JP7273509B2 - 研磨パッド - Google Patents

研磨パッド Download PDF

Info

Publication number
JP7273509B2
JP7273509B2 JP2018247569A JP2018247569A JP7273509B2 JP 7273509 B2 JP7273509 B2 JP 7273509B2 JP 2018247569 A JP2018247569 A JP 2018247569A JP 2018247569 A JP2018247569 A JP 2018247569A JP 7273509 B2 JP7273509 B2 JP 7273509B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane resin
polishing pad
resin foam
polishing
area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018247569A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020104235A (ja
Inventor
紳司 清水
善隆 森岡
人美 山崎
美由紀 薄谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitta DuPont Inc
Original Assignee
Nitta DuPont Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitta DuPont Inc filed Critical Nitta DuPont Inc
Priority to JP2018247569A priority Critical patent/JP7273509B2/ja
Publication of JP2020104235A publication Critical patent/JP2020104235A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7273509B2 publication Critical patent/JP7273509B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

本発明は、研磨パッドに関する。
被研磨物(ガラス板等)を研磨する研磨パッドとしては、ポリウレタン樹脂発泡体によって形成された研磨パッドが知られている(例えば、特許文献1等)。
特開2007-250166号公報
近年、被研磨物に欠陥(PID(process induced defect))が生じるのを抑制することがこれまで以上に求められている。
そこで、本発明は、上記要望点に鑑み、被研磨物に欠陥が生じるのを抑制し得る研磨パッドを提供することを課題とする。
本発明に係る研磨パッドは、ポリウレタン樹脂発泡体を含む研磨パッドであって、
研磨面を有し、
該研磨面が、前記ポリウレタン樹脂発泡体の表面で構成され、
前記ポリウレタン樹脂発泡体は、横軸を気泡径、縦軸を気泡数として描いた気泡径の分布曲線と前記横軸との間の面積(S)を、前記分布曲線のトップピーク以下の第1の面積(S1)と、前記トップピーク以上の第2の面積(S2)とに分割した際に、前記第2の面積(S2)に対する第1の面積(S1)の比(S1/S2)が0.8以下となる。
本発明によれば、被研磨物に欠陥が生じるのを抑制し得る。
切削速度の測定での研磨パッドにおける測定ポイントを示す図。 試験例の研磨パッドを用いて被研磨物を研磨したときの被研磨物におけるディフェクトの数を示す図。 試験例の研磨パッドを用いて被研磨物を研磨したときの被研磨物におけるヘイズレベルを示す図。 実施例及び比較例の研磨パッドの気泡径の分布曲線を示す図。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る研磨パッドは、ポリウレタン樹脂を有するポリウレタン樹脂発泡体を含む研磨パッドである。
また、本実施形態に係る研磨パッドは、研磨面を有し、該研磨面が、前記ポリウレタン樹脂発泡体の表面で構成されている。
前記ポリウレタン樹脂発泡体は、横軸を気泡径、縦軸を気泡数として描いた気泡径の分布曲線と前記横軸との間の面積(S)を、前記分布曲線のトップピーク以下の第1の面積(S1)と、前記トップピーク以上の第2の面積(S2)とに分割した際に、前記第2の面積(S2)に対する第1の面積(S1)の比(S1/S2)が0.8以下となることが重要であり、0.1~0.7であることが好ましく、0.2~0.6であることがより好ましい。
また、前記ポリウレタン樹脂発泡体は、気泡径の平均値が、好ましくは50~120μmである。
さらに、前記ポリウレタン樹脂発泡体は、気泡径の標準偏差が、好ましくは35~65μmである。
また、前記ポリウレタン樹脂発泡体は、気泡径の累積分布にて気泡数の積算が90%となる気泡径(D90)が、好ましくは230μm以下であり、より好ましくは160~220μmである。
なお、気泡径の分布曲線、気泡径の平均値、気泡径の標準偏差、及び、D90は、X線CTスキャン装置(例えば、ヤマト科学株式会社製のTDM1000H-I)を用いて、以下のようにして求めることができる。
すなわち、ポリウレタン樹脂発泡体の測定対象範囲(例えば、0.7mm×1.6mm×1.6mm)に含まれている、各気泡の体積を測定し、この体積と同じ体積の真球の直径を各気泡の直径とする。
