JP5965585B2 - 液晶表示素子の製造方法、レジスト組成物、シール剤、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
また、確実にブラックマトリックス下のシール部にも光を照射するために、基板の裏面、すなわちアレイ側から光を照射する方法も考えられるが、アレイ基板上にも金属配線、トランジスタ等が存在し、シール部に光の当たらない箇所が存在するという問題があった。そこで、シール剤を熱のみによって硬化させることが検討されてきたが、光重合による仮硬化なしでは、加熱した際に液晶が流動し硬化途中のシール剤部に差し込み、シールパターンの破れ等が発生するという問題があった。
近年、パネルの狭額縁化につれ、ディスペンスするシール剤の幅も細くなり、貼り合わせた後のシール断面積が小さくなっている。そのため、よりいっそうシールパターンの破れ等が発生しやすくなっている。
以下に本発明を詳述する。
上記レジスト組成物は、ネガ型であってもよいし、ポジ型であってもよいが、アルカリ可溶性樹脂、2官能以上の不飽和結合を有する化合物、及び、光重合開始剤を含有するネガ型レジスト組成物を用いることが好ましい。
また、上記レジスト組成物は、後述するシール剤の組成と近い組成とすることが好ましい。
上記不飽和二重結合を有する単官能化合物は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体等が挙げられる。
なお、本明細書において上記(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記水酸基を有する単官能不飽和化合物は特に限定されず、分子内に水酸基を1つ有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレート化合物とは、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物を意味する。
また、これらの2官能以上の(メタ)アクリレート化合物を変性したものも用いることができる。なかでも、カプロラクトン変性された3官能以上の(メタ)アクリレート化合物が好適である。上記カプロラクトン変性された3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を用いた場合には、圧縮変形からの高い回復性を有するとともに、柔軟で低弾性率である隔壁を得ることができる。これは、カプロラクトン変性された3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を用いることにより、塑性変形を抑えるための高度な架橋構造の中に柔軟性を与える直鎖構造が適度に形成されるためと考えられる。
これらの2官能以上の(メタ)アクリレート化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書において(メタ)アクリレート化合物をカプロラクトン変性するとは、(メタ)アクリレート化合物のアルコール由来部位と(メタ)アクリロイルオキシ基の間に、カプロラクトンの開環体又は開環重合体を導入することを意味し、また、カプロラクトン変性された(メタ)アクリレート化合物とは、このようなカプロラクトン変性が施された(メタ)アクリレート化合物を意味する。
上記回復率のより好ましい下限は70%、更に好ましい下限は80%である。
上記表示領域の外周に沿った隔壁に対応するパターンは、基板を貼り合せた後のセルギャップの精度をより高いものとし、かつ、基板上に複雑な凹凸をできるだけ形成しないようにして基板とディスペンサーノズルとの距離を正確に測定できるようにするために1周のみの矩形状であってもよい。
本発明の液晶表示素子の製造方法は、上記工程2において、隔壁に対応するパターンを周長の異なる複数の矩形状のパターンにすることにより、工程3において周長の異なる複数の矩形状の隔壁を形成することが好ましい。上記隔壁に対応するパターンが1周のみである場合、液晶が隔壁を乗り越えてシール剤に差し込むことがある。上記隔壁は、周長の異なる3〜5の矩形状で形成することがより好ましい。
なお、上記隔壁に対応するパターンは、上記レジスト組成物としてネガ型のものを用いる場合は開口部となり、ポジ型のものを用いる場合は遮光部となる。
上記活性光線の露光方法としては特に限定されないが、近接露光法が一般的に用いられる。
上記乾燥温度は230℃以下であることが好ましく、乾燥時間は60分以下であることが好ましい。乾燥温度が230℃を超えたり、乾燥時間が60分を超えたりすると、液晶表示素子に用いる着色顔料又は染料にダメージを与えて表示品質を低下させることがある。
上記シール剤は、硬化性樹脂と、熱ラジカル重合開始剤とを含有することが好ましい。
上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂は、エポキシ(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。
