JP2009057648A - 芯鞘型複合長繊維およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一染色性に優れた芯鞘型複合長繊維およびその製造方法を提供するものである。さらに詳しくは、ポリ乳酸を構成成分としながらも、優れた力学特性、ソフト性および均一染色性を有する芯鞘型複合長繊維、および該複合長繊維の製造に際して、糸切れが少なく工程的に安定した製糸性が得られる芯鞘型複合長繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】芯部を形成するポリエステル成分Aがポリ乳酸であり、鞘部を形成するポリエステル成分Bがポリトリメチレンテレフタレートである芯鞘型複合繊維であって、以下の(A)〜(C)の要件を満足することを特徴とする芯鞘型複合長繊維。
(A)ポリエステル成分A:ポリエステル成分Bの複合重量比が20:80〜80:20
(B)芯鞘型複合長繊維の長手方向繊度変動率が1%以下
(C)芯鞘型複合長繊維の長手方向湿熱収縮変動率が5%以下
【選択図】図1
【解決手段】芯部を形成するポリエステル成分Aがポリ乳酸であり、鞘部を形成するポリエステル成分Bがポリトリメチレンテレフタレートである芯鞘型複合繊維であって、以下の(A)〜(C)の要件を満足することを特徴とする芯鞘型複合長繊維。
(A)ポリエステル成分A:ポリエステル成分Bの複合重量比が20:80〜80:20
(B)芯鞘型複合長繊維の長手方向繊度変動率が1%以下
(C)芯鞘型複合長繊維の長手方向湿熱収縮変動率が5%以下
【選択図】図1
Description
本発明は、均一染色性に優れた芯鞘複合長繊維およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、ポリ乳酸を構成成分としながらも、優れた力学特性、ソフト性および均一染色性を有する芯鞘型複合長繊維、および該複合繊維の製造に際して、糸切れが少なく工程的に安定した製糸性が得られる芯鞘型複合長繊維の製造方法に関する。
最近、地球的規模での環境に対する意識向上に伴い、自然環境の中で分解する繊維素材の開発が切望されている。例えば、従来の汎用プラスチックは石油資源を主原料としていることから、石油資源が将来枯渇する懸念があること、また石油資源の大量消費により生じる地球温暖化が大きな問題として採り上げられている。
このため近年では脂肪族ポリエステル等、様々なプラスチックや繊維の研究・開発が活発化している。その中でも微生物により分解されるプラスチック、すなわち生分解性プラスチックを用いた繊維に注目が集まっている。
また、二酸化炭素を大気中から取り込み成長する植物資源を原料とすることで、二酸化炭素の循環により地球温暖化を抑制できることが期待できるとともに、資源枯渇の問題も解決できる可能性がある。そのため、植物資源を出発とするプラスチック、すなわちバイオマス利用のプラスチックに注目が集まっている。
これまで、バイオマス利用の生分解性プラスチックは、力学特性や耐熱性が低いとともに、製造コストが高いといった課題があり、汎用プラスチックとして使われることはなかった。一方、近年では力学特性や耐熱性が比較的高く、製造コストの低い生分解性のプラスチックとして、でんぷんの発酵で得られる乳酸を原料としたポリ乳酸(以下、PLAと称することがある)が脚光を浴びている。
PLAは、例えば手術用縫合糸として医療分野で古くから用いられてきたが、最近は量産技術の向上により価格面においても他の汎用プラスチックと競争できるまでになった。そのため、繊維としての商品開発も活発化してきている。
しかしながら、汎用の衣料用繊維としてPLAを用いた場合、ポリエステルやナイロン繊維と比較すると、いくつかの欠点を有している。このうち大きなものとして、耐熱性や耐湿熱分解性、耐摩耗性が低いことが指摘されている。これらの欠点を補うため、例えばPLAにナイロンやポリエステルなどの耐熱・耐摩耗性に優れたプラスチックをブレンドすることが考えられる。しかし、これらブレンド品は、均一にブレンドすることができないために、溶融紡糸では安定して繊維化することが困難であった。
そこでPLAを構成成分としながらも、強度、耐湿熱分解性、耐摩耗性に優れ、様々な用途に使用することが可能な繊維を提供する手段として、汎用プラスチックとの複合紡糸がいくつか提案されている。
ここで、PLAとポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTと称することがある)を構成成分とする複合繊維について言及する。PLAやPTTは、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称することがある)に比べてガラス転移温度が低いポリマーであり、PETよりも低い温度から熱結晶化が始まる。このため、PLAの相手成分にPETを用いた複合繊維では、延伸前の糸条予熱工程において各成分の適正温度に差が生じる。このため、PETに適した温度で予熱すると、PLAの成分の熱結晶化が過度に進行し、それに伴う複合繊維の伸長が起こるため走行状態が不安定となり、繊維長手の品質ばらつきが増大したり、糸揺れによる糸切れが増加する。逆に、PLAに適した温度で予熱すると、PET成分の予熱が不足するために、延伸不良による繊度斑や延伸張力過多による糸切れが増え、均一染色性に優れた繊維を得ることはできない。したがってこれまでに、ガラス転移温度の近いPLAとPTTを構成成分とする複合繊維がいくつか提案されている。
例えば、芯部を形成するポリマーがPLAであり、鞘部を形成するポリマーがPTTである芯部と鞘部を有する複合繊維が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この提案は、芯部のPLAは後溶出を目的として複合されており、PLA強度保持とは目的が異なる。また長手方向の品質の均一性を意識しておらず、染色斑、布帛品位に課題が残るものであった。
また、繊維横断面形状が芯鞘形状を呈しており、鞘部が芳香族ポリエステル、芯部がPLAで構成されているポリエステル複合繊維が提案されているが(例えば、特許文献2参照)、この提案は実質的に短繊維であって、長繊維の製法における品質均一性、製糸性の課題を克服できるものではなかった。
また、芯部を形成する熱可塑性樹脂がPLA、鞘部を形成する熱可塑性樹脂がPTTの芯鞘複合繊維で構成されるマルチフィラメントが提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この提案は、製造方法が2工程法であり、未延伸糸の巻取後にPTTポリマーの分子構造の再配列に伴う収縮(以下、遅延収縮と称する)が大きくなり、経時的にパッケージの内層/外層およびトラバースの中央/端面とで遅延収縮率に差が生じて原糸の品質バラツキを生じ易い。このため、延伸して製品として出荷後、高次加工を経て布帛とした際、染色斑、布帛品位の低下を引き起こし、本発明が目的とする均一な染色性を得ることは困難であった。
したがって、布帛とした際に染色斑がなく良好な表面品位を有することができる、長手方向の品質が均一な、PLAとPTTを構成成分とする芯鞘型複合長繊維、およびその安定した製造方法が強く求められていた。
特開2006−97178号公報(特許請求の範囲)
特開2004−353161号公報(特許請求の範囲)
特開2005−232627号公報(特許請求の範囲)
本発明は、上記従来の問題点を解決しようとするものであり、均一染色性に優れた芯鞘型複合長繊維およびその製造方法を提供するものである。さらに詳しくは、ポリ乳酸を構成成分としながらも、優れた力学特性、ソフト性および均一染色性を有する芯鞘型複合長繊維、および該複合長繊維の製造に際して、糸切れが少なく工程的に安定した製糸性が得られる芯鞘型複合長繊維の製造方法を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討の結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は上記の目的を達成するため、以下の構成を採用するものである。
(1)芯部を形成するポリエステル成分Aがポリ乳酸であり、鞘部を形成するポリエステル成分Bがポリトリメチレンテレフタレートである芯鞘型複合長繊維であって、以下の(A)〜(C)の要件を満足することを特徴とする芯鞘型複合長繊維。
(A)ポリエステル成分A:ポリエステル成分Bの複合重量比が20:80〜80:20
(B)芯鞘型複合長繊維の長手方向繊度変動率が1%以下
(C)芯鞘型複合長繊維の長手方向湿熱収縮変動率が5%以下
