JP6983001B2 - 研磨パッド - Google Patents

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Description

本発明は、研磨パッドに関する。
被研磨物(ガラス板等)を研磨する研磨パッドとしては、ポリウレタン樹脂によって形成された研磨パッドが知られている(例えば、特許文献1等)。
特開2007−250166号公報
近年、研磨プロセスのスループットを向上させるために、研磨条件が苛烈化している。具体的には、研磨パッドと被研磨物との間の相対速度を高めたり、或いは、研磨圧力を高めている。
このような研磨条件の苛烈化によって、研磨時に摩擦熱が生じやすくなり、研磨パッドの温度が高まる。
その結果、研磨パッドは、摩擦熱により軟化するという問題がある。
そして、この軟化によって、被研磨物の平坦化が不十分となるといった問題や、研磨レートを十分に高めることができなくなるといった問題が生じ得る。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、温度変化による硬さの変化が小さい研磨パッドを提供することを課題とする。
本発明に係る研磨パッドは、ポリウレタン樹脂を有する研磨パッドであって、
50℃の貯蔵弾性率に対する100℃の貯蔵弾性率の比が、0.41以上であり、
前記ポリウレタン樹脂は、トリレンジイソシアネートに由来する第1の構成単位と、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する第2の構成単位と、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンに由来する第3の構成単位とを備えており、
前記ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、前記第1〜3の構成単位の合計含有率が、95.0質量%以上である。
斯かる研磨パッドは、前記ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、前記第1〜3の構成単位の合計含有率が、95.0質量%以上であることにより、50℃の貯蔵弾性率に対する100℃の貯蔵弾性率の比が高くなり、その結果、温度変化による硬さの変化が小さい研磨パッドとなる。
本発明によれば、温度変化による硬さの変化が小さい研磨パッドを提供し得る。
以下、発明の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る研磨パッドについて、ポリウレタン樹脂を含むポリウレタン樹脂発泡体である研磨パッドを例にして説明する。
前記ポリウレタン樹脂発泡体は、研磨面を構成している。
前記ポリウレタン樹脂は、活性水素を含む化合物(以下、「活性水素化合物」ともいう。)に由来する構成単位と、イソシアネート基を含む化合物(以下、「イソシアネート化合物」ともいう。)に由来する構成単位とを備える。
また、前記ポリウレタン樹脂は、末端に活性水素を有する活性水素化合物と、末端にイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とが結合して、活性水素化合物に由来する構成単位とイソシアネート化合物に由来する構成単位とが交互に繰り返した構造となっている。
前記活性水素化合物は、イソシアネート基と反応し得る活性水素基を分子内に有する有機化合物である。該活性水素基としては、具体的には、ヒドロキシ基、第1級アミノ基、第2級アミノ基、チオール基などの官能基が挙げられ、前記活性水素化合物は、分子中に該官能基を1種のみ有していてもよく、分子中に該官能基を複数種有していてもよい。
前記活性水素化合物としては、例えば、分子中に複数のヒドロキシ基を有するポリオール化合物、分子内に複数の第1級アミノ基又は第2級アミノ基を有するポリアミン化合物などを用いることができる。
また、前記ポリウレタン樹脂は、前記イソシアネート化合物に由来する構成単位として、トリレンジイソシアネート(TDI)に由来する第1の構成単位を備え、前記活性水素化合物に由来する構成単位として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)に由来する第2の構成単位と、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)に由来する第3の構成単位とを備えることが重要である。
また、前記ポリウレタン樹脂は、前記活性水素化合物に由来する構成単位として、ジエチレングリコール(DEG)に由来する第4の構成単位を備えることが好ましい。
前記ポリウレタン樹脂全体において、前記第2の構成単位に含まれるポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)の質量平均分子量は、好ましくは500〜5000、より好ましくは1000〜3000である。
なお、本明細書において、質量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって測定した値を意味する。
また、本実施形態に係る研磨パッドでは、前記ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、前記第1〜3の構成単位の合計含有率は、95.0質量%以上であること、言い換えれば、95.0〜100.0質量%であることが重要であり、95.0〜98.0質量%であることが好ましい。
