JPWO2018052133A1 - 研磨パッド - Google Patents
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Abstract
Description
ポリウレタン樹脂と酸化セリウム粒子とを含む高分子体によって形成されたパッド本体を有し、
前記パッド本体が、前記研磨面を構成する部分となっており、
前記酸化セリウム粒子は、1次粒子及び1次粒子が複数凝集した2次粒子となって前記高分子体に含まれ、且つ、30μm以上の粒径となって前記高分子体に含まれる割合が7,000個/cm3以下である。
ポリウレタン樹脂と酸化セリウム粒子とを含む高分子体によって形成されたパッド本体を有し、
前記パッド本体が、前記研磨面を構成する部分となっており、
前記酸化セリウム粒子は、1次粒子及び1次粒子が複数凝集した2次粒子となって前記高分子体に含まれ、且つ、最大粒子径が80μm以下となって前記高分子体に含まれている。
まず、第1実施形態に係る研磨パッドについて説明する。
また、第1実施形態に係る研磨パッドは、ポリウレタン樹脂と酸化セリウム粒子とを含む高分子体によって形成されたパッド本体を有する。
また、第1実施形態に係る研磨パッドは、被研磨物としてガラス板を研磨するのに用いられる。
前記高分子体では、酸化セリウム粒子が分散している。
第1実施形態に係る研磨パッドは、酸化セリウム粒子を含有することで、被研磨物たるガラス板の研磨レートを高めることができる。
また、第1実施形態に係る研磨パッドは、酸化セリウム粒子を含有することで、酸化セリウム粒子とポリウレタン樹脂との間に界面ができ、その結果、この界面によってカットレートを高めることができる。すなわち、第1実施形態に係る研磨パッドは、酸化セリウム粒子を含有することにより、ドレス性に優れたものとなる。
言い換えれば、前記酸化セリウム粒子は、30μm以上最大粒子径以下の粒径となって前記高分子体に含まれる割合が、7,000個/cm3以下であることが重要であり、200〜6,000個/cm3であることが好ましく、1,000〜4,000個/cm3であることがより好ましく、1,000〜2,000個/cm3であることが更により好ましい。
前記酸化セリウム粒子は、30μm以上の粒径となって前記高分子体に含まれる割合が、7,000個/cm3以下であることにより、高分子体に含まれる比較的大きな酸化セリウム粒子の数が抑制される。その結果、第1実施形態に係る研磨パッドによれば、被研磨物にスクラッチが生じ難くなる。
前記酸化セリウム粒子は、30μm以上の粒径となって前記高分子体に含まれる割合が、200個/cm3以上であることにより、カットレートを高めやすい、酸化セリウム粒子とポリウレタン樹脂との間の界面が多くできる。その結果、第1実施形態に係る研磨パッドは、ドレス性に優れたものとなる。
具体的には、X線CT装置を用いて、高分子体の測定対象範囲(例えば、0.7mm×1.6mm×1.6mm)2箇所に含まれている、各酸化セリウム粒子の体積を測定し、この体積と同じ体積の真球の直径を各酸化セリウム粒子の直径とすることにより、各酸化セリウム粒子の直径を求める。
次に、高分子体の測定対象範囲2箇所に含まれている、粒径30μm以上の酸化セリウム粒子の数を求める。
そして、30μm以上の粒径となって前記高分子体に含まれる前記酸化セリウム粒子の割合を求める。
前記酸化セリウム粒子は最大粒子径が80μm以下となって前記高分子体に含まれていることにより、高分子体に含まれる比較的大きな酸化セリウム粒子の数が抑制される。その結果、第1実施形態に係る研磨パッドによれば、被研磨物にスクラッチがより一層生じ難くなる。
具体的には、X線CT装置を用いて測定する高分子体の測定対象範囲(例えば、30mm(縦)×30mm(横)×1〜3mm(厚み)(厚みは、パッド厚さによって適宜調整する))に含まれている、各酸化セリウム粒子の体積を測定し、この体積と同じ体積の真球の直径を各酸化セリウム粒子の直径とすることにより、各酸化セリウム粒子の直径を求める。
そして、前記高分子体に含まれている前記酸化セリウム粒子の最大粒子径を求める。
具体的には、X線CT装置を用いて測定する高分子体の測定対象範囲(例えば、0.7mm×1.6mm×1.6mm)に含まれている、各酸化セリウム粒子の体積を測定し、この体積と同じ体積の真球の直径を各酸化セリウム粒子の直径とすることにより、各酸化セリウム粒子の直径を求める。
なお、X線CT装置を用いて各酸化セリウム粒子の直径を求める際には、装置の空間分解能の関係上、4.0μm未満の粒子は観察できないので、4.0μm以上の粒子のみを測定対象の粒子とする。
そして、酸化セリウム粒子の直径の値を算術平均することにより、前記高分子体に含まれている前記酸化セリウム粒子の平均粒子径を求める。
すなわち、レーザー回折法によって測定される、前記高分子体に含まれる前記酸化セリウム粒子の体積基準のメジアン径は、0.80〜2.00μmであることが好ましく、0.90〜1.50μmであることがより好ましい。