(2)芯部を形成するポリエステル成分Aがポリ乳酸であり、鞘部を形成するポリエステル成分BがポリトリメチレンテレフタレートであるAおよびBの成分を芯鞘状に複合して口金から溶融押出して冷却固化した後、糸条を一旦巻き取ることなく連続して延伸し巻取る直接紡糸延伸法により芯鞘型複合長繊維を製造するに際して、以下の(D)〜(E)の要件を満足することを特徴とする芯鞘型複合長繊維の製造方法。
(D)延伸〜巻取の間に90℃〜180℃にて熱セットする
(E)芯鞘型複合長繊維の口金からの吐出線速度V0(m/分)、第1ローラの周速度V1(m/分)、ポリエステル成分Aの複合重量比RA、ポリエステル成分Bの複合重量比RB、延伸倍率E(倍)とが、次式を満足する。
(A)ポリエステル成分A:ポリエステル成分Bの複合重量比が20:80〜80:20
(B)芯鞘型複合長繊維の長手方向繊度変動率が1%以下
(C)芯鞘型複合長繊維の長手方向湿熱収縮変動率が5%以下
(2)芯部を形成するポリエステル成分Aがポリ乳酸であり、鞘部を形成するポリエステル成分BがポリトリメチレンテレフタレートであるAおよびBの成分を芯鞘状に複合して口金から溶融押出して冷却固化した後、糸条を一旦巻き取ることなく連続して延伸し巻取る直接紡糸延伸法により芯鞘型複合長繊維を製造するに際して、以下の(D)〜(E)の要件を満足することを特徴とする芯鞘型複合長繊維の製造方法。
(D)延伸〜巻取の間に90℃〜180℃にて熱セットする
(E)芯鞘型複合長繊維の口金からの吐出線速度V0(m/分)、第1ローラの周速度V1(m/分)、ポリエステル成分Aの複合重量比RA、ポリエステル成分Bの複合重量比RB、延伸倍率E(倍)とが、次式を満足する。
200≦(V1/V0)×E≦200+1400×{RB/(RA+RB)}
(3)第1ローラによって引取られる前に交絡を付与するとともに、第1ローラを、繊維進行方向に対して、漸次2〜7%の割合で直径が大きくなるテーパーローラとしたことを特徴とする前記(2)に記載の芯鞘型複合長繊維の製造方法。
(3)第1ローラによって引取られる前に交絡を付与するとともに、第1ローラを、繊維進行方向に対して、漸次2〜7%の割合で直径が大きくなるテーパーローラとしたことを特徴とする前記(2)に記載の芯鞘型複合長繊維の製造方法。
(4)前記(1)に記載の芯鞘型複合長繊維、もしくは前記(2)または(3)に記載の芯鞘型複合長繊維の製造方法によって得られる芯鞘型複合長繊維を用いてなることを特徴する布帛。
本発明により、従来技術では成し得なかった均一染色性に優れた芯鞘型複合長繊維およびその製造方法を提供することができる。さらに詳しくは、ポリ乳酸を構成成分としながらも、優れた力学特性、ソフト性および均一染色性を有する芯鞘複合長繊維および、該複合長繊維の製造に際して、糸切れが少なく工程的に安定した製糸性が得られる芯鞘型複合長繊維の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の芯鞘型複合長繊維について説明する。該複合長繊維は横断面形状が芯鞘形状を呈する芯鞘型複合長繊維であって、芯部を形成するポリエステル成分Aがポリ乳酸(PLA)であり、鞘部を形成するポリエステル成分Bがポリトリメチレンテレフタレート(PTT)であり、繊度やフィラメント数に特に規定はなく、対象となる最終製品や生産性を考慮して設定できる。
複合繊維の芯成分であるポリエステル成分Aは、PLAを主成分とするポリエステルであり、PLAを用いることにより、紡糸温度を低く設定することができ、ポリエステル成分B(PTT)の熱劣化を最小限に抑制することができる。さらには、PLAとPTTは製糸工程における張力、収縮挙動が類似するため、複合紡糸に際して極めて良好な工程安定性が得られる。
ここで、本発明で用いるPLAとしては、90モル%以上が−(O−CHCH3−CO)n−を繰り返し単位とするポリマーであり、乳酸やそのオリゴマーを重合したものをいう。ただし、10モル%以下の範囲で共重合成分や多官能性化合物などを添加してもよい。共重合成分としては、生物学的に生分解され易い脂肪族化合物、例えばエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオールなどのジオールや、コハク酸、ヒドロキシアルキルカルボン酸、ピバロラクトン、カプロラクトンなどの脂肪族ラクトンが好ましい。多官能性化合物としてはグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロメリット酸などを反応させ、ポリマー中に適度な分岐や、弱い架橋を形成したものも利用できる。さらには、繊維の摩擦抵抗を低減し工程通過性を高めるべく、酸化チタンなどの無機粒子を添加しても良い。
乳酸にはD−乳酸とL−乳酸の2種類の光学異性体が存在するため、その重合体もD体のみからなるポリ(D−乳酸)とL体のみからなるポリ(L−乳酸)および両者からなるPLAがある。PLA中のD−乳酸、あるいはL−乳酸の光学純度は、低くなるとともに結晶性が低下し、融点降下が大きくなる。そのため、耐熱性を高めるために光学純度は90%以上であることが好ましい。より好ましい光学純度は93%以上、さらに好ましい光学純度は97%以上である。なお、光学純度は前記したように融点と強い相関が認められ、光学純度90%程度で融点が約150℃、光学純度93%で融点が約160℃、光学純度97%で融点が約170℃となる。また、上記のように2種類の光学異性体が単純に混合している系とは別に、前記2種類の光学異性体をブレンドして繊維に成型した後、140℃以上の高温熱処理を施してラセミ結晶を形成させたステレオコンプレックスにすると、融点を飛躍的に高めることができ、より好ましい。
また、鞘成分であるポリエステル成分Bは、PTTを主成分とするポリマーを用いることが肝要である。PTTは結晶構造においてアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシュ−ゴーシュの構造(分子鎖が90°に屈曲)であること、さらにはベンゼン環同士の相互作用(スタッキング、並列)による拘束点密度が低く、フレキシビリティーが高いことから、メチレン基の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するという特有のストレッチバック性を有しており、非常にソフトな風合いを与えることができる。また、PTTは熱による劣化の進行が非常に早く、PTTよりも低融点であるPLAを芯成分として用いることで、PTTの劣化が抑制され、優れた力学特性が維持できる。本発明で用いるPTTとは、90モル%以上がトリメチレンテレフタレートの繰り返し単位からなるPTTであり、ここでいうPTTとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、10モル%以下の割合で他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含むものであっても良い。共重合可能な化合物として、例えば、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸などのジカルボン酸類、一方、グリコール成分として、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができるが、これらに限られるものではない。また、艶消剤として、二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤として、ヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを必要に応じて添加することができる。
本発明におけるPTTの好ましい固有粘度(IV)は、0.7〜2.0であり、固有粘度が0.7以上とすることで充分な強度と伸度を兼ね備えた繊維を製造することが容易となる。より好ましい固有粘度は0.8以上である。また、固有粘度を2.0以下とすることで、生産安定性が良好となる。より好ましい固有粘度は1.5以下である。
均一染色性に優れた繊維を得る上で、ポリエステル成分A(PLA)とポリエステル成分B(PTT)の複合重量比は20:80〜80:20の範囲であることが重要であり、より好ましい範囲は30:70〜50:50である。ポリエステル成分Aの複合重量比を20%以上とすることにより、相手成分であるポリエステル成分Bとの複合異常を回避でき、繊維の長手方向で均一な繊維径および収縮特性を得ることが可能となる上、ポリエステル成分Aの溶融後の配管通過時間を短縮できることから、熱分解によるポリマー劣化を抑制でき、製糸性の向上が可能となる。ポリエステル成分Aの複合重量比を30%以上とすると、より安定した複合形態が得られるようになり、長手方向の収縮変動が小さく、製糸性に優れた製品が得られる。一方、ポリエステル成分Aの複合重量比が80%を超える範囲となると、相手成分であるポリエステル成分Bの吐出量が低下するため、ポリエステルBに起因した複合異常が発生する。これにより、繊維の長手方向で繊維径および収縮特性のばらつきが増大し、本発明の目的である均一染色性に優れた繊維は得られない。加えて、ポリエステル成分Bの溶融後の配管通過時間が長くなるために、ポリマーの熱分解が進行して糸切れが増加する。
