JPWO2018074334A1 - 洗浄剤用共重合体 - Google Patents
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Abstract
Description
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の洗浄剤用共重合体は、抗菌性能を発揮するものであり、抗菌性能とは、殺菌(微生物を殺す)、静菌(微生物の繁殖を抑える)、滅菌、消毒、制菌、除菌、防腐、防カビ等の性能を有することをいう。対象となる微生物は、細菌、真菌である。
上記細菌としては、大腸菌、緑膿菌、サルモネラ菌、モラクセラ菌、レジオネラ菌等のグラム陰性菌;黄色ブドウ球菌、クロストリジウム属細菌等のグラム陽性菌が挙げられる。上記真菌としてはカンジダ菌、ロドトルラ、パン酵母等の酵母類;赤カビ、黒カビ等のカビ類が挙げられる。
また、本発明の洗浄剤用共重合体は、再汚染防止能にも優れるものであり、本発明の共重合体が有するカチオン性基含有単量体(A)由来のカチオン性基がアニオン性を有する親水性汚れや泥などの親水性粒子に吸着し、疎水性単量体由来の疎水基が疎水性汚れに吸着することにより、汚れ成分が繊維に付着することが抑制され、再汚染防止能が発揮されることとなる。
共重合体(α)の重量平均分子量は、1000〜100万である。共重合体(β)の重量平均分子量は、1000〜20万である。従来のカチオン系殺菌剤は、洗濯中に衣料に剤が付着することにより、洗濯時に充分な抗菌性能を発現できないと考えられる。これに対して本発明の共重合体は、重量平均分子量が1000〜100万の範囲であることにより、洗濯中における繊維への吸着を充分に抑制しつつ、濯ぎにより洗い流されることを充分に抑制でき、洗濯後の繊維への吸着性に優れることとなる。これにより、洗濯中の抗菌性能と洗濯後の抗菌性能の持続性とを両立させることができる。また、本発明の共重合体は、重量平均分子量が下記好ましい範囲であれば抗菌性能の持続性及び洗濯中の抗菌性により優れる傾向にある。
共重合体(α)の重量平均分子量として好ましくは2000〜80万であり、より好ましくは3000〜60万であり、更に好ましくは4000〜40万であり、一層好ましくは5000〜20万であり、より一層好ましくは6000〜18万であり、更に一層好ましくは7000〜14万であり、特に好ましくは8000〜10万であり、特に一層好ましくは1万〜8万であり、最も好ましくは14000〜75000である。
上記炭化水素基は、鎖状構造であっても、環構造を有していてもよいが、鎖状構造であることが好ましい。炭化水素基が鎖状構造である場合、直鎖状であっても分岐を有していてもよい。
上記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基が好ましく、より好ましくはアルキル基、アルケニル基であり、更に好ましくはアルキル基である。
また、上記炭化水素基の炭素数としては、1〜10が好ましく、より好ましくは1〜8であり、特に好ましくは1〜5であり、最も好ましくは1〜2である。
上記式(1)及び(2)においてR1及びR2のうち少なくともいずれか一方は、炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、R1及びR2の両方が炭素数1〜12の炭化水素基であることがより好ましい。
上記式(3)においてR3〜R5は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基であることが好ましい。
R1〜R5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、tert−ブチル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が最も好ましい。
上記式(2)におけるX−は、有機酸のイオンが好ましい。
上記式(3)におけるX−は、ハロゲン化物イオン、硫酸アルキルイオンが好ましい。
上記式(7)におけるm、nは、同一又は異なって、1〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
上記2価の連結基としては、上記式(8)又は(9)で表される構造が好ましい。
上記式(8)におけるiは、1〜6であることが好ましく、より好ましくは1〜4である。
上記式(9)におけるjは、1〜6であることが好ましく、より好ましくは1〜4である。
炭素数1〜24の(ジ)アルキルアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ジヘプチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、ドデシルアミン、ジドデシルアミン等が好ましい。
炭素数1〜24の(ジ)アルカノールアミンとしては、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン、ヘキサノールアミン等が好ましい。
炭素数1〜24のアルキルアルカノールアミンとしては、メチルエタノールアミン等が好ましい。
上記カチオン性基含有単量体(A)として、好ましくは、N,N−ジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート類及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物やこれらに4級化剤を付加させたモノマー、N,N−ジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリルアミド類及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物やこれらに4級化剤を付加させたモノマー、中でもN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物やこれらに4級化剤を付加させたモノマーがより好ましい。
