以下、本発明の一実施形態に係る負圧吸引式トイレを図面に基づいて説明する。なお、ここで説明する実施形態および実施例は、本願発明の好適な一形態を例示するものであるが、特段の言及がない限りにおいて、本願発明を限定しない。なお、同じ作用を奏する部材や部位には、適宜に同じ符号を付している。
図1は、2階建ての住宅の2階の室内に負圧吸引式トイレの便器が配置された状態を模式的に示す斜視図である。図2は、負圧吸引式トイレの排水管路の流路を模式的に示す側面図である。
負圧吸引式トイレの基本的な構成は、特許文献1にも説明されているので、ここでは重複する説明を省略する。図1および図2に示すように、負圧吸引式トイレ10は、便器11と、負圧タンク12と、排水管路13と、真空ポンプ14とを備えている。
便器11は、例えば、図1に示すように、屋内においてベッド20のそばに置かれる。便器11は、図2に示すように、底部に排水口11aを有している。この実施形態では、便器11は、有底の容器からなる便器本体11bを備えており、排水口11aは、便器本体11bの底部に設けられている。便器本体11bは、例えば、足や肘掛けや背もたれを備えた外枠11cに収められているとよい。また、負圧吸引式トイレ10は、便器本体11bへ給水を行なうための給水タンク21や給水ポンプ22を備えているとよい。
負圧タンク12は、吸引口12aを有する容器であり、所要の負圧に耐えうる耐圧性と排水を収容するため所要の耐食性を有しているとよい。ここで「吸引口」は、タンクとしての負圧タンク12に開口した部位である。この実施形態では、吸引口12aは、負圧タンク12に排水が入る入口である。負圧タンク12は、真空ポンプ14に接続されている。この実施形態では、負圧タンク12と真空ポンプ14は、屋外に置かれており、カバー16(図1参照)内に設置されている。
図2に示すように、便器11の底部に設けられた排水口11aと、負圧タンク12の吸引口12aとは、排水管路13によって繋がっている。この実施形態では、負圧タンク12の吸引口12aに弁12bが設けられている。また、負圧タンク12には、負圧タンク12を大気に開放するための大気開放弁12cが設けられている。さらに、負圧タンク12の底部には、排水口12dと、弁12eが設けられている。負圧タンク12は、地下に埋設された下水設備40(例えば、汚水枡や汚水管など)の上に据え置かれている。弁12eが開かれると負圧タンク12の排水口12dと下水設備40とが繋がり、負圧タンク12内の排水が、排水口12dを通じて下水設備40へ自然流下する。図2中の2点鎖線GLは、地面を示している。2点鎖線WLは建物の壁面を示している。2点鎖線FLは、便器11が置かれる床面を示している。真空ポンプ14と負圧タンク12の間にも弁14aが設けられている。また、図示は省略するが、真空ポンプ14は、例えば、圧力計を備え、当該圧力計の計測値に基づいて予め定められた負圧を負圧タンク12に形成するものであるとよい。
排水管路13は、排水口11aから吸引口12aに至る配管である。排水管路13は、排水口11aに接続された排水管路13の一方の端部に設けられ、かつ、排水口11aから便器11の予め定められた高さまで上方に延びた立ち上がり部13aを有している。負圧吸引式トイレ10は、排水時に便器本体11bに水が注ぎ込まれる。この実施形態では、給水ポンプ22を作動させることによって、給水タンク21から便器本体11bに水が注がれる。この際、当該立ち上がり部13aによって規定される所定の高さまで、便器本体11bに排水が溜められる。この状態で、真空ポンプ14が作動する。
真空ポンプ14が作動する際、負圧タンク12の吸引口12aに設けられた弁12b、大気開放弁12cおよび底部に設けられた弁12eは、それぞれ閉じられている。真空ポンプ14に設けられた弁14aは、真空ポンプ14が負圧タンク12内の空気を吸い、負圧を形成する際には開放されている。この状態で、負圧タンク12は、真空ポンプ14によって空気が吸い出されて予め定められた圧力(例えば、絶対圧で大凡0.08MPa以下)まで減圧される。弁14aは、真空ポンプ14が負圧タンク12内の空気を吸い、負圧を形成する際には開放されている。弁14aは、負圧タンク12が予め定められた圧力まで減圧され、かつ、負圧タンク12が排水を引き込む時には閉じられる。
予め定められた圧力まで減圧された負圧タンク12の吸引口12aに設けられた弁12bが開かれると、便器本体11bに溜まった排水が排水管路13を通じて負圧タンク12に引き込まれる。この際、立ち上がり部13aを形成する屈曲した管路を通過する際に、排水中に含まれる便やトイレットペーパーなどの固形分が粉砕される。また、負圧タンク12に排水が引き込まれる際には、真空ポンプ14に設けられた弁14aが閉じられており、排水が跳ね返って真空ポンプ14に入るのが防止される。負圧吸引式トイレ10は、負圧タンク12の底部の弁12eが開らかれると、負圧タンク12に溜まった排水が下水設備40に流れ出る。また、負圧タンク12の底部の弁12eを開く際には、負圧タンク12の大気開放弁12cが開かれる。これによって、負圧タンク12に溜まった排水が下水設備40に流れ出る。
