JPWO2018139651A1 - 無捲縮短繊維の製造方法、及び得られた無捲縮短繊維を含む湿式不織布 - Google Patents
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Abstract
Description
(I)紡糸直後の未延伸マルチフィラメントをそのまま、または複数本を束ねて繊維トウとすること;
(II)上記束ねた繊維トウを収缶することなく連続してカットすること;及び
(III)紡糸直後の未延伸マルチフィラメントから繊維トウのカット前までに1か所以上の親水性油剤を付与する工程を有すること、を具備することを特徴とする。
本発明はまた、上記方法で得られた未延伸の無捲縮短繊維と、延伸された短繊維を主たる原材料として混合した水分散液を、湿式不織布製造装置によって抄紙し、熱圧加工して得られる不織布を提供する。
(I)紡糸直後の未延伸マルチフィラメントをそのまま、または複数本を束ねて繊維トウとすること;
(II)上記束ねた繊維トウを収缶することなく連続してカットすること;及び
(III)紡糸直後の未延伸マルチフィラメントから繊維トウのカット前までに1か所以上の親水性油剤を付与する工程を有すること、を具備することを特徴とする。
親水性油剤は、ポリアルキレングリコール誘導体であることが好ましく、中でもポリエーテル・ポリエステル共重合体であることが特に好ましい。より具体的には、テレフタル酸および/またはイソフタル酸、低級アルキレングリコール並びにポリアルキレングリコールおよび/またはそのモノエーテルからなる、ポリエーテル・ポリエステル共重合体であることが好ましい。
従来は、短繊維を製造する工程で、紡糸後に、収缶する工程があったため、マルチフィラメントがばらける問題があり、収束性の高い油剤を使用しなければならず、その結果、湿式不織布に必要な水中分散性が十分ではなかった。しかしながら、本発明の収缶工程等を省略し、紡糸からカットまでを連続とする製造方法とすることで、収缶時に生じる上記のマルチフィラメントがばらける問題が回避でき、収束性が従来より多少劣りながらも、本発明で使用する親水性油剤の収束性で生産が可能となり、親水性油剤が付与する抄紙時の水中分散性の向上と相俟って、抄紙品位が大きく向上することとなった。
通常このような親水性油剤は最終工程にて付与することが多いが、本発明では短繊維の製造途中での巻き取りや収缶等の途中工程を省略することにより、紡糸油剤としての採用が可能となった。さらには、口金から吐出された溶融ポリマーを冷却固化後、繊維トウを束ねることなく速やかに親水性油剤を付与することが好ましい。処理時間を短くするとともに、繊維表面に均一に親水性油剤を付与することが可能となる。
付着率=油剤エマルジョン濃度(質量%)×水分率(質量%)/100
このような乾熱ローラーで、低温で予熱処理を施すことで、アルキレングリコール誘導体による熱分解を押え、安定した生産を行うことが可能となる。この段階で高い温度で加熱すると、繊維同士が膠着し、水中分散性が悪化する傾向にあるからである。
通常、巻き取り工程や収缶工程を中間工程に入れる場合、紡糸油剤として親水性油剤を用いることが、低摩擦や収束性不足により困難であるが、本発明の製造方法ではその巻き取り工程や収缶工程を省略することにより、紡糸油剤として親水性油剤を用いることが可能となった。
本発明の無捲縮短繊維の製造方法は、目的に応じて、紡糸後に未延伸、もしくは延伸を施して短繊維を得ることができる。
未延伸糸の状態を保つためには、全工程においてその工程張力を未延伸糸のネック延伸が起こらない限度に抑えることが必要である。そしてカット前までの各工程における繊維トウの張力が未延伸糸の降伏張力未満であることが好ましい。
繊維トウが接触する部位は、断面視で円弧形をなす湾曲部からなる。該湾曲部の一部に開孔領域を設け、該開孔領域に開孔部(液体吐出孔)を有する液体付与装置を用い、該開孔領域に、繊維トウを、抱き角20°より大きく、180°より小さくなるように接触、走行させながら、該開孔部から液体を吐出させ、該繊維トウに付与する。
湾曲部の頂点が上向きでも本発明の効果は発揮される。そして、湾曲部の頂点を下向きにした場合には、液体の付与率が高くなる傾向にあり、繊維トウが高速になるほど液体付与の効果が顕著となる。
図2、図3(湾曲部が上向きのパターン)で具体的に説明すると、複数の開孔部(図
2−b)を有する湾曲部(図2−a)からなり、開孔部から液体を吐出させた液体付与装置(図2)を使用して行う。湾曲部(図2―a)は、断面視で円弧形をなす曲面からなり、該曲面に沿って所定の抱き角(図3―α)となるように、抱き角調整部(図3―e)にて繊維トウを調整、固定し、繊維トウを開孔領域(図2−c)に面状に接触させることによって行う。このとき、開孔部(図2−b)から液体を吐出することで、繊維トウ内部まで液体を浸透させることができる。
開孔部(図2−b)の孔形状は特に限定されず、円形、楕円形、半円形、三角形、四角形、多角形、線状スリット等を適宜選択することができ、開孔部は複数の孔で形成される。
