JP6206040B2 - 不織布用ポリフェニレンサルファイド繊維 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリフェニレンサルファイド繊維紙の抄紙工程において工程通過性に優れた不織布用ポリフェニレンサルファイド繊維に関するものである。
ポリフェニレンサルファイド(以下、PPSと略すことがある。)からなる繊維は、PPS素材の特性に由来し、耐熱性、耐薬品性および難燃性などに優れており、従来からこのような特性を生かした種々の用途、例えば、各種フィルター、電気絶縁材、抄紙カンバスおよび電池セパレーターなどの用途に使用されてきている。これら用途で使用されるPPS繊維製品としては、例えば、PPS繊維製の湿式不織布が挙げられる。
湿式不織布は、主として、延伸されたPPS繊維と、延伸熱圧着のためのバインダー繊維としての未延伸PPS繊維とから構成されている。
PPS繊維製のPPS湿式不織布に関する改良としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
熱収縮率の小さく、水分散性も良好な抄紙用未延伸糸PPS繊維を得るための技術として、熱処理温度を制御することにより繊維同士の融着を防ぎ、水分散性を向上させる方法が提案されている(特許文献1および特許文献2参照。)。しかしながら、これらの提案では、水分散性が不十分であった。
特開2010−77544号公報 特開2010−174400号公報
本発明の目的は、前述した従来技術における課題を解決し、水分散性が良好である不織布用PPS繊維を提供することにある。
本発明の不織布用ポリフェニレンサルファイド繊維は、ポリフェニレンサルファイドが90質量%以上の成分からなる繊維であり、前記繊維の単繊維繊度が0.5〜8dtex、繊維長が1〜15mm、捲縮数が2〜10山/25mmであり、かつ分散剤として親水性油剤が繊維表面に付与されており、その親水性油剤が前記繊維に対して0.05〜1.0質量%付与されてなる抄紙用ポリフェニレンサルファイド繊維である。
本発明の不織布用ポリフェニレンサルファイド繊維の好ましい態様によれば、前記の親水性油剤は、水溶性ポリウレタンである。
本発明の不織布用ポリフェニレンサルファイド繊維の好ましい態様によれば、前記のPPSのメルトフローレート値は50〜250g/10分である。
本発明によれば、水分散性が良好で、ポリフェニレンサルファイド繊維紙の抄紙工程において工程通過性に優れた抄紙用として好適なPPS繊維を得ることができる。また、本発明によれば、分散性に掛かる強度向上や欠点の減少効果があげられる。
本発明のポリフェニレンサルファイド繊維は、不織布用途に用いられるが、分散性に優れ、特に抄紙として好適に用いられる。 本発明のポリフェニレンサルファイド繊維は、ポリフェニレンサルファイドが90質量%以上の成分からなる繊維であり、単繊維繊度が0.5〜8dtex、繊維長が1〜15mm、捲縮数が2〜10山/25mmであり、かつ分散剤として親水性油剤が繊維表面に付与されており、その親水性油剤が前記繊維に対して0.05〜1.0質量%付与されてなるポリフェニレンサルファイド繊維である。
本発明のPPS短繊維を構成するPPS(ポリフェニレンサルファイド)としては、ポリマーの繰り返し単位の90質量%以上が次式(I)
Figure 0006206040
で表される単位で構成されるポリマー(パラ‐ポリフェニレンサルファイド)が挙げられ、10質量%未満の繰り返し単位が次式(II)
Figure 0006206040
で表される単位を含むもので構成されていてもよい。さらにはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート系と共重合ポリマーを形成していてもよい。
また、本発明で用いられるPPSは、メルトフローレート値が50〜250g/10分であることが好ましく、より好ましくは70〜170g/10分である。メルトフローレート値が50g/10分未満の場合は、溶融紡糸時にPPSの溶融粘度が高くなり、安定した吐出が困難となる場合がある。この吐出不足は、糸切れ、融着を引き起こすため、得られるPPS繊維の水中分散性は悪化傾向となる。
