JP6114892B1 - 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

本発明は、接着性及び透湿防止性に優れる液晶表示素子用シール剤を提供する。また、本発明は、該液晶表示素子用シール剤を用いてなる上下導通材料及び液晶表示素子を提供することを目的とする。本発明は、硬化性樹脂と重合開始剤及び/又は熱硬化剤とを含有する液晶表示素子用シール剤であって、硬化物の25℃における貯蔵弾性率が0.8〜3.0GPaである液晶表示素子用シール剤である。

Description

本発明は、接着性及び透湿防止性に優れる液晶表示素子用シール剤に関する。また、本発明は、該液晶表示素子用シール剤を用いてなる上下導通材料及び液晶表示素子に関する。
近年、液晶表示素子の製造方法としては、タクトタイム短縮、使用液晶量の最適化といった観点から、特許文献1、特許文献2に開示されているような、硬化性樹脂と光重合開始剤と熱硬化剤とを含有する光熱併用硬化型のシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式が用いられている。
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ね合わせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うことで極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
タブレット端末や携帯端末の普及に伴い、液晶表示素子には衝撃試験、落下試験等に対する耐久性がますます要求されており、基板との接着性がますます要求されている。またパネルの狭額縁化に伴い、高温高湿環境下での駆動等における耐湿信頼性が求められており、シール剤には外部からの水の浸入を防止する性能が一層求められている。液晶表示素子の耐衝撃性、耐湿信頼性を向上させるためには、シール剤と基板等との接着性を向上させ、かつ、シール剤の硬化物の透湿性を低くする必要がある。しかしながら、接着性と透湿防止性との両方に優れるシール剤を作製することは困難であった。
特開2001−133794号公報 特開平5−295087号公報
本発明は、接着性及び透湿防止性に優れる液晶表示素子用シール剤に関する。また、本発明は、該液晶表示素子用シール剤を用いてなる上下導通材料及び液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、硬化性樹脂と重合開始剤及び/又は熱硬化剤とを含有する液晶表示素子用シール剤であって、硬化物の25℃における貯蔵弾性率が0.8〜3.0GPaであり、かつ、硬化物の60℃における貯蔵弾性率が0.04GPa以上である液晶表示素子用シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、硬化物の25℃における貯蔵弾性率を特定の範囲となるようにすることにより、接着性と透湿防止性との両方に優れる液晶表示素子用シール剤が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、硬化物の25℃における貯蔵弾性率の下限が0.8GPa、上限が3.0GPaである。上記硬化物の25℃における貯蔵弾性率がこの範囲であることにより、本発明の液晶表示素子用シール剤は、接着性と透湿防止性との両方に優れるものとなる。上記硬化物の25℃における貯蔵弾性率の好ましい下限は1.0GPa、好ましい上限は2.8GPa、より好ましい下限は1.2GPa、より好ましい上限は2.6GPaである。
なお、上記25℃における貯蔵弾性率、及び、後述する60℃における貯蔵弾性率を測定する硬化物としては、シール剤にメタルハライドランプを用いて100mW/cmの紫外線(波長365nm)を30秒照射した後、120℃で1時間加熱して硬化させたものが用いられる。
また、上記貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置(例えば、IT計測制御社製、「DVA−200」等)を用いて、各測定温度において、試験片幅5mm、厚み0.35mm、掴み幅25mm、昇温速度10℃/分、周波数10Hzの条件で測定することができる。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、硬化物の60℃における貯蔵弾性率の好ましい下限が0.04GPaである。上記硬化物の60℃における貯蔵弾性率が0.04GPa以上であることにより、本発明の液晶表示素子用シール剤は、透湿防止性により優れるものとなる。上記硬化物の60℃における貯蔵弾性率のより好ましい下限は0.1GPaである。
また、接着性の観点から、上記硬化物の60℃における貯蔵弾性率の好ましい上限は2.5GPaである。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、硬化性樹脂と重合開始剤及び/又は熱硬化剤とを含有する。
本発明の液晶表示素子用シール剤において、上記硬化物の25℃における貯蔵弾性率を0.8〜3.0GPaとする方法としては、上記硬化性樹脂として、1分子中に1個以上の重合性官能基と1個以上のラクトンの開環構造及び/又は1個以上のアクリロニトリル−ブタジエン構造とを有する重合性化合物(以下、「重合性化合物(a)」ともいう)を含有するものを用いる方法が好適であり、上記重合性化合物(a)に加えて、1分子中に1個の重合性官能基を有し、かつ、ラクトンの開環構造及びアクリロニトリル−ブタジエン構造を有さない単官能重合性化合物(以下、「重合性化合物(b)」ともいう)を含有するものを用いる方法がより好適である。
上記重合性化合物(a)の有する重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
上記重合性化合物(a)は、上記重合性官能基を1分子中に2個以上有する多官能重合性化合物であることが好ましい。
上記重合性化合物(a)がラクトンの開環構造を有する場合、該ラクトンとしては、例えば、γ−ウンデカラクトン、ε−カプロラクトン、γ−デカラクトン、σ−ドデカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−ノナノラクトン、γ−バレロラクトン、σ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、σ−ヘキサノラクトン、7−ブチル−2−オキセパノン等が挙げられる。なかでも、開環したときに主骨格の直鎖部分の炭素数が5〜7となるものが好ましく、ε−カプロラクトンがより好ましい。上記重合性化合物(a)は、これらのうち、1種のラクトンの開環構造を有していてもよいし、2種以上のラクトンの開環構造を有していてもよい。
上記重合性化合物(a)がラクトンの開環構造を有する場合、該ラクトンの開環構造は、1分子中に1つのみであってもよいし、繰り返し構造となっていてもよい。ラクトンの開環構造が繰り返し構造となっている場合、繰り返し数の好ましい上限は5である。