なお、本明細書において上記エポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
また、上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂は、反応性の高さから分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を2〜3個有するものが好ましい。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味し、例えば、2つ以上のエポキシ基を有する樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
上記熱ラジカル重合開始剤は特に限定されず、例えば、過酸化物やアゾ化合物等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、V−30、V−501、V−601、VPE−0201(いずれも和光純薬工業社製)、パーブチルO、パーヘキシルO、パーブチルPV(いずれも日油社製)等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤は特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル、チオキサントン等が挙げられる。
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記レベリング剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、反応性官能基を有するフッ素化合物等が挙げられる。なかでも、反応性官能基を有するフッ素化合物が好適に用いられる。
本明細書において上記反応性官能基とは、熱や光によって硬化性樹脂と反応することのできる官能基を意味する。上記反応性官能基としては、例えば、ラジカル重合反応、又は、マイケル付加反応する(メタ)アクリロイルオキシ基やスチリル基等の二重結合を含む官能基や、硬化剤等によって求核付加反応するエポキシ基やオキセタニル基等の環状エーテル等が挙げられる。なかでも(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましい。
上記親水性官能基は特に限定されず、例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホニル基、ホスホフォニル基、アミノ基、アミド基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基等が挙げられる。
なお、シール剤の片側に隔壁が設けられている場合は、好ましい粘度の下限は100Pa・s、好ましい上限が500Pa・sであり、より好ましい下限は150Pa・s、より好ましい上限は300Pa・sである。
また、上記工程2において、周長の異なる複数周の隔壁に対応するパターンの開口部又は遮光部が形成されたマスクを用いることにより、複数の隔壁が形成される場合、上記シール剤の粘度が高いと、シール剤を塗布する際や基板を貼り合わせる際に気泡が入りやすくなるため、上記シール剤の粘度はシールパターンが崩れない範囲で低くすることが好ましく、好ましい粘度の下限は5Pa・s、好ましい上限が300Pa・sであり、より好ましい下限は50Pa・s、より好ましい上限は200Pa・sである。
更に、上記シール剤における硬化性樹脂等の樹脂成分のみの、25℃においてE型粘度計を用いてプローブ回転数を1rpmに設定して測定したときの粘度の好ましい上限は300Pa・s、より好ましい上限は250Pa・sである。
具体的には、上記シール剤は、80〜120℃で1〜30分加熱後において、25℃においてE型粘度計を用いてプローブ回転数を1rpmに設定して測定したときの粘度(以下、加熱後粘度ともいう)の好ましい下限が300Pa・s、好ましい上限が2000Pa・sである。上記シール剤の加熱後粘度が300Pa・s未満であったり2000Pa・sを超えたりすると、パネル貼り合わせ時にシール乱れ等の不良が生じることがある。上記シール剤のより好ましい下限は500Pa・s、より好ましい上限は1000Pa・sである。
なお、80〜120℃で1〜30分加熱とは、この範囲の温度及び時間であればいずれの場合であってもよい(任意の温度、時間について上記粘度範囲を示す)ということを示す。
上記粘度範囲に設定する方法としては特に限定されないが、貼り合わせ前にある程度の熱をかけることで硬化性樹脂の一部を反応させる方法や、増粘剤を添加し、貼り合わせ前にシール剤を加熱する方法等が挙げられる。
また、上記シール剤は、2枚の基板のうち、上記隔壁を形成した基板に塗布してもよいし、上記隔壁を形成していない基板に塗布してもよい。
上記シール剤を塗布する方法は特に限定されず、例えば、ディスペンサー塗布、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷等の方法が挙げられる。