次に、本発明の芯鞘型複合長繊維の形状について説明する。本発明のポリエステル複合繊維は、横断面形状、すなわち、繊維の長さ方向に対して垂直に切断した断面の形状が芯鞘形状を呈する芯鞘型複合繊維であって、PLAが芯部にPTTが鞘部に配されている。PTTが鞘部に配されるということは、繊維の表面全体をPTTが覆うように配置されているということであり、このような芯鞘型の複合形状とすることにより、PTTがPLAの劣る性能である強度や耐湿熱分解性、耐摩耗性をカバーできるので、繊維全体として強度や耐湿熱分解性、耐摩耗性に優れたものとなる。本発明の好ましい断面形状の例を図1に示す。
次に、本発明の芯鞘型複合長繊維の物性について述べる。
本発明の芯鞘型複合長繊維において、均一染色性に優れた製品を得るためには、複合長繊維の長手方向において、繊度変動率を1%以下かつ、湿熱収縮変動率を5%以下とするものである。繊度変動率が1%を超える繊維では繊度斑に起因した染色斑が発生し、布帛とした場合にヨコ斑やタテ筋といった欠点が発生する。また、湿熱収縮変動率が5%を超える繊維では、繊維の長手方向での収縮ばらつきが大きいため、布帛形成後の染色工程において収縮度合いに斑が生じる。このため織編地の組織密度に斑が生じ、組織密度の密/疎に起因した色調の濃淡斑が生じる。よって、繊度変動率、湿熱収縮変動率の両者が前述の要件を満たさないと、染色性の均一な布帛を得ることができない。繊度変動率は糸の太さ斑のない値、湿熱収縮変動率は熱収縮むらのない値、すなわちいずれも0%に近付くほど好ましく、本発明の芯鞘型複合長繊維においては、より好ましい繊度変動率は0.8%以下、湿熱収縮変動率は3%以下である。
本発明の芯鞘型複合長繊維は、破断伸度が20〜50%であることが好ましい。破断伸度を20%以上にすることで延伸切れの発生を抑えることができ、工業的に安定した製造が可能となる。または破断伸度が50%を越えると、破断強度が2.8cN/dtex以下となり、布帛にした際に良好な引き裂き強度を得ることができない。さらに好ましい破断伸度は25〜45%である。
また、本発明の芯鞘型複合長繊維は沸水収縮率(沸収)が2〜20%であることが好ましい。沸水収縮率が2〜20%であれば、織物や編物の布帛にした際に粗硬化することなく、優れた風合いの製品にすることができる。また、精練や染色などでの収縮を抑えることができるため、寸法変化が小さく、設計通りの外観とすることができる。沸水収縮率は3〜15%が好ましく、4〜10%がより好ましい。
また、収縮応力の極大値および収縮応力の極大を示す温度も重要な特性となる場合がある。収縮応力が高いほど精練の工程において急激な収縮が起こり、布帛のカールやシワが発生し、それによる成形時の加工性低下も起こるため好ましくない。また、収縮応力の極大を示す温度が高いほど仕上げ工程での取り扱いが容易となる。したがって、収縮応力の極大を示す温度は110〜200℃が好ましく、より好ましくは120〜200℃、より好ましくは125℃〜200℃である。また、収縮応力の極大値は0.05〜0.30cN/dtexであることが好ましい。収縮応力の極大値が0.30cN/dtexを越えると、巻き取られた複合糸が経時的に収縮して巻き締まりを生じ、解じょ張力に変動をきたし、布帛にシボが発生して品位が低下することがある。また、精練の工程において急激な収縮が起こり、布帛のカールやシワが発生し、それによる成形時の加工性低下が起こる。収縮応力の極大値が0.05cN/dtex未満では製造時に安定した巻取が困難であり、また、布帛にした際に組織による拘束によって十分な収縮性能が出ず、ソフト感の乏しいものとなる。さらに好ましい収縮応力の極大値は0.10〜0.28cN/dtexである。またここでいう収縮応力の極大値および収縮応力の極大を示す温度とは、カネボウエンジニアリング製熱応力測定機KE−2Sを用い、試料長を200mm、初期荷重として3.27×10−2cN/dtex掛け、300℃/120秒の昇温速度で室温から200℃まで昇温した場合に、温度に対する応力の曲線を描いた時の最大応力値およびその時の温度を指す。
次いで、本発明の芯鞘型複合長繊維の好ましい製造方法について説明する。
本発明の複合繊維は、公知のいずれの溶融紡糸方法においても製造可能であるが、繊維長手方向での品質安定性、生産安定性を考慮すると、直接紡糸延伸法(以下、DSD法と称する)による生産が最も優れている。本発明の複合繊維をDSD法により製造するにあたっては、前述の通り、ポリエステル成分A:ポリエステル成分Bの重量複合比を20:80〜20:80に設定することが重要である。また、繊維の長手方向での湿熱収縮変動率が5%以下の複合繊維を安定的に得るためには、口金より紡糸された糸条は、延伸〜巻取の間に90℃〜180℃にて熱セットされることが重要であり、より好ましくは110℃〜170℃の範囲が良い。熱セット温度が90℃未満では、繊維を構成するポリマーの結晶構造固定が不十分であり、製品巻取後も経時で物性が変化したり、巻締りが進行するため、長手方向で物性が不均一となり、目的とする湿熱収縮変動率が5%以下の製品は得られない。逆に180℃を超える温度では、湿熱収縮変動率は良好となるものの、ポリエステルA(PLA)の融点に近づくために、毛羽やタルミが発生するため製品として品質の劣るものになるほか、製糸の際にローラ上での糸条の走行状態が不安定となって糸切れが増加する。また、繊度変動率、湿熱収縮変動率が良好な繊維を工程安定的に得るためには、芯鞘型複合長繊維の口金からの吐出線速度V0(m/分)、第1ローラの周速度V1(m/分)、ポリエステルAの複合重量比RA、ポリエステルBの複合重量比RB、延伸倍率E(倍)とが、次式(a)を満足するようにする。本発明でいう吐出線速度V0(m/分)とは、口金吐出孔1個あたりから単位時間に吐出されるポリマーの体積(m3/分)を吐出孔の断面積(m2)で割り返した値であり、第1ローラの周速度V1(m/分)とは、糸条と第1ローラが初めて接する部分の周速度を指す。
200≦(V1/V0)×E≦200+1400×{RB/(RA+RB)}・・・(a)
本発明の芯鞘型複合長繊維において紡糸/延伸における製糸応力は、ポリマー融点の高いポリエステルB(PTT)側に集中する。このため、V1/V0(以下、ドラフト倍率と称す)と延伸倍率Eの積算値が、200+1400×{RB/(RA+RB)}を超える範囲となると、総合的な引伸し倍率がポリエステルBの許容引伸し倍率を超えるため、毛羽や糸切れが増加する。仮に製糸できたとしてもポリエステルBの結晶構造が不安定となるために、均一な染色性を得ることは困難となる。また、(V1/V0)×Eが200未満となる領域では、引伸し倍率が不足するために、繊維中に非晶質部分が多く存在しており、経時的に物性が変化したり、製品巻取後も巻締りが進行したりするため、本発明の目的とする繊維は得られない。ここで、延伸倍率Eは第1ローラと第2ローラの周速度の比であり、第1ローラと第2ローラの間で大きな速度差を設けた場合は延伸糸(FOY)が得られ、該ローラ間で小さな速度差を設けた場合は部分延伸糸(POY)が得られる。最終巻取速度は目的とするFOY/POYの製品形態に合わせて、1000〜5000m/分の範囲で任意に設定可能である。
本発明の芯鞘型複合長繊維において紡糸/延伸における製糸応力は、ポリマー融点の高いポリエステルB(PTT)側に集中する。このため、V1/V0(以下、ドラフト倍率と称す)と延伸倍率Eの積算値が、200+1400×{RB/(RA+RB)}を超える範囲となると、総合的な引伸し倍率がポリエステルBの許容引伸し倍率を超えるため、毛羽や糸切れが増加する。仮に製糸できたとしてもポリエステルBの結晶構造が不安定となるために、均一な染色性を得ることは困難となる。また、(V1/V0)×Eが200未満となる領域では、引伸し倍率が不足するために、繊維中に非晶質部分が多く存在しており、経時的に物性が変化したり、製品巻取後も巻締りが進行したりするため、本発明の目的とする繊維は得られない。ここで、延伸倍率Eは第1ローラと第2ローラの周速度の比であり、第1ローラと第2ローラの間で大きな速度差を設けた場合は延伸糸(FOY)が得られ、該ローラ間で小さな速度差を設けた場合は部分延伸糸(POY)が得られる。最終巻取速度は目的とするFOY/POYの製品形態に合わせて、1000〜5000m/分の範囲で任意に設定可能である。
