JP2007039676A - 水溶性両性共重合体、その製造方法及び用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カチオン性単量体(a)、アニオン性単量体(b)及び不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(c)を必須とする単量体成分を共重合してなる水溶性両性共重合体であって、上記単量体(b)は、カルボキシル基含有単量体及び/又はスルホン酸基含有単量体(d)であり、上記単量体(b)がカルボキシル基含有単量体のみからなる場合、上記単量体(b)は、(a)、(b)及び(c)の総量100モル%に対して、50モル%よりも多く、上記単量体(b)がスルホン酸基含有単量体(d)を含んでなる場合、(a)、(d)及び(c)のうち少なくとも1種の単量体は、(a)、(d)及び(c)の総量100モル%に対して、30モル%以下である水溶性両性共重合体。
【選択図】なし
Description
以下に本発明を詳述する。
N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド;ジメチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;ビニルピロリドン;1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール含有不飽和単量体;2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、3−(2−(メタ)アクリロキシ)エトキシカルボニルピリジン等のピリジン含有不飽和ビニル単量体;
また、これらは他に、塩酸塩、クエン酸塩、蓚酸塩等でもよく、更にハロゲン化物としては、例えば、ハロゲン化アルキル等の四級化剤による四級化物等が挙げられる。なお、ハロゲン化アルキルとしては、例えば、塩化メチル、塩化エチル、臭化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、ベンジルクロリド等が挙げられる。
なお、(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート及び[2−(メタクリロイロキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリドについて、下記一般式に示す。
上記カルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、ヒドロキシメチル(メタ)アクリル酸等や、これらの塩が好適であり、中でも、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。なお、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
上記塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等であることが好ましい。金属塩を形成する金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等の1価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子等の2価の金属原子;アルミニウム、鉄等の3価の金属原子が好適であり、また、有機アミン塩としては、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩や、トリエチルアミン塩が好適である。
なお、塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等であることが好ましく、金属塩を形成する金属原子や有機アミン塩の好適な形態は上述したとおりである。
なお、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムについて、下記一般式に示す。
なお、カルボキシル基含有単量体とスルホン酸基含有単量体(d)とを併用する場合、これらのモル比(カルボキシル基含有単量体/スルホン酸基含有単量体(d))としては、10〜90/90〜10であることが好適である。より好ましくは、15〜85/85〜15であり、更に好ましくは、20〜80/80〜20であり、特に好ましくは、25〜75/75〜25である。
なお、3−メチル−3−ブテン−1−オールEO付加物、アリルアルコールEO付加物、及びメトキシPEGメタクリル酸エステルについて、下記一般式に示す。
具体的には、上記アニオン性単量体(b)がカルボキシル基含有単量体のみからなる場合には、該単量体(b)が、単量体(a)、(b)及び(c)の総量100モル%に対して、50モル%よりも多いことが適当である。50モル%以下であると、高硬度下で充分な分散性を発揮できないおそれがあり、例えば洗剤組成物用途に有用なものとすることができないおそれがある。好ましくは60モル%以上であり、より好ましくは65モル%以上である。
上記カチオン性単量体(a)としてはまた、カチオン性単量体(a)の使用モル量が、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(c)の使用モル量と同等かそれ以上であることが好適である。カチオン性単量体(a)の使用モル量よりも不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(c)の使用モル量が多いと、汚れに対する吸着能を向上することができないおそれがあり、洗浄力を強力なものとすることができないおそれがある。
