JPWO2018155512A1 - 排水構造及びサイホン排水システム - Google Patents
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Abstract
排水構造は、排水が、貯水後に排水される溜め流し排水となる浴槽(第1の水廻り器具)と、排水が、貯水のない連続排水となる洗い場(第2の水廻り器具)と、浴槽の排水部に設けられた第1排水トラップと、洗い場に設けられた第2排水トラップと、第1排水トラップの排水管(下流側部位)と第2排水トラップの排水管(下流側部位)とを接続し、管路の少なくとも一部が第1排水トラップ及び第2排水トラップの双方よりも上方に位置する第1バイパス管と、第1排水トラップ及び第1バイパス管の下流側に接続された第1サイホン排水管と、第2排水トラップ及び第1バイパス管の下流側に接続された第2サイホン排水管と、を有する。
Description
本開示は、排水構造及びサイホン排水システムに関する。
特許第4927450号公報には、浴槽や洗い場等の水廻り器具と、サイホン排水管との間に、排水の一時貯留槽が接続された排水システムが開示されている。この一時貯留槽は、スラブと床面との間の床下空間に配置されている。また、浴槽の排水管は、洗い場の排水トラップに接続されており、浴槽の水は、洗い場の排水管を通じて排水されるようになっている。
浴槽からの排水時、浴槽の水は溜め流し排水となるため、大量の排水が排水管に流れることとなる。サイホン排水管は、配管の径が従来の勾配配管よりも小さいため、サイホン排水管にサイホン力が発生するまで、浴槽からの排水が洗い場の排水トラップを通じて洗い場へ溢れるおそれがある。このため、上記した従来例のような一時貯留槽が考案されている。
しかしながら、一時貯留槽の容量確保のため、一時貯留槽にはある程度の高さが必要であり、この高さに応じて床下空間を確保する必要がある。このため、一時貯留槽を設ける場合には低床化が難しかった。
本開示は、更なる低床化が可能な排水構造及びサイホン排水システムを提供することを目的とする。
排水構造は、排水が、貯水後に排水される溜め流し排水となる第1の水廻り器具と、排水が、貯水のない連続排水となる第2の水廻り器具と、前記第1の水廻り器具の排水部に設けられた第1排水トラップと、前記第2の水廻り器具の排水部に設けられた第2排水トラップと、前記第1排水トラップの下流側部位と前記第2排水トラップの下流側部位とを接続し、管路の少なくとも一部が前記第1排水トラップ及び前記第2排水トラップの双方よりも上方に位置する第1バイパス管と、前記第1排水トラップ及び前記第1バイパス管の下流側に接続された第1サイホン排水管と、前記第2排水トラップ及び前記第1バイパス管の下流側に接続された第2サイホン排水管と、を有する。
サイホン排水システムは、建物の上下方向に配設される排水立て管と、排水構造と、を有し、前記第1サイホン排水管及び前記第2サイホン排水管は、排水を横方向へ流す横引き管と、前記排水立て管に接続され前記横引き管からの排水を下方へ流す竪管とをそれぞれ有する。
本開示に係る排水構造及びサイホン排水システムによれば、更なる低床化が可能なサイホン排水システムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1において、本実施形態に係るサイホン排水システム10は、排水立て管14と、排水構造16とを有している。
図1において、本実施形態に係るサイホン排水システム10は、排水立て管14と、排水構造16とを有している。
排水立て管14は、建物15の床スラブ24の貫通穴25を貫通している。この排水立て管14には、後述する竪管31B,32Bを連結する排水継手28が設けられており、上部の排水立て管14からの排水と、後述する浴槽11や洗い場12等の水廻り器具からの排水とを合流させるように構成されている。なお、図1では、管継手等、各配管の接続部分の構成が適宜省略されて示されている。
(排水構造)
排水構造16は、第1の水廻り器具の一例たる浴槽11と、第2の水廻り器具の一例たる洗い場12と、第1排水トラップ21と、第2排水トラップ22と、第1バイパス管18と、第1サイホン排水管31と、第2サイホン排水管32とを有している。
排水構造16は、第1の水廻り器具の一例たる浴槽11と、第2の水廻り器具の一例たる洗い場12と、第1排水トラップ21と、第2排水トラップ22と、第1バイパス管18と、第1サイホン排水管31と、第2サイホン排水管32とを有している。