該メジアン径が0.80μm以上であることにより、酸化セリウムの1次粒子の粒径が大きくなる。その結果、酸化セリウムの1次粒子の比表面積が小さくなり、酸化セリウム粒子の凝集が抑制されるという利点がある。
まず、研磨パッドの高分子体の試料を白金るつぼ内に入れ、前記試料が収容された白金るつぼをバーナーで加熱することにより、前記試料を炭化させる。前記加熱の際、研磨パッドが白金るつぼ外に飛散しないようにする。
次に、電気炉で空気雰囲気下400℃にて、炭化した試料が収容された白金るつぼを28時間加熱することにより、炭化した試料を灰化させ、酸化セリウムを取り出す。
そして、研磨パッドから取り出した酸化セリウムを分散媒(例えば、脱イオン水など)に分散させて、分散液を得る。
その後、分散液をレーザー回折式粒度分布測定装置による分析に供し、酸化セリウムの体積基準のメジアン径を求める。言い換えれば、分散液中に含まれる酸化セリウムの体積基準の粒度分布をレーザー回折法で求め、この粒度分布から、分散液に含まれる酸化セリウム粒子の体積基準のメジアン径を求める。
そして、「分散液中の酸化セリウム粒子の体積基準のメジアン径」を、「レーザー回折法によって測定される、高分子体に含まれる酸化セリウム粒子の体積基準のメジアン径」とする。
また、前記ポリウレタン樹脂は、活性水素を含む化合物(以下、「活性水素化合物」ともいう。)に由来する第1の構成単位と、イソシアネート基を含む化合物(以下、「イソシアネート化合物」ともいう。)に由来する第2の構成単位とを備える。
なお、本明細書において、数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって測定した値を意味する。
第1実施形態に係る研磨パッドの製造方法は、イソシアネート基を分子内に2つ以上液状プレポリマーと、酸化セリウム粒子とを混合して混合液を得ることにより、該混合液中に酸化セリウム粒子を分散させる分散工程と、前記混合液と、活性水素を分子内に2つ以上含む有機化合物とを混合することにより、前記液状プレポリマーを硬化させる硬化工程とを実施する。
第1実施形態に係る研磨パッドの製造方法は、30μm以上の粒径となって前記高分子体に含まれる酸化セリウム粒子の割合が7,000個/cm3以下となるように前記分散工程を実施する。
また、前記分散工程において、液状プレポリマーと、酸化セリウム粒子との撹拌時間を長くすることによっても、高分子体に含まれる酸化セリウム粒子を小さくすることができる。
次に、第2実施形態の研磨パッド及びその製造方法について説明する。
尚、第1実施形態と重複する説明は繰り返さない。第2実施形態で特に説明のないものは、第1実施形態で説明したものと同じ内容とする。
前記酸化セリウム粒子は最大粒子径が80μm以下となって前記高分子体に含まれていることにより、高分子体に含まれる比較的大きな酸化セリウム粒子の数が抑制される。その結果、第2実施形態に係る研磨パッドによれば、被研磨物にスクラッチが生じ難くなる。
前記酸化セリウム粒子は、30μm以上の粒径となって前記高分子体に含まれる割合が、7,000個/cm3以下であることにより、高分子体に含まれる比較的大きな酸化セリウム粒子の数が抑制される。その結果、第2実施形態に係る研磨パッドによれば、被研磨物にスクラッチがより一層生じ難くなる。
前記酸化セリウム粒子は、30μm以上の粒径となって前記高分子体に含まれる割合が、200個/cm3以上であることにより、カットレートを高めやすい、酸化セリウム粒子とポリウレタン樹脂との間の界面が多くできる。その結果、第2実施形態に係る研磨パッドは、ドレス性に優れたものとなる。
第2実施形態に係る研磨パッドの製造方法は、30μm以上の粒径となって前記高分子体に含まれる酸化セリウム粒子の割合が7,000個/cm3以下となるように前記分散工程を実施することが好ましい。
また、第1実施形態に係る研磨パッドは、ポリウレタン樹脂と酸化セリウム粒子とを含む高分子体によって形成されたパッド本体を有する。
前記パッド本体は、前記研磨面を構成する部分となっている。
前記酸化セリウム粒子は、1次粒子及び1次粒子が複数凝集した2次粒子となって前記高分子体に含まれている。
また、前記酸化セリウム粒子は、30μm以上の粒径となって前記高分子体に含まれる割合が7,000個/cm3以下である。
斯かる研磨パッドは、被研磨物にスクラッチが生じ難い研磨パッドになり得る。
また、第2実施形態に係る研磨パッドは、ポリウレタン樹脂と酸化セリウム粒子とを含む高分子体によって形成されたパッド本体を有する。
前記パッド本体は、前記研磨面を構成する部分となっている。
前記酸化セリウム粒子は、1次粒子及び1次粒子が複数凝集した2次粒子となって前記高分子体に含まれている。
また、前記酸化セリウム粒子は、最大粒子径が80μm以下となって前記高分子体に含まれている。
