JPWO2018124023A1 - 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
Description
以下に本発明を詳述する。
また、被着体を貼り合わせた際の接着性の観点から、上記硬化物の25℃における貯蔵弾性率の好ましい下限は1MPa、より好ましい下限は0.01GPa、更に好ましい下限は1.1GPaである。
なお、上記貯蔵弾性率、及び、後述する損失弾性率を測定する硬化物としては、シール剤にメタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線(波長365nm)を30秒照射した後、120℃で1時間加熱して硬化させたものが用いられる。また、該硬化物は、液晶表示素子中においては基板等の貼り合わせや封止に用いられているシール剤硬化物を意味する。
また、上記貯蔵弾性率及び後述する損失弾性率は、動的粘弾性測定装置(例えば、IT計測制御社製、「DVA−200」等)を用いて、引張りモード 、試験片幅5mm、厚み0.35mm、掴み幅25mm、昇温速度10℃/分、周波数10Hzの条件で測定することができる。
本発明の液晶表示素子用シール剤において、硬化物の25℃における貯蔵弾性率を2.0GPa以下とし、かつ、硬化物の25℃における損失弾性率を0.1GPa以上1.0GPa以下とする方法としては、上記硬化性樹脂として重合性官能基とゴム構造とを有する化合物を用いる方法や、シール剤にゴム粒子を配合する方法等が挙げられる。なかでも、上記重合性官能基とゴム構造とを有する化合物を用いる方法が好適である。
なお、本明細書においてゴム構造を有する化合物は、生ゴムに硫黄を加えた加硫ゴム、付加重合により得られ分子主鎖内に二重結合を有する合成ゴム、又は、ポリメチルシロキサンに過酸化物を用いて架橋させたシリコーンゴム等、ゴム弾性を有する化合物を意味する。上記ゴム構造を有する化合物は、貯蔵弾性率が低くて変形が容易である一方、高い内部応力を持つために形状が復元されやすいのが特徴であり、硬化性樹脂中に上記ゴム構造を有する化合物を適量配合することにより、貯蔵弾性率と損失弾性率を個別に調節することが可能となる。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
上記主鎖に不飽和結合を有する構造としては、例えば、主鎖に共役ジエンの重合による骨格を有する構造等が挙げられる。
上記共役ジエンの重合による骨格としては、例えば、ポリブタジエン骨格、ポリイソプレン骨格、スチレン−ブタジエン骨格、ポリイソブチレン骨格、ポリクロロプレン骨格等が挙げられる。なかでも、上記ゴム構造は、ポリブタジエン骨格、ポリイソプレン骨格、又は、ポリシロキサン骨格を有する構造であることがより好ましい。
なお、本明細書において上記「分子量」は、分子構造が特定される化合物については、構造式から求められる分子量であるが、重合度の分布が広い化合物及び変性部位が不特定な化合物については、重量平均分子量を用いて表す場合がある。また、上記「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリル化合物」とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味する。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER806、jER4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールE型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、R710(プリンテック社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER YX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鉄住金化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ化合物のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鉄住金化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、jER1031、jER1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記ダイセル・オルネクス社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3708、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYL RDX63182等が挙げられる。
上記新中村化学工業社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020等が挙げられる。
上記共栄社化学社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA等が挙げられる。
上記ナガセケムテックス社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911等が挙げられる。
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
上記ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記二価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記三価のアルコールとしては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシアクリレート等が挙げられる。
上記東亞合成社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600等が挙げられる。
上記ダイセル・オルネクス社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、EBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL1290、EBECRYL2220、EBECRYL4827、EBECRYL4842、EBECRYL4858、EBECRYL5129、EBECRYL6700、EBECRYL8402、EBECRYL8803、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260等が挙げられる。
上記根上工業社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、アートレジンUN−330、アートレジンSH−500B、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−9000H等が挙げられる。