円弧形の曲率半径(図3−f)は、繊維トウの走行速度にもよるが、好ましくは30〜300mm、より好ましくは50〜200mmとする。30mmより小さいと、抱き角(図3−α)を大きくしても、十分な接触時間を得ることができない。300mmより大きいと、繊維トウの接触面積に対して、開孔領域の面積が大きくなり過ぎるため、効率が低下し、ランニングコストが高くなる。
開孔率の下限は、0.01%が好ましく、0.03%がより好ましく、0.05%がさらに好ましい。開孔率が0.01%より小さくなると、液体が均一に付着され難くなる。
加えて、開孔部から吐出される流速は0.2m/秒以上であることが、高速で走行する繊維トウ内部の単糸に均一に浸透させるのに必要である。液体吐出流速が0.2m/秒未満であると、液体(油剤エマルジョン溶液)が、単糸が密に詰まった繊維トウ内部まで浸透しにくくなり、短繊維の水中分散が不均一となりがちである。好ましい流速の範囲は0.3〜5.0m/秒、更に好ましくは0.7〜3.0m/秒である。
また、繊維トウが液体付与装置の湾曲部に接触させる際の接触時間(秒)は、0.001〜0.05秒、好ましくは0.002〜0.01秒である。0.001秒より短いと十分な油剤付与量を得ることが難しく、0.05秒より長いと、付着量が過大となり、液体の飛散が大きくなる。
繊維トウが通過する部位は、平面部からなり、該平面部に開孔部(液体吐出孔)を有する液体付与装置を用い、該開孔領域に、該繊維トウを、接触しないように走行させながら、該開孔部から液体を吐出させ、該繊維トウに付与する。
上記液体付与装置の開孔領域、開孔部は、上向きであっても下向きであってもよい。上向き(図6−ff)、下向き(図6−gg)のどちらか一方の液体付与装置を設置してもよいし、上向きと下向きの液体付与装置を併用し、繊維トウを平面部で上下から挟むように設置してもよい(図6)。
開孔部と走行する繊維トウの距離(h)は、好ましくは5〜200mm、より好ましくは10〜100mmの範囲である。開孔部と繊維トウの距離が5mmより近いと作業性が悪くなる。200mmより離れると吐出された液体が繊維トウに付与しにくくなり、液体の付着効率が悪くなる。
また、繊維トウが液体付与装置の開孔領域(図5−aa)を走行する通過時間は、0.001〜0.05秒、好ましくは0.002〜0.01秒である。0.001秒より短いと十分な油剤付与量を得ることが難しく、0.05秒より長いと、付着量が過大となり、液体の飛散が大きくなる。
開孔領域の幅(図5−cc)は、繊維トウの幅(図5−ee)よりも広くする必要がある。開孔領域が繊維トウの幅よりも狭いと繊維トウの幅方向に液体の付着斑が発生しやすくなり好ましくない。
延伸をした場合(図7参照)は物性面において好ましく、主体繊維として有用であり、延伸をしない場合は、未延伸バインダー繊維として有用である。また、本発明の上記主体繊維と上記未延伸バインダーを用いて、湿式不織布を製造することも可能である。
捲縮短繊維の場合は、機能性の成分が繊維に均一に付与されて斑が小さくなり、品質に優れたものである。そして本発明の製造方法では、このような短繊維を効率的に製造することが可能となるのである。
これらの短繊維は、湿式不織布、乾式不織布等に加工することで、各種の生活資材、産業資材に好適に用いることが可能である。
本発明の無捲縮短繊維の製造方法において、紡糸後の未延伸マルチフィラメントの1本、または複数本を収束させた繊維トウを、収缶することなく連続して延伸を施し、その延伸時のローラーの少なくとも1か所の表面温度が120℃以下であり、かつトータル延伸倍率が1.5〜5.5倍で延伸した後、オーバーフィードを施し、そのオーバーフィード時のローラーの少なくとも1か所の表面温度が、140〜240℃で、かつトータルドラフト比が0.88〜0.98でオーバーフィードを施し、連続して、延伸したトウを1〜35mmの長さにカットすることもできる。
延伸プロセスの延伸倍率としては、各ロール対間で1倍より大きく5.5倍未満であることが好ましく、トータルで、1.5〜5.5倍の延伸倍率であることが好ましい。
尚、上記延伸プロセスは、紡糸後の未延伸マルチフィラメントの1本、または複数本を収束してなる繊維トウを、収缶することなく、連続して延伸プロセスに供給することが好ましい。
さらに本発明の無捲縮短繊維の製造方法では、得られた短繊維の水中での絡み合いが防止されている。そして捲縮をするためのクリンパー工程が省略されている点からも連続工程化が容易となった。
本発明の未延伸無捲縮短繊維と延伸無捲縮短繊維を混抄し、熱圧着することで、合成繊維による湿式不織布(合成繊維紙)を得ることができる。
本発明の湿式不織布の構成は、主体繊維として延伸無捲縮短繊維とし、バインダー繊維として未延伸無捲縮短繊維を適用する。上記主体繊維とバインダー繊維の比率(質量%)は、30/70〜80/20である。これらの各繊維比率から外れると不織布としての物性(強度、接着性)が低下することとなる。