上記重合性化合物(a)の分子量の好ましい下限は800、好ましい上限は4000である。上記重合性化合物(a)の分子量がこの範囲であることにより、得られる液晶表示素子用シール剤が柔軟性と透湿防止性とにより優れるものとなる。上記重合性化合物(a)の分子量のより好ましい上限は2000である。
なお、本明細書において上記「分子量」は、分子構造が特定される化合物については、構造式から求められる分子量であるが、重合度の分布が広い化合物及び変性部位が不特定な化合物については、重量平均分子量を用いて表す場合がある。また、上記「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記重合性化合物(a)のうち、ラクトンの開環構造を有するものとしては、後述するエポキシ(メタ)アクリレートの骨格中にラクトンの開環構造を導入したものが好ましい。上記エポキシ(メタ)アクリレートの骨格中にラクトンの開環構造を導入したものとしては、例えば、下記式(1)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006114892
式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは下記式(2−1)又は(2−2)で表される基を表し、Rは酸無水物由来の構造を表し、Rはエポキシ化合物由来の構造を表し、Xはラクトンの開環構造を表し、nは1〜5の整数を表し、aは1〜4の整数を表す。
Figure 0006114892
式(2−2)中、bは0〜8の整数を表し、cは0〜3の整数を表し、dは0〜8の整数を表し、eは0〜8の整数を表し、b、c、dのいずれか1つは1以上である。
上記重合性化合物(a)としては、具体的には例えば、カプロラクトン変性ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、末端カルボキシル基含有ポリブタジエン−アクリロニトリル(CTBN)変性エポキシ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性A型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記重合性化合物(a)は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記硬化性樹脂全体100重量部中における上記重合性化合物(a)の含有量の好ましい下限は5重量部、好ましい上限は80重量部である。上記重合性化合物(a)の含有量がこの範囲であることにより、硬化物の25℃における貯蔵弾性率を上述した範囲とすることが容易となる。上記重合性化合物(a)の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は60重量部である。
上記重合性化合物(b)の有する重合性官能基としては、上記重合性化合物(a)と同様のものが挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
上記重合性化合物(b)は、液晶汚染を抑制する観点から、水素結合性官能基を有することが好ましい。
上記水素結合性官能基としては、例えば、−OH基、−NH基、−NHR基(Rは、芳香族又は脂肪族炭化水素、及び、これらの誘導体を表す)、−COOH基、−CONH基、−NHOH基等の官能基や、分子内に存在する−NHCO−結合、−NH−結合、−CONHCO−結合、−NH−NH−結合等が挙げられる。なかでも、−OH基が好ましい。
上記重合性化合物(b)の分子量の好ましい下限は100、好ましい上限は2000である。上記重合性化合物(b)の分子量が100以上であることにより、液晶中へ溶出し難くなる。上記重合性化合物(b)の分子量が2000以下であることにより、得られる液晶表示素子用シール剤が塗布性により優れるものとなる。上記重合性化合物(b)の分子量のより好ましい下限は150、より好ましい上限は1000である。
上記重合性化合物(b)としては、具体的には例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(((ブチルアミノ)カルボニル)オキシ)エチル(メタ)アクリレート、脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート(例えば、EBECRYL112(ダイセル・オルネクス社製))、カプロラクトン(メタ)アクリレート(例えば、SR495(サートマー社製))、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート(例えば、SR604(サートマー社製))、カプロラクトン変性ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、KUA−C2I(ケーエスエム社製))、ポリカーボネート変性ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、KUA−PC2I(ケーエスエム社製))、ポリエーテル変性ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、KUA−PEA2I、KUA−PEB2I、KUA−PEC2I(いずれもケーエスエム社製))、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート(例えば、β―CEA(ダイセル・オルネクス社製))、カルボキシ(メタ)アクリレート(例えば、EBECRYL770(ダイセル・オルネクス社製))、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、単官能のエポキシ(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートがより好ましい。上記重合性化合物(b)は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを意味する。
上記単官能のエポキシ(メタ)アクリレートは、単官能のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを反応させること等により得られ、該単官能のエポキシ化合物に由来する構造と該(メタ)アクリル酸に由来する構造とを有する。
上記単官能のエポキシ化合物としては、例えば、ブチルグリシジルエーテル(例えば、DY−BP(四日市合成社製))、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(例えば、エポゴーセー2EH(四日市合成社製))、アリルグリシジルエーテル(例えば、EX−101(ナガセケムテックス社製))、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(例えば、EX−121(ナガセケムテックス社製))、EO変性フェノールグリシジルエーテル(例えば、EX−145(ナガセケムテックス社製))、EO変性ラウリルアルコールグリシジルエーテル(例えば、EX−171(ナガセケムテックス社製))、フェニルグリシジルエーテル(例えば、EX−141(ナガセケムテックス社製))、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル(例えば、EX−146(ナガセケムテックス社製))、ジブロモフェニルグリシジルエーテル(例えば、EX−147(ナガセケムテックス社製))等が挙げられる。