負圧吸引式トイレ10は、便器11への給水ポンプ22や負圧タンク12の各弁12b、12c、12eや真空ポンプ14などの作動を、予め定められたプログラムに沿って制御する制御装置30を備えているとよい。この場合、便器11への給水ポンプ22や負圧タンク12の各弁12b、12c、12eや真空ポンプ14の作動を操作するための操作信号を制御装置30に送る操作部31が、便器11に設けられているとよい。
ところで、本発明者は、負圧タンク12に溜まった排水が下水設備40にスムーズに流れ出ない事象が生じうることを見出した。かかる事象について、調べたところ、負圧タンク12内に流入した排水が負圧タンク12から下水設備40へ流れ出る際は、重力による自然落下である。負圧タンク12に流入した排水中に複数の大きな固形分が含まれていると、大きな固形分が折り重なって負圧タンク12の排水口12dや排水弁12eに引っ掛かる場合がある。このため、負圧タンク12から下水設備40へ排水がスムーズに流れ出ない原因になっていた。
ここで提案される負圧吸引式トイレ10では、排水管路13は、吸引口12aから管軸に沿って3mまでの範囲内に、それぞれ管路が曲った折曲区間13dを備えている。ここで「管軸」は、流れ方向に直交する管路の断面における管路の内面の中心を流れ方向に繋いだ線である。例えば、管路の流れ方向に直交する断面が円形である円形管では、管軸は、管路断面の中心を繋いだ線になる。異形断面の管路においても、管路の流れ方向に直交する断面における管路の内面の中心を流れ方向に繋いだ線を「管軸」とする。
この負圧吸引式トイレ10は、負圧タンク12の吸引口12aの直前に、排水管路13が折れ曲った折曲区間13dを備えている。排水は、排水管路13を通じて勢いよく負圧タンク12に吸引される。この際、折曲区間13dにおいて、排水に乱流が生じ、また、排水中の固形分が、排水管路13の壁面に衝突するなどして、排水中に含まれる固形分が破砕される。このため、負圧タンク12に入る排水に含まれる固形分が負圧タンク12に入る直前においてさらに小さくなる。そして、負圧タンク12に入る排水に含まれる固形分が小さいので、排水が負圧タンク12から下水設備40へ流れ出る際に、負圧タンク12の排水口12dや排水弁12eに固形分が引っ掛かりにくい。このため、負圧タンク12から下水設備40へ排水がスムーズに流れ出やすくなる。
この実施形態では、上述のように負圧タンク12は、屋外に置かれており、カバー16(図1参照)内に設置されている。上述した折曲区間13dは、便器11の底部に設けられた排水口11aから負圧タンク12の吸引口12aに至る排水管路13のうち、カバー16内に設けられた部分に設けられている。
図3は、カバー16内の負圧タンク12および真空ポンプ14の配置例を示す側面図である。図3に示す形態では、カバー16内には、矩形の枠組み16aが構築されている。矩形の枠組み16aの上下方向の中間には、台座16bが設けられている。負圧タンク12は、枠組み16aのうち台座16bよりも上の上部空間に配置され、枠組み16aの上部構造材16a1と台座16bとによって支持されている。真空ポンプ14は、枠組み16aの下部空間に管路に干渉しないように配置されている。真空ポンプ14と、負圧タンク12とは、空気を吸引するための管路14bによって接続されている。
図3に示す形態では、負圧タンク12のタンク本体120は、円筒部121と、円筒部121の下部から下方に向けて内径が徐々に小さくなった円錐部122と、円筒部121の上部に取り付けられた蓋123とを備えている。ここで、負圧タンク12の吸引口12aは、円筒部121の内周面に開口した部位である。この実施形態では、吸引口12aは、円筒部121の接線方向に沿って外方に延びた管路12a1を備えている。この実施形態では、かかる吸引口12aからタンク本体120の外部に延びた管路12a1の先端部に弁12bが設けられている。かかる吸引口12aから延びた管路12a1を含む負圧タンク12は、排水を吸引するための所要の負圧(例えば、絶対圧で0.008MPa以上0.08MPa以下)に耐えうる耐圧容器で構成されている。ここで、所要の負圧は、便器11から負圧タンク12に排水を吸引するのに十分な吸引力を発揮しうる真空度を意味する。かかる観点において、負圧タンク12は、例えば、絶対圧で0.08MPa以下、好ましくは0.06MPa以下の真空度にするとよい。また、負圧タンク12の真空度を高くすればするほど吸引力が高くなる。他方で、負圧タンク12の真空度を高くするには、真空ポンプの性能を上げたり、容器の耐圧性能を上げたりする必要があり、コストが高くなる。このため、かかる観点において、負圧タンク12の真空度は、絶対圧で0.008MPa程度までとするのが適当である。また、吸引の際の真空タンク内の真空度をできるだけ維持するためには真空タンクの容積は大きい方が好ましい。他方で大きなタンクは場所をとる。このため、真空タンクの内容積は、例えば、1L以上、好ましくは5L以上、また100L以下、好ましくは20L以下であるとよい。なお、ここでは、負圧タンク12の真空度を絶対圧で例示しているが、実際上は、ゲージ圧で管理されうる。
