JP5324855B2 - サイフォン排水システム - Google Patents
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Description
ところで、前述のように、サイフォン排水管が合流する合流部継手において、多量の排水があった際などには、通気不良による、排水不良やトラップの破封が生じることがある。
また、通気路形成部材は、床スラブの上方へ向かって開口されているので、床スラブ上
の水が溜まる部分について、排水が流入したときに、その水圧で逆止部材が開口し、この開口を用いて排水することができる。
なお、ここでいう流体には、少なくとも、空気、臭気、水、細菌が含まれる。
なお、ここでいう排水系内とは、一時貯留槽を含むと共に一時貯留槽よりも上流側でトラップまでの部分をいう。
しかしながら、排水が合流部から排水立て管へ流れていると、その排水が合流部又は排水立て管の断面を閉鎖し、通気が不能となる場合がある。この場合でもメンブレンバルブを通じて空気を取り込むことができ、排水系内の負圧を解消できる。
逆止部材の下流側が開放されると、常時開口している上流側を通じて通気路の外側から逆止部材へ流入する空気が、開放された下流側から合流部へ流入する。これにより、合流部の負圧が解消され、合流部における排水性が向上する。
逆止部材の下流側が開放されると、常時開口している上流側を通じて通気路の外側から逆止部材へ流入する空気が、開放された下流側から合流部へ流入する。これにより、合流部の負圧が解消され、合流部における排水性が向上する。
メンブレンバルブの下流側が開放されると、常時開口している上流側を通じて通気路の外側からメンブレンバルブへ流入する空気が、開放された下流側から合流部へ流入する。これにより、合流部の負圧が解消され、合流部における排水性が向上する。
このように排水立て管を部屋の外側に配置すると共に、上記のように落込み凹部を構成した場合には、落込み凹部に雨水等が流れ込むことが考えられる。そこで、通気路形成部材の通気路の開口を、落込み凹部からの水が流入可能な位置に構成する。具体的には、落込み凹部に向かって開口し、落込み凹部と同じ高さ、または落込み凹部よりも低い位置に構成する。これにより、万一落込み凹部に雨水等が流れ込んだ場合でも、通気路へ流すことができる。
(本実施形態に係るサイフォン排水システムの構成)
まず、本実施形態に係るサイフォン排水システムの構成について説明する。図1は、本実施形態に係るサイフォン排水システムの構成を示す概略図である。
この複数の水廻り器具16には、水廻り器具16から排出される排水を流す排水導入管18の一端がそれぞれ接続されている。
なお、サイフォン排水管22としては、サイフォン力を発生させる竪管26を有していればよく、横引き管24及びベンド管25は、必須の構成ではない。
収納管30の上端側は、通気路形成部材32により閉鎖されている。通気路形成部材32の詳細については、後述する。収納管30の下端側は、合流部継手40と接続され、合流部継手40を介して排水立て管12と連通されている。
この合流部継手40及び収納管30により、複数の竪管26を流下した排水を合流させる合流部が構成されている。
横引き管24内の排水には、竪管26で発生するサイフォン水頭Hsのエネルギーにより、排水方向へ向かうサイフォン力が作用される。
通気管54の下端部(下流端部)は、竪管26と同様に、収納管30の上方から挿入されており、通気管54の下端口は収納管30の下側に達している。
なお、本実施形態では、通気管54は、一時貯留槽52の上面に接続されており、排水が流入しない通気専用となっているが、通気管としては、排水と通気とを兼用する通気管であっても良い。
なお、ここでいう流体には、少なくとも、空気、臭気、水、細菌が含まれる。
メンブレンバルブ80は、ゴム等の弾性体からなる筒状の成形品であり、自由状態では、上流端部80A側は図3(A)に示すように、円形に形成されて開口しているが、図2に示すように、下流端部80Bへ向かうにしたがって徐々に潰された形状に形成され、中間部では断面が楕円形とされ、下流端部80Bでは図3(B)に示すように、軸方向から見て直線状となって互いに対向する内周面が接触して開口が閉じた状態となっている。
竪管挿通孔39は、上下方向に貫通され、竪管26の外径よりもわずかに大径とされている。竪管挿通孔39に、竪管26が挿通され、竪管26の上部がここで支持される。竪管26は、竪管挿通孔39の内壁に密着されており、通気路形成部材32によって、収納管30の上側開口は密閉されている。
次に、本実施形態のサイフォン排水システム10の作用を説明する。
本実施形態に係るサイフォン排水システム10では、水廻り器具16から排出された排水は、排水導入管18を経て一時貯留槽52に貯留される。