また、上記単官能のエポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、エポキシエステル M−600A(共栄社化学社製)等が挙げられる。
上記硬化性樹脂全体100重量部中における上記重合性化合物(b)の含有量の好ましい下限は1重量部、好ましい上限は30重量部である。上記重合性化合物(b)の含有量がこの範囲であることにより、硬化物の25℃における貯蔵弾性率を上述した範囲とすることが容易となる。上記重合性化合物(b)の含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は25重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、上記硬化性樹脂として、上記重合性化合物(a)及び上記重合性化合物(b)に加えて、(メタ)アクリロイル基とエポキシ基とを有する重合性化合物(以下、「重合性化合物(c)」ともいう)を含有することが好ましい。上記重合性化合物(c)を含有することにより、本発明の液晶表示素子用シール剤は、より接着性に優れるものとなる。
上記重合性化合物(c)としては、例えば、2以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得られる部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記重合性化合物(c)の原料となるエポキシ化合物としては、例えば、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノール型エポキシ化合物、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、スルフィド型エポキシ化合物、ジフェニルエーテル型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、オルトクレゾールノボラック型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、アルキルポリオール型エポキシ化合物、ゴム変性型エポキシ化合物、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記重合性化合物(c)のうち市販されているものとしては、例えば、KRM8287(ダイセル・オルネクス社製)が挙げられる。
上記重合性化合物(c)の含有量は、硬化性樹脂全体100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記重合性化合物(c)の含有量がこの範囲であることにより、液晶汚染の発生を抑制しつつ、接着性を向上させる効果をより発揮できる。上記重合性化合物(c)の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は40重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、本発明の目的を阻害しない範囲において、重合性化合物として、更に、その他の重合性化合物を含有してもよい。
上記その他の重合性化合物は、上記重合性化合物(a)、上記重合性化合物(b)、及び、上記重合性化合物(c)に含まれる以外の重合性化合物であり、例えば、多官能(メタ)アクリル化合物や多官能エポキシ化合物等が挙げられる。
上記その他の重合性化合物である多官能(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られる多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られる多官能エポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネート化合物に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち2官能のものとしては、ラクトンの開環構造及びアクリロニトリル−ブタジエン構造を有さないものが挙げられ、例えば、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち、3官能以上のものとしては、ラクトンの開環構造及びアクリロニトリル−ブタジエン構造を有さないものが挙げられ、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記多官能エポキシ(メタ)アクリレートとしては、2官能以上であり、かつ、ラクトンの開環構造やアクリロニトリル−ブタジエン構造を有さないものが挙げられ、例えば、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるもの等が挙げられる。
上記多官能エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ化合物としては、上記重合性化合物(c)の原料となるエポキシ化合物と同様のものが挙げられる。
上記多官能ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、2つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物1当量に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させること等によって得ることができる。
上記多官能ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記多官能ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネート化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール等のポリオールと過剰のイソシアネート化合物との反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記多官能ウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等や、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレートや、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレートや、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記その他の重合性化合物である多官能エポキシ化合物としては、上記重合性化合物(c)の原料となるエポキシ化合物と同様のものが挙げられる。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有する。