この実施形態では、吸引口12aからタンク本体120の外部に延びた管路12a1は、排水管路13の一部として扱われうる。例えば、吸引口12aからタンク本体120の外部に延びた管路12a1を含めてタンク本体120は、一体的な樹脂成形品として作製されうる。このような場合、当該管路12a1は、排水管路13の一部として扱うとよい。また、吸引口12aは、排水管路13の一部として扱われる当該管路12a1と、タンク本体120との境界となる。当該管路12a1とタンク本体120との境界が曖昧な場合、当該境界部分は、当該曖昧な部分を含めて吸引口12aとして扱うとよい。例えば、吸引口12aがタンク本体120の内周面に向けて徐々に拡がっている場合には、タンク本体120の内周面に向けて徐々に拡がった部分も含めて吸引口12aとするとよい。このように、当該管路12a1とタンク本体120との境界が曖昧な場合、タンク本体120の内部からみて吸引口12aの外延から排水管路13の管軸に沿った所定の距離の範囲内に折曲区間13dを備えているとよい。
この実施形態では、負圧タンク12の吸引口12aには、円筒部121の内周面から接線方向に沿って外方に延びた管路12a1が設けられている。排水は、かかる管路12a1を通じて吸引口12aから円筒部121の内周面に沿ってタンク本体120内に入っていく。そして、タンク本体120の円筒部121の内周面に沿って旋回しつつタンク本体120内に収容されるため、タンク本体120内で排水が飛び散りにくい。かかる形態においては、図示は省略するが、タンク本体120内には、吸引口12aが設けられた位置の上部に、タンク本体120の内径側に突出した庇が設けられているとよい。このような庇が設けられていることによって、吸引口12aから入った排水がタンク本体120内で、特に、上方に飛び散るのを防止できる。これにより、タンク本体120の上部(例えば、蓋123)に付着する排水の飛沫を少なくできる。
排水管路13は、かかる吸引口12aに繋がっている。ここで、排水管路13は、カバー16内に、枠組み16aの下部空間に入り、枠組み16aの下部空間で上方へ向けて折れ曲り、上方に延びている。そして、台座16bに到達した部位に、折曲区間13dが設けられている。折曲区間13dは、図3では、明示的に図示されていないが、図2に示すように、管路が折れ曲った折曲部13d1〜13d3(図2参照)を複数備えているとよい。なお、図2に示す形態では、折曲区間13dには、折曲部13d1〜13d3が3箇所設けられているが、折曲区間13dに設けられる折曲部は、3箇所に限定されない。例えば、折曲区間13dには、例えば、3箇所や4箇所や5箇所など、2箇所以上の折曲部が設けられているとよい。
ここで、折曲部13d1〜13d3では、管軸の曲率半径が、例えば、管路の内径の2/3以下で、かつ、排水口から吸引口に向けた流れ方向において40度以上110度以下の角度(例えば、45度や90度)で、排水管路13がそれぞれ曲がっているとよい。ここで、管路の内径は、細すぎると詰まりやすい。このため、例えば、15mm以上であるとよく、好ましくは20mm以上であるとよい。また、管路の内径は、太すぎると、所要の吸引力が得られない。このため、例えば、50mm以下であるとよく、好ましくは30mm以下であるとよい。また、折曲部における管軸の曲率半径は、管路の内径の半分程度であるとよく、好ましくは管路の内径の1/2以上であるとよい。
図4〜図6は、折曲部13d1〜13d3を構成するのに適した管路部材の断面図である。折曲部13d1〜13d3は、例えば、図4に示すように、排水口から吸引口に向けた流れ方向において、管の内径の大凡半分の曲率半径で管軸が90度に曲がった90度エルボ管131や、図5に示すように、管軸が45度に曲がった45度エルボ管132を組み合わせてもよい。また、図6に示すように、一方の端部が受け口で、他方の端部が、他の管に差し込まれる、いわゆる受け差しエルボ管133を組み合わせてもよい。かかるエルボ管を組み合わせることで、短い距離で複数の折曲部を設けることができる。特に、受け差しエルボ管133は、直線の管を間に介在させないので、より短い距離で複数の折曲部を設けることができる。このようなエルボ管を組み合わせることによって、排水管路13のうち、吸引口12aから管軸に沿って、より短い範囲に、複数の折曲部を備えた折曲区間13dを構築しうる。
また、折曲区間13dが負圧タンク12の吸引口12aから離れた位置にあると、折曲区間13dでは、排水が流れるのに対して抵抗が高くなるため、排水の速度が落ちる場合がある。排水の速度が落ちると、折曲区間13dおよび折曲区間13dを過ぎた部分に排水が残留しやすくなる。折曲区間13dが負圧タンク12の吸引口12aから近いと、排水が残留しにくい。かかる観点において、折曲区間13dは、例えば、負圧タンク12の吸引口12aから3m程度の近い範囲に設けられているとよい。また、好ましくは1.5m、さらには1m、さらには80cm、さらには60cmというように、より短い範囲に、複数の折曲部を備えた折曲区間13dが構築されているとよい。つまり、折曲区間13dは、負圧タンク12の吸引口12aの近くにあるとよい。