このとき、メンブレンバルブ80は、通気路37の内側から外側へ向かう流体の流出を阻止するので、収納管30及び合流部継手40内が大気に対して正圧となった場合でも、メンブレンバルブ80が閉鎖されて、収納管30及び合流部継手40内の空気が外部へ出ることがなく、臭気の排出を防止することができる。
そして、収納管30及び合流部継手40に流入した排水が、排水立て管12にスムーズに流れ出すと、収納管30や合流部継手40内が負圧になることがある。すると、筒状に形成されたメンブレンバルブ80には、引っ張られる力が作用し、図3(C)及び図4に示すように、閉じていた下流端部80Bが開放される。
逆止弁36は、弁部材36A及びスプリング36Bを含んで構成されている。弁部材36Aは、円盤状とされ、通気路37の下側開口の下側に配置されている。弁部材36Aは、通気路37を閉鎖可能なように、収納管30の内径よりも大径とされている。
このように、図8に示す構成によっても、通気、及び、溜まった水の排水を行うことができ、かつ、通常時に通気路37を閉鎖することができる。
このように、図11に示す構成によっても、通気、及び、溜まった水の排水を行うことができ、かつ、通常時にクランク通気路47を閉鎖することができる。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である
12 排水立て管
14 床スラブ
15A 落込み凹部
15 貫通口
16 水廻り器具
22 サイフォン排水管
24 横引き管
26 竪管
30 収納管(収納部材、合流部)
32 通気路形成部材
36 逆止弁(逆止部材)
37 通気路
38 弁支持部材
39 竪管挿通孔
40 合流部継手(合流部)
42 通気管挿通孔
46 ボール(逆止部材)
52 一時貯留槽
54 通気管
80 メンブレンバルブ(逆止部材)
Claims (9)
- 水廻り器具からの排水を一時的に貯留する一時貯留槽と、
前記一時貯留槽に接続され、床スラブの下方へ排水を流下させることによりサイフォン力を発生させる竪管を有するサイフォン排水管と、
前記竪管を含む複数の竪管が連結され、前記複数の竪管を流下した排水を合流させる合流部と、
前記合流部が連結され、前記合流部で合流した排水が流入する排水立て管と、
前記合流部と連通されると共に前記床スラブの上方へ向かって開口する通気路が形成された通気路形成部材と、
前記一時貯留槽に接続され、前記合流部を介して前記一時貯留槽と前記排水立て管との間で通気を可能にする通気管と、
前記通気路の外側から内側へ向かう流体の圧力により該流体の流入を許容すると共に内側から外側へ向かう流体の流出を阻止する逆止部材と、
を備えたサイフォン排水システム。 - 前記逆止部材は、弾性材料で形成され、上流側が常時開口しており、下流側が開閉可能とされ、かつ自由状態では閉じている請求項1に記載のサイフォン排水システム。
- 前記逆止部材は、筒状に形成され、上流側が常時開口しており、下流側が開閉可能とされ、かつ自由状態では閉じている請求項1に記載のサイフォン排水システム。
- 前記逆止部材は、弾性材料で筒状に形成され、上流側が常時開口しており、下流側が開閉可能とされ、かつ自由状態では閉じているメンブレンバルブを備えて構成されている請求項1に記載のサイフォン排水システム。
- 前記通気路形成部材は、上面が前記床スラブの上面と同じ高さ又は床スラブの上面よりも低い位置に配置されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のサイフォン排水システム。
- 前記合流部は、前記排水立て管と連結される合流部継手を含んで構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のサイフォン排水システム。
- 前記合流部は、前記複数の竪管の下流端部が筒内部に挿入された筒状の収納部材を含んで構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のサイフォン排水システム。
- 前記通気路形成部材は、前記収納部材の上端側に設けられ、前記複数の竪管を挿通可能な挿通孔が形成されると共に、前記収納部材の内部と外部とを閉塞する請求項7に記載のサイフォン排水システム。
- 前記サイフォン排水管は、前記竪管に接続されると共に前記床スラブに沿って配管された横引き管を有し、
前記床スラブには、前記竪管を貫通させる貫通口、及び、前記貫通口の外側に前記床スラブの上面よりも低い面を構成する落込み凹部が形成され、
前記通気路の開口は、前記落込み凹部からの水が流入可能な位置に形成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載のサイフォン排水システム。
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