なお、試験片を得るためには、バッチ式小型抄紙機で十分であり、熊谷理機工業(株)製等の角形シートマシンに水分散液を充填し、混合、撹拌、脱水して湿潤ウェブを得、熱ローラーや熱板、あるいは熱風乾燥器でウェブを加熱乾燥し、後は前述と同様の熱圧加工を行えばよい。
ポリマーを一定量計量し、35℃のo−クロロフェノールに0.012g/mlの濃度に溶解してから、常法に従って求めた。
高速カッターの刃数を変更して50mmにカットした無捲縮短繊維をサンプリングし、JIS L 1015:2005 8.5.1 A法に記載の方法により測定した。
総繊度は、以下の計算式から算出した。
総繊度(dtex)={1錘当たり吐出量(g/分)×紡糸錘数(錘)×10000}/{紡糸速度(m/分)×総延伸倍率(倍)}
市販の偏光顕微鏡によって、光源にナトリウムランプを用い、試料をα−ブロムナフタリンに浸漬した状態下でBerekコンペンセータ法からレターデーションを求めて計算した。
水分を含んだ約100gの紡糸直後の未延伸糸、工程途中で採取した糸、または、カット綿を120℃の熱風循環式の乾燥機中で絶乾になるまで乾燥する。乾燥前の試料の質量W0 と乾燥後の試料の質量W1から、次式によって求めた。
水分率(%)=[(W0 −W1 )/W1 ]×100
油剤水系エマルジョン濃度に上記(5)の水分率を乗じた計算値として質量%として示した。
付着率=油剤エマルジョン濃度(%)×水分率(%)/100
1000mLのメスシリンダーに500mLの水道水を入れ、この中に正味0.1gの短繊維を投入する。繊維がメスシリンダーの底に達したならば、メスシリンダーの開口部に蓋をし、上下を両手で持ち、メスシリンダーを1回反転させて繊維を分散させ、次の基準で水中分散性の良否を判定する。
○: 未分散の繊維束がなく、単繊維1本1本が水中にきれいに広がっている状態
△: 未分散の繊維束は殆どない。単繊維同士の絡みが若干認められるが許容範囲
×: 未分散の繊維束が数本以上あり、単繊維同士の絡みも多い状態。
短繊維150gを黒色ビロード板上に置き、少量の綿を取り、ピンセットで広げながら、設定繊維長より長い(場合によっては短い;±2mm以上)繊維を1本ずつ、または集団(束)でサンプリングし、繊維の長さを測定した。
高速カッターの刃数を変更して50mmにカットした無捲縮短繊維をサンプリングし、TEXTECHNO社製のFAVIMAT+機を用いて単繊維の未延伸糸の荷伸曲線(Stress Strain Curve)を測定し、ネック延伸に入るまでの極大強力を降伏応力(単位はcN/dtex)とした。
未延伸繊維を用いた紙の強力は、JIS P8113に従って引っ張り強さとして測定し、その裂断長を求めた。
TAインスツルメント・ジャパン(株)社製のサーマル・アナリスト2200を使用し、昇温速度20℃/分で測定した。
高速カッターの刃数を変更して50mmにカットした無捲縮短繊維をサンプリングし、JIS L 1015:2005 8.7.1法に記載の方法により測定した。
高速カッターの刃数を変更して50mmにカットした無捲縮短繊維をサンプリングし、TEXTECHNO社製のFAVIMAT+機を用いて単繊維の未延伸糸の荷伸曲線(Stress Strain Curve)を測定し、10%伸長時の強力を読み取り、10%伸長時応力(単位はcN/dtex)とした。
高速カッターの刃数を変更して50mmにカットした無捲縮短繊維をサンプリングし、180℃の静置式乾燥機において無緊張下で20分間放置した際の、熱処理前後の繊維長の変化率を乾熱収縮率とした。すなわち、(L1−L0)/L0×100%として求められる(L0:熱処理前の繊維長、L1:熱処理後の繊維長)。
固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレート(PET)チップを乾燥して300℃で溶融し、孔数が3000の紡糸口金を通して、492g/分で吐出し、1230m/分の速度で引取り、単繊維の繊度が1.3dtex、Δn0.0150の未延伸マルチフィラメント(サブトウ)とした。なお紡糸口金吐出直後に、オイリングローラーで、親水性油剤を付与した。使用した親水性油剤は、テレフタル酸80モル%、イソフタル酸20モル%の酸成分、平均分子量3000のポリエチレングリコール70質量%(共重合質量基準)とエチレングリコールの成分からなる平均分子量約12000のポリエーテル・ポリエステル共重合体の水性分散液をエマルジョンとして、21質量%濃度に調整したものであった(以下、「ポリエーテル・ポリエステル共重合体水溶液」ともいう)。
なおここで使用した高速カッターは、カッター刃の切断側が上方に向くように、そして各カッター刃は放射状に配列したものであった。そして、カッター刃の切断側のさらに上方に配置される回転するローターに、未延伸マルチフィラメントから構成される繊維トウを巻きつけ、さらに上方に設置した傾斜リングにより、徐々に押し切りし、繊維トウを切断して短繊維化するものであった。またカッター刃の切断面から背面(カット繊維排出側)まで刃間距離は一定であり、カット中でも、繊維の排出抵抗の上昇はなく、刃折れも発生しなかった。