なお、上述のように、負圧タンク12に入る直前において排水に含まれる固形分をさらに小さくするとの観点において、吸引口12aから管軸に沿って3mまでの範囲内に、排水管路13に折曲区間13dが設けられているとよい。また、この場合、排水管路13には、負圧タンク12の吸引口12aから3mより離れた位置に、折れ曲った部位(折曲部)がさらに設けられていてもよい。
また、排水管路13は、折曲区間13dよりも便器側で折曲区間13dの直前に、少なくとも50cm以上の直線に沿った管路を有する直線区間13eを備えていてもよい。つまり、折曲区間13dの直前で、排水管路13は管軸が直線に沿った区間を有しているとよい。このような直線区間13eでは、排水の抵抗が小さくなる。このため、直線区間13eが吹き矢の筒のように作用して、直線区間13eにおいて負圧により吸引される排水が加速される。そして、直線区間13eにおいて加速された排水が、折曲区間13dに入り、折曲部13d1〜13d3によって形成された複雑な管路を通る。この際、直線区間13eにおいて排水が加速されるために、折曲区間13dにおいて排水中の固形分がより小さく破砕されうる。かかる直線区間13eは、長い方がよく、例えば、80cm以上、さらには1m以上の長さがあるとよい。
図7は、カバー16内の負圧タンク12および真空ポンプ14の他の配置例を示す側面図である。図7に示すように、吸引口12aから管軸に沿って3mまでの範囲内に設けられる折曲区間13dには、さらに、管軸に沿った50cmの範囲に複数の折曲部13d1〜13d3が配置された集中折曲区間13dsを備えていてもよい。この場合、図7に示すように、集中折曲区間13dsは、カバー16内で台座16bより下方の下部空間に設けられていてもよい。このような集中折曲区間13dsでは、排水が通過する際に大きい固形分が内壁に当たり破砕されるので、排水に含まれる固形分が、より小さくなりやすい。集中折曲区間13dsは、ここでは、管軸に沿った50cmの範囲に複数の折曲部13d1〜13d3が配置されものを例示しているが、管軸に沿ったより短い範囲(例えば、20cm〜50cmの範囲、例えば、30cm程度の範囲)に複数の折曲部が集中していてもよい。かかる集中折曲区間13dsには、例えば、3箇所以上、例えば、4箇所、5箇所あるいは6箇所程度の折曲部が含まれているとよい。なお、ここでは、負圧タンク12および真空ポンプ14は、屋外に配置されカバー16内に配置されているが、特段言及されない限りにおいて、負圧タンク12および真空ポンプ14や排水管路13および折曲区間13dの配置には限定されない。
図8から図11は、排水管路13(特に、折曲区間13d)の構成例を概略的に示す斜視図である。ここでは、排水管路13は、それぞれカバー16の枠組み16a内に配置された負圧タンク12に繋がっている。
図8に示された形態では、便器11側から延びた排水管路13は、カバー16内で、枠組み16aの台座16bよりも下方の下部空間に挿入されている。そして、カバー16内において、排水管路13には、弁12bと、折曲区間13dとが設けられている。弁12bは、吸引口12aの開閉を操作する弁である。具体的には、折曲区間13dには、矩形の枠組み16aの下部空間において、弁12bよりも前(排水の流れ方向の上流側)に、3つの折曲部13d1〜13d3が設けられている。さらに、折曲区間13dには、台座16bよりも上方の上部空間において、弁12bよりも後(弁12bと吸引口12aとの間)に1つの折曲部13d1が設けられている。
詳しくは、折曲部13d1では、カバー16内に水平に入ってきた排水管路13が上方に向けて直角に曲がっている。折曲部13d2では、折曲部13d1において上方に向けて曲がった排水管路13が、水平に向けて直角に曲がっている。折曲部13d3では、折曲部13d2において上方に向けて曲がった排水管路13が、上方に向けて直角に曲がっている。排水管路13には、折曲部13d3から上方に向かう管路の途中に弁12bが設けられている。排水管路13は、弁12bを過ぎて上方に延び、台座16bよりも上側において折曲部13d4が設けられている。折曲部13d4では、排水管路13が負圧タンク12の内周面の接線方向に向けて曲がっている。そして、かかる折曲部13d4によって折れ曲った排水管路13は、負圧タンク12の内周面の接線方向に沿って延びて吸引口12aに繋げられている。この場合、吸引後に折曲部13d1〜13d3に残留した排水は、排水管路13のうちカバー16に水平に入ってきた部位に流下する。また、このように折曲区間13dの途中に弁12bが設けられていてもよい。また、このうち、折曲部13d1〜13d3は、管軸に沿って50cm以内の短い距離に集中しており、上述した集中折曲区間13dsとして機能している。排水中に含まれる大きな固形分は、かかる集中折曲区間13dsにおいて、細かく破砕される。