上記重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤としては、加熱によりラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤、光照射によりラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACURE OXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等からなるものが挙げられる。なかでも、高分子アゾ化合物からなる高分子アゾ開始剤が好ましい。
なお、本明細書において高分子アゾ開始剤とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイルオキシ基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量の好ましい下限は1000、好ましい上限は30万である。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量がこの範囲であることにより、液晶への悪影響を防止しつつ、硬化性樹脂へ容易に混合することができる。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量のより好ましい下限は5000、より好ましい上限は10万であり、更に好ましい下限は1万、更に好ましい上限は9万である。
なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記高分子アゾ開始剤としては、例えば、アゾ基を介してポリアルキレンオキサイドやポリジメチルシロキサン等のユニットが複数結合した構造を有するものが挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられ、具体的には例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
また、高分子ではないアゾ化合物の例としては、V−65、V−501(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記カチオン重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤を好適に用いることができる。上記光カチオン重合開始剤は、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、イオン性光酸発生タイプのものであってもよいし、非イオン性光酸発生タイプであってもよい。
上記光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−170(いずれもADEKA社製)等が挙げられる。
上記重合開始剤の含有量は、硬化性樹脂全体100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が30重量部である。上記重合開始剤の含有量が0.1重量部以上であることにより、得られる液晶表示素子用シール剤が硬化性により優れるものとなる。上記重合開始剤の含有量が30重量部以下であることにより、得られる液晶表示素子用シール剤が保存安定性により優れるものとなる。上記重合開始剤の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は10重量部であり、更に好ましい上限は5重量部である。
上記熱硬化剤としては、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記固形の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、SDH、MDH、ADH(大塚化学社製)、アミキュアVDH、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH(いずれも味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は、硬化性樹脂全体100重量部に対して、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が50重量部である。上記熱硬化剤の含有量が1重量部以上であることにより、得られる液晶表示素子用シール剤が熱硬化性により優れるものとなる。上記熱硬化剤の含有量が50重量部以下であることにより、得られる液晶表示素子用シール剤が塗布性により優れるものとなる。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい上限は30重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、柔軟粒子を含有することが好ましい。上記柔軟粒子は、液晶表示素子を製造する際に、他のシール剤成分と液晶との間の障壁となって、液晶がシール剤に差し込むこと、及び、シール剤が液晶へ溶出することを防止する役割を有する。
上記柔軟粒子は、最大粒子径が、液晶表示素子のセルギャップの100%以上であり、かつ、5〜20μmであることが好ましい。上記柔軟粒子は、最大粒子径がセルギャップの100%以上のものを用いることで、スプリングバックを起こし得るが、上記柔軟粒子の最大粒子径を20μm以下とすることにより、スプリングバックによるギャップ不良を引き起こすことなく液晶表示素子を作製できる。
なお、液晶表示素子のセルギャップは、表示素子により異なるため限定されないが、一般的な液晶表示素子のセルギャップは、2〜10μmである。
上記柔軟粒子の最大粒子径の好ましい下限は、液晶表示素子のセルギャップの100%、かつ、5μmである。即ち、液晶表示素子のセルギャップが5μm以下である場合、上記柔軟粒子の最大粒子径の好ましい下限は5μmであり、液晶表示素子のセルギャップが5μmを超える場合、上記柔軟粒子の最大粒子径の好ましい下限は液晶表示素子のセルギャップの100%となる。上記柔軟粒子の最大粒子径が、5μm及び液晶表示素子のセルギャップの100%のうちの上述した好ましい下限となる方の値以上であることにより、シールブレイクや液晶汚染を抑制する効果により優れるものとなる。
また、スプリングバックによる接着性の低下や液晶表示素子のギャップ不良を抑制する観点から、上記柔軟粒子の最大粒子径の好ましい上限は20μmである。上記柔軟粒子の最大粒子径のより好ましい上限は15μmである。
