JP2010031546A - サイフォン排水システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一時貯留槽50を含む排水系内が負圧になった場合でも、メンブレンバルブ80を通じて空気を吸引できる。これに加えて、通気管30を通じて排水立て管から空気を吸い込むことができ、排水系内の負圧が効果的に解消される。
これにより、排水系内が負圧になることによって生じる排水騒音が解消される。また、洗濯機16Bの排水トラップより封水を引っ張って破封させることも抑制できる。
【選択図】図3
Description
サイフォン排水中にトラップより空気を吸うためにズーズーという排水騒音を出しながら排水する。排水完了時(まだサイフォンは効いているが、器具からの排水の供給が無くなったとき)は、トラップより封水を引っ張ってしまうので破封を生じさせる。又、器具部分からの排水が完了後も、配管内に排水が残っている間は吸い続けようとし、トラップ部分での排水騒音が発生し続ける。更には、従来の排水方式とは異なり負圧が強いので、排水途中に栓をしたときは抜けなくなったり、物が吸い込まれるおそれがある。一方、洗い流しの際には、間欠サイフォンになり、トラップ部分の水位が上下動することがあるが、この場合、条件が悪いと上下動の中で目皿の部分以上に水が上昇し溢れだしてきたように見えることがある。
主として合流型の貯留槽方式では、サイフォン起動前に例えば浴槽の排水のような急激に多量の排水が流入すると、貯留槽内の空気の抜ける場所が無く、押し出されるように他器具のトラップから噴出しが生じる。一方、洗い流しでは、排水開始直後はサイフォン排水管内やトラップ部分の空気が抜けづらいために初期の排水性が悪くなることがある。その場合、洗面ボウル内に水の滞留が見られる。更に、貯留槽内に水が流入しづらい現象が発生し、貯留槽内が満水になっていないにもかかわらず、防水パンに溢れ出す現象もみられる。
逆止弁が、一時貯留槽から前記水廻り器具へ通過させない流体には、少なくとも、空気、臭気、水、細菌が含まれ、一時貯留槽に貯留された排水や一時貯留槽内の臭気は、逆止弁により、その逆止弁が配置された水廻り器具への逆流が防止される。
また、一時貯留槽に貯留された排水は、サイフォン排水管に流入する。サイフォン排水管に流入した排水は、サイフォン排水管で発生したサイフォン力により誘導される。
なお、ここでいう排水系内とは、一時貯留槽を含むと共に一時貯留槽よりも上流側でトラップまでの部分をいう。
また、逆止弁が配置されていない水廻り器具の排水トラップの封水を噴出させることも抑制できる。
これにより、排水系内の負圧が過度になって、水封式の排水トラップ部分で水と空気を吸うことで生じるズーズーという排水騒音等が解消される。
また、逆止弁が配置されていない水廻り器具の排水トラップより封水を引っ張って破封させることも抑制できる。
ここで、洗面台は、浴槽や洗濯機などの水廻り器具に比べて、長時間排水が続くため洗いの頻度が少ない。
一時貯留槽の圧力変動は、長時間排水が続くため洗い時に生じやすいため、ため洗い時に使用されていることが少ない洗面台に逆止弁を配置することにより、一時貯留槽への給気が必要なときに逆止弁から空気を取り込むことができ、一時貯留槽の負圧を効果的に解消できる。
一方、水廻り器具からの排水の流入が停止すると、逆止弁には押し広げられる力(水圧)が作用しなくなるので、該力によって弾性変形されていた下流側は元の様に閉じる。
一方、水廻り器具からの排水の流入が停止すると、逆止弁には押し広げられる力(水圧)が作用しなくなるので、該力によって変形されていた下流側は元の様に閉じる。
一方、水廻り器具からの排水の流入が停止すると、メンブレンバルブには押し広げられる力(水圧)が作用しなくなるので、該力によって弾性変形されていた下流側は元の様に閉じる。
(本実施形態に係るサイフォン排水システムの構成)
まず、本実施形態に係るサイフォン排水システムの構成について説明する。図1は、本実施形態に係るサイフォン排水システムの構成を示す概略図である。
この複数の水廻り器具16には、水廻り器具16から排出される排水を流す排水導入管18の一端がそれぞれ接続されている。
サイフォン排水管22は、図1に示すように、一時貯留槽50に接続される横引き管24と、この横引き管24と連通する竪管26とを備えて構成されている。
また、横引き管24は、床スラブ14上で水平方向に無勾配で配設され、一時貯留槽50から横引き管24へ流入した排水を横方向へ流す。
また、竪管26は、合流部継手40を介して排水立て管12と連結されている。合流部継手40は、竪管26からの排水を排水立て管12へ合流させる。
また、一時貯留槽50に接続されるサイフォン排水管22は、1つ、2つ、又は4つ以上であってもよい。
また、一時貯留槽50は、3つの空間に仕切られていたが、2つの空間、4つ以上の空間で仕切られていても良い。また、一時貯留槽50は、内部に仕切部材54がなく、内部が単一の空間で構成されていてもよい。
個別通気部30A、30B、30C、は、一時貯留槽50の上面の個別貯留部52A、52B、52Cに対応する位置に各々連通口を有し、一時貯留槽50の上側に配管されている。合流通気管30Dは、一端側が合流部継手40を介して排水立て管12と連結されており、他端側が個別通気部30A、30B、30C、と連結されている。
なお、ここでいう流体には、少なくとも、空気、臭気、水、細菌が含まれる。
洗面台16Aの排水口17には排水導入管18が接続されており、メンブレンバルブ80は排水口17と排水導入管18との間に配置されている。