上記新中村化学工業社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、U−2HA、U−2PHA、U−3HA、U−4HA、U−6H、U−6HA、U−6LPA、U−10H、U−15HA、U−108、U−108A、U−122A、U−122P、U−324A、U−340A、U−340P、U−1084A、U−2061BA、UA−340P、UA−4000、UA−4100、UA−4200、UA−4400、UA−5201P、UA−7100、UA−7200、UA−W2A等が挙げられる。
上記共栄社化学社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、AH−600、AI−600、AT−600、UA−101I、UA−101T、UA−306H、UA−306I、UA−306T等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記ゴム粒子の平均粒子径は、シール剤に配合する前の粒子については、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することにより得られる値を意味する。上記レーザー回折式粒度分布測定装置としては、マスターサイザー2000(マルバーン社製)等を用いることができる。また、上記ゴム粒子の平均粒子径は、シール剤に含まれる粒子については、走査型電子顕微鏡を用いて、10000倍の倍率で観察した10個の粒子の粒子径の平均値を意味する。上記走査型電子顕微鏡としては、電界放出形走査電子顕微鏡S−4800(日立ハイテクノロジーズ社製)等を用いることができる。
上記重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤等が挙げられる。
上記BASF社製の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、IRGACURE 184、IRGACURE 369、IRGACURE 379、IRGACURE 651、IRGACURE 819、IRGACURE 907、IRGACURE 2959、IRGACURE OXE01、ルシリンTPO等が挙げられる。
上記東京化成工業社製の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。
これらの光ラジカル重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
なお、本明細書において高分子アゾ化合物とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイルオキシ基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ化合物としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。
上記高分子アゾ化合物としては、具体的には例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
上記高分子アゾ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
また、高分子ではないアゾ化合物として市販されているものとしては、例えば、V−65、V−501(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等が挙げられる。
上記固形の有機酸ヒドラジドのうち市販されているものとしては、例えば、大塚化学社製の有機酸ヒドラジド、日本ファインケム社製の有機酸ヒドラジド、味の素ファインテクノ社製の有機酸ヒドラジド等が挙げられる。
上記大塚化学社製の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、SDH、ADH等が挙げられる。
上記日本ファインケム社製の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、MDH等が挙げられる。
上記味の素ファインテクノ社製の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、アミキュアVDH、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH等が挙げられる。
上記無機充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、ガラスビーズ、石綿、石膏、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、セリサイト、活性白土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、硫酸バリウム、珪酸カルシウム等が挙げられる。
上記有機充填剤としては、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。
上記シランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。
また、遮光剤として上記チタンブラックを含有する本発明の液晶表示素子用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
上記三菱マテリアル社製のチタンブラックとしては、例えば、12S、13M、13M−C、13R−N、14M−C等が挙げられる。
上記赤穂化成社製のチタンブラックとしては、例えば、ティラックD等が挙げられる。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
なお、上記遮光剤の一次粒子径は、粒度分布計(例えば、PARTICLE SIZING SYSTEMS社製、「NICOMP 380ZLS」)を用いて測定することができる。
液晶滴下工法によって本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、例えば、以下の方法等が挙げられる。
まず、基板に本発明の液晶表示素子用シール剤等をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により長方形状のシールパターンを形成する工程を行う。次いで、本発明の液晶表示素子用シール剤等が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに別の基板を重ね合わせる工程を行う。その後、本発明の液晶表示素子用シール剤等のシールパターン部分に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を行う方法により、液晶表示素子を得ることができる。
上記フレキシブル基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリイミド等を用いたプラスチック製基板が挙げられる。また、本発明の液晶表示素子用シール剤は、通常のガラス基板を接着する際に用いられてもよい。
上記基板には、通常、酸化インジウム等からなる透明電極、ポリイミド等からなる配向膜、無機質イオン遮蔽膜等が形成される。
反応フラスコに末端アミノ基含有ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(宇部興産社製、「ATBN 1300X16」)15重量部と、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、「EBECRYL3700」)60重量部とを入れた。次いで、反応フラスコ内の混合物を120℃で3時間撹拌して反応させることにより、重合性官能基とゴム構造とを有する化合物として末端アミノ基含有ブタジエン−アクリロニトリル(ATBN)変性エポキシアクリレートを得た。
