JP6941712B1 - 研磨パッド - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、研磨パッドは、被研磨物の研磨に繰り返し使用されているが、使用により、被研磨物の平坦性が低くなったり、或いは、被研磨物に傷が生じやすくなる。
従って、繰り返し使用されても、研磨物の平坦性を高めることができ、且つ、研磨物に傷が生じ難い研磨パッドが求められ得る。
言い換えれば、パッドライフが長い研磨パッドが求められ得る。
研磨面を有し、
該研磨面が、前記熱硬化性樹脂発泡体の表面で構成され、
前記熱硬化性樹脂発泡体が、複数の気泡を含み、
該複数の気泡は、100μm以下の気泡径を有する小径気泡の個数基準での含有率が20%以下である。
また、本実施形態に係る研磨パッドは、研磨面を有する。該研磨面は、前記熱硬化性樹脂発泡体の表面で構成されている。
本実施形態に係る研磨パッドに係る前記研磨面では、前記熱硬化性樹脂発泡体に含まれる前記気泡が開口した状態になっているため、研磨時には該気泡に研磨用スラリーが収容されることになる。
該複数の気泡は、100μm以下の気泡径を有する小径気泡の個数基準での含有率が20%以下である。
言い換えると、該複数の気泡は、100μmを超える気泡径を有する大径気泡の個数基準での含有率が80%以上である。
前記研磨面において隣り合って開口している気泡の間の樹脂部分は、研磨前のドレス時や、被研磨物の研磨時において引き伸ばされる方向に力が加えられ易い。
樹脂部分が弾性変形可能な領域を超えて引き伸ばされてしまうと伸長が不可逆的となり元の状態よりも伸長された部分が隣の気泡の開口の一部を塞いでしまうことになる。
小径気泡では、気泡の底から研磨面までの距離が短く、樹脂部分の寸法も小さいため、該樹脂部分は、弾性変形できる変位量が小さく引き伸ばされ易い。
一方で、大径気泡では弾性変形できる変位量が大きく伸長がされにくいだけでなく、伸長された部分により開口が閉塞され難くスラリーの収容性が低下し難い。
よって、大径気泡が主体である熱硬化性樹脂発泡体によって研磨面が形成されている本実施形態の研磨パッドは、パッドライフが長くなる。
言い換えると、前記複数の気泡は、100μmを超える気泡径を有する大径気泡の個数基準での含有率が、80%以上であることが重要であり、84%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
言い換えると、前記複数の気泡は、100μmを超える気泡径を有する大径気泡の個数基準での含有率が、通常、95%以下であるが、100%であってもよい。
前記平均気泡径は、300μm以下であることが好ましい。
すなわち、熱硬化性樹脂発泡体の測定対象範囲(例えば、0.7mm×1.6mm×1.6mmの部分2つ分)に含まれている、各気泡の体積を測定し、この体積と同じ体積の真球の直径を各気泡の直径とする。
なお、「平均気泡径」は、各気泡の体積から求めた気泡径の算術平均値[=(「各気泡径」の合計値)/(気泡数)]を意味する。
また、「小径気泡の個数割合」は、得られた各気泡の直径の値の内、100μm以下の直径を有する気泡(小径気泡)の数をカウントし、気泡総数に占める小径気泡の割合を意味する。
なお、見掛け密度は、JIS K7222:2005に基づいて測定することができる。
なお、硬さ(JIS−A)は、JIS K6253−3:2012のタイプAによる硬さ試験に基づいて測定した硬さを意味する。
前記熱硬化性樹脂発泡体の硬さ(JIS−A)が高い程、隣接する気泡どうしの間に存在する樹脂の部分は伸びたままの状態となりやすくなる。
よって、本実施形態に係る研磨パッドは、前記熱硬化性樹脂発泡体の硬さ(JIS−A)が80以上であることにより、前記複数の気泡に小径気泡が20%以下で含まれていることによる効果が発揮されやすくなる。