得られた未延伸短繊維は、無捲縮の延伸短繊維との混抄紙とした。すなわち、まず熊谷理機工業株式会社製の角型シートマシンを使って、本発明の上記の未延伸短繊維40%を、繊度が1.7dtex、繊維長が5mmの延伸熱処理された無捲縮の延伸短繊維60%と、水中で良く攪拌混合して分散させ、大きさが約25cm×約25cmで目付けが約50g/m2のシートとした。さらにそのシートを濾紙の間に挟んで、熊谷理機工業株式会社製のKRK高温用回転乾燥機を使って、ドラムの表面温度を140℃とし、ドラムへの接触時間は2分にして、乾燥及び接着熱処理を行った。この熱処理されたシートをJIS P8113に従って紙強力(裂断長)を測定し、本発明の未延伸短繊維が含有する混抄紙とした。
実施例1と同様に、固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレート(PET)チップを乾燥して300℃で溶融し、孔数が3000の紡糸口金を通して、492g/分で吐出し、1230m/分の速度で引取り、単繊維の繊度が1.3dtex、Δn0.0160の未延伸マルチフィラメント(サブトウ)を得た。但しその後一旦収缶するために、紡糸油剤としては、ラウリルホスフェートカリウム塩90質量%、末端アルキル封鎖ポリエチレングルコール10質量%の混合水性エマルジョンを21質量%に調整したものを、オイリングローラーで付与した。ちなみに実施例1で用いた紡糸油剤を使用した場合には、次の収缶工程での収束性が低すぎ、単糸またはサブトウ単位での収束不良が発生し、最終的な無捲縮短繊維とした時にも過長繊維を多く含むものであった。
工程条件及び得られた未延伸短繊維等の物性を表1に併せて示した。
実施例1の1230m/分の紡糸速度を表1記載の速度に変更し、その後の工程速度もそれに対応して表1記載の速度に変更した以外は、実施例1と同様にして未延伸短繊維及び混抄紙を得た。但し紡糸速度を300m/分とした比較例2は、抄紙時の乾燥工程にて乾燥機に粘着し、混抄紙を得ることができなかった。工程条件及び得られた未延伸短繊維等の物性を表1に併せて示した。
実施例1の工程速度を低下させ、カッター前トウ張力を下げて実施例3とした。工程条件及び得られた未延伸短繊維等の物性を表1に併せて示した。
なお、さらに工程速度を低下させカッター前トウ張力を下げたところ、15〜30mmの過長繊維が多量に発生し、その未延伸短繊維を紙に抄紙すると、明らかな欠点となった。さらに工程速度を上げてカッター前トウ張力を強くし、未延伸糸の降伏応力以上の張力とした場合には、ネック延伸が発生し、複屈折率のバラツキが大きな繊維となった。さらにその未延伸短繊維を紙に抄紙すると、紙強力の低い紙しか得られなかった。
実施例1と同様に、固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレート(PET)チップを用い、但し孔数を実施例1の3000から1305に変更した紡糸口金を用い、さらに得られる短繊維の繊度を実施例1に合わせるために、条件を変更して429g/分で吐出し、2530m/分の速度で引取った。得られた単繊維の繊度は1.3dtexであって、Δn0.036の未延伸マルチフィラメント(サブトウ)を得た。なお、紡糸油剤としては実施例1で用いた平均分子量約12000のポリエーテル・ポリエステル共重合体水性分散液を用い、21質量%の付与を行った。
そして得られた未延伸マルチフィラメント(サブトウ)を巻き取ることなく、12錘分束ねて2.0万dtexの繊維トウとした。引き続き、実施例1で用いた高速カッターを用いて、5mmの未延伸短繊維に切断した。カット後の未延伸短繊維の水分率は15質量%であった。
得られた未延伸短繊維は、実施例1と同様にして無捲縮延伸短繊維との混抄紙とした。工程条件及び得られた未延伸短繊維等の物性を表1に合わせて示した。
実施例1のポリエチレンテレフタレートに代えて、ポリエチレンナフタレート(PEN)を用いた。すなわち固有粘度0.51のポリエチレンナフタレートチップを乾燥して310℃で溶融し、孔数が1305の紡糸口金を通して、310g/分で吐出し、1000m/分の速度で引取り、単繊維の繊度が1.1dtex、Δn0.06の未延伸マルチフィラメント(サブトウ)を得た。なお、紡糸油剤としては実施例1で用いた平均分子量約12000のポリエーテル・ポリエステル共重合体水性分散液を用い、21質量%の付与を行った。
そして得られた未延伸マルチフィラメント(サブトウ)を巻き取ることなく、12錘分束ねて3.7万dtexの繊維トウとした。引き続き、実施例1で用いた高速カッターを用いて、5mmの未延伸短繊維に切断した。カット後の未延伸短繊維の水分率は15質量%であった。得られた未延伸短繊維は、実施例1と同様にして無捲縮延伸短繊維との混抄紙とした。但し、回転乾燥機のドラム表面温度は160℃とした。工程条件及び得られた未延伸短繊維等の物性を表1に合わせて示した。
固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレート(PET)チップ用意した。