図8に示された形態と相違する点として、図9に示された形態では、弁12bよりも前に順に設けられた3つの折曲部13d1〜13d3のうち、折曲部13d1,13d2では、排水管路13は、それぞれ水平な面に沿って直角に曲がっている。折曲部13d3では、排水管路13は、上方に向けて曲がっている。排水管路13は、折曲部13d3の後で、弁12bが設けられている。弁12bから吸引口12aまでは、図8に示された形態と同じである。図9に示された形態では、カバー16内で弁12bの直下に設けられた折曲部13d3に至るまでの排水管路13が水平に設けられており、その容積が大きい。このため、カバー16内で排水管路13に残留した排水は、流下してカバー16内で水平に設けられた部位に流下するが、この部位が排水で満たされにくい。また、カバー16内で排水管路13の垂直高さを小さくして、真空ユニット全体をコンパクト化できる。また、このうち、折曲部13d1〜13d3は、管軸に沿って50cm以内の短い距離に集中しており、上述した集中折曲区間13dsとして機能している。排水中に含まれる大きな固形分は、かかる集中折曲区間13dsにおいて、細かく破砕される。
図8に示された形態と相違する点として、図10に示された形態では、カバー16内に水平に入ってきた排水管路13が折曲部13d1において上方に曲がっている。そして、折曲部13d1で上方に曲げられた部位に弁12bが設けられている。さらに弁12bから吸引口12aまでの間に3つの折曲部13d2〜13d4が順に設けられている。また、図11に示された形態では、図10に示された形態と相違する点として、弁12bから吸引口12aまでの間に4つの折曲部13d2〜13d5が順に設けられている。このように、排水管路13には、弁12bから吸引口12aまでの間に複数の折曲部が設けられていてもよい。また、折曲区間13dの途中に弁12bのような要素が含まれていてもよい。
また、図10では、折曲部13d2〜13d4が、管軸に沿って50cm以内の短い距離に集中しており、上述した集中折曲区間13dsとして機能している。図11では、折曲部13d2〜13d5が、管軸に沿って50cm以内の短い距離に集中しており、上述した集中折曲区間13dsとして機能している。排水中に含まれる大きな固形分は、かかる集中折曲区間13dsにおいて細かく破砕される。なお、図10および図11に示すように、カバー16内の上部に集中折曲区間13dsを設けることによって、全体としてコンパクト化を図ることができる場合がある。
また、吸引口12aに設けられる弁12bは、上述した実施の形態では、具体的には、排水管路13の折曲区間13d内に設けられている。このように、吸引口12aの開閉を行なう弁12bは、排水管路13に設けられていてもよい。さらに、吸引口12aの開閉を行なう弁12bは、例えば、折曲区間13dの外側、排水管路13において吸引口12aから管軸に沿って3mよりも便器11側に設けられていてもよい。
以上、ここでは、負圧タンク12の吸引口12aの直前に設けられた、排水管路13の折曲区間13dについて説明した。かかる折曲区間13dが設けられることによって、負圧タンク12に吸引される直前において、排水中の固形分が細分化される。このため、負圧タンク12から下水設備40へ排水を排出する際に詰まり難い。
また、本発明者は、負圧吸引式トイレ10を住宅に仮設する場合において、便器本体11bを屋内に配置し、負圧タンク12や真空ポンプ14を屋外に配置することを検討している。この場合、図2に示すように、排水管路13は、屋内から壁面WLを貫通させて屋外の負圧タンク12まで敷設される。この際、壁面WLの構造上の制約で、床面FLよりも高い位置に排水管路13を通すための貫通孔60が設けられる場合がある。また、壁面WLには、例えば、エアコンのような空調設備の配管を通すために貫通孔が設けられている場合がある。貫通孔60には、このような既設の貫通孔を利用することも検討されている。空調設備の配管用の穴は、室内で床面FLから2.5m程度の高い位置に設けられていることがある。
負圧吸引式トイレ10の排水管路13には、便器本体11bの排水口11aから連続して立ち上がり部13aが設けられている。排水管路13は、立ち上がり部13aから降下させて床面FLに沿って壁面WLの壁際まで敷設される。室内で床面FLから2.5m程度の高い位置に設けられた貫通孔60を通す場合には、排水管路13は、室内で壁面WL(内壁)に沿って排水管路13を立ち上げられて貫通孔60に通される。排水管路13は、室外で壁面WL(外壁)に沿って地面GLの高さまで下ろされる。排水管路13は、地面GLに沿って敷設され、下水設備40の上に配置された負圧タンク12の吸引口12aに繋がっている。排水管路13は、負圧タンク12に繋げられる際にも、地面GLから立ち上げられる場合がある。
このように、排水管路13の流れ方向において、立ち上がり部13aよりも下流側において、1または複数(図2に示された形態では2つ)の上り管部13b,13cが設けられる場合がある。つまり、図2に示す形態では、室内で壁面WLに沿って立ち上げられた部分に上り管部13bが設けられている。また、地面GLに沿って排水管路13が敷設されたところから立ち上げられて負圧タンク12に接続される部分に上り管部13cが設けられている。なお、負圧タンク12に接続される部分の上り管部13cは、図1においては、カバー16に隠れており、全体が図示されていないが、かかる上り管部13cは、図2に示すように、0.5mから2m程度立ち上がっていることもありうる。また、かかる上り管部13cには、さらに上述のような折曲区間13dが設けられうる。