本発明の繊維を工程安定的に得る上で、単孔吐出量M(g/分)、口金吐出孔の周長L(mm)は次式(b)を満足する範囲に設定するのが好ましい。ここで本発明でいう単孔吐出量M(g/分)とは、口金吐出孔1個あたりから単位時間(分)に吐出されるポリマーの重量(g)を指す。
M≦1.4L−0.4・・・(b)
式(b)を満たす範囲に設定すると、重合触媒や添加物などの汚れが、口金吐出孔周囲への析出する速度を抑制でき、口金の清掃周期を延長することができる。逆に単孔吐出量Mが式(b)の右辺を超える領域となると、口金汚れ析出速度が速くなるため、経時的にポリマーの吐出状態が不安定となったり、繊維長手方向での繊度変動が増大したりするため、品質を維持するために短いサイクルでの口金清掃が必要となる。
式(b)を満たす範囲に設定すると、重合触媒や添加物などの汚れが、口金吐出孔周囲への析出する速度を抑制でき、口金の清掃周期を延長することができる。逆に単孔吐出量Mが式(b)の右辺を超える領域となると、口金汚れ析出速度が速くなるため、経時的にポリマーの吐出状態が不安定となったり、繊維長手方向での繊度変動が増大したりするため、品質を維持するために短いサイクルでの口金清掃が必要となる。
また、より安定的に目的の繊維を得るには、第1ローラ以前で交絡を付与するとともに、第1ローラに糸条進行方向に対して、漸次2〜7%の割合で直径が大きくなるテーパーローラを用いることが好ましい。第1ローラ以前で交絡を付与することにより、糸条を構成するフィラメントの収束性が向上するため、ローラ上でのフィラメント割れを抑制でき、フィラメント間で均一な延伸が保てるようになる上、第1ローラ以降の工通過性が向上してタルミや毛羽の少ない製品が得られるようになる。また、本発明の複合繊維はガラス転移温度以上に加熱された第1ローラに接触すると、熱結晶化が起こり繊維長が伸長するが、第1ローラをテーパーローラとすることにより、該伸長分をローラ径の増加分で吸収できローラ上での糸条走行状態が安定する。このため、糸揺れに起因する延伸点の変動が軽減され、繊維の長手方向で繊維変動率、収縮変動率ともにばらつきが小さな繊維が得やすくなるほか、糸揺れによる糸条干渉糸切れを抑制できる。さらに、第2ローラ〜巻取までの間にゴデットローラを設けると、熱セットされた糸条の冷却が促進されると共に、糸条にかかる張力を容易に調整でき、良好なパッケージを得易くなり好ましい。
一例として、以下に第1、第2ホットローラおよび2個のゴデットローラを介する製造方法について詳しく説明する。
本発明の芯鞘型複合長繊維を溶融紡糸する上では、一方の成分となるPLAは、200〜240℃にて溶融されるのが好ましい。溶融するに際し、プレッシャーメルター法およびエクストルーダー法が挙げられるが、均一溶融と滞留防止の観点からエクストルーダーによる溶融が好ましい。一方、他方の成分であるPTTは、PLAと同様にエクストルーダーを用い、240〜280℃での溶融が好ましい。別々に溶融されたポリマーは別々の配管を通り、計量された後、口金パックへ流入する。この際、熱劣化を抑制する観点から、配管通過時間は30分以内であることが好ましい。パックへ流入したポリマーは口金により合流され、公知の技術により芯鞘型の形態に複合され口金より吐出される。
この際の紡糸温度は、240〜270℃が適当である。この範囲であれば、PTTの特徴を活かした複合繊維が製造できる。
口金から吐出されたポリマーは冷却、固化され、油剤が付与された後、交絡装置にて交絡を付与され、ホットローラ、ゴデットローラを介して巻き取られる。巻取速度は2500〜5000m/分において製造可能であり、工程安定性を考慮すると2700〜4500m/分がより好ましい。交絡数は任意に設定可能であるが、2個/m以上であると良好な工程通過性を得易いほか、必要であれば油剤付与〜巻取の間に複数個の交絡装置を設けることで交絡数を上げることも可能である。また、巻取直前に、追加で油剤を付与するのも良い。
好ましく用いられる装置の概略を図2に示す。口金3より吐出された糸条は冷却後、油剤付与装置5による油剤の付与を経て、交絡装置6にて交絡が付与される。次いで、温度50〜90℃、速度1000〜3500m/分、鏡面の第1ホットローラ7上に数ターン巻付けられて予熱された後、第2ホットローラ8との間で延伸される。さらに、温度90〜180℃の第2ホットローラ8上に数ターン巻付けられて熱セットされ、交絡装置9を経て、ホットローラ8より−10〜10%速い速度で回転するゴデットローラ10、11へ引き回される。熱セットされた糸条はゴデットローラによって冷却されるとともに張力が調整され、巻取機にて速度2500〜5000m/分にてパッケージ13に巻付けられる。巻取機においては、パッケージに接するコンタクトローラ12によってパッケージ巻付け張力が調整される。
ここで、第1ホットローラ7は、鏡面ローラであることが好ましく、ゴデットローラは鏡面または溝付き鏡面ローラとするのが好ましい。ここでいう鏡面とは、ローラの表面粗さが1S以下であり、梨地とは2〜4Sを指す。表面粗さとは、JIS−B−0601に記載される最大高さ(Rmax)の区分である。鏡面または溝付き鏡面とすることにより、糸条を効率的に把持することができるため、糸条はローラの前後で一定の張力を保って安定した走行が可能となり、原糸の長手方向での物性ばらつきの小さい良好な品質の製品を易くなる。ゴデットローラとしては梨地ローラも使用可能であるが、糸条把持性を維持すするためには、鏡面や溝付き鏡面ローラに比べて高度な張力管理が要求される。仮にゴデットローラ上で糸条のスリップが発生した場合、原糸の長手方向で繊度斑や収縮斑、染色斑を誘発し、仮撚工程における糸切れや、布帛とした際の品位低下を引き起こす。高度な張力管理が要求される場合は、ゴデットローラを複数個設置するのが有効な手段である。
一方、コンタクトローラ12の速度はパッケージの巻取速度に対して、1.001〜1.01倍早く設定することでパッケージの良好なふくらみ率と耳高率を容易に得ることができる。コンタクトローラ速度のオーバーフィードを1.001以上とすることで、パッケージに巻かれる際の張力を低減でき、ふくらみ率、耳高率を抑制することが可能となる。より好ましい範囲は、1.0015以上である。また、1.01以下とすることによりパッケージ端面からの糸落ちを防止することができ、良好な解舒性が確保できる。より好ましいオーバーフィードの範囲は1.008以下である。さらに、コンタクトローラ入口での糸条の張力は、0.1〜0.3cN/dtexであることが好ましい。張力を0.1cN/dtex以上に設定することで、ゴデットローラから巻取機間の糸揺れを低減でき、巻取速度を上げた場合でも安定して糸条を巻き取ることができる。より好ましい張力は0.12cN/dtex以上である。また、張力を0.3cN/dtex以下とするとコンタクトローラでの張力制御が容易となり、良好なパッケージフォームが得られる。より好ましい張力は0.25cN/dtex以下である。
以下、実施例を挙げて具体的に説明するが本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例の測定値は以下の方法で測定した。
(1)固有粘度(IV)
定義式のηrは、PTTについては、160℃の純度98%以上のo−クロロフェノール(以下OCPと略記する)10mL中に試料ポリマーを0.8g溶かし、25℃に冷却後、オストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを下式により求め、固有粘度(IV)を算出した。他のポリマーについては、25℃の純度98%以上のOCP10mL中に試料ポリマーを0.8g溶かし、25℃にてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを下式により求め、IVを算出した。
(1)固有粘度(IV)
定義式のηrは、PTTについては、160℃の純度98%以上のo−クロロフェノール(以下OCPと略記する)10mL中に試料ポリマーを0.8g溶かし、25℃に冷却後、オストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを下式により求め、固有粘度(IV)を算出した。他のポリマーについては、25℃の純度98%以上のOCP10mL中に試料ポリマーを0.8g溶かし、25℃にてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを下式により求め、IVを算出した。
ηr=η/η0=(t×d)/(t0×d0)
固有粘度(IV)=0.0242ηr+0.2634
ここで、η:ポリマー溶液の粘度
η0:OCPの粘度