また、本実施形態に係る研磨パッドでは、前記ポリウレタン樹脂における、PTMGのモル数に対するMOCAのモル数の比(MOCAのモル数/PTMGのモル数)が、好ましくは20/80〜80/20、より好ましくは30/70〜70/30、さらに好ましくは40/60〜60/40である。
さらに、本実施形態に係る研磨パッドでは、前記ポリウレタン樹脂における、PTMGのモル数とMOCAのモル数との合計のモル数に対する、TDIのモル数の比(TDIのモル数/(PTMGのモル数+MOCAのモル数))が、好ましくは20/80〜80/20、より好ましくは30/70〜70/30、さらに好ましくは40/60〜60/40である。
なお、「ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、前記第1〜3の構成単位の合計含有率」、及び、上述したモル数の比は、以下のようにして求めることができる。
まず、研磨パッドを極性溶媒(重DMF、重DMSO等)に溶かして溶解物を得る。次に、該溶解物を1H−NMRで分析することより、TDI、PTMG、及び、MOCAをそれぞれ定量し、「ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、前記第1〜3の構成単位の合計含有率」、及び、上述したモル数の比を求める。
また、「ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、TDI、PTMG、及び、MOCAの合計の含有率」の別の求め方としては、以下の方法がある。
まず、研磨パッドをメタノールで化学分解して分解物を得る。次に、該分解物をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)や高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等で分画し、各分取物を1H−NMR又はGC−MSで分析することより、TDI、PTMG、及び、MOCAをそれぞれ定量し、「ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、前記第1〜3の構成単位の合計含有率」、及び、上述したモル数の比を求める。
本実施形態に係る研磨パッド(ポリウレタン樹脂発泡体)では、50℃の貯蔵弾性率に対する100℃の貯蔵弾性率の比が、0.41以上であることが重要であり、0.43〜1.00であることが好ましく、0.45〜0.90であることがより好ましい。
なお、前記貯蔵弾性率は、JIS K7244−4:1999「プラスチック−動的機械特性の試験方法−第4部:引張振動−非共振法」に従って、引張貯蔵弾性率として測定することができる。
具体的には、貯蔵弾性率を以下の条件で測定することができる。
<貯蔵弾性率の測定条件>
測定装置:SIIナノテクノロジー製、動的粘弾性測定装置DMS6100
周波数:1Hz
初期荷重:300mN
測定モード:引張り・正弦波制御モード
温度:10〜130℃
昇温:5℃/min
前記ポリウレタン樹脂は、前記活性水素化合物に由来する構成単位として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)や前記ジエチレングリコール(DEG)以外のポリオール化合物に由来する構成単位を備えてもよい。
前記ポリオール化合物としては、ポリオールモノマー、ポリオールポリマーが挙げられる。
前記ポリオールモノマーとしては、例えば、直鎖脂肪族グリコール、分岐脂肪族グリコール、脂環族ジオール、多官能ポリオール等が挙げられる。
前記直鎖脂肪族グリコールとしては、例えば、1,4−ベンゼンジメタノール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等が挙げられる。
前記分岐脂肪族グリコールとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等が挙げられる。
前記脂環族ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添加ビスフェノールA等が挙げられる。
前記多官能ポリオールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリブチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
前記ポリオールポリマーとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
なお、ポリオールポリマーとしては、ヒドロキシ基を分子中に3以上有する多官能ポリオールポリマーも挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリヘキサメチレンアジペートグリコール等が挙げられる。
前記ポリエステルポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリエステルグリコール(例えば、ポリカプロラクトンポリオール等)とアルキレンカーボネートとの反応生成物が挙げられ、また、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させて得られた反応混合物をさらに有機ジカルボン酸と反応させた反応生成物も挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレンオキサイド付加ポリプロピレンポリオール等が挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ジオールと、ホスゲン、ジアリルカーボネート(例えばジフェニルカーボネート)又は環式カーボネート(例えばプロピレンカーボネート)との反応生成物などが挙げられる。
該ジオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
前記ポリオール化合物としては、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量400以下のポリエチレングリコール等も挙げられる。
前記ポリウレタン樹脂は、前記活性水素化合物に由来する構成単位として、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)以外のポリアミン化合物に由来する構成単位を備えてもよい。
前記ポリアミン化合物としては、例えば、4,4’−メチレンジアニリン、トリメチレン ビス(4−アミノベンゾアート)、2−メチル4,6−ビス(メチルチオ)ベンゼン−1,3−ジアミン、2−メチル4,6−ビス(メチルチオ)−1,5−ベンゼンジアミン、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン等が挙げられる。
前記ポリウレタン樹脂は、前記イソシアネート化合物に由来する構成単位として、トリレンジイソシアネート(TDI)以外のポリイソシアネート化合物に由来する構成単位を備えてもよい。
前記ポリイソシアネート化合物としては、ポリイソシアネートモノマー、ポリイソシアネートポリマーが挙げられる。
前記ポリイソシアネートモノマーとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネートが挙げられる。また、前記芳香族ジイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の変性物なども挙げられる。
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の変性物としては、例えば、カルボジイミド変性物、ウレタン変性物、アロファネート変性物、ウレア変性物、ビウレット変性物、イソシアヌレート変性物、オキサゾリドン変性物等が挙げられる。斯かる変性物としては、具体的には、例えば、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(カルボジイミド変性MDI)が挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などが挙げられる。
前記脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、メチレンビス(4,1−シクロヘキシレン)=ジイソシアネートなどが挙げられる。
前記ポリイソシアネートポリマーとしては、ポリオールと、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートの少なくとも何れかのジイソシアネートが結合されてなるポリマー等が挙げられる。
本実施形態に係る研磨パッドで研磨する被研磨物としては、例えば、ガラス板、シリコンウェーハ等が挙げられる。
前記シリコンウェーハとしては、シリコン層と、テトラエトキシシラン(TEOS)層とが積層され、テトラエトキシシラン(TEOS)層が表面を構成する層となっているシリコンウェーハなどが挙げられる。前記被研磨物が、テトラエトキシシラン(TEOS)層を有するシリコンウェーハである場合には、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)層が研磨される面となる。
この種の研磨パッドを用いて被研磨物を研磨する際には、研磨レートの向上が求められるため、研磨パッドと被研磨物との間の相対速度が高めたり、或いは、研磨圧力が高められたりしている。
その結果、研磨パッドと被研磨物との摩擦熱により、研磨パッドは、被研磨物と接する表面が高温(例えば、70℃以上、場合によっては80℃以上、更には100℃以上)となるような環境下で被研磨物を研磨するのに用いられることがある。
本実施形態に係る研磨パッドは、このような高温の環境下でも、上述した構成を有することで、硬さが低下し難いものとなる。
本実施形態に係る研磨パッドは、上記の如く構成されているが、次に、本実施形態に係る研磨パッドの製造方法について説明する。
本実施形態に係る研磨パッドの製造方法では、ポリウレタン樹脂を含む研磨パッドを得る。
また、本実施形態に係る研磨パッドの製造方法では、活性水素を含む化合物と、イソシアネート基を含む化合物とを結合させることにより前記ポリウレタン樹脂を得る。
具体的には、本実施形態に係る研磨パッドの製造方法では、トリレンジイソシアネート(TDI)に由来する構成単位、及び、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)に由来する構成単位を有するウレタンプレポリマー(末端基としてイソシアネートを有するウレタンプレポリマー)と、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)とを混合して混合物を得、該混合物を重合させることにより、ポリウレタン樹脂を得る。
前記ウレタンプレポリマーは、ジエチレングリコール(DEG)に由来する構成単位を更に有することが好ましい。