更に、スプリングバックによる接着性の低下や液晶表示素子のギャップ不良を抑制する観点から、上記柔軟粒子の最大粒子径は、セルギャップの2.6倍以下であることが好ましい。上記柔軟粒子の最大粒子径のより好ましい上限はセルギャップの2.2倍、更に好ましい上限はセルギャップの1.7倍である。
なお、本明細書において、上記柔軟粒子の最大粒子径及び後述する平均粒子径は、シール剤に配合する前の粒子について、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することにより得られる値を意味する。上記レーザー回折式分布測定装置としては、マスターサイザー2000(マルバーン社製)等を用いることができる。
上記柔軟粒子は、上記レーザー回折式分布測定装置により測定された柔軟粒子の粒度分布のうち、5μm以上の粒子径の粒子の含有割合が、体積頻度で60%以上であることが好ましい。5μm以上の粒子径の粒子の含有割合が、体積頻度で60%以上であることにより、シールブレイクや液晶汚染を抑制する効果により優れるものとなる。5μm以上の粒子径の粒子の含有割合は、80%以上であることがより好ましい。
上記柔軟粒子は、シールブレイクや液晶汚染の発生を抑制する効果をより発揮する観点から、液晶表示素子のセルギャップの100%以上の粒子を、柔軟粒子全体中における粒度分布の70%以上含有することが好ましく、液晶表示素子のセルギャップの100%以上の粒子のみで構成されることがより好ましい。
上記柔軟粒子の平均粒子径の好ましい下限は2μmである。上記柔軟粒子の平均粒子径が2μm以上であることにより、シールブレイクや液晶汚染を抑制する効果により優れるものとなる。上記柔軟粒子の平均粒子径のより好ましい下限は4μmである。
また、スプリングバックによる接着性の低下や液晶表示素子のギャップ不良を抑制する観点から、上記柔軟粒子の平均粒子径の好ましい上限は15μmである。上記柔軟粒子の平均粒子径のより好ましい上限は12μmである。
上記柔軟粒子としては、最大粒子径の異なる2種以上の柔軟粒子を混合して用いてもよい。即ち、最大粒子径が液晶表示素子のセルギャップの100%未満の柔軟粒子と、最大粒子径が液晶表示素子のセルギャップの100%以上の柔軟粒子とを混合して用いてもよい。
上記柔軟粒子の粒子径の変動係数(以下、CV値ともいう)は、セルギャップ不良を抑制する観点から、30%以下であることが好ましい。上記柔軟粒子の粒子径のCV値は、28%以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において粒子径のCV値とは、下記式により求められる数値のことである。
粒子径のCV値(%)=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100
上記柔軟粒子は、最大粒子径や平均粒子径やCV値を上述した範囲外のものであっても、分級することにより、最大粒子径や平均粒子径やCV値を上述した範囲内とすることができる。また、粒子径が液晶表示素子のセルギャップの100%未満である柔軟粒子は、シールブレイクや液晶汚染の発生の抑制に寄与せず、シール剤に配合するとチクソ値を上昇させることがあるため、分級により除去しておくことが好ましい。
上記柔軟粒子を分級する方法としては、例えば、湿式分級、乾式分級等の方法が挙げられる。なかでも、湿式分級が好ましく、湿式篩分級がより好ましい。
上記柔軟粒子としては、例えば、シリコーン系粒子、ビニル系粒子、ウレタン系粒子、フッ素系粒子、ニトリル系粒子等が挙げられる。なかでも、シリコーン系粒子、ビニル系粒子が好ましい。
上記シリコーン系粒子は、樹脂への分散性の観点からシリコーンゴム粒子が好ましい。
上記シリコーン系粒子のうち市販されているものとしては、例えば、KMP−594、KMP−597、KMP−598、KMP−600、KMP−601、KMP−602(信越化学工業社製)、トレフィルE−506S、EP−9215(東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられ、これらを分級して用いることができる。上記シリコーン系粒子は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル系粒子としては、(メタ)アクリル粒子が好適に用いられる。
上記(メタ)アクリル粒子は、原料となる単量体を公知の方法により重合させることで得ることができる。具体的には例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で単量体を懸濁重合する方法、ラジカル重合開始剤の存在下で非架橋の種粒子に単量体を吸収させることにより種粒子を膨潤させてシード重合する方法等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル粒子を形成するための原料となる単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類や、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類や、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体や、トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有(メタ)アクリレート類等の単官能単量体が挙げられる。なかでも、単独重合体のTgが低く、1g荷重を加えたときの変形量を大きくすることができることから、アルキル(メタ)アクリレート類が好ましい。
また、架橋構造を持たせるため、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸骨格トリ(メタ)アクリレート等の多官能単量体を用いてもよい。なかでも、架橋点間分子量が大きく、1g荷重を加えたときの変形量を大きくすることができることから、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
上記架橋性単量体の使用量は、上記(メタ)アクリル粒子を形成するための原料となる単量体全体において、好ましい下限は1重量%、好ましい上限は90重量%である。上記架橋性単量体の使用量が1重量%以上であることにより、耐溶剤性が上がり、種々のシール剤原料と混練したときに膨潤などの問題を引き起こさず、均一に分散しやすい。上記架橋性単量体の使用量が90重量%以下であることにより、回復率を低くすることができ、スプリングバック等の問題が起こりにくくなる。上記架橋性単量体の使用量のより好ましい下限は3重量%、より好ましい上限は80重量%である。