t:溶液の落下時間(秒)
d:溶液の密度(g/cm3)
t0:OCPの落下時間(秒)
d0:OCPの密度(g/cm3)
(2)破断強度、破断伸度
JIS L1013(1999)に従い、オリエンテック製テンシロンUCT−100にて測定した。
(3)沸水収縮率(沸収)
以下に示す式にて沸水収縮率を測定した。
固有粘度(IV)=0.0242ηr+0.2634
ここで、η:ポリマー溶液の粘度
η0:OCPの粘度
t:溶液の落下時間(秒)
d:溶液の密度(g/cm3)
t0:OCPの落下時間(秒)
d0:OCPの密度(g/cm3)
(2)破断強度、破断伸度
JIS L1013(1999)に従い、オリエンテック製テンシロンUCT−100にて測定した。
(3)沸水収縮率(沸収)
以下に示す式にて沸水収縮率を測定した。
沸水収縮率(%)=[(L0−L1)/L0]×100%
L0:カセ取り(1m×10回巻)によりサンプリングした繊維カセに、0.029cN/dtexの荷重を吊した状態のカセ長
L1:L0を測定したカセを荷重フリーの状態で98℃の熱水に入れて15分間処理した後、濾紙で水分を取り、20℃、70%RHの恒温恒湿室にて30分乾燥後、初荷重0.029cN/dtex下でのカセ長
(4)繊度変動率(U%)
ツエルベガーウースター社製ウースターテスターUT−4CXを用い、下記の測定条件にて繊度変動チャート(Diagram Mass)を得ると同時に、U%(half inert)を測定した。
L0:カセ取り(1m×10回巻)によりサンプリングした繊維カセに、0.029cN/dtexの荷重を吊した状態のカセ長
L1:L0を測定したカセを荷重フリーの状態で98℃の熱水に入れて15分間処理した後、濾紙で水分を取り、20℃、70%RHの恒温恒湿室にて30分乾燥後、初荷重0.029cN/dtex下でのカセ長
(4)繊度変動率(U%)
ツエルベガーウースター社製ウースターテスターUT−4CXを用い、下記の測定条件にて繊度変動チャート(Diagram Mass)を得ると同時に、U%(half inert)を測定した。
給糸速度 :200m/分
測定糸長 :200m
ツイスター :S撚 12000ターン/分
ディスクテンション強さ:10%
スケール :−10%〜+10%
(5)湿熱収縮変動率
東レ(株)製FTA−500を用い、下記の測定条件にて測定を行い、繊維長手方向での湿熱収縮率のCV%を求めた。
測定糸長 :200m
ツイスター :S撚 12000ターン/分
ディスクテンション強さ:10%
スケール :−10%〜+10%
(5)湿熱収縮変動率
東レ(株)製FTA−500を用い、下記の測定条件にて測定を行い、繊維長手方向での湿熱収縮率のCV%を求めた。
湿熱温度:100℃
給糸張力:20g
給糸速度:10m/分
測定糸長:30m
(6)製糸性
製糸時の糸切れ発生率を、8錘建て巻取機にて生産した場合の値に換算して、以下の3段階にて評価した。合格レベルは○以上である。
給糸張力:20g
給糸速度:10m/分
測定糸長:30m
(6)製糸性
製糸時の糸切れ発生率を、8錘建て巻取機にて生産した場合の値に換算して、以下の3段階にて評価した。合格レベルは○以上である。
○○:1.5回/t以下
○ :1.5回/tを超え3.0回/t以下
× :3回/tを超える
(7)均一染色性
製品巻取後、室温にて1カ月保管した複合繊維を用いて、28ゲージの丸編み地を製作し、染料としてテトラシールネイビーブルーSGL0.275%owf、助剤として正研化工(株)製テトロシンPE−C5.0%owf、分散剤として日華化学(株)製ニッカサンソルト#12001.0%owfを用い、浴比1:100にて50℃15分、さらに90℃20分にて染色を行った。染色後のサンプルは染色斑、ドラムまたはボビン間での染色差を総合的に官能検査し、以下の3段階で評価した。合格レベルは○以上である。
○ :1.5回/tを超え3.0回/t以下
× :3回/tを超える
(7)均一染色性
製品巻取後、室温にて1カ月保管した複合繊維を用いて、28ゲージの丸編み地を製作し、染料としてテトラシールネイビーブルーSGL0.275%owf、助剤として正研化工(株)製テトロシンPE−C5.0%owf、分散剤として日華化学(株)製ニッカサンソルト#12001.0%owfを用い、浴比1:100にて50℃15分、さらに90℃20分にて染色を行った。染色後のサンプルは染色斑、ドラムまたはボビン間での染色差を総合的に官能検査し、以下の3段階で評価した。合格レベルは○以上である。
○○:非常に均質で優れた染色品位である
○ :製品として許容される範囲の僅かな欠点が存在する
× :染色が不均一であり、製品として出荷不可能な重大な欠点が存在する
(8)ソフト性
上記の(5)にて得られた28ゲージの丸編み地について、肌触りを官能検査し、以下の3段階で評価した。合格レベルは○以上である。
○ :製品として許容される範囲の僅かな欠点が存在する
× :染色が不均一であり、製品として出荷不可能な重大な欠点が存在する
(8)ソフト性
上記の(5)にて得られた28ゲージの丸編み地について、肌触りを官能検査し、以下の3段階で評価した。合格レベルは○以上である。
○○:非常にソフト感に富み、肌触りが良好である。
○ :ソフト感に優れる
× :従来PET製品と同等レベル
実施例1
ポリエステル成分Aを光学純度98.0%のポリ−L−乳酸、ポリエステル成分Bを固有粘度1.1のホモPTTとし、それぞれエクストルーダーを用いて210℃、250℃にて溶融後、ポンプによる計量を行い、255℃にて芯鞘複合形態を形成すべく公知の口金に流入させた。複合重量比はPLA30%に対し、PTT70%の割合とした。各ポリマーの配管通過時間は、PLAが17分、PTTは11分であった。口金から吐出された糸条は、図2に示す装置にて冷却、油剤付与後、2700m/分の速度で55℃に加熱されたテーパー率4%の第1ホットローラ(表中ではHRと称す)7に引き取られ、一旦巻き取ることなく、4050m/分の速度で160℃に加熱された第2ホットローラ8に引き回し、延伸、熱セットを行った。さらに、3840m/分、3800m/分にて回転する2個のゴデットローラ(表中ではGRと称す)10、11に引き回した後、コンタクトローラ(表中ではCRと称す)入口での張力を0.13cN/dtex、コンタクトローラ速度3757m/分、パッケージ巻き取り速度3750m/分、すなわちオーバーフィードを1.0020として巻取り、図1に示す断面形状の84dtex−48フィラメントの芯鞘型複合長繊維を得た。この複合繊維の特性評価結果は表1の通りであり、非常に優れた均一染色性と製糸性およびソフト性が得られた。
× :従来PET製品と同等レベル
実施例1
ポリエステル成分Aを光学純度98.0%のポリ−L−乳酸、ポリエステル成分Bを固有粘度1.1のホモPTTとし、それぞれエクストルーダーを用いて210℃、250℃にて溶融後、ポンプによる計量を行い、255℃にて芯鞘複合形態を形成すべく公知の口金に流入させた。複合重量比はPLA30%に対し、PTT70%の割合とした。各ポリマーの配管通過時間は、PLAが17分、PTTは11分であった。口金から吐出された糸条は、図2に示す装置にて冷却、油剤付与後、2700m/分の速度で55℃に加熱されたテーパー率4%の第1ホットローラ(表中ではHRと称す)7に引き取られ、一旦巻き取ることなく、4050m/分の速度で160℃に加熱された第2ホットローラ8に引き回し、延伸、熱セットを行った。さらに、3840m/分、3800m/分にて回転する2個のゴデットローラ(表中ではGRと称す)10、11に引き回した後、コンタクトローラ(表中ではCRと称す)入口での張力を0.13cN/dtex、コンタクトローラ速度3757m/分、パッケージ巻き取り速度3750m/分、すなわちオーバーフィードを1.0020として巻取り、図1に示す断面形状の84dtex−48フィラメントの芯鞘型複合長繊維を得た。この複合繊維の特性評価結果は表1の通りであり、非常に優れた均一染色性と製糸性およびソフト性が得られた。
実施例2
ポリマーの複合重量比をPLA:PTT=20:80とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表1の通りであり、均一染色性で実施例1に一歩譲るものの、製糸性、ソフト性に優れるものが得られた。
ポリマーの複合重量比をPLA:PTT=20:80とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表1の通りであり、均一染色性で実施例1に一歩譲るものの、製糸性、ソフト性に優れるものが得られた。
実施例3
