JP2019065442A - 繊維処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた抗菌性と洗濯耐久性とをともに充分に発揮させることができる繊維処理剤を提供する。【解決手段】 カチオン性基含有共重合体を含む繊維処理剤であって、該共重合体は、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)とを有し、重量平均分子量が1000〜100万であり、大腸菌に対する最少発育阻止濃度が1000ppm以下であり、該疎水性単量体(B)は、単独重合体の溶解性パラメータが15以下であることを特徴とする繊維処理剤。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維処理剤に関する。より詳しくは、衣類、タオル類、寝具類等の繊維製品やこれらに用いられる繊維に好適に用いられる繊維処理剤に関する。
近年、生活環境の変化より、繊維製品を屋内で干す(部屋干し)頻度が増している。このように繊維製品を部屋干しすると、屋外に干した場合に比べて、雑菌が繁殖しやすく、菌に由来する不快な臭い、いわゆる部屋干し臭(生乾き臭)が問題となっている。このような問題に加えて、健康的で快適な生活環境を求める消費者のニーズも増しており、抗菌、防臭機能を付与した繊維製品が数多く提案されている。
繊維製品に抗菌性を付与する方法として例えば、特許文献1、2には、金属イオンや金属化合物を用いた方法が開示されている。特許文献3〜5には、4級アンモニウム塩を用いる方法が開示されている。特許文献6には、ハロジアリル尿素化合物を用いる方法を用いる方法が開示されている。
特開昭54−160900号公報 特開平5−272008号公報 特開昭59−130371号公報 特開昭57−51874号公報 特開平5−310505号公報 特開平2−259169号公報
上述のとおり、繊維製品に抗菌性を付与する種々の方法が開示されている。しかし、従来の方法では、繰り返しの洗濯に対する耐久性(以下、洗濯耐久性ともいう。)が充分でなく、長期間の使用や洗濯を繰り返した場合の抗菌性能において充分でなかった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、優れた抗菌性と洗濯耐久性とをともに充分に発揮させることができる繊維処理剤を提供することを目的とする。
本発明者は、繊維処理剤について種々検討したところ、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)と特定の疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)とを有し、重量平均分子量が1000〜100万であって、大腸菌に対する最少発育阻止濃度が1000ppm以下である共重合体を含む繊維処理剤が、優れた抗菌性と洗濯耐久性とをともに充分に発揮させることができることを見いだした。具体的には、上記構成の繊維処理剤は、繊維に対する吸着性に優れ、繊維に充分に固定されるため、洗濯耐久性に優れ、さらに繊維処理剤に含まれる共重合体が特定の構造単位を有することにより優れた抗菌性を発揮し、長期間の使用や洗濯を繰り返した場合にも抗菌性を持続することを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、カチオン性基含有共重合体を含む繊維処理剤であって、上記共重合体は、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)とを有し、重量平均分子量が1000〜100万であり、大腸菌に対する最少発育阻止濃度が1000ppm以下であり、上記疎水性単量体(B)は、単独重合体の溶解性パラメータが15以下である繊維処理剤である。
上記カチオン性基含有共重合体は、疎水性単量体(B)が少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルを含むことが好ましい。
上記カチオン性基含有共重合体は、疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)の割合が、全構造単位100質量%に対して10〜80質量%であることが好ましい。
上記カチオン性基含有共重合体は、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基及びアルコキシシリル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有することが好ましい。
上記カチオン性基含有共重合体は、重量平均分子量が1000〜20万であることが好ましい。
上記カチオン性基含有単量体(A)は、下記式(1)〜(4);
Figure 2019065442
(式(1)及び(2)中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。式(3)及び(4)中、R〜Rは、同一又は異なって、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。Zは、水素原子又はメチル基を表す。Yは、2価の連結基を表す。Xは、陰イオンを表す。m、nは、同一又は異なって、1〜3の整数である。)のいずれかで表される単量体の少なくとも1種であることが好ましい。
上記繊維処理剤は、繊維の後加工に用いられる後加工用繊維処理剤であることが好ましい。
本発明はまた、機能性繊維を製造する方法であって、上記製造方法は、繊維の後加工工程を含み、上記後加工工程において上記繊維処理剤を用いて繊維を処理する機能性繊維の製造方法でもある。
本発明はさらに、上記繊維処理剤を用いて処理された繊維でもある。
本発明の繊維処理剤は、上述の構成よりなり、優れた抗菌性と洗濯耐久性とをともに充分に発揮させることができるため、衣類、タオル類、寝具類等の繊維製品に好適に用いることができる。
以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。
本発明の繊維処理剤は、上記カチオン性基含有共重合体(以下、本発明の共重合体ともいう。)を含むものであり、優れた抗菌性能を発揮する。抗菌性能とは、殺菌(微生物を殺す)、静菌(微生物の繁殖を抑える)、滅菌、消毒、制菌、除菌、防腐、防カビ等の性能を有することをいい、対象となる微生物は、細菌、真菌である。
上記細菌としては、大腸菌、緑膿菌、サルモネラ菌、モラクセラ菌、レジオネラ菌等のグラム陰性菌;黄色ブドウ球菌、クロストリジウム属細菌等のグラム陽性菌が挙げられる。上記真菌としてはカンジダ菌、ロドトルラ、パン酵母等の酵母類;赤カビ、黒カビ等のカビ類が挙げられる。
<共重合体>
上記カチオン性基含有共重合体は、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)とを有する共重合体である。本発明の繊維処理剤がこのような共重合体を含むことで抗菌性が発揮される理由は以下のように推定される。本発明の繊維処理剤を、微生物に作用させると、共重合体が有するカチオン性基含有単量体由来のカチオン性基がマイナスの電荷を有する微生物の表面に吸着する。さらに共重合体が有する疎水基が細胞膜部分と親和性を示し、細胞膜と相互作用することにより、細胞膜を構成する脂質等の間の相互作用を破壊し、及び/又は、膜に結合しているタンパク質等の機能を阻害することにより、細胞が破壊され、及び/又は、細胞の生理活性が阻害され、微生物が死滅することが推定される。
本発明の繊維処理剤は、大腸菌に対する最少発育阻止濃度が1000ppm以下である。上記大腸菌は、Escherichia coli NBRC−3972若しくは15034である。
最小発育阻止濃度(Minimum Inhibitory Concentration、MIC)は、一夜培養における微生物の視認できる発育を阻止する抗微生物物質(繊維処理剤)の最小濃度である。
上記繊維処理剤の大腸菌に対する最少発育阻止濃度が1000ppm以下であれば、長期間の使用や洗濯を繰り返した場合にも、優れた抗菌性を維持することができる。MICとして好ましくは800ppm以下であり、より好ましくは600ppm以下であり、更に好ましくは500ppm以下であり、一層好ましくは400ppm以下であり、特に好ましくは300ppm以下である。
本発明の共重合体は、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)を有している。上記カチオン性基含有単量体(A)は、エチレン性不飽和基とカチオン性基とを少なくとも1つずつ有していれば、特に制限されない。ここでカチオン性基とは、カチオンを有する基又はカチオンを発生させる基であり、例えば、第1〜3級アミノ基、第1〜3級アミノ基の酸による中和物、第4級アンモニウム塩基等が挙げられる。カチオン性基としては、下記式(5)〜(7);
Figure 2019065442
(式(5)及び(6)中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。式(7)中、R〜Rは、同一又は異なって、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。Xは、陰イオンを表す。)のいずれかで表される基であることが好ましい。
上記炭化水素基は、鎖状構造であっても、環構造を有していてもよいが、鎖状構造であることが好ましい。炭化水素基が鎖状構造である場合、直鎖状であっても分岐を有していてもよい。
上記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基が好ましく、より好ましくはアルキル基、アルケニル基であり、更に好ましくはアルキル基である。
また、上記炭化水素基の炭素数としては、1〜10が好ましく、より好ましくは1〜8であり、特に好ましくは1〜5であり、最も好ましくは1〜2である。
上記式(5)及び(6)においてR及びRのうち少なくともいずれか一方は、炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、R及びRの両方が炭素数1〜12の炭化水素基であることがより好ましい。
上記式(7)においてR〜Rは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基であることが好ましい。
〜Rのアルキル基としては、メチル基、エチル基、tert−ブチル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が最も好ましい。
上記式(6)及び(7)におけるXは、特に制限されないが、例えば、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲン化物イオン;硫酸メチルイオン等の硫酸アルキルイオン;酢酸イオン等の有機酸のイオン等が挙げられる。
上記式(6)におけるXは、有機酸のイオンが好ましい。
上記式(7)におけるXは、ハロゲン化物イオン、硫酸アルキルイオンが好ましい。