また、メルトフローレート値が250g/10分を超えると、溶融紡糸時にPPSの溶融粘度が低くなり、紡糸工程が著しく悪くなり易い。糸切れ、融着が発生し、得られるPPS繊維の水中分散性は悪化する傾向がある。また、メルトフローレート値を250g/10分以下とすることは、PPS繊維としての良好な力学的特性を得るために有効である。
また、本発明で用いられるPPSは、プレス工程における分解ガスの発生を抑制する目的で、例えば、特開2006−336140号公報に記載される熱酸化処理を施してオリゴマー量を低減したものを用いることもできる。
本発明で用いられるPPSの市販品としては、東レ製“トレリナ”(登録商標)やクレハ製“フォートロン” (登録商標)などが挙げられる。
本発明でいうPPS繊維は、まず、PPSを一般的な方法によって溶融紡糸し、PPS未延伸繊維とする。この溶融紡糸は、PPSの粉粒体やペレットをエクストルーダー型溶融紡糸機等の通常の溶融紡糸機中で溶融し口金を通じて溶融紡出し冷却固化させ、好適には500〜3000m/分で引き取ることにより好適に行うことができ、紡糸速度(引き取り速度)はより好ましくは800〜2000m/分である。PPS未延伸繊維は、紡糸後に実質的な延伸が行われていない繊維である。
紡糸速度が高過ぎる場合には、紡糸工程においてポリマー(PPS)の配向延伸が促進されるので、紡糸速度は3000m/分以下とすることが好ましい。また、紡糸速度が低過ぎると、ポリマーの配向が進みにくく、紡糸時に単糸同士が接触して紡糸融着を起こす可能性が高いので、紡糸することが難しくなることがある。
この際の未延伸糸の単繊維繊度は、0.5〜10dtexとすることが好ましく、より好ましくは1〜8dtexである。未延伸糸の単繊維繊度が0.5dtex未満であると、繊度が細いために操業性が悪くなることがある。一方、未延伸糸の単繊維繊度が10dtexを超える繊度では、延伸した際に目標とする繊度ものが得られないことがある。
このようにして得られた未延伸PPS繊維は、引き取られて一旦缶内に収納された後に、延伸される。延伸の方法としては、例えば、温水浴を用いて未延伸PPS繊維の繊維束がガラス転移点以上になるように設定して行う方法が一般的である。温水浴中の場合、好適には温度70〜98℃の温水浴中を通過させて熱処理を施し、温水浴中で延伸を行う。温水浴の温度が70℃未満の場合は、PPSのガラス転移温度との乖離が大きく、延伸不良を起こすことがある。一方、温水浴の温度が98℃を上回る温度では、沸点に近いために安定した操業をするのは困難である。また、延伸は、温水以外には乾熱や蒸気を用いてもよい。延伸倍率は、紡糸速度によっても可変的であるが、通常は好ましくは1.5〜3.5倍の範囲に設定する。
得られる繊維の単繊維繊度は0.5〜8dtexが好ましく、より好ましくは0.8〜5dtexである。単繊維繊度が0.5dtex未満では、紡糸時に糸切れが多発し、紡糸性が著しく悪くなる。また、単繊維繊度が8dtexを超えると、抄紙作成時に抄紙の厚みが大きくなり、薄物が必要な抄紙用途には適さない。
また、この際に未延伸PPS繊維の延伸を行わなくてもよく、その場合は未延伸PPS繊維として、抄紙においてバインダーの役割を果たすものが得られる。すなわち、延伸熱圧着のためのバインダー繊維としての未延伸PPS繊維として用いられる。
次いで、PPS繊維は、捲縮数が2〜10山/25mmとなるように捲縮が付与される。捲縮方法としては、スタッフィングボックスによる捲縮付与が一般的である。捲縮数が2山/25mm未満となると、トウの絡合性が低くなり、抄紙として高い品質の強度が得られない。また、繊維間の接触面積が大きくなるため、疑似接着を起こし、分散性不良を起こしやすい。また、捲縮数が10山/25mmを超えるとなると、繊維単体における捲縮数が多くなり、抄紙工程において分散性不良を起こす。捲縮数の好ましい範囲は2〜10山/25mmであり、より好ましくは4〜8山/25mmである。
本発明のポリフェニレンサルファイド繊維には、分散剤として親水性油剤が繊維表面に付与されている。