ポリマーの複合重量比をPLA:PTT=50:50とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表1の通りであり、均一染色性に優れ、製糸性、ソフト性とも実施例1と同等のものが得られた。
ポリマーの複合重量比をPLA:PTT=50:50とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表1の通りであり、均一染色性に優れ、製糸性、ソフト性とも実施例1と同等のものが得られた。
実施例4
口金を吐出孔周長の大きいものに変更した以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表1の通りであり、ドラフト倍率が大きいために均一染色性、製糸性は実施例1に一歩譲るものの、ソフト性に良好なものが得られた。
口金を吐出孔周長の大きいものに変更した以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表1の通りであり、ドラフト倍率が大きいために均一染色性、製糸性は実施例1に一歩譲るものの、ソフト性に良好なものが得られた。
実施例5
ポリマーの複合重量比をPLA:PTT=80:20とし、口金を吐出孔周長の小さいものに変更した以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表1の通りであり、実施例1に比べて口金汚れの析出速度が早く、約1/2の周期で口金清掃を必要としたが、製糸性は合格レベルにあり、均一染色性で実施例1に一歩譲るものの、ソフト性に優れたものが得られた。
ポリマーの複合重量比をPLA:PTT=80:20とし、口金を吐出孔周長の小さいものに変更した以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表1の通りであり、実施例1に比べて口金汚れの析出速度が早く、約1/2の周期で口金清掃を必要としたが、製糸性は合格レベルにあり、均一染色性で実施例1に一歩譲るものの、ソフト性に優れたものが得られた。
実施例6
実施例1と同様にして溶融したポリマーを口金より吐出させた。糸条を図2に示す装置にて冷却、油剤付与後、1600m/分の速度で55℃に加熱された第1ホットローラ7に引き取られ、一旦巻き取ることなく、3376m/分の速度で160℃に加熱された第2ホットローラ8に引き回し、延伸、熱セットを行った。さらに、3201m/分、3168m/分にて回転する2個のゴデットローラ10、11に引き回した後、コンタクトローラ入口での張力を0.13cN/dtex、コンタクトローラ速度3132m/分、パッケージ巻き取り速度3126m/分、すなわちオーバーフィードを1.0020として巻取り、図1に示す断面形状の84dtex−48フィラメントの芯鞘型複合長繊維を得た。この複合繊維の特性評価結果は表1の通りであり、均一染色性に優れ、製糸性、ソフト性とも実施例1と同等のものが得られた。
実施例1と同様にして溶融したポリマーを口金より吐出させた。糸条を図2に示す装置にて冷却、油剤付与後、1600m/分の速度で55℃に加熱された第1ホットローラ7に引き取られ、一旦巻き取ることなく、3376m/分の速度で160℃に加熱された第2ホットローラ8に引き回し、延伸、熱セットを行った。さらに、3201m/分、3168m/分にて回転する2個のゴデットローラ10、11に引き回した後、コンタクトローラ入口での張力を0.13cN/dtex、コンタクトローラ速度3132m/分、パッケージ巻き取り速度3126m/分、すなわちオーバーフィードを1.0020として巻取り、図1に示す断面形状の84dtex−48フィラメントの芯鞘型複合長繊維を得た。この複合繊維の特性評価結果は表1の通りであり、均一染色性に優れ、製糸性、ソフト性とも実施例1と同等のものが得られた。
実施例7
実施例1と同様にして溶融したポリマーを口金より吐出させた。糸条を図2に示す装置にて冷却、油剤付与後、3200m/分の速度で55℃に加熱された第1ホットローラ7に引き取られ、一旦巻き取ることなく、4256m/分の速度で160℃に加熱された第2ホットローラ8に引き回し、延伸、熱セットを行った。さらに、4035m/分、3994m/分にて回転する2個のゴデットローラ10、11に引き回した後、コンタクトローラ入口での張力を0.13cN/dtex、コンタクトローラ速度3941m/分、パッケージ巻き取り速度3933m/分、すなわちオーバーフィードを1.0020として巻取り、図1に示す断面形状の84dtex−48フィラメントの芯鞘型複合長繊維を得た。この複合繊維の特性評価結果は表1の通りであり、実施例1に比べて僅かに口金汚れの析出速度が速く、約3/4の周期で口金清掃を必要としたが製糸性は合格レベルであり、均一染色性、ソフト性とも実施例1と同等に優れるものが得られた。
実施例1と同様にして溶融したポリマーを口金より吐出させた。糸条を図2に示す装置にて冷却、油剤付与後、3200m/分の速度で55℃に加熱された第1ホットローラ7に引き取られ、一旦巻き取ることなく、4256m/分の速度で160℃に加熱された第2ホットローラ8に引き回し、延伸、熱セットを行った。さらに、4035m/分、3994m/分にて回転する2個のゴデットローラ10、11に引き回した後、コンタクトローラ入口での張力を0.13cN/dtex、コンタクトローラ速度3941m/分、パッケージ巻き取り速度3933m/分、すなわちオーバーフィードを1.0020として巻取り、図1に示す断面形状の84dtex−48フィラメントの芯鞘型複合長繊維を得た。この複合繊維の特性評価結果は表1の通りであり、実施例1に比べて僅かに口金汚れの析出速度が速く、約3/4の周期で口金清掃を必要としたが製糸性は合格レベルであり、均一染色性、ソフト性とも実施例1と同等に優れるものが得られた。
実施例8
ポリマーの複合重量比をPLA:PTT=80:20とし、口金を吐出孔周長の小さいものに変更し、実施例1と同様にして溶融したポリマーを口金より吐出させた。糸条を図2に示す装置にて冷却、油剤付与後、2000m/分の速度で55℃に加熱された第1ホットローラ7に引き取られ、一旦巻き取ることなく、3620m/分の速度で160℃に加熱された第2ホットローラ8に引き回し、延伸、熱セットを行った。さらに、3432m/分、3397m/分にて回転する2個のゴデットローラ10、11に引き回した後、コンタクトローラ入口での張力を0.13cN/dtex、コンタクトローラ速度3358m/分、パッケージ巻き取り速度3351m/分、すなわちオーバーフィードを1.0020として巻取り、図1に示す断面形状の84dtex−48フィラメントの芯鞘型複合長繊維を得た。実施例1に比べて口金汚れの析出速度が早く、約3/4の周期で口金清掃を必要としたが製糸性は合格レベルにあり、特性評価結果は表1の通り、均一染色性、ソフト性とも実施例1と同等に優れるものが得られた。
ポリマーの複合重量比をPLA:PTT=80:20とし、口金を吐出孔周長の小さいものに変更し、実施例1と同様にして溶融したポリマーを口金より吐出させた。糸条を図2に示す装置にて冷却、油剤付与後、2000m/分の速度で55℃に加熱された第1ホットローラ7に引き取られ、一旦巻き取ることなく、3620m/分の速度で160℃に加熱された第2ホットローラ8に引き回し、延伸、熱セットを行った。さらに、3432m/分、3397m/分にて回転する2個のゴデットローラ10、11に引き回した後、コンタクトローラ入口での張力を0.13cN/dtex、コンタクトローラ速度3358m/分、パッケージ巻き取り速度3351m/分、すなわちオーバーフィードを1.0020として巻取り、図1に示す断面形状の84dtex−48フィラメントの芯鞘型複合長繊維を得た。実施例1に比べて口金汚れの析出速度が早く、約3/4の周期で口金清掃を必要としたが製糸性は合格レベルにあり、特性評価結果は表1の通り、均一染色性、ソフト性とも実施例1と同等に優れるものが得られた。
実施例9
吐出量および口金を変更した以外は実施例1と同様にして製糸し、56dtex−24フィラメント4dtex―48フィラメントの芯鞘型複合長繊維を得た。この繊維は実施例1に比べて僅かに口金汚れの析出速度が速く、約3/4の周期で口金清掃を必要としたが、特性評価結果は表1の通り、製糸性、均一染色性とも実施例1と同等に優れるものが得られた。また、ソフト性は単糸繊度が大きくなったため実施例1に一歩譲るものとなった。
吐出量および口金を変更した以外は実施例1と同様にして製糸し、56dtex−24フィラメント4dtex―48フィラメントの芯鞘型複合長繊維を得た。この繊維は実施例1に比べて僅かに口金汚れの析出速度が速く、約3/4の周期で口金清掃を必要としたが、特性評価結果は表1の通り、製糸性、均一染色性とも実施例1と同等に優れるものが得られた。また、ソフト性は単糸繊度が大きくなったため実施例1に一歩譲るものとなった。