別途、テレフタル酸80モル%、イソフタル酸20モル%の酸成分、平均分子量3000のポリエチレングリコール70質量%(共重合質量基準)とエチレングリコールの成分からなる平均分子量約12000のポリエーテル・ポリエステル共重合体の水性分散液(エマルジョン濃度1質量%)をエマルジョン油剤(紡糸油剤)として用意した。
湿式不織布の評価用として、実施例6で得られた無捲縮の延伸短繊維と実施例1、および比較例2で得た未延伸短繊維との混抄紙を作製した。
すなわち、まず熊谷理機工業株式会社製の角型シートマシンを使って、上記無捲縮の延伸短繊維60質量%と、実施例1、もしくは比較例2で得た無捲縮の未延伸短繊維40質量%とを、水中で良く攪拌混合して分散させ、大きさが約25cm×約25cmで目付けが約50g/m2 のシートとした。さらにそのシートを濾紙の間に挟んで、熊谷理機工業株式会社製のKRK高温用回転乾燥機を使って、ドラムの表面温度を140℃とし、ドラムへの接触時間は2分にして、乾燥及び接着熱処理を行った。この熱処理されたシートをJIS P8113に従って引っ張り強さを測定し、本発明の短繊維が含有する混抄紙とした。
比較例2で得た未延伸短繊維との混抄紙は抄紙時の乾燥工程にて乾燥機に粘着し、混抄紙を得ることができなかった。
実施例1との混沙紙は、湿式不織布として十分の接着性を得ることができた。
実施例6と同じ、固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレート(PET)チップ用と、平均分子量約12000のポリエーテル・ポリエステル共重合体の水性分散液(エマルジョン濃度1質量%)をエマルジョン油剤(紡糸油剤)として用意した。
エマルジョン(紡糸)油剤として、ラウリルホスフェートカリウム塩90質量%、末端アルキル封鎖ポリエチレングルコール10質量%の混合水性エマルジョン(エマルジョン濃度1質量%)を用意した。
比較例1同様に、エマルジョン(紡糸)油剤として、ラウリルホスフェートカリウム塩90質量%、末端アルキル封鎖ポリエチレングルコール10質量%の混合水性エマルジョン(エマルジョン濃度1質量%)を用意した。
固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレート(PET)チップを、170℃、4時間乾燥した後、287℃で溶融し、孔径0.28mm、孔数が1701の紡糸口金を通して、700g/分で吐出し、ネルソン型ローラー対1で634m/分の速度で引取り、未延伸マルチフィラメント(サブトウ)を得た。このサブトウ4錘分を収束させて44,164dtexとし、収缶することなく連続して、このサブトウを50℃、周速641m/分のネルソン型ローラー対2に6ターン巻き付けて予熱した後、表面温度88℃、周速1,923m/分のネルソン型ローラー対3に6ターンさせて第1段目の延伸をした。次に、表面温度120℃、周速2,500m/分のネルソン型ローラー対4に6ターンさせて第2段目の延伸をした後、表面温度220℃、周速2,500m/分のネルソン型ローラー対5に6ターンさせて熱処理を行って、次いで、表面温度80℃、周速度2,500m/分のネルソン型ローラー対6に6ターンさせ、総繊度11,200dtexの延伸繊維トウを得た(総延伸倍率3.94倍)。
高速カット速度にもかかわらず、水中分散性は良好であった。条件及び得られた短繊維の評価結果を表3に示した。
実施例1で得た未延伸短繊維との混抄紙の紙強力は0.48kmであった。
比較例2で得た未延伸短繊維との混抄紙は抄紙時の乾燥工程にて乾燥機に粘着し、混抄紙を得ることができなかった。
実施例1との混沙紙は、湿式不織布として十分の接着性を得ることができた。
液体付与装置の抱き角を150度(接触長160mm、接触時間0.004秒)とする以外は、実施例8と同等とし、短繊維を得た。水中分散性は良好であった。条件及び得られた短繊維の評価結果を表3に示した。
液体付与装置の液体吐出面積を126cm2(100mm幅×126mm長)から290cm2(100mm幅×290mm長)に変更した以外は、実施例9と同等とし、短繊維を得た。この時の液体吐出流速は0.6m/分と減少した。条件及び得られた短繊維の評価結果を表3に示した。短繊維水分率、油剤付着率ともに低めではあるが、水中分散性は良好であった。
繊維トウの抱き角を10°、接触時間0.0003秒、接触長を11mmとする以外は、実施例8と同等とし、繊維を得た。短繊維水分率、油剤付着率(以降、短繊維水分率および/または油剤付着率のことを液体付与率と呼ぶことがある)が低く、水中分散性が不充分であった。工程条件及び得られた短繊維の評価結果を表3に示した。
繊維トウの抱き角を40°、接触時間0.001秒、接触長を43mmとする以外は、実施例8と同等とし、短繊維を得た。本発明の抱き角が低い領域ではあるが、水中分散性は良好であった。条件及び得られた短繊維の評価結果を表3に示した。