本発明の液晶表示素子の製造方法によって基板上に上記隔壁を形成することにより、上記工程6において加熱を行った際に液晶が流動して硬化途中のシール剤部に差し込むことを抑制することができる。
また、上記シール剤が上記光ラジカル重合開始剤を含有する場合は、上記シール剤を加熱して硬化させる前に、シールパターンに紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させてもよい。
本発明の液晶表示素子の製造方法を用いて製造される液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
図2において、シール剤2は、隔壁3の内側に塗布されており、隔壁3により、液晶5によるシール剤2への差し込みが抑制される。
図3において、シール剤2、2’は、隔壁3の内側と外側に塗布されており、隔壁3により、液晶5による内側のシール剤2への差し込みが抑制され、液晶5と外側のシール剤2’は隔壁3により隔離されている。
図4において、隔壁3、3’、3”は、表示領域の外周4に沿って基板1上に形成され、シール剤2は、隔壁3と隔壁3’との間に塗布されており、シール剤2’は、隔壁3’と隔壁3”との間に塗布されており、シール剤2”は、隔壁3”の更に外側に塗布されている。液晶5とシール剤2、2’、2”は隔壁3、3’、3”により隔離されている。このように周長の異なる複数の隔壁を形成することにより、シール剤への液晶の差し込みを更に抑制することができる。
(レジスト組成物の調製)
冷却管、撹拌機を備えた3Lのセパラブルフラスコに、溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)60重量部、2,2−アゾビス(2,4−ジメチル)バレロニトリル3重量部を仕込み、窒素雰囲気下にて70℃に昇温した後、フラスコ内を撹拌しながら、メタクリル酸メチル12重量部、メタクリル酸8重量部、メタクリル酸n−ブチル14重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル4重量部、分子量調節剤としてn−ドデシルメルカプタン1重量部を、5時間かけて連続的に滴下供給した。その後、1時間70℃を保持した後、温度を90℃に昇温し、3時間重合を継続して原料重合体の溶液を得た。
次に、得られた原料重合体の溶液に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、「カレンズMOI」)5重量部、触媒としてラウリン酸ジブチル錫0.01重量部を加え、50℃で加熱攪拌してアルカリ可溶性樹脂溶液を得た。
反応の進行は赤外線吸収スペクトル(IR)によりモニターしつつ、2200cm−1のイソシアネート基によるピークが消失した時点まで反応させた。
得られた共重合体溶液をサンプリングし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により分子量を測定したところ、共重合体の重量平均分子量(Mw)は15000であった。
得られたレジスト組成物を、ガラス基板上にスピンコートした後、80℃で2分間乾燥してレジスト膜を得た。得られたレジスト膜に、近接露光法(プリントギャップ100μm)により、透過率100%(365nm)の長さ10cm、幅10cm、開口部分の線幅10〜100μmの矩形開口部を有するマスクを介して、365nm、100mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、紫外線照射後のレジスト膜を0.1%炭酸ナトリウム水溶液により60秒間現像し、純水にて30秒間洗浄した。次いで、230℃、60分のベーキング処理を行って、レジスト組成物の硬化物(以下、レジスト硬化物ともいう)を有する基板を得た。
温度25℃に調整した室内において、得られたレジスト硬化物を10mN/秒の荷重印加速度で圧縮し、初期高さH0の85%に相当する高さになるまで圧縮した。ここで1mNの荷重を印加した際のレジスト硬化物の高さをH1、H0の85%に相当するレジスト硬化物の高さをH2、H2に達した時点での荷重をFとした。次いで、この荷重Fを5秒間保持し、定荷重での変形を与えた後、10mN/秒の荷重印加速度で負荷を取り除き弾性回復によるレジスト硬化物の高さの回復変形を測定した。この間の圧縮変形が最大となった時点のレジスト硬化物の高さをH3とし、レジスト硬化物の変形を回復する過程における1mNの荷重印加時のレジスト硬化物の高さをH4とした。得られた各値を用いて、下記式(1)及び下記式(2)により15%圧縮時の弾性係数E及び15%圧縮変形したときの回復率Rを算出した。なお、下記式(1)中、Eは圧縮弾性係数(Pa)を表し、Fは荷重(N)を表し、Dはカラムスペーサの高さ変形率=(H0−H2)/H0を表し、Sは、カラムスペーサの断面積(m2)を表す。
E=F/(D×S) (1)
R=(H4−H3)/(H1−H3)×100 (2)