上記4級化剤としては、特に制限されるものではないが、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等のアルキル硫酸等の一般的なアルキル化剤が挙げられる。
ここで、上記溶解性パラメータは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE」(1974年、Vol.14、No.2)の147〜154ページに記載の方法によって計算される値である。
以下にその方法を概説する。単独重合体の溶解性パラメータ(δ)(cal/cm3)1/2は、該重合体を形成している構成単位の蒸発エネルギー(△ei)及びモル体積(△vi)に基づいて、下記の計算法により算出される。
δ=(△ei/△vi)1/2 (cal/cm3)1/2
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記式(11);
上記炭化水素基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。より好ましくは1〜16であり、更に好ましくは1〜12であり、特に好ましくは1〜8である。
上記炭化水素基の炭素数が1〜20であれば、重合体の水溶性、粘度を好適な範囲とすることができ、取扱いに優れるものとなる。上記炭化水素基の炭素数が1〜12であれば、重合体の製造が容易となり、さらに、抗菌性に加えて安全性にも優れるものとなる。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルへキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基、イコシル基等が挙げられる。
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。
上記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ドデシニル基、オクタデシニル基、イコシニル基等が挙げられる。
上記シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記シクロアルケニル基としては、例えば、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
上記炭化水素基として、好ましくはアルキル基、アルケニル基であり、より好ましくはアルキル基である。
すなわち上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル(メタ)アクリレート)が好ましい。
上記カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体は、溶解性パラメータが15以下であって、カルボキシル基、水酸基及びエーテル基のいずれかの官能基を有しているものであればよく、(メタ)アクリル酸エステル構造を有しているものであっても、カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するモノマーに分類するものとする。
本発明の共重合体が構造単位(b−2)とを有することにより、共重合体の水溶性が向上し、また、塩やpHの変化による共重合体の析出、抗菌性の低下等の影響をより充分に緩和することができるため、幅広いpH領域において共重合体を使用することができ、中性から弱アルカリ領域のものが多い洗浄剤により好適に用いることができる。本発明の共重合体はまた、上記構造を有することにより共重合体の親水性が向上し、再汚染防止能により優れることとなる。上記カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体としては、上述の不飽和モノカルボン酸類;水酸基含有(メタ)アクリレート;アルキルビニルエーテル類;炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物;炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜20のアルコールとの付加反応物等が挙げられる。
上記不飽和モノカルボン酸類としては、(メタ)アクリル酸及びこれらの塩が好ましい。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物におけるアルキレンオキシドの炭素数は、2〜16であることが好ましく、より好ましくは、2〜12である。上記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。より好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドであり、更に好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドである。
上記アルキレンオキシドの平均付加モル数は、1〜100であることが好ましい。より好ましくは、1〜80であり、更に好ましくは、1〜70であり、特に好ましくは、1〜50である。
上記炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物としては、イソプレノールのエチレンオキシド付加物が好ましい。
上記炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜20のアルコールとの付加反応物としては1−アリルオキシ−3−ブトキシプロパン−2−オールが好ましい。
上記単量体(E−1)の溶解性パラメータとして好ましくは15よりも大きく、20以下であり、より好ましくは15よりも大きく、17以下である。