上記カチオン性基としては、第1〜3級アミノ基、第1〜3級アミノ基の酸による中和物及び第4級アンモニウム塩基の中でも、第3級アミノ基、第3級アミノ基の酸による中和物又は第4級アンモニウム塩基が好ましい。第3級アミノ基、第3級アミノ基の酸による中和物としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基又はこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物が好ましい。
上記カチオン性基含有単量体(A)は、下記式(1)〜(4);
Figure 2019065442
(式(1)及び(2)中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。式(3)及び(4)中、R〜Rは、同一又は異なって、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。Zは、水素原子又はメチル基を表す。Yは、2価の連結基を表す。Xは、陰イオンを表す。m、nは、同一又は異なって、1〜3の整数である。)で表される構造であることが好ましい。
式(1)〜(4)におけるR〜R、Xの好ましい形態は、上記式(5)〜(7)に述べた通りである。
抗菌性及び耐加水分解性の観点から、上記Zは、メチル基であることが好ましい。
上記式(4)におけるm、nは、同一又は異なって、1〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
上記式(1)〜(3)における2価の連結基としては、特に制限されないが、例えば、炭素数1〜12のアルキレン基、下記式(8);
Figure 2019065442
(式中、iは、0〜12の整数を表す。)、下記式(9);
Figure 2019065442
(式中、jは、1〜10の整数を表す。)及び下記式(10);
Figure 2019065442
(式中、kは、0〜4の整数を表す。)で表される構造が挙げられる。
上記2価の連結基としては、上記式(8)又は(9)で表される構造が好ましい。
上記式(8)におけるiは、1〜6であることが好ましく、より好ましくは1〜4である。
上記式(9)におけるjは、1〜6であることが好ましく、より好ましくは1〜4である。
上記カチオン性基含有単量体(A)として、具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のN,N−ジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート類及び上記モノマーに4級化剤を付加させたモノマー若しくはこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリルアミド類及び上記モノマーに4級化剤を付加させたモノマー若しくはこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物;モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(tert−ブチルアミノ)エチル等のモノアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート類及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物;モノメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、モノメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、モノエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のモノアルキルアミノ基含有(メタ)アクリルアミド類及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物;(メタ)アクリル酸−2−アミノエチル等の(メタ)アクリル酸とアルカノールアミンとのエステル類及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物;ジアリルジメチルアンモニウムクロリド等のN,N−ジアリルメチルアミン及びこれに4級化剤を付加させたモノマー若しくはこれの塩酸、酢酸等の酸による中和物;アリルアミン及びこれの塩酸、酢酸等の酸による中和物;1−アリルオキシ−3−ジブチルアミノ−2−オール、1−アリルオキシ−3−ジエタノールアミノ−2−オール等の炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜24のアミン化合物との付加反応物及びこれに4級化剤を付加させたモノマー若しくはこれの塩酸、酢酸等の酸による中和物等が挙げられる。
上記炭素数1〜24のアミン化合物は、アミノ基を有し、炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体の環状エーテル構造と反応することができる限り特に制限されない。炭素数1〜24のアミン化合物の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜16がより好ましい。炭素数1〜24のアミン化合物としては、第1級アミン、第2級アミンが挙げられ、例えば、炭素数1〜24の(ジ)アルキルアミン、炭素数1〜24の(ジ)アルカノールアミン、炭素数1〜24のアルキルアルカノールアミン等が挙げられる。
炭素数1〜24の(ジ)アルキルアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ジヘプチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、ドデシルアミン、ジドデシルアミン等が好ましい。
炭素数1〜24の(ジ)アルカノールアミンとしては、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン、ヘキサノールアミン等が好ましい。
炭素数1〜24のアルキルアルカノールアミンとしては、メチルエタノールアミン等が好ましい。
上記カチオン性基含有単量体(A)として、好ましくは、N,N−ジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート類及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物やこれらに4級化剤を付加させたモノマー、N,N−ジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリルアミド類及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物やこれらに4級化剤を付加させたモノマー、中でもN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びこれらの塩酸、酢酸等の酸による中和物やこれらに4級化剤を付加させたモノマーがより好ましい。
上記4級化剤としては、特に制限されるものではないが、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等のアルキル硫酸等の一般的なアルキル化剤が挙げられる。
本発明の共重合体は、疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)を有している。上記疎水性単量体(B)は、単独重合を行って得られた単独重合体(ホモポリマー)に対する溶解性パラメータが15以下である。なお、溶解性パラメータが15以下であっても、カチオン性基を有するものについては、カチオン性基含有単量体(A)に含まれるものとする。
ここで、上記溶解性パラメータは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE」(1974年、Vol.14、No.2)の147〜154ページに記載の方法によって計算される値である。
以下にその方法を概説する。単独重合体の溶解性パラメータ(δ)(cal/cm1/2は、該重合体を形成している構成単位の蒸発エネルギー(△ei)及びモル体積(△vi)に基づいて、下記の計算法により算出される。
δ=(△ei/△vi)1/2 (cal/cm1/2
疎水性単量体(B)を単独で重合した際に得られた単独重合体(ホモポリマー)に対する溶解性パラメータが15以下であれば、本発明の共重合体における疎水性が充分なものとなり、微生物の細胞膜に対する親和性が向上し、細胞膜との相互作用が増大することで、細胞膜の生理活性にダメージを与えるため、従来の繊維処理剤よりも抗菌性能に優れる。上記溶解性パラメータとして好ましくは14以下であり、より好ましくは13以下であり、更に好ましくは12以下である。上記溶解性パラメータとしては通常5以上である。
上記疎水性単量体(B)としては、単独重合体での溶解性パラメータが15以下であれば特に制限されないが、(メタ)アクリル酸と置換基を有していてもよいアルコールとのエステル((メタ)アクリレート)類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α―アリルオキシアクリル酸及びこれらの塩等の不飽和モノカルボン酸類;スチレン等の芳香族ビニル系単量体;エチレン、プロピレン等のオレフィン系単量体;酢酸ビニル等の不飽和アルコールとカルボン酸とのエステル;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;1−アリルオキシ−3−ブトキシプロパン−2−オール等の炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜20のアルコールとの付加反応物;アリルアルコールのエチレンオキシド付加物、メタリルアルコールのエチレンオキシド付加物、イソプレノールのエチレンオキシド付加物等の炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物及びそれらの末端疎水変性物;N−ビニルピロリドン等の環状ビニル系単量体が挙げられる。
上記不飽和モノカルボン酸の塩としては、金属塩が挙げられる。上記金属塩の金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属が挙げられる。
上記(メタ)アクリレートにおける置換基としては、水酸基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜18のアルコキシ基;オキシアルキレン基、スルホン酸基、リン酸基等のオキソ基含有基;フルオロ基等のハロゲノ基;グリシジル基等のエポキシ基;アルデヒド基等のカルボニル基等が挙げられる。