そして、各気泡の直径から直径の算術平均値を求め、これを気泡径の平均値とする。また、各気泡の直径から直径の標準偏差を求め、これを気泡径の標準偏差とする。
また、気泡径の分布曲線は、気泡径0μmから20μm以下の間隔毎に気泡数を求め、「各間隔の気泡数」を「各間隔の上限の気泡径の気泡数」として作成された曲線である。
前記トップピークの気泡径は、好ましくは40~120μm、より好ましくは50~100μmである。
また、前記気泡径の分布曲線は、前記トップピークたる第一ピークよりも気泡径が大きい位置に第2ピーク又はショルダーを有することが好ましい。
前記第2ピーク又は前記ショルダーの気泡径は、好ましくは100~200μm、より好ましくは120~180μmである。
なお、前記第2ピークの気泡径は、気泡径の分布曲線の気泡数を気泡径で3回微分して得られる微分値が0となる箇所の気泡径である。また、前記ショルダーの気泡径は、気泡径の分布曲線の気泡数を気泡径で3回微分して得られる微分値が0となる箇所の気泡径である。
前記ポリウレタン樹脂発泡体では、気泡が、前記研磨面に垂直な断面において円形状となっている。
なお、「前記ポリウレタン樹脂発泡体では、気泡が、前記研磨面に垂直な断面において円形状となっている」とは、「前記ポリウレタン樹脂発泡体は、下記式(1)に示す気泡の長さのアスペクト比の平均値が、3/5~5/3である。」ことを意味する。
気泡の長さのアスペクト比の平均値 = 研磨面に垂直な方向の気泡の長さ/研磨面に平行した方向の気泡の長さ ・・・(1)
なお、気泡の長さのアスペクト比の平均値は、X線CTスキャン装置(例えば、ヤマト科学株式会社製のTDM1000H-I)を用いて、以下のようにして求めることができる。
すなわち、まず、研磨面に垂直な方向のポリウレタン樹脂発泡体の断面画像を撮影し、この画像において観察される気泡を無作為に100個選んで、個々の気泡について、「研磨面に垂直な方向の気泡の長さ」、及び、「研磨面に平行した方向の気泡の長さ」を求め、気泡の長さのアスペクト比を求める。
そして、これらの気泡の長さのアスペクト比を算術平均し、この算術平均値を「気泡の長さのアスペクト比の平均値」とする。
なお、断面画像の気泡の外側輪郭線上において、研磨面に垂直な方向で相互の距離が最大となる2点を選び、この2点間の距離を「研磨面に垂直な方向の気泡の長さ」とする。また、断面画像の気泡の外側輪郭線上において、研磨面に平行な方向で相互の距離が最大となる2点を選び、この2点間の距離を「研磨面に平行した方向の気泡の長さ」とする。
また、前記ポリウレタン樹脂発泡体は、45℃における貯蔵弾性率E’が、好ましくは5~20MPa、より好ましくは10~20MPaである。
さらに、前記ポリウレタン樹脂発泡体は、65℃における貯蔵弾性率E’が、好ましくは5~20MPa、より好ましくは10~20MPaである。
前記ポリウレタン樹脂発泡体は、30℃でのtanδが、0.10~0.50であることが好ましく、0.10~0.40であることがより好ましく、0.20~0.40であることが更により好ましい。
なお、30℃でのtanδは、30℃での貯蔵弾性率E’に対する30℃での損失弾性率E’’の比を意味する。
なお、貯蔵弾性率E’、及び、損失弾性率E’’は、JIS K7244-4:1999「プラスチック-動的機械特性の試験方法-第4部:引張振動-非共振法」に従い以下の条件で測定することができる。
測定温度範囲:0℃~100℃
昇温速度:5℃/min
周波数:1Hz
ひずみ:0.5%
さらに、前記ポリウレタン樹脂発泡体は、見掛け密度が、好ましくは0.30~0.45g/cmである。
なお、見掛け密度は、JIS K7222:2005に基づいて測定することができる。
前記ポリウレタン樹脂は、活性水素を含む化合物(以下、「活性水素化合物」ともいう。)の第1の構成単位と、イソシアネート基を含む化合物(以下、「イソシアネート化合物」ともいう。)の第2の構成単位とを備える。
また、前記ポリウレタン樹脂は、活性水素化合物とイソシアネート化合物とがウレタン結合して、活性水素化合物の第1の構成単位とイソシアネート化合物の第2の構成単位とが交互に繰り返した構造となっている。
前記活性水素化合物は、イソシアネート基と反応し得る活性水素基を分子内に有する有機化合物である。該活性水素基としては、具体的には、ヒドロキシ基、第1級アミノ基、第2級アミノ基、チオール基などの官能基が挙げられ、前記活性水素化合物は、分子中に該官能基を1種のみ有していてもよく、分子中に該官能基を複数種有していてもよい。
前記活性水素化合物としては、例えば、分子中に複数のヒドロキシ基を有するポリオール化合物、分子内に複数の第1級アミノ基又は第2級アミノ基を有するポリアミン化合物などを用いることができる。
前記ポリオール化合物としては、ポリオールモノマー、ポリオールポリマーが挙げられる。
前記ポリオールモノマーとしては、例えば、1,4-ベンゼンジメタノール、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール等の直鎖脂肪族グリコールが挙げられ、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール等の分岐脂肪族グリコールが挙げられ、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、水添加ビスフェノールA等の脂環族ジオールが挙げられ、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリブチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多官能ポリオールなどが挙げられる。