上記式(1)より、得られたレジスト硬化物の25℃における15%圧縮時の弾性係数は0.6GPaであり、上記式(2)より、得られたレジスト硬化物の25℃における15%圧縮変形したときの回復率は85%であった。
硬化性樹脂として重量平均分子量が480のビスフェノールA型エポキシアクリレート(ダイセルサイテック社製、「EBECRYL 3700」)75重量部と、重量平均分子量が400の50%部分アクリル変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂25重量部と、熱ラジカル重合開始剤として高分子アゾ化合物(和光純薬工業社製、「VPE0201」)5重量部と、熱硬化剤としてセバシン酸ジヒドラジド(日本ファインケム社製、「SDH」)6重量部と、レベリング剤として反応性官能基を有するフッ素化合物(オムノバ社製、「PF−3320」)0.5重量部と、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、「KBM403」)2重量部と、フィラーとしてシリカ(アドマテックス社製、「SO−C1」)25重量部と、増粘剤としてコアシェルアクリレート共重合体微粒子(ゼオン化成社製、「F−351」)17重量部とを配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、「あわとり練太郎」)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合してシール剤を調製した。
得られたシール剤について、25℃においてE型粘度計(ブルックフィールド社製、「DV−III」)を用いてプローブ回転数を1rpmに設定して測定したところ、粘度は、250Pa・sであった。
得られたレジスト組成物を、ITOガラス基板上にスピンコートした後、80℃で2分間乾燥してレジスト膜を得た。得られたレジスト膜に、近接露光法(プリントギャップ100μm)により、透過率100%(石英ガラスのフォトマスク)(365nm)の10〜20μmφの円形開口部、及び、透過率100%(365nm)の長さ10cm、幅10cm、開口部分の線幅10〜100μmの矩形開口部を有するマスクを介して、365nm、100mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、紫外線照射後のレジスト膜を0.1%炭酸ナトリウム水溶液により60秒間現像し、純水にて30秒間洗浄した。次いで、230℃、60分のベーキング処理を行って、隔壁及びカラムスペーサが形成された基板を得た。
図1に示したように、得られた隔壁及びカラムスペーサが形成された基板に、調製したシール剤を隔壁の内側に接するように、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いて線幅が約1.5mmとなるように塗布してシールパターンを形成した。続いて、TN液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にて形成したシールパターンの枠内に滴下塗布した後、別のITOガラス基板と真空張り合わせ装置にて5Paの減圧下にて張り合わせた。真空解除後、120℃のオーブンにて60分間加熱してシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を作製した。
図2に示したように、シール剤を隔壁の外側に接するように塗布したこと以外は実施例1と同様にして、液晶表示素子を作製した。
図3に示したように、シール剤を隔壁の内側と外側の両方に接するように塗布したこと以外は実施例1と同様にして、液晶表示素子を作製した。
「液晶表示素子の作製」において、周長の異なる3つの矩形開口部を有するマスクを用いて、図4に示したように、周長の異なる3つの隔壁を形成し、シール剤を隔壁の最外側及び各隔壁間に塗布したこと以外は実施例1と同様にして、液晶表示素子を作製した。
実施例1と同様にして得られたレジスト組成物をITOガラス基板上にスピンコートした後、80℃で2分間乾燥してレジスト膜を得た。得られたレジスト膜に、近接露光法(プリントギャップ100μm)により、透過率100%(365nm)の10〜20μmφの円形開口部を有するマスクを介して、365nm、100mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、紫外線照射後のレジスト膜を0.1%炭酸ナトリウム水溶液により60秒間現像し、純水にて30秒間洗浄した。次いで、230℃、60分のベーキング処理を行って、カラムスペーサのみが形成された基板を得た。