上記のような置換基を有しないアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニルメタクリレート等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのエステル基の炭素数が1〜18の水酸基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリプロポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オキソ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールメトキシ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールメトキシ(メタ)アクリレート等の(ジ)エチレングリコール(メトキシ)(メタ)アクリレート;アルコキシポリエチレングリコールメタクリレート(アントックスLMA−10)等のアルキレングリコールの繰り返し数が1〜100のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;スルホプロピル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
フルオロ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレートなどのエステル基の炭素数が2〜6のフルオロ基含有アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアリルエーテル等が挙げられる。
カルボニル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、アセトニル(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートアセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−アクリレートアセチルアセテート、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシアルキルプロペナール等が挙げられる。
上記疎水性単量体(B)は、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルを含むことが好ましい。すなわち、本発明の共重合体は、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を有するものであることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記式(11);
Figure 2019065442
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
上記炭化水素基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。より好ましくは1〜16であり、更に好ましくは1〜12であり、特に好ましくは1〜8である。
上記炭化水素基の炭素数が1〜20であれば、重合体の水溶性、粘度を好適な範囲とすることができ、取扱いに優れるものとなる。上記炭化水素基の炭素数が1〜12であれば、重合体の製造が容易となり、さらに、抗菌性に加えて安全性にも優れるものとなる。
上記炭化水素基としては、特に制限されず、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等の鎖状炭化水素基、芳香族炭化水素基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等の環状炭化水素基が挙げられる。上記炭化水素基は、分岐を有していてもよく、分岐を有する場合の炭化水素基の炭素数は、主鎖及び分岐鎖の合計の炭素数を意味する。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルへキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基、イコシル基等が挙げられる。
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。
上記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ドデシニル基、オクタデシニル基、イコシニル基等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、トリル基、o−キシリル基等が挙げられる。
上記シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記シクロアルケニル基としては、例えば、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
上記炭化水素基として、好ましくはアルキル基、アルケニル基であり、より好ましくはアルキル基である。
すなわち上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル(メタ)アクリレート)が好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートとして好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレートであり、より好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
本発明の共重合体はまた、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構造単位(b−1)と、溶解性パラメータが15以下であって、カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体由来の構造単位(b−2)とを有するものであることが好ましい。このような構造単位を有する共重合体もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体は、溶解性パラメータが15以下であって、カルボキシル基、水酸基及びエーテル基のいずれかの官能基を有しているものであればよく、(メタ)アクリル酸エステル構造を有しているものであっても、カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するモノマーに分類するものとする。
本発明の共重合体が構造単位(b−2)とを有することにより、共重合体の水溶性が向上し、また、塩やpHの変化による共重合体の析出、抗菌性の低下等の影響をより充分に緩和することができるため、幅広いpH領域において共重合体を使用することができる。上記カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体としては、上述の不飽和モノカルボン酸類;水酸基含有(メタ)アクリレート;アルキルビニルエーテル類;炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物;炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜20のアルコールとの付加反応物等が挙げられる。
カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体としては、不飽和モノカルボン酸類;水酸基含有(メタ)アクリレート;炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物;炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜20のアルコールとの付加反応物が好ましい。
上記不飽和モノカルボン酸類としては、(メタ)アクリル酸及びこれらの塩が好ましい。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記炭素数2〜20の不飽和アルコールの炭素数は、2〜18であることが好ましく、炭素数2〜20の不飽和アルコールとしては、ビニルアルコール、アリルアルコール、イソプレニルアルコール等が挙げられる。
上記炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物におけるアルキレンオキシドの炭素数は、2〜16であることが好ましく、より好ましくは、2〜12である。上記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。より好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドであり、更に好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドである。
上記アルキレンオキシドの平均付加モル数は、1〜100であることが好ましい。より好ましくは、1〜80であり、更に好ましくは、1〜70であり、特に好ましくは、1〜50である。
上記炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物としては、イソプレノールのエチレンオキシド付加物が好ましい。
上記炭素数1〜20のアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等のアルキルアルコールが挙げられる。好ましくはエタノール、プロパノール、ブタノール等の炭素数2〜16のアルキルアルコールである。
上記炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜20のアルコールとの付加反応物としては1−アリルオキシ−3−ブトキシプロパン−2−オールが好ましい。
本発明の共重合体は、上記カチオン性基含有単量体(A)、疎水性単量体(B)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよい。その他の単量体(E)としては、カチオン性基含有単量体(A)、疎水性単量体(B)と共重合できるものである限り特に制限されない。その他の単量体(E)の単独重合体での溶解性パラメータは、15以下であっても、15を超えるものであってもよく、溶解性パラメータが15よりも大きい単量体(E−1)としては、特に制限されないが、例えば、アクリロニトリル等が挙げられる。
上記単量体(E−1)の溶解性パラメータとして好ましくは15よりも大きく、20以下であり、より好ましくは15よりも大きく、17以下である。
その他の単量体の溶解性パラメータが15以下であっても、15を超えるものであっても、上記疎水性単量体を好ましい割合で重合している限り、共重合体としての疎水性は充分に維持されることとなる。
また、粘度を調整する観点から溶解性パラメータの値にかかわらずエチレン性不飽和基を2個以上有する単量体が含まれていてもよい。エチレン性不飽和基を2個以上有する単量体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、サッカロース、ソルビトール、1,4−ブタンジオール等のポリオールの2置換以上の水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステル類;上記ポリオールの2置換以上のメタクリル酸エステル類;上記ポリオールの2置換以上の水酸基とアリルアルコール、ビニルアルコール等の不飽和アルコールとのエーテル類;フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、メタクリル酸アリル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、1,5−ヘキサジエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのその他の単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