前記ポリオールモノマーとしては、反応時の強度がより高くなりやすく、製造された発泡ポリウレタンを含む研磨パッドの剛性がより高くなりやすく、比較的安価であるという点で、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。
前記ポリオールポリマーとしては、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
なお、ポリオールポリマーとしては、ヒドロキシ基を分子中に3以上有する多官能ポリオールポリマーも挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリヘキサメチレンアジペートグリコールなどが挙げられる。
前記ポリエステルポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリカプロラクトンポリオールなどのポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応生成物が挙げられ、また、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させて得られた反応混合物をさらに有機ジカルボン酸と反応させた反応生成物も挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレンオキサイド付加ポリプロピレンポリオールなどが挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのジオールと、ホスゲン、ジアリルカーボネート(例えばジフェニルカーボネート)又は環式カーボネート(例えばプロピレンカーボネート)との反応生成物などが挙げられる。
前記ポリオール化合物としては、その他に、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量400以下のポリエチレングリコール等も挙げられる。
前記ポリアミン化合物としては、4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン)(MOCA)、4,4’-メチレンジアニリン、トリメチレン ビス(4-アミノベンゾアート)、2-メチル4,6-ビス(メチルチオ)ベンゼン-1,3-ジアミン、2-メチル4,6-ビス(メチルチオ)-1,5-ベンゼンジアミン、2,6-ジクロロ-p-フェニレンジアミン、4,4’-メチレンビス(2,3-ジクロロアニリン)、3,5-ビス(メチルチオ)-2,4-トルエンジアミン、3,5-ビス(メチルチオ)-2,6-トルエンジアミン、3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミン、3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミン、トリメチレングリコール-ジ-p-アミノベンゾエート、1,2-ビス(2-アミノフェニルチオ)エタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタンなどが挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、ポリイソシアネート、ポリイソシアネートポリマーが挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネートが挙げられる。また、前記芳香族ジイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の変性物なども挙げられる。
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の変性物としては、例えば、カルボジイミド変性物、ウレタン変性物、アロファネート変性物、ウレア変性物、ビューレット変性物、イソシアヌレート変性物、オキサゾリドン変性物等が挙げられる。斯かる変性物としては、具体的には、例えば、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(カルボジイミド変性MDI)が挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などが挙げられる。
前記脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、メチレンビス(4,1-シクロヘキシレン)=ジイソシアネートなどが挙げられる。
前記ポリイソシアネートポリマーとしては、ポリオールと、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートの少なくとも何れかのジイソシアネートとが結合されてなるポリマー等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂発泡体の30℃でのtanδを高めるという観点から、前記ポリウレタン樹脂は、ポリプロピレングリコール(PPG)を構成単位として含むことが好ましい。