斯かる研磨パッドは、被研磨物にスクラッチが生じ難い研磨パッドになり得る。
前記高分子体が発泡体となっている場合には、前記分散工程では、発泡剤をさらに含む前記混合液を作製する。
前記低沸点炭化水素としては、例えば、ブタン、ペンタン、シクロペンタン、及びこれらの混合物などが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素としては、塩化メチレン、HFC(ハイドロフルオロカーボン類)等が挙げられる。
末端基としてイソシアネートを2つ有する液状ウレタンプレポリマーと、酸化セリウム粒子としてのMirek(登録商標)E30(三井金属工業社製)と、発泡剤としての熱膨張性マイクロカプセル(F−48D)とを槽内に入れ撹拌機(撹拌翼:ディスクタイプ及びパドルタイプ、撹拌翼の直径:115mm、回転速度:1350rpm)で10分間撹拌して混合液を得た。なお、材料として用いた酸化セリウム粒子のメジアン径は、上述の方法で求めた。
そして、該混合液と、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)(MOCA)とを混合して重合発泡させ、円板状の高分子体たる研磨パッド(酸化セリウム粒子の濃度:20.0質量%)(820mm(直径)×2mm(厚み))を得た。
レーザー回折法によって測定される、前記高分子体に含まれる前記酸化セリウム粒子の体積基準のメジアン径は、1.26μmであった。なお、このメジアン径は、上述した方法で求めた。
酸化セリウム粒子としてMirek(登録商標)E10(三井金属工業社製)を用いたこと、混合液を得るための撹拌時間を15分間としたこと、及び、研磨パッドにおける酸化セリウム粒子の濃度を7.0質量%とした以外は、実施例1と同様にして高分子体たる研磨パッドを得た。
レーザー回折法によって測定される、前記高分子体に含まれる前記酸化セリウム粒子の体積基準のメジアン径は、0.97μmであった。なお、このメジアン径は、上述した方法で求めた。
実施例1よりも高いせん断速度で撹拌したこと、混合液を得るための撹拌時間を5分間としたこと、及び、高分子体たる研磨パッドにおける酸化セリウム粒子の濃度を23.9質量%とした以外は、実施例2と同様にして高分子体たる研磨パッドを得た。
混合液を得るための撹拌時間を15分間としたこと、及び、高分子体たる研磨パッドにおける酸化セリウム粒子の濃度を10.0質量%とした以外は、実施例1と同様にして高分子体たる研磨パッドを得た。
混合液を得るための撹拌時間を5分間としたこと、及び、高分子体たる研磨パッドにおける酸化セリウム粒子の濃度を23.9質量%とした以外は、実施例1と同様にして高分子体たる研磨パッドを得た。
上述した方法で、30μm以上の粒径となって高分子体に含まれる前記酸化セリウム粒子の割合(以下、単に「粒径30μm以上の粒子割合」ともいう。)、及び、高分子体における酸化セリウム粒子の平均粒子径(以下、単に「平均粒子径」ともいう。)を求めた。
以下の条件下で高分子体たる研磨パッドを用いてガラス板(400mm(縦)×300mm(横)×0.4mm(厚み))を2枚研磨した。
・研磨圧力:90gf/cm2
・研磨時間:10min
・研磨スラリー:酸化セリウム粒子(Mirek(登録商標)E30、三井金属工業社製)及び水を含有する研磨スラリー(Mirek(登録商標)E30の濃度:7質量%)
そして、光学顕微鏡を用いて、研磨後のガラス板の表面を観察し、ガラス板2枚におけるスクラッチ(長さが500μm以上であるスクラッチ)の合計数(以下、単に「スクラッチの合計数」ともいう。)を確認した。
Claims (4)
- 研磨面を有する研磨パッドであって、
ポリウレタン樹脂と酸化セリウム粒子とを含む高分子体によって形成されたパッド本体を有し、
前記パッド本体が、前記研磨面を構成する部分となっており、
前記酸化セリウム粒子は、1次粒子及び1次粒子が複数凝集した2次粒子となって前記高分子体に含まれ、且つ、30μm以上の粒径となって前記高分子体に含まれる割合が7,000個/cm3以下である、研磨パッド。 - 前記酸化セリウム粒子は、最大粒子径が80μm以下となって前記高分子体に含まれる、請求項1に記載の研磨パッド。
- 研磨面を有する研磨パッドであって、
ポリウレタン樹脂と酸化セリウム粒子とを含む高分子体によって形成されたパッド本体を有し、
前記パッド本体が、前記研磨面を構成する部分となっており、
前記酸化セリウム粒子は、1次粒子及び1次粒子が複数凝集した2次粒子となって前記高分子体に含まれ、且つ、最大粒子径が80μm以下となって前記高分子体に含まれている、研磨パッド。 - 前記酸化セリウム粒子は、レーザー回折法によって測定される体積基準のメジアン径が、0.80〜2.00μmとなって前記高分子体に含まれている、請求項1〜3の何れか1項に記載の研磨パッド。
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