反応フラスコに末端カルボキシル基含有ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(宇部興産社製、「CTBN1300X8」)3550重量部と、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成社製)400重量部と、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール10重量部と、反応触媒としてトリエチルアミン10重量部とを入れた。次いで、反応フラスコ内に空気を送り込みながら110℃で5時間還流撹拌して反応フラスコ内の混合物を反応させることにより、重合性官能基とゴム構造とを有する化合物として末端カルボキシル基含有ブタジエン−アクリロニトリル(CTBN)変性エポキシアクリレートを得た。
反応フラスコにアクリル酸72重量部と、ビスフェノールFジグリシジルエーテル312重量部と、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.3重量部と、反応触媒としてトリエチルアミン0.3重量部とを入れた。次いで、マントルヒーターで90℃に加熱しながら5時間撹拌して反応フラスコ内の混合物を反応させることにより、部分アクリル変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂を得た。
表1、2に記載された配合比の各材料を、遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより、実施例1〜10、及び、比較例1〜4の各液晶表示素子用シール剤を調製した。
得られた各液晶表示素子用シール剤について、メタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線(波長365nm)を30秒照射した後、120℃で1時間加熱して硬化物を得た。得られた硬化物について、動的粘弾性測定装置(IT計測制御社製、「DVA−200」)を用いて、試験片幅5mm、厚み0.35mm、掴み幅25mm、昇温速度10℃/分周波数10Hzの条件で貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定した。各硬化物の25℃における貯蔵弾性率及び損失弾性率を表1、2に示した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤にメタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線(波長365nm)を30秒照射した後、120℃で1時間加熱して厚さ300μmのフィルムを作製し、試験片とした。得られた各試験片を直径30mmのSUS製の棒に巻きつけ、粘着テープ(積水化学工業社製、「布テープ601S」)で固定した際の各試験片の状態を目視にて観察した。
その結果、試験片と粘着テープとの剥がれが確認されなかった場合を「○」、試験片には剥がれが確認されたものの粘着テープは部分的に固定されていた場合を「△」、試験片にも粘着テープにも剥がれが確認された場合を「×」として評価した。本試験においては、試験片の変形が容易である方が良いことから、貯蔵弾性率が低い方が有利となる。
上記「(片側屈曲試験)」と同様にして作製した試験片5枚について、試験片の長辺の約10倍の直径を有するロールの円弧に沿って90度屈曲させた後平坦状に戻し、次に反対方向に90度屈曲させた後平坦状に戻す操作を毎分20回の速度で10分間行った後、各試験片の状態を目視にて観察した。
その結果、5枚全ての試験片に変形が確認されなかった場合を「○」、1枚以上3枚以下の試験片に変形が確認された場合を「△」、4枚以上の試験片に変形が確認された場合を「×」として評価した。本試験においては、試験片に塑性変形が生じないようにする必要があることから、損失弾性率が低い方が有利となる。
上記「(片側屈曲試験)」と同様にして作製した試験片5枚について、各試験片を床上に設置し、各試験片に50cmの高さから100gの分銅を落下させた後、各試験片の状態を目視にて観察した。
その結果、5枚全ての試験片にひびや割れが確認されなかった場合を「○」、1枚以上3枚以下の試験片にひびや割れが確認された場合を「△」、4枚以上の試験片にひびや割れが確認された場合を「×」として評価した。本試験においては、試験片の変形が容易であり、かつ、変形後は形状が復元される必要があることから、貯蔵弾性率が低く、かつ、損失弾性率が高い方が有利となる。
Claims (11)
- 硬化性樹脂と重合開始剤及び/又は熱硬化剤とを含有する液晶表示素子用シール剤であって、
硬化物の25℃における貯蔵弾性率が2.0GPa以下であり、かつ、硬化物の25℃における損失弾性率が0.1GPa以上1.0GPa以下である
ことを特徴とする液晶表示素子用シール剤。 - 前記硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.1GPa以上1.5GPa以下であり、かつ、前記硬化物の25℃における損失弾性率が0.2GPa以上0.3GPa以下であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記硬化性樹脂は、重合性官能基とゴム構造とを有する化合物を含有する請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記ゴム構造は、主鎖に不飽和結合を有する構造、又は、主鎖にポリシロキサン骨格を有する構造である請求項3記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記硬化性樹脂全体100重量部中における前記重合性官能基とゴム構造とを有する化合物の含有量が20重量部以上75重量部以下である請求項3又は4記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記硬化性樹脂全体100重量部中における前記重合性官能基とゴム構造とを有する化合物の含有量が51重量部以上70重量部以下である請求項5記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記硬化性樹脂は、エポキシ(メタ)アクリレートを含有する請求項1、2、3、4、5又は6記載の液晶表示素子用シール剤。
- ゴム粒子を含有する請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記ゴム粒子は、シリコーンゴム粒子、ブタジエンゴム粒子、及び、イソプレンゴム粒子からなる群より選択される少なくとも1種である請求項8記載の液晶表示素子用シール剤。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8若しくは9記載の液晶表示素子用シール剤又は請求項10記載の上下導通材料を用いてなる液晶表示素子。
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