また、前記ポリウレタン樹脂は、ポリプロピレングリコール(PPG)を構成単位として含むことにより、比較的もろい構造を有することになり、その結果、研磨パッドのドレス時の切削速度が高まるという利点を有する。
さらに、本実施形態に係る研磨パッドは、前記ポリウレタン樹脂を100質量%としたときに、前記ポリウレタン樹脂の構成単位に含まれるポリプロピレングリコール(PPG)を、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40~70質量%、さらにより好ましくは50~65質量%含有する。
なお、ポリウレタン樹脂を100質量%としたときにおける、前記ポリウレタン樹脂の構成単位に含まれるポリプロピレングリコール(PPG)の含有割合は、以下のようにして求めることができる。
まず、ポリウレタン樹脂発泡体を極性溶媒(重DMF、重DMSO等)に溶かして溶解物を得る。次に、該溶解物を1H-NMRで分析することより、ポリプロピレングリコール(PPG)を定量し、前記ポリプロピレングリコール(PPG)の含有割合を求める。
また、前記ポリプロピレングリコール(PPG)の含有割合の別の求め方としては、以下の方法がある。
まず、ポリウレタン樹脂発泡体をメタノールで化学分解して分解物を得る。次に、該分解物をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)等で分画して分取し、各分取物を1H-NMR又はGC-MSで分析することより、ポリプロピレングリコール(PPG)を定量し、前記ポリプロピレングリコール(PPG)の含有割合を求める。
本実施形態に係る研磨パッドは、上記の如く構成されているが、次に、本実施形態に係る研磨パッドの製造方法について説明する。
本実施形態に係る研磨パッドの製造方法では、ポリウレタン樹脂発泡体を有する研磨パッドを製造する。
また、本実施形態に係る研磨パッドの製造方法では、末端基としてイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、水と、整泡剤とを混合することにより、プレポリマーの末端基たるイソシアネート基と、水との反応で得られたCOが気泡として分散するとともに、空気も気泡として分散した分散液を得る。
そして、分散液と、活性水素を分子内に複数含む活性水素有機化合物たる硬化剤とを混合して重合することにより、ポリウレタン樹脂発泡体を有する研磨パッドを得ることができる。
前記整泡剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、イオン性界面活性剤などが挙げられる。
本実施形態に係る研磨パッドで研磨する被研磨物としては、光学材料、半導体デバイス、ハードディスク、ガラス板、シリコンウエハなどが挙げられる。
また、本実施形態に係る研磨パッドは、仕上げ研磨、精密研磨等に好適に用いられる。
本実施形態に係る研磨パッドは、上記のように構成されているので、以下の利点を有するものである。
即ち、本実施形態に係る研磨パッドは、ポリウレタン樹脂発泡体を含む研磨パッドである。本実施形態に係る研磨パッドは、研磨面を有し、該研磨面が、前記ポリウレタン樹脂発泡体の表面で構成されている。前記ポリウレタン樹脂発泡体は、横軸を気泡径、縦軸を気泡数として描いた気泡径の分布曲線と前記横軸との間の面積(S)を、前記分布曲線のトップピーク以下の第1の面積(S1)と、前記トップピーク以上の第2の面積(S2)とに分割した際に、前記第2の面積(S2)に対する第1の面積(S1)の比(S1/S2)が0.8以下となる。
斯かる研磨パッドによれば、被研磨物に欠陥が生じるのを抑制し得る。
前記ポリウレタン樹脂発泡体は、30℃でのtanδが0.10~0.50であり、気泡径の平均値が50~120μmである。
斯かる研磨パッドでは、前記tanδが大きい(0.10以上)ことにより、研磨時の被研磨物の微細振動を抑制でき、そして、研磨時の被研磨物のダンピングを抑制できる。その結果、研磨時において、研磨パッドと被研磨物とが密着しやすくなる。
その結果、斯かる研磨パッドは、平坦性を高めることができる。
また、斯かる研磨パッドでは、気泡径の平均値が120μm以下であることにより、研磨面に存在する気泡部分に異物(研磨屑等)が詰まるのを抑制でき、その結果、気泡部分から被研磨物に付着する異物の量が抑制される。
なお、本発明に係る研磨パッドは、上記実施形態に限定されるものではない。また、本発明に係る研磨パッドは、上記した作用効果によって限定されるものでもない。さらに、本発明に係る研磨パッドは、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
次に、実施例、比較例、及び、試験例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
<試験1>
(試験例1)
下記表1に示す、プレポリマーと、整泡剤とを下記表1の配合割合で70℃下で混合することにより、空気が気泡として分散した分散液を得た。
次に、該分散液と、硬化剤とを下記表1の配合割合で混合して重合することにより、ポリウレタン樹脂発泡体たる研磨パッドを得た。
なお、下記表1、2の材料は、具体的には以下のものである。
・プレポリマー1:ポリプロピレングリコール(PPG)と、トリレンジイソシアネート(TDI)とを反応させることで得られるウレタンプレポリマー(末端基としてイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー)(NCOwt%:5.80)(タケネートL1150、三井化学社製)