その他の単量体の溶解性パラメータが15以下であっても、15を超えるものであっても、上記疎水性単量体を好ましい割合で重合している限り、共重合体としての疎水性は充分に維持されることとなる。
また、粘度を調整する観点から溶解性パラメータの値にかかわらずエチレン性不飽和基を2個以上有する単量体が含まれていてもよい。エチレン性不飽和基を2個以上有する単量体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、サッカロース、ソルビトール、1,4−ブタンジオール等のポリオールの2置換以上の水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステル類;上記ポリオールの2置換以上のメタクリル酸エステル類;上記ポリオールの2置換以上の水酸基とアリルアルコール、ビニルアルコール等の不飽和アルコールとのエーテル類;フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、メタクリル酸アリル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、1,5−ヘキサジエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのその他の単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
抗菌性を向上させる観点から、本発明の共重合体はその他の単量体として重合性金属塩を共重合していてもよい。重合性金属塩としてはアクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、α―アリルオキシアクリル酸亜鉛等の不飽和カルボン酸の重金属塩が挙げられる。
上記割合の下限値としては36質量%、40質量%、50質量%、55質量%であってもよい。
上記割合の下限値としては50質量%、55質量%、60質量%であってもよい。
上記割合の下限値としては51質量%、53質量%、55質量%、60質量%であってもよい。
その他の単量体の中でも上記構造単位(e−1)を有する場合、構造単位(e−1)の割合は、共重合体を形成する構造単位の総量100質量%に対して、0〜1質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜0.5質量%である。
その他の単量体の中でもエチレン性不飽和基を2個以上有する単量体由来の構造単位の含有割合は、共重合体を形成する構造単位の総量100質量%に対して0〜1%であることが好ましく、より好ましくは、0〜0.5質量%、更に好ましくは0〜0.1質量%である。
本発明の共重合体の製造は特に制限されないが、単量体成分を重合することにより製造することができ、各単量体成分の具体例及び好ましい例並びに好ましい割合は、共重合体における各構造単位において述べたとおりである。
カチオン性基含有単量体の中和に用いる酸としては、特に制限されるものではないが、塩酸、硫酸等の無機酸;酢酸、クエン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸等の有機酸が挙げられる。
カチオン性基含有単量体の4級化剤としては、上述のとおりである。
上記多価アルコール溶媒と水とを併用する場合、水100質量%に対する多価アルコール溶媒の割合は、0〜200質量%であることが好ましい。
本発明の共重合体の製造方法は、必要に応じて、任意の連鎖移動剤、pH調節剤、緩衝剤などを用いることができる。
本発明はまた、本発明の洗浄剤用共重合体を含む洗浄剤でもある。
上述のとおり、本発明の共重合体は、抗菌性能を発揮するため、上記洗浄剤は抗菌剤を含む洗浄剤ということもできる。さらに上記洗浄剤用共重合体を洗剤ビルダー又は洗剤組成物として使用する方法もまた本発明の1つである。
上記洗浄剤は、本発明の共重合体と共重合体以外の他の成分とを含んでいてもよく、その他の成分としては、界面活性剤、洗剤に用いられる添加剤、重合開始剤残渣、残存モノマー、重合時の副生成物、水分等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。
これらの成分の中でも界面活性剤は主な洗浄成分であり、洗浄剤としては界面活性剤を含むものであることが好ましい。すなわち、本発明の洗浄剤用共重合体からなる抗菌剤と界面活性剤とを含む洗浄剤組成物もまた、本発明の一つである。
上記洗浄剤組成物は、界面活性剤以外の上記その他の成分を含んでいてもよい。
洗浄剤又は洗浄剤組成物における上記共重合体の含有量は特に制限されないが、洗浄剤又は洗浄剤組成物の全量100質量%に対して、好ましくは0.001〜20質量%であり、より好ましく0.01〜10質量%であり、更に好ましくは0.01〜5質量%である。
上記界面活性剤や添加剤の具体的な形態は特に制限されず、洗浄剤分野において一般的に知られている知見が適宜参照されうる。
上記洗浄剤としては、特に制限されないが、衣料用の粉末洗剤や、液体洗剤が挙げられる。
上記洗浄剤又は洗浄剤組成物が、アニオン性界面活性剤を含むことにより、黄色ブドウ球菌に対する抗菌性能がより向上することとなり、本発明の共重合体が、疎水性単量体(B)として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構造単位と、更に溶解性パラメータが15以下であって、カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するモノマー由来の構造単位、及び/又は、溶解性パラメータが15よりも大きい単量体由来の構造単位とを有するものである場合に、再汚染防止能と抗菌性能とをより効果的に発揮させることができる。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。また、両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が好適である。これらのカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