分散剤としての親水性油剤の付与は、付与のタイミング(工程)については捲縮付与の前後を問わないが、分散剤としての親水性油剤の付与割合(付着量)は、繊維質量に対して0.05〜1.0質量%付与することが必要である。付与割合が0.05質量%未満では、繊維に対して付着量が少ないために分散性不良に繋がる。また、付与割合が1.0質量%を超える量を付与した場合では、コスト面で高くなり、効果の面でも不要である。付着量の好ましい範囲は0.05〜1.0質量%であり、より好ましくは0.1〜0.8質量%である。
繊維への分散剤としての親水性油剤の付与方法としては、ディップ方式やスプレー方式などが挙げられる。親水性油剤の濃度は、好ましくは1〜10質量%に調整して付与するのが一般的である。付与後の乾燥については、必要に応じて連続熱風乾燥機等によって繊維束の水分を除去させてもよい。
本発明では、親水性油剤が用いられる。ここでいう親水性とは、JIS L 1907(2010)繊維製品の吸水性試験方法のバイレック評価法による吸い上げ高さが80mm以上であるものをいう。
親水性油剤としては、公知の油剤が適用可能であるが、水溶性ポリウレタンやポリアミド、ポリオキシアルキレンエーテル、炭素数10〜14の縮合多環炭化水素基を有するジカルボン酸、炭素数6〜10の脂肪族ジカルボン酸、および低級アルキレングリコ−ルなどが好適に用いられる。中でも耐久親水性という観点から、水溶性ポリウレタンを用いる事が特に好ましい。水溶性ポリウレタンはPPS繊維との親和性が大きいため、水に浸漬させた際、脱落しにくいという利点を持つ。
親水性油剤には、本発明の効果を損なわない範囲で防腐剤、抗菌剤等の添加剤を加えても良いが、良好な親水性を得るためには、親水性油剤を80質量%以上含んでいることが好ましい。
水溶性ポリウレタンとは、水溶性のポリウレタンを意味する。ポリウレタンとは、分子中にウレタン結合(−NH−COO−)を有する分子を意味する。ここでいうところの水溶性とは、水に可溶である性質を意味する。
水溶性ポリウレタンの例としては、水への溶解速度が5分以内のものであることが好ましい。水への溶解速度の測定は、例えば、一定厚みと面積のフィルム状物の水に試料を接触させ撹拌し(撹拌条件:直径100mmの円柱型1000mlビーカーに400mlの水を用意し、厚み0.05mm、縦30mm×横30mmのフィルム状物を投入し、200回転/分の速度で撹拌する)、フィルム状物が消滅するまでの時間から得ることができる。
水溶性ポリウレタンは、分子鎖中にポリアルキレングリコールユニットを含有することが好ましい。ポリアルキレングリコールユニットとは、エチレングリコールをはじめとするアルキレングリコールの繰り返し単位を意味し分子鎖中におけるポリアルキレングリコールユニットの含有量は、30〜95質量%であることが好ましい。ポリアルキレングリコールユニットの含有量はNMRやIRなどの既存の高分子分析手法を用いて決定される。
本発明で用いられる親水性油剤の市販品としては、吉村油化学(株)製“テキサノール”(登録商標)PE−10F(主成分:水溶性ポリウレタン)が挙げられる。
本発明の抄紙用ポリフェニレンサルファイド繊維は短繊維として用いられる。その短繊維の繊維長は、1〜15mmであり、好ましくは1〜7mmである。繊維長を1mm以上とすることにより、繊維同士の絡合力が増し、湿式不織布の強度を高くすることができる。また、繊維長を15mm以下とすることにより、繊維同士が絡合して塊状のダマになることを回避し、目付ムラ等が生じることを防ぐことができる。繊維束を短繊維とする方法としては、例えば、ECカッターやギロチンカッター等を用いてカットし単繊維を得ることができる。
以上のようにして、本発明によると、水分散性が良好な不織布用PPS繊維を得ることができる。
主な抄紙の製造方法として、本発明の抄紙用PPS繊維を水に分散させた抄紙原液を抄紙する。このような方法は、一般に湿式抄紙法と呼ぶが、本発明においては湿式抄紙法とすることによりPPS繊維の均一な分散が可能となる。一方で、水への分散を行なわない乾式抄紙法においては、PPS繊維を均一な分散状態とすることが困難なため、均一な紙を得ることが困難である。