・プレポリマー2:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)と、トリレンジイソシアネート(TDI)とを反応させることで得られるウレタンプレポリマー(末端基としてイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー)(NCOwt%:6.00)(タケネートL2695、三井化学社製)
・プレポリマー3:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)と、トリレンジイソシアネート(TDI)とを反応させることで得られるウレタンプレポリマー(末端基としてイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー)(NCOwt%:4.31)(タケネートL2690、三井化学社製)
・プレポリマー4:ポリプロピレングリコール(PPG)と、トリレンジイソシアネート(TDI)とを反応させることで得られるウレタンプレポリマー(末端基としてイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー)(NCOwt%:8.04)(タケネートL11080D、三井化学社製)
・プレポリマー5:下記式(2)の化合物(3量化HDI-アダクト品)(TKA-100、AGC社製)
・硬化剤:MOCA(4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン))
・整泡剤:シリコーン系界面活性剤(デコスターブB8465、エボニック社製)
・触媒1:3級アミン系触媒(トヨキャットL33、東ソー社製)
・触媒2:3級アミン系触媒(トヨキャットET、東ソー社製)
また、下記表1、2のPPGの濃度は、ポリウレタン樹脂を100質量%としたときに、前記ポリウレタン樹脂の構成単位に含まれるポリプロピレングリコール(PPG)の濃度を意味する。
Figure 0007273509000001
(試験例2~5)
下記表1に示す材料及び配合にしたこと以外は、試験例1と同様にして、ポリウレタン樹脂発泡体たる研磨パッドを得た。
(試験例6)
下記表1に示す、プレポリマー、及び、触媒を下記表1の配合割合で水とともに70℃下で混合することにより、プレポリマーの末端基たるイソシアネート基と、水との反応で得られたCOが気泡として分散した分散液を得た。
次に、該分散液と、硬化剤とを下記表1の配合割合で混合して重合することにより、ポリウレタン樹脂発泡体たる研磨パッドを得た。
(D硬度)
D硬度は、JIS K6253-1997に準拠して測定した。
具体的には、ポリウレタン発泡体を2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものを硬度測定用試料とし、該硬度測定用試料を温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境下に16時間静置した。
ここで、硬度測定用試料の厚みが6mm以上である場合には、この硬度測定用試料の硬度を硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)で測定した。
一方で、硬度測定用試料の厚みが6mm未満である場合には、硬度測定用試料を複数厚み方向に重ね合わせて、重ね合せた硬度測定用試料の合計の厚みを6mm以上にし、重ね合せた硬度測定用試料の硬度を硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)で測定した。
(見掛け密度、tanδ、E’、気泡径の平均値、及び、気泡径の標準偏差)
見掛け密度、tanδ、E’、気泡径の平均値、及び、気泡径の標準偏差については、上述した方法で測定した。
(切削速度)
試験例の研磨パッドを図1に示すようなドーナツ状に加工し(外径:240mm、内径:90mm、厚み:約2.0mm)、また、図1に示す点の位置を測定ポイント(12箇所)とし、この測定ポイントにφ約3mmの貫通孔を形成して、試験体を得た。
次に、両面テープを介して研磨装置(Ecomet2000)のプラテンに前記試験体を貼り付け、デプスゲージを用いて前記貫通孔において試験体の厚みを測定した。
そして、下記切削条件でパッドの表面を切削した。
パッドコンディショナー:AD3BI-100530-3(kinik社製のDiaGridφ4inch)
コンディション
Weight:35g/cm
プラテンスピード:50rpm
ヘッドスピード:60rpm
ドレッシング時間:30min
水の流量:100mL/min
前記切削後に、デプスゲージを用いて前記貫通孔において試験体の厚みを測定した。
そして、各ポイントの切削前後の試験体の厚みの差から、各ポイントの切削速度(μm/hr)を求め、各ポイントの切削速度から切削速度の算術平均値を求めこれを研磨パッドの切削速度(μm/hr)とした。
Figure 0007273509000002
(研磨試験1)
試験例の研磨パッドを用い、下記条件で被研磨物を研磨し、研磨後の被研磨物をSC-1(ウエハ洗浄液)によりバッチ式で洗浄し、その後枚葉式で洗浄し、そして、スピンドライで乾燥させた。
乾燥後に、被研磨物表面におけるディフェクトの数、及び、ヘイズレベルを求めた。
なお、ディフェクトとは、異物などの表面欠陥を意味し、ディフェクトの数が小さいほど、被研磨物に付着した異物が少ないことを意味する。また、ヘイズは、表面曇りを意味し、ヘイズレベルが小さいほど、被研磨物の表面の平坦性が高いことを意味する。