実施例10
吐出量を変更した以外は実施例1と同様にして製糸し、110dtex−48フィラメントの芯鞘型複合長繊維を得た。この繊維は実施例1に比べて僅かに口金汚れの析出速度が速く、約3/4の周期で口金清掃を必要としたが、特性評価結果は表1の通り、製糸性、均一染色性とも実施例1と同等に優れるものが得られた。また、ソフト性は単糸繊度が大きくなったため実施例1に一歩譲るものとなった。
吐出量を変更した以外は実施例1と同様にして製糸し、110dtex−48フィラメントの芯鞘型複合長繊維を得た。この繊維は実施例1に比べて僅かに口金汚れの析出速度が速く、約3/4の周期で口金清掃を必要としたが、特性評価結果は表1の通り、製糸性、均一染色性とも実施例1と同等に優れるものが得られた。また、ソフト性は単糸繊度が大きくなったため実施例1に一歩譲るものとなった。
実施例11
第1ホットローラにテーパー率0%の鏡面ローラを用いた以外は、実施例1と同様にして製糸し、芯鞘型複合長繊維を得た。実施例1に比べて、第1ホットローラ上での糸揺れが大きく、製糸性、均一染色性、ソフト性いずれも実施例1に一歩譲るものとなったが、特性評価結果は表1の通り合格レベルのものが得られた。
第1ホットローラにテーパー率0%の鏡面ローラを用いた以外は、実施例1と同様にして製糸し、芯鞘型複合長繊維を得た。実施例1に比べて、第1ホットローラ上での糸揺れが大きく、製糸性、均一染色性、ソフト性いずれも実施例1に一歩譲るものとなったが、特性評価結果は表1の通り合格レベルのものが得られた。
実施例12
第1ローラにテーパー率9%の鏡面ローラを用いた以外は、実施例1と同様にして製糸し、芯鞘型複合長繊維を得た。特性評価結果は表1の通りである。実施例1に比べて、第1ローラ上での糸揺れが小さく、均一染色性、ソフト性で実施例1と同等のものが得られたが、製糸性は実施例1に一歩譲るものとなった。
第1ローラにテーパー率9%の鏡面ローラを用いた以外は、実施例1と同様にして製糸し、芯鞘型複合長繊維を得た。特性評価結果は表1の通りである。実施例1に比べて、第1ローラ上での糸揺れが小さく、均一染色性、ソフト性で実施例1と同等のものが得られたが、製糸性は実施例1に一歩譲るものとなった。
比較例1
ポリマーの複合重量比をPLA:PTT=10:90とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、ポリマー成分の複合異常およびPLA成分の熱劣化により繊度変動率、湿熱収縮変動率共に大きな値を示し、均一染色性、製糸性において実施例1大きく及ばないものとなった。
ポリマーの複合重量比をPLA:PTT=10:90とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、ポリマー成分の複合異常およびPLA成分の熱劣化により繊度変動率、湿熱収縮変動率共に大きな値を示し、均一染色性、製糸性において実施例1大きく及ばないものとなった。
こ比較例2
ポリマーの複合重量比をPLA:PTT=90:10とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、ポリマー成分の複合異常およびPTT成分の熱劣化により製糸性、均一染色性において実施例1大きく及ばないものとなった。
ポリマーの複合重量比をPLA:PTT=90:10とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、ポリマー成分の複合異常およびPTT成分の熱劣化により製糸性、均一染色性において実施例1大きく及ばないものとなった。
比較例3
口金を吐出孔周長の大きなものに変更した以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、引伸し倍率過多に起因した糸切れが多発し、製糸性が不合格であった。また。均一染色性においても実施例1大きく及ばないものとなった。
口金を吐出孔周長の大きなものに変更した以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、引伸し倍率過多に起因した糸切れが多発し、製糸性が不合格であった。また。均一染色性においても実施例1大きく及ばないものとなった。
比較例4
口金を吐出孔周長の大きなものに変更し、ポリマーの複合重量比をPLA:PTT=50:50とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、引伸し倍率過多に起因した糸切れが多発し、製糸性が不合格であった。また。均一染色性においても実施例1大きく及ばないものとなった。
口金を吐出孔周長の大きなものに変更し、ポリマーの複合重量比をPLA:PTT=50:50とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、引伸し倍率過多に起因した糸切れが多発し、製糸性が不合格であった。また。均一染色性においても実施例1大きく及ばないものとなった。
比較例5
口金を吐出孔周長の小さなものに変更した以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、引伸し倍率の過小に起因して巻取直後より経時的に巻締りが進行し、パッケージのフォーム崩れが観察されたほか、巻締りによるパッケージ端面において周期的な染色濃淡斑が生じ、均一染色性が不合格であった。また、実施例1に比べて口金汚れの析出速度が早く、約1/4の周期で口金清掃を必要とし製糸性も不合格であった。
口金を吐出孔周長の小さなものに変更した以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、引伸し倍率の過小に起因して巻取直後より経時的に巻締りが進行し、パッケージのフォーム崩れが観察されたほか、巻締りによるパッケージ端面において周期的な染色濃淡斑が生じ、均一染色性が不合格であった。また、実施例1に比べて口金汚れの析出速度が早く、約1/4の周期で口金清掃を必要とし製糸性も不合格であった。
比較例6
第2ホットローラの熱セット温度を85℃とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、巻取中より巻締りが発生し、巻取コアが巻取機より払い出しできなくなるなどの問題が発生した。また経時的に物性が変化し、均一染色性において実施例1に大きく及ばないものとなった。
第2ホットローラの熱セット温度を85℃とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、巻取中より巻締りが発生し、巻取コアが巻取機より払い出しできなくなるなどの問題が発生した。また経時的に物性が変化し、均一染色性において実施例1に大きく及ばないものとなった。
比較例7
第2ホットローラの熱セット温度を185℃とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、第2ホットローラ上での糸揺れが大きく糸切れが多発した。また、採取された製品には毛羽が多く均一染色性に劣るものとなった。
第2ホットローラの熱セット温度を185℃とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘型複合長繊維を得た。繊維の特性評価結果は表2の通りであるが、第2ホットローラ上での糸揺れが大きく糸切れが多発した。また、採取された製品には毛羽が多く均一染色性に劣るものとなった。
比較例8
口金の吐出孔周長を大きいものに変更し、ポリエステル成分Bとして固有粘度0.51のセミダルPETを用い、ポリエステル成分Bの溶融温度を285℃、紡糸温度を280℃として実施例1と同様にして溶融したポリマーを口金より吐出させた。口金から吐出された糸条を、図2に示す装置にて冷却、油剤付与後、1600m/分の速度で55℃に加熱された第1ホットローラ7に引き取り、一旦巻き取ることなく、4050m/分の速度で160℃に加熱された第2ホットローラ8に引き回し、延伸、熱セットを行った。さらに、4000m/分、4000m/分にて回転する2個のゴデットローラ10、11に引き回した後、コンタクトローラ入口での張力を0.13cN/dtex、コンタクトローラ速度3948m/分、パッケージ巻き取り速度3940m/分、すなわちオーバーフィードを1.0020として巻取り、図1に示す断面形状の84dtex−48フィラメントの芯鞘型複合長繊維の製糸を試みたがPLA成分の熱劣化により安定製糸が不可能であった。かろうじて得られた繊維を特性評価したところ、表2の通り均一染色性、ソフト性に著しく劣るものとなった。
