りの水層を100mlのt-ブ
チルメチルエーテルで再度抽出した。得られた有機層を
合わせて、エバポレーターにてt-ブチルメチルエーテ
ルを留去し、粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフル
オロアセチルアセトン・二水和物118.8gを得た。 【0026】・1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオ
ロアセチルアセトンの製造 得られた粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ
アセチルアセトン・二水和物6.0gに、トルエン12
mlを加え、室温でマグミキサーにより1時間撹拌した
後、濾過、乾燥して1,1,1,5,5,5-ヘキサフ
ルオロアセチルアセトン・二水和物5.3gを得た。次
に、20mlナス型フラスコに得られた1,1,1,
5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和
物5.3g及び98%硫酸20gを加え栓をし、室温で
マグミキサーにより4時間撹拌した。1時間静定した
後、二層分離して、4.0gの1,1,1,5,5,5
-ヘキサフルオロアセチルアセトンを得た。これをガス
クロマトグラフ(GLC::検出器:FID、カラム:
DB-1 0.25mm×60m)にて分析すると9
9.9%の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロア
セチルアセトンであった。 【0027】〔実施例2−1〜8〕 ・1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルア
セトンの製造 実施例1で得られた粗の1,1,1,5,5,5-ヘキ
サフルオロアセチルアセトン・二水和物6.0gに、表
1に示す各種溶媒を加え、室温でマグミキサーにより1
時間撹拌した後、濾過、乾燥して1,1,1,5,5,
5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を得
た。次に、20mlナス型フラスコに得られた1,1,
1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二
水和物及び98%硫酸20gを加え栓をし、室温でマグ
ミキサーにより4時間撹拌した。1時間静定した後、二
層分離して、1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ
アセチルアセトンを得た。これを実施例1と同じ分析を
実施した。結果を表1に示す。 【0028】 【表1】【0029】〔実施例3〕 ・1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルア
セトン・二水和物の製造 温度計、滴下ロート及び還流冷却器を備えた300ml
三口フラスコにナトリウムメトキシド8.67g(0.
16mol)及びジブチルエーテル60mlを入れた。
1,1,1-トリフルオロアセトン18.0g(0.1
6mol)、エチルトリフルオロアセテート22.8g
(0.16mol)、ジブチルエーテル30mlを混合
し、マグミキサーで撹拌しながら内温30℃以下で30
分間かけて滴下し、滴下終了後内温40℃で4時間反応
させた。反応終了後、ジブチルエーテルをエバポレータ
ーにより留去して濃縮し、粗の1,1,1,5,5,5
-ヘキサフルオロアセチルアセトンのナトリウム塩を得
た。これを、温度計及び還流冷却器を備えた300ml
三口フラスコに移し、水30mlを加えた後、マグミキ
サーで撹拌しながら20℃以下で24%硫酸40gを加
え、続いて内温60℃で6時間反応させた。室温まで冷
却した後、反応液を50mlのTHFで抽出し、二層分
離した残りの水層を40mlのTHFで再度抽出した。
得られた有機層を合わせて、エバポレーターにてTHF
を留去し、粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオ
ロアセチルアセトン・二水和物を得た。これに、トルエ
ン70mlを加え、室温でマグミキサーにより1時間撹
拌した後、濾過、乾燥して1,1,1,5,5,5-ヘ
キサフルオロアセチルアセトン・二水和物27.3gを
得た。 【0030】・1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオ
ロアセチルアセトンの製造 温度計、攪拌機、ガラス球を充填した還流冷却器を備え
た100mlガラス反応器に窒素ガスを通じながら、得
られた1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチ
ルアセトン・二水和物27.3g及び98%硫酸55g
を加え、マグミキサーで撹拌しながら徐々に80℃まで
加熱した。約70℃の留分を収集して21.0gを得、
これを実施例1と同じ条件でGLC分析すると99.9
%の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチル
アセトンであった。 【0031】〔比較例1〕 ・1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルア
セトン・二水和物の製造 温度計、滴下ロート及び還流冷却器を備えた300ml
三口フラスコにナトリウムメトキシド8.67g(0.
16mol)及びジブチルエーテル60mlを入れた。
1,1,1-トリフルオロアセトン18.0g(0.1
6mol)、エチルトリフルオロアセテート22.8g
(0.16mol)、ジブチルエーテル30mlを混合
し、マグミキサーで撹拌しながら内温30℃以下で30
分間かけて滴下し、滴下終了後内温40℃で4時間反応
させた。反応終了後、ジブチルエーテルをエバポレータ
ーにより留去して濃縮し、粗の1,1,1,5,5,5
-ヘキサフルオロアセチルアセトンのナトリウム塩を得
た。これを、温度計及び還流冷却器を備えた300ml
三口フラスコに移し、水30mlを加えた後、マグミキ
サーで撹拌しながら20℃以下で24%硫酸40gを加
え、続いて内温60℃で6時間反応させた。室温まで冷
却した後、反応液を50mlのTHFで抽出し、二層分
離した残りの水層を40mlのTHFで再度抽出した。
得られた有機層を合わせて、エバポレーターにてTHF
を留去し、粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオ
ロアセチルアセトン・二水和物29.1gを得た。 【0032】・1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオ
ロアセチルアセトンの製造 実施例3と同じ反応装置を用い、反応器に得られた粗の
1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセ
トン・二水和物29.1g及び98%硫酸58gを加
え、マグミキサーで撹拌しながら徐々に80℃まで加熱
し、70℃の留分21.3gを得た。これを実施例1と
同じ条件でGLC分析分析すると93.5%の1,1,
1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトンであ
った。 【0033】 【発明の効果】本発明の精製方法によると、特定の溶媒
と接触させ、または特定の溶媒からなら溶液から固体と
して析出させるという簡便な操作で、高純度の1,1,
1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二
水和物が得られ、それから容易に高純度の1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンを得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−275251(JP,A) Chemical Abstract s,1968年,69,要約番号62005 H.Gilman and F.A. Yoeman,J.Amer.Che m.Soc.,1956年,78,2790 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 45/78 - 45/86 C07C 49/12 - 49/167 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 不純物を含む1,1,1,5,5,5−
    ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を該二水和
    物に対して難溶性の芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、
    脂環式炭化水素またはフッ素系溶媒から選ばれる有機溶
    媒に分散させ、その後濾過・分離する方法又は、該二水
    和物に該有機溶媒を洗浄液として散布する方法で該有機
    溶媒と接触させて不純物を除くことにより精製し、精製
    した1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチル
    アセトン・二水和物に濃硫酸を加えて脱水して、純度9
    9.7%以上の1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオ
    ロアセチルアセトンを得ることを特徴とする高純度1,
    1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン
    の製造方法。
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