更に、これらのアクリル系の単量体に加えて、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体や、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類や、酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類や、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素や、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のハロゲン含有単量体や、トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等の単量体を用いてもよい。
また、上記ビニル系粒子としては、例えば、ポリジビニルベンゼン粒子、ポリクロロプレン粒子、ブタジエンゴム粒子等を用いてもよい。
上記ウレタン系粒子のうち市販されているものとしては、例えば、アートパール(根上工業社製)、ダイミックビーズ(大日精化工業社製)等が挙げられ、これらを分級して用いることができる。
得られる液晶表示素子用シール剤の接着性の低下や得られる液晶表示素子のギャップ不良を抑制する観点から、上記柔軟粒子の硬度の好ましい下限は10、好ましい上限は50である。上記柔軟粒子の硬度のより好ましい下限は20、より好ましい上限は40である。
なお、本明細書において上記柔軟粒子の硬度は、JIS K 6253に準拠した方法により測定されるデュロメータA硬さを意味する。
上記柔軟粒子の含有量は、液晶表示素子用シール剤全体に対して、好ましい下限が15重量%である。上記柔軟粒子の含有量が15重量%以上であることにより、シールブレイクや液晶汚染の発生を抑制する効果により優れるものとなる。上記柔軟粒子の含有量のより好ましい下限は20重量%である。
また、スプリングバックによる接着性の低下や液晶表示素子のギャップ不良を抑制する観点から、上記柔軟粒子の含有量は、液晶表示素子用シール剤全体に対して、好ましい上限が50重量%である。上記柔軟粒子の含有量のより好ましい上限は40重量%である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、粘度の向上、応力分散効果による更なる接着性の向上、線膨張率の改善、硬化物の耐湿性の向上等を目的として充填剤を含有することが好ましい。
上記充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、ガラスビーズ、石綿、石膏、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、セリサイト、活性白土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、硫酸バリウム、珪酸カルシウム等の無機充填剤や、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機充填剤が挙げられる。
上記充填剤の含有量は、硬化性樹脂全体100重量部に対して、好ましい下限が10重量部、好ましい上限が70重量部である。上記充填剤の含有量がこの範囲であることにより、塗布性等の悪化を抑制しつつ、接着性の向上等の効果をより発揮することができる。上記充填剤の含有量のより好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は60重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、接着性を更に向上させることを目的として、シランカップリング剤を含有することが好ましい。上記シランカップリング剤は、主にシール剤と基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。
上記シランカップリング剤の含有量は、硬化性樹脂全体100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が20重量部である。上記シランカップリング剤の含有量がこの範囲であることにより、液晶汚染の発生を抑制しつつ、接着性を向上させる効果をより発揮することができる。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は10重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、遮光剤を含有してもよい。上記遮光剤を含有することにより、本発明の液晶表示素子用シール剤は、遮光シール剤として好適に用いることができる。
上記遮光剤としては、例えば、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン、カーボンブラック、樹脂被覆型カーボンブラック等が挙げられる。なかでも、チタンブラックが好ましい。
上記チタンブラックは、波長300〜800nmの光に対する平均透過率と比較して、紫外線領域付近、特に波長370〜450nmの光に対する透過率が高くなる物質である。即ち、上記チタンブラックは、可視光領域の波長の光を充分に遮蔽することで本発明の液晶表示素子用シール剤に遮光性を付与する一方、紫外線領域付近の波長の光は透過させる性質を有する遮光剤である。本発明の液晶表示素子用シール剤に含有される遮光剤としては、絶縁性の高い物質が好ましく、絶縁性の高い遮光剤としてもチタンブラックが好適である。
上記チタンブラックは、表面処理されていないものでも充分な効果を発揮するが、表面がカップリング剤等の有機成分で処理されているものや、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されているもの等、表面処理されたチタンブラックを用いることもできる。なかでも、有機成分で処理されているものは、より絶縁性を向上できる点で好ましい。
また、遮光剤として上記チタンブラックを含有する本発明の液晶表示素子用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
上記チタンブラックのうち市販されているものとしては、例えば、12S、13M、13M−C、13R−N、14M−C(いずれも三菱マテリアル社製)、ティラックD(赤穂化成社製)等が挙げられる。
上記チタンブラックの比表面積の好ましい下限は13m/g、好ましい上限は30m/gであり、より好ましい下限は15m/g、より好ましい上限は25m/gである。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
上記遮光剤の一次粒子径は、液晶表示素子の基板間の距離以下であれば特に限定されないが、好ましい下限は1nm、好ましい上限は5μmである。上記遮光剤の一次粒子径がこの範囲であることにより、得られる液晶表示素子用シール剤の粘度やチクソトロピーが大きく増大することなく、塗布性により優れるものとなる。上記遮光剤の一次粒子径のより好ましい下限は5nm、より好ましい上限は200nm、更に好ましい下限は10nm、更に好ましい上限は100nmである。
なお、上記遮光剤の一次粒子径は、粒度分布計(例えば、PARTICLE SIZING SYSTEMS社製、「NICOMP 380ZLS」)を用いて測定することができる。