口金の吐出孔周長を大きいものに変更し、ポリエステル成分Bとして固有粘度0.51のセミダルPETを用い、ポリエステル成分Bの溶融温度を285℃、紡糸温度を280℃として実施例1と同様にして溶融したポリマーを口金より吐出させた。口金から吐出された糸条を、図2に示す装置にて冷却、油剤付与後、1600m/分の速度で55℃に加熱された第1ホットローラ7に引き取り、一旦巻き取ることなく、4050m/分の速度で160℃に加熱された第2ホットローラ8に引き回し、延伸、熱セットを行った。さらに、4000m/分、4000m/分にて回転する2個のゴデットローラ10、11に引き回した後、コンタクトローラ入口での張力を0.13cN/dtex、コンタクトローラ速度3948m/分、パッケージ巻き取り速度3940m/分、すなわちオーバーフィードを1.0020として巻取り、図1に示す断面形状の84dtex−48フィラメントの芯鞘型複合長繊維の製糸を試みたがPLA成分の熱劣化により安定製糸が不可能であった。かろうじて得られた繊維を特性評価したところ、表2の通り均一染色性、ソフト性に著しく劣るものとなった。
比較例9
ポリエステル成分Aとして固有粘度0.51のセミダルPETを用いて溶融温度を285℃とし、ポリエステル成分Bとして固有粘度1.1のホモPTTを用いて溶融温度を250℃とし、紡糸温度を270℃とした以外は、比較例8と同様にして製糸して芯鞘型複合長繊維を得た。特性評価結果は表2の通りであり、製糸性は非常に安定していたが、得られた繊維はPTT成分の熱劣化により均一染色性、ソフト性が不十分なものとなった。
ポリエステル成分Aとして固有粘度0.51のセミダルPETを用いて溶融温度を285℃とし、ポリエステル成分Bとして固有粘度1.1のホモPTTを用いて溶融温度を250℃とし、紡糸温度を270℃とした以外は、比較例8と同様にして製糸して芯鞘型複合長繊維を得た。特性評価結果は表2の通りであり、製糸性は非常に安定していたが、得られた繊維はPTT成分の熱劣化により均一染色性、ソフト性が不十分なものとなった。
比較例10、11
本比較例については、製造方法を変更して実験を行った。表3、表4のとおりの製造条件にて2工程法で芯鞘型複合長繊維を得た。
本比較例については、製造方法を変更して実験を行った。表3、表4のとおりの製造条件にて2工程法で芯鞘型複合長繊維を得た。
比較例10については、ポリエステル成分Aを光学純度98.0%のポリ−L−乳酸、ポリエステル成分Bを固有粘度1.1のホモPTTとし、それぞれエクストルーダーを用いて210℃、250℃にて溶融後、ポンプによる計量を行い、255℃にて芯鞘複合形態を形成すべく公知の口金に流入させた。複合重量比はPLA30%に対し、PTT70%の割合とした。これを紡糸速度2700m/分で引取り127dtex−48フィラメントの未延伸糸を得た。さらに該未延伸糸を環境温度25℃×2日間エージングした後、図3に示す延伸機を用い、90℃に加熱した供給ローラ15と引取りローラ17の間で1.5倍に延伸しながら、供給ローラと引取りローラの間に設けた160℃の熱板16上を走行させて熱処理を施し、468m/分で巻き取って、84dtex−48フィラメントの芯鞘複合長繊維を得た。該芯鞘複合長繊維の特性評価結果は表3の通りであり、製糸性は非常に安定していたが未延伸糸の物性が経時的に変化し、均一染色性において実施例1に大きく及ばないものとなった。
比較例11については、比較例10と同様にして得た未延伸糸を環境温度25℃×2日間エージングした後、図4に示す延伸機を用い、第1ホットローラ20温度90℃、第2ホットローラ21温度35℃、第1ホットローラ、第2ホットローラ間延伸倍率1.5倍で延伸、さらに第3ホットローラ22の温度160℃で第2ホットローラ、第3ホットローラ間のリラックス率13%とし、第3ホットローラと引取ローラ(表中ではDRと称す)23の間で1.02倍に延伸し、84dtex−48フィラメントの芯鞘型複合長繊維を得た。該芯鞘型複合長繊維の特性評価結果は表4の通りであり、比較例10同様、製糸性は非常に安定していたが未延伸糸の物性が経時的に変化し、均一染色性において実施例1に大きく及ばないものとなった。
1:PLAを主成分とするポリマーからなる領域
2:PTTを主成分とするポリマーからなる領域
3:口金
4:冷却送風装置
5:油剤付与装置
6:交絡装置
7:第1ホットローラ
8:第2ホットローラ
9:交絡装置
10:第3ゴデットローラ
11:第4ゴデットローラ
12:コンタクトローラ
13:パッケージ
14:未延伸糸
15:供給ローラ
16:熱板
17:引取ローラ
18:未延伸糸
19:供給ローラ
20:第1ホットローラ
21:第2ホットローラ
22:第3ホットローラ
23:引取ローラ
24:延伸糸
2:PTTを主成分とするポリマーからなる領域
3:口金
4:冷却送風装置
5:油剤付与装置
6:交絡装置
7:第1ホットローラ
8:第2ホットローラ
9:交絡装置
10:第3ゴデットローラ
11:第4ゴデットローラ
12:コンタクトローラ
13:パッケージ
14:未延伸糸
15:供給ローラ
16:熱板
17:引取ローラ
18:未延伸糸
19:供給ローラ
20:第1ホットローラ
21:第2ホットローラ
22:第3ホットローラ
23:引取ローラ
24:延伸糸
Claims (4)
- 芯部を形成するポリエステル成分Aがポリ乳酸であり、鞘部を形成するポリエステル成分Bがポリトリメチレンテレフタレートである芯鞘型複合長繊維であって、以下の(A)〜(C)の要件を満足することを特徴とする芯鞘型複合長繊維。
(A)ポリエステル成分A:ポリエステル成分Bの複合重量比が20:80〜80:20
(B)芯鞘型複合長繊維の長手方向繊度変動率が1%以下
(C)芯鞘型複合長繊維の長手方向湿熱収縮変動率が5%以下 - 芯部を形成するポリエステル成分Aがポリ乳酸であり、鞘部を形成するポリエステル成分BがポリトリメチレンテレフタレートであるAおよびBの成分を芯鞘状に複合して口金から溶融押出して冷却固化した後、糸条を一旦巻き取ることなく連続して延伸し巻取る直接紡糸延伸法により芯鞘型複合長繊維を製造するに際して、以下の(D)〜(E)の要件を満足することを特徴とする芯鞘型複合長繊維の製造方法。
(D)延伸〜巻取の間に90℃〜180℃にて熱セットする
(E)芯鞘型複合長繊維の口金からの吐出線速度V0(m/分)、第1ローラの周速度V1(m/分)、ポリエステル成分Aの複合重量比RA、ポリエステル成分Bの複合重量比RB、延伸倍率E(倍)とが、次式を満足する。
200≦(V1/V0)×E≦200+1400×{RB/(RA+RB)} - 第1ローラによって引取られる前に交絡を付与するとともに、第1ローラを、繊維進行方向に対して、漸次2〜7%の割合で直径が大きくなるテーパーローラとしたことを特徴とする請求項2に記載の芯鞘型複合長繊維の製造方法。
- 請求項1に記載の芯鞘型複合長繊維、もしくは請求項2または3に記載の芯鞘型複合長繊維の製造方法によって得られる芯鞘型複合長繊維を用いてなることを特徴する布帛。
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CN115058792A (zh) * | 2022-07-20 | 2022-09-16 | 扬州惠通生物新材料有限公司 | 一种聚乳酸基聚酯皮芯复合长纤维及其制备方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005187950A (ja) * | 2003-12-24 | 2005-07-14 | Toray Ind Inc | 複合繊維 |
JP2006336166A (ja) * | 2005-06-03 | 2006-12-14 | Toray Ind Inc | 均一染色性に優れた分割型複合繊維およびその製造方法 |
-
2007
- 2007-08-30 JP JP2007224165A patent/JP2009057648A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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CN115058792A (zh) * | 2022-07-20 | 2022-09-16 | 扬州惠通生物新材料有限公司 | 一种聚乳酸基聚酯皮芯复合长纤维及其制备方法 |
CN115058792B (zh) * | 2022-07-20 | 2024-03-15 | 扬州惠通生物新材料有限公司 | 一种聚乳酸基聚酯皮芯复合长纤维及其制备方法 |
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