繊維トウの抱き角を180°、接触時間0.005秒、接触長を192mmとする以外は、実施例8と同等とし、繊維を得た。工程条件及び得られた短繊維の評価結果を表3に示した。液体付与装置で発生したと推定される単糸切れにより単繊維同士の絡み(欠点)が多数確認された。
液体付与装置の液体吐出面積を126cm2(100mm幅×126mm長)から290cm2(100mm幅×290mm長)に変更し、かつ、液体付与装置から液体吐出量を1.5kg/分(液体吐出流速0.2m/秒)とした以外は、実施例8と同等とし、短繊維を得た。液体吐出流速が低い領域ではあるが、水中分散性は許容の範囲であった。条件及び得られた短繊維の評価結果を表3に示した。
液体吐出量を0.6kg/分(液体吐出流速0.07m/秒)とした以外は、実施例12と同等とした。液体付与率が低く、水中分散性が不充分であった。条件及び得られた短繊維の評価結果を表3に示した。
固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレート(PET)チップを、170℃、4時間乾燥した後、287℃で溶融し、孔径0.28mm、孔数が1701の紡糸口金を通して、700g/分で吐出し、ネルソン型ローラー対1で1350m/分の速度で未延伸糸を引き取る以降、このサブトウ4錘分を収束させ、収缶することなく連続して、このサブトウを50℃、周速1362m/分のネルソン型ローラー対2に6ターン巻き付けて予熱した後、表面温度88℃、周速3,037m/分のネルソン型ローラー対3に6ターンさせて第1段目の延伸をした。次に、表面温度120℃、周速3,500m/分のネルソン型ローラー対4に6ターンさせて第2段目の延伸をした後、表面温度220℃、周速3,500m/分のネルソン型ローラー対5に6ターンさせて巻き付けて熱処理を行って、次いで、表面温度80℃、周速度3,500m/分のネルソン型ローラー対6に6ターンさせ、総延伸倍率2.57倍で延伸、及び、熱処理を実施し、総繊度8,000dtexの延伸繊維トウを得た。
ネルソン型ローラー対1〜対6を、ローラー表面温度が常温(20〜40℃)の状態で各ローラー間をそれぞれ1.01倍として、総延伸倍率を1.05倍とし、カッター前速度を660m/分に変更した以外は、実施例11と同様の条件とした。短繊維水分率、油剤付着率ともに高めであるが、水中分散性は良好であった。工程条件及び得られた短繊維の評価結果を表4に示した。
実施例8と同じ繊維トウ、エマルジョン油剤を用い、直径145mmのゴムローラーからなるオイリングローラーを用いて、オイリングを行った。繊維トウのオイリングローラーへの接触角度を水平面から30°とし、抱き角は100°とした。ローラーの回転方向は、繊維トウの走行方向と同じ(順方向)とし、ローラー回転数を39回転/分に設定した。カット速度が高速のため、液体付与率が低く、水中分散性が不充分であった。工程条件及び得られた短繊維の評価結果を表4に示した。
図2、4に示す、下向きの半円弧形の曲率半径(図4−f)が61mmからなる湾曲部aにおいて、幅100mm(図2−d)、長さ126mm(液体吐出面積126cm2)、開孔率0.5%の複数の開孔(図2−b)を有する開孔領域(図2−c)(ステンレス線材巻き)からなる液体付与装置(以降、下向き円弧形液体付与装置と呼ぶことがある。)に変更した以外は、実施例8と同等とし、短繊維を得た。実施例8と同様に水中分散性は良好であった。但し、液体付与率は、実施例8に比べ高めであった。条件及び得られた短繊維の評価結果を表4に示した。
液体付与装置を下向き円弧形液体付与装置に変更した以外は、実施例11と同等とし、短繊維を得た。実施例11と同様に水中分散性は良好であった。但し、液体付与率は、実施例11に比べ高めであった。条件及び得られた短繊維の評価結果を表4に示した。
液体付与装置を下向き円弧形液体付与装置に変更した以外は、実施例14と同等とし、短繊維を得た。実施例14と同様に水中分散性は良好であった。但し、液体付与率は、実施例14に比べ高めであった。条件及び得られた短繊維の評価結果を表4に示した。
液体付与装置を下向き円弧形液体付与装置に変更し、液体吐出量を5.0kg/分から11.0kg/分(液体吐出流速は0.6m/秒から1.3m/秒に上がる)とした以外は、実施例10と同等とし、短繊維を得た。実施例10と比べ水中分散性は良好であった。そして、液体付与率は、実施例10に比べ高めであった。条件及び得られた短繊維の評価結果を表4に示した。
液体付与装置を下向き円弧形液体付与装置に変更した以外は、比較例5と同等とし、短繊維を得た。比較例5と同様に、液体付与率が低く、水中分散性が不充分であった。条件及び得られた短繊維の評価結果を表4に示した。
液体付与装置を下向き円弧形液体付与装置に変更した以外は、比較例6と同等とし、短繊維を得た。比較例6と同様に、液体付与装置で発生したと推定される単糸切れにより単繊維同士の絡み(欠点)が多数確認された。条件及び得られた短繊維の評価結果を表4に示した。