本発明の液晶表示素子用シール剤100重量部中における上記遮光剤の含有量の好ましい下限は5重量部、好ましい上限は80重量部である。上記遮光剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる液晶表示素子用シール剤の接着性、硬化後の強度、及び、描画性が低下することなく、遮光性を向上させる効果をより発揮できる。上記遮光剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は70重量部であり、更に好ましい下限は30重量部、更に好ましい上限は60重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、更に、必要に応じて、応力緩和剤、反応性希釈剤、揺変剤、スペーサー、硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の液晶表示素子用シール剤を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、必要に応じて添加するシランカップリング剤等の添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、硬化物のガラス転移温度の好ましい上限が100℃である。上記ガラス転移温度が100℃以下であることにより、本発明の液晶表示素子用シール剤は、より接着性に優れるものとなる。上記ガラス転移温度のより好ましい上限は80℃、更に好ましい上限は60℃である。
また、透湿防止性等の観点から、上記硬化物のガラス転移温度の好ましい下限は40℃、より好ましい下限は46℃である。
なお、本明細書において上記「ガラス転移温度」は、動的粘弾性測定により得られる損失正接(tanδ)の極大のうち、ミクロブラウン運動に起因する極大が現れる温度を意味する。上記ガラス転移温度は、粘弾性測定装置等を用いた従来公知の方法により測定することができる。
また、上記ガラス転移温度を測定する硬化物としては、上記貯蔵弾性率を測定する硬化物と同様にしてシール剤を硬化させたものが用いられる。
本発明の液晶表示素子用シール剤に、導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。このような本発明の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性微粒子としては、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の液晶表示素子用シール剤又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、液晶滴下工法による液晶表示素子の製造に好適に用いることができる。
液晶滴下工法によって本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、具体的には例えば、基板に本発明の液晶表示素子用シール剤等をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により長方形状のシールパターンを形成する工程、本発明の液晶表示素子用シール剤等が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに別の基板を重ね合わせる工程、及び、本発明の液晶表示素子用シール剤等のシールパターン部分に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を有する方法等が挙げられる。
上記基板としては、フレキシブル基板が好適である。
上記フレキシブル基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン等を用いたプラスチック製基板が挙げられる。また、本発明の液晶表示素子用シール剤は、通常のガラス基板を接着する際に用いられてもよい。
上記基板には、通常、酸化インジウム等からなる透明電極、ポリイミド等からなる配向膜、無機質イオン遮蔽膜等が形成される。
本発明によれば、接着性及び透湿防止性に優れる液晶表示素子用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶表示素子用シール剤を用いてなる上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
重合性化合物(a)としてカプロラクトン変性ビスフェノールA型エポキシアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、「EBECRYL3708」)75重量部、重合性化合物(b)として2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(共栄社化学社製、「エポキシエステル M−600A」)10重量部、重合性化合物(c)として部分アクリル変性ビスフェノールE型エポキシ樹脂(ダイセル・オルネクス社製、「KRM8287」)15重量部、光ラジカル重合開始剤として1−(4−(フェニルチオ)フェニル)−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)(BASF社製、「IRGACURE OXE01」)1重量部、熱硬化剤としてマロン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「MDH」)1重量部、充填剤としてシリカ(アドマテックス社製、「アドマファインSO−C2」)50重量部、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、「KBM−403」)1重量部、及び、応力緩和剤としてコアシェルアクリレート共重合体微粒子(ゼオン化成社製、「F351」)10重量部を、遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより、液晶表示素子用シール剤を調製した。
得られた液晶表示素子用シール剤について、メタルハライドランプを用いて100mW/cmの紫外線(波長365nm)を30秒照射した後、120℃で1時間加熱して硬化させた硬化物について、動的粘弾性測定装置(IT計測制御社製、「DVA−200」)を用いて、25℃において、試験片幅5mm、厚み0.35mm、掴み幅25mm、昇温速度10℃/分周波数10HZの条件で測定された貯蔵弾性率は1.0GPaであり、同様の条件で60℃において測定された貯蔵弾性率は0.04GPaであった。
(実施例2〜10、及び、比較例1、2)
表1に記載された配合比の各材料を、実施例1と同様にして撹拌混合することにより、実施例2〜10、及び、比較例1、2の液晶表示素子用シール剤を調製した。
得られた各液晶表示素子用シール剤について実施例1と同様にして硬化物を作製し、得られた各硬化物について、実施例1と同様にして測定した25℃及び60℃における貯蔵弾性率を表1に示した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(ガラス転移温度)
