JP6574704B2 - 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Description
以下に本発明を詳述する。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを意味する。
上記単官能のエポキシ化合物としては、例えば、ブチルグリシジルエーテル(例えば、DY−BP(四日市合成社製))、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(例えば、エポゴーセー2EH(四日市合成社製))、アリルグリシジルエーテル(例えば、EX−101(ナガセケムテックス社製))、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(例えば、EX−121(ナガセケムテックス社製))、EO変性フェノールグリシジルエーテル(例えば、EX−145(ナガセケムテックス社製))、EO変性ラウリルアルコールグリシジルエーテル(例えば、EX−171(ナガセケムテックス社製))、フェニルグリシジルエーテル(例えば、EX−141(ナガセケムテックス社製))、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル(例えば、EX−146(ナガセケムテックス社製))、ジブロモフェニルグリシジルエーテル(例えば、EX−147(ナガセケムテックス社製))等が挙げられる。
また、上記単官能のエポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、エポキシエステル M−600A(共栄社化学社製)等が挙げられる。
上記重合性化合物(a)の含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は40重量部である。
上記重合性化合物(b)は、上記重合性官能基を1分子中に2個以上有する多官能重合性化合物であることが好ましい。
上記重合性化合物(b)の分子量の好ましい下限は800、好ましい上限は2000である。上記重合性化合物(b)の分子量がこの範囲にあることにより、得られる液晶表示素子用シール剤が柔軟性と透湿性とにより優れるものとなる。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤等が挙げられる。
なお、本明細書において高分子アゾ開始剤とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイルオキシ基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられ、具体的には例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
また、高分子ではないアゾ化合物の例としては、V−65、V−501(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等が挙げられる。
なお、液晶表示素子のセルギャップは、表示素子により異なるため限定されないが、一般的な液晶表示素子のセルギャップは、2μm〜10μmである。
また、上記柔軟粒子の最大粒子径の好ましい上限は20μmである。上記柔軟粒子の最大粒子径が20μmを超えると、スプリングバックを起こし、得られる液晶表示素子用シール剤が接着性に劣るものとなったり、得られる液晶表示素子にギャップ不良が生じたりすることがある。上記柔軟粒子の最大粒子径のより好ましい上限は15μmである。
更に、上記柔軟粒子の最大粒子径は、セルギャップの2.6倍以下であることが好ましい。上記柔軟粒子の最大粒子径がセルギャップの2.6倍を超えると、スプリングバックを起こし、得られる液晶表示素子用シール剤が接着性に劣るものとなったり、得られる液晶表示素子にギャップ不良が生じたりすることがある。上記柔軟粒子の最大粒子径のより好ましい上限はセルギャップの2.2倍、更に好ましい上限はセルギャップの1.7倍である。
なお、本明細書において、上記柔軟粒子の最大粒子径及び後述する平均粒子径は、シール剤に配合する前の粒子について、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することにより得られる値を意味する。上記レーザー回折式分布測定装置としては、マスターサイザー2000(マルバーン社製)等を用いることができる。
なお、本明細書において粒子径のCV値とは、下記式により求められる数値のことである。
粒子径のCV値(%)=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100
上記柔軟粒子を分級する方法としては、例えば、湿式分級、乾式分級等の方法が挙げられる。なかでも、湿式分級が好ましく、湿式篩分級がより好ましい。
上記シリコーン系粒子のうち市販されているものとしては、例えば、KMP−594、KMP−597、KMP−598、KMP−600、KMP−601、KMP−602(信越シリコーン社製)、トレフィルE−506S、EP−9215(東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられ、これらを分級して用いることができる。上記シリコーン系粒子は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記(メタ)アクリル粒子は、原料となる単量体を公知の方法により重合させることで得ることができる。具体的には例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で単量体を懸濁重合する方法、ラジカル重合開始剤の存在下で非架橋の種粒子に単量体を吸収させることにより種粒子を膨潤させてシード重合する方法等が挙げられる。
なお、本明細書において上記柔軟粒子の硬度は、JIS K 6253に準拠した方法により測定されるデュロメータA硬さを意味する。
上記シランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。
また、遮光剤として上記チタンブラックを含有する本発明の液晶表示素子用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
なお、本明細書において上記「ガラス転移温度」は、動的粘弾性測定により得られる損失正接(tanδ)の極大のうち、ミクロブラウン運動に起因する極大が現れる温度を意味する。上記ガラス転移温度は、粘弾性測定装置等を用いた従来公知の方法により測定することができる。
液晶滴下工法によって本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、具体的には例えば、基板に本発明の液晶表示素子用シール剤等をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により長方形状のシールパターンを形成する工程、本発明の液晶表示素子用シール剤等が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに別の基板を重ね合わせる工程、及び、本発明の液晶表示素子用シール剤等のシールパターン部分に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を有する方法等が挙げられる。