上記洗浄剤組成物は、酵素、蛍光剤、溶媒及び洗剤ビルダーからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含むことが好ましい。
洗浄剤又は洗浄剤組成物中の酵素の含有量は、洗浄剤又は洗浄剤組成物の総量100質量%に対して0.01〜3質量%が好ましい。
共重合体の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。
測定条件、装置などは以下の通りである。
装置:東ソー社製 EcoSEC HLC−8320GPC
検出器:示差屈折率計(RI)検出器
カラム:東ソー社製 TSKgel α−M、α−2500
カラム温度:40℃
流速:0.4mL/min
注入量:20μL(試料濃度0.4wt%の溶離液調製溶液)
検量線:ジーエルサイエンス社製 ポリエチレングリコール
GPCソフト:東ソー社製 EcoSEC−WS
溶離液:0.5M酢酸+0.2M硝酸Na/アセトニトリル=50/50(v/v)
抗菌剤(共重合体)を含む水溶液をミューラーヒントン培地中で2倍ずつ順次希釈していき、抗菌剤含有培地の希釈系列を調製した。その後、各濃度の抗菌剤を含有する培地をポリスチレン製96穴プレートに50μLずつ添加した。次に、18時間ミューラーヒントン寒天培地上で生育させた大腸菌(Escherichia coli、NBRC−3972、NBRC−15034)又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus、NBRC−12732、NBRC−15035)のコロニーをバターフィールド緩衝液に懸濁し、10×108個/mL程度の菌液を調製した。調製した菌液をミューラーヒントン培地中で10×106個/mL程度まで希釈し、上記で調製した希釈系列に対して50μLずつ添加した。35℃にて20時間静置後、菌が生育していない培地中の最小の抗菌剤濃度(ppm)を最小発育阻止濃度(MIC)として決定した。菌の生育の有無は、目視にて濁度が上昇しているかによって判断した。
抗菌剤として得られた重合体を10ppm、洗浄剤としてノニオン界面活性剤を100ppm、ポリオキシエチレンラウリルエーテルを5ppm添加した水溶液の殺菌性試験をASTM E−2315−03に準じて、接触時間10分で行った。試験に用いた菌種は、大腸菌(Escherichia coli、NBRC−3972)及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus、NBRC−12732)である。
生菌数の減少を対数(log)で示した値が殺菌活性値(A)として示され、抗菌剤未添加のコントロールの生菌数が107であって、抗菌剤を添加したものの生菌数が102であれば、殺菌活性値は5となる。以下の基準に従って殺菌活性値を評価し、殺菌性を判断した。
A>1:◎
0.5<A≦1:〇
0.2<A≦0.5:△
A≦0.2:×
綿布(カナキン3号、日本規格協会)を0.4gずつに切断し、バイアル瓶中で滅菌し、乾燥させた。次に、滅菌乾燥させた布を表1に示す組成の水溶液5mlに30分間含浸させ、試験布1とした。
その後、含浸させた試験布1を清浄なペーパータオルではさみ、圧力をかけて脱水を行った。続けて、濯ぎと脱水とをそれぞれ3回ずつ行った。濯ぎと脱水とは、20mlの超純水を入れたビーカー中でこの布を撹拌した(濯ぎ)後、ペーパータオルではさみ、圧力をかけて脱水を行った。3回の濯ぎと脱水後、バイアル瓶に一枚ずつ小分けして一晩乾燥させたものを試験布2とした。
試験布1、2の抗菌性試験をJIS L1902:2008に準拠して実施した。上記で処理した試験布1、2をバイアル瓶に入れ、そこに菌数を105CFU/ml調整した大腸菌(Escherichia coli、 NBRC−3972)または黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus、NBRC−12732)の菌液を0.2ml接種して、37℃で18時間静置培養した。培養後のバイアル瓶に0.7重量%のポリソルベート80と0.1重量%の大豆レシチンとを含む生理食塩水20mlを加えて振とうした。10倍希釈法による希釈系列を作製してミューラーヒントン培地に塗布して植菌後、37℃で24時間培養して生菌数を計測した。抗菌成分を含有しない水で処理した布で上記と同様の試験を行った場合の菌数から上記処理を行った試験布の場合の菌数を減じたものと比較し、減菌数を対数で表示した。
試験布2での滅菌数/試験布1での滅菌数×100(%)を抗菌剤の持続性と定義し、以下の判断基準に従って判定した。
70%以上:◎
50%以上70%未満:〇
20%以上50%未満:△
20%未満:×
(1)Test fabric社より入手したポリエステル布を5cm×5cmに切断し、白布を作製した。この白布を予め日本電色工業社製の測色色差計SE6000型を用いて、白色度を反射率にて測定した。
(2)塩化カルシウム2水和物7.5gに純水を加えて17kgとし、硬水を調製した。
(3)ポリオキシエチレン(8)ラウリルエーテル4.0g、に、純水を加えて、100.0gとし、界面活性剤水溶液を調製した。pHは、水酸化ナトリウムで8.5に調整した。
(4)ターゴットメーターを25℃にセットし、硬水1Lと界面活性剤水溶液1g、固形分換算で5%の重合体水溶液1g、カーボンブラック0.1gをポットに入れ、100rpmで1分間撹拌した。その後、白布5枚を入れ、100rpmで10分間撹拌した。