上記他の単量体の含有割合としては特に限定されず、例えば、全単量体成分100質量%中、30質量%以下であることが好適である。30質量%を超えると、例えば洗剤組成物用途に用いた場合に、高硬度での分散性が低下し、洗浄力をより充分なものとすることができないおそれがある。より好ましくは20質量%以下であり、更に好ましくは10質量%以下である。
上記重量平均分子量としては、例えば、下記の条件下、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
<重量平均分子量測定(GPC分析)>
装置:昭和電工社製「Shodex−GPC SYSTEM−21」
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ、GF−710−HQ
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/分
検量線:ポリエチレングリコール標準サンプル(ジーエルサイエンス社品)
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=7/3(質量比)
またアニオン性単量体(b)としてカルボキシル基含有単量体を使用する場合、カルボキシル基含有単量体の残存量は、添加した量100質量%に対して、10質量%以下であることが好適である。10質量%を超えると、安全性に優れた共重合体とすることができないおそれがあり、また、共重合体中のカルボキシル基含有量が減少するため、分散能が充分とはならず洗浄力が低下するおそれがある。更に、水溶液中で使用する場合には、液のpHによっては残存するカルボキシル基含有単量体が不溶化するおそれもある。より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以下である。また、アニオン性単量体(b)としてスルホン酸基含有単量体(d)を使用する場合、該スルホン酸基含有単量体(d)の残存量は、添加した量100質量%に対して、15質量%以下であることが好適である。15質量%を超えると、安全性に優れた共重合体とすることができないおそれがあり、また、共重合体中のスルホン酸含有量が減少するため、分散能が充分とはならず洗浄力が低下するおそれがある。更に、水溶液中で使用する場合には、液のpHによっては残存するスルホン酸基含有単量体が不溶化するおそれもある。より好ましくは10質量%以下である。
更に不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(c)の残存量は、添加した量100質量%に対して、40質量%以下であることが好適である。40質量%を超えると、共重合体中の有効成分量が減少するため、分散性や液体洗剤に対する相溶性等の物性が充分とはならないおそれがあり、また、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(c)は反応性であるために、経時変化を起こすおそれもある。より好ましくは30質量%以下である。
上記重合開始剤と連鎖移動剤とを併用する場合、これらの質量比としては、例えば、重合開始剤100重量部に対し、連鎖移動剤の下限が30重量部、上限が300重量部であることが好適である。より好ましくは、下限が50重量部、上限が200重量部である。
上記溶媒の使用量は特に限定されないが、例えば、重合濃度が後述する好適な範囲内となるように設定することが好ましい。具体的には、単量体成分の総量100重量部に対して5〜900重量部であることが好ましい。より好ましくは25〜800重量部である。なお、上記溶媒は、初期一括仕込みしてもよく、逐次添加してもよい。
上記重合濃度とは、重合反応が終了した時点での溶液中の固形分濃度、すなわち重合反応系における固形成分の濃度(例えば、単量体の重合固形分濃度)であり、重合反応が終了した時点とは、例えば、上述した各成分の滴下終了後であってもよいし、また、より具体的には、上述した各成分の滴下終了後、反応溶液を保持(熟成)した後であってもよい。
また単量体成分や開始剤の反応系内への添加方法としては特に限定されず、通常の方法によればよいが、例えば、単量体成分を別々に又は混合物として、溶剤とともに又は溶剤と別々に、連続的又は間欠的に反応系内に添加することが好適である。より好ましくは、連続的に添加することである。開始剤についても同様に、溶剤とともに又は溶剤と別々に、連続的又は間欠的に添加することが好ましく、より好ましくは、連続的に添加することである。また、単量体成分と開始剤とを添加した後に開始剤のみを添加する形態を含んでいてもよい。
なお、酸性条件下にするには、pH調整剤を用いることが好ましく、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、蓚酸等の有機酸や無機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;アンモニア、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン等の1種又は2種以上を使用することができる。また、開始剤に加えて、重金属イオン、好ましくは鉄イオンを含んでもよい。重金属イオンが含まれていると、開始剤効率が向上し、少ない重合開始剤量で効率良く共重合体を合成することが可能となる。
上記硬水100ppmとは、水1リットル(L)に溶けているカルシウム量を、炭酸カルシウム(CaCO3)の重量(mg)に換算した値(mg/L=ppm)を意味するものである。