固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレート(PET)チップを、170℃、4時間乾燥した後、287℃で溶融し、孔径0.28mm、孔数が1701の紡糸口金を通して、700g/分で吐出し、ネルソン型ローラー対1で634m/分の速度で引取り、未延伸マルチフィラメント(サブトウ)を得た。このサブトウ4錘分を収束させて44,164dtexとし、収缶することなく連続して、このサブトウを50℃、周速641m/分のネルソン型ローラー対2に6ターン巻き付けて予熱した後、表面温度88℃、周速1,923m/分のネルソン型ローラー対3に6ターンさせて第1段目の延伸をした。次に、表面温度120℃、周速2,500m/分のネルソン型ローラー対4に6ターンさせて第2段目の延伸をした後、表面温度220℃、周速2,500m/分のネルソン型ローラー対5に6ターンさせて熱処理を行って、次いで、表面温度80℃、周速度2,500m/分のネルソン型ローラー対6に6ターンさせ、総繊度11,200dtexの延伸繊維トウを得た(総延伸倍率3.94倍)。
高速カット速度にもかかわらず、水中分散性は良好であった。条件及び得られた短繊維の評価結果を表5に示した。
実施例1で得た未延伸短繊維との混抄紙の紙強力は0.48kmであった。
比較例2で得た未延伸短繊維との混抄紙は抄紙時の乾燥工程にて乾燥機に粘着し、混抄紙を得ることができなかった。
実施例1との混沙紙は、湿式不織布として十分の接着性を得ることができた。
液体吐出量を4.0kg/分(液体吐出流速0.3m/秒)とした以外は、実施例19と同等とし、短繊維を得た。液体吐出流速が低い領域ではあるが、水中分散性は許容の範囲であった。条件及び得られた無捲縮短繊維の評価結果を表5に示した。
走行方向開孔領域長さを50mmとし(液体吐出面積50cm2、通過時間が0.001秒)、液体吐出量を1.8kg/分(液体吐出流速0.6m/秒)とした以外は、実施例19と同等とし、短繊維を得た。水中分散性は良好であった。条件及び得られた無捲縮短繊維の評価結果を表5に示した。
走行方向開孔領域長さを10mmとし(液体吐出面積10cm2、通過時間が0.0002秒)、液体吐出量を0.8kg/分(液体吐出流速1.3m/秒)とした以外は、実施例19と同等とし、短繊維を得た。短繊維水分率、油剤付着率ともに低めであり、水中分散性は不良であった。条件及び得られた無捲縮短繊維の評価結果を表5に示した。
液体吐出量を0.8kg/分(液体吐出流速0.1m/秒)とした以外は、実施例19と同等とし、短繊維を得た。短繊維水分率、油剤付着率ともに低めであり、水中分散性は不良であった。条件及び得られた無捲縮短繊維の評価結果を表5に示した。
固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレート(PET)チップを、170℃、4時間乾燥した後、287℃で溶融し、孔径0.28mm、孔数が1701の紡糸口金を通して、700g/分で吐出し、ネルソン型ローラー対1で1350m/分の速度で未延伸糸を引き取る以降、このサブトウ4錘分を収束させ、収缶することなく連続して、このサブトウを50℃、周速1362m/分のネルソン型ローラー対2に6ターン巻き付けて予熱した後、表面温度88℃、周速3,037m/分のネルソン型ローラー対3に6ターンさせて第1段目の延伸をした。次に、表面温度120℃、周速3,500m/分のネルソン型ローラー対4に6ターンさせて第2段目の延伸をした後、表面温度220℃、周速3,500m/分のネルソン型ローラー対5に6ターンさせて巻き付けて熱処理を行って、次いで、表面温度80℃、周速度3,500m/分のネルソン型ローラー対6に6ターンさせ、総延伸倍率2.57倍で延伸、及び、熱処理を実施し、総繊度40,400dtexの延伸繊維トウを得た。
ネルソン型ローラー対1〜対6を、ローラー表面温度が常温(15〜40℃)の状態で各ローラー間をそれぞれ1.01倍として、総延伸倍率を1.05倍とし、カッター前速度を660m/分に変更した以外は、実施例19と同様の条件とした。開孔部の通過秒数は0.018秒、水中分散性は良好であった。工程条件及び得られた短繊維の評価結果を表5に示した。
図5に示す液体付与装置において、図6におけるff部を除いてgg部のみの片面から液体を付与し、液体吐出量を8.0kg/分(液体吐出流速0.7m/秒)とした以外は、実施例19と同等とし、短繊維を得た。水中分散性は良好であった。条件及び得られた無捲縮短繊維の評価結果を表5に示した。
実施例19と同じ繊維トウ、エマルジョン油剤を用い、直径145mmのゴムローラーからなるオイリングローラーを用いて、オイリングを行った。繊維トウのオイリングローラーへの接触角度を水平面から30°とし、抱き角は100°とした。ローラーの回転方向は、繊維トウの走行方向と同じ(順方向)とし、ローラー回転数を39回転/分に設定した。カット速度が高速のため、液体付与率が低く、水中分散性が不充分であった。工程条件及び得られた無捲縮短繊維の評価結果を表5に示した。