抄紙原液の調製手順としては、抄紙用PPS繊維を水に分散させた液を調整する。水分散させる方法としては、例えば、ナイアガラビーター、リファイナーおよびパルパーなど、各種ブレンダー、ラボ用粉砕器やバイオミキサー、PFI叩解機、撹拌子、撹拌翼など各種撹拌機、および叩解機を用いることができる。
抄造工程としては、連続工程では丸網抄紙機や長網抄紙機、バッチ工程ではシートマシンなどを使った公知の湿式抄造技術が好ましく用いられる。
本発明においては、抄紙して得られた紙を、平板プレスやカレンダープレスなどの熱プレスによりPPS繊維紙を得ることができ、連続で処理可能なカレンダープレスがより好ましく用いられる。熱プレス温度は、200℃以上285℃未満が好ましい。200℃以上の温度でのプレスによりPPS繊維間の接着強度向上が可能である。また、PPSの融点は一般的に285℃程度であり、温度を融点近傍まで上げることにより、PPS繊維の部分的な融解が始まるため融点近傍では紙の強度劣化が起きる。このため、紙の強度向上の目的でプレス温度のより好ましい範囲としては220℃以上250℃以下である。
平板プレスの際のプレス時間としては、紙面全体に熱を伝え変形を可能とし、紙の熱劣化を避けるため、平板プレスの場合は好ましくは1分間以上30分未満、より好ましくは3分以上10分未満である。また、カレンダープレスの際のプレス回数は、同様の理由から2回以上10回未満が好ましい。平板プレスにおけるプレス圧力は、0.1MPa以上100MPa以下の範囲が好ましい。特に、電気絶縁紙用途やプリント回路基板用途など高密度の紙が要求される際には、1MPa以上100MPa以下でのプレスが好ましい。
カレンダープレスの際のプレス速度は、生産性の面から1m/min以上、ロール上での紙の加熱時間を十分とる目的で100m/min以下の範囲が好ましい。カレンダープレスにおけるプレス圧力は、0.01kN/cm以上10kN/cm以下が好ましい。
得られたPPS繊維は、各種フィルター、電気絶縁体、抄紙カンバスおよび電池セパレーター等の抄紙に代表される不織布として好適に用いられる。
次に、実施例を用いて本発明の抄紙用ポリフェニレンサルファイド繊維について詳細に説明する。本発明で用いる各特性値は、次の方法で求められる。
[メルトフローレート値]
JIS K7210(1999年)に準じて、温度315.5℃、荷重5000gの条件でメルトフローレート値を測定する。
[単繊維繊度と繊維長]
JIS L 1015(2010年)に準じて測定する。
[捲縮数]
JIS L1015(2010年)に示される方法を基に捲縮数(個/25mm)を測定した。紙片上に、空間距離に対して25±5%の緩みをもたせて両端を接着剤ではり付け固着させた。この試料を1本ずつ、捲縮試験機のつかみに取り付け、紙片を切断した後、試料に初荷重1.8mg×繊度(dtex)をかけたときの、つかみ間の距離(空間距離)(mm)を読み、そのときの捲縮数を数え、25mm間当たりの捲縮数を求め20回の平均値を算出した。
[水分散性]
約1リットルの水に約1gのPPS短繊維試料(繊維長6mm)を投入した後、ミキサー(オスター製オスターブレンダーOB−1)に投入し、13600rpmで撹拌する。15秒間の撹拌後における繊維の分散状態を目視で観察した。この攪拌処理・観察を2回行い、次の基準で判定する。
・良好:2回の攪拌処理・観察のうち2回とも、繊維束は完全に無くなり、単繊維に分散した状態である。
・不良:2回の攪拌処理・観察のうち少なくとも1回、繊維束が残った状態である。
(実施例1〜4)
メルトフローレート値が165g/10分の粉粒体状のポリフェニレンサルファイド(東レ株式会社製E2280)を通常の方法で溶融し、紡糸速度1200m/分で紡糸し引き取り、未延伸糸を得た。この未延伸糸を、温度95℃の温水浴中を通過させて2.8倍に延伸して延伸糸となし、更に、分散剤として親水性油剤の“テキサノール”(登録商標)PE−10F(吉村油化学(株)製、主成分:水溶性ポリウレタン)の濃度を4質量%に調整したものを付着量0.2質量%となるように延伸糸に付与し、捲縮付与後これを乾燥し、単繊維繊度が1.0dtexの延伸PPS繊維を製造した。得られた延伸PPS繊維について、および繊維間の接着状態を測定した。また、延伸PPS繊維を、長さ6mmに切断して短繊維とし水分散性を評価した。得られた延伸PPS繊維は、水分散性が良好であり、抄紙用バインダー繊維に適したものであった。その結果を表1に示す。