上記洗浄率は、下記洗浄力試験条件にしたがって算出される値である。
(洗浄力試験条件)
(1)日本規格協会より入手できるJIS L0803:1998綿布を5cm×5cmに切断し、白布を作成する。また湿式人工汚染布も洗濯科学協会より入手する。白布及び汚染布を予め日本電色工業社製の測色色差計SE2000型を用い、白色度を反射率にて測定する。
(2)塩化カルシウム2水和物0.294gに純水を加えて2000gとし、硬水を調整する。
(3)ターゴットメーターを25℃にセットし、硬水1000mlと固形分換算で1質量%の水溶性両性共重合体の水溶液を洗浄剤として5.0gをポットに入れる。
上記洗浄率として好ましい形態のものを用いる場合は、ターゴットメーターを25℃にセットし、硬水1000mlと5質量%炭酸ナトリウム水溶液4.0g、5質量%LAS水溶液4.0g、ゼオライト0.15g、固形分換算で1質量%の水溶性両性共重合体の水溶液5.0gをポットに入れることになる。このように、洗浄力試験を実施するために、洗浄剤の配合を決めることによって、上記水溶性両性共重合体の洗浄剤としたときの硬水100ppm中での洗浄率を明確に決定することができる。
(4)汚染布7枚、白布7枚をポットに入れ、硬水1000ml及び該水溶性両性共重合体の水溶液を100rpmで10分間撹拌する。
(5)手で白布の水を切り、硬水1000mlをポットに入れ、100rpmで2分間撹拌する。これを2回行う。
(6)白布と汚染布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させ、上記測色色差計にて再度、白布及び汚染布の白色度を反射率にて測定する。
(7)以上の測定結果から、下式により洗浄率を求める。
洗浄率(%)={(洗浄後の汚染布の白色度−洗浄前の汚染布の白色度)/(原白布の白色度−洗浄前の汚染布の白色度)}×100
上記硬水100ppm中での洗浄率が17.0%以上である洗浄剤は、例えば、上記製造方法によって製造される水溶性両性共重合体によって達成することができる。前記水溶性両性共重合体を含有する洗浄剤とは、液体洗剤であっても粉末洗剤であってもよいが、界面活性剤との相溶性に優れ、高濃縮の液体洗剤とすることができる点から、液体洗剤であることが好ましい。上記洗浄率を達成できる水溶性両性共重合体を形成する単量体、各単量体成分の量の好ましい形態としては、上述したように重合体の製造方法を適宜設定すればよい。なお、JISL0803とは、日本工業標準調査会(JISC)が染色堅ろう度試験に用いる添付白布について標準化した規格である。また、上記LASとは、Linear Alkylbenzene Sulfonateの略であり、LAS水溶液とは、アルキルベンゼンスルホン酸塩の水溶液を意味する。
すなわち、水溶性両性共重合体を含有する洗剤組成物であって、該水溶性両性共重合体は、カチオン性単量体(a)、アニオン性単量体(b)及び不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(c)を必須とする単量体成分を共重合してなり、該単量体(b)は、カルボキシル基含有単量体及び/又はスルホン酸基含有単量体(d)である洗剤組成物もまた、本発明の1つである。
このような洗剤組成物に含まれる水溶性両性共重合体において、好適に使用される単量体成分や含有比、重合方法その他の好適な形態については、上記水溶性両性共重合体について上述したとおりである。但し、このような水溶性両性共重合体には、上記単量体成分の含有比(カチオン性単量体(a)/アニオン性単量体(b)/不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(c))が1/1/1である形態のものは含まないものとする。
上記他の通常使用される洗剤用ビルダーとしては特に限定されず、例えば、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポウ硝、炭酸ナトリウム、ニトリロトリ酢酸ナトリウム、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウムやカリウム、ゼオライト、多糖類のカルボキシル誘導体、(メタ)アクリル酸(共)重合体塩、フマル酸(共)重合体塩などの水溶性重合体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記洗浄剤において、本発明の洗剤組成物の含有割合としては、例えば、洗浄剤100質量%中、上記水溶性両性共重合体が0.1〜40質量%となるように設定することが好適である。0.1質量%未満であると、充分な洗剤性能を発揮できないおそれがあり、40質量%を超えると、経済性に優れたものとすることができないおそれがある。より好ましくは0.2〜30質量%である。
上記アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸又はエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキル又はアルケニルリン酸エステル又はその塩等が挙げられる。なお、これらのアニオン系界面活性剤のアルキル基、アルケニル基の中間にメチル基等のアルキル基が分枝していてもよい。
上記カチオン系界面活性剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシル型又はスルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