固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレート(PET)チップを、170℃、4時間乾燥した後、300℃で溶融し、孔数が1305の紡糸口金を通して、450g/分で吐出し、この口金吐出直後の未延伸マルチフィラメントに対し、エマルジョン油剤をオイリングローラーで、未延伸糸水分率21%となるように付与した後、ネルソン型ローラー対1で、635m/分の速度で引取り、未延伸マルチフィラメント(サブトウ)を得た。
得られた無捲縮短繊維は、結束状の欠点は観察されず、水分散性に優れ、抄紙用に特に適したものであった。工程条件及び得られた無捲縮短繊維の評価結果を表6に示した。
実施例1で得た未延伸短繊維との混抄紙の紙強力は0.44kmであった。
比較例2で得た未延伸短繊維との混抄紙は抄紙時の乾燥工程にて乾燥機に粘着し、混抄紙を得ることができなかった。
実施例1との混沙紙は、湿式不織布として十分の接着性を得ることができた。
固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレート(PET)チップを170℃、4時間乾燥した後、300℃で溶融し、孔数が1305の紡糸口金を通して、450g/分で吐出し、この口金吐出直後の未延伸マルチフィラメントに対し、エマルジョン油剤をオイリングローラーで未延伸糸水分率21%となるように付与した後、ネルソン型ローラー対1で635m/分の速度で引取り、未延伸マルチフィラメント(サブトウ)を得た。
得られた無捲縮短繊維は、結束状の欠点が多数認められ、熱収縮率も高く、抄紙用に適したものとは言えなかった。工程条件及び得られた無捲縮短繊維の評価結果を表6に示した。
b.開孔部
c.開孔領域
d.幅
e.抱き角調整部
f. 円弧形の曲率半径
g. 湾曲部の頂点
α.抱き角
aa.開孔部、開孔領域(網掛け部)
bb.繊維トウ走行方向の開孔領域長さ
cc.開孔領域幅
dd.繊維トウ
ee.繊維トウ幅
ff.図5と同じ向きの平面部(開孔部が上向き、重力と反対方向)
gg.図5を垂直に180°反転させた向きの平面部(開孔部が下向き、重力方向)
hh.平面部と繊維トウの距離
A.紡糸工程
B.収束
C.延伸、オーバーフィード等の工程
D.液体付与工程
E.カット工程
Claims (11)
- 紡糸速度600m/分以上で紡糸し、該紡糸速度以上の速度で繊維トウを35mm以下の長さにカットする無捲縮短繊維の製造方法において、下記要件(I)〜(III):
(I)紡糸直後の未延伸マルチフィラメントをそのまま、または複数本を束ねて繊維トウとすること;
(II)該束ねた繊維トウを収缶することなく連続してカットすること;及び
(III)紡糸直後の未延伸マルチフィラメントから繊維トウのカット前までに1か所以上の親水性油剤を付与する工程を有すること
を具備することを特徴とする無捲縮短繊維の製造方法。 - 前記カットの速度が600〜4,000m/分の範囲にある、請求項1に記載の製造方法。
- 前記カットが、複数のカッター刃を有し、各カッター刃の間隔がカッター刃の切断面から背面まで同一である短繊維用カッターによってカットする方法である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記繊維トウが1,000dtex以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記親水性油剤がポリアルキレングリコール誘導体を含む油剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記親水性油剤を付与する工程が、断面視で円弧形をなす湾曲部を含む液体付与装置を用い、前記繊維トウを、該湾曲部に接触させた状態で走行させながら該湾曲部から液状油剤を吐出させて該繊維トウに付与する工程を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記親水性油剤を付与する工程が、平面部を含み該平面部の一部に開孔領域を設け、該開孔領域に開孔部(液体吐出孔)を有する液体付与装置を用い、前記繊維トウを、該開孔領域の上方及び/又は下方を、該平面部に接触しないように走行させながら該開孔部から液体を吐出させて該繊維トウに付与する工程を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記無捲縮短繊維が未延伸である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記短繊維の複屈折率が0.001〜0.100の範囲にある、請求項8に記載の製造方法。
- 前記カット前までの各工程における繊維トウの張力が降伏張力未満である、請求項8または9に記載の製造方法。
- 請求項8〜10のいずれか1項に記載の製造方法で得られた未延伸の無捲縮短繊維と、延伸された短繊維を主たる原材料として混合した水分散液を、湿式不織布製造装置によって抄紙し、熱圧加工して得られる不織布。
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