抗菌性を向上させる観点から、本発明の共重合体はその他の単量体として重合性金属塩を共重合していてもよい。重合性金属塩としてはアクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、α―アリルオキシアクリル酸亜鉛等の不飽和カルボン酸の重金属塩が挙げられる。
本発明の共重合体は、架橋性官能基を有していることが好ましい。これにより、本発明の共重合体は、架橋構造を形成することができ、繊維により充分に固定されることとなる。
上記架橋構造は、繊維の有する官能基と共重合体が有する架橋性官能基とを反応させて形成しても、共重合体が有する架橋性官能基どうしを自己架橋させて形成しても、上記架橋性官能基と後述する架橋剤とを反応させて形成してもよい。
上記架橋性官能基としては特に制限されないが、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基及びアルコキシシリル基等が挙げられる。
すなわち、上記共重合体は、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基及びアルコキシシリル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有することが好ましい。
上記架橋性官能基は、構造単位(a)、(b)のいずれが有していてもよい。また、上記共重合体が、後述するその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有する場合、構造単位(e)が有していてもよい。
上記架橋性官能基を有する共重合体を得る方法は特に制限されないが、架橋性官能基を有する単量体を重合すること、又は、単量体(A)、(B)及び任意に単量体(E)を含む単量体成分を重合した後に、架橋性官能基を有する化合物を反応させることにより得ることができる。
架橋性官能基を有する単量体は、単量体(A)、(B)又は(E)のいずれであってもよいが、例えば、ヒドロキシル基を有する単量体としては、上述の水酸基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミノ基を有する単量体としては、上述のカチオン性基含有単量体(A)が挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体としては、上述の不飽和モノカルボン酸類等が挙げられる。
エポキシ基を有する単量体としては、上述のエポキシ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イソシアネート基を有する単量体としては、例えば2−イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工株式会社製 カレンズMOI)、2−イソシアナトエチルアクリラート(昭和電工株式会社製 カレンズAOI)等が挙げられる。
アルコキシシリル基を有する単量体としては、例えばアルコキシシリル基含有(メタ)アクリレート(具体例:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン)等が挙げられる。
本発明の共重合体は、臭気成分に吸着することができる官能基を有することが好ましい。これにより、抗菌性能により雑菌の繁殖を抑制することによる防臭効果に加えて、臭気を吸着することによる防臭効果も得ることができる。
上記官能基としては特に制限されないが、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基等のカチオン性基等が挙げられる。
臭気成分に吸着することができる官能基は、構造単位(a)、(b)、(e)のいずれが有していてもよい。
本発明の共重合体は、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)の割合が全構造単位(共重合体を形成する構造単位の総量)100質量%に対して、20〜90質量%であることが好ましい。より好ましくは20〜85質量%、更に好ましくは20〜80質量%であり、一層好ましくは20〜75質量%であり、更に一層好ましくは20〜70質量%であり、特に好ましくは25〜65質量%であり、最も好ましくは30〜60質量%である。
上記カチオン性基含有単量体(A)が第1〜3級アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物の場合、構造単位(a)の割合は、全構造単位100質量%に対して20〜90質量%であることが好ましい。すなわち、上記カチオン性基含有単量体(A)が、第1〜3級アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物であり、第1〜3級アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物由来の構造単位の割合が、全構造単位100質量%に対して20〜90質量%である共重合体を含む繊維処理剤もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。上記割合としてより好ましくは25〜85質量%であり、更に好ましくは30〜80質量%であり、一層好ましくは30〜75質量%であり、特に好ましく35〜70質量%であり、最も好ましくは35〜65質量%である。
一方、カチオン性基含有単量体(A)が第4級アンモニウム塩の場合、構造単位(a)の割合は、全構造単位100質量%に対して20〜80質量%であることが好ましい。すなわち、カチオン性基含有単量体(A)が、第4級アンモニウム塩基含有単量体であり、第4級アンモニウム塩基含有単量体由来の構造単位の割合が、全構造単位100質量%に対して20〜80質量%である共重合体を含む繊維処理剤もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。上記割合としてより好ましくは20〜65質量%であり、特に好ましくは20〜60質量%であり、最も好ましくは20〜55質量%である。
本発明の共重合体は、全構造単位100質量%に対して、疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)を10〜80質量%の割合で有することが好ましい。これにより、上記共重合体の疎水性がより好適な範囲となり、疎水性相互作用による繊維への吸着性がより向上し、繊維により充分に固定されることとなる。上記割合としてより好ましくは15〜80質量%であり、更に好ましくは20〜75質量%であり、一層好ましくは25〜75質量%であり、更に一層好ましくは30〜75質量%であり、特に好ましくは35〜75質量%であり、最も好ましくは35〜70質量%である。
上記カチオン性基含有単量体(A)が第1〜3級アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物の場合、上記共重合体における疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)の割合は、全構造単位100質量%に対して10〜80質量%であることが好ましい。より好ましくは15〜75質量%であり、更に好ましくは20〜70質量%であり、一層好ましくは25〜70質量%であり、特に好ましくは30〜65質量%であり、最も好ましくは35〜65質量%である。
上記カチオン性基含有単量体(A)が第4級アンモニウム塩の場合、上記共重合体における疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)の割合は、全構造単位100質量%に対して20〜80重量%であることが好ましい。より好ましくは25〜80質量%であり、更に好ましくは30〜80質量%であり、特に好ましくは40〜80質量%であり、最も好ましくは45〜80質量%である。
本発明の共重合体は、共重合体における疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)の含有割合が、共重合体におけるカチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)100質量%に対して、10〜400質量%であることが好ましい。より好ましくは15〜400質量%、更に好ましくは25〜300質量%であり、一層好ましくは30〜300質量%であり、更に一層好ましくは40〜300質量%であり、特に好ましくは50〜300質量%である。本発明の共重合体における構造単位(b)の含有割合がこのような範囲であれば、上記共重合体の抗菌性能が向上する傾向にある。
本発明の共重合体が疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)として(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構造単位(b−1)を有する場合、構造単位(b−1)の割合は、全構造単位100質量%に対して、0.01〜80質量%であることが好ましい。より好ましくは1〜75質量%、更に好ましくは5〜70質量%、一層好ましくは10〜70質量%、更に一層好ましくは15〜70質量%である。
本発明の共重合体は上述のとおり、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構造単位(b−1)と、更にカルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体由来の構造単位(b−2)とを有していてもよく、上記共重合体における構造単位(b−2)の割合は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構造単位(b−1)100質量%に対して、0〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜50質量%である。
本発明の共重合体は、全構造単位100質量%に対して、その他の単量体(E)由来の構造単位(e)の含有割合が、0〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜8質量%、更に好ましくは0〜5質量%である。
その他の単量体の中でも上記構造単位(e−1)を有する場合、構造単位(e−1)の割合は、全構造単位100質量%に対して、0〜1質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜0.5質量%である。
その他の単量体の中でもエチレン性不飽和基を2個以上有する単量体由来の構造単位の含有割合は、全構造単位100質量%に対して0〜1%であることが好ましく、より好ましくは、0〜0.5質量%、更に好ましくは0〜0.1質量%である。