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤にメタルハライドランプを用いて100mW/cmの紫外線(波長365nm)を30秒照射した後、120℃で1時間加熱して厚さ300μmのフィルムを作製し、試験片とした。得られた試験片について、動的粘弾性測定装置(IT計測制御社製、「DVA−200」)を用いて、−80℃〜200℃、10Hzにおいて動的粘弾性を測定し、損失正接(tanδ)の極大値の温度をガラス転移温度として求めた。
(接着性)
実施例及び比較例で得られた各得られた液晶表示素子用シール剤を極微量、20mm×50mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(リンテック社製、「PET5011」)の中央部に取り、その上に同じ大きさのPET5011を重ね合わせて液晶表示素子用シール剤を押し広げた。その状態でメタルハライドランプを用いて100mW/cmの紫外線(波長365nm)を30秒照射した後、120℃で1時間加熱して接着試験片を作製した。得られた接着試験片の接着強度を、EZgraph(島津製作所社製)を用いて測定した。また、PET5011に代えてガラス基板を用い、同様にして接着試験片を作製し、接着強度を測定した。
接着強度が1N/cm以上であったものを「○」、接着強度が0.5N/cm以上1N/cm未満であったものを「△」、接着強度が0.5N/cm未満であったものを「×」としてPETフィルムに対する接着性を評価した。
(透湿防止性)
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤を、平滑な離型フィルム状にコーターで厚さ200〜300μmに塗工し、メタルハライドランプを用いて100mW/cmの紫外線(波長365nm)を30秒照射した後、120℃で1時間加熱することによって透湿度測定用硬化フィルムを得た。JIS Z 0208の防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に準じた方法で透湿度試験用カップを作製し、得られた透湿度測定用硬化フィルムを取り付け、温度60℃湿度90%RHの恒温恒湿オーブンに投入して透湿度を測定した。得られた透湿度の値が70g/m・24hr未満であった場合を「○」、70g/m・24hr以上100g/m・24hr未満であった場合を「△」、100g/m・24hr以上であった場合を「×」として透湿防止性を評価した。
(低液晶汚染性)
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤100重量部にスペーサー微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI−H050」)1重量部を分散させ、2枚のラビング済み配向膜及び透明電極付き基板(長さ75mm、幅75mm、厚み0.7mm)の一方に、表示部が45mm×55mmとなるようにシール剤の線幅1mmでディスペンサー塗布した。
続いて液晶(チッソ社製、「JC−5004LA」)の微小滴を透明電極付き基板のシール剤の枠内全面に滴下塗布し、すぐにもう一方の透明電極付きカラーフィルター基板を貼り合わせ、シール剤部分にメタルハライドランプを用いて100mW/cmの紫外線(波長365nm)を30秒照射した後、120℃で1時間加熱して液晶表示素子を得た。
得られた液晶表示素子について、100時間動作試験を行った後、80℃で1000時間電圧印加状態とした後のシール剤付近の液晶配向乱れを目視によって確認した。
配向乱れは表示部の色むらにより判断しており、色むらの程度に応じて、色むらが全くなかった場合を「◎」、色むらが微かにあった場合を「○」、色むらが少しあった場合を「△」、色むらがかなりあった場合を「×」として低液晶汚染性を評価した。
なお、評価が「◎」、「○」の液晶表示素子は、実用に全く問題のないレベルであり、「△」は液晶表示素子の表示設計によって問題になる可能性があるレベルであり、「×」は実用に耐えないレベルである。
(液晶表示素子の耐衝撃性)
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤について、上記「(低液晶汚染性)」と同様にして液晶表示素子をそれぞれ10枚(10セル)ずつ作製し、各液晶表示素子を2mの高さから落下させる落下試験を行った。落下試験後、全てのセルに剥がれや割れによる液晶漏れがなかった場合を「○」、1セル以上5セル未満の液晶表示素子に液晶漏れがあった場合を「△」、5セル以上の液晶表示素子に液晶漏れがあった場合を「×」として液晶表示素子の耐衝撃性を評価した。
Figure 0006114892
本発明によれば、接着性及び透湿防止性に優れる液晶表示素子用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶表示素子用シール剤を用いてなる上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。

Claims (8)

  1. 硬化性樹脂と重合開始剤及び/又は熱硬化剤とを含有する液晶表示素子用シール剤であって、
    硬化物の25℃における貯蔵弾性率が0.8〜3.0GPaであり、かつ、
    硬化物の60℃における貯蔵弾性率が0.04GPa以上である
    ことを特徴とする液晶表示素子用シール剤。
  2. 硬化性樹脂は、1分子中に1個以上の重合性官能基と1個以上のラクトンの開環構造及び/又は1個以上のアクリロニトリル−ブタジエン構造とを有する重合性化合物を含有することを特徴とする請求項記載の液晶表示素子用シール剤。
  3. 硬化性樹脂は、1分子中に1個の重合性官能基を有し、かつ、ラクトンの開環構造及びアクリロニトリル−ブタジエン構造を有さない単官能重合性化合物を含有することを特徴とする請求項記載の液晶表示素子用シール剤。
  4. 硬化性樹脂全体100重量部中における1分子中に1個の重合性官能基を有し、かつ、ラクトンの開環構造及びアクリロニトリル−ブタジエン構造を有さない単官能重合性化合物の含有量が1〜30重量部であることを特徴とする請求項記載の液晶表示素子用シール剤。
  5. 柔軟粒子を含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子用シール剤。
  6. 遮光剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の液晶表示素子用シール剤。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
  8. 請求項1、2、3、4、5若しくは6記載の液晶表示素子用シール剤又は請求項記載の上下導通材料を用いてなることを特徴とする液晶表示素子。
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