浴槽11は、水20を貯めて使用される水廻り器具の一例であり、排水が、貯水後に排水される溜め流し排水となる。洗い場12は、水廻り器具の一例であり、排水が、貯水のない連続排水となる。浴槽11と洗い場12は、間隙Sを空けて互いに隣り合っている。浴槽11と洗い場12とは、図示されるように互いに一体であってもよく、また互いに別体であってもよい。
第1排水トラップ21及び第2排水トラップ22は、汚臭やガス等の逆流を防止するためのいわゆる封水式トラップである。第1排水トラップ21は、浴槽11の排水部41に設けられている。第2排水トラップ22は、洗い場12の排水部42に設けられている。
第1バイパス管18は、第1排水トラップ21の下流側部位の一例たる排水管51と、第2排水トラップ22の下流側部位の一例たる排水管52とを接続する管体である。第1バイパス管18は、浴槽11と洗い場12との間の間隙Sに、通常使用時に使用者からは見えないように設けられている。第1バイパス管18を間隙Sに設けることで、スペースを有効利用できる。なお、第1バイパス管18を、浴室と建物の壁との間等(図示せず)、他の部位に設けてもよい。
第1バイパス管18における管路の少なくとも一部、例えば最上部18Hは、第1排水トラップ21及び第2排水トラップ22の双方よりも上方に位置している。ここで、「第1排水トラップ21及び第2排水トラップ22の双方よりも上方」とは、第1排水トラップ21の上面21Aより上方、かつ第2排水トラップ22の上面22Aより上方を意味する。第1バイパス管18は、例えば逆U字形に形成され、第1排水トラップ21側の縦管部18Aと、第2排水トラップ22側の縦管部18Bと、縦管部18A,18Bの接続部18Dとを有している。接続部18Dは、例えば水平方向に延びている。最上部18Hとは、この管路の底面であり、該底面が、第1排水トラップ21及び第2排水トラップ22の双方よりも上方に位置している。接続部18Dにおける管路の底面の高さが一定でない場合には、最も高い位置が最上部18Hとなる。なお、第1バイパス管18の管路の少なくとも一部として、最上部18Hを挙げたが、最上部18H以外の部位が、第1排水トラップ21及び第2排水トラップ22の双方よりも上方に位置していてもよい。
排水管51は、第1排水トラップ21から横方向に延び第1バイパス管18の縦管部18Aに合流する上横管部51Aと、縦管部18Aの下端から下方へ延びる縦管部51Bと、縦管部51Bの下端から横方向に延びる下横管部51Cとを有している。同様に、排水管52は、第2排水トラップ22から横方向に延び第1バイパス管18の縦管部18Bに合流する上横管部52Aと、縦管部18Bの下端から下方へ延びる縦管部52Bと、縦管部52Bの下端から横方向に延びる下横管部52Cとを有している。なお、排水管51,52の構成はこれに限られず、第1排水トラップ21及び第2排水トラップ22からそれぞれ排水可能な構成であればよい。
第1バイパス管18には、吸気弁30が設けられている。この吸気弁30は、外部からの空気を第1バイパス管18へ通過させると共に、第1バイパス管18から外部へ排水及び空気を通過させないための部品である。吸気弁30は、例えば縦管部18Aの延長部18Cの上端に設けられている。この延長部18Cを含めると、第1バイパス管18はh字を反転させた鏡文字の形に形成されているともいえる。第1バイパス管18を反対側から見ると、h字形となる。なお、吸気弁30は、第1バイパス管18における接続部18Dに設けられていてもよい。また、延長部18C及び吸気弁30を縦管部18Bの上方に設けてもよい。
第1バイパス管18における管路の最上部18Hの高さ位置は、浴槽11に貯められた水20の標準的な水頭Hの高さ位置と同等以上であることが望ましい。水頭Hの基準は、例えば、浴槽11の底である。標準的な水頭Hとは、人の入浴時に浴槽11内に貯めるお湯の量に相当し、例えば人が浴槽11内で座ったときに浴槽11から溢れない程度のお湯の量に相当する。最上部18Hは、第1バイパス管18における縦管部18A,18B間で越流が生じない最大の高さであり、接続部18Dの底面の高さに相当する。
図2において、第1サイホン排水管31は、第1排水トラップ21及び第1バイパス管18の下流側に接続されている。また、第2サイホン排水管32は、第2排水トラップ22及び第1バイパス管18の下流側に接続されている。