本発明の共重合体としては、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)のみからなる共重合体もまた、好ましい形態の1つである。この場合、構造単位(a)と構造単位(b)の割合の合計は100質量%であり、これらの構造単位のそれぞれの割合は、100質量%から上述の構造単位(a)の割合又は構造単位(b)の割合を差し引いた値となる。
本発明の共重合体は、上記架橋性官能基を有する単量体由来の構造単位の割合が、全構造単位100モル%に対して、0〜40モル%であることが好ましい。より好ましくは0〜30モル%であり、更に好ましくは0〜20モル%、一層好ましくは0〜15モル%である。
本発明の共重合体の重量平均分子量は、1000〜100万である。これにより、本発明の繊維処理剤は、繊維への吸着性に優れ、繊維に充分に固定されるため、別途バインダーを使用しなくても、洗濯を繰り返すことにより洗い流されることを充分に抑制でき、抗菌性能の持続性を有することとなる。バインダーを使用する従来の繊維処理剤は、抗菌成分がバインダーに被覆され、抗菌性能が発揮されにくくなることがあり、バインダーを使用せずに繊維に抗菌性を付与できる本発明の繊維処理剤は、この点においても特に技術的意義を発揮する。
上記重量平均分子量として好ましくは1000〜80万であり、より好ましくは1000〜60万であり、更に好ましくは1000〜40万であり、一層好ましくは1000〜20万であり、更に一層好ましくは2000〜10万であり、特に好ましくは2000〜8万であり、最も好ましくは2000〜75000である。共重合体の重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の共重合体の構造はランダム共重合体構造、グラフト構造、ブロック共重合体構造、グラジエント共重合体構造、星形構造、デンドリマー構造などが挙げられるが、いずれの構造であってもよい。
<共重合体の製造方法>
本発明の共重合体の製造は特に制限されないが、単量体成分を重合することにより製造することができ、各単量体成分の具体例及び好ましい例並びに好ましい割合は、共重合体における各構造単位において述べたとりである。
上記共重合体は、上記単量体成分を重合開始剤の存在下で重合する方法により製造することが好ましい。単量体成分を重合させる際には、重合方法に応じて重合開始剤を適宜用いることができる。上記重合開始剤としては、通常用いられるものを使用することができ、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]n水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物等が好適である。これらの重合開始剤のうち、アゾ系化合物が好ましい。上記重合開始剤としては、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記重合開始剤の使用量は、上記単量体成分の重合を開始できる量であれば特に制限されないが、全単量体成分100質量部に対して、通常0.01〜50質量部であり、好ましくは0.05〜30質量部、より好ましくは0.05〜20質量部であることが好ましい。
本発明で用いるカチオン性基含有単量体の使用方法としては、それらを酸により中和した酸中和物、又は、4級化剤により4級化した4級アンモニウム塩として用いてもよい。
カチオン性基含有単量体の中和に用いる酸としては、特に制限されるものではないが、塩酸、硫酸等の無機酸;酢酸、クエン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸等の有機酸が挙げられる。
カチオン性基含有単量体の4級化剤としては、上述のとおりである。
上記酸、又は、4級化剤を用いる場合、これらの使用量としては、上記カチオン性基含有単量体の一部又は全部が中和又は4級化される限り特に制限されないが、重合反応に用いるカチオン性基含有単量体1モルに対して、酸、又は、4級化剤は0.1〜1モルであることが好ましい。
上記共重合方法において、単量体成分や重合開始剤等の反応容器への添加方法としては、反応容器に単量体成分の全てを仕込み、重合開始剤を反応容器内に添加することによって共重合を行う方法;反応容器に単量体成分の一部を仕込み、重合開始剤と残りの単量体成分を反応容器内に連続してあるいは段階的に(好ましくは連続して)添加することによって共重合を行う方法;反応容器に重合溶媒を仕込み、単量体成分と重合開始剤の全量を添加する方法;単量体のうちの一(例えば、カチオン性基含有単量体)の一部を反応容器に仕込み、重合開始剤と残りの単量体成分を反応容器内に(好ましくは連続して)添加することによって共重合を行う方法等が好適である。このような方法の中でも、得られる共重合体の分子量分布を狭く(シャープに)することができうることから、重合開始剤と単量体成分を反応容器に逐次滴下する方法で共重合を行うことが好ましい。
上記共重合方法としては、例えば、溶液重合やバルク重合、懸濁重合、乳化重合、リビング重合やグラフト重合等の方法で行うことができ、特に限定されるものではないが、溶液重合が好ましい。この際使用できる溶媒は、水であることが好ましい。水のみを使用する場合には、脱溶剤工程を省略できる点で好適である。
上記共重合方法は、回分式でも連続式でも行うことができる。また、共重合の際、必要に応じて使用される溶媒としては、公知のものを使用でき、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、THF(テトラヒドロフラン)等の1価のアルコール類;グリセリン、(ポリ)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の芳香族又は脂肪族炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、単量体成分及び得られる共重合体の溶解性の点から、水及び炭素数1〜4の低級アルコールからなる群より選択される1種又は2種以上の溶媒を用いることが好ましい。上記溶媒は、比較的安価なものであり、本発明の製造方法は、経済的にも優れる。また、上記共重合方法においては、水にプロピレングリコールやエチレングリコール等の多価アルコール溶媒を加えて重合してもよい。上記多価アルコール溶媒は水と併用することによって、ポリマーの溶解性を高めることができ、ソープフリー重合をより充分に抑制することができる。これにより、水溶性に乏しいポリマーの生成をより充分に抑制し、溶液の透明性をより向上させることができる。
上記多価アルコール溶媒と水とを併用する場合、水100質量%に対する多価アルコール溶媒の割合は、0〜200質量%であることが好ましい。
本発明の共重合体の製造方法は、必要に応じて、任意の連鎖移動剤、pH調節剤、緩衝剤などを用いることができる。
重合の際の温度は特に限定されないが、通常50〜120℃であり、好ましくは60〜110℃である。重合時の温度が上記範囲であれば、残存単量体成分が少なくなる傾向にある。なお、重合時の温度は、重合反応の進行中において、常に一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間又は昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応の進行中に経時的に重合温度を変動(昇温又は降温)させてもよい。また、単量体成分を重合させる際には、単量体成分が均一に重合するようにするために、適宜、撹拌することが好ましい。
重合時間は特に制限されず、重合反応の進行状況に応じて適宜設定すればよいが、通常、2〜9時間程度である。なお、本発明において、「重合時間」とは単量体の滴下前の加熱撹拌を行っている時間、単量体を添加している時間及び単量体の滴下後の熟成時間を表す。
反応系内の圧力としては、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下のいずれであってもよい。反応系内の雰囲気としては、空気雰囲気でも不活性雰囲気でもどちらでもよい。
上記重合反応系における重合反応が終了した時点での水溶液中の固形分濃度(すなわち単量体の重合固形分濃度)は、20質量%以上が好ましく、25〜80質量%であることがより好ましい。このように重合反応終了時の固形分濃度が20質量%以上と高ければ、高濃度かつ一段で重合を行うことができる。そのため、従来の製造方法では場合によっては必要であった濃縮工程を省略することができるなど、効率よく共重合体を得ることができる。それゆえ、その製造効率を大幅に上昇させたものとすることができ、その結果、本発明の共重合体の生産性を大幅に向上し、製造コストの上昇も抑制することが可能となる。
本発明の共重合体の製造方法は、全ての使用原料の添加が終了した以後に、単量体の重合率を上げること等を目的として熟成工程を設けても良い。熟成時間は、通常1〜240分間、好ましくは1〜180分間、より好ましくは1〜120分間である。熟成時間が1分間未満の場合には、熟成不十分につき単量体成分が残ることがあり、残存単量体に起因する毒性や臭気などが問題となる。
また、熟成工程における好ましい重合体溶液の温度は、上記重合温度と同様の範囲である。したがって、ここでの温度も一定温度(好ましくは上記滴下が終了した時点での温度)で保持してもよいし、熟成中に経時的に温度を変化させてもよい。
<繊維処理剤>
本発明の繊維処理剤における上記共重合体の含有割合は、特に制限されないが、繊維処理剤100質量%に対して10〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは10〜95質量%であり、更に好ましくは10〜90質量%である。
本発明の繊維処理剤は、架橋剤を含んでいてもよい。
上記共重合体が架橋性官能基を有し、繊維処理剤が架橋剤を含むものである場合、このような繊維処理剤を繊維に処理することにより、繊維上で架橋構造を形成し、繊維処理剤が繊維により充分に固定されるため、洗濯耐久性が向上する。
上記架橋剤としては、共重合体が有する架橋性官能基と反応して架橋構造を形成する限り特に制限されないが、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、ジエタノールアミン、オキサゾリン基含有ポリマー(株式会社日本触媒製 エポクロス)、ブタンジオール、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
本発明の繊維処理剤は、架橋剤が有する反応性官能基の割合が、上記共重合体が有する架橋性官能基100モル%に対して0〜2000モル%であることが好ましい。より好ましくは0〜1000モル%であり、更に好ましくは0〜800モル%である。
<繊維処理剤の用途>
本発明の繊維処理剤は、繊維製品の製造に用いられる繊維の加工に好適に用いられる。例えば、上記繊維処理剤は、原糸改質法(練り込み法・原糸表面改質法等)及び後加工法(吸尽法、含浸パッド法及び塗布法等)といった種々の加工方法で用いることができ、要求性能によって最適加工法を適宜選択すればよい。
繊維化(紡糸)前の段階で、繊維処理剤を練り込んだ場合、繊維内部に繊維処理剤が練り込まれるため、洗濯耐久性に優れることになるが、抗菌性能が発現するのに時間を要することとなる。これに対して、後加工の段階で繊維処理剤を用いると、繊維の表面に繊維処理剤がコーティングされるため、抗菌性能を短時間で発現することとなる。