また、ディフェクトの数、及び、ヘイズレベルは、以下の方法で求めた。
また、研磨パッド毎に、10枚の被研磨物を研磨し、被研磨物ごとのディフェクトの数、及び、ヘイズレベルを測定した。
結果を図2、3に示す。
<研磨条件>
被研磨物:シリコンベアウエハ(厚み:約760μm)
研磨機:ポリッシングマシンPNX332B、岡本工作機械製作所社製
ヘッドタイプ:セラミックス
スラリーの流量:600mL/min
スラリータイプ:RDS8-A13x31
研磨時間:2min
ウエハ圧力:80g/cm
ヘッドスピード:29rpm
プラテンスピード:30rpm
<ディフェクトの数の測定>
ディフェクトの数(図2の「MAGICS Defect」)は、ウエハ欠陥検査/レビュー装置(MGICS M5640、レーザーテック社製)を用いて測定した。
なお、長さが190μm以上であるディフェクトのみを検出した。
<ヘイズレベルの測定>
ヘイズレベル(図3の「Haze」)は、ウエハ表面検査装置(LS6600、日立電子エンジニアリング株式会社製)を用いて測定した。
図2に示すように、試験例1~4の研磨パッドを用いた場合、気泡径の平均値が129μmである試験例6の研磨パッドを用いた場合に比べて、ディフェクトの数が少なかった。
また、図3に示すように、試験例1~4の研磨パッドを用いた場合、30℃でのtanδが0.079である試験例5の研磨パッドを用いた場合に比べて、ヘイズレベルが小さかった。
<試験2>
(実施例1~4)
下記表2に示す、プレポリマー、整泡剤、及び、触媒を下記表2の配合割合で水とともに70℃下で混合することにより、プレポリマーの末端基たるイソシアネート基と、水との反応で得られたCOが気泡として分散するとともに、空気も気泡として分散した分散液を得た。
次に、該分散液と、硬化剤とを下記表2の配合割合で混合して重合することにより、ポリウレタン樹脂発泡体たる研磨パッドを得た。
(比較例1、2)
試験例1、6と同様にして得た研磨パッドをそれぞれ比較例1、2の研磨パッドとした。
(A硬度)
A硬度は、JIS K6253-1997に準拠して測定した。
具体的には、ポリウレタン発泡体を2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものを硬度測定用試料とし、該硬度測定用試料を温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境下に16時間静置した。
ここで、硬度測定用試料の厚みが6mm以上である場合には、この硬度測定用試料の硬度を硬度計(高分子計器社製、アスカーA型硬度計)で測定した。
一方で、硬度測定用試料の厚みが6mm未満である場合には、硬度測定用試料を複数厚み方向に重ね合わせて、重ね合せた硬度測定用試料の合計の厚みを6mm以上にし、重ね合せた硬度測定用試料の硬度を硬度計(高分子計器社製、アスカーA型硬度計)で測定した。
(見掛け密度、tanδ、E’、気泡径の平均値、気泡径の標準偏差、D90、気泡径の分布曲線、S1/S2、及び、切削速度)
見掛け密度、tanδ、E’、気泡径の平均値、気泡径の標準偏差、D90、気泡径の分布曲線、S1/S2、及び、切削速度については、上述した方法で測定した。
(研磨試験2)
前記研磨試験1と同様に被研磨物たるウエハを研磨した。
そして、ウエハのPID数(個/ウエハ)を測定した。
PID数は、日立ハイテクノロジーズ社製のウエハ表面検査装置(機種名:LS6600)を用いて測定した。
気泡径の分布曲線を図4に示す。
また、測定値を下記表2に示す。
Figure 0007273509000003
表2に示すように、実施例1~4の研磨パッドを用いた場合、S1/S2が1.03である比較例1、S1/S2が1.05である比較例2の研磨パッドを用いた場合に比べて、PID数が小さかった。

Claims (4)

  1. ポリウレタン樹脂発泡体を含む研磨パッドであって、
    研磨面を有し、
    該研磨面が、前記ポリウレタン樹脂発泡体の表面で構成され、
    前記ポリウレタン樹脂発泡体は、ポリプロピレングリコールとトリレンジイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマーであって、前記ウレタンプレポリマーを100質量%としたときに、前記ウレタンプレポリマーの構成単位は、前記ポリプロピレングリコールを50~65質量%含有し、末端としてイソシアネート基を5.8質量%の含有率で有するウレタンプレポリマーと、硬化剤としての4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン)と、整泡剤としてのシリコーン系界面活性剤と、触媒としての3級アミンとを用いることにより得られるポリウレタン樹脂発泡体を含み、かつ、横軸を気泡径、縦軸を気泡数として描いた気泡径の分布曲線と前記横軸との間の面積(S)を、前記分布曲線のトップピーク以下の第1の面積(S1)と、前記トップピーク以上の第2の面積(S2)とに分割した際に、前記第2の面積(S2)に対する第1の面積(S1)の比(S1/S2)が0.8以下とな
    前記気泡径の分布曲線は、前記トップピークたる第1ピークよりも気泡径が大きい位置に第2ピークまたはショルダーを有し、
    前記トップピークの気泡径は、40~120μmである
    研磨パッド。