上記フレキシブル基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン等を用いたプラスチック製基板が挙げられる。また、本発明の液晶表示素子用シール剤は、通常のガラス基板を接着する際に用いられてもよい。
上記基板には、通常、酸化インジウム等からなる透明電極、ポリイミド等からなる配向膜、無機質イオン遮蔽膜等が形成される。
重合性化合物(a)として2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(共栄社化学社製、「エポキシエステル M−600A」)20重量部、重合性化合物(b)としてカプロラクトン変性ビスフェノールA型エポキシアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、「EBECRYL3708」)50重量部、重合性化合物(c)として部分アクリル変性ビスフェノールE型エポキシ樹脂(ダイセル・オルネクス社製、「KRM8287」)30重量部、光ラジカル重合開始剤として1−(4−(フェニルチオ)フェニル)−1,2−オクタンジオン2−(O−ベンゾイルオキシム)(BASF社製、「IRGACURE OXE01」)2重量部、熱硬化剤としてマロン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「MDH」)10重量部、充填剤としてシリカ(アドマテックス社製、「アドマファインSO−C2」)20重量部、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、「KBM−403」)2重量部、及び、応力緩和剤としてコアシェルアクリレート共重合体微粒子(ゼオン化成社製、「F351」)15重量部を、遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより、液晶表示素子用シール剤を調製した。
表1、2に記載された配合比の各材料を、実施例1と同様にして撹拌混合することにより、実施例2〜14、及び、比較例1〜3の液晶表示素子用シール剤を調製した。
実施例及び比較例で得られた液晶表示素子用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤について、製造直後の初期粘度と、25℃で1週間保管したときの粘度とを測定し、(25℃、1週間保管後の粘度)/(初期粘度)を粘度変化率とし、粘度変化率が1.1未満であった場合を「○」、1.1以上2.0未満であった場合を「△」、2.0以上であった場合を「×」として保存安定性を評価した。
なお、シール剤の粘度は、E型粘度計(BROOK FIELD社製、「DV−III」)を用い、25℃において回転速度1.0rpmの条件で測定した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤にメタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射し、更に、120℃で1時間加熱してシール剤を完全に硬化させ、厚さ300μmのフィルムを作製し、試験片とした。得られた試験片について、動的粘弾性測定装置(IT計測制御社製、「DVA−200」)を用いて、−80〜200℃、10Hzにおいて動的粘弾性を測定し、損失正接(tanδ)の極大値の温度をガラス転移温度として求めた。
得られた液晶表示素子用シール剤を極微量、20mm×50mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(リンテック社製、「PET5011」)の中央部に取り、その上に同じ大きさのPET5011を重ね合わせて液晶表示素子用シール剤を押し広げた。その状態でメタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射し、更に、120℃で1時間加熱して接着試験片を作製した。得られた接着試験片の接着強度を、EZgraph(島津製作所社製)を用いて測定した。また、PET5011に代えてガラス基板を用い、同様にして接着試験片を作製し、接着強度を測定した。
接着強度が1N/cm以上であったものを「○」、接着強度が0.5N/cm以上1N/cm未満であったものを「△」、接着強度が0.5N/cm未満であったものを「×」としてPETフィルムに対する接着性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤100重量部にスペーサー微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI−H050」)1重量部を分散させ、液晶表示素子用シール剤として、2枚のラビング済み配向膜及び透明電極付き基板の一方にシール剤の線幅が1mmになるようにディスペンサーで塗布した。
続いて液晶(チッソ社製、「JC−5004LA」)の微小滴を透明電極付き基板のシール剤の枠内全面に滴下塗布し、すぐにもう一方の透明電極付きカラーフィルター基板を貼り合わせ、シール剤部分にメタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射し、更に、120℃で1時間加熱して液晶表示素子を得た。
得られた液晶表示素子について、100時間動作試験を行った後、80℃で1000時間電圧印加状態とした後のシール剤付近の液晶配向乱れを目視によって確認した。
配向乱れは表示部の色むらにより判断しており、色むらの程度に応じて、色むらが全くなかった場合を「◎」、色むらが微かにあった場合を「○」、色むらが少しあった場合を「△」、色むらがかなりあった場合を「×」として液晶汚染性を評価した。
なお、評価が「◎」、「○」の液晶表示素子は、実用に全く問題のないレベルであり、「△」は液晶表示素子の表示設計によって問題になる可能性があるレベルであり、「×」は実用に耐えないレベルである。
Claims (6)
- 1分子中に1個の重合性官能基と1個以上の水素結合性官能基とを有する重合性化合物(a)、1分子中に1個以上の重合性官能基とラクトンの開環構造及び/又はアクリロニトリル−ブタジエン構造とを有する重合性化合物(b)、並びに、重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有することを特徴とする液晶表示素子用シール剤。
- 更に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基とを有する重合性化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。
- 柔軟粒子を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤。
- 遮光剤を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶表示素子用シール剤。
- 請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2、3若しくは4記載の液晶表示素子用シール剤又は請求項5記載の上下導通材料を有することを特徴とする液晶表示素子。
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