具体的には、図1において、第1サイホン排水管31は、排水管51の下横管部51Cの末端に接続されている。また、第1サイホン排水管31は、排水を横方向へ流す横引き管31Aと、排水立て管14に接続され横引き管31Aからの排水を下方へ流す竪管31Bとを有している。また、第2サイホン排水管32は、排水を横方向へ流す横引き管32Aと、排水立て管14に接続され横引き管32Aからの排水を下方へ流す竪管32Bとを有している。竪管31B,32Bの下端は、排水継手28に接続されている。なお、図1において、第1サイホン排水管31は、第2サイホン排水管32の奥側に並列に配置されている。
図6に示されるように、排水構造16においては、洗い場12の浴槽11側の側面を構成するエプロン40を着脱可能に構成してもよい。この場合、エプロン40を取り外すことにより、排水構造16のメンテナンスを容易に行うことが可能となる。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図3において、本実施形態に係る排水構造16では、浴槽11からの排水は、貯水後に排水される溜め流し排水となるため、洗い場12からの排水と比較して、多くの排水が一度に排水される。浴槽11からの排水は、第1排水トラップ21を通って排水管51の上横管部51A、縦管部51B、下横管部51Cを通じて、第1サイホン排水管31へ流れて行く(矢印A方向)。第1サイホン排水管31においてサイホン力が発生するまで、余剰の排水は第1バイパス管18に流入する(矢印B方向)。第1バイパス管18内の空気は、排水の流入に伴い第2排水トラップ22側へ押し出される(矢印C方向)。
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図3において、本実施形態に係る排水構造16では、浴槽11からの排水は、貯水後に排水される溜め流し排水となるため、洗い場12からの排水と比較して、多くの排水が一度に排水される。浴槽11からの排水は、第1排水トラップ21を通って排水管51の上横管部51A、縦管部51B、下横管部51Cを通じて、第1サイホン排水管31へ流れて行く(矢印A方向)。第1サイホン排水管31においてサイホン力が発生するまで、余剰の排水は第1バイパス管18に流入する(矢印B方向)。第1バイパス管18内の空気は、排水の流入に伴い第2排水トラップ22側へ押し出される(矢印C方向)。
第1バイパス管18は逆U字形に形成されており、管路の最上部18Hが第1排水トラップ21及び第2排水トラップ22の双方よりも上方に位置するので、第1バイパス管18に流入した排水は第2排水トラップ22側には流れ難い。特に、第1バイパス管18における管路の最上部18Hの高さ位置が、浴槽11に貯められた水の標準的な水頭Hの高さ位置と同等である場合には、縦管部18Aから縦管部18Bへの越流は生じ難い。なお、第2排水トラップ22の封水が破られない程度の越流は、生じてもよい。
図4において、第1サイホン排水管31にサイホン力が発生すると、浴槽11からの排水及び第1バイパス管18に流入していた排水が、第1サイホン排水管31を通じて速やかに排出され(矢印A方向)、浴槽11の水位が低下して行く(矢印D方向)。このとき、吸気弁30から第1バイパス管18に外気が取り込まれるので(矢印E方向)、第2排水トラップ22側に負圧が作用することが抑制される。このため、第2排水トラップ22の封水が破られることはない。
このように、排水構造16によれば、従来のような一時貯留槽を用いなくても、浴槽11からの溜め流し排水が洗い場12へ溢れることを抑制できる。
一方、図5において、洗い場12からの排水は、貯水のない連続排水となる。洗い場12からの排水は、第2排水トラップ22を通って排水管52の上横管部52A、縦管部52B、下横管部52Cを通じて、第2サイホン排水管32へ流れて行く(矢印F方向)。第1バイパス管18における管路内の空気は、第1バイパス管18を通じて第1排水トラップ21側へ押し出されるので(矢印G方向)、洗い場12からの排水がスムーズに行われる。連続排水の場合には水頭が殆どないため、第1バイパス管18の縦管部18Bに排水が流入しない。第2サイホン排水管32にサイホン力が発生すると、洗い場12からの排水が、第2サイホン排水管32を通じて速やかに排出される(矢印A方向)。このとき、洗い場12のみからの排水であれば、第1バイパス管18に負圧が生じることは殆どないが、浴槽11との同時排水時など、第1バイパス管18に負圧が生じた場合には、吸気弁30を外気が取り込まれるので、第1排水トラップ21及び第2排水トラップ22の封水が破られることはない。