前記ウレタンプレポリマーが、ジエチレングリコール(DEG)に由来する構成単位を有することにより、ウレタンプレポリマーとMOCAとを混合させた際に、この混合物が増粘し難くなり、その結果、ポリウレタン樹脂が均一性に優れたものとなるという利点がある。また、後述するように、この混合物が発泡剤も含む場合には、前記ウレタンプレポリマーが、ジエチレングリコール(DEG)に由来する構成単位を有することにより、ウレタンプレポリマーとMOCAとを混合させた際に、発泡剤が発泡し易くなるという利点もある。
さらに、前記混合物は、発泡剤を含んでもよい。この場合には、混合物を重合発泡させることで、ポリウレタン樹脂を含むポリウレタン樹脂発泡体を得る。
前記発泡剤としては、前記ポリウレタン樹脂発泡体が成形される際に、気体を発生させて気泡となり、前記ポリウレタン樹脂発泡体中に気泡を形成させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、加熱により分解してガスを発生させる有機化学発泡剤、沸点が−5〜70℃の低沸点炭化水素、ハロゲン化炭化水素、水、液化炭酸ガスなどを単独でまたは組み合わせて用いることができる。
前記有機化学発泡剤としては、例えば、アゾ系化合物、ニトロソ化合物、スルホニルヒドラジド化合物等が挙げられる。
前記アゾ系化合物としては、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、アゾジカルボン酸バリウム等が挙げられる。
前記ニトロソ化合物としては、例えば、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミド等が挙げられる。
前記スルホニルヒドラジド化合物としては、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、p−トルエンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。
前記低沸点炭化水素としては、例えば、ブタン、ペンタン、シクロペンタンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素としては、塩化メチレン、HFC(ハイドロフルオロカーボン類)等が挙げられる。
また、前記発泡剤は、加熱膨張性球状体であってもよい。該加熱膨張性球状体の粒径は、例えば、2〜100μmである。該加熱膨張性球状体は、熱可塑性樹脂で形成された中空体と、中空体の中空部分に設けられた液状の炭化水素とを備える。
本実施形態に係る研磨パッドは、上記のように構成されているので、以下の利点を有するものである。
即ち、本実施形態に係る研磨パッドは、ポリウレタン樹脂を有する研磨パッドである。
また、本実施形態に係る研磨パッドについて、50℃の貯蔵弾性率に対する100℃の貯蔵弾性率の比が、0.41以上である。
前記ポリウレタン樹脂は、トリレンジイソシアネート(TDI)に由来する第1の構成単位と、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)に由来する第2の構成単位と、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)に由来する第3の構成単位とを備える。
前記ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、前記第1〜3の構成単位の合計含有率は、95.0質量%以上である。
斯かる研磨パッドは、前記ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、前記第1〜3の構成単位の合計含有率が、95.0質量%以上であることにより、50℃の貯蔵弾性率に対する100℃の貯蔵弾性率の比が高くなり、その結果、温度変化による硬さの変化が小さい研磨パッドとなる。
斯かる研磨パッドは、前記ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、前記第1〜3の構成単位の合計含有率が、95.0質量%以上であることにより、温度変化による硬さの変化が小さくなるのは、以下のメカニズムによるものと思われる。
TDI及びMOCAは、ベンゼン環を有し、ポリウレタン樹脂においてハードセグメントを構成する。
一方で、PTMGは、ポリウレタン樹脂においてソフトセグメントを構成する。
ここで、斯かる研磨パッドは、TDI、PTMG、及び、MOCAの3成分のみで前記ポリウレタン樹脂全体の95.0質量%以上を占めており、ハードセグメントを構成するTDI及びMOCAが結晶化しやすくなる。
その結果、斯かる研磨パッドは、温度変化による硬さの変化が小さくなっていると考えられる。
なお、本発明に係る研磨パッドは、本実施形態に限定されるものではない。また、本発明に係る研磨パッド、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明に係る研磨パッドは、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
すなわち、本実施形態に係る研磨パッドは、前記混合物に発泡剤を含有させて形成されてなるが、撹拌により前記混合物に空気を混入させて形成されてもよい。
また、本実施形態に係る研磨パッドは、ポリウレタン樹脂発泡体であるが、発泡されていなくてもよい。
さらに、本発明に係る研磨パッドは、前記混合物に微小中空体を含有させて形成されてもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
以下の材料を用いた。
<主剤>
・主剤1:トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、及び、ジエチレングリコール(DEG)を反応させることで得られるウレタンプレポリマー(末端基としてイソシアネートを有するウレタンプレポリマー)(NCO%:9.6%)