(5)手で白布の水を切り、25℃にした硬水1Lをポットに入れ、100rpmで2分間撹拌した。
(6)白布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させた後、上記測色色差計にて再度、白布の白度を反射率にて測定した。
(7)以上の測定結果から、下式により再汚染防止能を求めた。
(8)再汚染防止能(%)=〔(洗浄後の白色度)/(原白布の白色度)〕×100
70%以上 :◎
50%以上70%未満:〇
30%以上50%未満:△
30%未満:×
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水65.0g、プロピレングリコール24gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)(和光純薬工業(株)製、以下DAMとも称す。)48.3g、酢酸17.5g及びアクリル酸ブチル(以下BAとも称す。溶解性パラメータ:9.75)18.1gからなるモノマー溶液1;2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業(株)製、以下V−50とも称す。)の5%水溶液30.1gからなる開始剤水溶液;DAM24.12g及び酢酸8.77gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、モノマー溶液1と開始剤水溶液は同時に滴下を開始し、モノマー溶液1は120分間、開始剤水溶液を210分間滴下した。モノマー溶液2はモノマー溶液1滴下終了後から60分間に渡って滴下した。
全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体1を得た。
得られた共重合体1の固形分は37.9%、pHは6.6、重量平均分子量は28,200であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水45.0gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM39.3g、酢酸14.3g及びメタクリル酸エチル(以下EMAとも称す。溶解性パラメータ:9.71)6.54gからなるモノマー溶液1;V−50の10%水溶液22gからなる開始剤水溶液;DAM19.6g及び酢酸7.13gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。
滴下開始時間に関して、モノマー溶液1と開始剤水溶液は同時に滴下を開始し、モノマー溶液1は120分間、開始剤水溶液を210分間滴下した。モノマー溶液2はモノマー溶液1滴下終了後から60分間に渡って滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体2を得た。
得られた共重合体2の固形分は39.7%、pHは6.75、重量平均分子量は15,800であった。
開始剤水溶液をV−50の5%水溶液21.6gに変更したこと以外は実施例2と同様にして重合を行い、共重合体3を得た。
得られた共重合体3の固形分は39%、pHは6.83、重量平均分子量は28,800であった。
開始剤水溶液をV−50の2.5%水溶液36.3gに変更したこと以外は実施例3と同様にして重合を行い、共重合体4を得た。
得られた共重合体4の固形分は40.9%、pHは6.82、重量平均分子量は69,900であった。
モノマー溶液1及び2におけるN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DAM)をジエチルアミノエチルメタクリレート(以下、DEAMとも称す)に変更したこと以外は実施例3と同様にして重合を行い、共重合体5を得た。
得られた共重合体5の固形分は36.9%、pHは6.7、重量平均分子量は28,400であった。
モノマー溶液2をBAに変えたこと以外は実施例5と同様にして共重合体6を得た。
得られた共重合体6の固形分は37.2%、pHは6.5、重量平均分子量は32,000であった。
セパラブルフラスコに脱イオン水25g、プロピレングリコール70gを仕込み、モノマー溶液1としてジメチルアミノエチルメタクリレート 四級化物(以下DQ−100、共栄社化学社製)を73.7g計量し、脱イオン水50.9gで溶解させたものを用いた。開始剤水溶液をV−50の2.5%水溶液25gとし、モノマー溶液2としてBA12.8gとし滴下時間は、モノマー溶液1は180分、モノマー溶液2は180分、開始剤水溶液は210分とした以外は、実施例1と同様にして共重合体7を得た。
得られた共重合体7の固形分は37%、重量平均分子量は25,600、pH5.5であった。
セパラブルフラスコに脱イオン水20g、プロピレングリコール70gを仕込み、モノマー溶液1としてDQ−100を54.0g計量し、脱イオン水37.8gで溶解させたものを用いた。開始剤水溶液をV−50の5%水溶液35.9gとし、モノマー溶液2としてEMA36.0gとしたこと以外は実施例5と同様にして重合を行い、共重合体8を得た。
得られた共重合体8の固形分は37.7%、重量平均分子量は19,500、pH5.0であった。
モノマー溶液1としてDQ−100を63g、脱イオン水44.1gとし、モノマー溶液2をBA27gとしたこと以外は実施例6と同様にして共重合体9を得た。
得られた共重合体9の固形分は37.7%、重量平均分子量は14,300、pH5.5であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水65.0g、プロピレングリコール24gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM67.9g、BA13.6g、酢酸26gからなるモノマー溶液1;V−50の5%水溶液26.9gからなる開始剤水溶液;イソプレノールにエチレンオキシドが10モル付加したモノマー(以下、IPN10とも称す。溶解性パラメータ:8.17、固形分80%)11.3gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。