図1において、本実施形態に係るサイホン排水システム10では、第1サイホン排水管31が有する横引き管31A及び竪管31Bを通じて、浴槽11からの排水を排水立て管14へ流すことができる。また、このサイホン排水システム10では、第2サイホン排水管32が有する横引き管32A及び竪管32Bを通じて、洗い場12からの排水を排水立て管14へ流すことができる。
このように、本実施形態に係る排水構造16及びサイホン排水システム10によれば、従来のような一時貯留槽が不要となるので、溜め流し排水が行われる浴槽11等の設置場所の更なる低床化が可能となる。
[第2実施形態]
図7において、本実施形態に係る排水構造26は、第1排水トラップ21の下流側部位及び第2排水トラップ22の下流側部位の少なくとも一方、例えば双方に、補助チャンバ71,72を有している。補助チャンバ71は、第1排水トラップ21の下流側部位に設けられている。補助チャンバ72は、第2排水トラップ22の下流側部位に設けられている。
図7において、本実施形態に係る排水構造26は、第1排水トラップ21の下流側部位及び第2排水トラップ22の下流側部位の少なくとも一方、例えば双方に、補助チャンバ71,72を有している。補助チャンバ71は、第1排水トラップ21の下流側部位に設けられている。補助チャンバ72は、第2排水トラップ22の下流側部位に設けられている。
補助チャンバ71,72は、例えば排水管51,52にそれぞれ設けられた大径部(内径拡大部)である。補助チャンバ71,72の高さ寸法は、従来の一時貯留槽よりも小さく設定されており、第1排水トラップ21、第2排水トラップ22及び排水管51,52の配置に必要な空間内に配置可能な大きさとされる。したがって、補助チャンバ71,72の設置のために床下空間を余分に必要とすることはない。
図示の例では、補助チャンバ71,72は何れも第1バイパス管18の上流側に配置されているが、補助チャンバ71,72の何れか一方又は双方が、第1バイパス管18の下流側に配置されていてもよい。
この排水構造26では、補助チャンバ71,72により、第1バイパス管18の容量を超えた余剰の排水を受け入れることができる。浴槽11(図1)から汲み上げた水を洗い場12(図1)で使用した場合、通常時よりも大量の水が洗い場12から排出される。このような場合でも、補助チャンバ71,72で排水を受け入れることで、洗い場12からの排水が滞ることを抑制できる。また、浴槽11からの、より大量の溜め流し排水に対応することができる。
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
[第3実施形態]
図8において、本実施形態に係る排水構造36では、第1バイパス管18に、吸気弁30(図2)の代わりとなる通気管74が接続されている。通気管74は、例えば建物の屋外まで延び、末端74Aが大気に開放されている。
図8において、本実施形態に係る排水構造36では、第1バイパス管18に、吸気弁30(図2)の代わりとなる通気管74が接続されている。通気管74は、例えば建物の屋外まで延び、末端74Aが大気に開放されている。
この排水構造36では、吸気弁30(図2)の代わりに通気管74が設けられているので、吸気弁30の配置スペースが不要となる。
第1サイホン排水管31にサイホン力が発生した際、通気管74から第1バイパス管18に外気が取り込まれるので、第2排水トラップ22の封水が破られることはない。第2サイホン排水管32にサイホン力が発生した際にも、通気管74から第1バイパス管18に外気が取り込まれるので、第1排水トラップ21の封水が破られることはない。
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
[第4実施形態]
図9において、本実施形態に係る排水構造46は、他の排水トラップ83,84と、サイホン排水管93,94と、個別通気管103,104と、ヘッダ80と、合流通気管90とを有している。
図9において、本実施形態に係る排水構造46は、他の排水トラップ83,84と、サイホン排水管93,94と、個別通気管103,104と、ヘッダ80と、合流通気管90とを有している。
他の排水トラップ83は、他の水廻り器具の一例たる洗濯機の排水部(図示せず)に対して設けられる。他の排水トラップ84は、他の水廻り器具の一例たる洗面台に対して設けられる。他の排水トラップ83,84は、汚臭やガス等の逆流を防止するためのいわゆる封水式トラップである。
他の排水トラップ83の下流側には、排水管113が接続されている。サイホン排水管93は、排水管113の下流側に接続されている。また、他の排水トラップ84の下流側には、排水管114が接続されている。サイホン排水管94は、排水管114の下流側に接続されている。