また、前記ポリウレタン樹脂は、活性水素化合物とイソシアネート化合物とがウレタン結合して、活性水素化合物の第1の構成単位とイソシアネート化合物の第2の構成単位とが交互に繰り返した構造となっている。
なお、ポリオールポリマーとしては、ヒドロキシ基を分子中に3以上有する多官能ポリオールポリマーも挙げられる。
また、本実施形態に係る研磨パッドのポリウレタン樹脂発泡体の製造方法では、イソシアネート基を含むプレポリマーと、活性水素を含む硬化剤とを用いる。
具体的には、前記プレポリマー及び整泡剤を混合することにより空気が気泡として分散した分散液を得、該分散液及び前記硬化剤とを混合して重合することにより、ポリウレタン樹脂発泡体を得る。
或いは、前記プレポリマー及び水を混合することにより、前記プレポリマーのイソシアネート基と水とが反応してCO2が発生し、CO2が気泡として分散した分散液を得、該分散液及び前記硬化剤とを混合して重合することにより、ポリウレタン樹脂発泡体を得る。
前記整泡剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、イオン性界面活性剤などが挙げられる。
分散液と硬化剤とを混合させる際に、撹拌不良を起こさない範囲でせん断力を低下させて分散液と硬化剤とを撹拌させることで、気泡を分散させることができ、その結果、小径気泡の個数割合を小さくすることができる。
他の熱硬化性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
以下の実施例は、本発明をさらに詳しく説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
下記表1及び図1に示す物性を有するシート状のポリウレタン樹脂発泡体たる研磨パッドを用意した。
なお、下記表1に示す特性は、上述した方法で測定した。
また、図1に示す「個数基準の気泡径の累積頻度分布曲線」は、下記の方法で求めた。
まず、上述した方法で各気泡の直径を求めた。
そして、気泡径0μmから50μm間隔毎に気泡数を求め、「各間隔の気泡数」を「各間隔の上限の気泡径の気泡数」とし、これらのデータから、「個数基準の気泡径の累積頻度分布曲線」を求めた。
まず、研磨パッドの研磨面において、研磨面全体の面積に対する気泡の合計面積の比(気泡の合計面積/研磨面全体の面積 × 100%)(以下、「気泡の開口率」ともいう。)を求めた。
次に、下記の研磨機及び下記のドレッサーを用いて研磨パッドを荷重70g/cm2で30分間ドレスした。
そして、ドレスされた研磨パッド、及び、下記の研磨機を用いて、シリコンウェーハを荷重222g/cm2で30分間研磨した。
次に、ドレス及び研磨後における研磨パッドの気泡の開口率を求めた。
そして、気泡の開口保持率を下記式で求めた。
気泡の開口保持率(%) = ドレス及び研磨後における気泡の開口率 / ドレス及び研磨前における研磨パッドの気泡の開口率 ×100%
次に、比較例1の気泡の開口保持率を「1.00」とした際の実施例及び比較例の気泡の開口保持率の相対値を求めた。
研磨機:Ecomet400
ドレッサー:#400ドレッサー
Claims (4)
- 熱硬化性樹脂発泡体を含む研磨パッドであって、
研磨面を有し、
該研磨面が、前記熱硬化性樹脂発泡体の表面で構成され、
前記熱硬化性樹脂発泡体が、複数の気泡を含み、
該複数の気泡は、100μm以下の気泡径を有する小径気泡の個数基準での含有率が20%以下である、研磨パッド。 - 前記複数の気泡の平均気泡径が140μm以上である、請求項1に記載の研磨パッド。
- 前記熱硬化性樹脂発泡体の見掛け密度が0.20〜0.60g/cm3である、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
- 前記熱硬化性樹脂発泡体の硬さ(JIS−A)が、80〜100である、請求項1〜3の何れか1項に記載の研磨パッド。
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