滴下時間は、モノマー溶液1は180分、モノマー溶液2は90分、開始剤水溶液は210分とした。その他の重合方法は実施例7と同様にして重合し、共重合体10を得た。
得られた共重合体10の固形分は37.3%、pHは6.7、重量平均分子量は38,100であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水50g、プロピレングリコール22gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM63g、酢酸24.1g及びBA22.5gからなるモノマー溶液1;V−50の5%水溶液31.9gからなる開始剤水溶液;18%アクリル酸(溶解性パラメータ:14.1)水溶液25.6gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下開始時間に関して、モノマー溶液1は180分間、開始剤水溶液およびモノマー溶液2は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体11を得た。
得られた共重合体11の固形分は34.9%、pHは6.15、重量平均分子量は49,500であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水14g、プロピレングリコール39gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、メタクリル酸2−(tert−ブチルアミノ)エチル(以下t−BDAMとも称す)34.0g、酢酸10.4g、水42.4gからなるモノマー溶液1;V−50の2.5%水溶液23.5gからなる開始剤水溶液;アクリル酸ブチル8gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下開始時間に関して、モノマー溶液1は180分間、開始剤水溶液およびモノマー溶液2は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体12を得た。
得られた共重合体12の固形分は21.7%、pHは6.03、重量平均分子量は21,600であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水14g、プロピレングリコール39gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(以下、DADMACとも称する。大阪ソーダ社製、固形分65.2%)110.4gからなるモノマー溶液1;V−50の5%水溶液29.3gからなる開始剤水溶液;アクリル酸ブチル18gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下開始時間に関して、モノマー溶液1、2は180分間、開始剤水溶液およびモノマー溶液2は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体13を得た。
得られた共重合体13の固形分は39%、pHは5.6、重量平均分子量は5,100であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、1,3−ブタンジオール70gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM67.5g、EMA18gからなるモノマー溶液1:V−50 5%水溶液31.6gからなる開始剤水溶液、29%アクリル酸水溶液15.6gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。
滴下開始時間に関して、モノマー溶液1および2は180分間、開始剤水溶液およびモノマー溶液2は210分間滴下した。
全滴下終了後、さらに90分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させた。純水113.8gを追加し、共重合体14を得た。
得られた共重合体14の固形分は27.7%、pHは9.0、重量平均分子量は29,100であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、1,3−ブタンジオール60gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DEAM81g、V−50の5%水溶液28.1gからなるモノマー溶液1:開始剤水溶液、42.4%アクリル酸水溶液21.3gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。全滴下終了後、さらに90分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させた。純水60gを追加し、共重合体15を得た。
得られた共重合体15の固形分は32.9%、pHは8.8、重量平均分子量は22,100であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水25g、プロピレングリコール50gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM45g、酢酸20.6g及びBA42.3gからなるモノマー溶液1;V−50の10%水溶液26.2gからなる開始剤水溶液;20.3%AA水溶液13.4gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下開始時間に関して、モノマー溶液1及びモノマー溶液2は140分間、開始剤水溶液は240分間、滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、純水50gを加えて共重合体16を得た。得られた共重合体16の固形分は31.4%、pHは5.7、重量平均分子量は68,800であった。