個別通気管103は、一端が他の排水トラップ83の下流側部位(排水管113)に接続されている。また、個別通気管104は、一端が他の排水トラップ84の下流側部位(排水管114)に接続されている。個別通気管103,104の他端は、それぞれヘッダ80に接続されている。
ヘッダ80は、通気管74及び個別通気管103,104が接続された管継手である。合流通気管90は、ヘッダ80に接続されると共に、大気に開放されている。具体的には、合流通気管90は、例えば建物の屋外まで延び、末端90Aが大気に開放されている。
この排水構造46では、吸気弁30(図2)の代わりに通気管74及び個別通気管103,104が設けられているので、吸気弁30の配置スペースが不要となる。また、通気管74及び個別通気管103,104をヘッダ80に集合させ、合流通気管90を通じて大気に開放する構成としている。したがって、通気管74や個別通気管103,104をそれぞれ屋外まで延ばす必要がない。これにより、一括で吸排気ができると共に、通気管74や個別通気管103,104を個々に大気に開放して配置する場合と比較して、部品点数を減らすことができる。
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
[参考例1]
図10において、本参考例に係る排水構造56では、第1排水トラップ21から延びる排水管51の下流側に、第1サイホン排水管31が接続されている。また、第2排水トラップ22から延びる排水管52の下流側に、第2サイホン排水管32が接続されている。つまり、第1排水トラップ21からの排水経路と、第2排水トラップ22からの排水経路とが、互いに独立している。
図10において、本参考例に係る排水構造56では、第1排水トラップ21から延びる排水管51の下流側に、第1サイホン排水管31が接続されている。また、第2排水トラップ22から延びる排水管52の下流側に、第2サイホン排水管32が接続されている。つまり、第1排水トラップ21からの排水経路と、第2排水トラップ22からの排水経路とが、互いに独立している。
したがって、第1排水トラップ21からの溜め流し排水が行われても、その排水が第2排水トラップ22側へ流入することはない。このため、浴槽11からの溜め流し排水が洗い場12へ溢れることを抑制できる(図1)。
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
[参考例2]
図11において、本参考例に係る排水構造66は、参考例1において、吸気弁111,112が更に設けられている。排水管51には、上方に延びる分岐管121が接続されている。吸気弁111は、該分岐管121の上端に設けられている。また、排水管52には、上方に延びる分岐管122が接続されている。また、吸気弁112は、該分岐管122の上端に設けられている。吸気弁111,112の構成は、第1実施形態の吸気弁30と同様である。
図11において、本参考例に係る排水構造66は、参考例1において、吸気弁111,112が更に設けられている。排水管51には、上方に延びる分岐管121が接続されている。吸気弁111は、該分岐管121の上端に設けられている。また、排水管52には、上方に延びる分岐管122が接続されている。また、吸気弁112は、該分岐管122の上端に設けられている。吸気弁111,112の構成は、第1実施形態の吸気弁30と同様である。
本参考例では、参考例1と同様に、第1排水トラップ21からの溜め流し排水が行われても、その排水が第2排水トラップ22側へ流入することはない。このため、浴槽11からの溜め流し排水が洗い場12へ溢れることを抑制できる(図1)。
排水管51に吸気弁111が追加されているので、第1排水トラップ21からの排水時には、吸気弁111から外気が取り込まれる。また、排水管52に吸気弁112が追加されているので、第2排水トラップ22からの排水時には、吸気弁112から外気が取り込まれる。したがって、第1排水トラップ21から排水、及び第2排水トラップ22からの排水が、何れも流れ易くなる。
他の部分については、第1実施形態又は参考例1と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
[第5実施形態]