本発明の繊維処理剤は、繊維に充分に固定することができ、洗濯耐久性に優れるため、繊維の後加工工程に好適に用いられる。
すなわち本発明の繊維処理剤は、繊維の後加工に用いられる後加工用繊維処理剤でもある。
<機能性繊維の製造方法>
本発明はまた、上記繊維処理剤を用いて機能性繊維を製造する方法でもある。上記製造方法は、繊維の原糸改質法や後加工工程において上記繊維処理剤を用いて繊維を処理する方法であることが好ましく、より好ましくは、繊維の後加工工程を含み、上記後加工工程において上記繊維処理剤を用いて繊維を処理する機能性繊維の製造方法である。
上記製造方法により、本発明の繊維処理剤による抗菌性能等の機能性が付与された機能性繊維を得ることができる。
上記製造方法は、後加工工程において、上記繊維処理剤を用いて紡糸工程後の繊維を処理することが好ましい。
上記製造方法における紡糸工程は、通常用いられる方法により行うことができる。
上記後加工工程は、紡糸工程後の繊維に繊維処理剤を固定化する工程を含むものであることが好ましい。
ここで繊維への繊維処理剤の固定化とは、繊維に繊維処理剤を浸漬させて繊維に繊維処理剤を物理的に吸着させることや、更に繊維の有する官能基と繊維処理剤が有する官能基とを反応させ、又は、繊維上で繊維処理剤に含まれる共重合体が有する官能基どうしを反応させ、若しくは、共重合体が有する官能基と架橋剤を反応させて架橋構造を形成することを意味する。
紡糸工程後の繊維は、繊維状であっても、繊維生地に加工されたものであってもよい。
以下において、紡糸工程後の繊維を単に繊維ともいう。
上記後加工工程は、紡糸工程後の繊維に繊維処理剤を固定することができる限り特に制限されないが、繊維を繊維処理剤の水溶液に浸漬させる工程(浸漬工程)と、繊維を脱水する工程(脱水工程)と、繊維に繊維処理剤を固定化する工程(固定化工程)とを含むことがより好ましい。なお、上記製造方法は、浸漬工程の前に、繊維を乾燥する工程(予備乾燥工程)を含んでいてもよい。
上記予備乾燥工程の温度及び時間は特に制限されないが、80〜150℃で1〜180分間行うことが好ましい。
上記繊維処理剤の水溶液の繊維処理剤の濃度は、特に制限されないが、0.01〜30質量%であることが好ましい。
上記浸漬工程における浸漬時間は、1〜60分間が好ましい。
上記脱水工程においては、例えば、脱水機、マングルを用いて脱水を行うことが好ましい。
上記後加工工程は、脱水工程と固定化工程との間に中乾燥工程を行ってもよい。中乾燥工程は、80〜150℃において、1〜180分間行うことが好ましい。
上記固定化工程は、例えば、繊維がセルロース繊維である場合、好ましくは100〜160℃において、1〜30分間行うことが好ましい。繊維がポリエステル繊維等の合成繊維である場合、100〜220℃において、1〜30分間行うことが好ましい。
本発明はまた、本発明の繊維処理剤を用いて処理された繊維でもある。
本発明の繊維処理剤で処理する繊維としては特に制限されないが、ポリエステルやナイロン、アクリル、ポリウレタン等の合成繊維や、キュプラ等の再生セルロース繊維、綿等の天然セルロース繊維等のセルロース繊維等が挙げられる。
本発明の繊維処理剤は、セルロース繊維及び/又はポリエステル繊維に用いられることが好ましい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)>
カチオン性基含有共重合体の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。
測定条件、装置などは以下の通りである。
装置:東ソー社製 EcoSEC HLC−8320GPC
検出器:示差屈折率計(RI)検出器
カラム:東ソー社製 TSKgel α−M、α−2500
カラム温度:40℃
流速:0.4mL/min
注入量:20μL(試料濃度0.4wt%の溶離液調製溶液)
検量線:ジーエルサイエンス社製 ポリエチレングリコール
GPCソフト:東ソー社製 EcoSEC−WS
溶離液:0.5M酢酸+0.2M硝酸Na/アセトニトリル=50/50(v/v)
<最小発育阻止濃度(MIC)>
繊維処理剤を含む水溶液をミューラーヒントン培地中で2倍ずつ順次希釈していき、繊維処理剤含有培地の希釈系列を調製した。その後、各濃度の繊維処理剤を含有する培地をポリスチレン製96穴プレートに50μLずつ添加した。次に、18時間ミューラーヒントン寒天培地上で生育させた大腸菌(Escherichia coli、NBRC−15034又はNBRC−3972)又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus、NBRC−15035又はNBRC−12732)のコロニーをバターフィールド緩衝液に懸濁し、10×10個/mL程度の菌液を調製した。調製した菌液をミューラーヒントン培地中で10×10個/mL程度まで希釈し、上記で調製した希釈系列に対して50μLずつ添加した。35℃にて20時間静置後、菌が生育していない培地中の最小の繊維処理剤濃度(ppm)を最小発育阻止濃度(MIC)として決定した。菌の生育の有無は、目視にて濁度が上昇しているかによって判断した。
評価結果は次の4段階を基準とした。
◎◎:50ppm未満
◎:50ppm以上100ppm未満
○:100ppm以上500ppm未満
×:500ppm以上
<合成例1>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水45.0gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)(和光純薬工業(株)製、以下DAMと称す)39.3g、酢酸14.3g及びメタクリル酸メチル(以下MMAと称す。溶解性パラメータ:9.92)6.54gからなるモノマー溶液1;2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業(株)製、以下V−50と称す)10%水溶液44gからなる開始剤水溶液;DAM19.6g及び酢酸7.13gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。
滴下開始時間に関して、モノマー溶液1と開始剤水溶液は同時に滴下を開始し、モノマー溶液1は120分間、開始剤水溶液を210分間滴下した。モノマー溶液2はモノマー溶液1滴下終了後から60分間に渡って滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体1を得た。
得られた共重合体の固形分は40.6%、pHは6.84、重量平均分子量は10,000であった。
<合成例2>
モノマー溶液1のMMAをメタクリル酸エチル(以下EMAと称す。溶解性パラメータ:9.71)に、開始剤水溶液の10%V−50水溶液を43.2gに変更したこと以外は合成例1と同様にして重合を行い、共重合体2を得た。得られた共重合体の固形分は40.2%、pHは6.86、重量平均分子量は10,000であった。
<合成例3>
開始剤水溶液をV−50の5%水溶液21.6gに変更したこと以外は合成例2と同様にして重合を行い、共重合体3を得た。得られた共重合体の固形分は39%、pHは6.83、重量平均分子量は28,800であった。
<合成例4>
モノマー溶液1をDAM37.1g、酢酸13.5g及びMMA9.8gからなるものに、開始剤水溶液をV−50の15%水溶液60.3gに、モノマー溶液2をDAM18.5g及び酢酸6.7gからなるものに変更したこと以外は合成例1と同様にして重合を行い、共重合体4を得た。得られた共重合体の固形分は40.1%、pHは6.74、重量平均分子量は5,700であった。
<合成例5>
疎水性単量体をブチルアクリレート(以下BAと称す)(溶解性パラメータ:9.75)としたこと以外は合成例2と同様にして重合を行い、共重合体5を得た。
得られた共重合体の固形分は37.5%、pHは6.54、重量平均分子量は16,800であった。
<合成例6>
セパラブルフラスコに、純水55.0gを仕込み、モノマー溶液1をジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAM)39.3g、酢酸12.7g、EMA6.54gに、モノマー溶液2をDEAM19.6g、酢酸6.4gに、開始剤水溶液をV−50の5%の水溶液18.8gとしたこと以外は合成例3と同様にして重合を行い、共重合体6を得た。
得られた共重合体の固形分は38.9%、pHは6.49、重量平均分子量は17,300であった。
<合成例7>
セパラブルフラスコにイオン交換水90g、モノマー溶液1をDAM45.6g、MMA12.1g、酢酸16.6gからなるものに、モノマー溶液2をDAM22.8g酢酸8.3gからなるものに、開始剤水溶液をV−50の2.5%水溶液28.9gに変更したこと以外は合成例4と同様にして重合を行い、共重合体7を得た。
得られた共重合体の固形分は38.2%、pHは6.64、重量平分子量は52,400であった。
<合成例8>
セパラブルフラスコにイオン交換水70g、モノマー溶液1をDAM42.3g、BA7.1g、酢酸16.2gからなるものに、モノマー溶液2をDAM21.1g酢酸8.1gからなるものに、開始剤水溶液をV−50の2.5%水溶液23.8gに変更したこと以外は合成例4と同様にして重合を行い、共重合体8を得た。
得られた共重合体の固形分は38.1%、pHは6.57、重量平分子量は52,500であった。
<合成例9>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水65.0g、プロピレングリコール(以下PGと称す。)24gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM48.3g、酢酸17.5g及びBA18.1gからなるモノマー溶液1;V−50の5%水溶液30.1gからなる開始剤水溶液;DAM24.12g及び酢酸8.77gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、モノマー溶液1と開始剤水溶液は同時に滴下を開始し、モノマー溶液1は120分間、開始剤水溶液を210分間滴下した。モノマー溶液2はモノマー溶液1滴下終了後から60分間に渡って滴下した。
全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体9を得た。
得られた共重合体の固形分は37.9%、pHは6.6、重量平均分子量は28,200であった。
<合成例10>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水65.0g、プロピレングリコール(以下PGと称す。)24gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM67.9g、BA13.6g、酢酸26gからなるモノマー溶液1;V−50の5%水溶液26.9gからなる開始剤水溶液;イソプレノールにエチレンオキシドが10モル付加したモノマー(以下IPN10と称す。)11.3g(有効成分80%)からなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。