セパラブルフラスコにプロピレングリコール75gを仕込み、モノマー溶液1をDAM36g、酢酸16.5g、BA51.3gとしたこと以外は実施例16と同様にして共重合体17を得た。得られた共重合体17の固形分は32.1%、pHは5.7、重量平均分子量は18,700であった。
モノマー溶液1をDAM27g、酢酸12.4g、BA50.4、モノマー溶液2を24.8%AA水溶液 14.5g、開始剤水溶液を10%V−50水溶液24.6gとしたこと以外は実施例17と同様にして共重合体18を得た。得られた共重合体18の固形分は31%、pHは5.7、 重量平均分子量は12,000であった。
モノマー溶液1をDAM45g、酢酸20.6g、2EHA41.4g、モノマー溶液2を24.8%AA水溶液 14.5g、開始剤水溶液を10%V−50水溶液22.4gとしたこと以外は実施例18と同様にして共重合体19を得た。得られた共重合体19の固形分は31.1%、pHは5.6、重量平均分子量は15,000であった。
モノマー溶液1をDAM36g、酢酸16.5g、2EHA49.5g、モノマー溶液2を28.7%AA水溶液15.6gとしたこと以外は実施例19と同様にして共重合体20を得た。得られた共重合体20の固形分は31.3%、pHは5.6、重量平均分子量は16,600であった。
モノマー溶液1をDAM45g、クエン酸一水和物24.1g、イオン交換水18.1gBA42.3gからなるものに、モノマー溶液2を20.2%AA水溶液13.4g、開始剤水溶液を10%V−50水溶液26.2gとし、モノマー溶液2の滴下時間を100分、モノマー溶液3の滴下時間を140分としたこと以外は実施例20と同様にして共重合体21を得た。得られた共重合体21の固形分は33.6%、pHは5.8、 重量平均分子量は16,500であった。
セパラブルフラスコにイオン交換水80gを仕込み、モノマー溶液1をDMAPAA81g、酢酸24.9g、水45.4gからなるものに、モノマー溶液2をN−ビニルピロリドン(以下NVPとも称する)9gに、開始剤水溶液を10%V−50水溶液20.9gからなるものとし、モノマー1、2溶液の滴下時間を重合開始から120分、としたこと以外は実施例1と同様にして共重合体22を得た。得られた共重合体22の固形分は35.2%、pHは7.5、重量平均分子量は23,800であった。
セパラブルフラスコにプロピレングリコール80gを仕込み、モノマー溶液1としてDQ−100を36.0g計量し、脱イオン水25.2gで溶解させたものを用いた。開始剤水溶液をV−50の10%水溶液24.4gとし、モノマー溶液2としてBA54gとし、モノマー溶液の滴下時間を140分、モノマー溶液の滴下時間を100分としたこと以外は実施例1と同様にして重合を行い、共重合体23を得た。
得られた共重合体23の固形分は31.2%、pHは5.4、重量平均分子量は10,100であった。
セパラブルフラスコにプロピレングリコール100gを仕込み、モノマー溶液1としてDQ−100を18.0g計量し、脱イオン水12.6gで溶解させたものを用いた。開始剤水溶液をV−50の10%水溶液26.2gとし、モノマー溶液2としてBA72gとしたこと以外は実施例23と同様にして重合を行い、共重合体24を得た。
得られた共重合体24の固形分は30.9%、pHは6.0、重量平均分子量は7,600であった。
モノマー溶液2として2EHA54g、開始剤水溶液をV−50の10%水溶液19.3gとしたこと以外は合成例24と同様にして重合を行い、共重合体25を得た。
得られた共重合体25の固形分は33.4%、pHは4.9、重量平均分子量は8,000であった。
モノマー溶液2として2EHA 72gとしたこと以外は実施例23と同様にして重合を行い、共重合体26を得た。得られた共重合体26の固形分は31.5%、pHは5.6、重量平均分子量は5,200あった。
セパラブルフラスコに純水24g、プロピレングリコール72g仕込み、モノマー溶液1をDAM54g、酢酸20.6g及びBA36gとし、開始剤水溶液として2.5%V−50 32.5gとしたこと、及び、モノマー溶液2を用いないこと以外は実施例1と同様にして共重合体27を得た。
得られた共重合体27の固形分は35.2%、pHは6.7、重量平均分子量は22,000であった。
セパラブルフラスコに純水39g、プロピレングリコール71g仕込み、モノマー溶液1をDAM54g、酢酸20.6g及び2EHA36gとしたこと以外は実施例27と同様にして共重合体28を得た。得られた共重合体28の固形分は36.4%、pHは6.7、重量平均分子量は70,700であった。
セパラブルフラスコに純水26g、プロピレングリコール74g仕込み、モノマー溶液1をDAM54g、酢酸20.6g及びEMA36gとしたこと以外は実施例28と同様にして共重合体29を得た。得られた共重合体29の固形分は34.4%、pHは6.7、重量平均分子量は44,600であった。
セパラブルフラスコに純水26g、プロピレングリコール74g仕込み、モノマー溶液1をDAM54.0g、酢酸20.6g及びEMA36.0gとし、開始剤水溶液として15%V−50水溶液65.9gとしたこと以外は実施例29と同様にして共重合体30を得た。
得られた共重合体30の固形分は30.3%、pHは6.6、重量平均分子量は6,900であった。