図12において、本実施形態に係る排水構造76は、第2バイパス管218を有している。この第2バイパス管218は、第1バイパス管18の最上部より低い位置において第1バイパス管18における第1排水トラップ21側と第2排水トラップ22側とを接続している。第2バイパス管218における管路の底面は、第2排水トラップ22の上面22Hよりも低く配置されている。また、第2バイパス管218における管路の底面は、排水管52の上横管部52Aの底面52Dよりも高く配置されている。
図12において、本実施形態に係る排水構造76は、第2バイパス管218を有している。この第2バイパス管218は、第1バイパス管18の最上部より低い位置において第1バイパス管18における第1排水トラップ21側と第2排水トラップ22側とを接続している。第2バイパス管218における管路の底面は、第2排水トラップ22の上面22Hよりも低く配置されている。また、第2バイパス管218における管路の底面は、排水管52の上横管部52Aの底面52Dよりも高く配置されている。
第2バイパス管218は、例えば横方向に延びている。なお、第2バイパス管218は、水平方向に対して傾斜したり、湾曲していたりしてもよい。このように、第2バイパス管218における管路の底面の高さが一定でない場合には、底面のうち最も高い位置が、第2排水トラップ22の上面22Hよりも低く、上横管部52Aの底面52Dよりも高く配置されている。
第1バイパス管18における例えば接続部18Dには、第1逆止弁19が設けられている。第1逆止弁19は、第2排水トラップ22側から第1排水トラップ21側への流れを許容し、その反対側の流れを許容しないように構成されている。なお、第1逆止弁19の位置は接続部18Dに限られず、例えば縦管部18Bに設けられていてもよい。また、第1逆止弁19は、第1排水トラップ21側から第2排水トラップ22側への流れをある程度許容する構成であってもよい。
第2バイパス管218には、第2逆止弁219が設けられている。第2逆止弁219は、第2排水トラップ22側から第1排水トラップ21側への流れを許容し、その反対側の流れを許容しないように構成されている。なお、第2逆止弁219は、第1排水トラップ21側から第2排水トラップ22側への流れをある程度許容する構成であってもよい。
洗い場12からの排水が第2排水トラップ22に入りきらずに満水になるような場合でも、本実施形態によれば、余剰の排水は第2バイパス管218を通って排水管51の縦管部51B、下横管部51Cを通じて、第1サイホン排水管31(図1)へ流れて行く(矢印H方向)。本実施形態では、第2バイパス管218における管路の底面が、排水管52の上横管部52Aの底面52Dよりも高く配置されている。したがって、洗い場12からの排水が常に第2バイパス管218へ流れることはなく、第2サイホン排水管32が速やかに満流になるので、サイホン起動が遅くなることはない。
また、本実施形態では、第2バイパス管218における管路の底面が、第2排水トラップ22の上面22Hよりも低く配置されている。したがって、第2排水トラップ22から排水が溢れそうな場合に第2バイパス管218へ排水が流れるので、排水が第2排水トラップ22から溢れることを抑制できる。
更に、第2バイパス管218に第2逆止弁219が設けられているので、第2バイパス管218を通じた第1排水トラップ21側から第2排水トラップ22側への流れが抑制される。また、第1バイパス管18の接続部18Dに第1逆止弁19が設けられているので、浴槽11からの排水時に、第1バイパス管18を通じた第1排水トラップ21側から第2排水トラップ22側への流れ、つまり縦管部18Aから縦管部18Bへの越流がより一層生じ難くなる。
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
[第6実施形態]
図13において、本実施形態に係る排水構造86は、第5実施形態における第1バイパス管18の第1逆止弁19を省略した構成とされている。第1バイパス管18では、第1実施形態で述べたように、最上部18Hの高さの設定を適切に行うことにより、第1バイパス管18における縦管部18A,18B間で越流が生じないようにできる。したがって、本実施形態のように第1逆止弁19を省略することで、構成を簡素化し、低コスト化が可能となる。
図13において、本実施形態に係る排水構造86は、第5実施形態における第1バイパス管18の第1逆止弁19を省略した構成とされている。第1バイパス管18では、第1実施形態で述べたように、最上部18Hの高さの設定を適切に行うことにより、第1バイパス管18における縦管部18A,18B間で越流が生じないようにできる。したがって、本実施形態のように第1逆止弁19を省略することで、構成を簡素化し、低コスト化が可能となる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