負圧吸引式トイレ10では、負圧タンク12の負圧が排水管路13に作用することによって、便器11に溜まった排水が負圧タンク12に吸引される。便器11に溜まった排水が吸引される際、上り管部13b,13cでは、排水を引き上げるのにエネルギが消費される。負圧タンク12による吸引は、徐々に弱くなり、負圧タンク12が大気圧に戻る過程で終了する。このため、吸引が終了したときに上り管部13b,13cでは排水の一部が残留している場合がある。
吸引が終了した後で排水管路13は大気圧になるため、上り管部13b,13cに残留している排水は、自然に流下して上り管部13b,13cの上流側の排水管路13に流れ込む。この際、上り管部13b,13cの上流側に流れ込んだ排水によって、排水管路13の一部が満たされることが生じうる。特に、図2に示すように、屋内の壁面WLに沿った上り管部13bのように2m程度も高い位置まで立ち上がっているような場合には、吸引が終了した時に、上り管部13bに多量の排水が残留することがある。また、負圧タンク12に接続される部分の上り管部13cは、便器11から遠く、負圧タンク12に吸引される排水が最後に通る部分である。負圧タンク12の吸引力は、吸引が開始されてから徐々に弱まる。その上、上り管部13cでは、排水を引き上げるのにエネルギが必要になるために、負圧タンク12に吸引される排水が残留することがある。
上り管部13b,13cに多量の排水が残留した場合には、上り管部13b,13cの上流側の管路に多量の排水が流れ込むことがある。この場合、上り管部13b,13cの上流側の管路構成によっては、上り管部13b,13cの上流側の管路の一部が上り管部13b,13cから流れ込んだ排水によって満たされてしまう。つまり、立ち上がり部13aよりも負圧タンク12側において、排水管路13の一部が排水で満たされた満管状態になる。
立ち上がり部13aよりも下流側において、排水管路13の一部が排水で満たされている場合には、排水を吸引する際に、負圧タンク12からの負圧が便器11に溜まった排水に作用しにくくなる。つまり、便器11に排水の吸引が行なわれる際に、排水管路13の一部が排水で満たされていると、排水管路13の一部を満たす排水に、まず負圧が作用してこれを吸引する。その後、便器11に溜まった排水に負圧が作用する。このとき、負圧タンク12の負圧が弱まっている。このため、便器11に溜まった排水に十分な吸引力が作用せず、便器11に排水が残留することが起こりうる。この場合、便器11に再び給水し、真空ポンプ14を作動させて負圧タンク12に負圧を形成し、便器11に残留した排水を吸引する一連の工程をやり直す必要が生じる。本発明者は、立ち上がり部13aから下流側においてある程度の高さまで立ち上がった上り管部13b,13cがあるような場合において、負圧吸引式トイレ10におけるこのような問題が生じることを見出した。
本発明者は、負圧吸引式トイレ10において、立ち上がり部13aよりも下流側では、上り管部13b,13cの直ぐ上流側に、上り管部13b,13cよりも大きい容積を有する受け部13b1,13c1を設けることを提案する。つまり、ここで提案される負圧吸引式トイレ10では、図2に示すように、上り管部13b,13cの直ぐ上流側において、排水管路13に受け部13b1,13c1が設けられている。受け部13b1,13c1は、上り管部13b,13cよりも大きい容積を有している。かかる構成によれば、吸引が終了したときに上り管部13b,13cでは吸引時に排水が残留した場合には、吸引が終了した後で、上り管部13b,13cに残留している排水が、自然に流下して上り管部13b,13cの上流側に流れ込む。この場合、上り管部13b,13cの直ぐ上流側に受け部13b1,13c1が設けられており、受け部13b1,13c1は、上り管部13b,13cよりも大きい容積を有する。
このため、上り管部13b,13cに残留している排水が、受け部13b1,13c1に流れ込んでも、受け部13b1,13c1は排水によって満たされない。この場合、受け部13b1,13c1の上部まで、排水が溜まらないので、受け部13b1,13c1の上部に空隙が生じる。負圧タンク12からの負圧は、受け部13b1,13c1に生じた空隙を抜けて、便器11から立ち上がり部13aに溜まった排水に作用しうる。このため、便器11の排水がよりスムーズに吸引される。そして、吸引後に便器11に排水が残留しにくい。特に、吸引初期に排水が通過する立ち上がり部13aにおいて所要の流速が確保される。このため、上り管部13b,13cがある場合でも、立ち上がり部13aにおいて便やトイレットペーパーなどの固形分が適切に破砕される機能が維持されるから、便やトイレットペーパーなどが詰まりにくい。ここで、負圧タンク12に至る上り管部13cには、上述のように折曲区間13dが設けられる場合がある。この場合、受け部13c1は、折曲区間13dを含む上り管部13cよりも大きい容積を有しているとよい。