・主剤2:トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、及び、ジエチレングリコール(DEG)を反応させることで得られるウレタンプレポリマー(末端基としてイソシアネートを有するウレタンプレポリマー)(NCO%:9.5%)
・主剤3:トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、及び、ジエチレングリコール(DEG)を反応させることで得られるウレタンプレポリマー(末端基としてイソシアネートを有するウレタンプレポリマー)(NCO%:8.4%)
<硬化剤>
・3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)
<発泡剤>
・加熱膨張性球状体の発泡剤(殻:熱可塑性高分子、内部:炭化水素)
(実施例1)
下記表1に示す主剤及び発泡剤をこの表に示す温度にしてからこの表の配合割合で混合して、第1混合物を得た。
次に、この表に示す硬化剤をこの表に示す温度にしてから第1混合物にこの表の配合割合で混合し60秒間撹拌させることにより、ある程度重合した第2混合物を得た。
そして、第2混合物を100℃で10時間加熱することにより重合し発泡させること(養生)により、ポリウレタン樹脂を含むポリウレタン樹脂発泡体を得た。
次に、該ポリウレタン樹脂発泡体をスライスして研磨パッドを得た。
なお、該研磨パッドでは、ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、第1〜3の構成単位の合計含有率が、95.1質量%であった。
また、該研磨パッド(ポリウレタン樹脂発泡体)では、50℃の貯蔵弾性率に対する100℃の貯蔵弾性率の比が、0.47であった。
Figure 0006983001
(比較例1)
下記表2に示す主剤及び発泡剤をこの表に示す温度にしてからこの表の配合割合で混合して、第1混合物を得た。
次に、この表に示す硬化剤をこの表に示す温度にしてから第1混合物にこの表の配合割合で混合し60秒間撹拌させることにより、ある程度重合した第2混合物を得た。
そして、第2混合物を100℃で10時間加熱することにより重合し発泡させること(養生)により、ポリウレタン樹脂を含むポリウレタン樹脂発泡体を得た。
次に、該ポリウレタン樹脂発泡体をスライスして研磨パッドを得た。
なお、該研磨パッドでは、ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、第1〜3の構成単位の合計含有率が、94.5質量%であった。
また、該研磨パッド(ポリウレタン樹脂発泡体)では、50℃の貯蔵弾性率に対する100℃の貯蔵弾性率の比が、0.40であった。
Figure 0006983001
(比較例2)
下記表3に示す主剤及び発泡剤をこの表に示す温度にしてからこの表の配合割合で混合して、第1混合物を得た。
次に、この表に示す硬化剤をこの表に示す温度にしてから第1混合物にこの表の配合割合で混合し60秒間撹拌させることにより、ある程度重合した第2混合物を得た。
そして、第2混合物を100℃で10時間加熱することにより重合し発泡させること(養生)により、ポリウレタン樹脂を含むポリウレタン樹脂発泡体を得た。
次に、該ポリウレタン樹脂発泡体をスライスして研磨パッドを得た。
なお、該研磨パッドでは、ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、第1〜3の構成単位の合計含有率が、94.5質量%であった。
また、該研磨パッド(ポリウレタン樹脂発泡体)では、50℃の貯蔵弾性率に対する100℃の貯蔵弾性率の比が、0.26であった。
Figure 0006983001
各研磨パッドによる研磨レートを測定した。
研磨レートは以下の研磨条件で測定した。
<研磨条件>
被研磨物:直径2.5インチの円盤状のガラス板
研磨装置:エコメット4(Buehler社製)
研磨用スラリー:酸化セリウム微粒子を水に分散した分散液(酸化セリウム微粒子の濃度:7質量%)
定盤速度:120rpm
研磨荷重面圧:400gf/cm
研磨用スラリーの流量:100ml/min
研磨時間:10min
結果を表4に示す。
Figure 0006983001
以上より、実施例1の研磨パッドでは、比較例1、2の研磨パッドに比べて、研磨レートが高かった。

Claims (2)

  1. ポリウレタン樹脂を有する研磨パッドであって、
    50℃の貯蔵弾性率に対する100℃の貯蔵弾性率の比が、0.41以上0.47以下であり、
    前記ポリウレタン樹脂は、トリレンジイソシアネートに由来する第1の構成単位と、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する第2の構成単位と、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンに由来する第3の構成単位とを備えており、
    前記ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、前記第1〜3の構成単位の合計含有率が、95.0質量%以上である、研磨パッド。
  2. 前記ポリウレタン樹脂は、ジエチレングリコールに由来する第4の構成単位を更に備える、請求項1に記載の研磨パッド。
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