第1の水廻り器具の一例として浴槽11を挙げたが、第1の水廻り器具は、洗濯機等、排水が溜め流しとなる器具であってもよい。また、第2の水廻り器具の一例として洗い場12を挙げたが、第2の水廻り器具は、洗面台、台所、食洗機等、排水が連続排水となる器具であってもよい。
第1バイパス管18が接続される第1排水トラップ21の下流側部位の一例として、排水管51を挙げたが、下流側部位はこれに限られない。同様に、第1バイパス管18が接続される第2排水トラップ22の下流側部位の一例として、排水管52を挙げたが、下流側部位はこれに限られない。例えば、第1バイパス管18を第1排水トラップ21及び第2排水トラップ22の少なくとも一方に直接接続してもよい。
第1バイパス管18に吸気弁30が設けられるものとしたが、第1排水トラップ21や第2排水トラップ22の封水が破られることがなければ、吸気弁30を省略してもよい。
2017年2月24日に出願された日本国特許出願2017−33512号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載されたすべての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
本明細書に記載されたすべての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
Claims (10)
- 排水が、貯水後に排水される溜め流し排水となる第1の水廻り器具と、
排水が、貯水のない連続排水となる第2の水廻り器具と、
前記第1の水廻り器具の排水部に設けられた第1排水トラップと、
前記第2の水廻り器具の排水部に設けられた第2排水トラップと、
前記第1排水トラップの下流側部位と前記第2排水トラップの下流側部位とを接続し、管路の少なくとも一部が前記第1排水トラップ及び前記第2排水トラップの双方よりも上方に位置する第1バイパス管と、
前記第1排水トラップ及び前記第1バイパス管の下流側に接続された第1サイホン排水管と、
前記第2排水トラップ及び前記第1バイパス管の下流側に接続された第2サイホン排水管と、
を有する排水構造。 - 前記第1排水トラップの下流側部位及び前記第2排水トラップの下流側部位の少なくとも一方に、補助チャンバを有する請求項1に記載の排水構造。
- 前記第1バイパス管に吸気弁が設けられた請求項1又は請求項2に記載の排水構造。
- 前記第1バイパス管に通気管が接続された請求項1又は請求項2に記載の排水構造。
- 他の水廻り器具に対して設けられた他の排水トラップと、
前記他の排水トラップの下流側に接続されたサイホン排水管と、
前記他の排水トラップの下流側部位に接続された個別通気管と、
前記通気管及び前記個別通気管が接続されたヘッダと、
前記ヘッダに接続されると共に大気に開放された合流通気管と、
を有する請求項4に記載の排水構造。 - 前記第1バイパス管の最上部より低い位置において前記第1バイパス管における前記第1排水トラップ側と前記第2排水トラップ側とを接続し、管路の底面が前記第2排水トラップの上面よりも低く配置された第2バイパス管を有する請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の排水構造。
- 前記第2排水トラップと前記第2サイホン排水管とを接続する排水管を有し、
前記第2バイパス管における管路の底面は、前記排水管の底面よりも高く配置されている請求項6に記載の排水構造。 - 前記第1バイパス管には、前記第2排水トラップ側から前記第1排水トラップ側への流れを許容し、その反対側の流れを許容しない第1逆止弁が設けられている請求項6又は請求項7に記載の排水構造。
- 前記第2バイパス管には、前記第2排水トラップ側から前記第1排水トラップ側への流れを許容し、その反対側の流れを許容しない第2逆止弁が設けられている請求項6〜請求項8の何れか1項に記載の排水構造。
- 建物の上下方向に配設される排水立て管と、
請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の排水構造と、を有し、
前記第1サイホン排水管及び前記第2サイホン排水管は、排水を横方向へ流す横引き管と、前記排水立て管に接続され前記横引き管からの排水を下方へ流す竪管とをそれぞれ有するサイホン排水システム。
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