滴下時間は、モノマー溶液1は180分、モノマー溶液2は90分、開始剤水溶液は210分とした。その他の重合方法は合成例9と同様にして重合し、共重合体10を得た。
得られた共重合体の固形分は37.3%、pHは6.7、重量平均分子量は38,100であった。
<合成例11>
セパラブルフラスコに脱イオン水18.1g、プロピレングリコール56.1gを仕込み、モノマー溶液1としてジメチルアミノエチルメタクリレート四級化物(以下DQ−100、共栄社化学社製)を54.3g計量し、脱イオン水31.7gで溶解させたものを用いた。開始剤水溶液をV−50の5%水溶液29.5gとし、モノマー溶液2としてBA36.2gとしたこと以外は合成例9と同様にして重合を行い、共重合体11を得た。
得られた共重合体の固形分は34.4%、pHは4.6、重量平均分子量は11,300であった。
<合成例12>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、プロピレングリコール92gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、モノマー溶液1としてDAM72g、酢酸27.5g;開始剤水溶液として5%V−50水溶液27.8g;モノマー溶液2として2−エチルへキシルアクリレート(以下2EHAと称す。)(溶解性パラメータ:9.22)18gを用い、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間は、モノマー溶液1及び2は180分、開始剤水溶液は210分とした。全滴下終了後、さらに60分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体12を得た。
得られた共重合体の固形分は35%、pHは7.0、重量平均分子量は20,500であった。
<合成例13>
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製4つ口フラスコに、n−ブチルアルコール:370.0gと、ペレット状の水酸化ナトリウム:4.27gを仕込み、攪拌しながら60℃まで昇温した。次に、アリルグリシジルエーテル(以下、「AGE」とも称する。):57.0gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。この溶液を1000mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。ここに、20質量%塩化ナトリウム水溶液:200.0gを加え、この水溶液を500mlの分液ロートへ移し、よく振り混ぜた後、分層するまで静置し、下層を取り除いた。残った上層を300mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。析出してきた塩を濾過により取り除き、単量体1−アリルオキシ−3−ブトキシプロパン−2−オール(以下PABと称す。)(溶解性パラメータ:11.0)を得た。
セパラブルフラスコに脱イオン水45g、プロピレングリコール25gを仕込み、モノマー溶液1をDAM72g、酢酸27.5gとし、開始剤水溶液を2.5%V−50水溶液55.4gとし、モノマー溶液2を上記PAB18gに変更したこと以外は合成例10と同様の方法で重合を行い、共重合体13を得た。得られた共重合体の固形分は35%、pHは6.8、重量平均分子量は19,600であった。
<合成例14>
モノマー溶液2としてブチルメタクリレート(以下BMAと称す。)(溶解性パラメータ:9.22)18gを用いたこと以外は合成例12と同様にして重合を行い、共重合体14を得た。得られた共重合体の固形分は36.5%、pHは7.1、重量平均分子量は27,400であった。
<合成例15>
モノマー溶液1をジメチルアミノプロピルアクリルアミド(以下DMAPAAと称す。)81.5g、酢酸29.8g、水47.7gからなるものに、モノマー溶液2をEMA9.06gからなるものに、開始剤水溶液を5%V−50水溶液30.7gからなるものとし、モノマー1、2溶液の滴下時間を重合開始から180分としたこと以外は合成例1と同様にして共重合体15を得た。得られた共重合体の固形分は38.8%、pHは7.9、重量平均分子量は47,400であった。
<合成例16>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水50g、プロピレングリコール22gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM63g、酢酸24.1g及びBA22.5gからなるモノマー溶液1;V−50の5%水溶液31.9gからなる開始剤水溶液;18%AA水溶液25.6gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下開始時間に関して、モノマー溶液1は180分間、開始剤水溶液およびモノマー溶液2は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体16を得た。
得られた共重合体の固形分は34.9%、pHは6.15、重量平均分子量は49,500であった。
<合成例17>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水38g、プロピレングリコール24gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(大阪ソーダ社製、固形分65.2%;以下DADMACと称す。)110.4gからなるモノマー溶液1;V−50の5%水溶液29.3gからなる開始剤水溶液;BA18gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下開始時間に関して、モノマー溶液1、2は180分間、開始剤水溶液およびモノマー溶液2は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体17を得た。
得られた共重合体の固形分は39%、pHは5.6、重量平均分子量は5,100であった。
<合成例18>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、1,3−ブタンジオール60gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DEAM81gからなるモノマー溶液1:V−50の5%水溶液28.1gからなる開始剤水溶液;42.4%AA水溶液21.3gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。全滴下終了後、さらに90分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させた。純水50gを追加し、共重合体18を得た。
得られた共重合体の固形分は32.9%、pHは8.8、重量平均分子量は22,100であった。
<合成例19>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、1,3−ブタンジオール70gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM78.3g、EMA9gからなるモノマー溶液1:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製、以下V−65とも称す)、8%エタノール溶液17.2gからなる開始剤水溶液、20.3%AA水溶液13.4gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。
滴下開始時間に関して、モノマー溶液1及び2は180分間、開始剤水溶液およびモノマー溶液2は210分間滴下した。
全滴下終了後、さらに90分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させた。1,3―BG50gを追加し、合成例19の共重合体19を得た。
得られた共重合体の固形分は36.8%、pHは8.6、重量平均分子量は34,500であった。
<合成例20>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水25g、プロピレングリコール50gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM45g、酢酸20.6g及びBA42.3gからなるモノマー溶液1;V−50の10%水溶液26.2gからなる開始剤水溶液;20.3%AA水溶液13.4gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下開始時間に関して、モノマー溶液1及びモノマー溶液2は140分間、開始剤水溶液は240分間、滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、純水50gを加えて共重合体20を得た。得られた共重合体の固形分は31.4%、pHは5.7、重量平均分子量は68,800であった。
<合成例21>
セパラブルフラスコにプロピレングリコール75gを仕込み、モノマー溶液1をDAM36g、酢酸16.5g、BA51.3gとしたこと以外は合成例20と同様にして共重合体21を得た。得られた共重合体の固形分は32.1%、pHは5.7、重量平均分子量は18,700であった。
<合成例22>
モノマー溶液1をDAM27g、酢酸12.4g、BA50.4、モノマー溶液2を24.8%AA水溶液14.5g、開始剤水溶液を10%V−50水溶液24.6gとしたこと以外は合成例21と同様にして共重合体22を得た。得られた共重合体の固形分は31%、pHは5.7、 重量平均分子量は12,000であった。
<合成例23>
モノマー溶液1をDAM45g、酢酸20.6g、2EHA41.4g、モノマー溶液2を24.8%AA水溶液 14.5g、開始剤水溶液を10%V−50水溶液22.4gとしたこと以外は合成例22と同様にして共重合体23を得た。得られた共重合体の固形分は31.1%、pHは5.6、重量平均分子量は15,000であった。
<合成例24>
モノマー溶液1をDAM36g、酢酸16.5g、2EHA49.5g、モノマー溶液2を28.7%AA水溶液15.6gとしたこと以外は合成例23と同様にして共重合体24を得た。得られた共重合体の固形分は31.3%、pHは5.6、重量平均分子量は16,600であった。
<合成例25>
モノマー溶液1をDAM45g、クエン酸一水和物24.1g、イオン交換水18.1gBA42.3gからなるものに、モノマー溶液2を20.2%AA水溶液13.4g、開始剤水溶液を10%V−50水溶液26.2gとし、モノマー溶液2の滴下時間を100分、モノマー溶液3の滴下時間を140分としたこと以外は合成例24と同様にして共重合体25を得た。得られた共重合体の固形分は33.6%、pHは5.8、 重量平均分子量は16,500であった。
<合成例26>
セパラブルフラスコにイオン交換水80g、モノマー溶液1をDMAPAA81g、酢酸24.9g、水45.4gからなるものに、モノマー溶液2をN−ビニルピロリドン(以下NVPとも称する)9gに、開始剤水溶液を10%V−50水溶液20.9gからなるものとし、モノマー1、2溶液の滴下時間を重合開始から120分、としたこと以外は合成例1と同様にして共重合体26を得た。得られた共重合体の固形分は35.2%、pHは7.5、重量平均分子量は23,800であった。