(実施例5)
温水浴を使用せず(延伸せず)に未延伸糸を得るために条件変更したこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度3.0dtexの未延伸PPS繊維を製造し、実施例1と同様にして、評価した。得られたPPS繊維は、水分散性が良好であり、抄紙用PPSバインダー繊維に適したものであった。その結果を表1に示す。
(実施例6)
単繊維長さを10mmとなるよう条件変更したこと以外は、実施例1と同様にしてPPS繊維を製造し、実施例1と同様にして評価した。得られたPPS繊維は水分散性が良好であり、抄紙用PPSバインダー繊維に適したものであった。その結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1において、“テキサノール”の濃度を3.2質量%とし、ポリオキシアルキレンエーテル0.8質量%とともに、付着量0.2質量%となるように延伸糸に付与し、使用した以外は、実施例1と同様にして、PPS繊維を製造し、実施例1と同様にして、評価した。得られたPPS繊維は、水分散性が良好であり、抄紙用PPSバインダー繊維に適したものであった。その結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1において、“テキサノール”に変えて、ポリオキシアルキレンエーテル、濃度4質量%を用い、付着量0.2質量%となるように延伸糸に付与し、使用した以外は、実施例1と同様にして、PPS繊維を製造し、実施例1と同様にして、評価した。得られたPPS繊維は、水分散性が良好であり、抄紙用PPSバインダー繊維に適したものであった。その結果を表1に示す。
Figure 0006206040
(比較例1)
捲縮数の目標値を15山/25mmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度1.0dtexの延伸PPS繊維を製造し、実施例1と同様にして、評価した。得られた延伸PPS繊維は、分散性が悪く、抄紙用繊維に不適なものとなった。その結果を表2に示す。
(比較例2)
延伸糸に捲縮付与せずにストレートと変更したこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度1.0dtexの延伸PPS繊維を製造し、実施例1と同様にして、評価した。得られた延伸PPS繊維は、分散性が悪く、抄紙用繊維に不適なものとなった。その結果を表2に示す。
(比較例3)
“テキサノール”に変えて、疎水性油剤(紡績用油剤)として特開2001−81665号公報の実施例1記載の油剤(主成分:ステアリルホスフェートカリウム、疎水性)を0.2質量%付与したこと以外は、実施例1と同様にしてPPS繊維を製造し、評価した。得られたPPS繊維は、水分散性が悪く、抄紙用繊維に不適なものとなった。その結果を表2に示す。
Figure 0006206040

Claims (4)

  1. ポリフェニレンサルファイドが90質量%以上の成分からなる繊維であり、前記繊維の単繊維繊度が0.5〜8dtex、繊維長が1〜15mm、捲縮数が2〜10山/25mmであり、かつ水溶性ポリウレタンを80質量%以上含む親水性油剤が繊維表面に付与されており、前記親水性油剤が前記繊維に対して0.05〜1.0質量%付与されてなることを特徴とする不織布用ポリフェニレンサルファイド繊維。
  2. 該親水性油剤が水溶性ポリウレタン100質量%であることを特徴とする請求項1記載の不織布用ポリフェニレンサルファイド繊維。
  3. 前記不織布が、抄紙であることを特徴とする請求項1または2に記載の不織布用ポリフェニレンサルファイド繊維。
  4. 請求項1に記載の繊維を用いた不織布。
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