また、メンブレンバルブ80は、洗面台16Aにおいて排水が行われてないときにおいては、上流端部80Aから通気可能となり、通気弁として機能する。
また、メンブレンバルブ80は、洗面台16Aに替えて、洗面台16A以外の水廻り器具16に配置されていてもよい。また、洗面台16Aに加えて、洗面台16A以外の水廻り器具16に配置されていてもよい。
具体的には、洗濯機16Bに接続される排水導入管18は、水封式の排水トラップを有する洗濯防水パンを介して洗濯機16Bに接続されている。また、ユニットバス16Cに接続される排水導入管18も、同様に、水封式の排水トラップを介してユニットバス16Cと接続されている。
メンブレンバルブ80は、この水封式の排水トラップが破封する負圧力よりも小さい負圧力で開放されて洗面器16Aからの空気を一時貯留槽50へ通過させるようになっている。
この水封式の排水トラップが破封する負圧力は、具体的には、−400Pa程度であるため、メンブレンバルブ80は、絶対値が400より小さい値の負圧力で開放されることが必須であり、好ましくは、−15Pa〜−60Paの範囲で開放されることが望ましい。
次に、本実施形態のサイフォン排水システム10の作用を説明する。
本実施形態のサイフォン排水システム10では、メンブレンバルブ80は洗面器16Aに対して配置されているので、洗面台16Aからの排水は、洗面台16Aの排水口17から排出され、メンブレンバルブ80に流入する。メンブレンバルブ80に排水が入り込むと、図7(B)及び図8(C)に示すように、メンブレンバルブ80が水圧によって弾性変形して押し広げられ(メンブレンバルブ80内側の圧力>メンブレンバルブ80の外側の圧力となる)、下流端部80Bが開口して排水が通過し、排水導入管18を経て一時貯留槽50に流入する。
なお、排水が流入している間は、メンブレンバルブ80は水圧で押し広げられて下流端部が開口している。
サイフォン排水管22A、22Cへ排出された排水は、無勾配の横引き管24内を横方向へ流れる。次いで、排水は、竪管26を流下し、竪管26におけるサイフォン水頭Hsのポテンシャルエネルギ−により、サイフォン力が発生する。このサイフォン力により、横引き管24及び竪管26内の排水が誘導され、その排水が促進される。
ユニットバス16Cでため流しを行うと、個別貯留部52Cへ大量の排水が一度に流入する。
一時貯留槽50を含む排水系内が負圧になった場合でも、通気管30を通じて排水立て管から空気を吸い込むことができる。これに加えて、メンブレンバルブ80を通じて空気を吸引でき、排水系内の負圧が効果的に解消される。
これにより、排水系内の負圧が過度になって、水封式の排水トラップ部分で水と空気を吸うことで生じるズーズーという排水騒音が解消される。また、洗濯機16Bの排水トラップより封水を引っ張って破封させることも抑制できる。
一時貯留槽50の圧力変動は、長時間排水が続くため洗い時に生じやすいため、ため洗い時に使用されていることが少ない洗面台16Aにメンブレンバルブ80を配置することにより、一時貯留槽50への給気が必要なときにメンブレンバルブ80から空気を取り込むことができ、一時貯留槽50の負圧が解消される。
4また、床下の一時貯留槽50に通気弁を設置した場合と異なり、故障した場合でも容易に交換やメンテナンスが可能である。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
12 排水立て管
16 水廻り器具
16A 洗面台
22 サイフォン排水管
30 通気管
50 一時貯留槽
80 メンブレンバルブ(逆止弁)
Claims (6)
- 複数の水廻り器具からの排水を一時的に貯留する一時貯留槽と、
前記一時貯留槽に接続され、サイフォン力を発生させて前記一時貯留槽からの排水を誘導するサイフォン排水管と、
前記複数の水廻り器具の少なくとも1つに対して配置され、該水廻り器具からの流体を前記一時貯留槽へ通過させると共に前記一時貯留槽から前記水廻り器具へは流体を通過させない逆止弁と、
前記サイフォン排水管で誘導された排水が流入する排水立て管と、
前記一時貯留槽に接続され、前記一時貯留槽と前記排水立て管との間で通気を可能にする通気管と、
を備えたサイフォン排水システム。 - 前記複数の水廻り器具のうち、前記逆止弁が配置されていない水廻り器具に対して、水封式の排水トラップが配置され、
前記逆止弁は、前記排水トラップが破封する負圧力よりも小さい負圧力で開放されて該水廻り器具からの空気を前記一時貯留槽へ通過させる請求項1に記載のサイフォン排水システム。 - 前記逆止弁は、前記水廻り器具としての洗面台に対して配置されている請求項1又は請求項2に記載のサイフォン排水システム。
- 前記逆止弁は、
弾性材料で形成され、上流側が常時開口しており、下流側が開閉可能とされ、かつ自由状態では閉じている請求項1〜3のいずれか1項に記載のサイフォン排水システム。 - 前記逆止弁は、
筒状に形成され、上流側が常時開口しており、下流側が開閉可能とされ、かつ自由状態では閉じている請求項1〜3のいずれか1項に記載のサイフォン排水システム。 - 前記逆止弁は、
弾性材料で筒状に形成され、上流側が常時開口しており、下流側が開閉可能とされ、かつ自由状態では閉じているメンブレンバルブを備えて構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のサイフォン排水システム。
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