セパラブルフラスコに純水26g、プロピレングリコール74g仕込み、モノマー溶液1をDAM51.3g、酢酸19.6g及びEMA36.0gとし、開始剤水溶液として15%V−50水溶液68g、モノマー溶液2を20.3%AA水溶液13.4gとしたこと以外は実施例16と同様にして共重合体31を得た。
得られた共重合体31の固形分は30.3%、pHは6.7、重量平均分子量は7,000であった。
セパラブルフラスコにプロピレングリコール75g、イオン交換水26g仕込み、モノマー溶液1をDAM51.3g、酢酸20.6g、BA36.0gとし、開始剤水溶液として15%V−50水溶液68g、モノマー溶液2として20.3%AA水溶液13.4gとしたこと以外は実施例16と同様にして重合を行い、共重合体32を得た。得られた共重合体32の固形分は28.1%、pHは6.5、重量平均分分子量は6,900であった。
Claims (10)
- カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)とを有する洗浄剤用共重合体であって、
該洗浄剤用共重合体は、構造単位(a)として下記式(4)及び/又は(5);
構造単位(a)として下記式(6)及び/又は(7);
該疎水性単量体(B)が、単独重合体の溶解性パラメータが15以下であって、水酸基、炭素数1〜18のアルコキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ハロゲノ基、エポキシ基及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有していてもよい(メタ)アクリレート類;不飽和モノカルボン酸類;スチレン等の芳香族ビニル系単量体;オレフィン系単量体;不飽和アルコールとカルボン酸とのエステル;ハロゲン化ビニル;アルキルビニルエーテル類;炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜20のアルコールとの付加反応物;炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物及びそれらの末端疎水変性物;環状ビニル系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であり、
該カチオン性基含有単量体(A)及び疎水性単量体(B)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)の割合が全構造単位100質量%に対して0〜10質量%であり、
該その他の単量体(E)が、ポリオールの2置換以上の水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステル類;ポリオールの2置換以上のメタクリル酸エステル類;ポリオールの2置換以上の水酸基と不飽和アルコールとのエーテル類;フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、メタクリル酸アリル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、1,5−ヘキサジエン、ジビニルベンゼン、不飽和カルボン酸重金属塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であり、かつ、
重量平均分子量が1000〜20万である共重合体(β)であることを特徴とする洗浄剤用共重合体。 - 前記共重合体(α)は、構造単位(a)の割合が、全構造単位100質量%に対して36〜99.9質量%であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤用共重合体。
- 前記共重合体(α)及び/又は(β)は、共重合体を形成する構造単位の総量100質量%に対して、前記疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)を0.01〜64質量%の割合で有することを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄剤用共重合体。
- 前記共重合体(α)及び/又は(β)は、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄剤用共重合体。
- 前記共重合体(α)及び/又は(β)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構造単位(b−1)と、溶解性パラメータが15以下であって、カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体由来の構造単位(b−2)とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄剤用共重合体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄剤用共重合体を含むことを特徴とする洗浄剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄剤用共重合体からなる抗菌剤と界面活性剤とを含むことを特徴とする洗浄剤組成物。
- 前記洗浄剤組成物は、更に、酵素、蛍光剤、溶媒及び洗剤ビルダーからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含むことを特徴とする請求項7に記載の洗浄剤組成物。
- 前記洗浄剤組成物は、界面活性剤の含有割合が洗浄剤組成物の全量100質量%に対して5〜70質量%であることを特徴とする請求項7又は8に記載の洗浄剤組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄剤用共重合体を洗剤ビルダー又は洗剤組成物として使用する方法。
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