上記液体洗剤の好適な形態については、上記洗浄剤において上述したとおりである。
すなわち、水溶性両性共重合体を含有する水処理剤であって、該水溶性両性共重合体は、カチオン性単量体(a)、アニオン性単量体(b)及び不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(c)を必須とする単量体成分を共重合してなり、該単量体(b)は、カルボキシル基含有単量体及び/又はスルホン酸基含有単量体(d)である水処理剤もまた、本発明の1つである。
このような水処理剤及び繊維処理剤に含まれる水溶性両性共重合体において、好適に使用される単量体成分や含有比、重合方法その他の好適な形態については、上記水溶性両性共重合体について上述したとおりである。
下記の実施例等において、重量平均分子量は、上述した方法にて測定した。
また洗浄率は、以下の試験条件の下で求めた。
(1)日本規格協会より入手したJIS L0803:1998綿布を5cm×5cmに切断し、白布を作成した。また湿式人工汚染布も洗濯科学協会より入手した。白布及び汚染布を予め日本電色工業社製の測色色差計SE2000型を用いて、白色度を反射率にて測定した。
(2)塩化カルシウム2水和物0.294gに純水を加えて2000gとし、硬水を調整した。
(3)ターゴットメーターを25℃にセットし、硬水1000mlと5質量%炭酸ナトリウム水溶液4.0g、5質量%LAS水溶液4.0g、ゼオライト0.15g、固形分換算で1質量%の重合体水溶液5.0gをポットに入れた。
(4)汚染布7枚、白布7枚をポットに入れ、100rpmで10分間撹拌した。
(5)手で白布の水を切り、硬水1000mlをポットに入れ、100rpmで2分間撹拌した。これを2回行った。
(6)白布と汚染布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させた後、上記測色色差計にて再度、白布及び汚染布の白色度を反射率にて測定した。
(7)以上の測定結果から、下式により洗浄率を求めた。
洗浄率(%)={(洗浄後の汚染布の白色度−洗浄前の汚染布の白色度)/(原白布の白色度−洗浄前の汚染布の白色度)}×100
還流冷却器、攪拌機を備えた2.5LのSUS製セパラブルフラスコに、710gの純水を流し込み、攪拌しながら90℃まで昇温させた。
次に、60%(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(以下、「4DAM」と略す)38.1g、50%メトキシポリエチレンオキシドメタクリレート(EO付加モル数:23モル)(以下、「PGME」と略す)241.6g、25% 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(以下、「AMPS」と略す)54.7g、10%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「NaPS」と略す)34.3g、40%メルカプトプロピオン酸(以下、「MPA」と略す)11.8gを、それぞれ別々の滴下ノズルから同時に滴下を開始した。滴下は連続的に行なわれ、滴下速度は一定に保った。それぞれの滴下時間は、60%DAM、50%PGME、25%AMPS、40%MPAが180分間、10%NaPSが190分間とした。
10%NaPSの滴下終了後、90℃で60分間熟成し、重合を完結した。重合完結後、重合反応液を冷却し、共重合体(1)の水溶液を得た。実施例1における各種結果を表1に示した。
還流冷却器、攪拌機を備えた2.5LのSUS製セパラブルフラスコに、690gの純水を流し込み、攪拌しながら90℃まで昇温させた。
次に、25%4DAM 74.8g、50%PGME 66.7g、30%アクリル酸(以下、「AA」と略す)43.2g、10%NaPS 36.0g、15%MPA 33.0gを、それぞれ別々の滴下ノズルから同時に滴下を開始した。滴下は連続的に行なわれ、滴下速度は一定に保った。それぞれの滴下時間は、25%4DAM、50%PGME、30%AA、15%MPAが180分間、10%NaPSが190分間とした。
10%NaPSの滴下終了後、90℃で60分間熟成し、重合を完結した。重合完結後、重合反応液を冷却し、共重合体(2)の水溶液を得た。実施例2における各種結果を表1に示した。
還流冷却器、攪拌機を備えた2.5LのSUS製セパラブルフラスコに、660gの純水を流し込み、攪拌しながら90℃まで昇温させた。
次に、60%4DAM 38.1g、50%PGME 241.6g、10%AMPS 38.4g、80%AA 1.7g、10%NaPS 30.8g、40%MPA 10.6gを、それぞれ別々の滴下ノズルから同時に滴下を開始した。滴下は連続的に行なわれ、滴下速度は一定に保った。それぞれの滴下時間は、60%4DAM、50%PGME、10%AMPS、80%AA、40%MPAが180分間、10%NaPSが190分間とした。
10%NaPSの滴下終了後、90℃で60分間熟成し、重合を完結した。重合完結後、重合反応液を冷却し、共重合体(3)の水溶液を得た。実施例3における各種結果を表1に示した。
還流冷却器、攪拌機を備えた2.5LのSUS製セパラブルフラスコに、630gの純水を流し込み、攪拌しながら90℃まで昇温させた。
次に、60%4DAM 38.1g、50%PGME 241.6g、15%AA 53.3g、10%NaPS 30.8g、40%MPA 10.6gを、それぞれ別々の滴下ノズルから同時に滴下を開始した。滴下は連続的に行なわれ、滴下速度は一定に保った。それぞれの滴下時間は、60%4DAM、50%PGME、15%AA、40%MPAが180分間、10%NaPSが190分間とした。