<合成例27>
セパラブルフラスコにプロピレングリコール80gを仕込み、モノマー溶液1としてDQ−100を36.0g計量し、脱イオン水25.2gで溶解させたものを用いた。開始剤水溶液をV−50の10%水溶液24.4gとし、モノマー溶液2としてBA54gとしたこと以外は合成例11と同様にして重合を行い、共重合体27を得た。
得られた共重合体の固形分は31.2%、pHは5.4、重量平均分子量は10,100であった。
<合成例28>
セパラブルフラスコにプロピレングリコール100gを仕込み、モノマー溶液1としてDQ−100を18.0g計量し、脱イオン水12.6gで溶解させたものを用いた。開始剤水溶液をV−50の10%水溶液26.2gとし、モノマー溶液2としてBA72gとしたこと以外は合成例11と同様にして重合を行い、共重合体28を得た。
得られた共重合体の固形分は30.9%、pHは6.0、重量平均分子量は7,600であった。
<合成例29>
モノマー溶液2として2EHA54g、開始剤水溶液をV−50の10%水溶液19.3gとしたこと以外は合成例28と同様にして重合を行い、共重合体29を得た。
得られた共重合体の固形分は33.4%、pHは4.9、重量平均分子量は8,000であった。
<合成例30>
モノマー溶液2として2EHA72gとしたこと以外は合成例27と同様にして重合を行い、共重合体30を得た。得られた共重合体の固形分は31.5%、pHは5.6、重量平均分子量は5,200あった。
<合成例31>
セパラブルフラスコに純水24g、PG72g仕込み、モノマー溶液1をDAM54g、酢酸20.6g及びBA36gとし、開始剤水溶液として2.5%V−50水溶液32.5gとしたこと、及び、モノマー溶液2を用いないこと以外は合成例9と同様にして共重合体31を得た。
得られた共重合体の固形分は35.2%、pHは6.7、重量平均分子量は22,000であった。
<合成例32>
セパラブルフラスコに純水39g、PG71g仕込み、モノマー溶液1をDAM54g、酢酸20.6g及び2EHA36gとしたこと以外は合成例31と同様にして共重合体32を得た。得られた共重合体の固形分は36.4%、pHは6.7、重量平均分子量は70,700であった。
<合成例33>
セパラブルフラスコに純水26g、PG74g仕込み、モノマー溶液1をDAM54g、酢酸20.6g及びEMA36gとしたこと以外は合成例32と同様にして共重合体33を得た。得られた共重合体の固形分は34.4%、pHは6.7、重量平均分子量は44,600であった。
<合成例34>
セパラブルフラスコに純水26g、PG74g仕込み、モノマー溶液1をDAM54.0g、酢酸20.6g及びEMA36.0gとし、開始剤水溶液として15%V−50水溶液65.9gとしたこと以外は合成例33と同様にして共重合体34を得た。
得られた共重合体の固形分は30.3%、pHは6.6、重量平均分子量は6,900であった。
<合成例35>
セパラブルフラスコに純水26g、PG74g仕込み、モノマー溶液1をDAM51.3g、酢酸19.6g及びEMA36.0gとし、開始剤水溶液として15%V−50水溶液68g、モノマー溶液2を20.3%AA水溶液13.4gとしたこと以外は合成例20と同様にして共重合体34を得た。
得られた共重合体の固形分は30.3%、pHは6.7、重量平均分子量は7,000であった。
<合成例36>
セパラブルフラスコにPG75g、イオン交換水26g仕込み、モノマー溶液1をDAM51.3g、酢酸20.6g、BA36.0gとし、開始剤水溶液として15%V−50水溶液68g、モノマー溶液2として20.3%AA水溶液13.4gとしたこと以外は合成例20と同様にして重合を行い、共重合体36を得た。得られた共重合体の固形分は28.1%、pHは6.5、重量平均分分子量は6,900であった。
<比較合成例1>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水59gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中にDAM62.9g、10%V−50水溶液64.1g及び酢酸22.8gをそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、DAMを120分間、V−50水溶液を150分間、酢酸を120分間とした。また、滴下開始時間に関して、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し重合を完結させ、比較共重合体1を得た。
得られた共重合体の固形分は32.1%、pHは6.73、重量平均分子量5000であった。
<実施例1〜36及び比較例1>
合成例1〜36及び比較例1で得られた共重合体について、MICの評価を上記の方法により行った。結果を表1〜3に示した。なお、表1〜3中、Ecは大腸菌を表し、Saは黄色ブドウ球菌を表す。
Figure 2019065442
Figure 2019065442
Figure 2019065442
<実施例37>繊維処理した試験布の抗菌性評価
合成例9で得られた共重合体9の0.3wt%水溶液を調整し、この中に綿布(金巾3号)に浴比20、40℃で20分間浸漬処理した後、綿布重量と等量の液が付着するように脱水し、130℃で3分乾燥して試験布を得た。
得られた試験布についてJIS L 1902(2015年)に従って抗菌性試験を行った。試験菌は大腸菌(Escherichia coli NBRC3301)と黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC12732)を使用し、抗菌性の評価は以下の4段階で行った。
抗菌活性値:(Log Ct−Log C0)−(Log Tt−Log T0)
Log C0:未処理布の菌液接種直後の生菌数の対数値
Log Ct:未処理布の18時間培養後の生菌数の対数値
Log T0:試験布の菌液接種直後の生菌数の対数値
Log Tt:試験布の18時間培養後の生菌数の対数値
×:抗菌活性値1未満
〇:抗菌活性値1以上2未満
◎:抗菌活性値2以上
結果を表4に示す。なお表4中、架橋剤量(mol%)は、共重合体が有するカルボキシル基100mol%に対す架橋性官能基の割合である。
<実施例38>
合成例33で得られた共重合体33を用いたこと以外は実施例37と同様にして試験布を作成し、評価を行った。また、SEK標準洗濯法(JAFET標準配合洗剤使用)にて洗濯10回後の試験布を同様にJIS L 1902(2015年)に従って抗菌性評価を行った。結果を表4に示す。
<実施例39>
合成例34で得られた共重合体34を用いたこと以外は実施例37と同様にして試験布を作成し、評価を行った。結果を表4に示す。
<実施例40>
合成例11で得られた共重合体11を用いたこと以外は実施例37と同様にして試験布を作成し、評価を行った。結果を表4に示す。
<実施例41>
合成例20で得られた共重合体20を用いて0.3wt%水溶液を調整したこと以外は実施例37と同様にして試験布を作成し、評価を行った。結果を表4に示す。
<実施例42>
架橋剤デナコールEX−810(ナガセケムテックス社製)を共重合体20のカルボキシル基に対し官能基量が800%となるように添加し、水溶液を調整したこと以外は実施例41と同様にして試験布を作成し、評価を行った。結果を表4に示す。
<実施例43>
合成例35で得られた共重合体35を用いたこと以外は実施例42と同様にして試験布を作成し、評価を行った。また、洗濯10回後の抗菌性評価も同様に行った。結果を表4に示す。
<比較例2>
比較合成例1で得られた比較共重合体1を用いたこと以外は実施例37と同様にして試験布を作成し、評価を行った。また、洗濯10回後の抗菌性評価も同様に行った。結果を表4に示す。
Figure 2019065442

Claims (9)

  1. カチオン性基含有共重合体を含む繊維処理剤であって、
    該共重合体は、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)とを有し、
    重量平均分子量が1000〜100万であり、
    大腸菌に対する最少発育阻止濃度が1000ppm以下であり、
    該疎水性単量体(B)は、単独重合体の溶解性パラメータが15以下であることを特徴とする繊維処理剤。
  2. 前記カチオン性基含有共重合体は、疎水性単量体(B)が少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルを含むことを特徴とする請求項1に記載の繊維処理剤。
  3. 前記カチオン性基含有共重合体は、疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)の割合が、全構造単位100質量%に対して10〜80質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維処理剤。
  4. 前記カチオン性基含有共重合体は、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基及びアルコキシシリル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維処理剤。
  5. 前記カチオン性基含有共重合体は、重量平均分子量が1000〜20万であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維処理剤。
  6. 前記カチオン性基含有単量体(A)は、下記式(1)〜(4);
    Figure 2019065442
    (式(1)及び(2)中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。式(3)及び(4)中、R〜Rは、同一又は異なって、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。Zは、水素原子又はメチル基を表す。Yは、2価の連結基を表す。Xは、陰イオンを表す。m、nは、同一又は異なって、1〜3の整数である。)のいずれかで表される単量体の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の繊維処理剤。
  7. 前記繊維処理剤は、繊維の後加工に用いられる後加工用繊維処理剤であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の繊維処理剤。
  8. 機能性繊維を製造する方法であって、
    該製造方法は、繊維の後加工工程を含み、
    該後加工工程において請求項1〜7のいずれかに記載の繊維処理剤を用いて繊維を処理することを特徴とする機能性繊維の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の繊維処理剤を用いて処理された繊維。
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