例えば、排水管路13は、図3または図7に示すように、吸引口12aから管軸に沿って3mまでの範囲内に、吸引口12aに向けて上方に延びた上り管部13cを備えていてもよい。そして、かかる上り管部13cに折曲区間13dが含まれていてもよい。換言すると、負圧タンク12に接続される部分において負圧タンク12に向けて上方に延びた上り管部13cに折曲区間13dが含まれていてもよい。この場合、上り管部13cのすぐ上流側に折曲区間13dを含む当該上り管部13cよりも大きい容積を有する受け部13c1を備えているとよい。これにより、上り管部13cに残留している排水が、受け部13c1に流れ込んでも、受け部13c1は排水によって満たされない。そして、受け部13c1の上部に空隙が生じ、負圧タンク12からの負圧は、受け部13c1に生じた空隙を抜けうる。このため、便器11の排水がよりスムーズに吸引される。
例えば、図8から図11に示すように、排水管路13は、吸引口12aに向けて上方に延びた上り管部13cを備えている。この場合、上り管部13cのすぐ上流側に設けられ、上り管部13cよりも大きい容積を有した受け部13c1を備えているとよい。例えば、図8、図10および図11に示された形態では、排水管路13は、上り管部13cのすぐ上流側に水平な管路が形成されている。かかる水平な管路は、上述した受け部13c1として機能しうる。また、図9に示された形態では、上り管部13cに相当する部位のすぐ上流側において、排水管路13は、それぞれ水平な面に沿って曲がった折曲部13d1,13d2を、吸引口12aから管軸に沿って3mまでの範囲内に備えている。このような折曲部13d1,13d2を含む水平な管路は、上述した受け部13c1として機能しうる。このように排水管路13は、吸引口12aに向けて上方に延びた上り管部13cと、上り管部13cのすぐ上流側に設けられ、上り管部13cよりも大きい容積を有した受け部13c1とを、吸引口12aから管軸に沿って3mまでの範囲内に備えていてもよい。そして、上り管部13cと受け部13c1との少なくとも一方に折曲区間13d(さらには、集中折曲区間13ds)が設けられていてもよい。
受け部13b1,13c1には、種々の形態を採用することができる。例えば、上り管部13b,13cと受け部13b1,13c1とにおける排水管路13は、管軸に直交する断面積の変化が100%以下であるとよい。つまり、便器11から負圧タンク12に至る主たる管路において、上り管部13b,13cと受け部13b1,13c1とは、断面積の変化が100%以下(2倍以下)、例えば、80%以下(1.8倍以下)、さらには60%(1.6倍以下)以下であるとよい。ここで、「受け部における排水管路」には、後述するように、受け部における排水管路に並行な管路や、中間タンクなどは含まれない。上り管部13b,13cと受け部13b1,13c1とで断面積の変化が100%以下である方が、負圧の作用による吸引がスムーズに行える。
また、受け部13b1,13c1における排水管路の断面積は、上り管部13b,13cにおける排水管路の断面積よりも広いことが望ましい。例えば、上り管部13b,13cにおける排水管路に内径20mmの円形断面の塩ビ管を採用し、受け部13b1,13c1における排水管路に内径25mmの円形断面の塩ビ管を採用してもよい。この場合、受け部13b1,13c1の断面積は、上り管部13b,13cよりも56%程度大きくなる。この場合、受け部13b1,13c1は、上り管部13b,13cよりも短くても広い容積が確保される。この場合、上り管部13bと同じ内径の塩ビ管を、受け部13b1に採用する場合に比べて、便器11から上り管部13bを立ち上げるまでの距離を短くできる。
また、受け部13b1,13c1は、管軸が水平になるように配置されてもよい。受け部13b1,13c1の管軸が水平であれば、上り管部13b,13cから排水が流れ込んでも、受け部13b1,13c1が排水によって満たされにくい。また、受け部13b1,13c1における排水管路は、管軸に直交する断面が円形の円形管であってもよい。円形管は管の断面が均一なので管の断面の上下を気にせずに設置できる。このため、施工性がよい。
また、受け部13b1,13c1は、管軸に直交する断面において、管路内面における高さ方向の中心よりも下方の面積が、上方よりも広い、異形管路でもよい。このような異形管路は、管路内面における高さ方向の中心よりも下方の面積が上方よりも広い。このため、上り管部13b,13cから受け部13b1,13c1に排水が流れ込んでも、受け部13b1,13c1の上部に隙間が生じやすい。
また、管軸に直交する断面形状が、受け部13b1,13c1と上り管部13b,13cとで同じである場合には、受け部13b1,13c1が上り管部13b,13cよりも長いとよい。つまり、受け部13b1の長さをA、上り管部13bの長さをaとした場合には、A>aであるとよい。受け部13c1の長さをB、上り管部13cの長さをbとした場合には、B>bであるとよい。これによって、上り管部13b,13cよりも大きい容積を有する受け部13b1,13c1との構成を具現化してもよい。