10%NaPSの滴下終了後、90℃で60分間熟成し、重合を完結した。重合完結後、重合反応液を冷却し、共重合体(4)の水溶液を得た。比較例1における各種結果を表1に示した。以上の結果より、本発明の水溶性両性共重合体としては、上記洗浄力試験条件における洗浄率が17.0(%)以上であることが好ましい。特に好ましくは19.0(%)以上である。
Claims (14)
- カチオン性単量体(a)、アニオン性単量体(b)及び不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(c)を必須とする単量体成分を共重合してなる水溶性両性共重合体であって、
該単量体(b)は、カルボキシル基含有単量体及び/又はスルホン酸基含有単量体(d)であり、
該単量体(b)がカルボキシル基含有単量体のみからなる場合、該単量体(b)は、単量体(a)、(b)及び(c)の総量100モル%に対して、50モル%よりも多く、
該単量体(b)がスルホン酸基含有単量体(d)を含んでなる場合、該単量体(a)、(d)及び(c)のうち少なくとも1種の単量体は、単量体(a)、(d)及び(c)の総量100モル%に対して、30モル%以下であることを特徴とする水溶性両性共重合体。 - 前記アニオン性単量体(b)は、前記スルホン酸基含有単量体(d)を含んでなり、
該単量体(d)は、単量体(a)、(d)及び(c)の総量100モル%に対して、30モル%以下であることを特徴とする請求項1に記載の水溶性両性共重合体。 - 前記カチオン性単量体(a)は、アミノ基含有単量体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水溶性両性共重合体。
- 前記アミノ基含有単量体は、(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムハロゲン化物及び(メタ)アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウム硫酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の単量体であることを特徴とする請求項3に記載の水溶性両性共重合体。
- 前記スルホン酸基含有単量体(d)は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩、3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸及びその塩、並びに、3−(メタ)アリルオキシ−1−ヒドロキシプロパン−2−スルホン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種の単量体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水溶性両性共重合体。
- 前記水溶性両性共重合体は、洗浄剤としたときの硬水100ppm中での洗浄率が17.0%以上である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水溶性両性共重合体。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の水溶性両性共重合体を製造する方法であって、
該製造方法は、連鎖移動剤を用いて重合を行う工程を含むことを特徴とする水溶性両性共重合体の製造方法。 - 前記連鎖移動剤は、チオール系連鎖移動剤及び/又はリン系連鎖移動剤であることを特徴とする請求項7に記載の水溶性両性共重合体の製造方法。
- 水溶性両性共重合体を含有する洗剤組成物であって、
該水溶性両性共重合体は、カチオン性単量体(a)、アニオン性単量体(b)及び不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(c)を必須とする単量体成分を共重合してなり、
該単量体(b)は、カルボキシル基含有単量体及び/又はスルホン酸基含有単量体(d)であることを特徴とする洗剤組成物。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の水溶性両性共重合体を含有することを特徴とする洗剤組成物。
- 請求項9又は10に記載の洗剤組成物を含有することを特徴とする洗浄剤。
- 請求項9又は10に記載の洗剤組成物を含有することを特徴とする液体洗剤。
- 水溶性両性共重合体を含有する水処理剤であって、
該水溶性両性共重合体は、カチオン性単量体(a)、アニオン性単量体(b)及び不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(c)を必須とする単量体成分を共重合してなり、
該単量体(b)は、カルボキシル基含有単量体及び/又はスルホン酸基含有単量体(d)であることを特徴とする水処理剤。 - 水溶性両性共重合体を含有する繊維処理剤であって、
該水溶性両性共重合体は、カチオン性単量体(a)、アニオン性単量体(b)及び不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(c)を必須とする単量体成分を共重合してなり、
該単量体(b)は、カルボキシル基含有単量体及び/又はスルホン酸基含有単量体(d)であることを特徴とする繊維処理剤。
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