得られたカラムスペーサのみが形成された基板上に、実施例1と同様にして得られたシール剤を、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いて、線幅が約1.5mmの正方形の枠を描くように塗布してシールパターンを形成した。続いて、TN液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にてシールパターンの枠内に滴下塗布した後、別のITOガラス基板と真空張り合わせ装置にて5Paの減圧下にて張り合わせた。真空解除後、120℃のオーブンにて60分間加熱してシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を作製した。
実施例及び比較例で得られた液晶表示素子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られた液晶表示素子について、シールパターンの形状観察を行った。その結果、内部の液晶によりシールパターンの形状が乱されていなかったものを「◎」、僅かにシールパターンの形状が乱されていたものを「○」、かなりシールパターンの形状が乱されているが液晶がシールパターンを突き破ってはいなかったものを「△」、液晶がシールパターンを突き破って外部に漏れ出したものを「×」として評価した。
実施例及び比較例で得られた液晶表示素子の作製直後におけるシール剤付近の液晶配向乱れを目視によって確認した。配向乱れは表示部の色むらにより判断しており、色むらの程度に応じて、色むらが全くない場合を「◎」、色むらが微かにある場合を「○」、色むらが少しある場合を「△」、色むらがかなりある場合を「×」として評価した。なお、評価が「◎」、「○」の液晶表示素子は、実用に全く問題のないレベルである。
2、2’、2” シール剤
3、3’、3” 隔壁
4 表示領域の外周
5 液晶
Claims (8)
- 2枚の基板のうちの少なくとも一方にレジスト組成物を塗工してレジスト膜を形成する工程1と、
前記工程1において形成したレジスト膜に、表示領域の外周に沿った隔壁に対応するパターンの開口部又は遮光部が形成されたマスクを介して活性光線を照射する工程2と、
前記工程2において活性光線を照射したレジスト膜を現像することにより、表示領域の外周に沿った隔壁を形成する工程3と、
前記工程3において隔壁を形成した基板の隔壁に沿って、硬化性樹脂と熱ラジカル重合開始剤と熱硬化剤とレベリング剤とを含有するシール剤を塗布する、又は、隔壁を形成していない基板において、隔壁を形成した基板の隔壁の位置に対応する位置に沿って、硬化性樹脂と熱ラジカル重合開始剤と熱硬化剤とレベリング剤とを含有するシール剤を塗布する工程4と、
シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を形成したシールパターンの枠内全面に滴下塗布した後、前記2枚の基板を重ねあわせる工程5と、
前記重ねあわせた基板を加熱して、熱のみによりシール剤を硬化させる工程6とを有し、
前記レベリング剤は、非イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、又は、反応性官能基を有するフッ素化合物である
ことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。 - 表示領域の外周に沿った隔壁は、1周のみの矩形状であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子の製造方法。
- 表示領域の外周に沿った隔壁は、周長の異なる複数の矩形状の隔壁によって構成されることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子の製造方法。
- レジスト組成物は、2官能以上のエポキシ(メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶表示素子の製造方法。
- レジスト組成物は、硬化物の25℃における15%圧縮時の弾性係数が0.2〜1.0GPaであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子の製造方法。
- レジスト組成物は、硬化物の25℃における15%圧縮変形したときの回復率が60%以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の液晶表示素子の製造方法。
- シール剤は、25℃においてE型粘度計を用いてプローブ回転数を1rpmに設定して測定したときの粘度が5〜500Pa・sであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の液晶表示素子の製造方法。
- 工程2において用いるマスクは、カラムスペーサ形成部分と表示領域の外周に沿った隔壁とに対応するパターンの開口部又は遮光部が形成されたものであり、
工程3において、表示領域の外周に沿った隔壁と同時にカラムスペーサを形成する
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の液晶表示素子の製造方法。
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