  2. 前記ポリウレタン樹脂発泡体は、見掛け密度が0.30~0.45g/cmである、請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記ポリウレタン樹脂発泡体は、45℃における貯蔵弾性率E’が5~20MPaである、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
  4. 前記ポリウレタン樹脂発泡体は、65℃における貯蔵弾性率E’が5~20MPaである、請求項1~3の何れか1項に記載の研磨パッド。
JP2018247569A 2018-12-28 2018-12-28 研磨パッド Active JP7273509B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018247569A JP7273509B2 (ja) 2018-12-28 2018-12-28 研磨パッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018247569A JP7273509B2 (ja) 2018-12-28 2018-12-28 研磨パッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020104235A JP2020104235A (ja) 2020-07-09
JP7273509B2 true JP7273509B2 (ja) 2023-05-15

Family

ID=71447788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018247569A Active JP7273509B2 (ja) 2018-12-28 2018-12-28 研磨パッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7273509B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115702260A (zh) 2020-06-17 2023-02-14 日本制铁株式会社 电磁钢板用涂布组合物、电磁钢板、层叠铁芯以及旋转电机
JPWO2022201254A1 (ja) * 2021-03-22 2022-09-29

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010274362A (ja) 2009-05-28 2010-12-09 Nitta Haas Inc 発泡ポリウレタンの製造方法および研磨パッドの製造方法
JP2014128839A (ja) 2012-12-28 2014-07-10 Nitta Haas Inc 研磨パッド

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010274362A (ja) 2009-05-28 2010-12-09 Nitta Haas Inc 発泡ポリウレタンの製造方法および研磨パッドの製造方法
JP2014128839A (ja) 2012-12-28 2014-07-10 Nitta Haas Inc 研磨パッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020104235A (ja) 2020-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI642694B (zh) 硏磨墊及其製造方法
US7874894B2 (en) Polishing pad
TWI404736B (zh) Polishing pad and manufacturing method thereof
US20100317263A1 (en) Polishing pad
CN111542415B (zh) 研磨垫
JP7273509B2 (ja) 研磨パッド
TW201800480A (zh) 高分子體、研磨墊、及高分子體之製造方法
JP7292215B2 (ja) 研磨パッド
JP7198662B2 (ja) 研磨パッド
TWI745432B (zh) 研磨墊
JP2017185563A (ja) 研磨パッド
JP7099827B2 (ja) 研磨パッド
JP7513397B2 (ja) 研磨パッド
TW202144123A (zh) 研磨墊
JP2021112801A (ja) 研磨パッド
JP7436776B2 (ja) 研磨パッドの製造方法
JP5274189B2 (ja) 研磨パッド用研磨シートの選別方法
JP2021112808A (ja) 研磨パッド
JP2022098103A (ja) 研磨パッド
JP2017064891A (ja) 研磨パッド
JP2021109277A (ja) 研磨パッド
JP2022098805A (ja) 研磨パッド
JP2022109033A (ja) 終点検出用窓を備える研磨層を含む研磨パッド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221104

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20221227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7273509

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150