図12は、バイパス管路18を備えた受け部13b1を模式的に示す平面図である。排水管路13に沿った矢印A1は、排水管路13の負圧タンク12側であり、当該受け部13b1に対して上り管部13bが設けられる方向である。矢印B1は、便器11側であり、排水が流れる方向において上流側に当たる。矢印A1,B1は、図13において同意である。
図12に示す形態では、受け部13b1は、受け部13b1における排水管路13の側方において並行に配置され、かつ、受け部13b1における排水管路13に水平方向に繋がったバイパス管路18を有している。この場合、便器11に溜まった排水は、受け部13b1においては主として排水管路13に沿って吸引される。このため、便器11に溜まった排水は、スムーズに吸引される。また、吸引終了後に、上り管部13bに残留した排水は、受け部13b1における排水管路13とバイパス管路18とに流れ込む。上り管部13bに残留した排水がバイパス管路18にも流れ込むので、受け部13b1における排水管路13をより短く構成できる。また、排水管路13と並行に配置されたバイパス管路18は、排水管路13と水平方向に繋がっている。このため、バイパス管路18に入り込んだ排水はバイパス管路18に留まらず、適当なタイミングで、受け部13b1における排水管路13に戻る。そして、次に吸引される際などにおいて、負圧タンク12へ吸引される。
図13は、中間タンク19を備えた受け部13b1を模式的に示す平面図である。受け部13b1は、図13に示すように、当該受け部13b1における排水管路13の側方に配置され、当該受け部13b1における排水管路13に対して水平方向に繋がった中間タンク19を有していてもよい。この場合、便器11に溜まった排水は、受け部13b1においては主として排水管路13に沿って吸引される。このため、便器11に溜まった排水は、スムーズに吸引される。吸引終了後に、上り管部13bに残留した排水は、流下して、受け部13b1における排水管路13と中間タンク19とに流れ込む。上り管部13bに残留した排水が中間タンク19にも流れ込むので、受け部13b1における排水管路13を短く構成できる。また、中間タンク19に入り込んだ排水は、中間タンク19に留まらず、適当なタイミングで、受け部13b1における排水管路13に戻る。そして、次に吸引される際などにおいて、負圧タンク12へ吸引される。
なお、バイパス管路18や中間タンク19には、受け部13b1の一部として、吸引終了後に、上り管部13bに残留した排水が流れ込むとよい。このようなバイパス管路18や中間タンク19が、受け部13b1に設けられていることによって、受け部13b1における排水管路13が短くできる。この観点において、バイパス管路18や中間タンク19は、必ずしも受け部13b1における排水管路13の側方に配置されていなくてもよい。しかし、バイパス管路18や中間タンク19に入り込んだ排水が、適当なタイミングで排水管路13に戻るとの観点において、バイパス管路18や中間タンク19は、受け部13b1における排水管路13の側方に配置され、かつ、排水管路13に対して水平に繋がっている方がよい。なお、上記作用効果が阻害されない限りにおいて、バイパス管路18や中間タンク19は、上記形態に限定されない。
排水管路13は、図1および図2に示すように、上り管部13b,13cを複数備えている場合には、各上り管部13b,13cに対してそれぞれ受け部13b1,13c1が設けられているとよい。各受け部13b1,13c1は、それぞれの下流側に設けられた上り管部13b,13cの容積に応じて、上り管部13b,13cよりも大きい容積を有しているとよい。
また、例えば、図12または図13に示すように、受け部13b1,13c1における排水管路13に、並行なバイパス管路18や中間タンク19を設ける場合がある。このような場合には、排水管路13とバイパス管路18とを繋ぐ管路や、排水管路13と中間タンク19とを繋ぐ管路に弁(図示省略)を設けてもよい。例えば、便器11に溜まった排水が負圧タンク12に吸引される際に、当該弁が閉じられることによって、バイパス管路18や中間タンク19の影響を受けずに、排水が排水管路13に沿ってスムーズに流れる。そして、吸引終了後に弁を開けると、上り管部13b,13cから受け部13b1,13c1に流下した排水が、排水管路13に並行なバイパス管路18や中間タンク19に流れ込む。このように、バイパス管路18や中間タンク19に設けられる弁は、負圧タンク12に排水が吸引される一連工程において、適当なタイミングで開いたり、閉じたりするとよい。このため、バイパス管路18や中間タンク19に設けられる弁は、制御装置30によって制御されるとよい。
以上、本発明の一実施形態に係る負圧吸引式トイレを説明したが、本発明は特に言及されない限りにおいて上述した実施形態および変形例に限定されず、さらに種々の変形例が含まれる。